| 【発明の名称】 |
綴じ具 |
| 【発明者】 |
【氏名】小池 誠一 【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】可動側綴じ部材の回転操作をスムースに行うことができ、複数の可動側綴じ部材の綴じ込み力を十分に確保することができるようにすること。
【解決手段】長手方向に延びるベース17と、このベース17に回転可能に支持された複数の可動側綴じ部材18と、ベース17に設けられた固定側綴じ部材19と、ベース17に保持されたスライド部材20とを備えて綴じ具15が構成されている。ベース17内には、可動側綴じ部材18を支持する回転軸32が配置されている。回転軸32とスライド部材20との間には、複数のガイド機構39が設けられている。可動側綴じ部材18は、スライド部材20をスライドさせたときのガイド機構39における位置変化に応じて綴じ込み位置と開放位置との間で回転可能に設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向に延びるベースと、このベースの短寸幅方向一端側に回転可能に支持された可動側綴じ部材と、ベースの短寸幅方向他端側に設けられた固定側綴じ部材と、ベースに保持されるとともに、前記可動側綴じ部材を綴じ込み位置と開放位置との間で回転させるスライド部材とを備え、前記ベース内に配置されて前記可動側綴じ部材を支持する回転軸と、この回転軸と前記スライド部材との間に設けられた複数のガイド機構とを含み、前記スライド部材のスライドにより、前記ガイド機構における位置変化に応じて前記可動側綴じ部材が回転可能に設けられていることを特徴とする綴じ具。 【請求項2】 前記ガイド機構は、前記回転軸の軸方向に沿って略等間隔毎に配置されていることを特徴とする請求項1記載の綴じ具。 【請求項3】 前記ガイド機構は、回転軸の軸方向に沿って相互に隣り合う二本の可動側綴じ部材に対して一つずつ設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の綴じ具。 【請求項4】 前記ガイド機構は、回転軸の径方向に延びる複数の突起と、この突起を受容可能に設けられるとともに、前記突起を上下移動させて回転軸を回転させる傾斜溝とを備えていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の綴じ具。 【請求項5】 前記ベースは、各可動側綴じ部材を貫通する複数の穴を備え、当該穴を通って各可動側綴じ部材の基部領域が貫通していることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の綴じ具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、綴じ具に係り、更に詳しくは、可動側綴じ部材の操作を容易に行うことができる綴じ具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、ファイル、バインダー等においては、表紙の内面側に綴じ具が設けられている。この種の綴じ具としては、長手方向に延びるベースと、このベースの短寸幅方向一端側に回転可能に設けられた複数の可動側綴じ部材と、ベース内に位置するスライド部材と、常時は可動側綴じ足を開放する方向に力を付与するばねとを備えたタイプのものが知られている。このタイプの綴じ具は、可動側綴じ部材の先端側をベースに設けられた穴に引っ掛けることで綴じ込み姿勢を確保できる一方、スライド部材をスライドさせることで前記引っ掛けを解除し、前記ばねの力によって可動側綴じ部材を開放可能とする構成が存在する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような綴じ具の構成にあっては、スライド部材をスライドしたときに、可動側綴じ部材がばねの力によって勢いよく回転し、綴じ込まれている書類の一部が脱落し易いという不都合の他、前記回転により可動側綴じ部材と表紙内側が接触して接触音を発生してしまうという不都合を生じる。また、可動側綴じ部材の前記引っ掛け位置は、当該引っ掛けを解除するスライド部材の動作抵抗の軽減を図るため、ベースの長手方向両側に位置する穴のみとなる場合が多い。このため、前記長手方向中央部の綴じ込み力が相対的に弱くなって可動側綴じ部材がぐらつき易くなり、全ての可動側綴じ部材の綴じ込み力を均一に確保することが困難になるという不都合もある。 【0004】 【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、可動側綴じ部材の回転操作をスムースに行うことができ、複数の可動側綴じ部材の綴じ込み力を均一に確保することができる綴じ具を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、長手方向に延びるベースと、このベースの短寸幅方向一端側に回転可能に支持された可動側綴じ部材と、ベースの短寸幅方向他端側に設けられた固定側綴じ部材と、ベースに保持されるとともに、前記可動側綴じ部材を綴じ込み位置と開放位置との間で回転させるスライド部材とを備え、前記ベース内に配置されて前記可動側綴じ部材を支持する回転軸と、この回転軸と前記スライド部材との間に設けられた複数のガイド機構とを含み、前記スライド部材のスライドにより、前記ガイド機構における位置変化に応じて前記可動側綴じ部材が回転可能に設けられる、という構成を採っている。このような構成によれば、スライド部材の移動量に対応して可動側綴じ部材を回転させることができる。これにより、可動側綴じ部材が勢いよく回転することを効果的に防止することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明におけるガイド機構は、前記回転軸の軸方向に沿って略等間隔毎に配置される、という構成を採ることが好ましい。これによれば、スライド部材をスライドしたときに、各ガイド機構に加わる負荷を軽減若しくは分散することができ、スライド部材の操作をスムースに行うことが可能となる。 【0007】また、前記ガイド機構は、回転軸の軸方向に沿って相互に隣り合う二本の可動側綴じ部材に対して一つずつ設けられる、という構成も採用することができる。このような構成を採れば、前述と同様の効果を得ることができる他、各可動側綴じ部材による綴じ込み力を略均一に維持することができ、綴じ込み姿勢を安定的に保つことが可能となる。 【0008】更に、前記ガイド機構は、回転軸の径方向に延びる複数の突起と、この突起を受容可能に設けられるとともに、前記突起を上下移動させて回転軸を回転させる傾斜溝とを備える、という構成を採ることができる。このような構成によれば、簡易な構成によりガイド機構による綴じ込み力を確保することができる他、ばね等を用いることなく傾斜溝をガイド面として無理なく回転軸ひいては可動側綴じ部材を回転させることが可能となる。 【0009】また、前記ベースは、各可動側綴じ部材を貫通する複数の穴を備え、当該穴を通って各可動側綴じ部材の基部領域が貫通する、という構成も採用される。このような構成では、回転軸がベースの内側に位置するので、回転軸をベースにしっかりと支持させることができ、可動側綴じ部材がベースから脱落することもない。 【0010】 【実施例】以下、本発明に係る綴じ具の実施例を図面を参照しながら説明する。 【0011】図1には本実施例に係る綴じ具が適用されたファイルの要部概略構成図が示されている。この図において、ファイル10は、中間に背表紙11を介して連なる表表紙12及び裏表紙13と、背表紙11の内面に取り付けられた綴じ具15とを備えて構成されている。 【0012】前記綴じ具15は、図2ないし図4にも示されるように、背表紙11に取り付けられて当該背表紙11の長手方向に延びるベース17と、このベース17の短寸幅方向一端側(図3中左端側)に回転可能に支持された複数の可動側綴じ部材18と、ベース17の短寸幅方向他端側(同図中右端側)における上面領域から略円弧状に延びるとともに、各可動側綴じ部材18に対応する位置にそれぞれ設けられた複数の固定側綴じ部材19と、ベース17の裏面側に保持されたスライド部材20とを備えて構成されている。ここで、可動側綴じ部材18及び固定側綴じ部材19の本数は、本実施例では、標準規格B5サイズのルーズリーフの綴じ穴に対応して26本ずつとしたが、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、A4サイズのルーズリーフに対応すべく30本等としてもよい。 【0013】前記ベース17は、図5ないし図9にも示されるように、背表紙11の上下(長手)方向長さよりも僅かに短い長片状に設けられるとともに、裏面側に下向きコ字状の隙間を形成する凹部22を備えたベース本体23と、このベース本体23の図6(A)中左端側に沿って設けられるとともに、各可動側綴じ部材18を貫通する複数の穴24と、これら穴24の図8中下側における凹部22の内方に突出するとともに、後述する回転軸を支持可能に設けられた複数の軸受部25と、ベース本体23を背表紙11に固定するためのリベット27(図4参照)を挿入可能な三個の筒状部28と、ベース本体23の裏面側であって当該ベース本体23の図8中右側端から所定間隔を隔てた内方位置に設けられた垂下壁29と、ベース本体23の長手方向一端側(図6(A)中下端側)に設けられた平面視下向き凹状をなす切欠部30とを備えて構成されている。前記各穴24は、図8に示されるように、ベース本体23の上面から左側面に亘るコーナー領域に形成され、可動側綴じ部材18を回転したときに、当該可動側綴じ部材18と干渉しないようになっている。 【0014】前記各可動側綴じ部材18は、綴じ込み位置としたときに、前記各穴24を貫通し、ベース17の上面より上方に向かって略円弧状に延びるとともに、固定側綴じ部材19と相互に組み合ってベース17と共に閉ループを形成可能に設けられている。各可動側綴じ部材18の基端側は、図10ないし図12に示されるように、回転軸32を介してそれぞれ連結されており、当該回転軸32は、前記凹部22内の各軸受部25上に位置して各可動側綴じ部材18をベース17で脱落不能に支持するようになっている。 【0015】前記可動側綴じ部材18及び固定側綴じ部材19は、図8及び図12に示されるように、それぞれの先端部に正面視略逆三角形状をなす半割り状の切欠面33,34を備えている。これら切欠面33,34は、図6(A)及び図10(A)に示されるように、ベース17の長手方向に沿って隣り合う各綴じ部材18,19の切欠面33,34と当該長手方向に対する向きが逆向きとなるように設けられ、可動側綴じ部材18を綴じ込み位置としたときに、切欠面33,34が相対して面接触するようになっている。また、各切欠面33,34は、各綴じ部材18,19の先端側に設けられた窪み部33A,34Aと、この窪み部33A,34Aに隣接する位置に設けられるとともに、相対する切欠面33,34の窪み部33A,34A内に受容される膨出部33B,34Bとを備え、これにより、可動側綴じ部材18と固定側綴じ部材19が閉ループを形成する閉塞状態にあるときの相互密着度が高められ、且つ、書類の不用意なる抜け出しが回避されるようになっている。 【0016】前記スライド部材20は、図13に示されるように、ベース本体23の凹部22内における垂下壁29と回転軸32との間(図5参照)に位置するとともに、ベース17の長さより若干短く形成された角柱状のスライダ本体35と、このスライダ本体35の長手方向一端側に連なるとともに、各綴じ部材18,19の閉塞状態で前記切欠部30内に位置する側面視L字状をなす操作片部37と、前記各筒状部28に対応する位置にそれぞれ設けられるとともに、各筒状部28を貫通する三つの受容部38とを備えて構成されている。各受容部38のうち、スライダ本体35の図13(A)中下端側及び中央部に位置する受容部38は、スライダ本体35の延出方向に延びるスロット穴状に設けられている一方、同図中上端側の受容部38は、当該上端を深く切り欠いたような形状に設けられ、これにより、操作片部37を切欠部30よりも外側にスライドできるようになっている。ここで、スライド部材20と回転軸32との間には、当該回転軸32の軸方向に沿って略等間隔毎に複数のガイド機構39が設けられている。 【0017】前記各ガイド機構39は、図12及び図13に示されるように、回転軸32の外周面に連なって当該回転軸32の径方向に沿って延びるとともに、先細形状をなす複数の突起41と、スライダ本体35の回転軸32側(図13(A)中左側)の側面に形成されるとともに、前記各突起41を受容可能にそれぞれ設けられた溝状部42とを備えている。突起41は、回転軸32の軸方向に沿って略等間隔毎に配置され、当該軸方向に沿って相互に隣り合う二本の可動側綴じ部材18に対して一つずつ設けられている。また、各溝状部42は、図13及び図14に示されるように、操作片部37側に向かうに従って高さ位置が次第に低くなる傾斜溝43と、この傾斜溝43の延出方向両側に連なってスライダ本体35の上面側及び下面側を開放する一対の水平溝44,44とを備えて構成されている。傾斜溝43及び水平溝44は、突起41の先端形状に沿う内周面を備えている。 【0018】次に、本実施例に係る綴じ具15の組み立て方法及び使用方法について説明する。 【0019】先ず、ベース17の裏面側から各穴24に可動側綴じ部材18を通して当該可動側綴じ部材18の基部領域を貫通させ、回転軸32を各軸受部25上に乗せる。次いで、ガイド機構39の各突起41を溝状部42に受容させ、各筒状部28を受容部38に挿入しながらスライダ本体35を凹部22内に配置する。そして、この状態を維持したまま、綴じ具15を背表紙11の内面上に配置し、リベット27を介してベース17を背表紙11に取り付けることにより、スライド部材20が脱落不能に保持されることとなる。 【0020】このようにして各部材が組み合わせた状態で、図4に示されるように、スライド部材20の操作片部37を切欠部30内に位置させたときに、可動側綴じ部材18及び固定側綴じ部材19の各切欠面33,34が面接触して閉ループを形成し、各可動側綴じ部材18が綴じ込み位置となる。この際、可動側綴じ部材18に外力が付与された場合であっても、ガイド機構39の溝状部42の作用により突起41の移動が規制され、可動側綴じ部材18が不用意に回転することはない。 【0021】ここで、各可動側綴じ部材18を綴じ込み位置から開放位置に回転させる場合には、操作片部37を外側(図4中下側)に引き出すようにスライドさせればよい。この際、図15ないし図18に示されるように、スライド部材20の移動量に応じて各突起41が傾斜溝43に案内されて次第に上方に移動した後、図17中上部側の水平溝44に位置することとなり、この突起41の位置変化に応じて回転軸32が回転して各可動側綴じ部材18が外側に回転することとなる。 【0022】この一方、再び各可動側綴じ部材18を綴じ込み位置とする場合には、操作片部37を切欠部30内に押し込む方向にスライドさせればよい。これにより、各突起41が溝状部42に沿って次第に下方に移動し、これに応じて回転軸32を回転させて可動側綴じ部材18が内側に回転する。 【0023】従って、このような実施例によれば、複数のガイド機構39を略等間隔毎に設けたから、可動側綴じ部材18の回転時に、回転軸32やスライド部材20の特定の部位に集中的に負荷が生じることを抑制することができる。これにより、各部材の変形等の発生が防止され、綴じ具15全体の耐久性を向上させることが可能となる。また、可動側綴じ部材18及び固定側綴じ部材19の先端に切欠面33,34をそれぞれ設けたから、当該先端が先細形状となって書類の綴じ穴を各綴じ部材18,19に容易に挿入させることができる他、切欠面33,34が相互に面接触するので、綴じ込まれた書類の不用意な脱落を効果的に防止することが可能となる。 【0024】なお、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、スライド部材20の移動量若しくは操作量に応じた分だけ可動側綴じ部材18を回転させることができる構成であれば足り、その他の構成部分については、任意に設計変更することができる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、本発明における可動側綴じ部材は、スライド部材をスライドさせたときのガイド機構における位置変化に応じて回転可能に設けられているから、従来例に示されるようなばね等の力により可動側綴じ部材が勢いよく回転することを防止することができ、スライド部材の移動量に対応して可動側綴じ部材をスムースに回転させることが可能となる。 【0026】また、ガイド機構を回転軸の軸方向に沿って略等間隔に配置したから、スライド部材のスライド時における各ガイド機構に加わる負荷を少なくすることができ、スライド部材のスライドをスムースに行うことが可能となる。 【0027】更に、ガイド機構は、回転軸の軸方向に沿って相互に隣り合う二本の可動側綴じ部材に対して一つずつ設けられているから、各可動側綴じ部材による綴じ込み力を略均一に維持することができ、綴じ込み姿勢を安定的に保つことが可能となる。 【0028】また、ガイド機構は、回転軸の径方向に延びる複数の突起を上下移動させて回転軸を回転させる傾斜溝を備えているから、スライド部材のスライドにより、傾斜溝に沿って突起が移動するので、ばね等を用いることなく可動側綴じ部材をスムースに回転させることが可能となる。 【0029】更に、ベースは、各可動側綴じ部材を貫通する複数の穴を備え、当該穴を通って各可動側綴じ部材の基部領域を貫通するから、回転軸がベースの内側に位置することとなり、可動側綴じ部材のベースからの脱落を確実に防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001351 【氏名又は名称】コクヨ株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
|
| 【出願日】 |
平成14年1月29日(2002.1.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101188 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 義雄
|
| 【公開番号】 |
特開2003−211886(P2003−211886A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−19444(P2002−19444) |
|