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【発明の名称】 綴じ具
【発明者】 【氏名】岩津 博文
【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内

【要約】 【課題】書類の綴じ穴を第1及び第2の綴じ部材に容易に挿入することができ、また、第1及び第2の綴じ部材の回転をスムースに行うことができるようにすること。

【解決手段】表紙体14に取り付けられるベース18に回転可能に支持された一対の第1の綴じ部材19,19と、ベース18に回転可能に支持されるとともに、各第1の綴じ部材19,19の先端に係り合って閉ループを形成する一対の第2の綴じ部材20,20と、これら綴じ部材19,20を連動して回転させる連動機構21とを備えて綴じ具15が構成されている。連動機構21は、ベース18と表紙体14との間に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の表紙体に取り付けられるベースに回転可能に支持された一対の第1の綴じ部材と、ベースに回転可能に支持されるとともに、前記各第1の綴じ部材の先端側に係り合って閉ループを形成する一対の第2の綴じ部材と、これら綴じ部材を連動して回転させる連動機構とを備えた綴じ具において、前記連動機構は、前記ベースと表紙体との間に配置されていることを特徴とする綴じ具。
【請求項2】 前記連動機構は、第1の綴じ部材の基部間に位置する第1の連結部と、第2の綴じ部材の基部間に位置する第2の連結部と、これら第1及び第2の連結部間に設けられて相互に噛み合うギヤとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の綴じ具。
【請求項3】 前記ベースの側面には、各綴じ部材の回転角度を大きくする切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の綴じ具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、綴じ具に係り、更に詳しくは、閉ループを形成する第1及び第2の綴じ部材が連動して前記閉ループの形成及び解除を行うことのできる綴じ具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、綴じ穴を備えた書類を綴じ込む綴じ具としては、図8〜図10に示されるタイプのものが存在する。この綴じ具50は、板状に延びるベース51と、このベース51の上面側に設けられるとともに、ベース51の図9中右端側に軸受部52を介して支持された第1の回転板53と、ベース51の同図中左端側にヒンジ部55を介して支持された第2の回転板56と、第1の回転板53の上面側に設けられた一対の第1の綴じ部材57,57と、第2の回転板56の上面側に設けられるとともに、第1の綴じ部材57,57の各先端側に係り合って閉ループを形成する一対の第2の綴じ部材59,59とを備えて構成されている。
【0003】前記第1及び第2の回転板53,56の突き合せ端部53A,56A間には、各回転板53,56を連動して回転させる連動機構61が設けられている。連動機構61は、図9及び図10に示されるように、第1の回転板53に設けられて図9中左右方向に延びるスロット穴62と、第2の回転板56に設けられるとともに、前記スロット穴62内でスライド可能な突起63とを備えて構成されている。ここで、図9に示される状態から、第1及び第2の綴じ部材57,59の係り合いを解除した場合、軸受部52に設けられたばね64によって第1の回転板53が回転するとともに、スロット穴62内で突起63がスライドしながら持ち上げられて第2の回転板56も同時に回転し、各綴じ部材57,59による閉ループが解除される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記綴じ具50の構成にあっては、図10に示されるように、前記閉ループを解除したときに、第1及び第2の回転板53,56が断面視山状に盛り上がった外形を呈することとなる。これがため、第1及び第2の綴じ部材57,59の先端と各回転板53,56との距離が狭くなり、書類の加除作業に支障が生じるという不都合を生じる。また、突起63がスロット穴62内をスライド移動するため、これらの間に摩擦が生じ、これにより、各回転板53,56の動作抵抗となって取扱性を損なうばかりでなく、突起63及びスロット穴62が経時的に摩耗してしまうという不都合も招来する。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、書類の綴じ穴を第1及び第2の綴じ部材に容易に挿入することができ、また、第1及び第2の綴じ部材の回転をスムースに行うことができる綴じ具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、所定の表紙体に取り付けられるベースに回転可能に支持された一対の第1の綴じ部材と、ベースに回転可能に支持されるとともに、前記各第1の綴じ部材の先端側に係り合って閉ループを形成する一対の第2の綴じ部材と、これら綴じ部材を連動して回転させる連動機構とを備えた綴じ具において、前記連動機構は、前記ベースと表紙体との間に配置される、という構成を採っている。このような構成によれば、前記閉ループの形成及び解除によってベースの上面領域が変形しないため、従来例に示される回転板のような綴じ込み空間が狭くなるような不都合を確実に回避することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、前記連動機構は、第1の綴じ部材の基部間に位置する第1の連結部と、第2の綴じ部材の基部間に位置する第2の連結部と、これら第1及び第2の連結部間に設けられて相互に噛み合うギヤとを備えて構成される、という構成を採ることが好ましい。このような構成によれば、ギヤによって第1及び第2の綴じ部材が連動して回転するため、当該回転時における連動機構の摩擦等の抵抗を少なくして回転操作をスムースに行うことができる。
【0008】また、前記ベースの側面には、各綴じ部材の回転角度を大きくする切欠部が設けられる、という構成も採用することができる。このような構成を採れば、第1及び第2の綴じ部材における先端間の距離を長く確保することができ、これによっても、綴じ穴を各綴じ部材に挿入し易くすることが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0010】図1には、本実施例に係る綴じ具がファイルに適用された場合の要部概略斜視図が示されている。この図において、ファイル10は、中間に背表紙11を介して連なる表表紙12及び裏表紙13を備えた表紙体14と、背表紙11の内面に装着された綴じ具15とを備えて構成されている。
【0011】前記綴じ具15は、図2及び図3にも示されるように、背表紙11の上下(長手)方向に延びるとともに、当該背表紙11の内面にリベット17,17を介して取り付けられたベース18と、このベース18の裏表紙13側(図3中右側)の端部にそれぞれ支持された一対の第1の綴じ部材19,19と、ベース18の表表紙12側(図3中左側)の端部にそれぞれ支持されるとともに、第1の綴じ部材19,19の各先端側に係り合ってベース18と共に閉ループを形成する一対の第2の綴じ部材20,20と、ベース18と背表紙11との間に設けられた連動機構21とを備えて構成されている。ここで、綴じ具15を構成する各部材は、ステンレス等の金属材を用いて構成されている。
【0012】前記ベース18は、図4にも示されるように、下部開放型の略箱状に形成されている。具体的には、前記リベット17用の貫通穴23を備えた平面視略三角形状となる一対の取付面部24,24と、これら取付面部24,24に連なって起立する一対の起立面部25,25と、当該起立面部25,25の上端間に連なる平面部26と、各起立面部25,25及び平面部26の図3中左右両端側に連なる一対の側面部28,28と、第1及び第2の綴じ部材19,20を通過させるスロット穴状の四つの切欠部29とを備えて構成されている。各切欠部29は、図2に示されるように、平面部26の短寸幅方向における両側から側面部28の下端近傍位置に亘って形成されており、これにより、第1及び第2の綴じ部材19,20の回転角度が大きく確保されることとなる。
【0013】前記第1及び第2の綴じ部材19,20は、図5及び図6に示されるように、正面視略半円弧状にそれぞれ設けられるとともに、各綴じ部材19,20の先端側間に設けられた係り合い部31を介して前記閉ループを形成及び解除可能に設けられている。係り合い部31は、図3に示されるように、第1の綴じ部材19の先端側に形成された外向き鈎状部32と、第2の綴じ部材20の先端側に形成されて前記外向き鈎状部32に係り合い可能な内向き鈎状部33とにより構成されている。係り合い部31は、第1の綴じ部材19,19の先端側を図3中矢印P方向に摘んだときに、第1の綴じ部材19,19の各先端側が第2の綴じ部材20,20に干渉することなく、且つ、第1の綴じ部材19,19の形状自体を保有した状態で、相互に接近する方向に移動可能に設けられている。
【0014】前記連動機構21は、図4及び図7(A)〜(C)にも示されるように、ベース18内に位置するとともに、第1の綴じ部材19,19の各基端側を相互に連結する第1の連結部35と、第2の綴じ部材19,20の各基端側を相互に連結する第2の連結部36と、平面部26の下面中央領域に溶接等によって取り付けられるとともに、第1及び第2の連結部35,36を支持する二つの穴38を備えた一対の支持面部39,39と、これら支持面部39,39の図4中左右両端間を連結する一対の補強面部41,41と、各連結部35,36にそれぞれ装着されて支持面部39,39間に位置する一対のギヤ42,42とを備えて構成されている。第1及び第2の連結部35,36は、各支持面部39,39に回転可能に支持されており、これにより、第1及び第2の綴じ部材19,20は閉ループ形成方向に沿って回転可能となる。また、各ギヤ42,42は、図7(A)に示されるように、相互に噛み合うように設けられており、これにより、第1及び第2の綴じ部材19,20の何れか一方を回転操作することで何れか他方の綴じ部材19,20も連動して回転するようになっている。
【0015】前記第1の連結部35における第1の綴じ部材19,19の各基端側(図4中上下両側)には、弱め部43,43がそれぞれ設けられている。各弱め部43,43は、第1の連結部35の延出方向に延びるとともに、略水平面上に位置する板状(図7(B)参照)に設けられている。また、各弱め部43,43は、第1の綴じ部材19,19の各先端側を相互に接近させたときに、一時的且つ弾性的に撓み変形して前記接近操作を無理なく行えるようになっている。
【0016】前記第2の連結部36には、コイルばね44が外装されている。このコイルばね44の一端側は、支持面部39に設けられた片部材45により保持され、他端側は、連結部36の中央部の穴36A(図4参照)に挿入されており、常時は、第1及び第2の綴じ部材19,20が閉ループを解除する方向の力を第2の連結部36に付与するように設定されている。
【0017】以上の構成において、図3に示される状態から第1及び第2の綴じ部材19,20の閉ループを解除する場合、第1の綴じ部材19,19の各先端側に、例えば親指と人差し指を跨ぐように掛けて、両指を相互に接近させる方向(図3中矢印P方向)に力を付与して係り合い部31,31を解除すればよい。これにより、コイルばね44のばね力が作用して第2の連結部36が回転するとともに、ギヤ42,42を介して第1の連結部35も連動して回転し、第1及び第2の綴じ部材19,20が前記閉ループを解除する方向に同期して回転することとなる。
【0018】この一方、第1及び第2の綴じ部材19,20により閉ループを形成する場合は、コイルばね44のばね力に抗して第1及び第2の綴じ部材19,20の各一つの先端側を相互に接近させる方向に回転させればよい。これにより、各係り合い部31,31における外向き鈎状部32及び内向き鈎状部33が相互に滑りながら突き合わされ、最終的にこれらが係り合って閉ループが形成される。
【0019】従って、このような実施例によれば、連動機構21をベース18の下面側に設けたから、ベース18の上面側が変形することなく、第1及び第2の綴じ部材19,20による閉ループの形成及び解除を行うことができる。また、ギヤ42,42を用いることによって各第1及び第2の綴じ部材19,20を回転可能な構成としたから、第1及び第2の綴じ部材19,20の回転角度を略同一に保ちながら連動して回転させることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、第1及び第2の綴じ部材を連動して回転させる連動機構をベースと表紙体との間に配置したから、従来例に示されるような圧迫感を与えるという不都合を解消することができ、書類の加除作業をスムースに行うことができる。
【0021】また、連結機構は、第1及び第2の連結部間に設けられたギヤを備えて構成されているから、第1及び第2の綴じ部材の回転時における摩擦等を極力少なくして閉ループの形成及び解除をスムースに行うことが可能となる。
【0022】更に、ベースの側面に切欠部を設けた場合には、前記閉ループを解除したときに、第1及び第2の綴じ部材1の先端間の距離が長くなり、書類の綴じ込みをスムースに行うことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
【出願日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【代理人】 【識別番号】100101188
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 義雄
【公開番号】 特開2003−145979(P2003−145979A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−344130(P2001−344130)