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【発明の名称】 隠蔽性情報記録媒体およびその製造方法
【発明者】 【氏名】鴫原 政夫
【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号 株式会社トーキン内

【要約】 【課題】固有情報に対するセキュリティ機能を向上させた安全性の高い隠蔽性情報記録媒体及びその製造方法を得る。

【解決手段】カードの基体における少なくとも一方の面に、主として文字記号を印刷した印刷層と、固有情報を印字する昇華インク層を備えた隠蔽性情報記録媒体において、前記固有情報を印字する昇華インク層での固有情報記録層を設けた部分に、剥離が可能な印字層を設けた隠蔽性情報記録媒体とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カードの基体における少なくとも一方の面に、主として文字記号を印刷した印刷層と、固有情報を印字する昇華インク層を備えた隠蔽性情報記録媒体において、前記固有情報を印字する昇華インク層での固有情報記録層を設けた部分に、剥離が可能な印字層を設けたことを特徴とする隠蔽性情報記録媒体。
【請求項2】 前記隠蔽性情報記録媒体において、前記昇華インク層は、昇華印字方式のプリンタを用いて絵柄等を印字して作製されたことを特徴とする請求項1に記載の隠蔽性情報記録媒体。
【請求項3】 前記隠蔽性情報記録媒体において、前記固有情報記録層は、所定の規約により変化させた文字により構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の隠蔽性情報記録媒体。
【請求項4】 前記隠蔽性情報記録媒体において、図柄や文字等の固有情報記録層は、基体との密着性を有する高分子材料からなる有機系のインキで形成され、印字層は、剥離性を有する高分子材料からなる有機系のインキで形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の隠蔽性情報記録媒体。
【請求項5】 前記隠蔽性情報記録媒体において、印字される固有情報を記録した層及び隠蔽性情報記録媒体は、印字層をコイン等で剥離し取り除いた際、固有情報が可視化されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の隠蔽性情報記録媒体。
【請求項6】 カードの基体における少なくとも一方の面に、主として文字記号を印刷した印刷層と、固有情報を印字する昇華インク層を備える隠蔽性情報記録媒体の製造方法において、前記固有情報を印字する昇華インク層での固有情報記録層を設けた部分に、剥離が可能な印字層を設け、前記昇華インク層を、基体との密着性を有する高分子材料と剥離性を有する高分子材料からなる有機系のインキとすることを特徴とする隠蔽性情報記録媒体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の隠蔽性情報記録媒体は、固有情報を記録される記録層を一旦隠蔽し、発行後、使用者が隠蔽部を除去して記録層を露出させることにより固有情報を認知する隠蔽性情報記録媒体及びその製造方法に関し、特に、製造工程及び流通工程で秘密性を保持できる隠蔽性情報記録媒体及びその製造方法関する。
【0002】
【従来の技術】従来の隠蔽性情報記録媒体について説明する。図4は、従来の隠蔽性情報記録媒体の断面図である。また、図5は、図4の隠蔽性情報記録媒体の平面図である。
【0003】従来、この種の図4や図5に示される隠蔽性情報記録媒体は、表面となるカード基体1の一方の面に印刷された図柄印刷層2、また裏面となる他方の面に注意書き、並びに固有情報や管理番号(文字、記号、図形など、または点字を利用した)等を印刷した文字記事印刷層3、それぞれを有し、固有情報や管理番号等は、熱転写記録装置のインクリボン等により文字や記号が形成される、文字記事印刷層3の表面には、文字記事印刷層3に印刷された固有情報が肉眼で見えないように隠蔽層4、カードの表裏面全面が印刷層を保護する透明な保護層5により被覆されている。更に、この隠蔽層4が発行後、使用者において、コイン等で隠蔽層4を取り除くことにより、安易にその情報を得ることができる隠蔽性情報記録媒体が近年急速に普及している。
【0004】隠蔽性情報記録媒体は、隠蔽すべき情報を有色インキで見える形で媒体表面に形成し、その上層として隠蔽層4をシルク印刷機等により形成してなり、使用に際して隠蔽層4をコインなどで削り落として情報を読み取るものが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1の問題点は、製造工程において情報の記録から隠蔽までの間、隠蔽すべき有価の情報が視認可能なインキで形成されているため、製造工程で誰の目にも見やすいために、第3者が情報を盗用する機会が存在する。
【0006】固有情報のセキュリティ確保のため製造工程を他工程からの隔離する必要がある。また、製造工程上で発生した不良(外観不良等)であれば、固有情報を有するものもあり、その固有情報を読み取れ盗まれる危険性がある。不正使用できないよう管理しなけれならず、コストがかかる問題がある。
【0007】第2の問題点は、固有情報の印刷が熱転写記録装置のインクリボンやタイプライタ等のような印字による場合には、固有情報が十分に隠蔽できないことがある。
【0008】その理由は、固有情報のデータ印字による凹凸が隠蔽層の表面に現れることがあるからである。
【0009】本発明の課題は、このような問題点を解決して、固有情報に対するセキュリティ機能を向上させた、安全性の高い隠蔽性情報記録媒体及びその作製方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の隠蔽性情報記録媒体は、無色透明な密着性を有する昇華受容インキにより固有情報を記録した昇華インク層があり、それを隠蔽するのに剥離性を有する昇華層を用いる。固有情報を記録した昇華インク層及び剥離性を有する昇華層に昇華印字方式のプリンタを用いて絵柄等を印字したのち、剥離性を有する昇華インク層をコイン等で取り除くことで、無色透明な密着性を有するインキに印字された昇華インク層に接する剥離性を有する昇華層の一部が剥離するため、記録された固有情報が簡易に目視、また点字により情報が得られることを特徴とする隠蔽性情報記録媒体である。
【0011】即ち、本発明は、カードの基体における少なくとも一方の面に、主として文字記号を印刷した印刷層と、固有情報を印字する昇華インク層を備えた隠蔽性情報記録媒体において、前記固有情報を印字する昇華インク層での固有情報記録層を設けた部分に、剥離が可能な印字層を設けた隠蔽性情報記録媒体である。
【0012】また、本発明は、前記隠蔽性情報記録媒体において、前記昇華インク層が、昇華印字方式のプリンタを用いて絵柄等を印字して作製された隠蔽性情報記録媒体である。
【0013】また、本発明は、前記隠蔽性情報記録媒体において、前記固有情報記録層は、所定の規約により変化させた文字により構成された隠蔽性情報記録媒体である。
【0014】また、本発明は、前記隠蔽性情報記録媒体において、図柄や文字等の固有情報記録層は、基体との密着性を有する高分子材料からなる有機系のインキで形成され、印字層は、剥離性を有する高分子材料からなる有機系のインキで形成された隠蔽性情報記録媒体である。
【0015】また、本発明は、前記隠蔽性情報記録媒体において、印字される固有情報を記録した層及び隠蔽性情報記録媒体は、印字層をコイン等で剥離し取り除いた際、固有情報が可視化される隠蔽性情報記録媒体である。
【0016】また、本発明は、カードの基体における少なくとも一方の面に、主として文字記号を印刷した印刷層と、固有情報を印字する昇華インク層を備える隠蔽性情報記録媒体の製造方法において、前記固有情報を印字する昇華インク層での固有情報記録層を設けた部分に、剥離が可能な印字層を設け、前記昇華インク層を、基体との密着性を有する高分子材料と剥離性を有する高分子材料からなる有機系のインキとする隠蔽性情報記録媒体の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態による隠蔽性情報記録媒体およびその製造方法について、以下、図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態による隠蔽性情報記録媒体の断面図である。図2は、本発明の実施の形態による隠蔽性情報記録媒体の昇華インク層の剥離後の模式図である。また、図3は、本発明の実施の形態による隠蔽性情報記録媒体の昇華層の除去後の断面図である。
【0019】図示される隠蔽性情報記録媒体には、カード表面となるカード基材11の一方の面に表面絵柄を印刷した図柄印刷層12、カード裏面となる他方の面に文字記事印刷層13及び無色透明な密着性を有するインキを用いて固有情報(文字、記号、図形など、または点字)を記録した固有情報データ印刷部14、それぞれが作製されている。更に、無色透明な密着性を有するインキの固有情報データ印刷部14の表面には、剥離性を有する昇華インク層15が形成され、最後にカード表裏面全面が印刷層を保護する透明な保護層16により被覆されている。
【0020】従って、カード裏面には、図1に示されるように、透明な保護層16を介して固有情報領域21、管理番号領域22、及び注意書き領域23が設けられている。固有情報領域21では、剥離性を有する昇華インク層15に昇華印刷された着色が見えるが、その部分には、無色透明な密着性を有するインキなどによる固有情報領域21が形成される。管理番号領域22及び注意書き領域23が文字記事印刷層13に形成されるものである。
【0021】図柄印刷層12は、カード表面を彩る任意の図柄を持ってオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷等のいずれの方式により印刷される。インキは、UVオフセットインキを使用している。文字記事印刷層13も、同様に、管理番号領域22及び注意書き領域23が、図柄印刷同様の印刷方式で印刷される。
【0022】ここで、固有情報領域21について詳細を説明する【0023】固有情報領域21は、隠蔽性情報記録媒体の裏面側で管理番号領域22及び注意書き領域23以外の予め定められた部分、例えば、中央部分に設けられ、カード基材11の裏面部分には、文字記事印刷層13が形成されず、上述したように、剥離性を有する昇華インク層15と、無色透明な密着性を有するインキによる固有情報データ印刷部14が形成されている。
【0024】カード基材11の裏面となる面の固有情報領域21に無色透明な密着性を有する固有情報データ印刷部14でシルクスクリーン印刷機を用いて、記録したい情報の文字や記号を厚さ5〜10μmの厚さに設ける。
【0025】本発明においての無色透明な密着性を有する固有情報データ印刷部14としては、ウレタン系、エポキシ系などの非水溶性の高分子からなるインキ、あるいは石油系ワックス等があるが、これに限らない。また、印刷機としてシルクスクリーン印刷機を使用したが、これに限らない。
【0026】上記情報を記録した無色透明な密着性を有する固有情報データ印刷部14を隠蔽するため、剥離性を有する昇華インク層15をシルクスクリーン印刷機にて印刷を行う。このとき、昇華インク層15を形成するインキは、ウレタン系、エポキシ系などの非水溶性の高分子からなるインキ、あるいは石油系ワックス等があるが、これに限らない。また、印刷機としてシルクスクリーン印刷機を使用したが、これに限らない。剥離性を有する昇華用インキを印刷することにより、剥離性を有する昇華層15は形成される。
【0027】昇華隠蔽層インキは、10〜20μmの厚さにシルクスクリーン印刷機を使用して昇華インク層15が形成される。上述した各層が形成された後、隠蔽性情報記録媒体の表裏面全面に形成された各層を保護するため、透明な保護層16が透明なUVインキを使用して形成される。
【0028】実際に利用する際は、固有情報領域21に顔写真や本人が希望するフリーデザイン絵柄データを取り込んで容易に昇華プリントすることができる。固有情報領域21の上にある剥離性を有する昇華インク層15をコイン等で剥離した際、固有情報を記録した無色透明な密着性を有するインキにも昇華記録されており、固有情報データ印刷部14に接する昇華インク層15の一部が剥離するため、密着性を有するインキにて記録した固有情報が可視的または点字により情報を得ることができる。
【0029】このような工程を経て製造された隠蔽性情報記録媒体は、隠蔽される固有情報が無色透明な密着性を有するインキを用いて固有情報(文字、記号、図形など、または点字)を記録した層であるため、固有情報を容易に目視できない。従って、隠蔽性情報記録媒体作製過程または流通過程において、秘密性及び安全性を確保することができる。
【0030】隠蔽される固有情報が昇華プリントによって印字着色される、印字した際は凹凸がない。よって、容易に目視にて固有情報(文字、記号、図形など、または点字)を確認できない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、隠蔽性情報記録媒体の記録する文字や記号を無色透明な密着性を有する昇華インキで形成することで、製造工程内で情報が漏れることなくセキュリティが高められ、作製過程及び流通過程において秘密性、安全性を保持できる隠蔽性情報記録媒体およびその製造方法を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000134257
【氏名又は名称】エヌイーシートーキン株式会社
【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号
【出願日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−237268(P2003−237268A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−42569(P2002−42569)