| 【発明の名称】 |
磁気記録媒体及び加飾磁気記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 祐司 【住所又は居所】東京都荒川区西尾久8丁目43番2号 帝国インキ製造株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】磁気記録層上に明度、鮮明度の良好な美的価値の高い可視情報等の有色印刷を施すことのできる隠蔽層を有する磁気記録媒体等を提供する。
【解決手段】シート面上に磁気記録層を設け、さらにその上に15μm以下、好ましくは12μm以下の厚みの略白色隠蔽層を設けることによって、前記磁気記録層を視覚的に隠蔽して成る磁気記録媒体を提供する。略白色隠蔽層の厚さが15μmを超えるとその下層の磁気記録層に記録されているデータを読み取る際に、エラーが生じたり、データ読取装置の能力によっては読み取り不可能となる場合が生ずる。しかし、略白色隠蔽層の厚さが15μm以下であれば、データを読み取る際に、エラーが生じたり、データ読取装置の能力によっては読み取り不可能となることはない。また、略白色隠蔽層上に更に有色印刷を施した場合であっても、データの読み取りに支障が生ずることがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シート面上に磁気記録層を設け、さらにその上に15μm以下の厚みの略白色隠蔽層を設けることによって、前記磁気記録層を視覚的に隠蔽して成ることを特徴とする磁気記録媒体。 【請求項2】 シート面上に磁気記録層を設け、さらにその上に12μm以下の厚みの略白色隠蔽層を設けることによって、前記磁気記録層を視覚的に隠蔽して成ることを特徴とする磁気記録媒体。 【請求項3】 前記略白色隠蔽層が多層の印刷層によって構成され、目視される最外層には白色顔料が含まれ、少なくとも一つの内層は、白色顔料と金属粉末とを含んで成るものであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。 【請求項4】 前記目視される最外層に含まれる着色の顔料の80重量%以上が白色顔料であり、前記少なくとも一つの内層は、白色顔料と該白色顔料100重量部当たり10〜200重量部の金属粉末とを含んで成るものであることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。 【請求項5】 前記金属粉末がアルミニュウム粉末であることを特徴とする請求項3又は4記載の磁気記録媒体。 【請求項6】 請求項1から4のいずれかに記載の磁気記録媒体に設けられた前記略白色隠蔽層上に、視覚情報や意匠等の有色印刷を施したことを特徴とする加飾印刷磁気記録媒体。 【請求項7】 前記略白色隠蔽層をスクリーン印刷によって設け、該隠蔽層上にオフセット印刷によって前記有色印刷を施したことを特徴とする請求項6記載の加飾磁気記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び加飾磁気記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、磁気記録媒体、例えば磁気記録カードは、一般に白色のプラスチックシートの全面又は一部の面に濃褐色ないし黒色の磁気記録層が設けられている。したがって、更に前記カードに可視情報や可視意匠(以下、可視情報等という)を設ける場合には、磁気記録層を避けて可視情報等を印刷しないと、明度が高く鮮明で美麗な可視情報等の印刷を行うことができない。 【0003】この欠点を解消するために磁気記録層を設けた面の全面に、更に薄い隠蔽層を設けることも行われているが、前記隠蔽層を厚くすると磁気記録層に記録されているデータの読み取りが不可能となり、磁気記録媒体としての機能を果たさなくなるため、前記隠蔽層の厚さを制限する必要があった。 【0004】このように厚みの薄い隠蔽層によって、磁気記録層を視覚的に隠蔽するためには、隠蔽率の高いインキを使用することが必要である。かかる理由により、隠蔽層に使用する印刷インキとしては、0.5〜20μm程度の粒径のアルミニュウムフレークを含有する銀色ないしは鉛色のインキが使用されていた。このような方法によれば、確かに磁気記録層は、視覚的に隠蔽され且つ磁気記録層に記録されているデータの読み取りも可能であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、隠蔽層上には一般に可視情報等が印刷により施されるが、印刷により形成される可視情報等の印刷層は極めて薄いことから、可視情報等の印刷層を通して下地の隠蔽層の銀色ないしは鉛色が透けて見えてしまう。このため、可視情報等の明度や鮮明度が失われて、美麗な可視情報等が得られない結果となった。 【0006】したがって、磁気記録層上に明度、鮮明度の良好な美的価値の高い可視情報等の印刷をすることのできる隠蔽層を有する磁気記録媒体の出現が求められている。 【0007】よって本発明の目的は、磁気記録層上に明度、鮮明度の良好な美的価値の高い可視情報等の有色印刷を施すことのできる隠蔽層を有する磁気記録媒体を提供することである。さらに本発明の目的は、磁気記録層上の隠蔽層に明度、鮮明度の良好な美的価値の高い可視情報等の印刷が施された意匠性の高い加飾磁気記録媒体を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明は、シート面上に磁気記録層を設け、さらにその上に15μm以下、好ましくは12μm以下の厚みの略白色隠蔽層を設けることによって、前記磁気記録層を視覚的に隠蔽して成る磁気記録媒体を提供するものである。 【0009】前記略白色隠蔽層の厚さが15μmを超えるとその下層の磁気記録層に記録されているデータを読み取る際に、エラーが生じたり、データ読取装置の能力によっては読み取り不可能となる場合が生ずる。また、略白色隠蔽層上に更に有色印刷を施した場合には、エラーの発生率や読み取り不可能率が高まることとなる。 【0010】しかし、略白色隠蔽層の厚さが15μm以下であれば、データを読み取る際に、エラーが生じたり、データ読取装置の能力によっては読み取り不可能となることはない。また、略白色隠蔽層上に更に有色印刷を施した場合であっても、データの読み取りに支障が生ずることがない。 【0011】さらに、略白色隠蔽層の厚さが12μm以下であれば、データ読取時の環境条件が悪い場合であっても、常に完全なデータ読み取りが可能となる。また、略白色隠蔽層上に有色印刷を多重に施した場合であっても、データの読み取りに支障が生ずることがない。 【0012】また、隠蔽層上に可視情報等を印刷により施すと、印刷により形成される可視情報の層は極めて薄いことから、印刷された可視情報等を通して下地の隠蔽層が透けて見えてしまう。しかし、本発明の隠蔽層は略白色であり、それ自体明度が高いことから、印刷された可視情報等を通して下地の略白色が透けて見えても、印刷された有色の可視情報の明度や鮮明度が失われることがなく、美麗な可視情報等が得られることとなる。 【0013】また、15μm以下の厚みの略白色隠蔽層による磁気記録層の視覚的な隠蔽力を完全なものにするために、前記略白色隠蔽層を多層の印刷層によって構成し、目視される最外層に白色顔料を含ませ、好ましくは含ませる着色顔料の80重量%以上が白色の顔料とし、少なくとも一つの内層は白色顔料と金属粉末とを含んで成るものとし、好ましくは該白色顔料100重量部当たり10〜200重量部の金属粉末を含んで成るものとする。 【0014】この場合、内層に含まれている白色顔料と金属粉末により磁気記録層をほぼ完全に隠蔽できるのみならず、最外層に80重量%以上含まれている白色の顔料により、隠蔽層の略白色性が完全に発揮される。最外層を極力白色に近づけるためには、最外層に含まれる顔料の98重量%以上が白色顔料であることが好ましい。しかし、内層に含まれる金属粉末が白色顔料100重量部当たり200重量部を超えると、内層の色が濃くなって略白色とすべき最外層への色影響が生じてしまう傾向がある。また、内層に含まれる金属粉末が白色顔料100重量部当たり10重量部未満であると、磁気記録層に対する視覚的な隠蔽力が低下する傾向がある。 【0015】前記金属粉末において、粉末の形状は特に限定されるものではないが、隠蔽層を可及的に薄くしつつ隠蔽性を高めるためには、粉末の形状がフレーク状であることが好ましい。また、金属粉末における金属の種類に関しても特に限定されるものではないが、前述のように隠蔽層を可及的に薄くしつつ隠蔽性を高めるために粉末の形状がフレーク状であることが好ましいことから、金属の種類は粉末をフレーク状とすることが容易なアルミニュウムであることが好ましい。また、アルミニュウムフレークを用いた場合、その平均フレーク径(各フレークの最大長の平均値)が0.5〜20μmであることが、隠蔽層を可及的に薄くしつつ隠蔽性を高める上で好ましい。しかし、アルミニュウムフレークとフレーク以外のアルミニュウム粉末との混合物であってもよい。 【0016】本発明の磁気記録媒体は、一般的に上述のような多層の印刷によって視覚的な隠蔽層を構成するが、特別の事情がない限り、隠蔽層の全厚みを可及的に薄くするためにはその構成を外層と内層の二層とすることが最も好ましい。 【0017】外層を構成するためのインキの例としては、酸化チタン顔料100重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂40重量部、溶剤140重量部、その他添加剤5重量部を含むインキ(以下、インキAという)がある。また、インキAに含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂をポリエステル樹脂に置換したインキも例示できる。 【0018】内層を構成するためのインキの例としては、酸化チタン顔料100重量部、平均フレーク径12μmのアルミニュウムフレーク40重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂40重量部、溶剤160重量部、その他の添加剤5重量部を含むインキ(以下、インキBという)がある。 【0019】また、本発明は、前記磁気記録媒体に設けられた略白色隠蔽層上に、有色印刷によって視覚情報や意匠等の加飾印刷を設けた加飾印刷磁気記録媒体を提供する。すなわち、前述のように、印刷された可視情報等を通して下地の略白色が透けて見えても、印刷された有色の可視情報の明度や鮮明度が失われることはないことから、美麗な可視情報等が有色印刷された意匠性の高い加飾磁気記録媒体を提供することができる。 【0020】また、前記加飾磁気記録媒体においては、前記略白色隠蔽層をスクリーン印刷によって設け、該隠蔽層上にオフセット印刷によって前記有色印刷を設けることが好ましい。スクリーン印刷は、印刷層の厚さを自在に調整可能であることから、略白色隠蔽層をスクリーン印刷によって設ければ、その厚さを15μm以下、好ましくは12μm以下とすることが容易となる。 【0021】また、略白色隠蔽層上への有色印刷をオフセット印刷で行えば、有色印刷の層の厚さが薄く抑えられ、磁気記録層からのデータ読み取り時の影響は少ないものとなる。よって、磁気記録層からのデータ読み取り時の影響を可及的に少なくしつつ、意匠性の高い加飾磁気記録媒体を提供することができる。 【0022】 【実施例】以下、本発明の実施例について比較例とともに説明する。 実施例1白色のPETシートの片面(以下、A面という)に、濃褐色の磁気記録層を帯状に設けた基材を使用し、そのA面の磁気記録層上に前記インキBを使用してスクリーン印刷を行い、インキを乾燥して厚さ5μmの内層を設けた。さらに、この内層上に前記インキAを使用してスクリーン印刷を行い、インキを乾燥して厚さ7μmの外層を設けた。このようにして作製した内層と外層とで構成された白色隠蔽層の全厚みは12μmであり、この白色隠蔽層によって磁気記録層は視覚的に完全に隠蔽され、全面白色となった。白色化されたA面にオフセット印刷で有色の意匠を施したところ、明度が高く鮮明で美麗性の高い意匠カードが得られた。このカードを磁気記録カードとして使用したが、全く支障なくその性能を発揮した。 【0023】実施例2実施例1において基材のA面の全面に、実施例1で示した構成の白色隠蔽層を設けた以外は実施例1と同様に行った。得られた結果も同様であった。 【0024】比較例1実施例1で使用した基材を使用し、そのA面の全面に前記インキAのみを使用して厚さ12μmの白色隠蔽層を設けたが、視覚的に磁気記録層を隠蔽することができず、磁気記録層上に明度が高く鮮明で美麗性の高いオフセット印刷を施すことができなかった。 【0025】比較例2実施例1で使用した基材を使用し、そのA面の全面に前記インキAのみを使用して白色層を設けて、磁気記録層を視覚的に隠蔽した。隠蔽層の厚さは30μmであることが必要であった。実施例と同様に明度が高く鮮明で美麗性の高いオフセット印刷はできたが、このカードは磁気記録カードとしての機能を発揮せず磁気記録カードとして使用不能であった。 【0026】比較例3【0027】実施例1で使用した基材を使用し、そのA面の全面に平均フレーク径12μmのアルミニュウムフレーク40重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂40重量部、溶剤160重量部、その他添加剤5重量部を含むインキを使用してスクリーン印刷を行い、インキを乾燥して厚さ5μmの内層をを設けた。さらに前記インキAを使用して厚さ7μmの外層を設けた。このようにして作製した隠蔽層は磁気記録層を隠蔽はしているが全体に内層が透けて見え、白色度の低いものであった。したがって、実施例1と同様にオフセット印刷による意匠印刷を施したが意匠の明度が低く、美麗性の高い意匠カードは得られなかった。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁気記録層上に、明度、鮮明度の良好な美的価値の高い可視情報等の有色印刷を施すことのできる隠蔽層を備えた磁気記録媒体を提供することができる。また、本発明によれば、磁気記録層上の隠蔽層に、明度、鮮明度の良好な美的価値の高い可視情報等の印刷が施された意匠性の高い加飾磁気記録媒体を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591017250 【氏名又は名称】帝国インキ製造株式会社 【住所又は居所】東京都港区三田4丁目4番12号
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| 【出願日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088100 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 千明
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| 【公開番号】 |
特開2003−211873(P2003−211873A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−16328(P2002−16328) |
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