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【発明の名称】 建物長期採算評価シート
【発明者】 【氏名】白岩 史年
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目3番1号 旭化成ホームズ株式会社内

【氏名】小田 勝洋
【住所又は居所】東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 旭化成株式会社内

【要約】 【課題】何時メンテナンスが必要かを知ることができるようにする。

【解決手段】建物の想定耐用年数にわたる目盛りがシートに付されており、目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称がシートんい印刷され、目盛り方向に沿って、外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形が印刷され、メンテナンス費用を記入するための記入欄が印刷されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建物の想定耐用年数にわたる目盛りが付されており、該目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称が印刷され、前記目盛り方向に沿って、前記外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形が印刷され、メンテナンス費用を記入するための記入欄が印刷されたことを特徴とするシート。
【請求項2】 請求項1に記載のシートにおいて、さらにメンテナンス対象の建物に関する情報を記入するための記入欄が設けられていることを特徴とするシート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部屋あるいは建物そのもの賃貸しを行う建物の採算の評価を行うためのシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物を建設し、その建物あるいは部屋を賃貸しようとする場合、家主は、住宅建設会社から見積もりをとるとともに、現在の賃貸し費用の相場まで考慮した上で、建設に着工する。したがって、その採算を検討する上でも精度が悪かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】住宅建設後の住宅のメンテナンスは場当たり的であり、通常は、住宅のどこかに異常が発生した時に、修繕を行っている。したがって、住宅建設時にはいつ修繕が必要か、費用がいくらかかるかという点については、家主は知ることができない。
【0004】また、一般的な財務に関する採算シミュレーション装置は従来から知られているが、住宅建設後の修繕等のメンテナンス費用または改装費用が考慮されておらず、賃貸住宅など住宅関連の採算シミュレーションの精度が悪いという問題もある。
【0005】そこで、本発明の目的は、住宅建設時にはいつ修繕が必要か、費用がいくらかかるかを知ることができるシートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、請求項1の発明は、建物の想定耐用年数にわたる目盛りが付されており、該目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称が印刷され、前記目盛り方向に沿って、前記外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形が印刷され、メンテナンス費用を記入するための記入欄が印刷されたことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載のシートにおいて、さらにメンテナンス対象の建物に関する情報を記入するための記入欄が設けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0009】図1は本発明を適用した建物メンテナンス費考慮型長期採算シミュレーション装置のシステム構成を示す。図1において、1は(建物メンテナンス費考慮型長期)採算シミュレーション装置であり、部屋を含む賃貸し住宅を建設した場合の採算をシミュレーションすると共に、メンテナンスが必要な項目、時期、費用等をシミュレーションする。採算シミュレーション装置1には市販の汎用コンピュータ、たとえば、パーソナルコンピュータやワークステーションを使用することができる。
【0010】2は入力装置であり、上記シミュレーションの実行に必要な初期条件を入力する。入力装置2にはキーボードおよびマウスを使用する。
【0011】3は表示装置であり、採算に関する図5シミュレーション結果や入力装置2から入力された情報を表示する。4はデータベースであり、上記シミュレーションに必要な情報を記憶する。本実施形態では、たとえば、建物種類(たとえば,レイアウト等のプランニングのパターン等)ごとに建設に必要な建物の部材名および部位名に関連付けて、部位および部材の数、量、単価、耐用年数、修繕費用等各種の情報がデータベースに登録されている。本願発明者は、住宅の部材の耐用年数に到達する時期が修理を要する時期であることに気が付き、住宅の耐用年数が共通する部材名および/または部位名をまとめ、それら部位や部材に関する修繕費用を積算することにより、メンテナンスが必要な項目、費用、時期等をシミュレーションする採算シミュレーション装置を発明した。また、上記メンテナンスに関するシミュレーション機能を使用してメンテナンスに要する費用を算出し、長期にわたる賃貸し住宅(建物)の採算をもシミュレーションする採算シミュレーション装置を発明した。
【0012】5はプリンタであり、メンテナンスに関するシミュレーション結果を図4の形態で印刷出力する。なお、図4に示すシートは、予め建物の想定耐用年数にわたる目盛りが付されており、該目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称が予め印刷され、前記目盛り方向に沿って、前記外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形10が予め印刷され、メンテナンス費用を記入するための記入欄(空白)11が予め印刷されている。この、シートのメンテナンス費用記入欄に対してシミュレーションで得られるメンテナンス費用をプリンタ5により印刷する。
【0013】さらに上記シートにはメンテナンス対象の建物に関する情報を記入するための記入欄が設けられている。この記入欄は空白のままとしてもよく、プリンタ5により所定情報を印刷してもよい。
【0014】このようなシステム構成で実行されるシミュレーション処理を図2および図3を参照して説明する。図2は採算シミュレーション装置1が実行するメンテナンスに関するプログラムの処理内容を示す。図3は長期的な採算をシミュレーションするプログラムの処理内容を示す。両プログラムとも採算シミュレーション装置内の記憶装置、たとえば、ハードディスクに保存され、採算シミュレーション装置1内のCPUにより上記プログラムが実行される。
【0015】ユーザ、たとえば、住宅販売会社の営業マンや建築主が、メンテナンスコストおよびメンテナンス時期を知りたい場合には、図2のプログラムの起動を入力装置2から指示する。これにより図2のプログラムが実行される。なお、建築した建物に関する仕様情報(設計や施工に関する情報であり、使用されている部材、個数、耐用年数などがこれらの情報の中に含まれる。)は予めデータベース4に登録されているものとする。
【0016】ユーザは名前、住所等を初期条件として入力すると、採算シミュレーション装置1のCPUは、名前、住所等をクエリーとしてデータベースを検索し、対応する建物の仕様情報を検索する。検索結果は装置内部のメモリに一時記憶される。
【0017】CPUは次の分類ごとに部位のメンテナンス時期(修繕あるいは交換時期)を仕様情報の中から取り出す。本実施形態では、基本躯体構造、屋根・防水、外壁防水、開口部、外部付帯パーツ、埋設設備、露出設備に建築物の部材、部位あるいは修繕項目を分類する。
【0018】基本躯体構造には主要鉄骨、鉄筋コンクリート基礎、床板、屋根板,外壁板等が含まれる。
【0019】屋根・防水には屋根、各種シート防水が含まれる。
【0020】外壁防水には外壁吹き付け塗装,シーリングが含まれる。
【0021】開口部には、玄関扉、サッシ枠等が含まれる。
【0022】外部付帯パーツには雨戸、シャッター、換気フード、外階段等が含まれる。
【0023】埋設設備には給水、給湯管、排水管等が含まれる。
【0024】露出設備にはキッチンセット、洗面化粧台等が含まれる。
【0025】CPUは各分類の各項目を順にピックアップすると、データベース4に記憶されている部材単価や修繕費用、交換か補修の種別等のデータを取り出して、修繕あるいは交換の費用を積算する。本実施形態では建物の部材の耐用年数はたとえば15年、30年というようにまとまるように設計されているので、各年度ごとに耐用年数を持つ部材、部位をデータベース4上で検出し、検出した部位、部材についての修繕・交換のメンテナンス費用をCPUにより積算し、その積算結果を内部メモリに記憶する(ステップS20→S30)。
【0026】最後にCPUは積算結果、すなわち、項目ごとのメンテナンス時期とその時期のメンテナンス費用、メンテナンスが交換、補修であるかの種類を図4に示す形態で印刷出力する(ステップS40)。
【0027】この印刷シートによりユーザは、各部位部材の耐用年数の周期に当たる15年目、30年目、45年目にメンテナンスが必要であること、そのメンテナンスの項目、種類、総費用を知ることができる。
【0028】ユーザ、たとえば、住宅販売会社の営業マンや建物建築希望者が建物建築に関する採算を知りたい場合には、図3のプログラムの起動を入力装置2から指示する。これにより図3のプログラムが実行される。ユーザは最初に初期条件を入力する。初期条件は、建築計画、建築工事費、資金計画、収入条件、賃貸し計算条件および共通計算条件およびその他条件である。建築計画は、建築規模(戸数)や床面積、建築時期等、建築する建物の内容を示す情報である。建築工事費は建築に要する費用、資金計画はローンの有無、ローンの金利、年数等である。
【0029】収入条件は部屋などを賃貸した場合に得られる月、あるいは年の収入金額である。賃貸し部計算条件は契約年数、一般管理費およびそのアップ率、テナントの入れ替え年数等シミュレーションに関わる計算条件である。
【0030】共通計算条件は、土地の租税公課、保険料、原価償却年数等建物全体に関連する計算条件である。その他条件は建築計画の変更の有無および変更時期である。
【0031】このような計算条件を示すパラメータ項目画表示装置3に表示されるので、ユーザは入力装置2から該当項目について、条件を入力する(ステップS100)。本実施形態では、条件の内容を示すパラメータの値φ1,φ2....と、年数tとにより累積収入および総財産を算出する。このため、F(φ1,φ2...,t)で表される関数が用意されており、この関数に上記入力したパラメータの値を代入することで、年度ごとの支出、累積収入および総財産を計算する。上記年数tが予め定めた部材の耐用年数に応じて、たとえば、15年,30年,45年等に到達した場合には、部材の交換、修繕が必要となるので、その交換、修繕費用を計算するための計算式を、上記関数を定義する計算式の中で使用する。
【0032】住宅に限らない一般的な採算シミュレーションでは、初期に投資した費用、原価償却、年度ごとの収入のみがパラメータとして使用されるのに対し、本実施形態では、建物という特殊性を考慮して、部材が耐用年数に到達する、たとえば、15、30、45...年目に発生する修繕費用(メンテナンスコスト)をCPUにより自動計算し、上記入力条件の中の1つのパラメータとして採算シミュレーションの中に組み入れる。したがって、実際により近い採算シミュレーションを行うことができる。
【0033】なお、一義的に定まる上記修繕費用とは別に、建築主の希望で、建物の内部の改装や建替えを行うことを本実施形態では比較検討できるように考慮しており、建物の仕様変更および時期が初期条件の入力ステップにおいて、建築後の建物の仕様変更ありが指示された場合には(ステップS110がYES判定)は変更条件、すなわち、改装内容および費用などが入力される(ステップS115)。
【0034】以上の条件入力が行われると、採算シミュレーション装置1のCPUは与えられた条件を示すパラメータの値と予め定められている関数(計算式)、さらにはデータベース4に記憶されている情報を使用して年度ごとの支出、累積総収入および総財産を計算し、採算シミュレーション装置1の内部メモリに記憶する(ステップS120)。
【0035】シミュレーション結果は図5に示すような形態でプリンタ5から印刷出力される(ステップ130)。この形態は、累計収入と総財産を年度ごと曲線で印刷する例であり、30年目にリフォームを行う場合と、プラン変更を行う場合と、建替えを行う場合とを採算比較している。
【0036】上述の実施形態の他に次の形態を実施できる。
1)上述の実施形態では、データベース4は採算シミュレーション装置1に対して外付きとしたが図1のシステムをノートパソコンで実現することも可能である。また、入力装置2と採算シミュレーション装置1との間を電話回線で接続したり、インターネットで接続してもよい。この場合には、シミュレーション結果の表示や印刷は入力装置2側で行う。
2)さらに、上記システムをLAN接続として、複数の入力装置をLANに接続してもよい。
3)上述の実施形態では、メンテナンスの費用のシミュレーション処理で入力するデータと採算シミュレーション処理で入力するデータとは異なっていたが、建物の仕様情報を共通化することもできる。この場合には、建物のモデルを複数種類用意しておき、データベース4には各モデルの使用情報、メンテナンスを要する部位、部品に関わる諸情報を記憶させておく。したがって、ユーザは、建物のモデルの種類を指定するだけで、建物の仕様情報を設定することができる。
【0037】上述の他にも種々の変形が可能であるが、これらの変形は、特許請求の範囲に記載された技術思想に沿うものであるかぎり、その変形は本発明の技術範囲内となる。
【0038】以上、説明したように、本発明によれば、賃貸しなどを目的とした建物についてメンテナンスの時期や費用を知ることができると共に、メンテナンス費用を考慮した採算のシミュレーションを精度よく行うことができる。
【0039】また、採算シミュレーション装置を携帯用のノートパソコン上で実現すれば、住宅販売会社が住宅建築希望者の前で、シミュレーションを行うことができ、住宅建築の検討をより詳細かつ速やかに行うことも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように本発明では、建物の想定耐用年数にわたる目盛りが付されており、目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称が印刷され、目盛り方向に沿って、外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形が印刷され、メンテナンス費用を記入するための記入欄が印刷されている。これによりいつメンテナンスを行えばよいかを容易に理解することができる。
【0041】さらに、本発明によれば、メンテナンス対象の建物に関する情報を記入するための記入欄が設けられているので、これらの情報により。メンテナンス内容等を知ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号
【出願日】 平成11年12月3日(1999.12.3)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
【公開番号】 特開2003−182265(P2003−182265A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2002−315087(P2002−315087)