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【発明の名称】 ページ替え装置
【発明者】 【氏名】濱 和浩
【住所又は居所】愛知県尾張旭市晴丘町池上1番地 株式会社日立旭エレクトロニクス内

【要約】 【課題】通帳類取扱装置において、通帳等の幅長さにかかわらず、信頼性の高いページ替え機構を実現する。

【解決手段】搬送されてきた通帳7の幅情報に基づいて、ページ替えローラシャフト移動用モータ12はピニオン16とラック部17を介して駆動ページ替えローラシャフト11を回転移動させ、シャフト11に取り付けられている可動用ページ替えローラ9を最適バランスの間隔位置まで移動させる。その後、ページ替え回転用モータ14は固定ページ替えローラシャフト10を回転することにより、固定用ページ替えローラ8および可動用ページ替えローラ9を回転させて、通帳のページ替えを実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通帳等の媒体を所定の位置まで搬送させる搬送ローラと搬送路を備え、該搬送路に配備したページ替えローラにより該通帳等の所定のページのページ捲りを行うページ替え装置において、挿入された通帳等の幅を検知するスキャナと、該スキャナからの通帳幅情報の通知を受けて、ページ替えローラの左右方向配備位置を調整する制御回路と、該制御回路からの指示により、該ページ替えローラの位置を、挿入された通帳等のページ捲りに最も適した位置まで移動させる駆動モータとを具備したことを特徴とするページ替え装置。
【請求項2】 請求項1に記載のページ替え装置において、前記駆動モータは、該駆動モータが回転駆動することにより、同期回転する歯車を備えたピニオンと、該歯車に噛み合った溝を備えたラック部とを介してページ替えローラが取り付けられたシャフトを移動させることを特徴とするページ替え装置。
【請求項3】 請求項1または2に記載のページ替え装置において、前記シャフトは、キー溝を備え、かつページ替えローラの回転軸であり、回転中は該キー溝がラック部と噛み合うホーム位置期間と該キー溝が該ラック部の歯車から外れる回転期間とを有していることを特徴とするページ替え装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冊子類(以下、通帳等と呼ぶ)のページ替え装置に係り、特に銀行端末装置の通帳プリンタにおいて、多様な通帳幅に対応できるようにした通帳等のページ替え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のページ替え装置においては、各々の通帳等の幅に対して、ページ替えローラ配備が固定されているため、各幅を有する通帳毎に位置を変えて取り付けていた。従来の固定幅のページ替え装置においては、通帳挿入口の近辺にセンサが配置してあり、通帳が挿入されたとき、反射率から白か黒かを検知することにより、通帳の幅を検知して、ページ替え機構の幅よりも大きいものや、小さいものは、いずれも挿入口から吐き出していた。従って、固定幅の通帳等しかページ替え機構まで搬送されないようになっていた。
【0003】従来のページ替え機構は、取扱う通帳等の幅が固定であるため、ページ替えローラの取付け間隔も一定値であり、対象となる通帳等にとって最もバランスのとれた間隔に取付けられたページ替えローラにより、ページ替えが行われていた。例えば、特開2000−318349号公報に記載されたページ替え装置では、一定幅隔のページ替えローラを取り付け、センサで捲ろうとする通帳等の長さを取得して、ページ替え失敗のときには通帳停止位置を前後方向にずらした後に再度ページ替えを行うことにより、確実にページを捲るようにしている。
【0004】また、特開平10−297142号公報に記載されたページ替え装置では、やはり一定間隔に取り付けられたページ替えローラをギヤを介してカムで上下運動するプッシュレバーにより、通帳等の捲ろうとするページにたわみをつけて、捲り易い姿勢を与えている。また、特開平9−156255号公報に記載されたページ替え装置では、やはり一定間隔に取り付けられたページ替えローラと同軸で正逆方向に回転可能な予捲りローラを設け、この予捲りローラがページ替えローラによるページ替えを行う前に予捲りを行うことで、確実にページ替えを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の通帳等のページ替え装置では、各々の通帳等の幅に対して、ページ替えローラの取付け位置が固定されており、また、通帳等の挿入口にはセンサによる監視があり、固定された寸法以外の大きさの通帳等の挿入を排除していた。しかし、近年、銀融機関同士の合併、提携、協力関係が頻繁に行われており、そのためには各種の寸法の通帳等を取り扱える通帳記帳装置やページ替え装置が必要となってきた。そこで、ページ替え装置に挿入された多種多様の通帳類の幅を検知し、最適なページ替えローラ位置を自動調整し、通帳等の幅に関らず確実にページ替えを行うことができるページ替え装置の実現が望まれている。
【0006】本発明の目的は、これら従来の課題を解決し、あらゆる幅の通帳等に対しても、最適なページ替えローラ配備位置に自動調整し、信頼性の高いページ替えを行うことが可能なページ替え装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のページ替え装置は、通帳類の幅を検知するスキャナ、ページ替えローラを左右に移動させる駆動モータおよび駆動モータの回転を歯車によりページ替えローラが取り付けられたシャフトに伝達させるラックおよびピニオンを設け、それらによって、ページ替えローラを左右に移動させるようにする。また、ページ替えローラを取り付けたシャフトの構造にも特徴を有する。上記構成により、挿入された通帳幅をスキャナで検知し、その幅情報によりページ替えローラ配備位置を最適な位置に自動調整することができるので、通帳等の幅の長さにかかわらず、信頼性の高いページ替え機構を実現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。図1は、本発明が適用される通帳類取扱装置の側面図である。図1の通帳類取扱装置では、通帳等を所定の位置に搬送する搬送路1、搬送ローラ2、媒体の所定のページに印字するためにページ捲りを行うページ替機構部6、捲られたページに印字を行う印字機構部3、媒体の幅長さを検知するスキャナ4、それらを制御する制御回路18を具備している。ページ替え機構部6内の8,9はページ替えローラである。
【0009】通帳類取扱装置の左端に設けられた挿入口から通帳等が挿入されると、従来のように挿入口付近に幅寸法検知用センサを設けることなく、各種の幅寸法の通帳等が挿入できるように大きめに挿入口を形成しておく。挿入された通帳等は搬送ローラ2により搬送路1を右方向に搬送され、印字ヘッド3に隣接して設けられたスキャナ4により挿入した通帳等の幅を検出する。通帳等の幅が検出されると、制御回路18に通知され、制御回路18の指令によりページ替え機構部6にページ替えローラ8,9の間隔の調整が行われる。なお、本実施例では、ページ替えローラ8を固定に、ページ替えローラ9を可動に、それぞれ取り付けている。
【0010】図2は、本発明の一実施例を示す通帳類取扱装置の制御系統のブロック図である。制御回路18は、スキャナ4、シャフト駆動モータ12、ページ替え駆動モータ14、および搬送モータ21に接続され、スキャナ4から挿入された通帳等の幅情報を受け取ると、この情報に基づいてシャフト駆動モータ12に指示を与えることにより、シャフト駆動モータ12は駆動ページ替えローラシャフト11を移動させて、可動用ページ替えローラ9を移動させることで、固定用ページ替えローラ8との間隔を調整する。また、制御回路18は、ページ替え駆動モータ14に指令を与えることで、ページ替え駆動モータ14を起動させ、ページ替えローラ8,9を回転させてページ捲りを実行させる。また、制御回路18は、搬送モータ21に指令を与えることで、通帳等を印字ヘッド3の位置まで移動させて、印字を行う。ページ替えの際には、ページ替え機構部6の位置まで移動させる。
【0011】図14は、本発明の一実施例を示すスキャナおよび印字ヘッドの配置図である。通帳等7が挿入されて、印字ヘッド3の位置まで搬送されてくると、印字ヘッド3は通帳等7の上に掛けられているシャフト23上に搭載され、移動することで、印字ヘッド3の横に取り付けられている目玉のようなセンサ3Aが通帳等7の端部を検知することで、移動を停止する。スキャナ4は、印字ヘッド3と同期して通帳等7の上を移動することにより、停止した位置から固定位置までの寸法を通帳等7の幅の長さと判別して、検出した幅情報を制御回路18に通知する。
【0012】図3は、本発明の一実施例を示すページ替え機構部の正面図である。本発明の主要部であるページ替え機構部6には、固定ページ替えローラシャフト10に取り付けられた固定用ページ替えローラ8と、駆動ページ替えローラシャフト11上に取り付けられた可動用ページ替えローラ9と、固定ページ替えローラシャフト10を回転させることにより、固定用ページ替えローラ8と可動用ページ替えローラ9を回転動作させてページ捲りを実行させるためのページ替えローラ回転用モータ14と、モータ14の回転をシャフト10に伝達するためのギャ15と、駆動ページ替えローラシャフト11を移動させて可動用ページ替えローラ9を移動させるためのページ替えローラシャフト移動用モータ12と、モータ12の回転を駆動ページ替えローラシャフト11に伝達するための歯車を有するピニョン16および溝部を有するラックでシャフト7と、通常は搬送路を形成するが、ページ替え時にはページを捲る機能を果すシャッタ13と、ペーパガイド19,20と、搬送路1とが設けられている。
【0013】シャフト11は、シャフト11に連結したピニオン16、ラック17を介してページ替えローラシャフト移動用モータ12に結合され、駆動ページ替えローラシャフト移動用モータ12の回転駆動により移動することで、可動用ページ替えローラ9を適切な間隔に移動される。制御回路18からページ替えローラ回転用モータ14に通帳等の幅情報と起動の指令が送られると、ラック17とピニオン16のギャ比で決まる長さだけ駆動回転することで、その通帳にとって最もバランスのとれた間隔になるように可動用ページ替えローラ9を移動させることができる。また、図3では記載が省略されているが、図9に示すように、駆動モータ12と左右移動可能なシャフト11を駆動させるためのシャフト11を支持する支持ブラケット22が設けられている。ペーパーガイド19,20とシャッタ13は、通帳等を搬送するための搬送路1を形成する。このような構造で、ページ替えローラ8,9は、シャフト10,11を中心に回転し、通帳等の所定のページのページ捲りを行う。
【0014】図4は、図3のAから見た固定用ページ替えローラおよびシャフトのA矢視図である。図4に示すように、固定用ページ替えローラ8はゴム部8aと座金部8bとから構成される。また、固定用ページ替えローラ8が取り付けられた中央部用の10は固定ページ替えローラシャフト10であり、中心部分はキー溝部8cで構成されている。シャフト10、11にはキー溝があり、ページ替えローラ回転時はシャフト10と11が同時に回転し、ページ替えローラ移動時はシャフト10は固定される一方、頁替ローラ11のみが左右に移動できる構造になっている。なお、図3においては、シャフト11を側面から見ているので、キー溝8cが複数の横線になって見える。
【0015】図5は、図3のページ替え機構部の上面図である。図5において、2は通帳等を搬送する搬送ローラ、2Aは搬送ローラ2を取り付けた回転軸、13はシャッタである。搬送ローラ2は通帳等を下方向に搬送し、ページ替えを実行するためにシャッタ13の上で停止させる。シャッタ13は軸13Aを中心にして紙面の上方向に回転できるようになっており、固定用ページ替えローラ8と可動用ページ替えローラ9が回転してページ捲りを行う時に、同時に開閉することでページ捲りの補助的な役目を果す。
【0016】図6は、図5のBから見た駆動ページ替えローラシャフトとラック、ピニオン、ページ替えローラシャフト移動用モータのB矢視図である。図6のB矢視図のように、シャフト11のラック17はシャフト11の形状の一部となっており、1回転(1頁捲り)するたびに再度ピニオン16と噛み合う構造になっている。すなわち、ラック17は傾斜溝を有し、ピニオン16は歯車を有しており、シャフト11が回転して、シャフト11のキー溝部8cがラック17の溝に挿入されたとき、ホームポジションとなる。回転中はキー溝8cがラック17と噛み合うホーム位置期間とキー溝8cがラック17の歯車から外れる回転期間とを有している。シャフト11のキー溝部8cがホームポジションに到達した時点で、駆動モータ12が回転駆動すると、それに同期してピニオン16が回転し、ピニオン16の歯車とラック17の溝が噛み合うことで、駆動ページ替えローラシャフト11を移動させる。
【0017】図7は、図5に示すページ替え機構部の動作前の上面図である。いま、通帳等7が搬送ローラ2の回転によりC方向にページ替え機構部6まで搬送されると、シャッタ13上で停止する。通帳等7の幅の長さがL、初期状態における可動用ページ替えローラ9までの距離がIである。Iは、最も使用される頻度の高い通帳をページ捲りに最もバランスのとれた間隔になっている。種類の異なる通帳等7が挿入されたときには、制御回路18からの指令により、ページ替えローラシャフト移動用モータ12は可動用ページ替えローラ9をバランスのとれた位置まで移動させる。
【0018】図8および図9は、ページ替え機構部の側面図であって、それぞれ可動用ページ替えローラの移動前と移動後の図である。図8の移動前の状態では、固定用ページ替えローラ8の位置は端部からaだけ離れた位置に固定されており、可動用ページ替えローラ9は前述のようにIだけ離れた位置にある。ページ替えローラシャフト移動用モータ12を回転させると、それに同期してピニオン16は太矢印の方向に回転し、それに噛み合った溝を持つラック17が移動することで、駆動ページ替えローラシャフト11が矢印の方向に移動する。この駆動ページ替えローラシャフト11に取り付けられた可動用ページ替えローラ9も矢印方向に移動することになる。
【0019】ページ捲りのための最もバランスのとれたローラ位置は、図9に示すように、左側からaの位置(固定位置)に固定用ページ替えローラ8があり、右側からもaの位置に可動用ページ替えローラ9が移動される状態である。制御回路18からの指令により、ギャー比に基づいて図9に示す間隔になるように可動用ページ替えローラ9を移動させる。両ローラ8,9の間隔は、L−2aである。
【0020】図10〜図12は、本発明のページ替え機構部によるページ捲りの動作遷移図である。ページ替えローラ回転用モータ14でシャフト10を回転させることにより、ページ替えローラ8,9のゴム部8aが、通帳7の最上面のページ7aに接触衝突する(図10)。このとき、シャッタ13は未だ閉じた状態にある。このときシャフト10,11は、図4のA矢視図に示すように、キー溝8cにて連動しているため、シャフト11、ページ替えローラ9も同時に回転する。またラック部17は、図6のB矢視図のように、シャフト11の一部に結合されており、1回転すると再度ピニオン16と噛み合う構造になっている。そのためシャフト10,11が回転し始めると、ピニオン16からラック部17が外れ、シャフト11がフリーの状態になる。
【0021】さらに、ページ替えローラ8,9の回転が進むと、ページ7aは変形を始め、ページをめくり始める(図11)。その後、ページ7aの変形の力により、シャッタ13を押し上げ、シャッタ13が開くことによりページ7aは大きくめくり上げられる(図12)。そして、通帳7をC方向(排出方向)に搬送すると、ページ7aが大きくはじけ、ページがめくられてページ捲りが完了する。ページ捲り完了後、再度ページ替えローラ移動用モータ12を駆動させ、初期位置(一番よく使用する通帳幅に適した位置:I)に戻して一連の動作が終了する。
【0022】図13は、本発明の一実施例を示すページ替え装置の動作フローチャートである。図13の動作を、図7〜図12により説明する。挿入口より通帳7が挿入されると、これを搬送し(ステップ101)、挿入された通帳7を搬送モータにより駆動される搬送ローラ2により印字機構部まで搬送され、停止させる(ステップ102)。そして、印字ヘッド3が左右に移動し、印字ヘッド横に搭載されたスキャナー4により通帳幅:Lを測定する(ステップ103)。このとき、スキャナ4で通帳幅:Lを測定する順序は印字ヘッド3が通帳7に印字を行う前でも後でもかまわない。
【0023】次に、再度、搬送モータにて搬送ローラ2を駆動させ、通帳7を頁替え機構部6の所定の停止位置まで搬送させ、停止させる(ステップ104)(図7参照)。前記スキャナー4にて検知した通帳幅情報(L)を基に、ページ替えローラシャフト移動用モータ12を駆動させ、ピニオン16、ラック17を介して移動シャフト11を左右方向に移動させ、初期位置(一番よく使われる通帳幅に適した位置:I)より駆動ページ替えローラ9を固定ページ替えローラ8との間隔(L−2a)となる位置(最適ローラ配備位置)にて停止させる(ステップ105)。
【0024】このとき固定ページ替えローラ8は、左端から距離(a)の位置に固定されており、移動しない。また駆動ページ替えローラ9が目的位置まで移動するタイミングは印字機構部よりページ替え機構部まで搬送される間に移動しても、搬送後に移動してもかまわない(図7、8参照)。次に、ページ替えローラ回転用モータ14でシャフト10を回転させることにより、ページ替えローラ8,9のゴム部8aが通帳7の最上面にページ7aに接触衝突することで、ページ捲りを開始する(図10〜図12参照)。図10〜図12に示した動作により、ページ替えを実行する(ステップ106)。ページ替えが完了したならば、通帳7を排出方向に搬送する(ステップ107)。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、通帳類取扱装置のページ替え機構において、通帳類の幅長さに関係なく最適な頁替えローラ配備位置に自動調整することができるので、より信頼性高いページ替え機構、通帳プリンタ、現金自動取引装置等を実現することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
【出願日】 平成13年12月20日(2001.12.20)
【代理人】 【識別番号】100077274
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 雅俊 (外1名)
【公開番号】 特開2003−182262(P2003−182262A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2001−386975(P2001−386975)