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【発明の名称】 感熱組成物、画像形成部材及び画像形成方法
【発明者】 【氏名】シイング ツェン

【氏名】ケビン ウォレス ウィリアムス

【要約】 【課題】荷電感熱ポリマーとの相溶性を改良した感IR性化合物を含むリソグラフィ画像形成部材を提供すること。

【解決手段】a)親水性の感熱荷電イオノマーb)水又は水混和性有機溶剤、及びc)水中又は水混和性有機溶剤中で測定したλmax が700nmより長い感赤外線性負荷電オキソノール系色素(IR色素)を含んで成り、該IR色素が下記構造式Iで表されることを特徴とする感熱組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 a)親水性の感熱荷電イオノマーb)水又は水混和性有機溶剤、及びc)水中又は水混和性有機溶剤中で測定したλmax が700nmより長い感赤外線性負荷電オキソノール系色素(IR色素)を含んで成り、該IR色素が下記構造式Iで表されることを特徴とする感熱組成物。
【化1】

(上式中、R’は、置換型もしくは無置換型アルキル基、置換型もしくは無置換型シクロアルキル基、置換型もしくは無置換型複素環式基又は置換型もしくは無置換型炭素環式芳香族基であり、R1'及びR2'は、各々独立に、置換型もしくは無置換型複素環式もしくは炭素環式芳香族基であり、そしてM+ は1価のカチオンである。)
【請求項2】 前記感熱イオノマーが、下記の3種:1)正荷電N- アルキル化芳香族複素環式側基を含む反復単位を含む架橋型又は未架橋型ビニルポリマー、2)反復する有機オニウム基を含む架橋型又は未架橋型ポリマー、及び3)チオスルフェート側基を含むポリマーからなるポリマー群から選ばれたものである、請求項1に記載の感熱組成物。
【請求項3】 請求項1に記載の感熱組成物から調製された親水性画像形成層を支持体上に配置してなることを特徴とするネガ型画像形成部材。
【請求項4】 A)請求項3に記載のネガ型画像形成部材を用意し、そしてB)該画像形成部材を像様露光することにより該画像形成部材の画像形成層に露光部分と未露光部分とを提供し、それにより、像様露光で与えられる熱により該露光部分の疎水性が該未露光部分よりも高くなることを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】 A)請求項3に記載のネガ型画像形成部材を用意し、B)該画像形成部材を像様露光することにより該画像形成部材の画像形成層に露光部分と未露光部分とを提供し、それにより、像様露光で与えられる熱により該露光部分の疎水性が該未露光部分よりも高くなり、そしてC)該像様露光された画像形成部材にリソグラフィ印刷インクを接触させて、該印刷インクを該画像形成部材から受容材料へ像様転写することを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】 A)請求項1に記載の感熱組成物を支持体上にスプレーコーティングすることによりネガ型画像形成部材を提供し、そしてB)該画像形成部材を像様露光することにより該画像形成部材の画像形成層に露光部分と未露光部分とを提供し、それにより、像様露光で与えられる熱により該露光部分の疎水性が該未露光部分よりも高くなることを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、感熱画像形成組成物及びその組成物から製造される画像形成部材(特にリソグラフィ印刷乾板)に関する。また、本発明はこのような画像形成部材の画像形成方法及び前記部材を使う印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リソグラフィ印刷の技術は油と水が混和しないことに基づいていて、油性材料又はインキが画像形成領域によって優先的に保持され、そして水又はファウンテン液が非画像形成領域によって優先的に保持される。適切に調製された表面を水で湿らせ次にインキを塗布すると、バックグランドすなわち非画像形成領域は水を保持してインキをはじくが、画像形成領域はインキを受け入れて水をはじく。そのインキは、次に、適切な基材、例えば布、紙または金属の表面に転写されて画像が再生される。
【0003】ごく一般的なリソグラフィ印刷乾板は、金属又は重合体の支持体の上に可視光又は紫外線に感受性の画像形成層を有している。ネガ型及びポジ型の印刷乾板の両者はこの方式で製造することができる。露光し次に通常、露光後の加熱を行うと、画像形成領域又は非画像形成領域が湿式処理の化学反応を利用して除去される。
【0004】リソグラフィ印刷乾板は、IR吸収層を融蝕することによって製造できることが知られている。例えば、カナダ特許第1,050,805号(Eames )は、インキ受容性基材、シリコーンゴム上層及び自己酸化性バインダー(例えばニトロセルロース)中にレーザーエネルギー吸収粒子(例えばカーボン粒子)を含有する介在層を含むプラノグラフィ印刷乾板を開示している。このような乾板は、Nd++YAGレーザーによって集束された近赤外線に露光された。前記吸収層は、赤外エネルギーを熱に変換して、該吸収層及び該シリコーンゴム上層を部分的にゆるめ、気化させ又は融蝕する。
【0005】感熱切換型重合体を印刷乾板の画像形成材料として使用することは報告されている。用語「切換型」は、その重合体が熱にさらされると、疎水性から相対的により親水性になること又は逆に親水性から相対的により疎水性になることを意味する。
【0006】米国特許第5,985,514号(Zheng ら)は、感熱重合体を含有する画像形成層を有するプロセスレス直記式印刷乾板(processless direct write printing plate )を目的とする特許である。その重合体コーティングは、有機色素又はカーボンブラックの微細分散体などの赤外線吸収物質を組み込むことによって、赤外線に対して感受性になる。有機色素又はカーボンブラックが吸収した光は、高強度の赤外レーザーに露出されると、熱に変換して、重合体の物理的及び/又は化学的変化(通常、親水性又は疎水性の変化)を促進する。得られる印刷乾板は、通常の印刷機械で使用して例えば陰画を提供することができる。かような印刷乾板は、発展している「コンピューター乾板」印刷又は「直記式」印刷の市場に有用である。
【0007】「切換型」画像形成層を有する他の画像形成部材が米国特許第6,146,812号(Leonら)に記載されており、その部材は、切換えを迅速に行うが、その感熱重合体は保存寿命の安定性が改良されている。
【0008】有機色素の塩類は、本来、水又はアルコール性コーティング溶剤に或る程度溶解することが多いのでIR色素増感剤として好ましい。しかし、このような塩類の多くは、溶解性が不十分であるか、荷電重合体と反応してスカムがついたり又は色調が変化した画像になりうる疎水性生成物を形成するか、又は画像形成部材に対し不充分な感熱増感を行うので許容できないことが分かっている。米国特許第5,985,514号(上記)に記載されているようなチオスルフェート重合体と相溶性のIR色素増感剤が、特に要求されている。
【0009】他の画像形成部材が感赤外線性色素又はカーボンと組みあわせて使用されるカチオン感熱イオノマーを含有している。代表的なカチオンイオノマーは、例えば米国特許第6,190,830号(Leonら)および同第6,190,831号(Leonら)に記載されている。
【0010】また、改良された感熱組成物および画像形成部材が英国特許第2,358,710号(DoMinhら)に記載されている。これらの組成物は、米国特許第6,248,886号(Williamsら)及び同第6,248,893号(Williamsら)に記載されている感赤外線性オキソノール色素を含有している。
【0011】
【特許文献1】カナダ国特許第1050805号明細書【特許文献2】米国特許第5985514号明細書【特許文献3】米国特許第6146812号明細書【特許文献4】米国特許第6190830号明細書【特許文献5】米国特許第6190831号明細書【特許文献6】英国特許第2358710号明細書【特許文献7】米国特許第6248886号明細書【特許文献8】米国特許第6248893号明細書【特許文献9】米国特許第4693958号明細書【特許文献10】米国特許第5512418号明細書【特許文献11】米国特許第5985574号明細書【特許文献12】欧州特許出願公開第0652383号明細書【0012】
【発明が解決しようとする課題】各種の荷電感熱重合体との相溶性が改良された感IR性化合物を含有する直記式リソグラフィ画像形成部材が要望されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題は下記感熱組成物で克服される。すなわちa)親水性の感熱イオノマーb)水又は水混和性有機溶剤、及びc)水中又は水混和性有機溶剤中で測定したλmax が700nmより長い感赤外線性負荷電オキソノール色素、を含んでなり、該負荷電オキソノール色素が、下記構造式I:【0014】
【化2】

【0015】(上記式中、R’は、置換型もしくは無置換型アルキル基、置換型もしくは無置換型シクロアルキル基、置換型もしくは無置換型複素環式基又は置換型もしくは無置換型炭素環式芳香族基であり、R1'及びR2'は、各々独立に、置換型もしくは無置換型複素環式もしくは炭素環式の芳香族基であり、そしてM+ は1価のカチオンである)で表されることを特徴とする感熱組成物で克服される。また、本発明は、支持体を有し、そしてその上に上記感熱組成物から製造した親水性画像形成層を配置されたネガ型画像形成部材も提供するものである。
【0016】さらに本発明には下記の画像形成方法が含まれている。すなわち、A)上記ネガ型画像形成部材を用意し、及びB)該画像形成部材を像様露光することにより該画像形成部材の画像形成層に露光部分と未露光部分を提供し、それにより、像様露光で与えられる熱により該露光部分の疎水性が該未露光部分よりも高くなる、ステップを含んでなる画像形成方法が含まれている。
【0017】さらに、印刷方法は、ステップAとBを実施するステップを含み、そしてさらにC)該像様露光された画像形成部材にリソグラフィ印刷インキを接触させて、該印刷インキを該画像形成部材から受容材料へ像様転写するステップを含んでいる。
【0018】用語「イオノマー」は、本明細書で使用する場合、負荷電の反復単位を少なくとも15モル%含有する正荷電又は負荷電の重合体を意味する。
【0019】本発明の画像形成部材はいくつもの利点をもっているので、従来の印刷乾板で知られている問題点の解決策を提供する。具体的に述べると、融蝕画像形成(すなわち表面層の像様除去)に関連する問題点と重大事項は、画像形成層の親水性が、その印刷表面の露光部分を低い親水性に(すなわち加熱されるとより疎水性になる)切換える(好ましくは不可逆的に)ことによって像様に変えられるので、避けられる。このように、その画像形成層は画像形成中又はその後で無傷のままである(すなわち融蝕は全く起こらない)。これらの利点は、荷電反復基を、重合体主鎖内に有しているか又は該主鎖に化学的に結合させた親水性感熱重合体(イオノマー)を使用することによって達成することができる。このような重合体と基については以下により詳細に説明する。画像形成層に使用されるこれら重合体は本明細書に記載の方法を使って容易に製造されるので、本発明の画像形成部材は、簡単に製造されかつ画像形成後に湿式処理を行う必要なしに使用される。本発明の画像形成部材から製造して得られる印刷部材は、本来ネガ型である。さらに従来のアルカリ現像は、本発明の画像形成部材の場合、不要である。
【0020】本発明を実施するのに使用される荷電重合体は、一般に、水とメタノール及びこれらの水溶性重合体塩を容易に溶解する他の水混和性溶剤からコートされる。
【0021】本発明に使用される「複合」オキソノール感赤外線性色素(本明細書の「IR色素」)は、レーザープレートセッターの操作波長(一般に700nm以上)を最高に吸収するように選択できるので、感熱画像形成部材に対する負荷電IR増感剤である。さらに、これらの色素は、溶解した(分子レベルで分散された)状態でコートすることができるので、エネルギーが最大限に利用されかつ画像の解像性能が最高になる。本発明の感熱組成物は、少ないIR色素の被覆量でフォトスピードが増大しかつ気体流出物の放出が最小限である。その上本発明の発明者らは、本発明に有用なイオノマー重合体類(特にチオスルフェート重合体類)と負荷電オキソノールIR色素の相互作用による有害作用を観察しなかった。
【0022】本発明の画像形成部材は、支持体及びその上に配置された乾燥感熱組成物を含有する1又は2以上の層を備えている。その支持体は、重合体フィルム、ガラス、セラミック、セルロース系材料(紙を含む)、金属もしくは薄板紙(stiff paper)又はこれら材料のいずれかの積層物を含む自立性材料でよい。その支持体の厚さは変えることができる。大部分の用途では、その厚さは、印刷による摩耗に耐えるのに充分な厚さでかつ印刷体を覆うため充分薄くなければならない。好ましい実施態様は、例えばポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートで製造され、厚さが100〜310μmのポリエステル支持体を使用する。もう一つの好ましい実施態様は、厚さが100〜600μmのアルミニウムシートを使用する。支持体は、使用条件下で寸法の変化に耐えねばならない。
【0023】また、支持体は、印刷機械の印刷シリンダー及び印刷シリンダー上に取り付けられている印刷スリーブを含む円筒形支持体でもよい。このような支持体を使用して円筒形画像形成部材を提供することは米国特許第5,713,287号(Gelbart )に記載されている。感熱重合体組成物は、印刷機械の一体部分であるシリンダーの表面に直接、コートするか又はスプレーすることができる。
【0024】しかし、本発明の画像形成部材は好ましくは、支持体上に、画像を形成するのに必要な感熱表面層である層を一つだけ有している。この親水性層は本発明の感熱組成物で製造され、そして1又は2種以上の感熱イオノマー、及び光熱変換物質として1又は2種以上の負荷電オキソノールIR色素を含有している(両者について以下に説明する)。画像形成層には特定の1種又は複数種の重合体が使用されるので、該層の露光された(画像が形成された)部分は一層疎水性になる。未露光部分は親水性のままである。
【0025】このように、画像形成部材の感熱画像形成層には、1又は2種以上のイオノマー及び1又は2種以上の負荷電オキソノールIR色素だけが画像形成を行うのに不可欠である。荷電イオノマーは一般に、少なくとも15モル%がアニオン基である反復単位を含有している。好ましくは、反復基の少なくとも20モル%がアニオン基である。したがって、これらイオノマーは各々、これらアニオン基が提供する正又は負の正味電荷を有している。
【0026】本発明を実施するのに有用な代表的な荷電イオノマーは下記の三つの広いクラスの物質で説明できる。すなわち、I)正荷電N−アルキル化芳香族複素環式側基を含む反復単位を含む架橋型もしくは未架橋型ビニル重合体、II)反復する有機オニウム基を含む架橋型もしくは未架橋型の重合体、及びIII)チオスルフェート(Bunte塩)側基を含む重合体、である。
【0027】各クラスの重合体を順に説明する。画像形成層は、各クラス由来の重合体の混合体又は2種以上のクラスの1又は2種以上の重合体の混合物を含んでいてもよい。さらに、画像形成層はこれら重合体のこれらクラスのどれにも属していない1又は2種以上のイオノマーを含有していてもよい。上記クラスIII の重合体が好ましい。
【0028】クラスIの重合体クラスIの重合体は、一般に分子量が少なくとも1000であり、必要な正荷電基を有する高範囲の種類の親水性のビニル単一重合体及びビニル共重合体であればよい。これら重合体は、従来の重合法を使用して、エチレン系不飽和重合性単量体から製造される。好ましくは、これら重合体は2種以上のエチレン系不飽和重合性単量体から製造される共重合体であって、それら単量体のうち少なくとも1種は所望の正荷電側基を含有し、もう一つの単量体は架橋部位や支持体に接着できることなどの他の特性を提供できる。これら重合体を製造するのに必要な方法および反応剤はよく知られている。本明細書中に提供される追加の教示によってこれら公知の重合体反応剤と反応条件を当業技術者は、適切なカチオン基を結合して改質することができる。
【0029】カチオン基が存在する場合、該カチオン基がその対イオンと反応すると、画像形成層は、明らかに、なんらかの方式で熱に露出された領域が親水性から疎水性に切換わるか又は切換わりやすくなる。正味の結果は電荷の喪失である。このような反応は、アニオンがより求核性及び/又はより塩基性である場合、一層容易に達成される。例えば酢酸アニオンは一般に塩化物イオンより反応性である。アニオンの化学的性質を変えることにより、感熱重合体の反応性を改質して、充分な保存寿命と釣合いをとり特定の組合せの条件(例えばレーザーのハードウェアと電力及び印刷機の要件)に対して最適の画像解像度を提供できる。有用なアニオンとしてはハロゲン化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、ホウ酸イオン及びスルホン酸イオンがある。代表的なアニオンとしては、限定されないが、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどの当業者技術者には容易に分かるアニオンがある。ハロゲン化物イオンとカルボン酸イオンが好ましい。
【0030】芳香族カチオン基は、上記の熱活性化反応が、画像形成後の印刷層に所望の疎水性を提供できるように、重合体の充分な反復基に含まれている。これらの基は、該重合体の主鎖に沿って、又は重合体網目の1又は2以上の分枝鎖に対し、又は両者に、結合させることができる。これら芳香族基は、一般に、リング中に5〜10個の炭素、窒素、硫黄又は酸素の原子(少なくとも一つは正荷電窒素原子である)を含有し、これら原子には、分枝もしくは非分枝の置換型もしくは無置換型のアルキル基が連結している。したがって、芳香族複素環基を含有する反復単位は下記構造式IIで表される。
【0031】
【化3】

【0032】この構造式中、R1 は、1〜12個の炭素原子を有する分枝もしくは非分枝の置換型もしくは無置換型のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、メトキシメチル、ベンジル、ネオペンチル及びドデシル)である。R1 は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型の分枝もしくは非分枝のアルキル基であり、そして最も好ましくは置換型もしくは無置換型のメチル基である。
【0033】R2 は置換型もしくは無置換型のアルキル基(上記定義のアルキル基、及びさらにシアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基)、1〜6個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、オキシメチルメトキシ、n−プロポキシ及びブトキシ)、リング中に6〜14個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントリル、p−メトキシフェニル、キシリル及びアルコキシカルボニルフェニル)、ハロ(例えばクロロ及びブロモ)、リング中に5〜8個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル及び4−メチルシクロヘキシル)、又はリング中に5〜8個の原子を有し該リング中に少なくとも一つの窒素、硫黄もしくは酸素の原子を有する置換型もしくは無置換型の複素環式基(例えばピリジル、ピリジニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニル)であればよい。好ましくは、R2 は置換型又は無置換型のメチル基又はエチル基である。
【0034】Z''は、重合体主鎖に結合される5〜10員芳香族N−複素環リングを完成するのに必要な炭素原子および追加の窒素、酸素もしくは硫黄の原子を表す。したがって、そのリングは、リング中に二つ以上の窒素原子(例えばN−アルキル化ジアジニウム基もしくはイミダゾリウム基)、又は限定されないがピリジニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、アクリジニウム、フェナントラジウムなど当業技術者には容易に分かる基を含むN−アルキル化窒素含有縮合環系を含有していてもよい。
【0035】W- は上記のような適切なアニオンである。W- は最も好ましくは酢酸イオン又は塩化物イオンである。
【0036】また、構造式IIにおいて、nは0〜6と定義され、好ましくは0又は1である。最も好ましくはnは0である。
【0037】上記芳香族複素環リングは、重合体主鎖に、該リングのどの位置において結合してもよい。好ましくは、リング中に5〜6個の原子がありその中の1個又は2個が窒素である。したがって、該N−アルキル化窒素含有芳香族基は好ましくはイミダゾリウム基又はピリジニウム基であって、そして最も好ましくはイミダゾリウム基である。
【0038】カチオン性芳香族複素環を含有する反復単位は、未アルキル化窒素含有複素環単位を含有する前駆重合体を、公知の方法と条件を使用して、適当なアルキル化剤(例えばスルホン酸アルキルエステル類、ハロゲン化アルキル類など当業技術者には容易に分かる物質)と反応させることによって提供することができる。
【0039】好ましいクラスIの重合体は、下記のような1又は2種以上の単量体から誘導されるランダム反復基を表す下記構造式III で表すことができる。
【0040】
【化4】

【0041】上記式中、Xは、前記N−アルキル化窒素含有芳香族複素環基(NET+ で表してある)が連結されている反復単位を表し、Yは各種の架橋機構(以下に説明する)を使用して、架橋のための活性部位を提供できるエチレン系不飽和重合性単量体から誘導される反復単位を表し、W- は上記のような適切なアニオンであり、そしてZは追加のエチレン系不飽和重合性単量体から誘導される反復単位を表す。各種の反復単位は適切な量で存在している。すなわちxは20〜100モル%であり、yは0〜20モル%でありそしてzは0〜80モル%である。好ましくは、xは30〜98モル%であり、yは2〜10モル%でありそしてzは0〜68モル%である。
【0042】これら重合体の架橋はいくつもの方法で行うことができる。架橋に使用する多くの単量体及び多くの架橋方法を、当業技術者は熟知している。
【0043】架橋可能な基又は架橋可能な活性部位(又は架橋添加剤に対する結合点として作用し得る基、例えばエポキシド基)を有する単量体は、上記の他の単量体と共重合することができる。このような単量体としては、限定されないが、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレートもしくはメタクリレート、シンナモイルアクリレートもしくはメタクリレート、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−アミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、アクリル酸もしくはメタクリル酸及びヒドロキシエチルメタクリレートがある。
【0044】上記構造式III 中の「Z」で表される繰返し単位を提供する追加の単量体としては、親水性画像形成層に所望の物理特性又は印刷特性を提供できる有用な親水性又は親油性のエチレン系不飽和重合性単量体がある。このような単量体としては、限定されないがアクリレート類、メタクリレート類、イソプレン、アクリロニトリル、スチレンとスチレン誘導体類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸もしくはメタクリル酸及びハロゲン化ビニル類がある。
【0045】代表的なクラスIの重合体を、重合体1及び3〜6として以下に示す。これら重合体の混合物も使用できる。下記重合体2は有用なクラスI重合体の前駆体である。これら重合体及びそれらの製造方法のさらなる詳細は米国特許第6,190,831号(Leonら)に提供されている。
重合体1:ポリ(1−ビニル−メチルイミダゾリウムクロリド−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩)、重合体2:ポリ(メチルメタクリレート−コ−4−ビニルピリジン)、重合体3:ポリ(メチルメタクリレート−コ−N−メチル−4−ビニルピリジニウムホルメート)、重合体4:ポリ(メチルメタクリレート−コ−N−ブチル−4−ビニルピリジニウムホルメート)、重合体5:ポリ(メチルメタクリレート−コ−2−ビニルピリジン)及び重合体6:ポリ(メチルメタクリレート−コ−N−メチル−2−ビニルピリジニウムホルメート)。
【0046】クラスIIの重合体クラスIIの重合体も一般に分子量が少なくとも1000である。これらの重合体としては、広範囲のビニル又は非ビニルの単一重合体と共重合体がある。
【0047】クラスIIの非ビニル重合体としては、限定されないが、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリアミド−エステル類、ポリアリーレンオキシド類とその誘導体、ポリウレタン類、ポリキシリレン類とその誘導体、シリコンベースのゾルゲル類(ゾルセスキオキサン類)、ポリアミドアミン類、ポリイミド類、ポリスルホン類、ポリシロキサン類、ポリエーテル類、ポリ(エーテルケトン)類、ポリ(フェニレンスルフィド)イオノマー類、ポリスルフィド類及びポリベンゾイミダゾール類がある。このような非ビニル重合体は、好ましくは、シリコンベースのゾルゲル類、ポリアリーレンオキシド類、ポリ(フェニレンスルフィド)イオノマー類又はポリキシリレン類であり、そして最も好ましくは、ポリ(フェニレンスルフィド)イオノマー類である。これらタイプのすべての重合体を製造するのに必要な方法と反応物はよく知られている。本明細書で提供される追加の教示によって、当業技術者は、既知の重合体、反応物及び条件を改変して適切なカチオン性有機オニウム部分を組み込むか又は結合することができる。本発明に有用なシリコンベースのゾルゲルは、ジ−、トリ−又はテトラ−アルコキシシラン類から誘導されるシリコンコロイドを含有する架橋された重合体マトリックスとして製造できる。好ましいゾルゲルは、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムアセテートを、架橋剤及び重合体層形成材料として使用する。
【0048】有機オニウム部分がなんらかの方式で重合体中に化学的に組み込まれて存在している場合、該カチオン部分がその対イオンと反応すると、明らかに、熱を提供するか又は発生するエネルギーに露出されたときの露出部分において画像形成層の親水性から親油性へ「切換え」が行われるか又は「切換え」が容易になる。正味の結果は電荷の喪失である。このような反応は、有機オニウム部分のアニオンが、クラスI重合体について先に述べたように、より求核的及び/又はより塩基性である場合、より容易に達成される。
【0049】該重合体内の該有機オニウム部分は、三置換された硫黄部分(有機スルホニウム)、四置換された窒素部分(有機アンモニウム)又は四置換されたリン部分(有機ホスホニウム)から選択できる。四置換窒素(有機アンモニウム)部分が好ましい。この部分は、適切な対イオンとともに、重合体主鎖に化学的に結合できる(すなわち側基)か又は何らかの方式で主鎖内に組み込むことができる。これらの両方の実施態様では、該有機オニウム部分が重合体の充分な繰返し単位中に存在し(少なくとも15モル%)、その結果、上記の熱活性化反応が起こって、所望の疎水性の画像形成層が提供される。該有機オニウム部分は、側基として化学的に結合される場合、重合体の主鎖にそって、もしくは重合体網目の1もしくは2以上の分枝に、又は両方に、結合させることができる。該有機オニウム部分は、重合体主鎖内に化学的に組みこむ場合、環式もしくは非環式の形態で存在することができ、そして重合体網目の分枝点を形成することもできる。有機オニウム部分は、重合体主鎖にそって側基として提供することが好ましい。有機オニウム部分の側基は、ポリマーを製造した後に重合体主鎖に結合させるか、又は重合体の官能基を公知の化学反応を利用して有機オニウム分子に変換することができる。例えば、第四級アンモニウム側基は、「脱離基」の官能性(例えばハロゲン)を、第三級アミンの求核剤によって置換することによって、重合体の主鎖に提供することができる。あるいは、該有機オニウム基は、後で重合される単量体に存在させることができ、又は重合体内にすでに組みこまれている中性のヘテロ原子単位(三価の窒素もしくはリンの基又は二価の硫黄の基)をアルキル化することによって誘導することができる。
【0050】該有機オニウム部分は、正電荷を与えるため置換される。置換基は各々、有機オニウム部分の硫黄、窒素又はリンの原子に直接結合される少なくとも一つの炭素原子をもっていなければならない。有用な置換基としては、限定されないが1〜12個の炭素原子を有し好ましくは1〜7個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、メトキシエチル、イソプロポキシメチル)、置換型もしくは無置換型のアリール基(フェニル、ナフチル、p−メチルフェニル、m−メトキシフェニル、p−クロロフェニル、p−メチルチオフェニル、p−N,N−ジメチルアミノフェニル、キシリル、メトキシカルボニルフェニル及びシアノフェニル)並びに炭素環リングに5〜8個の炭素原子を含有する置換型もしくは無置換型のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル及び3−メチルシクロヘキシル)がある。他の有用な置換基は当業技術者であれば容易に分かるであろう。そして特に述べた置換基のいかなる組合せも考えられる。
【0051】該有機オニウム部分は、クラスI重合体について先に述べたような適切なアニオンを含んでいる。ハロゲン化物やカルボキシルのアニオンが好ましい。
【0052】さらに、クラスIIのビニル重合体が本発明を実施するのに使用することができる。該非ビニル重合体と同様に、かような感熱重合体は、1又は2種以上の有機オニウム基を有する反復単位で構成されている。例えば、このような重合体は有機アンモニウム基及び有機スルホニウム基の両者を有する反復基を有していてもよい。また、これら有機オニウム基はすべて、同じアルキル置換基を含有している必要はない。例えば、重合体は2種以上の有機アンモニウム基を有する反復基を含有していてもよい。これら重合体の有用なアニオンは、前記非ビニル重合体について先に述べたのと同じアニオンである。さらに、ハロゲン化物及びカルボキシルのアニオンが好ましい。
【0053】該有機オニウム基は該重合体の充分な反復単位中に存在しているので、上記熱活性化反応が起こって、所望の疎水性を、画像形成後の印刷層に提供する。該有機オニウム基は、重合体の主鎖にそって、又は重合体網目の一つもしくは二つ以上の分枝に又は両者に結合できる。側基は、重合体が形成された後、公知の化学反応を利用して重合体主鎖に化学的に結合させることができる。例えば有機アンモニウム、有機ホスホニウム又は有機スルホニウムの側基は、三価アミン、二価硫黄又は三価リンの求核剤で重合体連鎖の脱離側基(例えばハロゲン化物又はスルホネートエステル)を求核置換することによって重合体主鎖に加えることができる。また、オニウム側基は、通常使用されるアルキル化剤、例えばアルキルスルホネートエステル類又はハロゲン化アルキル類を使用して、対応する中性ヘテロ原子側基(窒素、硫黄又はリン)をアルキル化することによって提供することもできる。あるいは、所望の有機アンモニウム基、有機ホスホニウム基又は有機スルホニウム基を含有する単量体前駆体を重合して所望の重合体をつくることができる。
【0054】ビニル重合体中の有機アンモニウム基、有機ホスホニウム基又は有機スルホニウム基は、所望の正電荷を提供する。一般に、好ましい有機オニウム側基は、下記構造式IV、V及びVIで表すことができる。
【0055】
【化5】

【0056】上記式中、Rは、1又は2以上のオキシ基、チオ基、カルボニル基、アミド基又はアルコキシカルボニル基を鎖内に含有していてもよい1〜12個の炭素原子を含有する置換型もしくは無置換型のアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、イソプロピレン、メチレンフェニレン、メチレンオキシメチレン、n−ブチレン及びヘキシレン)、リング中に6〜10個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン、キシリレン及び3−メトキシフェニレン)、又はリング中に5〜10個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のシクロアルキレン基(例えば1,4−シクロヘキシレン及び3−メチル−1,4−シクロヘキシレン)である。さらに、Rは上記定義の置換型もしくは無置換型のアルキレン、アリーレン及びシクロアルキレン基の二つ以上の組合せであってもよい。好ましくはRは置換型もしくは無置換型のエチレンオキシカルボニル基又はフェニレンメチレン基である。本明細書にはあげていない他の有用な置換基として、上記の基の組合せを含めることができるが、このことは当業技術者には容易に分かるであろう。
【0057】R3 、R4 及びR5 は各々独立に、1〜12個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ベンジル、メチレンカルボアルコキシ及びシアノアルキル)、炭素環リングに6〜10個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、キシリル、p−メトキシフェニル、p−メチルフェニル、m−メトキシフェニル、p−クロロフェニル、p−メチルチオフェニル、p−N,N−ジメチルアミノフェニル、メトキシカルボニルフェニル及びシアノフェニル)又は炭素環リングに5〜10個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換のシクロアルキル基(例えば1,3−もしくは1,4−シクロヘキシル)である。あるいは、R3、R4 及びR5 のうちいずれか二つが、結合して、リング中に4〜8個の炭素、窒素、リン、硫黄又は酸素の原子を有し、かつ荷電したリン、硫黄又は酸素の原子を有する置換型もしくは無置換型の複素環リングを形成してもよい。このような複素環リングとしては、限定されないが構造式VIで表される置換型もしくは無置換型のモルホリニウム、ピペリジニウム及びピロリジニウムの基がある。これらの各種基の他の有用な置換基は当業技術者であれば容易に分かるであろう。そして具体的に述べた置換基を組み合わせることも考えられる。
【0058】好ましくは、R3 、R4 及びR5 は各々独立に、置換型もしくは無置換型のメチル基又はエチル基である。
【0059】W- は、クラスI重合体について先に述べたような適切なアニオンである。酢酸アニオン及び塩化物アニオンが好ましいアニオンである。
【0060】本明細書で述べるような第四級アンモニウム基を含有する重合体は、最も好ましいクラスIIのビニル重合体である。
【0061】本発明を実施するのに有用なクラスIIのビニル重合体は、構造式VII で以下に説明するような、1又は2種以上の単量体から誘導されるランダム反復単位を示す下記構造式VII で表すことができる。
【0062】
【化6】

【0063】上記式中、X’は有機オニウム基(「ORG」)が連結されている反復単位を表し、Y’は各種の架橋機構(以下に説明する)を利用して架橋させるための活性部位を提供できるエチレン系不飽和重合性単量体から誘導される反復単位を表し、そしてZ’は追加のエチレン系不飽和重合性単量体から誘導される反復単位を表す。これら各種の反復単位は、x’が15〜99モル%であり、y’が1〜20モル%であり、そしてz’が0〜84モル%であることによって表されるような適切な量で存在している。好ましくは、x’は20〜98モル%であり、y’は2〜10モル%であり、そしてz’は0〜78モル%である。W- は先に述べたような適切なアニオンである。
【0064】該ビニル重合体の架橋が、クラスIの重合体について先に述べたのと同じ方法で達成することができる。
【0065】構造式VII にZ’で表される追加の反復単位を提供する追加の単量体としては、画像形成層に所望の物理特性又は印刷特性を与えることができる有用な親水性もしくは親油性のエチレン系不飽和重合性単量体がある。このような単量体としては、限定されないが、アクリレート類、メタクリレート類、アクリロニトリル、イソプレン、スチレンとスチレン誘導体類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸もしくはメタクリル酸及びハロゲン化ビニル類がある。
【0066】代表的なクラスIIの非ビニル重合体は、本明細書では重合体7〜8および10〜18として以下に示す。これら重合体の混合物も使用できる。重合体9は重合体10の前駆体である。このような重合体及びそれらの製造方法のそれ以上の詳細は、米国特許第6,109,830号(Leonら)に提供されている。
重合体7:ポリ(p−キシリデンテトラヒドロ−チオフェニウムクロリド)、重合体8:ポリ〔フェニレンスルフィド−コ−メチル(4−チオフェニル)スルホニウムクロリド〕、重合体9:臭素化ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、重合体10:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)のジメチルスルホニウムブロミド誘導体、重合体11:ポリ〔メチルメタクリレート−コ−2−トリメチルアンモニウムエチルメタクリルクロリド−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩〕、重合体12:ポリ〔メチルメタクリレート−コ−2−トリメチルアンモニウムエチルメタクリルアセテート−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド〕、重合体13:ポリ〔メチルメタクリレート−コ−2−トリメチルアンモニウムエチルメタクリルフルオリド−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩〕、重合体14:ポリ〔ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩〕、重合体15:ポリ(〔ビニルベンジルトリメチル−ホスホニウムアセテート−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩〕、重合体16:ポリ〔ジメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルスルホニウムクロリド−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩〕、重合体17:ポリ〔ビニルベンジルジメチルスルホニウムメチルスルフェート〕及び重合体18:〔ビニルベンジルジメチルスルホニウムクロリド〕。
【0067】クラスIIIの重合体クラスIII の重合体は各々、分子量が少なくとも1000であり、好ましくは少なくとも5000である。例えば、これら重合体は、公知の重合方法と反応物を使用してともに反応させる1又は2種以上のエチレン系不飽和重合性単量体から製造されるビニル単一重合体又は共重合体でもよい。あるいは、これら重合体は、公知の重合方法と反応物を使用してともに反応させる1又は2種以上の複素環単量体から製造される付加単一重合体又は付加共重合体(例えばポリエーテル類)でもよい。さらに、これら重合体は、公知の重合方法と反応物を使用して製造される縮合型重合体(例えばポリエステル類、ポリイミド類、ポリアミド類又はポリウレタン類)であってもよい。上記重合体の型がどうであろうとも、重合体中の全反復単位の少なくとも15モル%(好ましくは20モル%)が、必要な熱で活性化可能なチオスルフェート基を含有している。
【0068】本発明を実施するのに有用なクラスIII の重合体は、チオスルフェート基(又はBunte塩)が側基である下記構造式VIIIで表すことができる。
【0069】
【化7】

【0070】上記式中、Aは重合体の骨格を表し、R6 は二価の連結基であり、そしてY1 は水素又はカチオンである。
【0071】有用な重合体骨格としては、限定されないが、ビニル重合体類、ポリエーテル類、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類がある。好ましくは、該重合体主鎖はビニル重合体又はポリエーテルである。
【0072】有用なR6 連結基としては−(COO)n1(Z1m −があり、式中、n1は0又は1であり、mは0又は1であり、そしてZ1 は、連鎖中に1又は2以上の酸素、窒素又は硫黄原子を有していることもある1〜6個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、ブチレン類、2−ヒドロキシプロピレン及び2−ヒドロキシ−4−アザヘキシレン)、芳香族リング中に6〜14個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアリーレン基(例えばフェニレン、ナフタレン、アントラシレン及びキシリレン)、又は連鎖中に7〜20個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアリーレンアルキレン基(又はアルキレンアリーレン基)(例えばp−メチレンフェニレン、フェニレンメチレンフェニレン、ビフェニレン、及びフェニレンイソプロピレンフェニレン)である。さらにR6 は、Z1について先に定義したようなアルキレン基、アリーレン基又はアリーレンアルキレン基であってもよい。
【0073】R6 は好ましくは1〜3個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキレン基、芳香族リング中に6個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアリーレン基、連鎖中に7〜8個の炭素原子を有するアリーレンアルキレン基、又は−COO(Z1m −(式中Z1 はメチレン、エチレン又はフェニレンである)である。R6 は最も好ましくは、フェニレン、メチレン又は−COO−である。Y1 は水素、アンモニウムイオン又は金属イオン(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セシウム、バリウム、亜鉛又はリチウムのイオン)である。Y1 は好ましくは水素、アンモニウム、ナトリウム又はカリウムのイオンである。
【0074】該チオスルフェート基は、一般に、該主鎖に対する側基であるから、好ましくは、従来の方法を使用し重合させてチオスルフェート基含有反復単位のビニル単一重合体を製造できるか、又は1又は2種以上の追加のエチレン系不飽和重合性単量体と共重合させるとビニル共重合体を製造することができるエチレン系不飽和重合性単量体の一部分である。該チオスルフェート基含有反復単位は一般に、重合体中のすべての反復単位の少なくとも15モル%を構成しており、好ましくは全反復単位の20〜100モル%を構成している。重合体は、本明細書に記載されているようなチオスルフェート基含有繰返し単位を2種以上含有していてもよい。
【0075】上記チオスルフェート基を有する重合体は、加熱すると、架橋して親水性チオスルフェート基から疎水性ジスルフィド基に切換わる(スルフェート基の喪失)と考えられる。
【0076】チオスルフェート基含有分子(又はBunte塩)は、Bunte, Chem. Ber. 7巻 646頁1884年が教示しているような、ハロゲン化アルキルとチオスルフェート塩間の反応で製造することができる。チオスルフェート基含有重合体は、官能単量体から又は予め製造された重合体から製造することができる。また重合体は、米国特許第3,706,706号(Vandenberg)に記載されているので類似の方式で予め製造された重合体からも製造できる。また、チオスルフェート基含有分子は、アルキルエポキシドとチオスルフェート塩の反応、又はアルキルエポキシドとチオスルフェート部分を含有する分子(例えば2−アミノエタンチオ硫酸)との反応でも製造することができ、その反応は、Thames, Surf. Coating, 3 (Waterborne Coat), 3章125〜153頁、Wilson ら編に例示されているように単量体又は重合体で実施することができる。
【0077】クラスIII 重合体の製造に関する詳細は、米国特許第5,985,514号(前記)に提供されている。
【0078】ビニル重合体は、チオスルフェート官能基を含有する単量体を、1又は2種以上の他のエチレン系不飽和重合性単量体と共重合させて、重合体の化学特性又は機能特性を改変し、画像形成部材の性能を最適化し、又は追加の架橋性能を導入することによって製造することができる。
【0079】有用な追加のエチレン系不飽和重合性単量体としては、限定されないが、アクリレート類(メタクリレート類を含む)例えばエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート及びt−ブチルメタクリレート、アクリルアミド類(メタクリルアミドを含む)、アクリロニトリル(メタクリロニトリルを含む)、ビニルエーテル類、スチレン類、酢酸ビニル、ジエン類(例えばエチレン、プロピレン、1,3−ブタジエン及びイソブチレン)、ビニルピリジン並びにビニルピロリドンがある。アクリルアミド類、アクリレート類及びスチレン類が好ましい。
【0080】クラスIII の有用な重合体としては例えば下記の重合体がある。
重合体19:ポリ(クロロメチル−エチレンオキシド−コ−ナトリウムチオスルフェートメチル−エチレンオキシド)、重合体20:ポリ(ビニルベンジルチオスルフェートナトリウム塩−コ−メチルメタクリレート)、重合体21:ポリ〔ビニルベンジルチオスルフェートナトリウム塩−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩〕、重合体22:ポリ(ビニルベンジルチオスルフェートナトリウム塩)、重合体23:ポリ(2−ナトリウムチオスルフェート−コ−メタクリレート)、重合体24:ポリ〔2−ヒドロキシ−3−ナトリウムチオスルフェート−プロピルメタクリレート−コ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート)及び重合体25:ポリ(4−アザ−2−ヒドロキシ−6−ナトリウムチオスルフェート−ヘキシルメタクリレート)。
【0081】該画像形成部材の画像形成層は、少量(該画像形成層の全乾燥重量に対し20重量%未満)の、画像形成層の画像形成特性に対して悪影響を与えない追加のバインダー又は重合体材料を含むか含まずに、1又は2種以上のイオノマーを含有していてもよい。
【0082】感熱層を提供するために使用される組成物におけるイオノマーの量は、一般に、少なくとも1質量%であり、そして好ましくは少なくとも2質量%である。該組成物中のイオノマーの量の実用上の上限は10質量%である。
【0083】画像形成層に使用されているイオノマーの量は、一般に少なくとも0.1g/m2 でありそして好ましくは0.1〜10g/m2 (乾燥質量)である。この量によって、乾燥層の平均厚さは0.1〜10μmになる。
【0084】感熱画像形成層は、適当な輻射線を適当なエネルギー源(例えばレーザー)から吸収してその輻射線を熱に変換するため1又は2種以上光熱変換物質を含有していることが不可欠である。こうして、このような物質は光子を熱に変換する。吸収される輻射線は、好ましくは、電磁スペクトルの赤外領域および近赤外領域である。本発明に使用される光熱変換物質の少なくとも一つは、負荷電基に対し共役しているメチン結合を含む負荷電オキソノールIR色素である。
【0085】また、負荷電オキソノールIR色素は、水、又は感熱組成物を製造するのに有用であると以下に説明する水混和性有機溶剤に可溶性であることが望ましい。これらのIR色素は、水もしくはメタノール又は水とメタノールの混合物に可溶性であることが一層好ましい。水又は水混和性有機溶剤に可溶性であるということは、負荷電オキソノールIR色素が、室温にて、少なくとも0.5g/lの濃度で溶解可能であることを意味する。
【0086】該負荷電オキソノールIR色素は、電磁スペクトルの近赤外と赤外の領域の輻射線に感受性である。したがって、これら色素は、一般に、λmax が700nm以上である(好ましくはλmax は750〜900nmであり、一層好ましくは800〜850nmである)。
【0087】本発明に有用な負荷電オキソノールIR色素は一般に、二つの環式又は脂肪族の基(これらの基の一方は負荷電を有している)と共役したポリメチン連鎖を有するアニオン色素である。
【0088】有用な負荷電オキソノールIR色素は、Hamer がThe Cyanine Dyes and Related Compounds, Interscience Publishers, 1964 年に述べた一般的な方法を利用して合成することができる。好ましい合成法を以下に説明する。これら色素は、本発明の感熱配合物に適切な方法で組みこむことができる。好ましい実施態様では、これら色素は適切な有機溶剤に溶解される。
【0089】本発明を実施するのに有用な負荷電オキソノールIR色素は下記構造式Iで表すことができる。
【0090】
【化8】

【0091】上記式中、R’は、1〜20個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、ドデシル、アミノエチル、メチルスルホンアミノエチル及び当業技術者には容易に分けるその他の基)、置換型もしくは無置換型の炭素環式芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、キシリル、m−カルボキシフェニル及び当業技術者には容易に分かるその他の基)、リング構造中に3〜8個の炭素、酸素、窒素及び硫黄の原子を有する置換型もしくは無置換型の複素環基(芳香族もしくは非芳香族)(例えば、モルホリノ、ピリジル、ピリミジル、チオモルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル及び当業技術者には容易に分かるその他の基)、又は縮合リング系を含むリング系に4〜12個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル及び当業技術者には容易に分かるその他の基)である。
【0092】R’は好ましくは、1〜10個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキル基又は置換型もしくは無置換型のフェニル基である。R’はより好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキル基(例えば置換型もしくは無置換型のメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル及びt−ブチルの基)、又は置換型もしくは無置換型のフェニル基である。R’は最も好ましくは、無置換型のメチル、エチル、イソプロピル又はフェニルの基である。
【0093】R1'とR2'は各々独立に、芳香族リング(縮合リング系を含む)中に5〜12個の原子を有する置換型もしくは無置換型の複素環又は炭素環式の芳香族基である。R1'とR2'は好ましくは同じ芳香族基を表す。有用な芳香族基としては、限定されないが、置換型もしくは無置換型のフェニル基、置換型もしくは無置換型のナフチル基、置換型もしくは無置換型のフリル基、置換型もしくは無置換型のチオフェニル基、及び置換型もしくは無置換型ベンゾフリル基がある。これらの芳香族基は、1つ以上のアミノ、メトキシ、カルボキシ、スルホ、スルホンアミド又はアルキルスルホニルの基で置換してもよい。好ましくは、R1'とR2'は、置換されているとき、各々1又は2以上の同じ置換型を有している。
【0094】M+ は適切な一価のカチオンであり、例えばアルカリ金属イオン(リチウム、ナトリウム又はカリウム)、アンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム又はトリブチルアンモニウムのイオン)、テトラアルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムのイオン)、ピリジニウムイオン、又はテトラメチルグアニジニウムイオンである。
【0095】好ましいクラスの本発明の化合物は、上記構造式I〔式中、R’は1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは無置換型のアルキル基又は置換型もしくは無置換型の炭素環式アリール基(例えばフェニル基)であり、そしてR1'とR2'は各々独立に置換型もしくは無置換型の炭素環式芳香族基(すなわちフェニル基類などのアリール基)である〕で表される化合物である。
【0096】本発明の色素は、例えば以下に示すようないくつもの互変異性形態で存在することができる。
【0097】
【化9】

【0098】本発明のオキソノールIR色素の例としては、限定されないが、下記の化合物がある。
【0099】
【化10】

【0100】1又は2種以上の負荷電オキソノールIR色素は、本発明の感熱画像形成組成物中に、一般に少なくとも0.2%質量%(%固形物)、好ましくは少なくとも0.4質量%の量で存在している。IR色素の上限値は重要ではないが、IR色素の費用、所望の感熱性及び溶剤に対する溶解性によって支配される。実用上の限度は1質量%であろう。IR色素は、画像形成部材の熱画像形成層中に、λmax が830nmの輻射線に露光されたとき、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.3の透過光学濃度を与えるのに充分な量で提供される。
【0101】該感熱組成物と画像形成層は追加の光熱変換物質を含有していてもよいが、このような物質が存在することは好ましくない。このような任意に使用できる物質としては、他のIR色素、カーボンブラック、重合体グラフト型カーボン、IR吸収性顔料、蒸発型顔料、半導体材料、合金、金属、金属酸化物、金属硫化物もしくはその混合物、又はその屈折率と厚さによって輻射線を吸収する物質のダイクロイックスタック(dichroic stack)がある。ホウ化物、炭化物、窒化物、カルボニトリド、青銅構造化酸化物(bronze−structured oxide)、及び青銅系に構造が似ているがWO2.9 成分を欠いている酸化物も有用である。近赤外ダイオードレーザービームを吸収する有用な色素は、例えば米国特許第4,973,572号(DeBoer)に記載されている。重要な特別の色素は「広帯域」色素すなわちスペクトルの広帯域を吸収する色素である。
【0102】あるいは、同じか又は異なる光熱変換材料(本明細書に記載の負荷電オキソノールIR色素を含む)を、感熱画像形成層と熱接触している別の層に加えてもよい。このようにして、画像形成中、追加の光熱変換材料の作用を感熱画像形成層に伝達することができる。
【0103】本発明の感熱組成物は、適切な装置と方法、例えばスピンコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、浸漬コーティング、又は押出しホッパーコーティングを使用して支持体に塗布することができる。さらに、該組成物は、例えば米国特許第5,713,287号(前記の)に記載されているような適切なスプレイ手段を利用して、円筒形支持体を含む支持体にスプレイすることができる。
【0104】本発明の感熱組成物は、一般に、水又は水混和性有機溶剤〔限定されないが、水混和性アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール及びn−プロパノール)、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ブチロラクトン及びアセトンがある〕に配合されてそれからコートされる。水、メタノール、エタノール及び1−メトキシ−2−プロパノールが好ましい。必要に応じて、これら溶剤の混合物(例えば水とメタノールの混合物)も利用できる。用語「水混和性の」は、その溶剤が室温にて、すべての比率で水に可溶性であることを意味する。
【0105】本発明の感熱組成物は、好ましくは本明細書に記載のリソグラフィ印刷乾板に使用されるが、感熱組成物が画像を提供するのに有用である可能性がある各種の他の状況に対して使用できる。
【0106】本発明の画像形成部材は、限定されないが、大きさ又は寸法が適切な、印刷乾板、印刷シリンダー、印刷スリーブ、及び印刷テープ(可撓性印刷ウェブを含む)を含む有用な形態のものであればよい。好ましくは画像形成部材は、印刷乾板またはオンプレスシリンダーである。また画像形成部材は、リソグラフィの画像形成と印刷には必ずしも使用されないが、他の画像形成システムに有用な要素を含んでいてもよい。
【0107】使用中、本発明の画像形成部材は、一般に画像形成装置に送られるディジタル情報に基づいてインキが必要な印刷される画像の最前面に熱を発生させるか熱を提供する集束レーザービームまたは熱抵抗ヘッドなどの適切なエネルギー源に露出される。本発明の画像形成部材を露出するのに使用されるレーザーは、ダイオードレーザーシステムが信頼性があり保守費用が低いので、ダイオードレーザーが好ましいが、他のレーザー、例えば気体レーザー又は固体レーザーも使用できる。
【0108】レーザーによる画像形成が本発明を実施するのに好ましいが、画像形成、像様方式で熱エネルギーを提供又は発生する他の手段で行うことができる。例えば、画像形成は、例えば米国特許第5,488,025号(Martinら)に記載されている「熱印刷」として知られている方法の熱抵抗ヘッド(熱印刷ヘッド)を用いて達成できる。このような熱印刷ヘッドは、例えばFujitsu Thermal Head FTP-040 MCSO01 及びTDK Thermal Head F415 HH7-1089として市販されている。
【0109】印刷機械のシリンダー上の感熱組成物の画像形成は、適切な手段、例えば米国特許第5,713,287号(前記)に教示されているような適切な手段を用いて達成することができる。
【0110】画像を形成した後、画像形成部材は、従来の湿式処理なしで印刷に使用することができる。塗布されたインキは、適切な受け取り材料(例えば布、紙、金属、ガラス又はプラスチック)に像様転写して、1又は2回以上の望ましい印刷(impression)を行うことができる。必要に応じて中間ブランケットローラーを使用して、インキを画像形成部材から該受取り材料へ転写することができる。該画像形成部材は、必要に応じて、印刷の間に、通常の洗浄手段を使用して洗浄することができる。
【0111】
【実施例】下記の実施例は本発明のプラスチックを例示するものであり、本発明を全く限定しない。好ましい感熱重合体と負荷電オキソノールIR色素のいくつかがどのようにして製造できるかを示す合成法を提供する。
【0112】IR色素の合成:オキソノオールIR色素1を、本発明のすべての化合物に対して広く有効な下記合成図式で製造した。
【0113】
【化11】

【0114】上記シアノ化合物の試料(6.4g、0.02モル)を、無水酢酸中の0.5モル当量のサルコシン(Aldrich Chemical Co.が市販している)とともに、沸騰するまで加熱した。その反応溶液を5分間加熱し次にトリエチルアミン(5ml)を添加した。その溶液は暗青色に変色し、さらに5分後、緑色固体が沈澱した。その固体を濾過によって集めて、CH3 CNで3回洗浄した。得られた固体を、減圧オーブンで40℃にて16hr乾燥した。その構造は、NMRによってIR色素1と一致することが分かり、HPLCによって>95%の純度であることが確認された(λmax 786nm(CH3 OH)、λmax 12.4×104 )。
【0115】IR色素2を、ピリジンをトリエチルアミンの代わりに使用し、かつフェニル−NHCH2 COOHをサルコシンの代わりに使用したことを除いて同様に製造して同定した。
【0116】以下の実施例は、本発明のプラスチック、及び本発明の範囲外の実施態様を超えるその利点を示す。本発明はこれらの実施例に限定されると解釈すべきではない。
【0117】発明実施例1と比較例1:画像形成配合物1と2を、下記表1に示す成分(質量部)を使用して製造した。
【0118】
【表1】

【0119】
【化12】

【0120】各配合物を、約1.0g/m2 の乾燥コーティング質量で、リン酸で陽極処理したグレンド(grained)アルミニウム支持体にコートした。得られた印刷乾板を風乾した。360〜820mJ/cm2 の範囲内の線量を使用して市販されているCREO TRENDSETTER(商標)(しかし大きさは小さい)のようなプレートセッター上に830nmで画像を形成した。
【0121】比較例1の印刷乾板の画像形成層は、露出された部分の色が迅速に褐色に変色し、画像形成中及び画像形成後何時間にもわたって明白な硫黄臭を発生した。対照的に実施例1の印刷乾板の青色画像形成層は一層濃い青色の画像を生成し、望ましくない硫黄臭は有意に減少した。このように、本発明の印刷乾板は、画像形成時の気体放出物が減少することが分かった。
【0122】画像を形成された実施例1の乾板を、連続印刷(press run)用の市販フルページ印刷機械(A.B.Dick9870複写機)のプレートシリンダーに取り付けた。商業用黒色インキとVan Universal Pinkファウンテン液(Varn Products Co. から入手)を使用した。その乾板は、印刷機の連続印刷の60秒以内に印刷機械で現像され、次に、少なくとも1000回の印刷に対して充分な濃度と高い画質で印刷した。
【出願人】 【識別番号】590000846
【氏名又は名称】イーストマン コダック カンパニー
【出願日】 平成14年9月5日(2002.9.5)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2003−182255(P2003−182255A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2002−260341(P2002−260341)