| 【発明の名称】 |
感熱性平版印刷版用原板 |
| 【発明者】 |
【氏名】因埜 紀文 【住所又は居所】静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】感度とプレートクリーナー耐性に優れ、同時に、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷することが可能であり、耐刷性に優れ、印刷汚れが発生しにくい感熱性平版印刷版用原板を提供する。
【解決手段】支持体上に、a)重量平均分子量の異なる2種以上のポリマー及び光熱変換剤を含有するインキ受容層、b)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する溶液を塗布してなる親水層を、この順に設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、a)重量平均分子量の異なる2種以上のポリマー及び光熱変換剤を含有するインキ受容層、b)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する溶液を塗布してなる親水層を、この順に設けた感熱性平版印刷版用原板。 【請求項2】 上記重量平均分子量の異なる2種以上のポリマーが、少なくとも、重量平均分子量500〜3000の低分子量ポリマーと重量平均分子量3000〜100000の高分子量ポリマーより成ることを特徴とする請求項1記載の感熱性平版印刷版用原板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要で耐刷性と汚れ難さに優れ、かつ感度及びプレートクリーナー耐性にも優れた感熱性平版印刷版用原板に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいた赤外線又は近赤外線レーザビーム走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものは従来のような現像工程を経ることなしに、そのまま印刷機に装着し印刷することが可能な平版印刷版用原板に関する。 【0002】 【従来の技術】熱により画像形成し、そのまま処理をしないで印刷機に架けられる平版印刷版用原板については、種々の方法が提案されている。有望な方法の一つは、半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザで露光し、露光部分を光熱変換剤で発熱させ、分解蒸発を起こさせるアブレーションを利用した方法である。すなわち、親油性基板又は親油層を有す基板上に親水層を設け、親水層を画像状にアブレーション除去する方法である。 【0003】WO94/18005号公報には、親油性レーザ光吸収層の上に架橋した親水層を設け、この親水層をアブレーションする印刷版が開示されている。この親水層は、ポリビニルアルコールをテトラエトキシ珪素の加水分解物で架橋し、二酸化チタン粒子を含有させたものからなり、親水層の膜強度向上を図ったものである。この技術により耐刷力は向上する。しかし、ポリビニルアルコールは、炭化水素基を有し必ずしも高親水性ではないのに、親水層固形分の48質量%も占めるため、汚れにくさについては不十分で、さらなる改良が必要である。 【0004】WO98/40212号公報、WO99/19143号公報およびWO99/19144号公報には、インキ受容層を塗布した基板上に、シリカなどのコロイドをアミノプロピルトリエトキシシランなどの架橋剤で架橋したものを主成分とする親水層を設け、現像なしで印刷機に架けることが可能な平版印刷用原板が開示されている。この親水層は、炭化水素基を極力少なくして印刷汚れに対する耐性を高め、架橋剤でコロイドを架橋することにより耐刷力の向上を図っている。しかしながら、その耐刷力は数千枚と不十分である。 【0005】アブレーションを利用したデジタルダイレクト無処理刷版は、版下からフィルムを介することなく直接に刷版を作ることができ、そのまま印刷機に取り付けて直ちに印刷することが可能であるなど、印刷の合理化と廃棄物削減という大きな利点があるが、処理なしという技術の難しさのため、印刷の基本である汚れにくさあるいは耐刷力のいずれかが損なわれがちで、この両者を両立させる技術は未だ開発途上にあるといえる。このような技術開発過程の中で、特開2001−96938号公報にて、a)光熱変換剤を含有するインキ受容層の上に、b)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイド及び親水性樹脂を含有する溶液を塗布してなる親水層を設けることによって、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷することが可能であり、耐刷性に優れ、印刷汚れが発生しにくい感熱性平版印刷版用原板が開示されている。しかしながらこの感熱平版印刷用原板は感度及びプレートクリーナー耐性の両立が満足できるものではなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来の技術の欠点を克服し、感度とプレートクリーナー耐性に優れ、同時に、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷することが可能であり、耐刷性に優れ、印刷汚れが発生しにくい感熱性平版印刷版用原板を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来の技術の欠点を克服するために、鋭意検討の結果、上記インキ受容層を形成するポリマーの組成を工夫することで、感度とプレートクリーナー耐性を両立できることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の通りである。 【0008】1.支持体上に、a)重量平均分子量の異なる2種異常のポリマー及び光熱変換剤を含有するインキ受容層、b)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する溶液を塗布してなる親水層を、この順に設けた感熱性平版印刷版用原板。 【0009】2.上記重量平均分子量の異なる2種異常のポリマーが、少なくとも、重量平均分子量500〜3000の低分子量ポリマーと重量平均分子量3000〜100000の高分子量ポリマーより成ることを特徴とする前記1記載の感熱性平版印刷版用原板。 【0010】本発明の感熱性平版印刷用原板のインキ受容層を形成するポリマーにおいて、低分子ポリマーはアブレーション性が高く高感度であるが、プレートクリーナー耐性は悪い。一方、高分子ポリマーはアブレーション性が低く低感度であるがプレートクリーナー耐性が優れている。本発明のインキ受容層はこれらの低分子ポリマーと高分子ポリマーの2種以上を含むことにより、感度とプレートクリーナー耐性を両立することができた。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明のインキ受容層は、親油性の被膜形成能を有するポリマーと光熱変換剤を主成分として含有する塗布液を支持体の表面に塗布したものである。ポリマーとしては、インキ受容層の塗布溶媒に可溶性であることが必要だが、後述する上層の親水層の塗布溶媒には不溶であることが望ましい。しかし、一部上層の塗布溶媒に膨潤するものが、上層との接着性に優れ望ましい場合がある。その他、上層の塗布溶媒で可溶なポリマーを用いる場合には、予め架橋剤を添加する等の工夫をしてポリマーを硬化させておくことが望ましい。 【0012】本発明のインキ受容層を構成するポリマーは、上述したように重量平均分子量の異なる2種以上が選択されることが必要である。アブレーション性が高く高感度を発現できる低分子ポリマーと、プレートクリーナー耐性の優れる高分子ポリマーとをブレンドし、バランスのよいアブレーション性と感度とプレートクリーナー耐性とを有するポリマーが得られる。好適には、重量平均分子量500〜3000の低分子量ポリマーと重量平均分子量3000〜100000の高分子量ポリマーとをブレンドするとよく、その組成比率は重量で、低分子量ポリマー/高分子量ポリマーが、5/95〜50/50、より好ましくは、10/90〜40/60の範囲である。なお、インキ受容層を構成するポリマーとしては100%上記組成になるものが好ましいが、そこに上記特性を阻害しない範囲でより高分子量のポリマーをブレンドしても差し支えないことは勿論である。 【0013】本発明において有用なポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアセテート、アクリル樹脂及びその共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルハロゲン化フェノール、メタクリル樹脂及びその共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、ポリビニルフォルマール、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、セルロースエステル樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等を挙げることができる。これらの中で、より好ましい化合物として、側鎖にヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基、スルホンアミド基やトリアルコキシシリル基を有する樹脂が基板や上層の親水層との接着性に優れ、かつ場合によって架橋剤で容易に硬化するので望ましい。その他、アクロニトリル共重合体、ポリウレタン、側鎖にスルホンアミド基を有する共重合体や側鎖にヒドロキシ基を有する共重合体をジアゾ樹脂によって光硬化させたものが好ましい。 【0014】その他フェノール、クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレン、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、クロロフェノール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノール(m−Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシノールなどのホルムアルデヒドとの縮合のノボラック樹脂及びレゾール樹脂、さらに上記フェノール類化合物とアセトンとの縮合樹脂などが有用である。 【0015】その他の好適なポリマー化合物として以下(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする共重合体を挙げることができる。 (1)芳香族ヒドロキシ基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、(2)脂肪族ヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、【0016】(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル、(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、【0017】(5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、(6)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、【0018】(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類、(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、【0019】(12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。 【0020】本発明のインキ受容性層に含まれる感熱感度を高めるための光熱変換剤としては、700〜1200nmの光を吸収する物質であればよく、種々の顔料や染料を用いる事ができる。顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。 【0021】顔料の種類としては、黒色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。 【0022】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、親油性の被膜形成能を有するポリマーとの親和性を上げるため表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方法には、親油性樹脂を表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、アルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ化合物、イソシアネート化合物等)を顔料表面に結合させる方法等があり、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。 【0023】これらの顔料中、赤外線、もしくは近赤外線を吸収するものが、赤外線もしくは近赤外線を発光するレーザでの利用に適する点で好ましい。特に好ましい顔料はカーボンブラックである。 【0024】染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。これらの染料中、赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外線もしくは近赤外線を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。 【0025】赤外線又は近赤外線を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染料、米国特許第4,756,993号記載の染料、米国特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開平10−268512号記載の染料を挙げることができる。 【0026】また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン染料、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物、エポリン社製Epolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等も好ましく用いられる。これらの染料の中で、特に好ましい具体例を以下に構造式で列挙する。 【0027】 【化1】
【0028】 【化2】
【0029】 【化3】
【0030】 【化4】
【0031】インキ受容層への光熱変換剤の添加割合は、インキ受容層の全量の1〜40質量%が好適で、特に好ましくは、顔料の場合20〜35質量%、染料の場合5〜20質量%である。顔料又は染料の添加量が上記範囲より少なすぎると感度が低下し、上記範囲より多すぎると層の耐久性が低下する。 【0032】インキ受容層には、ポリマーおよび光熱変換剤の他に、インキ受容層の膜質を良化させたり、外観を良くするために、架橋剤、接着助剤、着色剤、無機あるいは有機の微粒子、塗布面状改良剤又は可塑剤を添加することができる。さらに、露光後のプリントアウト画像を形成させるための加熱発色系あるいは消色系が添加されてもよい。 【0033】ポリマーを架橋させる架橋剤として、ジアゾ樹脂、芳香族アジド化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、テトラアルコキシ珪素の初期加水分解縮合物、金属キレート化合物〔チタンジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタジオネート)、アルミニウムトリス(2,4−ペンタジオネート)、ジルコニウムテトラキス(2,4−ペンタジオネート)等〕、グリオキザール、アルデヒド化合物やメチロール化合物を挙げることができる。 【0034】接着助剤としては、上記のジアゾ樹脂が基板及び親水層との接着に優れるが、この他にシランカップリング剤、イソシアネート化合物、チタン系カップリング剤も有用である。 【0035】着色剤としては、通常の染料や顔料が用いられるが、特にローダミン6G塩化物、ローダミンB塩化物、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、オキサジン4パークロレート、キニザリン、2−(α−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール、クマリン−4が挙げられる。他の染料として具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、メチレンブルー(CI52015)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、ブリリアントブルー、メチルグリーン、エリスリシンB、ベーシックフクシン、m−クレゾールパープル、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリドなどに代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系またはアントラキノン系の染料あるいは特開昭62−293247号公報、特開平9−179290号公報に記載されている染料を挙げることができる。上記色素は、インキ受容層中に添加される場合は受容層の全固形分に対し、通常約0.02〜10質量%、より好ましくは約0.1〜5質量%の割合ある。 【0036】更に塗布面状改良剤としてよく知られた化合物であるフッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤も用いることができる。具体的にはパーフルオロアルキル基やジメチルシロキサン基を有する界面活性剤が塗布面状を整えることで有用である。 【0037】本発明で用いることができる無機又は有機の微粉末としては10nmから100nmまでのコロイダルシリカやコロイダルアルミニウム、更にはこれらのコロイドより大きい粒径の不活性粒子、例えば、シリカ粒子、表面疎水化したシリカ粒子、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、その他重金属粒子、クレーやタルク等を挙げることができる。これらの無機又は有機の微粉末をインキ受容層中に添加することによって、上層の親水層との接着性を改良し、印刷における耐刷力を増加させる効果がある。インキ受容層中におけるこれらの微粉末の添加割合は、全量の80質量%以下で好ましくは40質量%以下である。 【0038】更に、本発明のインキ受容層中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フクル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。 【0039】更に、本発明のインキ受容層中には露光したとき画像部と非画像部を鮮明にするため発色系又は消色系の化合物が添加されることが好ましい。例えば、ジアゾ化合物やジフェニルヨードニウム塩のような熱酸発生剤と共にロイコ染料(ロイコマラカイトグリーン、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットのラクトン体等)やPH変色染料(例えば、エチルバイオレット、ビクトリアプアーブルーBOH等の染料)が用いられる。その他、EP897134号明細書に記載されているような、酸発色染料と酸性バインダーの組合わせも有効である。この場合、加熱によって染料を形成している会合状態の結合が切れ、ラクトン体が形成して有色から無色に変化する。これらの発色系の添加割合は受容層中の全量に対し10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。 【0040】上記インキ受容層を塗布する溶媒としてはアルコール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロピラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等)、エステル類(酢酸メチル、エチレングリコールモノメチルモノアセテート等)、アミド類(ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等)、ガンマーブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等を用いることができる。これらの溶媒は単独あるいは混合状態で使用される。塗布液を調製する場合、溶媒中の上記インキ受容層構成成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。その他、上記のような有機溶媒からの塗布ばかりでなく、水性エマルジョンからも被膜を形成させることができる。この場合の濃度は5質量%から50質量%が好ましい。 【0041】本発明でのインキ受容層の塗布乾燥後の質量は、特に限定的ではないが0.1g/m2以上あればよい。金属板上に設ける場合には断熱層としての役目をも有するので0.4g/m2以上が望ましい。インキ受容層が薄すぎると発熱した熱が金属板の方に発散し、感度が低下する。その上親水性の金属板の場合には、インキ受容層に耐摩耗性が要求されるため、耐刷力を確保できなくなる。親油性のプラスチックフィルムを基板として使用する場合には、インキ受容層は上層との接着層としての役目を果せればよいので、その塗布量は金属板の時より少なくてもよく、0.05g/m2以上が好ましい。 【0042】本発明に使用される親水層は、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する溶液を塗布して形成される。本発明に用いられるコロイドの酸化物又は水酸化物を構成する元素のうち好ましいものとして、アルミニウム、珪素、チタン及びジルコニウムを挙げることができ、特に好ましくは珪素である。 【0043】本発明に用いられるコロイドの粒子は一般的には2nmから500nmであり、シリカの場合5nmから100nmの球形のものが本発明では好適である。10nmから50nmの球状粒子が50nmから400nmの長さに連なったパールネック状のコロイドも用いることができる。更には、アルミニウムのコロイドのように100nm×10nmのような羽毛状のものも有効である。これらのコロイドは、上記元素のハロゲン化物やアルコキシ化合物の加水分解あるいは上記元素の水酸化物の縮合など種々の公知の方法で作ることができる。これらのコロイドの分散物は、日産化学工業(株)などの市販品を購入することもできる。 【0044】さらに、本発明の親水層塗布液には、親水性樹脂を含有することが好ましく、本発明の親水層に用いる親水性樹脂としては、例えばヒドロキシ、カルボキシ、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノ、アミノエチル、アミノプロピル、カルボキシメチルなどの親水基を有するものが好ましい。具体的な親水性樹脂として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそれらのNa塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸及びそれらの塩、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートの単独重合体又は共重合体、ヒドロキシエチルアクリレートの単独重合体又は共重合体、ヒドロキシプロピルメタクリレートの単独重合体又は共重合体、ヒドロキシプロピルアクリレートの単独重合体又は共重合体、ヒドロキシブチルメタクリレートの単独重合体又は共重合体、ヒドロキシブチルアクリレートの単独重合体又は共重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、加水分解度が少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも80質量%の加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー等を挙げることができる。 【0045】特に好ましい親水性樹脂はヒドロキシ基又はカルボキシ基含有ポリマーで、中でもヒドロキシ基含有ポリマーが好ましい。具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレートの単独重合体又は共重合体が最適である。 【0046】これらの親水性樹脂の添加割合は親水層全固形分の1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。この範囲より少なすぎる場合は、耐刷力が十分でなく、この範囲より多すぎる場合は印刷汚れが発生しやすくなる。 【0047】本発明の親水層には上記のコロイド及び親水性樹脂の他に、耐刷力を高めるため、コロイドの架橋を促進する架橋剤及び/又は親水性樹脂の架橋剤を添加してもよい。 【0048】コロイドの架橋剤としてはテトラアルコキシシランの初期加水分解縮合物、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド等の金属キレート化合物、トリアルコキシシリルプロピル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムハライド又はアミノプロピルトリアルコキシシランが好ましい。その添加割合は親水層の全固形分の5質量%以下であることが好ましい。 【0049】親水性樹脂の架橋剤としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、ポリイソシアネート、テトラアルコキシシランの初期加水分解・縮合物、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド等の金属キレート化合物、ジメチロール尿素及びヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。 【0050】さらに、本発明の親水層には、塗布の面状を良化させるため、良く知られたフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤などを添加しても良い。 【0051】本発明の親水層の塗布乾燥後の重量は、0.1g/m2から3g/m2であることが好ましい。より好ましくは、0.4g/m2から2g/m2である。親水性層の厚みは、薄すぎると、親水層の耐久性が劣り印刷時の耐刷力が劣る。また厚すぎると、親水層をアブレーション的に下層のインキ受容層から剥離させるのに多大なエネルギーを要し、レーザで露光する場合、長時間の描画時間が必要になり、刷版を製造する生産性が低下する。一般的な市販の半導体レーザを用いて描画した場合に、約0.5g/m2の厚さで300〜400mJ/cm2のエネルギーを、約1.5g/m2の厚さで400〜500mJ/cm2のエネルギーを要する。 【0052】本発明に使用するインキ受容層を塗布される基板としては、寸度的に安定な板状物が用いられる。紙、親油性のプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ステンレス鋼板等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の金属がラミネート又は蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。 【0053】好ましい基板は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネイトフィルム、アルミニウム又は鋼鈑、もしくは親油性のプラスチックフィルムがラミネートされているアルミニウム又は鋼鈑である。 【0054】本発明に使用されるアルミニウム板は、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜利用することができる。 【0055】アルミニウム板を使用するに先立ちその表面を粗面化することが好ましい。粗面化により有機高分子からなるインキ受容層を塗布した場合、基板との接着性が容易に確保できる。粗面化は、公知公用のアルミニウム板表面処理技術を用いることができる。 【0056】本発明の感熱性平版印刷用原板は、原板の長期の保存や印刷前に印刷機周辺で保管されている時に、空気中の親油性成分を吸着したり、あるいは、取り扱い時に油やインキで汚れた指で触るなどして、印刷で汚れが発生することがある。また、アブレーションでは、分解除去されたものの飛散によりプレートセッター光学系などが汚染される問題がある。このような印刷汚れ問題の防止及び露光アブレーションによるカス飛散を抑制するため、親水層の上に水溶性樹脂からなるオーバーコート層を設けることができる。 【0057】本発明に使用される水溶性オーバーコート層は、被膜成能を有し、印刷時容易に除去できる水溶性高分子化合物から選ばれた樹脂、例えば、ポリ酢酸ビニル(但し加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。 【0058】オーバーコート層には、その他、塗布の均一性を確保する目的で、非イオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが添加される。 【0059】さらに本発明のオーバーコート層には、感熱感度を高めるため光熱変換剤を添加しても良い。オーバーコート層に添加できる光熱変換剤としては、前記の赤外線吸収顔料又は染料でよいが、親水化処理したカーボンブラック又は水溶性の染料が好ましい。 【0060】顔料又は染料は、オーバーコート層の全固形分の1〜70質量%、好ましくは2〜50質量%、染料の場合、特に好ましくは2〜30質量%、顔料の場合、特に好ましくは20〜50質量%の割合である。本発明では、インキ受容層に光熱変換剤を添加しているため、オーバーコート層に光熱変換剤を添加する場合も必要に応じてその量を少なく設定することができる。 【0061】本発明に用いるオーバーコート層の厚みは0.05μmから4.0μmが好ましく、更に好ましい範囲は0.1μmから1.0μmである。厚すぎると、印刷時オーバーコート層を除去するのに時間がかかり、また多量に溶けだした水溶性樹脂が湿し水に影響を与え、印刷時ローラストリップが発生したり、インキが画像部に着肉しない等の悪影響が出てくる。また薄すぎると皮膜性が損なわれる場合がある。 【0062】本発明の感熱性平版印刷用原板は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。画像露光された本発明の印刷用原板はそれ以上の処理なしに印刷機に装着することができる。または、印刷用原板を印刷機に取り付けた後に、印刷機上でレーザー露光し、そのまま印刷することもできる。インキと湿し水を用いて印刷を開始すると、露光部分のインキ受容層にインキが着肉し印刷が開始される。 【0063】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1(基板の作製)99.5質量%アルミニウムに、銅を0.01質量%、チタンを0.03質量%、鉄を0.3質量%、ケイ素を0.1質量%含有するJISA1050アルミニウム材の厚み0.24mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20質量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15質量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5質量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になるようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1質量%硝酸で中和し、次に0.7質量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5質量%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて160クローン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエッチングした後、水洗した。次に、50℃、30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。 【0064】さらに、35℃の硫酸20質量%水溶液(アルミニウム0.8質量%含有)中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密度15A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により、陽極酸化皮膜重量3.7g/m2とし、水洗乾燥した。以上のようにして得られたアルミニウム基板の中心線平均粗さ(Ra)は0.53μmであった。 【0065】(インキ受容層の塗布)上記基板上に、下記組成のインキ受容層用塗布液を乾燥塗布重量0.42g/m2になるように塗布し、100℃、1分間乾燥させ、インキ受容層を形成した。 【0066】 (インキ受容層用塗布液処方) N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/ メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/ 2−ヒドロキシエチルメタクリレート =40/10/30/20質量%共重合体 (重量平均分子量20,000) 3.0gポリメチルメタクリレート(重量平均分子量2,500) 0.5g下記赤外線吸収染料(A) 0.7gエチレングリコールモノメチルエーテル 50 gメチルエチルケトン 47 g【0067】 【化5】
【0068】(感熱性平版印刷用原板の作製)ポリアクリル酸(重量平均分子量250,000)0.1g、メタノールシリカ(日産化学製:10nm〜20nmのシリカ粒子を30質量%含有するメタノール溶液からなるコロイド)3g及びメタノール16g、乳酸メチル1gからなる溶液を上記のインキ受容層上に、乾燥塗布重量0.4g/m2になるように塗布し、100℃、1分間乾燥させて親水層を形成し、感熱性平版印刷用原板を得た。 【0069】(平版印刷版の作製)上記の感熱性平版印刷用原板をカナダCREO社の40Wトレンドセッター(40Wの830nm半導体レーザを搭載プレートセッター)に取付け、200mJ/cm2のエネルギーで露光した。露光した原板をそのまま何の処理もしないで小森スプリント印刷機に取付け、富士写真フイルム(株)製PS湿し水IF102の4容量%水溶液からなる湿し水とインキ(大日本インキ工業(株)製GEOS−G墨M)を用いて印刷したところ、印刷初期から、画像部にインキが着肉し、非画像部に汚れのない10,000部の良好な印刷部が得られた。次いで、富士写真フイルム(株)製PSマルチクリーナーを用い、版面洗浄を施した後、印刷を続けたところ、インキの着肉良好で、非画像部に汚れのない良好な印刷物が、さらに、10,000部得られた。 【0070】実施例2実施例1のインキ受容層塗布液のアミノスルホニルフェニルメタアクリルアミド共重合体をエピコート1009(ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、重量平均分子量3,750)に、ポリアクリル酸をエピコート1001(ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、重量平均分子量900)に代える以外は、実施例と同様にして、感熱性平版印刷用原板を得た。この原板を実施例1と同様に、露光、印刷したところ、印刷初期から、画像部にインキが着肉し、非画像部に汚れのない10,000部の良好な印刷物が得られた。次いで、富士写真フイルム(株)製PSマルチクリーナーを用い、版面洗浄を施した後、印刷を続けたところ、インキの着肉良好で、非画像部に汚れのない良好な印刷物が、さらに、10,000部得られた。 【0071】実施例3実施例2のインキ受容性層塗布液のエピコート1009の添加量を2.45gに、エピコート1001の添加量を1.05gに代える以外は、実施例2と同様にして、感熱性平版印刷用原板を得た。この原板を実施例1と同様に、露光、印刷したところ、印刷初期から、画像部にインキが着肉し、非画像部に汚れのない10,000部の良好な印刷物が得られた。次いで、富士写真フイルム(株)製PSマルチクリーナーを用い、版面洗浄を施した後、印刷を続けたところ、インキの着肉良好で、非画像部に汚れのない良好な印刷物が、さらに、10,000部得られた。 【0072】実施例4実施例2のインキ受容性層塗布液のエピコート1009の添加量を1.75gに、エピコート1001の添加量を1.75gに代える以外は、実施例2と同様にして、感熱性平版印刷用原板を得た。この原板を実施例1と同様に、露光、印刷したところ、印刷初期から、画像部にインキが着肉し、非画像部に汚れのない10,000部の良好な印刷物が得られた。次いで、富士写真フイルム(株)製PSマルチクリーナーを用い、版面洗浄を施した後、印刷を続けたところ、画像部のインキの着肉性が低下した。このため、インキの供給量を増やす必要があったが、インキの着肉良好で、非画像部に汚れのない良好な印刷物が、さらに、5,000部得られた。 【0073】比較例1実施例2のインキ受容性層塗布液のエピコート1009の添加量を3.5gに、エピコート1001の添加を無しに代える以外は、実施例2と同様にして、感熱性平版印刷用原板を得た。この原板を実施例1と同様に、露光、印刷したところ、画像部親水層の密着低下が不充分なため、印刷初期において、画像部にインキが着肉せず、良好な印刷物を得ることができなかった。 【0074】実施例5〜10実施例1のインキ受容層塗布液のアミノスルホニルフェニルメタクリルアミド共重合体を表1に示すポリマーA(添加量2.8g)に、ポリアクリル酸を表1に示すポリマーB(添加量0.7g)に各々代える以外は、実施例1と同様にして、感熱性平版印刷用原板を得た。これらの原板を実施例1と同様に、露光、印刷したところ、印刷初期から、画像部にインキが着肉し、非画像部に汚れのない10,000部の良好な印刷物が得られた。次いで、富士写真フイルム(株)製PSマルチクリーナーを用い、版面洗浄を施した後、印刷を続けたところ、インキの着肉良好で、非画像部に汚れのない良好な印刷物が、さらに、10,000部得られた。 【0075】 【表1】
【0076】 【発明の効果】本発明の感熱性平版印刷用原板は、現像処理を行うことなくそのまま印刷機に装着して印刷することが可能で、耐刷性及び印刷での汚れ難さに優れ、しかも、そのインキ受容層に分子量の異なる2種以上のポリマーを含有することにより、感度とプレートクリーナー耐性を両立することができたものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−145955(P2003−145955A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−347713(P2001−347713) |
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