| 【発明の名称】 |
感熱性平版印刷版用原板 |
| 【発明者】 |
【氏名】因埜 紀文 【住所又は居所】静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】露光後、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷することが可能であり、感度と耐刷性を両立させた感熱性平版印刷用原板を提供する。
【解決手段】支持体上に、(1)インキ受容層、(2)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択される少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する親水層、並びに(3)乾燥重量が0.05〜0.20g/m2の親水性オーバーコート層を有し、インキ受容層、親水層及び親水性オーバーコート層のうち少なくとも一つの層が光熱変換剤を含有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、(1)インキ受容層、(2)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択される少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する親水層、並びに(3)乾燥重量が0.05〜0.20g/m2の親水性オーバーコート層を有し、インキ受容層、親水層及び親水性オーバーコート層のうち少なくとも一つの層が光熱変換剤を含有する感熱性平版印刷用原板。 【請求項2】 前記親水層の乾燥重量が、0.40g/m2以上である請求項1記載の感熱性平版印刷用原板。 【請求項3】 前記親水性オーバーコート層が水溶性樹脂を部分的に架橋した樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の感熱性平版印刷用原板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要な感熱性平版印刷用原板に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいた赤外線レーザビーム走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものを従来のような現像工程を経ることなしに、そのまま印刷機に装着して印刷することが可能な平版印刷用原板であって、感度及び耐刷性の良好な平版印刷用原板に関する。 【0002】 【従来の技術】熱により画像形成し、そのまま処理をしないで印刷機に架けられる平版印刷版用原板については、種々の方法が提案されている。有望な方法の一つは、半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザで露光し、露光部分を光熱変換剤で発熱させ、分解蒸発を起こさせるアブレーションを利用した方法である。すなわち、親油性基板又は親油層を有す基板上に親水層を設け、親水層を画像状にアブレーション除去する方法である。 【0003】WO94/18005号公報には、親油性レーザ光吸収層の上に架橋した親水層を設け、この親水層をアブレーションする印刷版が開示されている。この親水層は、ポリビニルアルコールをテトラエトキシ珪素の加水分解物で架橋し、二酸化チタン粒子を含有させたものからなり、親水層の膜強度向上を図ったものである。この技術により耐刷力は向上する。しかし、ポリビニルアルコールは、炭化水素基を有し必ずしも高親水性ではないのに、親水層固形分の48質量%も占めるため、汚れにくさについては不十分で、さらなる改良が必要である。 【0004】WO98/40212号公報、WO99/19143号公報およびWO99/19144号公報には、インキ受容層を塗布した基板上に、シリカなどのコロイドをアミノプロピルトリエトキシシランなどの架橋剤で架橋したものを主成分とする親水層を設け、現像なしで印刷機に架けることが可能な平版印刷用原板が開示されている。この親水層は、炭化水素基を極力少なくして印刷汚れに対する耐性を高め、架橋剤でコロイドを架橋することにより耐刷力の向上を図っている。しかしながら、その耐刷力は数千枚と不十分である。 【0005】アブレーションを利用したデジタルダイレクト無処理刷版は、版下からフィルムを介することなく直接に刷版を作ることができ、そのまま印刷機に取り付けて直ちに印刷することが可能であるなど、印刷の合理化と廃棄物削減という大きな利点があるが、処理なしという技術の難しさのため、印刷の基本である汚れにくさあるいは耐刷力のいずれかが損なわれがちで、この両者を両立させる技術は未だ開発途上にあるといえる。このような技術開発過程の中で、特開2001−96938号公報にて、a)光熱変換剤を含有するインキ受容層、b)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイド及び親水性樹脂を含有する溶液を塗布してなる親水層を設けることによって、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷することが可能であり、耐刷性に優れ、印刷汚れが発生しにくい感熱性平版印刷版用原板を発明した。しかしながらこれらの感熱平版印刷用原板は感度及び耐刷性の両立が十分なものではなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、上記の問題を解決することであり、露光後、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷することが可能であり、感度と耐刷性を両立させた感熱性平版印刷用原板を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を鋭意検討の結果、オーバーコート層の厚さを好ましい範囲にすることにより、上記目的が達成されることを見出し本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、以下の通りである。 【0008】1)支持体上に、(1)インキ受容層、(2)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択される少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する親水層、並びに(3)乾燥重量が0.05〜0.20g/m2の親水性オーバーコート層を有し、インキ受容層、親水層及び親水性オーバーコート層のうち少なくとも一つの層が光熱変換剤を含有する感熱性平版印刷用原板。 【0009】2)前記親水層の乾燥重量が、0.40g/m2以上である上記1)記載の感熱性平版印刷用原板。 3)前記親水性オーバーコート層が水溶性樹脂を部分的に架橋した樹脂を含有することを特徴とする上記1)記載の感熱性平版印刷用原板。 【0010】本発明の感熱性平版印刷用原板において、オーバーコート層を設けることで、アブレーションによる圧力が、親水性層/インキ受容層界面にかかり易くなるため、感度は向上するが、オーバーコート層の塗布量を多くし過ぎると、アブレーションが押さえられ、感度は低下することが知見された。すなわち、オーバーコート層塗布量には、最適値のあることがあきらかである。 【0011】一方、親水層の塗布量は、高いほど耐刷性良好だが、感度が低下する。よって、オーバーコート層の塗布量が耐刷性に影響しないことから、親水層の塗布量とオーバーコート層の塗布量を調整すれば、感度と耐刷の両立が可能となることがわかった。そこで本発明の感熱性平版印刷用原板においてオーバーコート層の乾燥重量を0.05〜0.20g/m2とした。オーバーコート層の乾燥重量が0.05未満では耐傷性が悪くなる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の感熱性平版印刷用原板が有するオーバーコート層の塗布量は、乾燥重量で0.05〜0.20g/m2の範囲であり、好ましくは0.08〜0.18g/m2、より好ましくは0.09〜0.16g/m2の範囲である。上記範囲内で、感度と耐刷性の両立が得られる。親水性オーバーコート層の水溶性樹脂は、水溶性の天然高分子及び合成高分子から選ばれ、塗布乾燥された皮膜がフィルム形成能を有するものである。 【0013】本発明に好ましく用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 【0014】また、本発明の感熱性平版印刷用原板のオーバーコート層は、該原板の耐傷性をさらに向上させるため、上述の水溶性樹脂の少なくとも1種以上を部分架橋し、親水層上に形成することが好ましい。好適な部分架橋の程度は、25℃の水中に当該原板を浸したときに、30秒〜10分間では親水性オーバーコート層が溶出せず残存している耐水性を示すことである。以下水溶性樹脂の架橋方法について説明する。架橋には、水溶性樹脂の有する反応性官能基を用いて架橋反応することにより行われる。架橋反応は、共有結合性の架橋であっても、イオン結合性の架橋であってもよい。 【0015】架橋反応に用いられる化合物としては、架橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアルコキシシリル化合物、多価金属塩化合物、ポリアミン化合物、アルデヒド化合物、ヒドラジンなどが挙げられ、該架橋反応は公知の触媒を添加し、反応を促進することもできる。架橋性を有する公知の多官能性化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。 【0016】ポリエポキシ化合物の具体例としては、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノール類もしくはそれらの水素添加物とエピハロヒドリンとのポリ縮合物、などが挙げられる。ポリアミンの具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドアミンなどが挙げられる。 【0017】ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンイソシアネート、液状ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、などの芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、またポリプロピレングリコール/トリレンジイソシアネート付加反応物などが挙げられる。 【0018】シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、など。 【0019】チタネート化合物としては、テトラエチルオルトシリケート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリアクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピル(ジオクチルホスフェート)チタネート)、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリインステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリジシルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2ージアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、など。 【0020】アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、など。多価金属塩化合物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属の水溶性塩が挙げられる。これらの架橋剤は単独または2種以上を混合して使用することが可能である。これらの架橋剤のうち特に好ましい架橋剤は、水溶性の架橋剤であるが、非水溶性のものは分散剤によって水に分散して使用することができる。 【0021】特に好ましい水溶性樹脂と架橋剤の組み合わせとしては、カルボン酸含有水溶性樹脂/多価金属化合物、カルボン酸含有水溶性樹脂/水溶性エポキシ樹脂、水酸基含有樹脂/ジアルデヒド類を挙げられる。架橋剤の好適な添加量は、水溶性樹脂の2〜10質量%である。この範囲内で印刷機上でのオーバーコート層の除去性を損なうことなく、良好な耐水性が得られる。 【0022】その他、オーバーコート層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の場合には主に非イオン系界面活性剤を添加することができる。この様な非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル等を挙げることが出来る。上記非イオン界面活性剤のオーバーコート層の全固形物中に占める割合は、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。 【0023】本発明の感熱性平版印刷版用原板に使用される親水層は、湿し水及びインキを使用する平版印刷で、湿し水に溶けない層であり、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択された少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物、及びポリアクリル酸を含有する溶液を塗布して形成される。本発明に用いられるコロイド粒子状の酸化物又は水酸化物を構成する元素のうち特に好ましいものとして、アルミニウム、珪素、チタン及びジルコニウムを挙げることができる。 【0024】本発明に用いられるコロイドの大きさは、シリカでは粒径5〜100nmの球形のものが好適である。粒径10〜50nmの球状粒子が50〜400nmの長さに連なったパールネック状のコロイドも用いることができる。アルミニウムの酸化物又は水酸化物コロイドのように100nm×10nmのような羽毛状のものも有効である。 【0025】これらのコロイドは、上記元素のハロゲン化物やアルコキシ化合物の加水分解又は水酸化物の縮合など種々の公知の方法で作ることができる。例えば、ジ、トリ及び/又はテトラアルコキシシランから、酸触媒下、直接に加水分解・縮合反応を行いゾルを作製して適用することもできる。このゾルを適用する場合は、より強固な親水性3次元架橋皮膜が得られる。また、コロイドの分散液は、日産化学工業(株)などの市販品を選択して用いてもよい。 【0026】本発明の親水層には、親水性樹脂を含有させることができる。親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノ、アミノエチル、アミノプロピル、カルボキシメチルなどの親水基を有するものが好ましい。 【0027】具体的な親水性樹脂として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそれらのNa塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、ならびに加水分解度が少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも80質量%の加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー等を挙げることができる。 【0028】これらの親水性樹脂はコロイドと共に用いられるが、その添加割合は親水性樹脂が水溶性の場合、親水層の全固形分の40質量%以下が好ましく、水溶性でない親水性樹脂の場合は全固形分の20質量%以下が好ましい。 【0029】本発明の親水層には上記のコロイド及び親水性樹脂の他に、コロイドの架橋を促進する架橋剤を添加しても良い。その様なコロイドの架橋剤としてはテトラアルコキシシランの初期加水分解縮合物、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド等の金属キレート化合物、トリアルコキシシリルプロピル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムハライド又はアミノプロピルトリアルコキシシランが好ましい。その添加割合は親水層の全固形分の5質量%以下であることが好ましい。 【0030】親水性樹脂はこのまま用いることもできるが、耐刷力を高めるため、必要に応じてコロイド以外の親水性樹脂の架橋剤とともに用いても良い。このような架橋剤として、ホルムアルデヒド、グリオキザール、ポリイソシアネート及びテトラアルコキシシランの初期加水分解・縮合物、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド等の金属キレート化合物、ジメチロール尿素やヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。 【0031】上記の各成分を含有した親水層は、各成分を溶剤に溶解もしくは分散した溶液を調製し、塗布により設けられる。親水層塗布液の主溶剤としては、水、及び、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低沸点アルコールが単独又は混合物として用いられる。本発明の親水層には、さらに、塗布の面状を良化させるため、良く知られたフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤などを添加しても良い。 【0032】本発明の親水層の塗布量は、好ましくはその乾燥重量が、0.40g/m2以上、さらに好ましくは0.40〜1.0g/m2の範囲である。上記のオーバーコート層の塗布量との調整により感度に優れ、かつ、アブレーションが良好で、耐刷力も良好となる。 【0033】本発明の感熱性平版印刷版用原板のインキ受容層には、被膜形成能のある溶媒に可溶な親油性の有機高分子が含有される。有用な有機高分子としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアセテート、アクリル樹脂及びその共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルハロゲン化フェノール、メタクリル樹脂及びその共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、セルロースエステル樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等を挙げることができる。 【0034】これらの中で、より好ましい化合物として、側鎖にヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、スルホンアミド基やトリアルコキシシリル基を有する樹脂が基板や上層の親水層との接着性に優れ、かつ場合によって架橋剤で容易に硬化するので望ましい。その他、アクロニトリル共重合体、ポリウレタン、側鎖にスルホンアミド基を有する共重合体や側鎖にヒドロキシル基を有する共重合体をジアゾ樹脂によって光硬化させたものが好ましい。 【0035】その他フェノール、クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレン、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、クロロフェノール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノール(m−Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシノールなどのホルムアルデヒドとの縮合のノボラック樹脂及びレゾール樹脂、さらに上記フェノール類化合物とアセトンとの縮合樹脂などが有用である。 【0036】その他の好適な高分子化合物として以下(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする通常1万〜20万の分子量を持つ共重合体を挙げることができる。 (1)芳香族ヒドロキシル基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類及びヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−及びp−ヒドロキシスチレン、o−、m−及びp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、(2)脂肪族ヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、【0037】(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)アクリル酸エステル、(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、【0038】(5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド及びN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、【0039】(6)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類、(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、【0040】(12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。 【0041】本発明のインキ受容層には、更に架橋剤、接着助剤、着色剤、無機又は有機の微粒子、塗布面状改良剤、可塑剤を必要に応じて添加することができる。その他、このインキ受容層には、感度を高めるための光熱変換剤や露光後のプリントアウト画像を形成させるための加熱発色系または消色系添加剤が含有されてもよい。 【0042】具体的な有機高分子を架橋させる架橋剤として、ジアゾ樹脂、芳香族アジド化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、テトラアルコキシ珪素の初期加水分解縮合物、金属キレート化合物〔チタンジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタジオネート)、アルミニウムトリス(2,4−ペンタジオネート)、ジルコニウムテトラキス(2,4−ペンタジオネート)等〕、グリオキザール、アルデヒド化合物やメチロール化合物を挙げることができる。接着助剤としては、上記のジアゾ樹脂が基板及び親水層との接着に優れるが、この他にシランカップリング剤、イソシアネート化合物、チタン系カップリング剤も有用である。 【0043】着色剤としては、通常の染料や顔料が用いられるが、特にローダミン6G塩化物、ローダミンB塩化物、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、オキサジン4パークロレート、キニザリン、2−(α−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール、クマリン−4が挙げられる。他の染料として具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、メチレンブルー(CI52015)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、ブリリアントブルー、メチルグリーン、エリスリシンB、ベーシックフクシン、m−クレゾールパープル、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリドなどに代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系もしくはアントラキノン系の染料又は特開昭62−293247号公報、特開平9−179290号公報に記載されている染料を挙げることができる。上記色素は、インキ受容層中に添加される場合は受容層の全固形分に対し、通常約0.02〜10質量%、より好ましくは約0.1〜5質量%の割合ある。 【0044】更に塗布面状改良剤としてよく知られた化合物であるフッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤も用いることができる。具体的にはパーフルオロアルキル基やジメチルシロキサン基を有する界面活性剤が塗布面上を整えることで有用である。 【0045】本発明で用いることができる無機又は有機の微粒子としては10nmから100nmまでのコロイダルシリカやコロイダルアルミニウム、更にはこれらのコロイドより大きい粒径の不活性粒子、例えば、シリカ粒子、表面疎水化したシリカ粒子、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、その他重金属粒子、クレーやタルク等を挙げることができる。これらの無機又は有機の微粒子をインキ受容層中に添加することによって、上層の親水層との接着性を改良し、印刷における耐刷力を増加させる効果がある。インキ受容層中におけるこれらの微粒子の添加割合は、全量の80質量%以下で好ましくは40質量%以下である。 【0046】更に、本発明のインキ受容層中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フクル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。 【0047】更に、本発明のインキ受容層中には露光したとき画像部と非画像部を鮮明にするため発色系または消色系の化合物が添加されることが好ましい。例えば、ジアゾ化合物やジフェニルヨードニウム塩のような熱酸発生剤と共にロイコ染料(ロイコマラカイトグリーン、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットのラクトン体等)やPH変色染料(例えば、エチルバイオレット、ビクトリアプアーブルーBOH等の染料)が用いられる。その他、EP897134号明細書に記載されているような、酸発色染料と酸性バインダーの組合わせも有効である。この場合、加熱によって染料を形成している会合状態の結合が切れ、ラクトン体が形成して有色から無色に変化する。これらの発色系または消色系の添加割合は、受容層中の全固形分に対し10質量%以下好ましくは5質量%以下である。 【0048】上記インキ受容層を塗布する溶媒としてはアルコール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロピラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等)、エステル類(酢酸メチル、エチレングリコールモノメチルモノアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、ガンマーブチロラクトン等)、アミド類(ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等)等を用いることができる。これらの溶媒は単独又は混合状態で使用される。塗布液を調製する場合、溶媒中の上記インキ受容層構成成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。その他、上記のような有機溶媒からの塗布ばかりでなく、水性エマルジョンからも被膜を形成させることができる。この場合の濃度は5質量%から50質量%が好ましい。 【0049】本発明でのインキ受容層の塗布乾燥後の重量は、特に限定的ではないが、金属板上に設ける場合には断熱層としての役目も有するので、0.1g/m2以上が好ましい。より好ましくは0.2g/m2以上である。親油性のプラスチックフィルムを基板として使用する場合には、インキ受容層は上層との接着層としての役目を果すことができればよいので、その塗布量は金属板の時より少なくてもよく、0.05g/m2以上が好ましい。 【0050】本発明においては、インキ受容層、親水層及びオーバーコート層のうち少なくとも一つの層に、赤外線に対する感度を高めるため、赤外線を吸収して発熱する機能を有する光熱変換剤が添加される。 【0051】光熱変換剤としては、700nm以上の光を吸収する物質であればよく、種々の顔料や染料を用いる事ができる。顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。 【0052】顔料の種類としては、黒色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。 【0053】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方法には親水性樹脂や親油性樹脂を表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、アルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ化合物、イソシアネート化合物等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。これらの顔料中、赤外線を吸収するものが、赤外線を発光するレーザでの利用に適する点で好ましい。そのような赤外線を吸収する顔料としてはカーボンブラックが特に好ましい。 【0054】本発明の親水層及びオーバーコート層に添加する顔料としては、特に水溶性又は親水性の樹脂と分散しやすく、かつ親水性を損わないように親水性樹脂やシリカゾルで表面がコートされたカーボンブラックが有用である。 【0055】顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲にあることが更に好ましい。顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。 【0056】染料としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)又は特許に記載されている公知の染料が利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染料、シアニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。 【0057】さらに、赤外線吸収染料としては、例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染料や米国特許第4,756,993号記載の染料、米国特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開平10−268512号記載の染料、特開平11−235883号記載のフタロシアニン化合物を挙げることができる。 【0058】また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン染料、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物、エポリン社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、エポライトIII−125等も好ましく用いられる。これらの中で、オーバーコート層及び親水層に添加するのに特に好ましい染料は水溶性染料で、以下に具体例を構造式で列挙する。 【0059】 【化1】
【0060】 【化2】
【0061】本発明のインキ受容層に用いる染料は、前記の赤外線吸収染料であっても良いが、好ましくはより親油性の染料が良い。より好ましい染料として、以下に例示する染料を挙げることができる。 【0062】 【化3】
【0063】 【化4】
【0064】光熱変換剤の添加割合は、親水層では、固形分の1〜50質量%、好ましくは2〜20質量%である。オーバーコート層では、固形分の1〜70質量%、好ましくは2〜50質量%、光熱変換剤が染料の場合、特に好ましくは2〜30質量%、光熱変換剤が顔料の場合、特に好ましくは20〜50質量%の割合である。インキ受容層への光熱変換剤の添加割合は、インキ受容層全固形分の20質量%以下が好適で、15質量%以下が特に好適である。これらの範囲で、各層の膜強度を損なうことなく、良好な感度が得られる。 【0065】本発明に使用する支持体としては、寸度的に安定な板状物が用いられる。紙、親油性のプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ステンレス鋼板等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の金属がラミネートまたは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。 【0066】好ましい基板は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボートフィルム、アルミニウムまたは鋼板、もしくは親油性のプラスチックフィルムがラミネートされているアルミニウムまたは鋼板である。 【0067】本発明に使用されるアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにはアルミニウムまたはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。また、DC鋳造法を用いたアルミニウム鋳塊からのアルミニウム板でも、連続鋳造法による鋳塊からのアルミニウム板であっても良い。しかし、本発明に適用されるアルミニウム板は、従来より公知公用の素材のアルミニウム板をも適宜に利用することができる。 【0068】本発明で用いられる上記の基板の厚みは0.05mm〜0.6mm、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。 【0069】アルミニウム板を使用するに先立ち、表面の粗面化、陽極酸化などの表面処理をすることが好ましい。表面処理によりインキ受容層との接着性の確保が容易になる。 【0070】アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸などの酸を含む電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用することができる。 【0071】上記の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望により耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.0g/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好ましい。 【0072】本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでも良いが、上層との接着性、断熱性などの一層の改良のため、必要に応じて、特願2000−65219号や特願2000−143387号に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。上記親水化処理のための好適な親水性化合物としては、ポリビニルホスホン酸、スルホン酸基をもつ化合物、糖類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物などを挙げることができる。 【0073】本発明の感熱性平版印刷用原板は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。画像露光された本発明の印刷用原板は、それ以上の処理なしに印刷機に装着することができる。又は、印刷用原板を印刷機に取り付けた後に印刷機上でレーザ露光し、そのまま印刷することも可能である。 【0074】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜3(基板の作製)99.5質量%アルミニウムに、銅を0.01質量%、チタンを0.03質量%、鉄を0.3質量%、ケイ素を0.1質量%含有するJIS A1050アルミニウム材の厚み0.24mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20質量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15質量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5質量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になるようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1質量%硝酸で中和し、次に0.7質量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5質量%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて160クローン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエッチングした後、水洗した。次に、50℃、30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。 【0075】さらに、35℃の硫酸20質量%水溶液(アルミニウム0.8質量%含有)中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密度15A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により、陽極酸化皮膜重量3.7g/m2とし、水洗乾燥した。以上のようにして得られたアルミニウム基板の中心線平均粗さ(Ra)は0.53μmであった。 【0076】(インキ受容層の形成)上記基板上に、下記組成のインキ受容層用塗布液を乾燥塗布重量0.42g/m2になるように塗布し、100℃、1分間乾燥させ、インキ受容層を形成した。 【0077】 (インキ受容層用塗布液処方) エピコート1009 8.0g(ビスフェノールA−エピクロロヒドリンのエポキシ樹脂、 ジャパンエポキシレジン(株)製)エピコート1001 2.0g(ビスフェノールA−エピクロロヒドリンのエポキシ樹脂、 ジャパンエポキシレジン(株)製) 下記赤外線吸収染料(A) 2.0gエチレングリコールモノメチルエーテル 165 gメチルエチルケトン 85 g【0078】 【化5】
【0079】(親水層の形成)ポリアクリル酸(重量平均分子量250,000)0.1g、メタノールシリカ(日産化学製:10nm〜20nmのシリカ粒子を30質量%含有するメタノール溶液からなるコロイド)3g及びメタノール16g、乳酸メチル1gからなる溶液を上記のインキ受容層上に、乾燥塗布重量0.40g/m2になるように塗布し、100℃、1分間乾燥させて親水層を形成し、感熱性平版印刷用原板を得た。 【0080】(感熱性平版印刷用原板の作製)次いで、前記親水層上に、下記組成のオーバーコート層塗布液1を各々下表に示した乾燥塗布重量になるように塗布し、100℃、90秒間乾燥して、オーバーコート層を有する感熱性平版印刷用原板を作製した。 【0081】 (オーバーコート層塗布液1) アラビアガム(28質量%水溶液) 1.5g水 20 g【0082】(感熱性平版印刷用原板の感度評価)このようにして得た各々の感熱性平版印刷用原板をCreo社製 Trendsetter(40Wの830nm半導体レーザを搭載したブレードセッター)にて、露光エネルギーを種々変更し、画像露光を実施した。露光した原板をそれ以上の処理をしないで、そのまま小森コーポレーション製の印刷機リスロンに取付け、ブレートエッチ液EU−3(富士写真フイルム(株)製)/水/イソプロピルアルコール(容量比1/89/10)からなる湿し水と、大日本インキ化学工業(株)製ジオスG墨インキを用い、湿し水とインキを同時に作動させ、アートコート紙を供給して印刷を開始した。この際、刷り出し5枚目以内で完全にインキが着肉し、汚れのない良好な印刷物が得られた最低の露光エネルギー量を感度とした。その結果、下表に示した通り、オーバーコート層を薄層とすることで感度が向上した。 【0083】 【表1】
【0084】実施例5実施例3のオーバーコート層塗布液を下記組成に代える以外は同様にして、感熱性平版印刷用原板を作成した。次いで、実施例3と同様に、露光エネルギー180mJ/cm2で露光、印刷を実施したところ、刷り出し5枚目で完全にインキが着肉し、その後2万枚の汚れのない良好な印刷物が得られた。 【0085】 (オーバーコート層塗布液2) アラビアガム(28質量%水溶液) 1.5 g下記赤外線吸収染料B 0.042gポリオキシエチレン(n=10)ラウリルエーテル 0.017g酢酸マグネシウム 0.003g水 24 g【0086】 【化6】
【0087】 【発明の効果】本発明の感熱性平版印刷用原板は、そのオーバーコート層の乾燥重量が、0.05〜0.20g/m2であることにより、感度および耐刷性に優れかつ耐傷性の向上したものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−145954(P2003−145954A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−347712(P2001−347712) |
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