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【発明の名称】 熱転写シート、画像形成方法、画像形成物の形成方法及び画像形成物
【発明者】 【氏名】小 高 都 明
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】坂 本 健 司
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】大 嶋 克 之
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】北 達 哉
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】増 田 和 博
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【要約】 【課題】基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体を使用して、特別な付属治具を取り付けることなく、被転写体に受容層の転写されるべきでない部分に、全く受容層が転写しないことを可能にした、画像形成方法及びそれに使用する熱転写シートを提供する。

【解決手段】基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いる画像形成方法で、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除いた後に、被転写体に転写部を再転写するものである。つまり、中間転写記録媒体の所定領域の転写部が、ピールオフ層のある熱転写シート側に転移して、中間転写記録媒体側から分離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体に対し、該転写部に昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成し、該転写部を被転写体に再転写する前に使用する熱転写シートにおいて、該熱転写シートは基材上に少なくともピールオフ層を設けられてなり、該ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除くことが可能であることを特徴とする、熱転写シート。
【請求項2】前記のピールオフ層が、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成するための染料層及び/または溶融層を設けた基材と同一面上に塗り分けて設けられてなる、請求項1に記載する熱転写シート。
【請求項3】前記の熱転写シートの基材は易接着処理が施され、ピールオフ層が易接着処理面の露出された領域である、請求項1または2に記載する熱転写シート。
【請求項4】前記の所定の領域周辺を転写部と接着しない材料で覆われた加熱層を、ピールオフ層、染料層及び/または溶融層を設けた基材と同一面上に塗り分けて設けた、請求項2または3に記載する熱転写シート。
【請求項5】基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いる画像形成方法において、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除いた後に、被転写体に転写部を再転写することを特徴とする、画像形成方法。
【請求項6】前記中間転写記録媒体の任意の位置の転写部に、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成した後、あるいは前に、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除き、所定の熱転写画像の領域を被転写体へ転写して形成する、請求項5に記載する画像形成方法。
【請求項7】前記の所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除く前に、該所定領域の周辺を転写部と接着しない材料で覆われた加熱層で、空印画して加熱する、請求項5または6に記載する画像形成方法。
【請求項8】最初に被転写体に付属品もしくは付属部を設ける工程を行い、基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いて、中間転写記録媒体の任意の位置の転写部に、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成した後、あるいは前に、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、中間転写記録媒体の転写部で取り除かれた領域を、前記の付属品を設けた被転写体の領域に位置を合わせて、被転写体に転写部を再転写して、画像形成物を形成することを特徴とする、画像形成物の形成方法。
【請求項9】前記の被転写体がカードである、請求項5〜8のいずれか1項に記載する方法。
【請求項10】前記の被転写体が小冊子である、請求項5〜8のいずれか1項に記載する方法。
【請求項11】前記の付属品がICチップや署名欄であり、付属部がホロCIマークである、請求項8に記載する方法。
【請求項12】請求項8〜11のいずれか1項に記載する画像形成物の形成方法により形成されたことを特徴とする、画像形成物。
【請求項13】請求項1に記載の熱転写シートを使用するに際し、前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱し、0.8秒以内に両者を剥離する、請求項5または8に記載の画像形成方法。
【請求項14】前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部との剥離を、剥離角90度未満の角度で行う、請求項5、8または13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項15】中間転写記録媒体上に熱転写画像を形成したのちこの熱転写画像を被転写体に再転写するための画像形成装置であって、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体と、基材上に少なくともピールオフ層を有する熱転写シートとを所定位置に配置する手段と、中間転写媒体上へ画像形成する手段と、中間転写媒体上に形成された所定の画像を被転写体に転写する手段と、中間転写媒体上への画像形成前または画像形成後に、非転写領域に相当する転写部を前記熱転写シートのピールオフ層によって除去する手段とを有することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項16】前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱し、0.8秒以内に両者を剥離する手段を有する、請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部との剥離を、剥離角90度未満の角度で行う手段を有する、請求項15または16に記載の画像形成装置。
【請求項18】再転写後においてオビキが発生しやすい部分を前記ピールオフ層によって取り除く工程を含む、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体を使用して、特別な付属治具を取り付けることなく、被転写体に受容層の転写されるべきでない部分に、全く受容層が転写しないことを可能にした、熱転写シート、画像形成方法、画像形成物の形成方法及び画像形成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。熱転写方法は、基材シートの一方の面に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が設けられた熱転写受像シートを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面を画像状に加熱して、色材層に含まれる色材を選択的に移行させて、熱転写受像シート上に画像を形成する方法である。
【0003】熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融インキ層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
【0004】一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する染料を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた染料層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチック等の基材シートに必要に応じて染料受容層を設けてなる熱転写受像シート上に、染料のみを転写移行させる画像形成方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行うことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
【0005】このような熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まり、その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シートを用いて、染料、顔料などの着色剤を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が提案されている。(特開昭62−238791号等)
【0006】また、上記の中間転写記録媒体を用いることは、受容層を被転写体に転写することができるので、色材が移行しにくく、高画質の画像を直接形成できない被転写体や、熱転写時に色材層と融着し易い被転写体等に対して、好ましく用いられている。そのため、中間転写記録媒体は、パスポート等の身分証明書やクレジットカード・IDカード等の印画物の作成に対して好ましく用いられている。
【0007】カードの種類によっては、受容層転写の同一面に、ICチップ部、磁気ストライブ部、送受信用アンテナ部、署名部等が中間転写記録媒体からの受容層で覆われては不都合な領域が存在している。
【0008】それに対して、例えば特開平10−272849号公報、特開平6−143831号公報等には、予め中間転写記録媒体上に離型性インキを転写することで、離型性インキにより画像層の接着性を失わせ、被転写体への転写を防ぐ画像形成方法および装置が記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開昭62−238791号公報【特許文献2】特開平10−272849号公報【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような画像形成方法では、被転写体における受容層(画像層)の被転写領域(ICチップ部、署名部等)への転写を完全に防止することは困難であり、被転写体に付着した不要の受容層を除去するための粘着除去機構を画像形成装置に設ける等の対策をとっている。
【0011】ところが、上記の粘着除去機構等を取り付けるには、通常の画像形成装置とは異なり、特殊なものとなり、その装置を用意するにも、コストが非常に高くなってしまうという問題がある。
【0012】したがって、本発明は、上記のような課題を解決すべく、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体を使用して、特別な付属治具を取り付けることなく、被転写体に受容層の転写されるべきでない部分に、全く受容層が転写しないことを可能にした、画像形成方法及びそれに使用する熱転写シートを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明においては、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体に対し、該転写部に昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成し、該転写部を被転写体に再転写する前に使用する熱転写シートにおいて、該熱転写シートは基材上に少なくともピールオフ層を設け、ピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除くことが可能であることを特徴とする。
【0014】さらに本発明は、上記ピールオフ層が、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成するための染料層及び/または溶融層を設けた基材と同一面上に塗り分けて設けられたものを含む。
【0015】本発明の好ましい態様においては、熱転写シートの基材は易接着処理が施され、ピールオフ層が易接着処理面の露出された領域であり、所定の領域の転写部を中間転写媒体から取り除く前に、その所定の領域の周辺部のみを空印画して加熱するために、転写部と接着しない材料で覆われた加熱層を、ピールオフ層、染料層及び/または溶融層を設けた基材と同一面上に塗り分けて設けてもよい。
【0016】本発明は、基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いる画像形成方法において、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除いた後に、被転写体に転写部を再転写することを特徴とする画像形成方法を含む。
【0017】また、上記方法において、中間転写記録媒体の任意の位置の転写部に、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成した後、あるいは前に、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除き、所定の熱転写画像の領域を被転写体へ転写して形成する方法を含む。
【0018】また、好ましい態様において、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除く前に、該所定領域の周辺を転写部と接着しない材料で覆われた加熱層で、空印画して加熱することを含む。
【0019】本発明の画像形成物の形成方法は、最初に被転写体に付属品もしくは付属部を設ける工程を行い、基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いて、中間転写記録媒体の任意の位置の転写部に、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成した後、あるいは前に、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、中間転写記録媒体の転写部で取り除かれた領域を、前記の付属品を設けた被転写体の領域に位置を合わせて、被転写体に転写部を再転写して、画像形成物を形成することを特徴とする。
【0020】また、上記の本発明において、被転写体がカードや小冊子の場合を含むことを特徴とする。
【0021】さらに、本発明においては、上記付属品がICチップや署名欄であり、付属部がホロCIマーク(ホログラムをもつCorporate IdentityMark)である場合を含む。
【0022】本発明の画像形成物は、上記画像形成物の形成方法により形成されたことを特徴とする。
【0023】本発明では基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いる画像形成方法において、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除いた後に、被転写体に転写部を再転写するものである。
【0024】すなわち、中間転写記録媒体の転写部で、所定の領域を熱転写シートのピールオフ層と合わせて加熱することで、所定領域の転写部がピールオフ層のある熱転写シート側に転移して、中間転写記録媒体側から分離する。そして、その中間転写記録媒体の転写部における取り除かれた(分離した)領域を、被転写体におけるICチップや署名欄等の設けられた、中間転写記録媒体からの転写部が転写されると不都合が生じる領域、つまり非転写領域に位置を合わせて、被転写体に転写部を再転写する。
【0025】中間転写記録媒体の転写部を、ピールオフ層を用いて、予め取り除くために、被転写体におけるICチップや署名欄やカード会社のCIマーク(Corporate Identity Mark、特にホログラムマーク等)等の非転写領域への転写部の転移を確実に防止でき、ICチップや署名欄等の機能を損なうことがない。
【0026】また、本発明の画像形成方法は、被転写体に付着した不要の転写部を除去するための粘着除去機構等の特別な機構、方法を用いることなく、基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートを用いるだけで、簡単に所定の領域であるICチップや署名欄等の非転写領域を被転写体に形成することができる。
【0027】さらに、本発明においては、好ましい態様として、上記ピールオフ層を有する熱転写シートを使用するに際し、前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱し、0.8秒以内に両者を剥離する画像形成方法、ならびに前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部との剥離を、剥離角90度未満の角度で行う画像形成方法を含む。
【0028】また、本発明は、中間転写記録媒体上に熱転写画像を形成したのちこの熱転写画像を被転写体に再転写するための画像形成装置であって、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体と、基材上に少なくともピールオフ層を有する熱転写シートとを所定位置に配置する手段と、中間転写媒体上へ画像形成する手段と、中間転写媒体上に形成された所定の画像を被転写体に転写する手段と、中間転写媒体上への画像形成前または画像形成後に、非転写領域に相当する転写部を前記熱転写シートのピールオフ層によって除去する手段とを有することを特徴とする画像形成装置を含む。
【0029】また、上記装置において、好ましい態様として、前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱し、0.8秒以内に両者を剥離する手段ならびに、前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部との剥離を、剥離角90度未満の角度で行う手段を具備する態様を含む。
【0030】さらに、本発明においては、前記画像形成方法において、再転写後においてオビキが発生しやすい部分を上記ピールオフ層によって取り除く工程を含んでいてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す概略断面図であり、サーマルヘッド等の加熱手段との融着を防止し、摺動性を向上させるために、背面層4を設けた基材2の他方の面に、ピールオフ層3を設けた構成の熱転写シート1とである。
【0032】図2は、本発明の熱転写シートを説明するための概略図であり、基材フィルム6上に剥離可能に、受容層7からなる転写部8を設けた中間転写記録媒体5と、背面層4を設けた基材2の他方の面にピールオフ層3を設けた熱転写シート1とを、ピールオフ層3と転写部8とを接するように重ねてサーマルヘッド16で加熱して、所定の領域9の転写部を中間転写記録媒体5から取り除ける。尚、上記の中間転写記録媒体の転写部には、あらかじめ昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成しておく。
【0033】以下、熱転写シート1を構成する各層の説明を行う。
【0034】(基材)熱転写シートを構成する基材2は、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜25μm程度のものが好ましく用いられる。
【0035】(背面層)また、熱転写シートの基材に対し、その基材のピールオフ層の設けてある面と反対側の面に、サーマルヘッド等との粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするために、背面層4を設けることが可能である。
【0036】この背面層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
【0037】さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
【0038】背面層を形成する手段は、上記のごとき、樹脂に必要に応じて離型剤や滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。その背面層の塗工量は、乾燥状態で0.1〜10g/m程度である。
【0039】(ピールオフ層)本発明の熱転写シートは、基材上に少なくともピールオフ層3を設けた構成であり、このピールオフ層は、中間転写記録媒体の転写部と接するように重ねて加熱し、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除くためのものである。
【0040】ピールオフ層は、従来公知の粘着剤や感熱接着剤から構成することができるが、ガラス転移温度(Tg)が50℃〜120℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等のごとく熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
【0041】上記のようなピールオフ層を構成する樹脂に必要に応じて、無機または有機フィラー等の添加剤を加えた塗工液を、コグラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の手段により、塗布及び乾燥することによって、好ましくは乾燥時0.1〜5.0g/mの厚みに形成する。ピールオフ層の厚さが0.1g/m未満では、ピールオフ層としての中間転写記録媒体の転写部を剥ぎ取るための接着性がほとんど無くなってしまい、また場合によっては熱転写シートが切断したりする。またピールオフ層の厚さが多すぎると、熱感度が足りずに、中間転写記録媒体の転写部との接着性が低下し、転写部を剥ぎ取ることができない部分が生じてしまう。
【0042】また、図3は本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す概略平面図であり、基材2の同一面上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各染料層10、ブラック(BK)の溶融層11、ピールオフ層3を面順次に、繰り返し形成して、塗り分けたものである。
【0043】(染料層)昇華性の染料層10は、昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分を含む塗工液から形成される。昇華性染料、バインダー樹脂等は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。染料層は、染料層用塗工液を調製し、これを基材フィルムにグラビア印刷法等の手段により塗布、乾燥して形成するという、従来公知の方法で形成することができる。
【0044】染料層の厚さは、乾燥状態で0.2〜3g/m程度である。
【0045】(溶融層)溶融層11は、従来と同様の熱溶融性インキを用いて形成することができ、必要に応じて種々の添加剤が加えられる。これらの材料は、従来公知のものを使用することができ特に限定されない。溶融層は、ホットメルトコート等の方法を用い、基材フィルム上に熱溶融性インキを塗布することによって形成される。形成される溶融層の厚さは、必要な濃度と熱感度との関係から決定され、通常、約0.2〜10μmの範囲が好ましい。
【0046】また、図4は本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す概略断面図であり、熱転写シート1の基材2には背面層4を設け、基材2の他方の面に易接着処理13が施されていて、その易接着処理13面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各染料層10、とピールオフ層として易接着処理面の露出された領域12を面順次に、繰り返し形成したものである。
【0047】(易接着処理)熱転写シートの基材表面に、易接着処理や易接着層を塗布形成したりして、基材の易接着処理面自体が、ピールオフ層として機能させることができる。
【0048】熱転写シートの基材が、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムの場合、その化学的特性およびフィルム表面が結晶化されているために凝集力が強く、基材上に設けるピールオフ層との接着性が乏しくなる欠点がある。そこで、プラスチックフィルムの表面に結晶性の低いポリエステル層等を共押出により積層して、易接着処理を施している。
【0049】また、熱転写シートの基材上に、プライマー層として、熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂、各種硬化剤と反応基を有する樹脂との混合組成、光及び電離放射線にて架橋反応を生じる塗膜組成物等のいずれでもよく、その組成物を塗工して形成することができる。その塗工量については固形分基準で1.0g/m以下、好ましくは0.01〜0.05g/mの厚さが良い。
【0050】本発明では、上記の基材の製造時での易接着処理と、基材上にプライマー層を塗工した場合の両方を、基材の易接着処理13が施されたものとして意味する。
【0051】このように規定された、易接着処理が施された熱転写シートの基材を用いて、その易接着処理面、つまり基材上に改めて層を形成せず、基材表面の露出された部分をピールオフ層として、使用することができる。
【0052】また、図5は本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す概略平面図であり、基材2の同一面上に、加熱層14、ピールオフ層3、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各染料層10、ブラック(BK)の溶融層11を面順次に、繰り返し形成して、塗り分けたものである。
【0053】(加熱層)この加熱層14は、中間転写記録媒体の転写部のうち、ピールオフ層により取り除かれる領域(所定領域)周辺を空印画して加熱し、該加熱部と、中間転写記録媒体の基材フィルムとの接着性を向上させるために設けられたものであり、その後に該所定領域とピールオフ層との加熱により、この所定領域をきれいに取り除くことができる。
【0054】加熱層は、中間転写記録媒体の転写部と接着しない材料で覆われたもの、つまり中間転写記録媒体の転写部と接着しない材料で構成することができる。具体的には、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フェノキシ、CAB(セルロースアセテートブチレート)、CAP(セルロースアセテートプロピオネート)、CA(セルロースアセテート)、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ポリカーボネート、ノルボルネン、アクリルニトリルスチレン共重合体、フェニルマレイミド、MMA(メチルメタアクリレート)、スチレン、ポリアミドイミド、ポリビニルホルマール等の樹脂を使用することができる。また、上記の樹脂にシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系等の離型剤を添加しても良い。
【0055】さらに、熱転写シートの基材表面自体が加熱により接着性を発揮しないものであれば、加熱層は層として形成せずに、基材表面の露出により設けることも可能である。
【0056】以上、熱転写シートの実施形態を説明したが、ピールオフ層のみを全ベタで形成した熱転写シートを用いたり、また図3〜5に示したような、ピールオフ層と、染料層及び/または溶融層、加熱層を熱転写シートの同一基材上に面順次に、繰り返し形成することができる。但し、上記のピールオフ層と、染料層及び/または溶融層、加熱層を熱転写シートの同一基材上に面順次に、繰り返し形成したほうが、中間転写記録媒体に対して、熱転写画像形成と、ピールオフ層による転写部の中間転写記録媒体からの除去(剥ぎ取り)を一つの熱転写シートを搬送制御することにより、実施でき、画像形成方法及び装置の熱転写シートの搬送系が単純にでき、好ましい。また、ピールオフ層や加熱層は、除去できる大きさが限定できる場合には、染料層、溶融層よりピッチを短くでき、熱転写シートの使用するメーター数を減らすこともできる。
【0057】次に、本発明で使用する中間転写記録媒体について、説明する。
【0058】中間転写記録媒体の基材フィルム6としては、上記の熱転写シートで説明した基材と同様のものが使用できる。また、中間転写記録媒体の転写部と、熱転写シートのピールオフ層を重ねて加熱する際に、中間転写記録媒体の裏面側から加熱する場合、中間転写記録媒体の基材フィルムの転写部を設ける側と反対面に、熱転写シートで説明した背面層を同様に設けることも可能である。
【0059】(受容層)受容層6は、中間転写記録媒体を構成する転写部の一部として、最表面に位置するように設けられる。この受容層上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって画像が形成される。そして、画像が形成された中間転写記録媒体の転写部は、被転写体に転写され、その結果、印画物が形成される。
【0060】このため、受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0061】また、被転写体に対する転写部の定着性を上げるためには、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層を形成することが好ましい。
【0062】受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で1〜10g/m程度である。
【0063】(剥離OP層)本発明で使用する中間転写記録媒体は、基材フィルム上に剥離OP層を介して受容層を形成することができる。この場合、中間転写記録媒体の転写部が剥離OP層と受容層から構成され、該転写部が被転写体に剥離OP層が最表面になるような形態で受容層とともに転写される。言い換えれば、剥離OP層は、印画物の最表面で熱転写画像を保護する機能と、中間転写記録媒体の転写部を剥離、熱転写させる際の剥離層の機能を有するものである。
【0064】剥離OP層は、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等のワックス類や、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。
【0065】剥離OP層は、透明性、耐摩耗性、耐薬品性等に優れたアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を主体に構成することが特に好ましく、またそれに上記のワックスを必要に応じて添加することができる。
【0066】剥離OP層の形成は、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の従来公知の手段を用いて塗布、乾燥することにより行なうことができる。この剥離OP層の厚さは乾燥時で0.1〜5g/m程度が好ましい。
【0067】また、剥離OP層を有していない転写部であっても、受容層に基材フィルムとの剥離性をもたせることによって、受容層と基材フィルムとの間で適当な密着力をもたせることができる。また、基材フィルム自体に剥離性をもたせることによって、上述の剥離OP層と同様の剥離性をもたせることもできる。
【0068】また、上述の剥離OP層の代わりに、剥離層を基材フィルム上に設けることができ、通常、バインダ樹脂と離型性材料とから形成される。この離型層は熱転写時に基材フィルムからほとんど剥離せず、基材フィルム側に残存する。
【0069】離型層のバインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、あるいは熱硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等が使用できる。また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、タルクやシリカの微粉末、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑等が使用できる。
【0070】離型層は、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材フィルム上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その乾燥後の厚さは、通常0.1〜10g/mである。
【0071】(被転写体)次に、被転写体15について説明する。被転写体上には、上述した中間転写記録媒体の熱転写画像の形成された転写部が転写される。
【0072】本発明で使用される被転写体は特に限定されず、例えば天然パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
【0073】但し、被転写体でマスキング層を用いて、中間転写記録媒体の転写されない部分が、例えば、住所や氏名等の記入欄であったり、あるいは記入者や発行者の捺印欄の場合、被転写体表面に特別な層を設ける必要が無い、筆記適性や捺印適性を有した天然パルプ紙が被転写体として好ましい。
【0074】天然パルプ紙は特に限定されず、例えば、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、熱転写用紙等が挙げられる。
【0075】被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バック類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類やパスポート、小型の本、雑誌等の小冊子、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
【0076】このような被転写体の表面に、ICチップや、署名部、捺印部、ホロCIマーク部等の付属品を設け、被転写体に付加価値をもたせることが好ましく行なわれる。この付属品は、中間転写記録媒体からの転写部(受容層)で覆われては不都合なもので、少しでも付属品に転写物があると、その付属品の機能が正常に発揮できなくなる。
【0077】(画像形成方法及び画像形成物の形成方法)次に、上記の熱転写シートと中間転写記録媒体を用いて、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除いた後に、被転写体に転写部を再転写する画像形成方法及び画像形成物の形成方法について説明する。
【0078】図6は、本発明の画像形成方法及び画像形成物の形成方法の一例を説明する概略図であり、この図を参照すると、図6(1)に示すように、基材2上にピールオフ層3を設けた熱転写シート1と、基材フィルム6上に剥離可能に、受容層7からなる転写部8を設けた中間転写記録媒体5とを用意する。尚、この際に、中間転写記録媒体5の転写部8に、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を予め形成しておくことが可能である。
【0079】次に、図6(2)に示すように、熱転写シート1のピールオフ層3と中間転写記録媒体5の転写部8とを接するように重ねて、サーマルヘッド16の加熱手段で加熱して、所定の領域9の転写部を中間転写記録媒体5から取り除き、その除かれた部分は熱転写シート1のピールオフ層3側に転移されている。
【0080】次に、図6(3)に示すように、所定領域9を除去された転写部8を有する中間転写記録媒体5と被転写体15とを、転写部8と被転写体15の画像形成面とが接するように、重ね合せる。但し、被転写体15には、付属品17が設けられていて、中間転写記録媒体5の転写部8の除去された所定領域9と付属品17が設けられた被転写体15の領域との位置が合うようにしておく。尚、中間転写記録媒体の転写部に対し、昇華型及び/または溶融型の熱転写画像を形成する工程を、図6(2)から図6(3)の間で行なうことも可能である。
【0081】次に、図6(4)に示すように、被転写体15上に、中間転写記録媒体5の熱転写画像の形成された転写部8を、ヒートロール18の加熱手段により再転写する。その再転写の時に、被転写体15に有する付属品17の上には、転写部8が転写されない。
【0082】上記の熱転写の画像形成や、ピールオフ層と転写部との加熱手段は、サーマルヘッドに限定されず、光源あるいはレーザ光源を用いた加熱手段であっても良い。また、上記の熱転写画像の形成された転写部を被転写体へ再転写する加熱手段は、ヒートロール方式に限定されず、ホットスタンプ方式、サーマルヘッド方式等でも可能である。
【0083】また、図6には示さなかったが、本発明では、上記の所定領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除く前に、該所定領域の周辺を転写部と接着しない材料で覆われた加熱層で、空印画して加熱することができる。この空印画は、熱転写シートの加熱層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ね合わせて、サーマルヘッド等の加熱手段により加熱するが、転写は行なわれない。したがって、画像形成の印画は行なわれない。この空印画により、中間転写記録媒体の基材フィルムと転写部との接着性が向上し、その後に転写部とピールオフ層との加熱で、その加熱領域に正確に応じた形状で、きれいに転写部を中間転写記録媒体から取り除くことができる。
【0084】尚、ピールオフ層と、染料層及び/または溶融層、加熱層を同一基材フィルムに塗り分けた熱転写シートを用いる場合、熱転写画像の熱転写の時と、ピールオフ層に中間転写記録媒体の転写部を剥ぎ取る時の作業で、その都度、位置合わせを正確に行なうために、各作業の際の位置検出のための従来から使用されている検知マークを設けて、検出器で検知し、プリント装置と連動させて、各位置合わせを行なうことが好ましい。
【0085】ところで、上記のようなピールオフ層を有する熱転写シート(ピールオフリボン)を用いた場合、使用するプリンタ装置によっては、非転写領域を中間転写記録媒体から取り除く際にリボンが切断したり、あるいは非転写領域がきれいに除去しきれずにその一部が残存したり、あるいは非転写領域が除去される際に非転写領域と転写領域との境界がきれいに切断されずギザギザになる現象が生じるおそれががある。
【0086】この点に鑑みて、上記のようなおそれを解消するために、本発明の別の好ましい態様においては、前記熱転写シートを使用するに際して、上記ピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱し、0.8秒以内に両者を剥離する方法を採用することが望ましい。
【0087】さらに、前記ピールオフ層と前記中間転写記録媒体の転写部との剥離を、剥離角90度未満の角度で行うことがさらに好ましい。
【0088】ところで、従来の画像形成時の不具合事項の一つとして「オビキ」(FLASH、箔切れ)がある。これは、たとえばカードに再転写した際に、カード端面に発生し、カード端面に付着したままプリンター外に搬出したり、プリンター内で剥がれ落ちたりする現象であり、品質低下の要因となる。
【0089】このようなオビキの原因としては、材料面、プリンター機構の両者が挙げられる。材料の面では、添加材を加えることでオビキが改善される場合もあるが、逆に別の不具合を生じさせる要因ともなりうるので注意すべきである。また、プリンター機構の面では、再転写温度、スピード、剥離角度、剥離位置、等によりオビキの大きさ、位置が変化する現象がみられる。
【0090】したがって、本発明においては、上記のような問題を解消するための好ましい態様として、再転写後においてオビキが発生しやすい部分を前記ピールオフ層によって取り除く工程を採用することが好ましい。
【0091】図7は、このような態様を実施する際の中間転写記録媒体5の状態を示す平面図である。この例の場合においては、検知マーク20によって位置あわせがされた中間転写記録媒体5において、転写領域Aと転写領域Bが決定され、このうち、オビキの発生が予想される領域Aの部分を予め前記ピールオフ層によって取り除かれる。このような領域Aは、オビキの解消に適した手段により、使用される転写物に応じて適宜選択され得る。たとえば、使用態様によっては、ピールオフリボンを用いて、中間転写記録媒体上のオビキの発生しやすい箇所(一次転写画像の周辺部全てでもよいし、オビキの発生しやすい箇所のみでも良い)を予め剥がしてから、再転写することによって、「オビキ」の問題を解消することができる。
【0092】
【実施例】(実施例1)先ず、厚さ12μmで透明なポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとして用い、その表面に、以下に示す剥離OP層用塗工液を塗布・乾燥して、基材フィルム上に乾燥時で厚さ2.0g/mの剥離OP層を形成した。尚、基材フィルムには背面層を乾燥時1.0g/mの厚さで、予め形成しておいた。
【0093】
(剥離OP層用塗工液)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−83) 88部 ポリエステル樹脂 1部 ポリエチレンワックス 11部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部次いで、上記の剥離OP層上に、以下に示す受容層用塗工液を塗布・乾燥し、乾燥時で厚さ2.0g/mの受容層を形成し、中間転写記録媒体を用意した。
【0094】
(受容層用塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 40部 アクリルシリコーン 1.5部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部【0095】厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として用い、図3に示すように、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層と、以下に示す組成のピールオフ層を面順次に繰り返し形成した実施例1の熱転写シートを作製した。ピールオフ層の乾燥時厚さは0.5g/mである。尚、上記基材には背面層を乾燥時1.0g/mの厚さで、予め形成しておいた。
【0096】
(ピールオフ層)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−87) 5部 メチルエチルケトン 47.5部 トルエン 47.5部【0097】(実施例2)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層の乾燥時厚さを0.3g/mにして、その他は実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
【0098】(実施例3)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層の乾燥時厚さを1.0g/mにして、その他は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
【0099】(実施例4)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層の乾燥時厚さを2.0g/mにして、その他は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
【0100】(比較例1)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層の乾燥時厚さを0.05g/mにして、その他は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
【0101】(比較例2)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層の乾燥時厚さを5.5g/mにして、その他は実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。
【0102】(実施例5)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層のインキ組成を下記の組成に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
【0103】
(ピールオフ層)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 5部(日信化学工業(株)製、ソルバインA)
メチルエチルケトン 47.5部 トルエン 47.5部【0104】(実施例6)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層のインキ組成を下記の組成に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを作製した。
【0105】
(ピールオフ層)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 5部(日信化学工業(株)製、ソルバインCL)
メチルエチルケトン 47.5部 トルエン 47.5部【0106】(実施例7)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層のインキ組成を下記の組成に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを作製した。
【0107】
(ピールオフ層)
ポリエステル樹脂 5部(東洋紡績(株)製、バイロン700)
メチルエチルケトン 47.5部 トルエン 47.5部【0108】(実施例8)実施例1で作製した熱転写シートのピールオフ層のインキ組成を下記の組成に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例8の熱転写シートを作製した。
【0109】
(ピールオフ層)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−87) 5部 ポリエチレンパウダー 0.15部(ASTORWAX Co.製、MF8F)
メチルエチルケトン 47.5部 トルエン 47.5部【0110】(実施例9)厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、K203E)を基材として用い、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層と、易接着処理面の露出された領域をもたせた部分を面順次に繰り返し形成した実施例9の熱転写シートを作製した。上記の易接着処理面の露出された領域は、基材の易接着面そのものであり、何も層を設けなかった。この易接着処理面の露出された領域がピールオフ層に相当する。
【0111】尚、上記基材の反対面には、実施例1と同様に背面層を乾燥時1.0g/mの厚さで、予め形成しておいた。
【0112】(実施例10)厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として用い、図5に示すように、加熱層、ピールオフ層、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した熱転写シートを作製した。但し、加熱層は上記基材そのものであり、基材表面が露出された部分となるようにした。また、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、黒色の熱溶融転写性を有する溶融層は、実施例1の場合と同様に設け、ピールオフ層は比較例2と同様に設けた。
【0113】尚、上記基材には実施例1と同様に、背面層を乾燥時1.0g/mの厚さで、予め形成しておいた。
【0114】(実施例11)厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、K203E)を基材として用い、下記組成の加熱層、易接着処理面の露出された領域をもたせた部分であるピールオフ層、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成した実施例11の熱転写シートを作製した。上記の易接着処理面の露出された領域は、基材の易接着面そのものであり、何も層を設けなかった。この易接着処理面の露出された領域がピールオフ層に相当する。
【0115】尚、上記基材の反対面には、実施例1と同様に背面層を乾燥時1.0g/mの厚さで、予め形成しておいた。
【0116】
(加熱層)
ポリビニルアセタール樹脂 5部(積水化学工業(株)製、KS−5)
メチルエチルケトン 47.5部 トルエン 47.5部上記の得られた各実施例及び比較例の熱転写シートと、実施例1の条件で記載した中間転写記録媒体を用いて、中間転写記録媒体の受容層上に、上記に作製した熱転写シートを用い、熱転写法により、すなわち市販のサーマルヘッドを搭載した熱転写プリンターを用いて、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を形成した。
【0117】次に、上記の画像形成された受容層と、上記で作製した熱転写シートのピールオフ層を接するように重ねて、上記熱転写プリンターを用いて、住所、氏名の手書き記入欄(署名欄)に相当する位置とパターンになるように、受容層の転写部を中間転写記録媒体から剥ぎ取った。
【0118】その後に、厚み600μmの白色のPET−Gシート(三菱樹脂(株)製:PET−G、ディアフィクスPG−W)の指定した位置に、上記の画像形成された転写部を、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、再転写して、画像形成物を得た。但し、上記のPET−Gシートの転写面の住所、氏名の手書き記入欄に相当する位置には予めサインパネルの処理を施している。
【0119】上記実施例1〜9で得られた画像形成物は、中間転写記録媒体の転写部が、ピールオフ層により所定の領域が取り除かれていたので、カードにおける手書き記入欄(署名欄)には何らの転写が無く、手書きにおいて全く問題がなかった。
【0120】比較例1では、中間転写記録媒体の画像形成された受容層と、熱転写シートのピールオフ層を接するように重ねて、受容層の転写部を中間転写記録媒体から剥ぎ取ろうとしたが、受容層は取れなかった。
【0121】また、比較例2では、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部との接着性が低く、取り除く必要のある転写部の一部に剥ぎ取れない部分が生じた。また、その剥ぎ取り部分のエッジの膜切れが悪く、本来直線に剥ぎ取らなければならないエッジ部が、ノゴギリ状のぎざぎざの状態となった。(いわゆる、エッジにバリが生じた。)
【0122】実施例10と実施例11では、まず、得られた熱転写シートと、実施例1の条件で記載した中間転写記録媒体を用いて、市販のサーマルヘッドを搭載した熱間剥離を行なう熱転写プリンターを用いて、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を中間転写記録媒体の受容層に形成した。次に、被転写体であるカードの手書き記入欄(署名欄)に相当する位置である転写部領域の周辺を加熱層で、上記の熱転写プリンターで空印画して加熱した。次に、各熱転写シートのピールオフ層と、中間転写記録媒体の画像形成された転写部とを接するように重ね合せて、同熱転写プリンターで加熱して、転写部の所定領域(カードの住所、氏名の手書き記入欄に相当する領域)を中間転写記録媒体から取り除き、そしてその画像形成された中間転写記録媒体の転写部を、上記実施例1〜9の場合と同様に、PET−Gシートの指定した位置に、上記の画像形成された転写部を、ヒートロールを常設した市販のラミネーターを用いて、再転写して、画像形成物を得た。但し、上記のPET−Gシートの転写面の住所、氏名の手書き記入欄に相当する位置には予めサインパネルの処理を施している。
【0123】実施例10と実施例11で得られた画像形成物は、中間転写記録媒体の転写部が、ピールオフ層により所定の領域を取り除かれていたので、カードにおける手書き記入欄(署名欄)には何らの転写が無く、手書きにおいて全く問題がなかった。
【0124】尚、実施例10においては、特に比較例2で見られた手書き記入欄(署名欄)の外縁のバリが生じておらず、エッジが直線的で、きれない状態であった。
【0125】(実施例12〜18および比較例3〜6)厚さ6μmPETの一方の面に実施例1と同様にして背面層を形成した。
【0126】背面層形成の反対側の面に以下の組成物を塗布量0.5g/m(乾燥時)で塗布し、ピールオフリボンを作製した。
【0127】
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR87) 5部 トルエン 47.5部 MEK 47.5部また、厚さ16μmPETの一方の面に実施例1と同様にして受容層を形成し、中間転写媒体を作製した。
【0128】ピールオフリボンと中間転写媒体とを向かい合わせ300dpiのサーマルヘッドを用いピールオフリボン背面側より加熱を行い後以下の条件にて中間転写媒体より非転写領域の除去を行った。
【0129】なお剥離時間は印画速度と剥離距離を計算した。
【表1】

リボン切断 ○:問題無し ×:リボンが切断した転写領域 ○:問題無し ×:転写領域と非転写領域の境界がぎざぎざなるか除去しきれない領域が現われた【0130】また同様に300dpiのサーマルヘッドを用い中間転写媒体とピールオフリボンを融着させ、時間を置いた後下記の剥離角にて非転写領域の除去を行った。
【表2】

リボン切断 ○:問題無し ×:リボンが切断した転写領域 ○:問題無し ×:転写領域と非転写領域の境界がぎざぎざなるか除去しきれない領域が現われた【0131】(実施例19)上記実施例において用いたピールオフ層を有する熱転写シートと中間転写記録媒体を用い、中間転写記録媒体の受容層上に、熱転写プリンターを用いて熱転写画像を形成した。
【0132】次に、上記の画像形成された受容層と、上記のピールオフ層を接するように重ねて、被転写媒体であるカードの周辺部に相当する位置とサインパネルに相当する位置と合うように、少なくとも受容層の1部を含む転写部(A)を剥ぎ取った(図7)。
【0133】その次に、カード(PET−Gカード、塩ビカード)に、上記画像形成された転写部(B)(図7)を、ヒートロールにて転写し、画像形成物を得た。
【0134】このようにして得られた画像形成物は、中間転写記録媒体の転写部の所定領域(A)がピールオフ層により取り除かれていたので、カード端面には「オビキ(FLASH)」の発生は認められなかった。
【0135】一方、カード周辺部に相当する位置を取り除いていない場合、画像形成物であるカード端面にオビキが見られた。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成方法では、基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートと、基材フィルム上に剥離可能に、少なくとも受容層からなる転写部を設けた中間転写記録媒体とを用いて、熱転写シートのピールオフ層と中間転写記録媒体の転写部とを接するように重ねて加熱して、所定の領域の転写部を中間転写記録媒体から取り除いた後に、被転写体に転写部を再転写するものである。
【0137】すなわち、中間転写記録媒体の転写部で、所定の領域を熱転写シートのピールオフ層と合わせて加熱することで、所定領域の転写部がピールオフ層のある熱転写シート側に転移して、中間転写記録媒体側から分離する。そして、その中間転写記録媒体の転写部における取り除かれた(分離した)領域を、被転写体におけるICチップや署名欄等の設けられた、中間転写記録媒体からの転写部が転写されると不都合が生じる領域、つまり非転写領域に位置を合わせて、被転写体に転写部を再転写する。
【0138】中間転写記録媒体の転写部を、ピールオフ層を用いて、予め取り除くために、被転写体におけるICチップや署名欄等の非転写領域への転写部の転移を確実に防止でき、ICチップや署名欄等の機能を損なうことがない。
【0139】また、本発明の画像形成方法は、被転写体に付着した不要の転写部を除去するための粘着除去機構等の特別な機構、方法を用いることなく、基材上に少なくともピールオフ層を設けた熱転写シートを用いるだけで、簡単に所定の領域であるICチップや署名欄等の非転写領域を被転写体に形成することができる。
【0140】また、前記の所定領域(被転写体のICチップや署名欄、ホロCIマーク等の設けられた領域に対応した部分)の転写部を中間転写記録媒体から取り除く前に、該所定領域の周辺を転写部と接着しない材料で覆われた加熱層で、空印画して加熱することが好ましく、中間転写記録媒体の基材フィルムと転写部との接着性を向上させ、その後に転写部とピールオフ層との加熱で、所定の領域を正確な形状で、きれいに転写部を取り除くことができる。言い換えれば、被転写体の再転写される部分の膜切れが良好となる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
【出願日】 平成15年2月20日(2003.2.20)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次 (外3名)
【公開番号】 特開2003−326865(P2003−326865A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2003−42712(P2003−42712)