トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 感熱記録材料
【発明者】 【氏名】柳原 直人
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【要約】 【課題】鮮明で高濃度の画像を得ることができ、画像部の光堅牢性が高く、長時間光に曝されても褪色し難い感熱記録材料を提供する。

【解決手段】電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを有する感熱記録材料において、前記電子受容性化合物として、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の乳化分散物を用いた感熱記録材料である。前記電子供与性無色染料は、マイクロカプセルに内包することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを有する感熱記録材料において、前記電子受容性化合物として、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の乳化分散物を用いたことを特徴とする感熱記録材料。
【請求項2】 前記電子供与性無色染料がマイクロカプセルに内包されていることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関し、特に、熱発色特性、画像の保存性に優れる感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録は、その記録装置が簡便で信頼性が高くメンテナンスが不要であることから近時発展している。感熱記録に用いる感熱記録材料としては、従来から電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したもの、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したものなどが広く知られている。該感熱記録材料として、近年、(1)発色濃度及び発色感度、(2)発色体の堅牢性、などの特性改良に対する研究が鋭意行われている。しかしながら、従来における感熱記録材料は、太陽光に長時間曝されると、あるいは部屋などで長期にわたり掲示等されると、光により、地肌部が着色してしまったり、画像部が変色乃至褪色してしまったりするという問題があった。このため、従来から、前記欠点を改良するために種々の方法が提案されてきているが、必ずしも十分な効果が得られていないのが現状である。
【0003】一方、電子供与性無色染料を用いた感熱記録材料用の電子受容性化合物として、サリチル酸誘導体金属塩が有用であり、感熱記録材料に用いた例がいくつか公開されている。例えば、特開平7−89918号公報、同7−145135号公報、同7−165701号公報、同8−59596号公報、同9−328468号公報、同10−17528号公報には、新規構造のサリチル酸誘導体金属塩が公開されている。また、サリチル酸亜鉛塩を水和物として使用する例が、特開平7−70142号公報、同7−267965号公報に記載されている。
【0004】以上のようなサリチル酸誘導体金属塩は、感熱記録層の透明性が高くなること、及び分散性、分散安定性に優れることから、乳化分散して使用することが好ましいが、従来においては、乳化分散物を調製した場合、乳化分散物の安定性に欠けるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、鮮明で高濃度の画像を得ることができ、画像部の光堅牢性が高く、長時間光に曝されても褪色し難い感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段は以下の通りである。即ち、<1> 電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを有する感熱記録材料において、前記電子受容性化合物として、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の乳化分散物を用いたことを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 前記電子供与性無色染料がマイクロカプセルに内包されていることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料である。なお、本明細書において、サリチル酸誘導体とは、サリチル酸を含むものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感熱記録材料について説明する。本発明の感熱記録材料は、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを有する感熱記録材料において、前記電子受容性化合物として、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の乳化分散物を用いたことを特徴としている。そして、本発明の感熱記録材料は、支持体上に、感熱記録層、必要に応じてその他の層を有する構造をとることができ、前記電子受容性化合物、ひいては前記乳化分散物は感熱記録層中に含有される。以下、支持体及び感熱記録層など各層について説明する。
【0008】[感熱記録層]感熱記録層は、少なくとも電子供与性無色染料と、電子受容性化合物とを含有し、必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0009】(電子供与性無色染料)前記電子供与性無色染料は、前記電子受容性化合物と併用することにより、加熱処理により呈色する性質を有するものであれば、いかなるものでも使用することができる。
【0010】前記電子供与性無色染料として、2,6−ジアミノフルオラン誘導体(黒発色)または、インドリルアザフタリド誘導体(シアン発色)が好ましい。
【0011】前記2,6−ジアミノフルオラン誘導体の中でも、特に黒発色の2−置換アミノ−3−H、ハロゲン、アルコキシ又はアルキル−6−置換アミノフルオランが有効である。具体的には、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−フルオロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−m−メチルアニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−m−トリフルオロメチルアニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−プロピルアミノフルオラン、2−ジフェニルアミノ−3−メトキシ−6−N−エチル−N−p−トリルアミノフルオランなどが挙げられる。
【0012】前記2,6−ジアミノフルオラン誘導体は、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、黒発色の色調を調節するために以下の電子供与性無色染料を併用してもよい。例えば、フルオラン系化合物として米国特許第3,624,107号、同3,627,787号、同3,641,011号、同3,462,828号、同3,681,390号、同3,920,510号及び同3,959,571号に記載の化合物を、フタリド系化合物として米国再発行特許第23,024号、米国特許第3,491,111号、同3,491,112号、同3,491,116号及び同3,509,174号に記載の化合物を、スピロジピラン系化合物として米国特許第3,971,808号に記載の化合物を、ピリジン系およびピラジン系化合物類として米国特許第3,775,424号、同3,853,869号及び4,246,318号に記載の化合物を用いることができる。
【0013】本発明の感熱記録材料において用いることができるインドリルアザフタリド誘導体は、下記一般式(1)で表される。
【0014】
【化1】

[一般式(1)中、R1、R2は各々同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基を表す。但し、R1とR2が同時に水素原子を表すことはない。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、−NHCOR31、−NHSO232、−NHCO233または−NHCONHR34を表す。R31〜R34は、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環残基を表し、R4、R5は各々水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R6、R7は各々水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Y1、Y2、Y3、Y4のうち1つまたは2つはNを表し、他はCHを表す。]
【0015】上記一般式(1)中、R1 、R2 は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、特には炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。これらは更に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0016】R1 、R2 として具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフエニル基、p−クロロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基などが好ましい。
【0017】R1 、R2 は互いに結合して環状アミノ構造になってもよく、環状アミノとして具体的には1−ピロリジニル基、ピペリジリノ基、モルホリノ基などが好ましい。
【0018】上記一般式(1)中、R3がハロゲン原子を表す場合、フッ素原子、塩素原子が好ましい。R3がアルキル基を表す場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。R3がアリール基を表す場合、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。R3がアルコキシ基を表す場合、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基またはi−ブチルオキシ基が挙げられる。R3がアルキルチオ基を表す場合、炭素数1〜8のアルキルチオ基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキルチオ基が好ましい。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基またはi−ブチルチオ基が挙げられる。
【0019】上記一般式(1)中、R31〜R34は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、特には炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又はヘテロ環残基が好ましい。前記アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、及びアリール基は更にアルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。また、ヘテロ環残基としては下記式で表されるものが好ましい。
【0020】
【化2】

【0021】R31、R32として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基などが好ましい。
【0022】R31、R32は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アラルキレン基、フェニレン基のような2価の連結基として2分子のインドリルアザフタリド化合物を連結したビス型構造を形成する基であってもよく、この場合の2価の連結基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、シクロヘキシレン基、キシリレン基、メチルキシリレン基、フェニレン基が好ましい。
【0023】R33、R34として具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、シクロアルキル基、フェニル基、n−オクチル基、又は2−エチルヘキシル基などが好ましい。
【0024】上記一般式(1)中、R4 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、特には水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。フェニル基は置換されていてもよい。
【0025】上記一般式(1)中、R5 は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、特には炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。これらは更に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6から10のアリールオキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0026】R5 として具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフエニル基、p−クロロフェニル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基、2−クロロエチル基などが好ましい。
【0027】上記一般式(1)中、R6 、R7 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、塩素原子が好ましく、特には水素原子、メチル基、i−プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子が好ましい。
【0028】上記一般式(1)中、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 の2つがNを表す場合、Y1 とY4 がNであることが好ましい。Y1 、Y2 、Y3 、Y4 がCHを表す場合、任意のCHの水素原子はアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよく、置換基としては特にメチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。
【0029】以下に前記インドリルアザフタリド誘導体の具体例を示すが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0030】
【表1】

【0031】
【化3】

【0032】
【化4】

【0033】
【化5】

【0034】
【表2】

【0035】前記インドリルアザフタリド誘導体は、公知のインドリルアザフタリド誘導体をも包含するものであり、例えば、旧西独特許第3,247,059号に記載のインドリルアザフタリド誘導体等も本発明に適用することができる。また、前記インドリルアザフタリド誘導体は、種々のm−フェニレンジアミン化合物とピリジンカルボン酸とを、無水酢酸中で反応させ、冷却して析出するなどの公知の方法により製造することができる。
【0036】前記インドリルアザフタリド誘導体は製造時に副生する異性体混合物でもよい。例えば、4−アザフタリド体(Y1 :N、Y2 =Y3 =Y4 :CH)と7−アザフタリド体(Y1 =Y2 =Y3 :CH、Y4 :N)の混合物や5−アザフタリド体(Y1 =Y3 =Y4 :CH、Y2 :N)と6−アザフタリド体(Y1 =Y2=Y4 :CH、Y3 :N)の混合物であってもよい。
【0037】前記インドリルアザフタリド誘導体は単独で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。例えば、2種類以上の4−アザフタリド体を併用してもよく、4−アザフタリド体1種類と6−アザフタリド体1種類とを併用してもよい。さらに、前述した2,6−ジアミノフルオラン誘導体を併用してもよい。
【0038】前記電子供与性無色染料の塗布量は特に限定されないが、0.1〜2.0g/m2、特には0.2〜1.5g/m2が好ましい。
【0039】(電子受容性化合物)本発明において、電子受容性化合物としては、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の乳化分散物(以下、単に「乳化分散物」という場合がある。)を用いている。本来乳化分散しても安定性に欠けるサリチル酸誘導体金属塩にジオール化合物を付加させたジオール付加体の該乳化分散物は、分散性、分散安定性に優れているため、高い顕色能を有するサリチル酸誘導体金属塩を安定した性能で使用することができる。そして、該乳化分散物を感熱記録材料(感熱記録層)に使用することにより、少量であっても画像部を高発色濃度とすることができるとともに、得られた画像部の光堅牢性が高く、長時間光に曝されても褪色し難い。また、該乳化分散物により感熱記録層の透明性が向上し、鮮明で高濃度の画像とすることができる。
【0040】前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体は、サリチル酸誘導体金属塩にジオール化合物を付加反応させることにより得られる。
【0041】〈サリチル酸誘導体金属塩〉前記サリチル酸誘導体金属塩は下記一般式(2)で表される。
【0042】
【化6】

[一般式(2)中、R8、R9、R10、及びR11は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、又はヒドロキシル基を表す。Mtlは2価の金属を表す。]
【0043】R8〜R11がハロゲン原子を表す場合、フッ素原子、塩素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
【0044】R8〜R11がアルキル基を表す場合、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。特に炭素数1〜12のアルキル基が好ましく用いられ、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基およびt−オクチル基を挙げることができる。
【0045】R8〜R11がアリール基を表す場合、炭素数6〜12のアリール基が好ましい。この中でも特に、炭素数6〜10のアリール基が好ましく用いられ、具体的には、フェニル基、トリル基およびナフチル基を挙げることができる。
【0046】R8〜R11がアラルキル基を表す場合、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。この中でも特に、炭素数7〜14のアラルキル基が好ましく用いられ、具体的にはベンジル基、α−メチルベンジル基、α、α−ジメチルベンジル基、ジフェニルメチル基を挙げることができる。
【0047】R8〜R11がシクロアルキル基を表す場合、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましく、特に、炭素数6のシクロアルキル基が好ましい。
【0048】R8〜R11がアルコキシ基を表す場合、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。この中でも特に、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく用いられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−フェノキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基及びオクチルオキシ基を挙げることができる。
【0049】R8〜R11が表すアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基は、更に置換基を有していてもよい。前記置換基の具体例として、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、カルボニルオキシ基を挙げることができる。この中でも特にアルキル基、アルコキシ基、アリール基及びシクロアルキル基が好ましい。
【0050】R8〜R11がアシルアミノ基を表す場合、アシルアミノ基は下記一般式(3)で表される。
−NH−CO−R12 一般式(3)
[一般式(3)中、R12は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又は置換アミノ基を表す。]
【0051】R12がアルキル基を表す場合、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。特に炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が挙げられる。R12がアリール基を表す場合、炭素数6〜15のアリール基が好ましい。特に炭素数6〜10のアリール基が好ましく、具体例として、フェニル基、トリル基およびナフチル基が挙げられる。R12がアルコキシ基を表す場合、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。特に炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基およびオクチルオキシ基が挙げられる。R12が表すアルキル基、アリール基またはアルコキシ基は、更に置換基を有していてもよい。前記置換基の具体例として、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびカルボニルオキシ基を挙げることができる。R12が置換アミノ基を表す場合、炭素数1〜20のアルキルアミノ基および炭素数6〜15のアリールアミノ基が好ましい。特に、炭素数1〜12のアルキルアミノ基および炭素数6〜10のアリールアミノ基が好ましく、具体的には、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、及びフェニルアミノ基(アニリノ基)が挙げられる。
【0052】一般式(2)中、R8〜R11がスルホンアミド基を表す場合、該スルホンアミド基は下記一般式(4)で表される。
−NH−SO2−R13 一般式(4)
[一般式(4)中、R13は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又は置換アミノ基を表す。R13がアルキル基の場合、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。特に炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基が挙げられる。R13がアリール基を表す場合、炭素数6〜15のアリール基が好ましい。特に炭素数6〜10のアリール基が好ましく、具体例として、フェニル基、トリル基およびナフチル基が挙げられる。R13がアルコキシ基を表す場合、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。特に炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基およびオクチルオキシ基が挙げられる。R13が表すアルキル基、アリール基またはアルコキシ基は、更に置換基を有していてもよい。前記置換基の具体例として、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびカルボニルオキシ基を挙げることができる。R13が置換アミノ基を表す場合、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、及び炭素数6〜15のアリールアミノ基が好ましい。特に、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、及び6〜10のアリールアミノ基が好ましく、具体的には、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基およびフェニルアミノ基(アニリノ基)が挙げられる。
【0053】本発明において、前記サリチル酸誘導体金属塩に係るサリチル酸誘導体の分子量は280以下であることが好ましい。前記サリチル酸誘導体の具体例としては、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ビス−(α、α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α、α−ジメチルベンジル)−5−t−ブチルサリチル酸、3−(α、α−ジメチルベンジル)−5−t−オクチルサリチル酸、3−t−ブチル−5−(α、α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−アミルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3−メチルサリチル酸、4−メチルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、サリチル酸、5−t−ブチルサリチル酸、5−フェニルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−ヒドロキシサリチル酸(レゾルシン酸)、4−アセトアミドサリチル酸、5−アセトアミドサリチル酸、5−ベンゾイルアミノサリチル酸等を挙げることができる。尚、前記サリチル酸誘導体は、対応するフェノール誘導体にコルベーシュミット反応を行うことにより容易に合成される。
【0054】前記一般式(2)中、2価の金属を表すMtlは、前記サリチル酸誘導体金属塩は、前記サリチル酸誘導体と、2価の遷移金属との金属塩が好ましく、特に、Zn塩、Cu塩またはNi塩が好ましい。この中でもZn塩が更に好ましい。
【0055】〈ジオール化合物〉前記ジオール化合物は下記一般式(5)であらわすことができる。
HO−X−OH 一般式(5)
一般式(5)中、Xは2価の連結基を表し、アルキレン基やフェニレン基が好ましい。尚、Xがアルキレン基を表す場合には、アルキレン基は側鎖を有していてもよく、また、アルキレン基の主鎖又は側鎖に酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子などのヘテロ原子や不飽和結合を有していてもよい。さらに、前記アルキレン基に環状構造が含まれていてもよい。Xがフェニレン基の場合には、フェニレン基は置換基を有してもよく、フェニレン基と水酸基との間にアルキレン基や、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子などのヘテロ原子を有していてもよい。Xの具体例としては、以下のものが挙げられる。ただし、本発明に係る連結基Xは以下の具体例に限定されるものではない。
【0056】
【化7】

【0057】次に、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の製造方法について述べる。前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体は、前記サリチル酸誘導体金属塩と、前記ジオール化合物と、を溶媒中で混合し再結晶するか、又は前記サリチル酸誘導体金属塩と、ジオール化合物とを無溶媒で溶融混合または、溶媒中で溶解後溶媒を除去することにより合成することができる。前記サリチル酸誘導体金属塩と前記ジオール化合物とは、モル比で2:1〜1:2で反応させることが好ましく、1.2:1〜1:1.2が更に好ましい。反応溶媒としては、水、有機溶媒を制限なく用いることができるが、付加体形成の容易さの点で、水、アルコール、アセトン、酢酸エステル、アセトニトリル、エーテル、トルエン、クロロホルム等が好ましい。特に好ましくは、アセトン、酢酸エステル、トルエン、クロロホルムおよびヘキサンを挙げることができる。
【0058】反応温度は、0℃〜150℃が好ましく、25℃〜120℃が特に好ましい。前記付加体を製造する場合、前記サリチル酸誘導体金属塩の溶液と、前記ジオール化合物の溶液とを混合して反応させるのが好ましいが、前記サリチル酸誘導体金属塩と、前記ジオール化合物と、前記溶媒とを混合させ、加熱等により溶解させ、反応させてもよい。また、前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の再結晶時に、再結晶化を促進させる目的で、貧溶媒を添加してもよい。該貧溶媒の具体例として、水、アルコール、アセトン、酢酸エステル、アセトニトリル、エーテル、トルエン、クロロホルム、ヘキサン等が挙げられる。貧溶媒は、反応溶媒や原材料(サリチル酸誘導体金属塩やジオール化合物)の組み合わせにより決まる。この組み合わせは、当業者によって容易に決定できるものである。
【0059】下記表に、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の具体例(化合物No.1〜34)を示す。(下記具体例は便宜上、サリチル酸誘導体部分、金属部分及びジオール化合物部分に分けて例示している。よって、下記化合物1の実際の構造式は下記式(6)による。以下同じ。)
【0060】
【化8】

【0061】
【表3】

【0062】
【表4】

【0063】本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体は、前記サリチル酸誘導体金属塩と前記ジオール化合物とが1分子ずつ結合して1分子の付加体を形成しても、2分子の前記サリチル酸誘導体金属塩と2分子の前記ジオール化合物とが結合して1分子の付加体を形成してもよい。2分子の前記サリチル酸誘導体金属塩と2分子の前記ジオール化合物とが結合して1分子の付加体を形成した場合の構造式は下記一般式(7)のように表される。
【0064】
【化9】

【0065】ここで、R8〜R11は前記一般式(2)の場合と同様であり、Xは前記一般式(5)の場合と同様である。前記サリチル酸誘導体金属塩と前記ジオール化合物とが3分子以上結合して1分子の付加体を形成した場合も、該付加体は多点で架橋した構造となり、当然に本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体に含まれる。
【0066】前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。更に、前記サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体以外の公知の電子受容性化合物を併用してもよい。公知の電子受容性化合物として、例えば、フェノール誘導体、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト等が挙げられ、具体的には、特公昭40−9309号公報、特公昭45−14039号公報、特開昭52−140483号公報、特開昭48−51510号公報、特開昭57−210886号公報、特開昭58−87089号公報、特開昭59−11286号公報、特開昭60−176795号公報、特開昭61−95988号公報、特開昭63−65979号公報、特開平6−72984号公報、特開平7−278098号公報に記載のものを挙げることができる。
【0067】使用される前記電子供与性無色染料と、電子受容性化合物との比は、質量比で1:10〜1:1が好ましく、1:5〜2:3が特に好ましい。
【0068】本発明におけるサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体の乳化分散物は、次のようにして得ることができる。即ち、(1)サリチル酸誘導体金属塩ジオール付加体を水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解する。
(2)これに界面活性剤を必要に応じて添加して油相を調製する。
(3)水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相を調製する。
(4)このようにして得た油相と水相を混合、攪拌して乳化分散する。
【0069】サリチル酸誘導体金属塩ジオール付加体を溶解する有機溶剤は高沸点オイルの中から適宜選択することができるが、特にエステル類及び感圧用オイルとして知られる、ベンゼン環を2個以上有し且つヘテロ原子の数が規定数以下のオイルが好ましい。このようなオイルは下記一般式(I)〜(III)で表される化合物及びトリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合物、アルキル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテルである。中でも、トリアリルメタン及びエステル類を使用することがサリチル酸誘導体金属塩ジオール付加体の乳化分散物が安定化しやすく、好ましい。
【0070】
【化10】

【0071】一般式(I)中、R14は水素又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、R15は炭素数1〜18のアルキル基を表す。p1、q1は1〜4の整数を表し、且つ、アルキル基の総和は4個以内とする。尚、R14、R15のアルキル基は炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
【0072】一般式(II)中、R16、R17は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。nは1又は2を表す。p2、q2は1〜4の整数を表す。n=1の場合には、アルキル基、の総和は4個以内であり、n=2のときアルキル基の総和は6個以内である。
【0073】一般式(III)中、R18、R19は水素原子又は、炭素数1〜18の同種もしくは異種のアルキル基を表す。mは1〜13の整数を表す。p3、q3は1〜3の整数を表し、かつアルキル基の総和は3個以内である。尚、R18、R19のアルキル基は炭素数2〜4のアルキル基が特に好ましい。
【0074】一般式(I)で表される化合物例としては、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等が挙げられる。
【0075】一般式(II)で表される化合物例としては、ジメチルビフェニル、ジエチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニルが挙げられる。
【0076】一般式(III)で表される化合物例としては、1−メチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタンが挙げられる。
【0077】エステル類としては、燐酸エステル類(例えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチル、燐酸オクチル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、安息香酸エステル(安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル)、アビエチン酸エステル(アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ酸エステル(シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル)、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル)、クエン酸トリブチル、ソルビン酸エステル(ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチル)、セバシン酸エステル(セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステアリン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル)、トリアセチン、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル(ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
【0078】上記のオイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0079】本発明においては、上記の有機溶剤に、更に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもできる。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0080】サリチル酸誘導体金属塩ジオール付加体を溶解した油相と混合する水相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0081】又、水相に含有せしめる界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ土類金属塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム)、アルキル硫酸アルカリ金属塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができる。
【0082】本発明におけるサリチル酸誘導体金属塩ジオール付加体の乳化分散物は、サリチル酸誘導体金属塩ジオール付加体を含有する油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用して混合分散せしめ容易に得ることができる。
【0083】この時、乳化分散物の油滴サイズ(直径)は、ヘイズが60%以下の透明な感熱記録層を得るために7μm以下であることが好ましい。更に好ましくは0.01〜5μmの範囲内である。
【0084】又、油相の水相に対する比(油相質量/水相質量)は、0.02〜0.6が好ましく、更に好ましくは0.1〜0.4である。0.02以下では水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得られず、0.6以上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱の不便さや透明度の低下をもたらす。
【0085】(その他の成分)前記感熱記録層には、前記電子供与性無色染料及び電子受容性化合物のほかにその他の成分を含有してもよい。前記その他の成分の例として、公知の蛍光増白剤、酸化防止剤が挙げられる。
【0086】本発明においては、耐光性を向上させるために以下に示す公知の酸化防止剤を用いることができ、例えばヨーロッパ公開特許第310551号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、ヨーロッパ公開特許第310552号公報、特開平3−121449号公報、ヨーロッパ公開特許第459416号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第4814262号、特開昭54−48535号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4980275号、特開昭63−113536号公報、特開昭62−262047号公報、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、ヨーロッパ公開特許第309402号公報、ヨーロッパ公開特許第309401号公報等に記載のものが挙げられる。
【0087】さらに、感熱記録材料、感圧記録材料として既に公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の一部を示すならば、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05−188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報、特開昭59−155090号公報、特開昭61−137770号公報、特開昭61−139481号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0088】感熱記録層に用いるバインダーとしては、従来公知のものを使用することができ、ポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性高分子やポリマーラテックスなどを挙げることができる。
【0089】併用できる蛍光増白剤として好ましいものは、クマリン系蛍光増白剤などが挙げられる。これらの例は特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報などに記載されている。
【0090】前記蛍光増白剤、酸化防止剤の使用量としては0.05〜1.0g/m2 、特には0.1〜0.4g/m2 が好ましい。
【0091】本発明の感熱記録材料には、増感剤を添加してもよい。増感剤の例としては、特開昭58−57989号公報、特開昭58−87094号公報、特開昭63−39375号公報等に開示されている化合物が挙げられる。芳香族エーテル(特に、ベンジルエーテル類、ジ(置換フェノキシ)アルカン類)、芳香族エステル及び又は脂肪族アミド、ウレア又は芳香族アミド又はウレアなどがその代表である。特に、芳香族エステルが好ましく、さらに、シュウ酸ジベンジルエステル誘導体が特に好ましい。増感剤の使用量は、0.1〜2.0g/m2が好ましく、特に0.2〜1.5g/m2が好ましい。
【0092】また、感熱記録材料の熱応答性を改良するために熱可融性物質を感熱記録層に含有させることができる。前記熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル及び又は脂肪族アミド又はウレイドなどがその代表である。
【0093】これらの例は特開昭58−57989号公報、同58−87094号公報、同61−58789号公報、同62−109681号公報、同62−132674号公報、同63−151478号公報、同63−235961号公報、特開平2−184489号公報、同2−215585号公報などに記載されている。
【0094】前記熱可融性物質の使用量は、前記電子受容性化合物に対して、20%以上300%以下の質量比で添加され、特に40%以上150%以下が好ましい。
【0095】さらに、感熱記録材料に対する種々の要求を満たす為に、必要に応じて各種添加剤が加えられる。添加剤の例としては記録時の記録ヘッドの汚れを防止するために、無機顔料、ポリウレアフィラー等の吸油性物質が使用され、さらにヘッドに対する離型性を高めるために脂肪酸、金属石鹸などが添加される。また、必要に応じて公知のワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤又は紫外線吸収剤前駆体等を添加してもよい。
【0096】(感熱記録層用塗布液)前記電子供与性無色染料、電子受容性化合物及びその他の成分をバインダー中で10μm以下、好ましくは3μm以下の粒径まで粉砕分散させることにより感熱記録層用塗布液が得られる。前記バインダーとして、0.5〜10%程度の濃度の水溶性高分子化合物水溶液が用いられる。前記水溶性高分子化合物として、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン等を用いることができる。
【0097】前記バインダーに耐水性を付与する目的で、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を加えることもできる。これらの使用量としては、0.4〜5g/m2 が好ましく、さらには0.8〜1.6g/m2 が好ましい。
【0098】前記分散は、ボールミル、サンドミル、横型サンドミル、アトライタ、コロイダルミル、ホモジナイザー等を用いて行われる。
【0099】前記熱可融性物質は、前記電子供与性無色染料と同時か、または前記電子受容性物質と同時に微分散して用いられる。
【0100】(マイクロカプセル)本発明の感熱記録材料において、前記電子供与性無色染料はマイクロカプセルに内包して用いることができる。
【0101】カプセルの製造方法については、米国特許2,800,457号、同2,800,458号に記載された親水性コロイドゾルのコアセルベーションを利用した方法、米国特許3,287,154号、英国特許867,797号、同950,443号、同989,264号、同990,443号、同1,091,076号、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報、同42−771号公報などに記載された界面重合法、米国特許3,418,250号、同3,660,304号に記載されたポリマーの析出による方法、米国特許3,418,250号に記載されたイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許3,914,511号に記載されたイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許4,001,140号、同4,087,376号、同4,089,802号に記載された尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁材料を用いるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシプロピルピルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号公報、特開昭51−9079号公報に記載されたモノマーの重合によるin−situ法、英国特許952,807号、同965,074号に記載された電解分散冷却法、米国特許3,111,407号、英国特許930,422号に記載されたスプレードライング法などがある。これらに限定されるものではないが、芯物質を乳化した後マイクロカプセル壁として高分子膜を形成することが好ましい。
【0102】一般的には、電子供与性無色染料を、溶媒(アルキル化ナフタレン、アルキル化ジフェニル、アルキル化ジフェニルメタン、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィンなどの合成油:木綿油、ヒマシ油などの植物油:動物油:鉱物油あるいはこれらの混合物など)に溶解させたものを芯物質として用い、これをマイクロカプセル化するのが好ましい。
【0103】[支持体]本発明の感熱記録材料で用いることのできる支持体として、例えば、酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。この際JIS−P8119で規定される平滑度が500秒以上、特に800秒以上の支持体を用いるのがドット再現性の点から好ましい。
【0104】[その他の層]本発明の記録材料には必要に応じて感熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必要に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いられる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋してより一層保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤としては公知の架橋剤を使用することができる。具体的にはN−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもできる。保護層の塗布量は0.2〜5g/m2 が好ましく、さらには0.5〜2g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ましい。
【0105】本発明の感熱記録材料が保護層を有する場合、該保護層中に前記紫外線吸収剤やその前駆体を含有してもよい。
【0106】前記支持体に公知の下塗り層を設けてもよい。この下塗り層は前記保護層と同様にして設けることができる。
【0107】支持体のカールバランスを補正するため或いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バックコート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。このバックコート層についても前記保護層と同様にして設けることができる。
【0108】本発明の感熱記録材料を、特に多色感熱記録材料に使用することができる。この多色感熱記録材料(感光感熱記録材料)については、特開平4−135787号公報、同4−144784号公報、同4−144785号公報、同4−194842号公報、同4−247447号公報、同4−247448号公報、同4−340540号公報、同4−340541号公報、同5−34860号公報等に記載されている。具体的には異なる色相に発色する感熱記録層を積層することにより得ることができる。層構成としては特に限定されるものではないが、特に感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩化合物をそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物を含む第1の感熱記録層、極大吸収波長360nm±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第2の感熱記録層、極大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する第3の感熱記録層とするものである。この例において、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。
【0109】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず第3の感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400±20nmの光を照射して第3の感熱記録層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の感熱記録層が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき第3の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。さらに360±20nmの光を照射して第2の感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解して、最後に第1の感熱記録層が発色する十分な熱を与えて発色させる。このとき第3、第2の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。
【0110】本発明の感熱記録材料を多色感熱記録材料とした場合には感熱記録層相互の混色を防ぐため、中間層を設けることもできる。この中間層はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよい。塗布量は2〜10g/m2が好ましく、さらには4〜5g/m2 が好ましい。またその膜厚は0.5〜10μmが好ましい。
【0111】本発明の感熱記録材料には、耐光性を向上させるために光透過率調整層を設けるのが好ましい。光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0112】上記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。
【0113】光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、上記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。光透過率調整層の乾燥塗布量としては、0.8〜4.0g/m2が好ましい。
【0114】[感熱記録材料の製造]以下、本発明の感熱記録材料の製造方法について説明する。本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体上に、感熱記録層形成用塗布液を塗布して感熱記録層を形成し、更に必要に応じて、保護層等その他の層を形成してなる。支持体上に下塗り層を設ける場合には、支持体上に下塗り層を設けた後に、前記感熱記録層を形成する。
【0115】ここで使用される支持体は、本発明の感熱記録材料に使用される既に説明した支持体を用いることができる。また、前記感熱記録層形成用塗布液としては、前述した感熱記録層用塗布液を用いることができる。また前記その他の層としては、前述した下塗り層、中間層、バックコート層、光透過率調整層等のその他の層が挙げられる。本発明の感熱記録材料はいかなる方法で塗布されてもよい。具体的にはエクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティング、浸漬コーティング、フローコーティング、等を挙げることができる。
【0116】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0117】[実施例1]
<フタル化ゼラチン溶液の調製>フタル化ゼラチン(商品名;MGPゼラチン,ニッピコラーゲン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
【0118】<アルカリ処理ゼラチン溶液の調製>アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)25.5部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.7286部、水酸化カルシウム0.153部、イオン交換水143.6部を混合し、50℃にて溶解し、乳化物作製用ゼラチン水溶液を得た。
【0119】(1)イエロー感熱記録層液の調製<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)の調製>酢酸エチル16.1部に、下記ジアゾニウム化合物(A)(最大吸収波長420nm)2.2部、下記ジアゾニウム化合物(B)(最大吸収波長420nm)2.2部、モノイソプロピルビフェニル4.8部、フタル酸ジフェニル4.8部、およびジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO,BASFジャパン(株)製)0.4部を添加し40℃に加熱して均一に溶解した。この混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)8.6部を添加し、均一に攪拌し混合液(I)を得た。
【0120】
【化11】

【0121】別途、前記フタル化ゼラチン水溶液58.6部にイオン交換水16.3部、Scraph AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.34部添加し、混合液(II)を得た。
【0122】混合液(II)に混合液(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.36μmであった。
【0123】<カプラー化合物乳化液(a)の調製>酢酸エチル33.0部に下記カプラー化合物(C)9.9部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)9.9部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))20.8部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.3部、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)13.6部、4−n−ペンチルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)6.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名:パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)4.2部を溶解し、混合液(III)を得た。
【0124】
【化12】

【0125】別途前記アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(IV)を得た。
【0126】混合液(IV)に混合液(III)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が26.5質量%になるように濃度調節を行った。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.21μmであった。
【0127】更に上記カプラー化合物乳化物100部に対して、SBRラテックス(商品名SN−307,48%液、住化エイビーエスラテックス(株)製)を26.5%に濃度調整したものを9部添加して均一に撹拌してカプラー化合物乳化液(a)を得た。
【0128】<塗布液(a)の調製>前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物分乳化液(a)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の質量比が2.2/1になるように混合し、イエローの感熱記録層用塗布液(a)を得た。
【0129】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)の調製>酢酸エチル15.1部に、下記ジアゾニウム化合物(D)(最大吸収波長365nm)2.8部、フタル酸ジフェニル3.8部、フェニル2−ベンゾイロキシ安息香酸エステル3.9部、化合物(商品名;ライトエステルTMP,共栄油脂化学(株)製)4.2部、及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)0.1部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)2.5部とキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)6.8部を添加し、均一に攪拌し混合液(V)を得た。
【0130】
【化13】

【0131】別途、前記フタル化ゼラチン水溶液55.3部にイオン交換水21.0部添加、混合し、混合液(VI)を得た。混合液(VI)に混合液(V)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水24部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.43μmであった。
【0132】<カプラー化合物乳化液(b)の調製>酢酸エチル36.9部に下記カプラー化合物(E)11.9部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)14.0部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))14.0部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン14部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’、6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.5部、下記化合物(F)3.5部、リン酸トリクレジル1.7部、マレイン酸ジエチル0.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名:パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)4.5部を溶解し、混合液(VII)を得た。
【0133】
【化14】

【0134】別途アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(VIII)を得た。
【0135】混合液(VIII)に混合液(VII)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が24.5質量%になるように濃度調節を行い、カプラー化合物乳化液(b)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.22μmであった。
【0136】<塗布液(b)の調製>前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物分乳化液(b)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の質量比が3.5/1になるように混合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5質量%)をカプセル液量10部に対し、0.2部になるように混合し、マゼンタの感熱記録層用塗布液(b)を得た。
【0137】(3)シアン感熱記録層液の調製<電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液(c)の調製>酢酸エチル18.1部に、下記電子供与性染料(G)7.6部、1−メチルプロピルフェニル−フェニルメタンおよび1−(1−メチルプロプルフェニル)−2−フェニルエタンの混合物(商品名;ハイゾールSAS−310,日本石油(株)製)8.0部、下記化合物(H)(商品名;Irgaperm2140 チバガイギー(株)の商品名)8.0部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物 (商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)7.2部とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名;ミリオネートMR−200,日本ポリウレタン工業(株)製)5.3部を添加し、均一に攪拌し混合液(IX)を得た。
【0138】
【化15】

【0139】別途、前記フタル化ゼラチン水溶液28.8部にイオン交換水9.5部、Scraph AG−8(50質量%)日本精化(株)製)0.17部およびドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加混合し、混合液(X)を得た。
【0140】混合液(X)に混合液(IX)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水50部、テトラエチレンペンタミン0.12部を加え均一化し、65℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行ないカプセル液の固形分濃度が33%になるように濃度調節しマイクロカプセル液を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で1.00μmであった。
【0141】更に上記マイクロカプセル液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25%水溶液(商品名;ネオペレックスF−25、花王(株)製)3.7部と4,4’−ビストリアジニルアミノスチルベン−2,2’−ジスルフォン誘導体を含む蛍光増白剤(商品名;Kaycoll BXNL、日本曹達(株)製)4.2部を添加して均一に撹拌してマイクロカプセル分散液(c)を得た。
【0142】<電子受容性化合物乳化液(c)の調製>酢酸エチル50.0部に、本発明に係るサリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)20.0部、リン酸トリクレジル20.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名:パイオニンA41C 70%メタノール溶液、竹本油脂(株)製)5.5部を溶解し、混合液(XI)を得た。別途アルカリ処理ゼラチン水溶液46.0部にイオン交換水200部を混合し、混合液(XII)を得た。混合液(XII)に混合液(XI)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が17.0質量%になるように濃度調節を行い、電子受容性化合物乳化液(c)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.44μmであった。
【0143】<塗布液(c)の調製>前記電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)および前記電子受容性化合物乳化液(c)を、電子受容性化合物/電子供与性染料前駆体の質量比が10/1になるように混合し、シアンの感熱記録層用塗布液(c)を得た。
【0144】(4)中間層用塗布液の調製アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)100.0部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)2.857部、水酸化カルシウム0.5部、イオン交換水521.643部を混合し、50℃にて溶解し、中間層作製用ゼラチン水溶液を得た。
【0145】前記中間層作製用ゼラチン水溶液10.0部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製 2.0質量%水溶液)0.05部、硼酸(4.0質量%水溶液)1.5部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5質量%)0.19部、下記化合物(I)(和光純薬(株)製)の4質量%水溶液3.42部、下記化合物(I’)(和光純薬(株)製)の4質量%水溶液1.13部、イオン交換水0.67部を混合し、中間層用塗布液とした。
【0146】
【化16】

【0147】(5)光透過率調整層用塗布液の調製(v−1)紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液の調製酢酸エチル71部に紫外線吸収剤前駆体として[2−アリル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−オクチルフェニル]ベンゼンスルホナート14.5部、2,2’−t−オクチルハイドロキノン5.0部、燐酸トリクレジル1.9部、α−メチルスチレンダイマー(商品名:MSD−100,三井化学(株)製)5.7部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C(70%メタノール溶液),竹本油脂(株)製)0.45部を溶解し均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物 (商品名;タケネートD110N(75質量%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)54.7部を添加し、均一に攪拌し紫外線吸収剤前駆体混合液(XIII)を得た。
【0148】別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318,クラレ(株)製)52部に30質量%燐酸水溶液8.9部、イオン交換水532.6部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液を調製した。前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液516.06部に前記紫外線吸収剤前駆体混合液(XIII)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて20℃の下で乳化分散した。得られた乳化液にイオン交換水254.1部を加え均一化した後、40℃下で攪拌しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトMB−3(オルガノ(株)製)94.3部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除きカプセル液の固形分濃度が13.5%になるように濃度調節した。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.23±0.05μmであった。このカプセル液859.1部にカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(商品名:SN−307,(48質量%水溶液),住友ノーガタック(株)製)2.416部、イオン交換水39.5部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液を得た。
【0149】(v−2) 光透過率調整層用塗布液の調製前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液1000部、下記化合物(J)(商品名:メガファックF−120,5質量%水溶液,大日本インキ化学工業(株))5.2部、4質量%水酸化ナトリウム水溶液7.75部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製2.0質量%水溶液)73.39部を混合し、光透過率調整層用塗布液を得た。
【0150】
【化17】

【0151】(6)保護層用塗布液の調製(vi−1)保護層用ポリビニルアルコール溶液の調製ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−130,電気化学工業(株)製)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルの混合液(商品名:ネオスコアCM−57,(54質量%水溶液),東邦化学工業(株)製)8.74部、イオン交換水3832部を混合し、90℃のもとで1時間溶解し均一な保護層用ポリビニルアルコール溶液を得た。
【0152】(vi−2)保護層用顔料分散液の調製硫酸バリウム(商品名:BF−21F,硫酸バリウム含有量93%以上,堺化学工業(株)製)8部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ532A(40質量%水溶液),花王(株)製)0.2部、イオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して保護層用顔料分散液を調製した。この分散液は粒径測定(LA−910,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.15μm以下であった。
【0153】上記硫酸バリウム分散液45.6部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)8.1部を添加して目的の分散物を得た。
【0154】(vi−3)保護層用マット剤分散液の調製小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S,新進食料工業(株)製)220部に1−2ベンズイソチアゾリン3オンの水分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I(株)製)3.81部、イオン交換水1976.19部を混合し、均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得た。
【0155】(vi−4) 保護層用塗布ブレンド液の調製前記保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部に前記化合物(K)(商品名:メガファックF−120,5質量%水溶液,大日本インキ化学工業(株))40部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム (三協化学(株)製 2.0質量%水溶液)50部、前記保護層用顔料分散液49.87部、前記保護層用マット剤分散液16.65部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンF115,20.5質量%水溶液,中京油脂(株)製)48.7部を均一に混合し保護層用塗布ブレンド液を得た。
【0156】(7)下塗り層つき支持体の作製<下塗り層液の調製>酵素分解ゼラチン(平均分子量:10000、PAGI法粘度:1.5mPa・s、PAGI法ゼリー強度:20g)40部をイオン交換水60部に加えて40℃で攪拌溶解して下塗り層用ゼラチン水溶液を調製した。
【0157】別途水膨潤性の合成雲母(アスペクト比:1000、商品名:ソマシフME100,コープケミカル社製)8部と水92部とを混合した後、ビスコミルで湿式分散し、平均粒径が2.0μmの雲母分散液を得た。この雲母分散液に雲母濃度が5質量%となるように水を加え、均一に混合し、所望の雲母分散液を調製した。
【0158】40℃の40質量%の前記ゼラチン水溶液100部に、水120部およびメタノール556部を加え、十分攪拌混合した後、5質量%前記雲母分散液208部を加えて、十分攪拌混合し、1.66質量%ポリエチレンオキサイド系界面活性剤9.8部を加えた。そして液温を35℃から40℃に保ち、エポキシ化合物のゼラチン硬膜剤7.3部を加えて下塗り層用塗布液(5.7質量%)を調製し、下塗り用塗布液を得た。
【0159】<下塗り層つき支持体の作製>LBPS 50部LBPK 50部からなる木材パルプをデイスクリファイナーによりカナデイアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、硫酸アルミニウム1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部をいずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し長網抄紙機により坪量114g/m2の原紙を抄造しキャレンダー処理によって厚み100μmに調整した。
【0160】次に原紙の両面にコロナ放電処理を行った後、溶融押し出し機を用いてポリエチレンを樹脂厚36μmとなるようにコーテイングしマット面からなる樹脂層を形成した(この面をウラ面と呼ぶ)。次に上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶融押し出し機を用いてアナターゼ型二酸化チタンを10質量%及び微量の群青を含有したポリエチレンを樹脂厚50μmとなるようにコーテイングし光沢面からなる樹脂層を形成した(この面をオモテ面と呼ぶ)。ウラ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(商品名;アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)/二酸化珪素(商品名;スノーテックスO、日産化学工業(株)製)=1/2(質量比)を水に分散させて乾燥後の質量で0.2g/m2塗布した。次にオモテ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、上記下塗り液を雲母の塗布量が0.26g/m2となるように塗布し、下塗り層つき支持体を得た。
【0161】<各感熱記録層用塗布液の塗布>前記下塗り層つき支持体の上に、下から、前記感熱記録層用塗布液(c)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(b)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(a)、前記光透過率調整層用塗布液、前記保護層用塗布液の順に7層同時に連続塗布し、30℃湿度30%、および40℃湿度30%の条件でそれぞれ乾燥して多色の感熱記録材料を得た。この際前記感熱記録層用塗布液(a)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物(A)の塗布量が固形分塗布量で0.078g/m2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液(b)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物(D)の塗布量が固形分塗布量で0.206g/m2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液(c)の塗布量は液中に含まれる電子供与性染料(H)の塗布量が固形分塗布量で0.355g/m2となるように塗布を行った。また、前記中間層用塗布液は(a)と(b)の間は固形分塗布量が2.39g/m2、(b)と(c)の間は固形分塗布量が3.34g/m2、前記光透過率調整層用塗布液は固形分塗布量が2.35g/m2、保護層は固形分塗布量が1.39g/m2となるように塗布を行った。
【0162】[実施例2]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.3)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例2の多色の感熱記録材料を得た。
【0163】[実施例3]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.1)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例3の多色の感熱記録材料を得た。
【0164】[実施例4]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.2)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例4の多色の感熱記録材料を得た。
【0165】[実施例5]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.15)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例5の多色の感熱記録材料を得た。
【0166】[実施例6]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.19)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例6の多色の感熱記録材料を得た。
【0167】[実施例7]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.24)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例7の多色の感熱記録材料を得た。
【0168】[実施例8]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.5)を、サリチル酸誘導体金属塩のジオール付加体(化合物No.8)に代えたこと以外、実施例1と同様にして実施例8の多色の感熱記録材料を得た。
【0169】[比較例1]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、電子受容性化合物として、3,5−ビス−(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛を用いたこと以外、実施例1と同様にして比較例1の多色の感熱記録材料を得た。
【0170】[比較例2]実施例1の「電子受容性化合物乳化液(c)の調製」において、電子受容性化合物として、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛を用いたところ、該電子受容性化合物乳化液(c)は、あめ状の乳化物となり、ホモジナイザーのカップから取り出すことができなかった。
【0171】[評価]得られた実施例1〜8、及び比較例1の感熱記録材料に対し、以下の評価を行った。
【0172】〈熱記録〉熱記録は、サーマルヘッドKST(商品名:京セラ社製)と紫外線ランプを用いて以下の方法で行った。発光中心波長450nmおよび出力40Wの紫外線ランプ下に10秒間曝光の後、さらに発光中心波長365nmおよび出力40Wの紫外線ランプ下に30秒間曝光の後、単位面積当たりの記録エネルギーを132〜171mJ/mm2の範囲で印画し、シアンの画像を得た。
【0173】〈画像濃度及び耐光性〉得られた多色の感熱記録材料のシアン濃度は、X−rite model 310(X−rite,Incorporated製)により測定した。次にウェザーメーター(アトラス社製、Ci65型)を用い、波長420nmにおける出力が0.9W/cm2の人工太陽光を、シアン濃度を測定した多色の感熱記録材料に8日間連続照射し、8日間連続照射後のシアン濃度を照射前と同様に測定した。照射前のシアン濃度が1.0であった箇所の8日間連続照射後のシアン濃度に100を乗じた値を、曝光後の画像残存率(%)とし、画像保存性を評価した。その結果を表5に示す。
【0174】
【表5】

【0175】表5より、実施例1〜8の感熱記録材料は、比較例1の感熱記録材料と比較して、画像濃度及び画像残存率(耐光性)が高いことが分かる。また、比較例1の感熱記録材料は、乳化物を得ることはできても、画像濃度、耐光性に劣り、比較例2においては乳化物すら得ることができなかった。
【0176】
【発明の効果】本発明によれば、鮮明で高濃度の画像を得ることができ、画像部の光堅牢性が高く、長時間光に曝されても褪色し難い感熱記録材料を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
【出願日】 平成14年5月13日(2002.5.13)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2003−326855(P2003−326855A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−136842(P2002−136842)