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【発明の名称】 感熱記録材料
【発明者】 【氏名】岩崎 正幸
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【氏名】渡▲邉▼ 努
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【氏名】満尾 博文
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【要約】 【課題】発色濃度が高く、地肌かぶりが少なく、画像部の保存性、画像部および地肌部の耐薬品性に優れ、インクジェット記録適性を備えた上で、かつ、サーマルヘッドへの汚れ付着の少ない感熱記録材料を提供する。

【解決手段】支持体上に、少なくとも、電子受容性化合物と、電子供与性無色染料と、増感剤Aとを含有する感熱発色層を有する感熱記録材料であって、前記増感剤Aが、ステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドである感熱記録材料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、少なくとも、電子受容性化合物と、電子供与性無色染料と、増感剤Aとを含有する感熱発色層を有する感熱記録材料であって、前記増感剤Aが、ステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドであることを特徴とする感熱記録材料。
【請求項2】 前記電子受容性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
1−Ph−SO2−R2 一般式(1)
〔R1は−OH、又はアルキル基を表し、R2は−NH−Ph、−NH−Ph−OH、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−Ph、又は−Ph−O−エチレンジオ−ル縮合体を表し、R3はアルキル基を表す。Phはフェニル基を表し置換基を有していてもよい。〕
【請求項3】 前記感熱発色層が、さらに、増感剤Bとして、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジメチルベンジル、m−ターフェニル、エチレングリコールトリルエーテル、p−ベンジルビフェニール、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、及びジフェニルスルホンからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。
【請求項4】 前記増感剤Bと前記高純度ステアリン酸アミドとの合計質量が、前記電子受容性化合物100質量部に対して75〜200質量部であり、かつ前記増感剤Bと前記高純度ステアリン酸アミドの質量比率が80/20〜50/50であることを特徴とする請求項3に記載の感熱記録材料。
【請求項5】 前記一般式(1)で表される化合物が、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関し、特に、発色濃度が高く、地肌かぶり、画像保存性および耐薬品性に優れ、インクジェット記録適性に優れ、かつサーマルヘッドへの汚れ付着の少ない感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録技術は歴史的には、1960年代にNCR社で無色のロイコ染料とフェノール系の酸性物質を用いた染料系の感熱記録材料が開発され、この系が現在の感熱記録方式の主流となっている。特に半導体技術を背景としてサーマルヘッドが開発され、コスト・性能面で著しく改良され装置の小型化、低価格化が可能となったこと、またこれに付随して感熱記録材料自体の高品質化(高感度化、ヘッドマッチング性の向上等)が実現できたこと、そして感熱記録方式が、静電記録、インクジェット、PPC方式等と比較して簡便性、低価格、メインテナンスフリーといった点で有利である評価されたことにより感熱記録材料の飛躍的な成長に結びついた。
【0003】しかしながら、感熱記録材料がその利便性のためFAXや種々のプリンターで使用され、日常生活に身近になるにつれ感熱記録材料の欠点についてもよく知られるようになった。例えば・高温下で保存(夏期の自動車内等)すると変色や記録像の褪色が生じる。
・化学薬品(ラップフィルム内の可塑剤、油脂類、マーカーペン中の有機溶剤等)で変色や記録像の褪色が生じる。
等である。そこで、従来の感熱記録材料が持つこのような欠点を解消し、付加価値を高めた感熱記録材料の開発が求められている。
【0004】一般に、感熱記録材料は比較的安価であり、その記録機器がコンパクトでメンテナンスフリーであるため広範囲に使用されている。そのような中、最近では感熱記録材料の販売競争が激化し、従来の機能とは差別化された感熱記録材料のさらなる高機能化が要求され、感熱記録材料の発色濃度、画像保存性等の研究が鋭意おこなわれている。
【0005】従来、このような感熱記録材料に使用される電子供与性無色染料に対する電子受容性化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆる「ビスフェノールA」)が広く使用されているが、感度、地肌かぶり、画像保存性の点で未だ満足したものが得られていない。
【0006】また、感熱記録材料にフルカラーの情報を記録する場合、近年急速に普及してきているインクジェットプリンターを用いて記録を行うことがあるが、通常の感熱記録材料にインクジェット記録を行うと、インクの色が忠実に再現されず、鮮やかな色が出なかったり、色がくすんだり、既に感熱記録されていた記録像の褪色が生じたりすることがある。
【0007】本発明者らは、特定の電子受容性化合物を用いることにより上記問題点を解決できることを見いだしたが、これらの電子受容性化合物を用いた場合に、薬品の配合によっては、サーマルヘッドへの汚れ付着が多く、堆積した汚れによる印字障害が生じるという問題が生じることが分かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発色濃度が高く、地肌かぶりが少なく、画像部の保存性、画像部および地肌部の耐薬品性に優れ、インクジェット記録適性を備えた上で、かつ、サーマルヘッドへの汚れ付着の少ない感熱記録材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の感熱記録材料を提供することにより解決される。
<1> 支持体上に、少なくとも、電子受容性化合物と、電子供与性無色染料と、増感剤Aとを含有する感熱発色層を有する感熱記録材料であって、前記増感剤Aが、ステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドであることを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 前記電子受容性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料である。
1−Ph−SO2−R2 一般式(1)
〔R1は−OH、又はアルキル基を表し、R2は−NH−Ph、−NH−Ph−OH、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−Ph、又は−Ph−O−エチレンジオ−ル縮合体を表し、R3はアルキル基を表す。Phはフェニル基を表し置換基を有していてもよい。〕
<3> 前記感熱発色層が、さらに、増感剤Bとして、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジメチルベンジル、m−ターフェニル、エチレングリコールトリルエーテル、p−ベンジルビフェニール、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、及びジフェニルスルホンからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする前記<1>または<2>に記載の感熱記録材料である。
<4> 前記増感剤Bと、前記高純度ステアリン酸アミドとの合計質量が、前記電子受容性化合物100質量部に対して75〜200質量部であり、かつ前記増感剤Bと前記高純度ステアリン酸アミドの質量比率が80/20〜50/50であることを特徴とする前記<3>に記載の感熱記録材料である。
<5> 前記一般式(1)で表される化合物が、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドであることを特徴とする前記<2>から<4>のいずれか1項に記載の感熱記録材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持体上に、電子供与性無色染料と、電子受容性化合物と、増感剤Aとを含有する感熱発色層を有する感熱記録材料であって、前記増感剤Aが、ステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドであることを特徴としている。以下、本発明の感熱記録材料について詳細に説明する。
【0011】<感熱発色層>上記支持体上に形成される感熱発色層には、少なくとも、電子受容性化合物、電子供与性無色染料、及び増感剤Aとしてステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドを含有する。さらに、画像安定剤および紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
【0012】(電子受容性化合物)電子受容性化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
1−Ph−SO2−R2 一般式(1)
〔R1は−OH、又はアルキル基を表し、R2は−NH−Ph、−NH−Ph−OH、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−Ph、又は−Ph−O−エチレンジオ−ル縮合体を表し、R3はアルキル基を表す。Phはフェニル基を表し置換基を有していてもよい。〕
【0013】本発明の感熱記録材料は、上記一般式(1)で表される化合物を電子受容性化合物として含有することで、発色濃度を高め、地肌かぶりを少なくし、かつ耐薬品性およびインクジェット記録適性を向上させることができる。
【0014】前記R1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、等が好適である。中でも、前記R1としては、水酸基が特に好ましい。
【0015】前記R3は、アルキル基を表し、該アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に、イソプロピル基が特に好適である。また、Phは、フェニル基が「−SO22を含む置換基」で置換された置換フェニル基であってもよく、該置換基のR2はメチル基、ハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。該置換基としては、−CH2−C65−NHCONH−SO2−C65、−SO2−C65、−SO2−C64−CH3、−SO2−C64−Cl等が挙げられる。中でも、前記R2としては、−NH−Phが好ましく、−NH−C65が特に好ましい。
【0016】前記一般式(1)で表される化合物の中でも、画像濃度や画像保存性の観点で、特公平4−20792号公報に記載の一般式の化合物が好ましく、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドが特に好ましい。
【0017】上記電子受容性化合物の添加量としては、電子供与性無色染料に対して50〜400質量%であることが好ましく、100〜300質量%が特に好ましい。
【0018】本発明の電子受容性化合物としては、一般式(1)で表される化合物の他、本発明の効果を損なわない範囲において、他の公知の電子受容性化合物を併用してもよい。
【0019】上記公知の電子受容性化合物は、適宜選択して使用することができるが、特に地肌カブリを抑制する観点からフェノール性化合物又はサルチル酸誘導体及びその多価金属塩が好ましい。
【0020】上記フェノール性化合物としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロパン(ビスフェノールA)、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、4−ヒドロキシ−4−イソプロピルオキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
【0021】また、上記サルチル酸誘導体としては、4−ぺンタデシルサルチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サルチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サルチル酸、5−オクタデシルサルチル酸、5−α−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサルチル酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチルサルチル酸、5−テトラデシルサルチル酸、4−ヘキシルオキシサルチル酸、4−シクロヘキシルオキシサルチル酸、4−デシルオキシサルチル酸、4−ドデシルオキシサルチル酸、4−ペンタデシルオキシサルチル酸、4−オクタデシルオキシサルチル酸等及びこれらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等も挙げられる。
【0022】本発明の感熱記録材料において、上記公知の電子受容性化合物を併用する場合には、本発明に係る4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの含有量が、全電子受容性化合物中、50質量%以上、特には70質量%以上であることが好ましい。
【0023】本発明においては、感熱発色層用の塗布液を調製する際、電子受容性化合物の粒径としては、体積平均粒径で1.0μm以下が好ましく、0.4〜0.7μmがより好ましい。上記体積平均粒径が1.0μm以下であることにより、十分な熱感度が得られる。該体積平均粒径も、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、LA500(ホリバ(株)製)等によって容易に測定できる。
【0024】(電子供与性無色染料)上記電子供与性無色染料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオラン、及び2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−ベンジルアミノ)フルオランからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】上記2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオラン、及び2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−ベンジルアミノ)フルオランからなる群より選択される少なくとも1種を電子供与性無色染料として用いることで、発色濃度および画像部の保存性をさらに向上させることができる。
【0026】また、本発明に係る電子供与性無色染料は、上記のもの以外に、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルアミノフルオラン、3−ジ(n−ペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を使用してもよい。
【0027】上記電子供与性無色染料の塗設量としては、0.1〜1.0g/m2が好ましく、発色濃度および地肌かぶり濃度の観点から0.2〜0.5g/m2がより好ましい。
【0028】(増感剤)本発明の感熱記録材料においては、増感剤Aとして、ステアリン酸アミド含有率が90%以上であるステアリン酸アミドを含有する。この増感剤A、すなわちステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドを含有することにより、感度、かぶり、画像保存性、耐薬品性、インクジェット記録適性に優れ、かつサーマルヘッドへの汚れ付着の少ない感熱記録材料が得られる。更に増感剤Aの他、増感剤Bとして、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジメチルベンジル、m−ターフェニル、エチレングリコールトリルエーテル、p−ベンジルビフェニール、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、及びジフェニルスルホンからなる群より選択される少なくとも1種類を併用することが好ましい。これらの増感剤を含有させることにより、地肌被りを悪化させずに感度をより大きく向上させることができる。
【0029】一般的に用いられるステアリン酸アミドは、炭素数14から20程度の各種飽和脂肪酸アミドの混合物であり、ステアリン酸アミド(炭素数17)含有率は70%程度である。そのため、融点がやや低く、感熱記録材料の増感剤として用いると被りを悪化させる場合があった。本発明の感熱記録材料で用いる高純度ステアリン酸アミドは、ステアリン酸アミドの比率が高いため融点が高く、感熱記録材料に用いた場合に被りを生じにくい。
【0030】上記増感剤トータルの含有量(増感剤Aと増感剤Bの合計含有量)は、電子受容性化合物100質量部に対して75〜200質量部とし、かつ前記増感剤Bと高純度ステアリン酸アミドの質量比率は80/20〜50/50の範囲とすることが好ましい。増感剤の含有量及び前記増感剤Bと高純度ステアリン酸アミドの質量比率が上記範囲内にあると、感度向上の効果が大きく、かつ画像保存性もよい。上記増感剤トータルの含有量は、100〜150質量部とするのがより好ましく、前記増感剤Bと高純度ステアリン酸アミドの質量比率は、70/30〜60/40がより好ましい。
【0031】本発明に係る感熱発色層には上記のごとき増感剤(増感剤A、増感剤B)のほか、本発明の効果を損なわない範囲において、他の増感剤を併用してもよい。他の増感剤を含む場合、前記増感剤は、全増感剤の50質量%以上、好ましくは70質量%以上であることが好ましい。
【0032】上記他の増感剤としては、脂肪族モノアマイド、脂肪族ビスアマイド、ステアリル尿素、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシフェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベンジル)エーテル、α−ナフチルベンジルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−tert−オクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコールビス(4−メトキシフェニル)エーテル、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、1,4−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0033】(画像安定剤・紫外線吸収剤)さらに、感熱発色層は、画像安定剤および紫外線吸収剤を含有していてもよい。画像安定剤としては、フェノール化合物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であり、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等が挙げられる。特に1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンが好ましい。前記画像安定剤の使用量が、前記電子供与性無色染料100質量部に対して、10〜100質量部であることが好ましい。上記画像安定剤を含有させることで、画像部の保存性をさらに向上させることができる。画像安定化剤はそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。上記画像安定剤の総使用量は、地肌かぶり、画像保存性の所望の効果を効率よく発揮する観点から、上記電子供与性無色染料100質量部に対し、10〜100質量部とするのが好ましく、20〜60質量部とするのがより好ましい。
【0034】上記1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンまたは1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンの他に、公知の画像安定剤を併用してもよい。公知の画像安定剤を併用する場合、上記1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンまたは1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンは、画像安定剤の総量に対して、50質量%以上含まれていることが好ましく、70質量%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0035】上記公知の画像安定剤としては、フェノール化合物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であり、例えば1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール),2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0036】紫外線吸収剤としては、下記構造の化合物が挙げられる。
【0037】
【化1】

【0038】単一の感熱発色層における紫外線吸収剤の含有量としては、画像保存性を効果的に向上させる観点から、前記電子供与性無色染料100質量部に対して、10〜300質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましい。
【0039】(無機顔料)感熱発色層は、無機顔料としてカルサイト系炭酸カルシウム、非晶質シリカ、及び水酸化アルミニウムの少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
【0040】上記無機顔料の含有量は、発色濃度、サーマルヘッドに対するカス付着の点から、電子受容性化合物100質量部に対して50〜250質量部であることが好ましく、70〜170質量部がさらに好ましく、90〜140質量部が特に好ましい。また、上記無機顔料の粒子径は、発色濃度、サーマルヘッドに対するカス付着の点から体積平均粒子径で0.6〜2.5μmであることが好ましく、0.8〜2.0μmがさらに好ましい。
【0041】軽質炭酸カルシウムは一般に、カルサイト、アラゴナイト、バテライト等の結晶形があるが、本発明に係る無機顔料としては、吸収性、硬度等の点からカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用い、さらには粒子形状が紡錘状または偏三角面状態であるものがよい。上記カルサイト系軽質炭酸カルシウムの製造方法としては公知の製造方法を用いることができる。
【0042】また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記無機顔料に他の無機顔料を併用してもよい。該他の無機顔料としては、カルサイト系軽質炭酸カルシウム以外の炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リトポン、ロウ石、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ等が挙げられる。本発明に係る無機顔料と上記他の無機顔料とを併用する場合は、本発明に係る無機顔料の総質量(v)と上記他の無機顔料の総質量(w)との比(v/w)が、100/0〜60/40であることが好ましく、100/0〜80/20であることが更に好ましい。
【0043】本発明においては、電子供与性無色染料、電子受容性化合物、及び増感剤等の分散は水溶性バインダー中でおこなうことができる。
【0044】上記水溶性バインダーの具体例としては、ポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコールを含む)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のケン化物等が挙げられる。その中でも、ポリビニルアルコール、スルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(以下、特定変性PVAと略す)が記録感度および塗膜強度の観点で特に好ましい。
【0045】これらのバインダーは分散時のみならず、感熱発色層の塗膜強度を向上させる目的にも使用されるが、この目的に対してはスチレン−ブタジエン共重合物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合物、ポリ塩化ビニリデンの如き合成高分子ラテックス系のバインダーを併用することもできる。
【0046】上記特定変性PVAは、単独で用いてもよいし、併用してもよく、さらに他の変性PVAやポリビニルアルコール(PVA)を併用してもよい。該他の変性PVAやPVAを併用する場合、上記特定変性PVAは、接着剤成分の総質量に対して10質量%以上含まれていることが好ましく、20質量%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0047】以下に、特定変性PVAとして好適に使用されるスルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールについて詳細に説明する。
【0048】上記スルホ変性ポリビニルアルコールは、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩と酢酸ビニル等のビニルエステルとをアルコールあるいはアルコール/水混合溶媒中で重合して得られた重合体をケン化する方法や、ミドナトリウム塩と酢酸ビニル等のビニルエステルとを共重合させ、得られた共重合体をケン化する方法や、PVAを臭素、ヨウ素等で処理した後、酸性亜硫酸ナトリウム水溶液中で加熱する方法や、PVAを濃厚な硫酸水溶液中で加熱する方法や、PVAをスルホン酸基を含有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法等で製造することができる。
【0049】上記ジアセトン変性ポリビニルアルコールは、ジアセトン基を有する単量体とビニルエステルとの共重合体の部分又は完全ケン化物であって、ジアセトン基を持つ単量体とビニルエステルとを共重合して得た樹脂をケン化することによって製造される。上記ジアセトン変性ポリビニルアルコールにおいて、ジアセトン基を有する単量体(繰り返し単位構造)の含有量は特に限定されない。
【0050】上記アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、一般に、ポリビニルアルコール系樹脂の溶液、分散液又は粉末に、液状又はガス状のジケテンを添加反応させて製造することができる。該アセトアセチル変性ポリビニルアルコールのアセチル化度は、目的とする感熱記録材料の品質に応じて適宜選定することができる。
【0051】(架橋剤)また、感熱発色層は上記接着剤等に用いる特定変性PVAに作用する架橋剤を含有してもよい。該架橋剤を上記感熱発色層に含有することで、本発明の感熱記録材料の耐水性を向上させることができる。
【0052】上記架橋剤としては、特定変性PVAを架橋させ得るものであれば適宜用いることができるが、グリオキザール等のアルデヒド化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物が特に好ましい。
【0053】上記架橋剤の含有量としては、上記感熱発色層中に含まれ、架橋の対象となるポリビニルアルコール100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、3〜20質量部がさらに好ましい。該架橋剤の含有量が、上記特定変性PVAに対して1〜50質量部の範囲内であると、耐水性の点で好ましい。
【0054】上記、電子受容性化合物、電子供与性無色染料、及び増感剤等は、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機によって同時又は別々に分散され、塗液として調製される。塗液中には、さらに必要に応じて、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤及び蛍光染料等を添加しても良い。
【0055】上記金属石鹸としては高級脂肪酸金属塩が用いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸アルミニウム等が用いられる。
【0056】上記ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチロールステアロアミド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス及び脂肪酸アミド系ワックス等が単独或いは混合して用いられる。界面活性剤としてはスルホコハク酸系のアルカリ金属塩及びフッ素含有界面活性剤等が用いられる。
【0057】(媒染剤)さらに、感熱発色層は媒染剤を含有してもよい。該媒染剤を感熱発色層に含有することで、本発明の感熱記録材料のインクジェット記録による滲みを防止することができる。
【0058】上記媒染剤としては、アミド基、イミド基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、1級アンモニウム塩基、2級アンモニウム塩基、3級アンモニウム塩基、4級アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカオチン基を含有する化合物であり、その具体例として、ポリアミドエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カオチン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物等を挙げることができる。これらの化合物は、分子量は1000〜200000程度が好ましい。分子量が1000〜200000程度であると、耐水性が十分で、粘度が適度でありハンドリング適性が良好となる。
【0059】(保護層)上記感熱発色層上には、必要に応じて保護層を設けることができる。保護層には、有機または無機の微粉末、バインダー、界面活性剤、熱可融性物質等を含有させることができる。微粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン等の有機系微粉末等を使用することができる。
【0060】保護層におけるバインダーとしては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビヤゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、およびスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等のラテックス類を使用することができる。
【0061】また、保護層中のバインダー成分を架橋して、感熱記録材料の保存安定性をより一層向上させるための耐水化剤を添加することもできる。耐水化剤としては、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂、コロイダルシリカ等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリン等が挙げられる。
【0062】保護層は、特に、少なくとも水酸化アルミニウム、カオリンおよび非晶質シリカから選ばれる少なくとも1つの無機顔料および水溶性高分子を含むことが好ましい。保護層にはさらに、界面活性剤、熱可融性物質等を含有させることができる。
【0063】本発明の感熱記録材料における保護層に含まれる上記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール(以下、これらを総称して「ポリビニルアルコール」という)、でんぷんあるいは酸化でんぷん、尿素リン酸エステル化でんぷん等の変性でんぷん、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステル化物、スチレン−アクリル酸共重合体等のカルボキシル基含有重合体等が用いられる。中でも、ポリビニルアルコール、酸化でんぷん、尿素リン酸エステル化でんぷんが好ましく、ポリビニルアルコール(x)と、酸化でんぷんおよび/または尿素リン酸エステル化でんぷん(y)と、を90/10〜10/90の質量比率(x/y)で混合することが特に好ましい。これら3つを併用する場合には、酸化でんぷんと尿素リン酸エステル化でんぷんとは、10/90〜90/10の質量比率で用いることがさらに好ましい。
【0064】また、変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられ、この他にも、スルホ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコールなどが用いられる。これらのポリビニルアルコールに反応する架橋剤を組み合わせるとよりさらに好ましい結果が得られる。水溶性高分子の添加比率は、保護層用塗布液の固形分に対して10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
【0065】上記水溶性高分子を架橋させる架橋剤としては、エチレンジアミン等の多価アミン化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒド等の多価アルデヒド化合物、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、水溶性メチロール化合物(尿素、メラミン、フェノール)、多官能エポキシ化合物、多価金属塩(Al、Ti、Zr、Mg等)、などが好ましく用いられる。ポリビニルアルコールに対する架橋剤の添加比率は2〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。架橋剤を用いることにより、皮膜強度や耐水性等が向上する。本発明に用いる架橋剤としては、多価アルデヒド化合物、ジヒドラジド化合物等が好ましい。
【0066】本発明の感熱記録材料は、上記無機顔料として水酸化アルミニウム、カオリンおよび非晶質シリカから選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。該無機顔料の体積平均粒径としては0.5〜3μmが好ましい。上記保護層は、画像保存性を向上させる観点から上記無機顔料として体積平均粒径0.5〜0.9の酸化アルミニウムを用いるのが最も好ましい。また、インクジェット記録適性を向上させる観点からは、非晶質シリカを用いることが好ましい。
【0067】無機顔料の添加比率は、保護層用塗布液の固形分に対して10〜90質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記無機顔料に、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、クレー、コロイダルシリカ等を併用してもよい。
【0068】また、保護層の無機顔料と水溶性高分子の混合比率は、無機顔料の種類やその粒径、水溶性高分子の種類等によって異なるが、無機顔料に対して水溶性高分子を50〜400質量%とすることが好ましく、100〜300%がより好ましいまた、保護層に含まれる無機顔料と水溶性高分子の総和は、保護層の50質量%以上であることが好ましい。
【0069】また、保護層用塗布液には界面活性剤を添加することで、より良いインクジェットインク適性が得られる。界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が好ましく、中でもスルホコハク酸アルキルエステル塩がより好ましい。界面活性剤の添加比率は、保護層用塗布液の固形分に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
【0070】さらに、保護層用塗布液には、潤滑剤、消泡剤、蛍光増白剤、有色の有機顔料等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス・合成高分子ワックス等のワックス類が挙げられる。
【0071】本発明の感熱記録材料には、インクジェット記録適性付与のため、カチオン性のポリマーを用いることが有効である。上記カチオン性ポリマーは、感熱発色層および保護層のどちらに添加してもよい。上記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン等が挙げられる。
【0072】これらの素材は混合された後、支持体に塗布される。塗布方法としては、特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、またはカーテンコーター等を用いて塗工した後乾燥され、キャレンダ−で平滑化処理して使用に供される。特にカーテンコーターを用いた方法が本発明には好ましい。また、感熱発色層の塗布量についても限定されず、通常乾燥質量で2〜7g/m2程度が好ましい。
【0073】<支持体>本発明の感熱記録材料において使用する支持体としては従来公知の支持体を用いることができる。具体的には、上質紙等の紙支持体、紙に樹脂または顔料を塗布したコート紙、樹脂ラミネート紙、下塗り層を有する上質紙、合成紙、またはプラスチックフィルム等の支持体が挙げられる。サーマルヘッドマッチング特性の点から下塗層を有する下塗り原紙が好ましく、ブレードコーターを用いて吸油性顔料を含む下塗層を設けた下塗り原紙が特に好ましい。上記支持体としては、JIS−8119で規定される平滑度が100秒以上である平滑な支持体がドット再現性の観点から好ましい。
【0074】本発明の感熱記録材料において使用する支持体は古紙パルプを主体として含有する、すなわち、支持体の50質量%以上を古紙パルプが占める支持体も使用できる。尚、古紙パルプは一般的に次の3工程の組み合せから作られる。即ち、(1)離解……古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵……古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びごみを除去する。
(3)脱墨……繊維より剥離された印刷インキをフローテーション法又は洗浄法で系外に除去する。
尚、必要により脱墨と同時又は別工程で漂白を行うこともできる。
【0075】このようにして得た古紙パルプ100質量%若しくは古紙パルプと50質量より少ない量のバージンパルプとの混合物を用いて常法により感熱記録体用の支持体を形成する。上記古紙パルプ含有支持体としては、JIS−P8119で規定される平滑度が100秒以上好ましくは150秒以上の平滑な支持体がドット再現性の観点から好ましい。さらに、本発明の感熱記録材料において使用する支持体は下塗り層を有していてもよい。該下塗層はステキヒトサイズが5秒以上の支持体上に設けられることが好ましく、顔料とバインダーとを主成分とするものが好ましい。上記支持体に下塗り層を設ける場合には、顔料とバインダ−を主成分とする下塗り層を設けることが好ましい。該顔料としては一般の無機、有機顔料を全て使用できるが、特にJIS−K5101で規定する吸油度が40ml/100g(cc/100g)以上である吸油性顔料が好ましい。具体的には、該吸油性顔料としては、焼成カオリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、焼成ケイソウ土、珪酸アルミニウム、アルミノ珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等が挙げられる。この中でも、上記吸油度が70ml/100g〜80ml/100gの焼成カオリンが特に好ましい。
【0076】上記下塗り層に使用するバインダーとしては、水溶性高分子および水性バインダーが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0077】上記水溶性高分子としては、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン等が挙げられる。
【0078】上記水性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、または合成樹脂エマルションが一般的であり、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等が挙げられる。
【0079】これらバインダーの使用量は、塗布層の膜強度や感熱発色層の熱感度等との兼ね合いで決められるが、下塗り層に添加される顔料に対して、3〜100質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは8〜15質量%である。また上記下塗り層にはワックス、消色防止剤、界面活性剤等を添加してもよい。
【0080】上記下塗り層の塗布には、公知の塗布方式を使用することができる。具体的には、エアナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等を用いた方式を使用でき、なかでもブレードコーターを用いた方式が好ましい。さらに、必要に応じてキャレンダー等の平滑処理を施して使用してもよい。上記ブレードコーターを用いた方式はベベルタイプやベントタイプのブレードを使用した塗工法に限定されず、ロッドブレード塗工法やビルブレード塗工法等をも含み、またオフマシンコーターに限られず、抄紙機に設置したオンマシンコーターで塗工してもよい。なお、ブレードコート時の流動性を付与して優れた平滑性および面状を得るため、アンダーコート層用塗布液にエーテル化度が0.6〜0.8、重量平均分子量が20000〜200000のカルボキシメチルセルロースを上記顔料に対して1〜5質量%、好ましくは1〜3質量%添加してもよい。下塗層の塗布量は特に限定されないが、感熱記録材料の特性に応じて、2g/m2以上、好ましくは4g/m2以上であり、7g/m2〜12g/m2が特に好ましい。
【0081】また、本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッドの腐食を防ぐために、その中に保有されるNa+イオンとK+イオンの合計イオン濃度を1500ppm以下にすることが好ましく、1000ppm以下がより好ましく、800ppm以下が特に好ましい。前記Na+イオンとK+イオンのイオン濃度の測定は、感熱記録材料を、熱水で抽出し、抽出水を原子吸光法によるイオン定量分析法によりNa+イオンおよびK+イオンのイオン質量を測定することにより行う。濃度は、感熱記録材料の全質量に対するppmで表す。
【0082】さらに、本発明の感熱記録材料は、インクジェットプリンタによる印字の滲みを防ぐ観点から、感熱記録面の水に対する接触角が20°以上が好ましく、50°以上がより好ましい。接触角の測定は、感熱記録材料の感熱記録面に蒸留水を滴下した後、0.1秒経過後の接触角を、常法により測定することにより行われる(たとえばFIBRO system ab社製DAT1100等のダイナミックコンタクトアングル・アブソープションテスターを用いることができる。)。
【0083】さらに、本発明の感熱記録材料は、画像保存率が65%以上であるものが好ましい。画像保存率は、印字直後にマクベス反射濃度計(たとえばRD−918)で測定した画像濃度に対する、同条件で印字し60℃、相対湿度20%の雰囲気で24時間放置した後の画像濃度の比率で表される。
画像保存率=[(前記条件で放置後の画像濃度)/(印字直後の画像濃度)]×100【0084】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。また、特に断らない限り実施例中、およびは、それぞれ質量部および質量%を示す。
【0085】[実施例1]
《感熱記録材料の作製》
<感熱発色層用塗布液の調製>(分散液A(電子供与性無色染料)の調製)下記の各成分を混合後ボールミルで分散し、平均粒子径が0.7μmの分散液Aを得た。
〔分散液A組成〕
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン …10部ポリビニルアルコール2.5%溶液 …50部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0086】
(分散液B(電子受容性化合物)の調製)
下記の各成分を混合後ボールミルで分散し、平均粒子径が0.7μmの分散液Bを得た。
〔分散液B組成〕
4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド … 20部ポリビニルアルコール2.5%溶液 …100部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0087】
(分散液C(増感剤)の調製)
下記の各成分を混合後ボールミルで分散し、平均粒子径が0.7μmの分散液Cを得た。
〔分散液C組成〕
2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) …20部高純度ステアリン酸アミド …10部(日本化成(株)製 アマイドAP−95 ステアリン酸アミド含有率94%)
ポリビニルアルコール2.5%溶液 …150部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0088】
(顔料分散液Dの調製)
下記の各成分を混合後サンドミルで分散し、平均粒子径が2.0μmの顔料分散液Dを得た。
〔顔料分散液D組成〕
カルサイト系軽質炭酸カルシウム(白石工業(株)ユニバー70) …40部ポリアクリル酸ナトリウム … 1部蒸留水 …60部【0089】下記組成を混合して感熱発色層用塗布液を得た。
〔感熱発色層用塗布液組成〕
分散液A … 60部分散液B …120部分散液C …180部顔料分散液D …101部ステアリン酸亜鉛30%分散液 … 15部パラフィンワックス(30%) … 15部ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(25%) … 4部【0090】
(支持体アンダーコート層用塗布液の調製)
下記の各成分をディソルバーで攪拌混合して分散液を得た。
焼成カオリン(吸油量75ml/100g) …100部ヘキサメタリン酸ナトリウム … 1部蒸留水 …110部得られた分散液に、SBR(スチレン−ブタジエンゴムラテックス)20部と酸化デンプン(25%)25部とを添加して、支持体アンダーコート層用塗布液を得た。
【0091】<感熱記録材料の作製>JIS−8119による平滑度が150秒の上質紙に、ブレードコーターによって乾燥後の塗布量が8g/m2となるようにアンダーコート層を形成した。該アンダーコート層を塗設したことにより、支持体のJIS−8119による平滑度が350秒となった。次いで、該アンダーコート層上に、乾燥後の塗布量が4g/m2となるように上記感熱記録材料用塗布液をカーテンコーターによって塗布し、その後乾燥した。形成された感熱発色層表面にキャレンダー処理を施し、実施例1の感熱記録材料(1)を得た。
【0092】[実施例2]実施例1の分散液Cの組成を下記のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料(2)を得た。
【0093】
〔分散液C組成〕
2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) … 25部高純度ステアリン酸アミド … 5部(日本化成(株)製 アマイドAP−95 ステアリン酸アミド含有率94%)
ポリビニルアルコール2.5%溶液 …150部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0094】[実施例3]実施例1の分散液Cの組成を下記のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料(3)を得た。
〔分散液C組成〕
2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) … 15部高純度ステアリン酸アミド … 15部(日本化成(株)製 アマイドAP−95 ステアリン酸アミド含有率94%)
ポリビニルアルコール2.5%溶液 …150部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0095】[実施例4]実施例1の分散液Cの組成を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料(4)を得た。
〔分散液C組成〕
高純度ステアリン酸アミド … 30部(日本化成(株)製 アマイドAP−95 ステアリン酸アミド含有率94%)
ポリビニルアルコール2.5%溶液 …150部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0096】[実施例5]実施例1の顔料分散液Dに使用したカルサイト系軽質炭酸カルシウム(ユニバー70)40部を非晶質シリカ(ミズカシルP832 水沢化学工業製)20部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の感熱記録材料(5)を得た。
【0097】[実施例6]実施例1の顔料分散液Dに使用したカルサイト系軽質炭酸カルシウム(ユニバー70)40部を 水酸化アルミニウム(ハイジライトH42 昭和電工製)40部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の感熱記録材料(6)を得た。
【0098】[実施例7]実施例1の分散液A、BおよびCに使用したポリビニルアルコール2.5%水溶液をスルホ変性ポリビニルアルコール(ゴーセランL3266 日本合成化学製)2.5%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7の感熱記録材料(7)を得た。
【0099】[実施例8]実施例1の分散液A、B、及びCに使用したポリビニルアルコール2.5%水溶液をジアセトン変性ポリビニルアルコール(D500 ユニチカ製)2.5%水溶液に変更し、実施例1と同様にして混合し得られた液に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を13部添加して感熱発色層用塗布液を得た以外は、実施例1と同様にして実施例8の感熱記録材料(8)を得た。
【0100】[実施例9]実施例1の分散液A、B、及びCに使用したポリビニルアルコール2.5%水溶液をアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセファイマーZ210日本合成化学製)2.5%水溶液に変更し、実施例1と同様にして混合し得られた液に、グリオキザール5%水溶液を13部添加して感熱発色層用塗布液を得た以外は、実施例1と同様にして実施例9の感熱記録材料(9)を得た。
【0101】[実施例10]実施例1に使用した上質紙の代わりに、古紙パルプ70%、LBKP30%により構成されるJIS−P8119による平滑度が170秒の再生紙(50g/m2)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例10の感熱記録材料(10)を得た。
【0102】[実施例11]実施例1において、形成された感熱発色層にキャレンダー処理を施す前に、該感熱発色層の上に、更に下記の保護層用塗布液を乾燥塗布量が2g/m2となるように、カーテンコーターにより塗布、乾燥して保護層を形成し、該保護層の表面にキャレンダー処理を施した以外は、実施例1と同様にして実施例11の感熱記録材料(11)を得た。
【0103】(保護層用塗布液の調製)まず、下記組成をサンドミルで分散し、顔料分散物を調製した。
水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm) …40部(ハイジライトH42、昭和電工製)
ポリアクリル酸ナトリウム … 1部水 …60部別途、尿素リン酸エステル化デンプン15%水溶液(MS4600、日本食品化工(株)製)200部およびポリビニルアルコール15%水溶液(PVA−105、(株)クラレ製)200部に水60部を加えたものを調製し、これに前記顔料分散物を混合し、さらに平均粒子径0.15μmのステアリン酸亜鉛乳化分散物(ハイドリンF115、中京油脂(株)製)25部、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩2%水溶液125部を混合して、保護層用塗布液を得た。
【0104】[実施例12]実施例10の保護層に使用した水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)を水酸化アルミニウム(ハイジライトH43 平均粒子径0.7μm、昭和電工製)に変更したこと以外は、実施例10と同様にして実施例12の感熱記録材料(12)を得た。
【0105】[実施例13]実施例10の保護層に使用した水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)をカオリン(カオブライト 平均粒子径2.5μm、白石工業製)に変更したこと以外は、実施例10と同様にして実施例13の感熱記録材料(13)を得た。
【0106】[実施例14]実施例10の保護層に使用した水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)40部を非晶質シリカ20部(ミズカシルP707 平均粒子径2.2μm、水沢化学製)に変更したこと以外は、実施例10と同様にして実施例14の感熱記録材料(14)を得た。
【0107】[実施例15]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンをシュウ酸ジメチルベンジル(HS3520R−N 大日本インキ化学工業(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例15の感熱記録材料(15)を得た。
【0108】[実施例16]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンをm−ターフェニルに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例16の感熱記録材料(16)を得た。
【0109】[実施例17]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンをエチレングリコールトリルエーテルに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例17の感熱記録材料(17)を得た。
【0110】[実施例18]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンをp−ベンジルビフェニールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例18の感熱記録材料(18)を得た。
【0111】[実施例19]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンを1,2−ジフェノキシメチルベンゼンに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例19の感熱記録材料(19)を得た。
【0112】[実施例20]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンをジフェニルスルホンに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例20の感熱記録材料(20)を得た。
【0113】[実施例21]実施例1の分散液Cに使用した2−ベンジルオキシナフタレンを1,2−ジフェノキシエタンに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例21の感熱記録材料(21)を得た。
【0114】[実施例22]実施例1の分散液Aに使用した、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例22の感熱記録材料(22)を得た。
【0115】[実施例23]実施例1の分散液Aに使用した、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオランに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例23の感熱記録材料(23)を得た。
【0116】[実施例24]実施例1の分散液Aに使用した、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フルオランに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例24の感熱記録材料(24)を得た。
【0117】[実施例25]実施例1の分散液Aに使用した、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオランに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例25の感熱記録材料(25)を得た。
【0118】[実施例26]実施例1の分散液Aに使用した、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオランを、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオランに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例26の感熱記録材料(26)を得た。
【0119】[実施例27]実施例1において、感熱記録材料用塗液を塗布するのに用いたカーテンコーターの代わりにエアナイフコーターを用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例27の感熱記録材料(27)を得た。
【0120】[実施例28]実施例1の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを、N−ベンジル−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド(=p−N−ベンジルスルファモイルフェノール)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例28の感熱記録材料(28)を得た。
【0121】[実施例29]実施例1の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを、BTUM(4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例29の感熱記録材料(29)を得た。
【0122】[実施例30]実施例1の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドをDBSP(2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例30の感熱記録材料(30)を得た。
【0123】[比較例1]実施例1の分散液Cの組成を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の感熱記録材料(31)を得た。
〔分散液C組成〕
2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) … 30部ポリビニルアルコール2.5%溶液 …150部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0124】[比較例2]実施例1の分散液Cの組成を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の感熱記録材料(32)を得た。
〔分散液C組成〕
2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) … 20部ステアリン酸アミド … 10部(日本化成(株)製 アマイドAP−1 ステアリン酸アミド含有率68%)
ポリビニルアルコール2.5%溶液 …150部(PVA−105、(株)クラレ製)
【0125】[評価]上記より得た、実施例1〜30の感熱記録材料(1)〜(30)及び比較例1〜2の感熱記録材料(31)〜(32)について、以下の測定、評価を行った。尚、測定、評価の結果は下記表1に示す。
【0126】(1)感度の測定部分グレーズ構造を有するサーマルヘッド(KF2003−GD31A、ローム(株)製)を備えた感熱印字装置を用いて印字を行った。印字は、ヘッド電圧24V、印字周期0.98ms/line(印字速度12.8cm/秒)の条件のもと、パルス幅0.375ms(印加エネルギー15.2mJ/mm2)で行い、その印字濃度をマクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社製)で測定した。
【0127】(2)ヘッド汚れFAX(シャープ(株)製 UX−T25CL)と、テストチャートとして電子画像学会NO.3チャートとを使用し、上記実施例1〜30および比較例1〜2で得られた感熱記録材料を各々100m印画した。その後、サーマルヘッドに対するカス付着具合を観察し、下記の基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
〔基準〕
◎:カス付着がほとんどみられない。
○:カス付着量が微量。
△:カス付着量は中程度。
×:カス付着量が多い。
【0128】(3)画像保存性の評価前記各感熱記録材料を、上記(1)感度の測定と同一の装置及び条件で印画し、印画直後の該画像の濃度と、同画像を温度60℃、相対湿度20%の雰囲気下に24時間放置後の該画像の濃度とを、マクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社製)で測定した。そして、下記式に基づき、印画直後の画像濃度に対する、放置後の画像濃度の比(%;濃度残存率)を算出し、画像保存性を評価する指標とした。尚、数値が高いほど画像保存性が良好なことを示す。濃度残存率=[(放置後の画像濃度)/(印字直後の画像濃度)]×100【0129】(4)地肌カブリの評価各感熱記録材料を、温度60℃、相対湿度20%の環境条件下で24時間放置した後の地肌部(非画像部)の濃度を、マクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社製)で測定した。尚、数値が低いほど地肌カブリが良好なことを示す。
【0130】(5)耐薬品性の評価各感熱記録材料に対して上記(1)と同一の装置及び条件で印画し、その地肌部及び印画部の表面を蛍光ペン(ゼブラ蛍光ペン2−ピンク、ゼブラ(株)製)で筆記し、1日経過後の各感熱記録材料における、地肌部の地肌カブリの程度と画像部の画像濃度とを目視により観察し、下記基準にしたがって評価を行った。
〔基準〕
○:地肌部のカブリ濃度の上昇は認められず、画像部の濃度変化も認められなかった。
△:地肌部のカブリ濃度の上昇が若干認められ、画像部は濃度がやや薄くなった。
×:地肌部のカブリ濃度の上昇が顕著に認められ、画像部はほとんど消えた。
【0131】(6)ヘッド切れの評価ワードプロセッサ(ルポ95JV(株)東芝製)を用いて、印字率20%のテストチャートをA4シートサイズで1000枚印字し、その時のドット抜けの数をヘッド切れを評価するための指標とした。
【0132】(7) インクジェット適性の評価■インク耐性上記「(1)感度の測定」の場合と同様にして、各感熱記録材料の感熱発色層に印画し、印字直後の画像の濃度(D1)をマクベス反射濃度計RD918(マクベス社製)で測定した。次に、印画された各感熱記録材料の感熱発色層の表面(印画された印字部)と、インクジェットプリンター(EPSON MJ930C、エプソン社製)により高画質プリントされた画像とを接触させ、25℃下で48時間放置した後の、各感熱発色層の画像濃度(D2)をマクベス反射濃度計RD918で測定した。そして、得られた各濃度から、各感熱記録材料について濃度残存率(%;D2/D1×100)を算出し、インクジェット用インクに対する耐性を評価する指標とした。尚、数値が高いほどインク耐性が良好なことを示す。
【0133】■インクジェット記録適性各感熱記録材料にワードプロセッサ(ルポJW−95JU(株)東芝製)を用いて文字を印字した後、印字された各感熱発色層に更にインクジェットプリンターによりプリントを行い、インクジェット記録部のインクの滲みと、ワードプロセッサにて印字された文字部の消色程度を、下記基準に従って目視評価した。
〔基準〕
○:インクの滲み並びに文字部の消色はわずかであり、判読に支障はなかった。
△:文字部が一部薄くかすれたが、何とか判読は可能であった。
×:文字部が完全に消失し、判読は不可能であった。
【0134】(8)接触角の測定各感熱記録材料の感熱発色層の表面(記録面)に蒸留水を滴下した後、0.1秒経過後の接触角を、FIBRO system(DAT1100、ab社製)を用いて測定した。値は大きいほど効果との関係で有用といえる。
【0135】(9)イオン(Na+,K+)濃度の測定各感熱記録材料について、熱水で抽出し、その抽出水を原子吸光法によるイオン定量分析法により、Na+イオン及びK+イオンのイオン質量を測定した。表1中のイオン濃度は、Na+及びK+の総イオン濃度を表し、感熱記録材料の全質量に対する総ppm値を示す。
【0136】
【表1】

【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、感熱発色層に、増感剤Aとしてステアリン酸アミド含有率が90%以上である高純度ステアリン酸アミドを含有することにより、従来の感熱記録材料に比べ、発色濃度が高く、地肌かぶりが少なく、かつ画像部の保存性、耐薬品性、インクジェット記録適性に優れかつ、サーマルヘッドの汚れ付着の少ない感熱記録材料を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
【出願日】 平成14年5月16日(2002.5.16)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2003−326851(P2003−326851A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−141887(P2002−141887)