| 【発明の名称】 |
マイクロカプセル液及びそれを用いた感熱記録材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】川上 浩 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】感熱記録液調製後のマイクロカプセルの凝集を防止することが可能なマイクロカプセル液、及び、該マイクロカプセル液を含む感熱記録層液を用いて製造された発色濃度と光沢度とに優れた感熱記録材料を提供する。
【解決手段】芯物質としてジアゾ化合物を含有する油相と、水溶性高分子を含有する水相とを混合して乳化分散させて乳化液を調製し、更にその油滴界面で高分子形成反応を起こし、マイクロカプセル壁を形成させることにより得られるマイクロカプセル液において、前記水相がアミノ酸を含有していることを特徴とするマイクロカプセル液、及びそれを用いて製造された感熱記録材料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芯物質としてジアゾ化合物を含有する油相と、水溶性高分子を含有する水相とを混合して乳化分散させて乳化液を調製し、更にその油滴界面で高分子形成反応を起こし、マイクロカプセル壁を形成させることにより得られるマイクロカプセル液において、前記水相がアミノ酸を含有していることを特徴とするマイクロカプセル液。 【請求項2】 支持体上に、感熱記録層を有する感熱記録材料において、前記感熱記録層が、請求項1に記載のマイクロカプセル液と、前記ジアゾ化合物と反応して発色させるカップリング成分とを含有する感熱記録層液を用いて形成されたことを特徴とする感熱記録材料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロカプセル液及びそれを用いた感熱記録材料に関する。 【0002】 【従来の技術】ジアゾニウム塩化合物は非常に化学的活性の高い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有する、所謂カップリング成分と呼ばれる化合物と反応して容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、光照射によって分解し、その活性を失う。このため、ジアゾニウム塩化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料として古くから利用されている(日本写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)P89〜P117、P182〜P201参照)。 【0003】更に、光によって分解し活性を失う性質を利用して、最近では画像の定着が要求される記録材料にもジアゾニウム塩化合物が応用され、代表的なものとして、ジアゾニウム塩化合物とカップリング成分とを含む記録層を設けた記録材料を画像信号に従って加熱して反応させて画像を形成させた後、光照射して画像を定着する、所謂光定着型感熱記録材料が提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌 第11巻 第4号(1982)P290−296など)。 【0004】しかしながら、ジアゾニウム塩化合物を発色成分として用いたこれらの記録材料は、ジアゾニウム塩化合物の化学的活性が非常に高く、暗所であってもジアゾニウム塩化合物が徐々に熱分解してその反応性を失うので、記録材料としてのシェルフライフが短いという欠点があった。また、非画像部である地肌部では光定着時に残留ジアゾニウム塩化合物が分解し、その着色した分解物(ステイン)の生成によって非画像部が着色してしまう欠点もあった。更に、定着後の完成した画像でも、非画像部は耐光性が弱く、太陽光や蛍光灯下に長時間放置しておくと着色が増大してしまう欠点もあった。 【0005】このようなジアゾニウム塩化合物の不安定さを改善する手段としては様々な方法が提案されているが、最も有効な手段の一つとして、ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル中に内包させる方法がある。このようにジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル化することによって、ジアゾニウム塩化合物は水や塩基といった分解を促進させるものから隔離されるので、その分解は著しく抑制され、これを用いた記録材料のシェルフライフも飛躍的に向上する(宇佐美智正ら 電子写真学会誌 第26巻 第2号(1987)P115〜125)。 【0006】ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル中に内包させる一般的な方法は、疎水性溶媒にジアゾニウム塩化合物を溶解させ(油相)、これを水溶性高分子を溶解した水溶液中(水相)に加えてホモジナイザー等で乳化分散すると共に、マイクロカプセルの壁材となるモノマーあるいはプレポリマーを油相側または水相側の何れかあるいは両方に添加しておくことにより、油相と水相との界面で重合反応を生じさせ、あるいは、ポリマーを析出させることにより高分子化合物の壁を形成させ、マイクロカプセルとする方法である。これらの方法は、例えば近藤朝士著、「マイクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)、近藤 保ら著、「マイクロカプセル」三共出版(1977年発行)などに詳しい。 【0007】ところで、感熱記録材料における発色濃度の向上には、塗布される感熱記録層液に含まれるゼラチン量を減少させることが有効である。しかしながら、ゼラチンは、調製後の感熱記録層液においてマイクロカプセルの凝集防止効果をも発揮することから、ゼラチン量を減少させると、感熱記録層液中のマイクロカプセルが凝集するという問題が生じる。特に、イエロー層用の感熱記録液においては凝集が発生しやすい。このようなマイクロカプセルの凝集が発生した感熱記録層液をそのまま用いた感熱記録材料は、発色濃度や光沢度の低下等の問題が生じるが、ゼラチン量の減少と、マイクロカプセルの凝集防止との両立は、未だ達成されていないのが現状である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】前記問題を解決する手段の一つとして、マイクロカプセル含有液に界面活性剤を添加することが挙げられる。しかしながら、充分な凝集防止効果を発揮する量の界面活性剤を乳化前に添加すると、マイクロカプセル含有液の調製において乳化安定性を損なうことがある。また、マイクロカプセル含有液とカプラー分散液とを混合した際に、液カブリを生じることがある。 【0009】本発明は前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、感熱記録液調製後のマイクロカプセルの凝集を防止することが可能なマイクロカプセル液、及び、該マイクロカプセル液を含む感熱記録層液を用いて製造された発色濃度と光沢度とに優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究したところ、マイクロカプセル液の調製においてアミノ酸を含有する水相を用いることにより、マイクロカプセル液の調製時には乳化安定性を損なうことなく、感熱記録層液調製後においては所望の凝集防止効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、<1> 芯物質としてジアゾ化合物を含有する油相と、水溶性高分子を含有する水相とを混合して乳化分散させて乳化液を調製し、更にその油滴界面で高分子形成反応を起こし、マイクロカプセル壁を形成させることにより得られるマイクロカプセル液において、前記水相がアミノ酸を含有していることを特徴とするマイクロカプセル液である。 【0011】<2> 支持体上に、感熱記録層を有する感熱記録材料において、前記感熱記録層が、<1>に記載のマイクロカプセル液と、前記ジアゾ化合物と反応して発色させるカップリング成分とを含有する感熱記録層液を用いて形成されたことを特徴とする感熱記録材料である。 【0012】 【発明の実施の形態】<マイクロカプセル液>以下、本発明のマイクロカプセル液について詳細に説明する。本発明のマイクロカプセル液は、芯物質としてジアゾ化合物を含有する油相と、水溶性高分子を含有する水相とを混合して乳化分散させて乳化液を調製し、更にその油滴界面で高分子形成反応を起こし、マイクロカプセル壁を形成させることにより得られ、前記水相がアミノ酸を含有していることを特徴とする。前記水相にアミノ酸を含有させることにより、マイクロカプセル液の調製時には乳化安定性を損なうことなく、感熱記録層液調製後においては所望の凝集防止効果が得られる。 【0013】既述のとおり、本発明のマイクロカプセル液の調製における水相はアミノ酸を含有していることを特徴とする。前記アミノ酸としては親水性のアミノ酸が好ましく、この中でもグリシン、D,L−アラニン、β−アラニン、L−グルタミン酸、アルギニン、セリン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、トスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、バリンがより好ましく、D,L−アラニン、β−アラニンが更に好ましい。 【0014】本発明におけるアミノ酸の添加量は、後述するゼラチン等の水溶性高分子に対して、0.2%〜10%が好ましく、0.5%〜5%がより好ましい。前記アミノ酸の添加量が0.2%〜10%であれば、マイクロカプセル液の調製時には乳化安定性を損なうことなく、感熱記録層液調製後においては所望の凝集防止効果が得られという本発明のマイクロカプセル液の効果が充分に発揮できる。また、前記アミノ酸は、乳化前の水相に添加しても、乳化後に添加してもよい。 【0015】前記水相には保護コロイドとして水溶性高分子を溶解した水溶液を用いるが、本発明のマイクロカプセル液は前記水溶性高分子としてゼラチンを用いることが好ましい。前記ゼラチンとしては、種々の目的に応じ、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らした脱灰ゼラチン、酸化処理を施しメチオニン残基を減じたゼラチン等から適宜選択することができ、これらを組合わせて用いることもできる。また、ゼラチンを水溶性高分子として用いる場合、壁剤として添加される後記イソシアネート化合物との反応性を抑えるためにゼラチンの分子鎖に含まれるアミノ基を予め変性するなどして反応性をなくしておくのが好ましい。特に、ゼラチンの分子鎖に含まれるアミノ基をカルボン酸で修飾したゼラチンが好ましく、その中でもフタル酸で修飾したフタル化ゼラチンが好ましい。また、ゼラチン以外の保護コロイドとしては、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが挙げられ、この中でも末端アルキル化カルボキシ変性ポリビニルアルコール(クラレ製:MPK9等)が特に好ましい。 【0016】前記水相に用いられるゼラチン等の水溶性高分子の量は、前記水相中に質量比で3〜15%含有されるのが好ましく、特に5〜10%が好ましい。 【0017】一方、本発明のマイクロカプセル液の調製における油相は、芯物質としてジアゾ化合物を含有する。前記ジアゾ化合物としては、例えば、芳香族系ジアゾ化合物が挙げられ、具体的には、芳香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルフォネート化合物、ジアゾアミノ化合物等が挙げられる。前記芳香族ジアゾニウム塩としては、以下の一般式で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。 Ar−N2 + X-上記式中、Arは置換基を有する、或いは無置換の芳香族炭化水素環基を表し、N2+ はジアゾニウム基を、X- は酸アニオンを表す。 【0018】前記ジアゾスルフォネート化合物としては、近年多数のものが知られており、各々のジアゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られ、本発明のマイクロカプセル液及び感熱記録材料に好適に用いることができる。 【0019】前記ジアゾアミノ化合物としては、ジアゾ基を、ジシアンジアミド、サルコシン、メチルタウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−スルフォニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等でカップリングさせることにより得ることができ、本発明の感熱記録材料に好適に用いることができる。これらのジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−136286号公報等に詳細に記載されている。 【0020】前記油相の調製に際しては、前記芯物質は通常疎水性有機溶媒に溶解させるか或いは溶媒中に分散させて使用される。この場合に用いられる疎水性有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましい。具体的には、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エステル類を使用することが乳化分散物の乳化安定性の観点から特に好ましい。 【0021】前記エステル類としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ブチル、リン酸オクチル、リン酸クレジルフェニル等のリン酸エステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジル又はフタル酸ジフェニル等のフタル酸エステル;テトラヒドロフタル酸ジオクチル;安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル又は2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル等の安息香酸エステル;アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル等のアビエチン酸エステル;アジピン酸ジオクチル;コハク酸イソデシル;アゼライン酸ジオクチル;シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル等のシュウ酸エステル;マロン酸ジエチル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル;クエン酸トリブチル;ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチル等のソルビン酸エステル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル;ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステアリン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル等のエチレングリコールエステル類;トリアセチン;炭酸ジエチル;炭酸ジフェニル;炭酸エチレン;炭酸プロピレン;ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル等のホウ酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いても他の疎水性有機溶剤と併用してもよい。 【0022】これらの中でも、リン酸エステル、フタル酸エステル又は安息香酸エステルを用いた場合、乳化物の安定性が最も良好となり好ましい。 【0023】カプセル化しようとする芯物質の前記疎水性有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもできる。このような低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトン等が好ましく挙げられる。この場合、該低沸点溶媒はカプセル化反応中に蒸発し、完成したカプセル中には残存しない。従って、該低沸点溶媒の使用量については特に制限はない。 【0024】前記芯物質は、前記油相中に質量比で10〜70%含有されるのが好ましく、特に20〜50%が好ましい。 【0025】本発明に係るマイクロカプセルのマイクロカプセル壁を形成するリアクタントは、前記油滴内部及び/又は油滴外部に添加される。本発明に係るマイクロカプセルの壁は、ポリウレア及び/又はポリウレタンを含有することを特徴とする。 【0026】ポリウレアをカプセル壁材として用いる場合には、ジイソシアナート,トリイソシアナート,テトライソシアナート,ポリイソシアナートプレポリマー等のポリイソシアナートと、ジアミン,トリアミン,テトラアミン等のポリアミン、2以上のアミノ基を有するプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又はポリオール等と、を上記水相中で界面重合法によって反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成させることができる。 【0027】また、ポリウレアとポリアミドからなる複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複合壁は、例えば、ポリイソシアナート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、酸クロライド若しくはポリアミン、ポリオール)を水溶性高分子水溶液(水相)又はカプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、これらを乳化分散した後、加温することにより調製することができる。このポリウレアとポリアミドからなる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−66948号公報に記載されている。 【0028】前記ポリイソシアナート化合物としては、3官能以上のイソシアナート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアナート化合物を併用してもよい。具体的には、キシレンジイソシアナート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート及びその水添物、イソホロンジイソシアナート等のジイソシアナートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアナートのホルマリン縮合物等が挙げられる。特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特開平7−88356号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ましい。 【0029】前記ポリイソシアナートは、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、カプセル壁の厚みが0.01〜0.3μmとなるように添加されることが好ましい。分散粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。 【0030】ポリイソシアナートと反応してマイクロカプセル壁の構成成分の一つとして水相中及び/又は油相中に添加するポリオール又は/及びポリアミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁が形成される。上記反応において、反応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加することが反応速度を速める点で好ましい。ポリイソシアナート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。 【0031】また、前記マイクロカプセル壁には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の荷電調節剤、或いは、その他任意の添加物質を加えることができる。これらの添加剤は壁形成時又は任意の時点でカプセルの壁に含有させることができる。また、必要に応じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、ビニルモノマー等のモノマーをグラフト重合させてもよい。 【0032】更に、マイクロカプセル壁をより低温な状況下でも物質透過性に優れ、発色性に富む壁質とするため、壁材として用いるポリマーに適合した可塑剤を用いることが好ましい。該可塑剤は、その融点が50℃以上のものが好ましく、更に該融点が120℃以下のものがより好ましい。このうち、常温下で固体状のものを好適に選択して用いることができる。例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンからなる場合、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。 【0033】本発明のマイクロカプセル液の調製は、前記水相中に前記油相を投入し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行い、該水相と該油相とを混合しエマルジョン状態にして乳化液を調製する。本発明のマイクロカプセル液の調製においては、前記乳化液の固形分濃度は22%以上であることが好ましく、特に23.5%以上であることが好ましい。また、前記水相と前記油相との混合比(油相質量/水相質量)は、0.25〜0・75が好ましく、特に0.45〜0.65が好ましい。ここで、前記乳化液の分散を安定化させるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。前記界面活性剤としては、周知の乳化用界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.1〜5%が好ましく、0.2〜2%がより好ましい。 【0034】水相に含有させる界面活性剤は、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、前記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを好適に選択して使用することができる。好ましい界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。 【0035】乳化は、前記油相と前記水相とを高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段、例えば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等、公知の乳化装置を用いて容易に行うことができる。 【0036】本発明のマイクロカプセルの製造方法では、前記乳化の調製における乳化液の温度は25〜50℃となるような条件で乳化することが好ましい。また、前記乳化の調製の後にはカプセル壁形成反応を促進させるために、乳化物を30〜70℃に加温することが好ましい。特に好ましくは35〜50℃である。反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行うことが好ましい。前記撹拌を行う場合、撹拌羽根を用いてもよい。この場合の撹拌条件は、撹拌羽根の周速が2〜17m/sが好ましく、特に2.5〜14m/sが好ましく、更に好ましくは3〜11m/sである。また、反応中に改めて凝集防止用の分散物を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その発生の終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のマイクロカプセル液を得ることができる。 【0037】更に、前記水相及び油相には、本発明の効果を損なわない程度で各種添加剤を加えてもよい。例えば、カプセル化反応中の凝集防止用の分散物などが挙げられる。 【0038】<感熱記録材料>本発明の感熱記録材料は、支持体上に、複数の感熱記録層を有し、前記感熱記録層の少なくとも1層が、既述の本発明のマイクロカプセル液と、前記ジアゾ化合物と反応して発色させるカップリング成分とを含有する感熱記録層液を用いて形成されたことを特徴とする。 【0039】本発明の感熱記録材料は、既述の本発明のマイクロカプセル液を用いることにより、このマイクロカプセル液と、カップリング成分とを含有する感熱記録層液中における、マイクロカプセルの凝集を効果的に防止することが可能となる。これにより、感熱記録層中におけるゼラチン含有量を減少させることが可能となることから、発色濃度及び光沢度に優れた感熱記録材料を得ることができる。なお、本発明のマイクロカプセル液を用いて形成される感熱記録材料における感熱記録層1層中のゼラチンの含有量としては、全固形分量に対し、10〜50質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。 【0040】また、本発明の感熱記録材料は、支持体上に少なくとも感熱記録層を有してなり、該感熱記録層は、単層及び複数層のいずれからなるものでもよく、必要に応じて光透過率調整層や保護層等の他の層を有していてもよい。 【0041】《感熱記録層》本発明の感熱記録材料においては、既述のジアゾ化合物を内包するマイクロカプセルと、該ジアゾ化合物と反応して発色させるカップリング成分を含む感熱記録層を少なくとも1層有する。 【0042】(カップリング成分)本発明におけるジアゾ化合物と反応して発色するカップリング成分としては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気の下でジアゾ化合物とカップリングして色素を形成し得るものであれば、いずれの化合物も用いることができる。 【0043】ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる、いわゆる4当量カップリング成分は全てカップリング成分として使用可能であり、色相等の目的に合致する範囲で適宜選択することができる。例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体等が挙げられる。 【0044】中でも、下記式(2)で表される化合物、又は該化合物の互変異性体は特に好ましい。 E1−CH2−E2 …(2)前記式(2)中、E1及びE2は、それぞれ独立に電子吸引性基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である置換基を指し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シアノ基が好適に挙げられる。 【0045】また、前記E1及びE2は、互いに結合して環を形成していてもよい。E1とE2で形成される環としては、5員若しくは6員の炭素環又は複素環が好ましい。 【0046】前記カップリング成分の具体例としては、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、【0047】1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、【0048】1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾール等が挙げられる。 【0049】前記カップリング成分の詳細については、特開平4−201483号、特開平7−223367号、特開平7−223368号、特開平7−323660号の各公報、特願平5−278608号、特願平5−297024号、特願平6−18669号、特願平6−18670号、特願平7−316280号、特願平8−027095号、特願平8−027096号、特願平8−030799号、特願平8−12610号、特願平8−132394号、特願平8−358755号、特願平8−358756号、特願平9−069990号の各明細書等に記載されている。 【0050】以下に、前記式(2)で表されるカップリング成分の具体例を示すが、本発明においては、これらに限定されるものではない。 【0051】 【化1】
【0052】 【化2】
【0053】 【化3】
【0054】 【化4】
【0055】感熱記録層中におけるカップリング成分の含有量としては、ジアゾ化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。 【0056】本発明の感熱記録材料においては、発色成分として前記ジアゾ化合物とカップリング成分(ジアゾ系発色剤)を用いるほか、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ(ロイコ系発色剤)を用いることもきる。例えば、支持体上に複数の感熱記録層を有する感熱記録材料において、その少なくとも1層をロイコ系発色剤を含む層として構成することができる。 【0057】前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合物等が挙げられ、中でも、発色濃度が高い点で、トリアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物が好ましい。 【0058】具体的には、下記化合物が挙げられる。例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、【0059】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等である。 【0060】前記電子供与性染料前駆体の塗布量としては、既述のジアゾ化合物の場合と同様の理由から、感熱記録層中に0.1〜2.0g/m2が好ましい。 【0061】前記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられ、中でも特に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。具体的には、下記化合物が挙げられる。例えば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール等である。 【0062】感熱記録層中における電子受容性化合物の含有量としては、電子供与性染料前駆体1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。 【0063】<発色助剤>本発明の感熱記録材料には、発色反応を促進させる目的で、感熱記録層中に発色助剤を加えることが好ましい。前記発色助剤は、加熱記録時の発色濃度を高くする、若しくは最低発色温度を低くする物質であり、カップリング成分、有機塩基又はジアゾ化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾ化合物、有機塩基、カップリング成分等を反応しやすい状況にするものである。 【0064】低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が可能となるように、前記発色助剤としては、例えば、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、アミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物、ヒドロキシ化合物等が好ましい。また、単独で用いても2種以上併用してもよい。 【0065】具体的には、分子内に芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点有機化合物が好ましく、例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。 【0066】前記発色助剤の感熱記録層中における含有量は、カップリング成分1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。 【0067】(他の成分) −有機塩基−本発明においては、ジアゾ化合物とカップリング成分とのカップリング反応を促進する目的で有機塩基を添加することが好ましい。前記有機塩基は、感光感熱記録層中に、ジアゾ化合物及びカップリング成分とともに含有させるのが好ましく、単独で用いても2種以上併用してもよい。前記有機塩基としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられる。また、特公昭52−46806号公報、特開昭62−70082号公報、特開昭57−169745号公報、特開昭60−94381号公報、特開昭57−123086号公報、特開昭58−1347901号公報、特開昭60−49991号公報、特公平2−24916号公報、特公平2−28479号公報、特開昭60−165288号公報、特開昭57−185430号公報に記載のものも使用可能である。 【0068】中でも特に、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼン等のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)ベンゼン等のモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジン等のピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン類等が好ましい。 【0069】所望により有機塩基を含有させる場合の、感熱記録層中における有機塩基の含有量としては、ジアゾ化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。 【0070】−バインダー−感熱記録層に用いられるバインダーとしては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等が挙げられる。前記水溶性高分子化合物としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド等及びこれらの変性物、等が挙げられ、前記ラテックス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。また、感熱記録層が本発明のマイクロカプセル液を用いて形成される場合は、ゼラチンを用いたものが好ましい。この場合は、ゼラチン単独で用いてもよいし、他の水溶性高分子化合物と併用してもよい。 【0071】−酸化防止剤等−また、発色画像の光及び熱に対する堅牢性を向上させる、又は定着後の未印字部分(非画像部)の光による黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止剤等を用いることも好ましい。前記酸化防止剤としては、例えば、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。 【0072】本発明において、カップリング成分、有機塩基や発色助剤等の他の成分の使用形態については特に制限はなく、例えば、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化を利用する方法等が挙げられる。 【0073】(感熱記録材料の構成)本発明の感熱記録材料は、ジアゾ化合物を内包するマイクロカプセル、カップリング成分、及び必要に応じて、発色助剤、有機塩基、その他の添加物を含有する感熱記録層液とを調製し、後述する公知の塗布方法により紙や合成樹脂フィルム等の支持体上に塗布することにより形成された感熱記録層を、有することを特徴とする。前記感熱記録層の固形分重量としては、2.5〜30g/m2が好ましい。 【0074】また、感熱記録層形成の態様としては、マイクロカプセルに内包されたジアゾ化合物を含有する液(A)を調製し、カップリング成分を含有する乳化液(B)を調製し、該液(A)及び液(B)を混合してなる感熱記録層液(C)を塗布、乾燥して感熱記録層を形成する態様が好ましい。 【0075】以下に、感熱記録材料が多色の場合の具体的な構成態様について説明する。本発明の感熱記録材料は、多色の場合、支持体上に感熱記録層を複数積層した積層構造の感熱記録層を有する感熱記録材料であり、感熱記録層を構成する少なくとも1層が、ジアゾ化合物と、該ジアゾ化合物と反応して呈色するカップリング成分とを含む光定着型記録層である。 【0076】特に、シアン、イエロー、マゼンタを含むフルカラーの感熱記録層の場合には、支持体上の3層が全てジアゾ系発色剤で構成された形態、あるいは支持体に近い第1層目の感熱記録層が電子供与性染料及び電子受容性化合物を含有するロイコ系発色剤で構成され、第2及び第3層目の感熱記録層がジアゾ系発色剤で構成された形態よりなる感熱記録材料が好ましい。本発明のマイクロカプセル液を含む感熱記録液を用いて形成された感熱記録層としては、イエローに発色する感熱記録層であることが特に好ましい。本発明の感熱記録層は、例えば、下記(a)〜(c)に示す態様で構成されたものであってもよい。 【0077】即ち、(a)支持体上に、最大吸収波長365±40nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第1の記録層(A層))と、最大吸収波長420±20nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第2の記録層(B層))と、を積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、【0078】(b)支持体上に、電子供与性染料と電子受容性化合物を含有する記録層(第1の記録層(A層))と、最大吸収波長365±40nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第2の記録層(B層))と、最大吸収波長420±40nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第3の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、【0079】(c)支持体上に、最大吸収波長350nm以下のジアゾ化合物と、該ジアゾ化合物と呈色反応をするカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第1の記録層(A層))と、最大吸収波長365±40nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第2の記録層(B層))と、最大吸収波長420±40nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカップリング成分とを含有する光定着型記録層(第3の記録層(C層))と、をこの順に積層してなる記録層を有し、該層上に必要に応じて光透過率調整層、保護層を設けた記録材料、などである。 【0080】多色記録の方法について、前記(b)又は(c)により以下に説明する。まず、第3の記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジアゾ化合物とカップリング成分とを発色させる。次に、発光中心波長430±30nmの光を照射して、C層中に含まれる未反応のジアゾ化合物を分解し光定着した後、第2の記録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれるジアゾ化合物とカップリング成分とを発色させる。このとき、C層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾ化合物は分解されており(光定着されている)、発色能力が失われているため発色しない。さらに、発光中心波長360±20nmの光を照射し、B層に含まれるジアゾ化合物を分解し光定着した後、最後に、第1の記録層(A層)が発色しうる十分な熱を加えて発色させる。このとき、C層、B層の記録層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾ化合物は分解されており、発色能力が失われているため発色しない。 【0081】また、全ての記録層(A層、B層、及びC層)をジアゾ系の記録層とした場合、A層及びB層は、発色させた後に光定着を行うことが必要であるが、最後に画像記録を行うC層に関しては、必ずしも光定着を行う必要はない。 【0082】光定着に用いる定着用光源としては、公知の光源の中から適宜選択でき、例えば、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯等が挙げられ、中でも、高効率に光定着する点で、光源の発光スペクトルが、記録材料に用いたジアゾ化物の吸収スペクトルとほぼ一致する光源を用いることが好ましい。 【0083】−他の層−本発明の感熱記録材料においては、支持体上に単数若しくは複数の感熱記録層を有するほか、光透過率調整層や保護層を有してなる態様が好ましい。 【0084】(光透過率調整層)前記光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。 【0085】前記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光又は熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。 【0086】光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。光透過率調整層の乾燥塗布量としては、0.8〜4.0g/m2が好ましい。 【0087】(保護層)前記保護層は、バインダーと共に、顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、硬膜剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を含有してなる。前記バインダーは、バリアー性及び作業性を損なわない範囲で、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、でんぷん類、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、エチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等より適宜選択して使用することができる。 【0088】上記のほか、他のバインダーとしては、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルション等が挙げられ、例えば、スチレンーブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等が挙げられる。前記バインダーの含有量としては、保護層中の顔料に対して、10〜500質量%が好ましく、50〜400質量%がより好ましい。 【0089】また、耐水性を更に向上させる目的で、架橋剤及びその反応を促進させる触媒を併用することが有効であり、該架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、硼酸、カルボン酸無水物、シラン化合物、キレート化合物、ハロゲン化物等が挙げられる。前記触媒としては、公知の酸、金属塩等が挙げられ、塗布液のpHを6.0〜7.5に調整できるものが好ましい。 【0090】前記顔料としては、公知の有機又は無機の顔料が全て使用でき、具体的には、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、タルク、ロウ石、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用できる。前記滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等が好適に挙げられる。前記界面活性剤としては、感熱記録層上に均一に保護層を形成可能なように、スルフォコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が好適に挙げられ、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。 【0091】保護層形成用の塗布液(保護層用塗布液)は、前記各成分を混合して得られる。更に、必要に応じて離型剤、ワックス、撥水剤等を加えてもよい。本発明の感熱記録材料は、支持体上に形成した感熱記録層上に保護層塗布液を公知の塗布方法により塗布して形成することができる。前記公知の塗布方法としては、例えば、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた方法が挙げられる。但し、保護層は、感熱記録層や光透過率調整層と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布して一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。 【0092】保護層の乾燥塗布量としては、0.2〜7g/m2が好ましく、1〜4g/m2がより好ましい。該乾燥塗設量が、0.2g/m2未満であると、耐水性が維持できないことがあり、7g/m2を超えると、著しく熱感度が低下することがある。保護層の塗布形成後、必要に応じてキャレンダー処理を施してもよい。 【0093】(中間層)感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中間層を設けることが好ましい。該中間層には、前記保護層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を含ませることができる。前記バインダーとしては、保護層と同様のバインダーが使用できる。 【0094】(支持体)前記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)トリアセチルセルロース(TAC)、紙、プラスチック樹脂ラミネート紙、合成紙等が挙げられる。また、透明な感熱記録材料を得る場合には、透明支持体を使用する必要があり、該透明支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられる。 【0095】前記支持体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができる。前記合成高分子フィルムの厚さとしては、25〜300μmが好ましく、100〜250μmがより好ましい。 【0096】前記合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法としては、■フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフィルム状に成形する方法、■染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。 【0097】前記感熱記録層、保護層、光透過率調整層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することができる。 【0098】 【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、下記実施例中「部」は、特に限定のないかぎり「質量部」を意味し、「%」は特に限定のない限り「質量%」を意味する。 【0099】(実施例1) <フタル化ゼラチン溶液の調製>フタル化ゼラチン(商品名;#801ゼラチン、新田ゼラチン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液、大東化学工業所(株)製)0.9部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。 【0100】<マイクロカプセル液の調製>酢酸エチル30.0部に、下記ジアゾニウム化合物(A)(最大吸収波長420nm)5.6部、下記ジアゾニウム化合物(B)(最大吸収波長420nm)1.9部、モノイソプロピルビフェニル18.0部、フタル酸ジフェニル2.9部、2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル2.9部を添加した。さらにジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO,BASFジャパン(株)製)0.75部を添加し、40℃に加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液)、三井武田ケミカル(株)製)5.2部と、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物との混合物(商品名;タケネートD119N(50%酢酸エチル溶液)、三井武田ケミカル(株)製)8.1部を添加し、均一に攪拌し混合液(I)を得た。 【0101】別途、前記フタル化ゼラチン水溶液100.0部にイオン交換水19.6部、Scraph AG−8(50%;日本精化(株)製)0.6部添加し、混合液(II)を得た。上記混合液(I)及び(II)の液温をそれぞれ30℃にした後、混合液(I)を混合液(II)に添加し、液温を30℃に保温して乳化分散した。乳化終了後の乳化液の液温は30.8℃であった。また乳化液の粒子径(LA−750、堀場製作所(株)製で測定)は、メジアン径で0.32μmであった。続いて乳化液を30℃の水33部に加えた後、D,L−アラニンを1%(対#801ゼラチン)を添加し、撹拌羽根の周速が10m/sになるような条件で撹拌しながら、乳化液の温度を40℃まで昇温して3時間カプセル化反応を行い、実施例1のマイクロカプセル液を得た。 【0102】 【化5】
【0103】(実施例2)実施例1におけるマイクロカプセル液の調製において、D,L−アラニンを添加する代わりに、グリシンを添加したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2のマイクロカプセル液を得た。 【0104】(実施例3)実施例1におけるマイクロカプセル液の調製において、D,L−アラニンを添加する代わりに、L−グルタミン酸を添加したこと以外、実施例1と同様にして、実施例3のマイクロカプセル液を得た。 【0105】(実施例4)実施例1におけるマイクロカプセル液の調製において、D,L−アラニンを添加する代わりに、アルギニンを表1に記載の量添加したこと以外、実施例1と同様にして、実施例4のマイクロカプセル液を得た。 【0106】(実施例5)実施例1におけるマイクロカプセル液の調製において、D,L−アラニンを添加する代わりに、β−アラニンを表1に記載の量添加したこと以外、実施例1と同様にして、実施例5のマイクロカプセル液を得た。 【0107】(実施例6)実施例1におけるマイクロカプセル液の調製において、D,L−アラニンの添加量を1%(対#801ゼラチン)から、2%(対#801ゼラチン)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例6のマイクロカプセル液を得た。 【0108】(比較例1)実施例1におけるマイクロカプセル液の調製において、D,L−アラニンを添加しないこと以外、実施例1と同様にして、比較例1のマイクロカプセル液を得た。 【0109】<マイクロカプセル液の安定性の評価>実施例1〜6及び比較例1で得られたマイクロカプセル液をサンプリングして、超音波処理を行った場合と行わない場合の粒子径を測定(LA−750、堀場製作所(株)製)した。次に、実施例1〜6で得られたマイクロカプセル液について、超音波処理(強度設定:1、処理時間:2分)を行った場合と行わない場合との粒子径の差A(A=超音波処理を行わない場合の粒子径−超音波処理を行った場合の粒子径)を求めた。更に、比較例1で得られたマイクロカプセル液について、超音波処理を行った場合と行わない場合の粒子径の差B(B=超音波処理を行わない場合の粒子径−超音波処理を行った場合の粒子径)を求めた。得られたA及びBより下記式に従い軟凝集性を求めた。その結果を表1に示す。軟凝集性は値が小さいほどマイクロカプセルが凝集せず、液が安定していることを示す。 軟凝集性=A/B×100(%) 【0110】 【表1】
【0111】表1は、マイクロカプセル液調製時において、水相にアミノ酸を添加した実施例1〜6のマイクロカプセル液は、水相にアミノ酸を添加しなかった比較例1のマイクロカプセル液に比べカプセル化反応時の凝集の少ないマイクロカプセル液が得られることを示している。 【0112】本発明のマイクロカプセル液は凝集が少ないことより、該マイクロカプセル液を用いた塗布液の安定性が向上し、その結果該塗布液を用いて形成された塗膜面の面形状が良好となるため、製造された感熱記録材料は従来の感熱記録材料より発色濃度及び光沢度に優れた感熱記録材料となる。 【0113】 【発明の効果】本発明によれば、感熱記録液調製後のマイクロカプセルの凝集を防止することが可能なマイクロカプセル液、及び、該マイクロカプセル液を含む感熱記録層液を用いて製造された発色濃度と光沢度とに優れた感熱記録材料を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月15日(2002.5.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−326850(P2003−326850A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−140199(P2002−140199) |
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