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【発明の名称】 インクジェット記録用シート
【発明者】 【氏名】小池 和幸
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【氏名】桂 精一郎
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【氏名】久保田 豊
【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内

【要約】 【課題】良好な表面の平滑性を有し、光沢感の出るインクジェット記録用シートの提供。

【解決手段】紙基体上に熱可塑性樹脂層を設けてなる支持体上に、色材受容層を有するインクジェット記録用シートであって、前記紙基体を構成する成分がアカシアからなるクラフトパルプを主成分とすることを特徴とし、好ましくは前記色材受容層に水溶性樹脂、微粒子、架橋剤、又は媒染剤を含むインクジェット記録用シートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紙基体上に熱可塑性樹脂層を設けてなる支持体上に、色材受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、前記紙基体がアカシアからなるクラフトパルプを含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
【請求項2】 前記アカシアからなるクラフトパルプが紙基体の30質量%以上含有される請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
【請求項3】 前記熱可塑性樹脂が溶融押し出しにより形成される請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用シート。
【請求項4】 前記色材受容層が水溶性樹脂を含有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
【請求項5】 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類より選択される少なくとも一種である請求項4に記載のインクジェット記録用シート。
【請求項6】 前記色材受容層が微粒子を含有する、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
【請求項7】 前記微粒子がシリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトより選択される少なくとも一種である請求項6に記載のインクジェット記録用シート。
【請求項8】 前記色材受容層が、水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含有する請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
【請求項9】 前記色材受容層が、媒染剤を含有する請求項4ないし請求項8のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
【請求項10】 前記色材受容層が、少なくとも微粒子、水溶性樹脂及び架橋剤を含有する塗布液を塗布した塗布層を架橋硬化させた層であり、前記架橋硬化が、 (1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、pH8以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与することにより行われる、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録シートに関し、詳しくは表面が平滑で、光沢感が出るインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報技術(IT)産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、その情報処理システムに適した記録方法及び記録装置も開発され、各々実用化されている。これらの記録方法の中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
【0003】また、近年のインクジェットプリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきており、このようなハード(装置)の進歩に伴って、インクジェット記録用の記録シートも各種開発されてきている。このインクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存でも黄変着色を起こさないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途においては、上記諸特性に加えて、表面平滑性、光沢性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
【0004】上記した諸特性、特に表面平滑性、光沢性の向上を目的として、インクジェット記録用シートに使用する原紙表面の平滑性の改良に関し各種提案がなされている。例えば、特開平8−174992号公報には、不透明支持体及びその上に設けられた色材受容層からなる記録シートであって、該不透明支持体の色材受容層の設けられる側の表面が70%以上の光沢度を有し、かつ該色材受容層が、平均1次粒子径が10nm以下のシリカ粒子と水溶性樹脂からなる層であることを特徴とする記録用シートが提案されている。しかしながら、インクジェット記録シート受像面印画後の光沢感は不十分であった。
【0005】また、特開2000−19684号公報には、天然パルプを主成分とし、画像形成層を設ける側の面が少なくとも顔料とバインダーを含む塗被組成物から成る塗被層を設けた紙を基質として、その一方の画像形成層を設ける側の紙基質がフィルム形成能のある樹脂を含む樹脂層(A)で被覆され、その反対側の紙基質がポリエチレン系樹脂を主成分とする樹脂層(B)で被覆された画像材料用支持体であって、天然パルプの下記で規定されるパルプの繊維長が0,60mm以下であり、かつ紙基質の密度が1.05g/cm3未満であり、かつポリエチレン系樹脂を主成分とする樹脂層(B)が200m/分以上で被覆されたことを特徴とする画像材料用支持体が提案されている。前記パルプの繊維長は1.0規定の水酸化ナトリウム水溝液80cm3中に4cm×4cmの画像材料用支持体の紙基質3日間浸した後、十分水洗し、その後、3質量%の水(純水)スラリーになるように、十分水洗した紙基質に水(純水)を加え、分散装置にて繊維を切断しないように離解してパルプスラリーを得て、このパルプについて、JAPAN TAPPi紙パルプ試験方法No.52−89「紙及びパルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平均繊維長(mm)で表示したものをいう。しかしながら印画後の光沢感、耐水性が不十分であった。
【0006】更に、特開2000−86333号公報には、天然パルプを主成分とする紙を基材として、該基材の少なくとも一方の面が、少なくとも2層からなる樹脂層で被覆された画像材料用支持体であって、白色ポリエステル樹脂層が画像形成層を設ける側に配置され、実質的に空隙のないポリエステル樹脂層が基材側に配置された少なくとも2層からなるポリエステル樹脂層と該基材とが積層されたことを特徴とする画像材料用支持体が提案されているが、印画後の光沢感が不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題を解決し、良好な表面の平滑性を有し、光沢感の出るインクジェット記録用シートを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、本発明は、<1> 紙基体上に熱可塑性樹脂層を設けてなる支持体上に、色材受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、前記紙基体を構成する成分がアカシアからなるクラフトパルプを主成分とすること、を特徴とするインクジェット記録用シートである。
【0009】<2> 前記アカシアからなるクラフトパルプが紙基体の30質量%以上含有される前記<1>に記載のインクジェット記録用シートである。
【0010】<3> 前記熱可塑性樹脂が溶融押し出しにより形成される前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用シートである。
【0011】<4> 前記色材受容層が水溶性樹脂を含有する、前記<1>ないし<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【0012】<5> 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類より選択される少なくとも一種である、前記<4>に記載のインクジェット記録用シートである。
【0013】<6> 前記色材受容層が微粒子を含有する、前記<1>ないし<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【0014】<7> 前記微粒子がシリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトより選択される少なくとも一種である、前記<6>に記載のインクジェット記録用シートである。
【0015】<8> 前記色材受容層が水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含有する、前記<4>ないし<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【0016】<9> 前記色材受容層が媒染剤を含有する、前記<1>ないし<8>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【0017】<10> 前記色材受容層が、少なくとも微粒子、水溶性樹脂及び架橋剤を含有する塗布液を塗布した塗布層を架橋硬化させた層であり、前記架橋硬化が、 (1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、pH8以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与することにより行われる、前記<1>ないし<9>のいずれかに記載のインクジェット記録用シートである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シートは、紙基体上に熱可塑性樹脂層を設けてなる支持体上に、色材受容層を有するインクジェット記録用シートであって、前記紙基体を構成する成分がアカシアからなるクラフトパルプを主成分とすることを特徴とし、好ましくは前記色材受容層に水溶性樹脂、微粒子、架橋剤、又は媒染剤を含んで構成される。以下、本発明のインクジェット記録用シートについて詳細に説明する。
【0019】<支持体>(紙基体)本発明に係る支持体に使用される原紙は、アカシアから成るクラフトパルプを含有することを特徴とする。前記原紙はアカシアから成るクラフトパルプが100%含有されていることが最も好ましいが、前記原紙にはアカシアから成るクラフトパルプ以外のパルプを含んでも良く、前記アカシアから成るクラフトパルプ以外のパルプとしては針葉樹、広葉樹、等から選ばれる天然パルプ、例えば、アスペン、カエデ、ポプラ、バーチ、アルダー、オーク、ユーカリ、マツ、ヘムロック等からなるパルプが好ましい。前記の中でも、アスペン、カエデが特に好ましい。
【0020】本発明の原紙は、構成するパルプ中の30〜100質量%が、アカシアからなるクラフトパルプからなることが好ましく、50〜100質量%がより好ましい。構成するパルプ中のアカシアからなるクラフトパルプの配合量が30〜100質量%の範囲では、支持体の平滑性の改善も十分達成される。
【0021】本発明に関わるアカシアからなるクラフトパルプの製法は、特に限定されるものではなく、通常のクラフトパルプの製法を広く用いることができるが、その具体的な一方法を以下に示す。
【0022】アカシアからなるクラフトパルプは、その保水度が150〜180%となるように叩解される。ここで、保水度とは、叩解したパルプ懸濁液を適当な遠心カップと呼ばれる濾過容器で吸引瀘過した後、容器ごとに遠心分離機の沈澱管中に入れ、一定条件で一定時間遠心分離した後、脱水したパルプを取り出して秤量し、次に105℃で乾燥して絶乾質量を求めた場合の遠心分離後の質量をA、絶乾後の質量をBとすれば、下記式1によって表される。
【0023】
【数1】

【0024】本発明において、アカシアからなるクラフトパルプは、上記式から得られる保水度が150〜180%となるようにディクリファイナー等で叩解される。一方、別個にアカシアからなるクラフトパルプ以外のパルプが調整され、このパルプは、前記アカシアからなるクラフトパルプと混合される。アカシアからなるクラフトパルプの保水度が150〜180%の範囲においては、パルプ繊維の柔軟化が十分で、平滑性の改善効果が達成され、抄紙機ワイヤー上での脱水不良および乾燥蒸気の使用量増となることもない。
【0025】上記の混合されたパルプには、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、でんぷん、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものが用いられる。
【0026】上記のようにして調整されたパルプのスラリーを抄紙する。この抄紙工程では、原紙の写真乳剤をする塗設面に相当するウェッブ面側をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを押し当てて乾燥する工程を有し、この工程において、ドライヤーカンバスの引張力を1.5〜3kg/cmの範囲で調整して乾燥する。
【0027】上記のようにして乾燥された原紙の原紙の表面(その片側もしくは両側)にポリビニールアルコール又はその変性物、及び/又はでんぷん、ジアミノスチルベンジスルホン酸等の蛍光増白剤、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の多価金属の塩化物を塗布することができる。
【0028】原料基体の厚さは特に限定されるものではないが、坪量としては、50〜250g/m2 が望ましく、100〜200g/m2がより好ましい。またインキジェット記録用シートには平滑性が望まれることから、支持体の表面も平滑性及び平面性に優れるものが望ましいので、そのためにマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等を用いて50〜250℃の熱及び50〜300kg/cmの圧力を加えて表面処理することが好ましい。
【0029】(熱可塑性樹脂層)前記熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、ポリオレフィン樹脂が好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれら各種の重合体の混合物、あるいは、エチレンとビニルアルコールのランダム共重合体が好ましい。ポリエチレンとしては、例えば、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、L−LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を各々単独、又は混合して用いることができる。ポリエチレンの場合、加工前のメルトフローレートは、JIS 7201(表1の条件4)に従って測定された値で、1.2〜12g/10分のものが好ましい。
【0030】熱可塑性樹脂層の基体への形成方法としては、溶融押出し、ウェットラミネーション、ドライラミネーションがあるが、溶融押出しが最も好ましい。前記溶融押出しにより熱可塑性樹脂層を形成するときは、熱可塑性樹脂層を基体に溶融押出しする前に、基体と熱可塑性樹脂層との接着を強固にするために基体に前処理を施しておくことが好ましい。基体の前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネート等のアンカーコート処理等があり、自由に選択できる。特に簡便さの点からは、コロナ処理が好ましい。コロナ処理の場合、水との接触角が70°以下になるように処理する必要がある。
【0031】前記アンカーコート剤としては、有機チタン系、イソシアネート系(ウレタン系)ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系等が知られている。具体的には、有機チタン系としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラステアリルチタネート等のアルキルチタネート、ブトキシチタニウムステアレート等のチタンアシレート、チタニウムアセチルアセトネート等のチタンキレート等が知られている。また、イソシアネート系(ウレタン系)としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が知られている。
【0032】<色材受容層>(水溶性樹脂)水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類が好ましい。また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
【0033】以上の中でも、特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。該ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号等に記載されたものなどが挙げられる。
【0034】これら水溶性樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。前記水溶性樹脂の含有量としては、色材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
【0035】インクジェット記録用シートの色材受容層を主として構成する前記水溶性樹脂と前記微粒子とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数の素材の混合系を使用してもよい。尚、透明性を保持する観点からは、微粒子特にシリカ微粒子に組合される水溶性樹脂の種類が重要となる。前記気相法シリカを用いる場合には、該水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、その中でも、鹸化度70〜100%のポリビニルアルコール系樹脂がより好ましく、鹸化度80〜99.5%のポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
【0036】前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シリカ微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造の色材受容層を形成されると考えられる。インクジェット記録において、上述のようにして得られた多孔質の色材受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成することができる。
【0037】また、ポリビニルアルコール系樹脂は、前記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性樹脂と上記ポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
【0038】(微粒子)インクジェット記録用シートの色材受容層は、微粒子を含有することにより多孔質構造が得られ、これによりインクの吸収性能が向上する。特に、該微粒子の色材受容層における固形分含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、十分なインク吸収性を備えたインクジェット記録用シートが得られるので好ましい。ここで、微粒子の色材受容層における固形分含有量とは、色材受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
【0039】本発明に用いる微粒子としては、有機微粒子、無機微粒子のいずれでもよい。有機微粒子として好ましいものとしては、例えば、乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポリマー微粒子が挙げられ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、シリコン樹脂、フェノール樹脂、天然高分子等の粉末、ラテックス又はエマルジョン状のポリマー微粒子等が挙げられる。
【0040】無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも良好な多孔質構造を形成する観点より、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
【0041】本発明においては、インク吸収性及び画像安定性の点から、無機微粒子が好ましい。また更に、平均一次粒径が20nm以下のシリカ微粒子、平均一次粒径が30nm以下のコロイダルシリカ、平均一次粒径が20nm以下のアルミナ微粒子、又は平均細孔半径が2〜15nmの擬ベーマイトがより好ましく、特にシリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましい。
【0042】シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリカ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。本発明に用いるシリカ微粒子としては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
【0043】気相法シリカは、含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
【0044】気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。受容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0045】前記気相法シリカの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
【0046】また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカとを併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
【0047】本発明に用いる無機微粒子としては、アルミナ微粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合物も好ましい。この内、アルミナ水和物は、インクを良く吸収し定着することなどから好ましく、特に、擬ベーマイト(Al23・nH2O)が好ましい。アルミナ水和物は、種々の形態のものを用いることができるが、容易に平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを原料として用いることが好ましい。
【0048】擬ベーマイトの細孔構造については、その平均細孔半径は1〜30nmが好ましく、2〜15nmがより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0cc/gが好ましく、0.5〜1.5cc/gがより好ましい。ここで、上記細孔半径及び細孔容積の測定は、窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名「オムニソープ369」)により測定できる。また、アルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が比表面積が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましい。
【0049】上述の微粒子をインクジェット記録用シートに用いる場合は、例えば、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号等公報に開示された態様でも、好ましく用いることができる。
【0050】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、微粒子及び水溶性樹脂を含む塗布層が、更に該水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含み、該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
【0051】上記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコール系樹脂の架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましい。
【0052】上記水溶性樹脂の架橋剤として、ホウ素化合物以外の下記化合物を使用することもできる。例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
【0053】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0054】架橋硬化は、微粒子、水溶性樹脂等を含有する塗布液(以下、「塗布液A」ということがある)及び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ、(1)前記塗布液Aを塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液Aを塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのときに、pH8以上の塩基性溶液(以下、「塗布液B」ということがある)を前記塗布層に付与することにより行うことが好ましい。
【0055】上記架橋剤の付与は、ホウ素化合物を例にすると下記のように行われることが好ましい。即ち、色材受容層が、微粒子、ポリビニルアルコールを含む水溶性樹脂を含有する塗布液(塗布液A)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、架橋硬化は、(1)前記塗布液Aを塗布して塗布層を形成すると同時、(2)前記塗布液Aを塗布して形成される塗布層の乾燥塗中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのときに、pH8以上の塩基性溶液(塗布液B)を前記塗布層に付与することにより行われる。架橋剤たるホウ素化合物は、塗布液A又は塗布液Bの何れかに含有すればよく、塗布液A及び塗布液Bの両方に含有させておいてもよい。架橋剤の使用量は、水溶性樹脂に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
【0056】(媒染剤)本発明に係る色剤受容層は、媒染剤として、ポリアリルアミン及びその誘導体、並びにポリビニルアミン及びその誘導体より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。これら有機媒染剤は、他の共重合可能なモノマーと共重合した共重合体として含有されてもよい。本発明におけるポリアリルアミンとは、モノアリルアミン類(塩を含む)を重合させたものを表す。
【0057】有機媒染剤のうち、経時ニジミ防止及び色材受容層のインク吸収性良化の観点から、重量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
【0058】ポリアリルアミン及びその誘導体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導体が使用できる。このような誘導体としては、ポリアリルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸などの有機酸、あるいはこれらの組み合せや、アリルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビニルエステル類等)が挙げられる。
【0059】これらのポリアリルアミン誘導体の構造は特に限定されないが、得られた重合体は水溶性、或いは水と混和性のある有機溶媒に可溶である方が好ましいが、水分散性のラテックス粒子の形態でも使用することができる。
【0060】ポリアリルアミン及びその誘導体の具体例としては、特公昭62‐31722号、特公平2‐14364号、特公昭63-43402号、同63-43403号、同63-45721号、同63-29881号、特公平1-26362号、同2-56365号、同2-57084号、同4-41686号、同6-2780号、同6-45649号、同6-15592号、同4-68622号、特許第3199227号、同3008369号、特開平10‐330427号、同11‐21321号、特開2000‐281728号、同2001‐106736号、特開昭62-256801号、特開平7‐173286号、同7‐213897号、同9-235318号、同9-302026号、同11‐21321号、WO99/21901号、WO99/19372号、特開平5-140213号、特表平11‐506488号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
【0061】ポリビニルアミン及びその誘導体としては、公知の各種ポリビニルアミン及びその誘導体が使用できる。このような誘導体としては、前記ポリアリルアミンの誘導体と同様である。ポリビニルアミン及びその誘導体の具体例としては、特公平5−35162号、同5−35163号、同5−35164号、同5−88846号、特開平7−118333号、特開2000−344990号、特許第2648847号、同2661677号等に記載の化合物が挙げられる。上記のうち、特にポリアリルアミン及びその誘導体が好ましい。
【0062】本発明においては、形成画像の耐水性及び耐経時ニジミの向上を図るために、前記有機媒染剤と共に、下記の他の媒染剤を併用してもよい。他の媒染剤としては、有機媒染剤としてカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)、又は無機媒染剤が好ましく、該媒染剤を色材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、耐水性や耐経時ニジミを向上させることができる。有機媒染剤及び無機媒染剤はそれぞれ単独種で使用してもよいし、有機媒染剤及び無機媒染剤を併用してもよい。
【0063】媒染剤は、受容層表面からの媒染剤存在部分の厚みが受容層厚みに対し10〜60%、好ましくは20〜40%であるように存在させる。これが、10%未満であると、経時ニジミが大きくなることがあり、60%を超えると、色濃度、耐オゾン性が低下することがある。媒染剤存在部分の厚みを上記範囲にする方法としては、例えば、■微粒子、水溶性樹脂を含む塗布層を形成し、媒染剤含有溶液を塗布する方法、■微粒子、水溶性樹脂を含む塗布液と媒染剤含有溶液を重層塗布する方法等任意の方法で形成できる。また媒染剤含有溶液中に無機微粒子、水溶性樹脂、架橋剤等を含有せしめてもよい。
【0064】上記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
【0065】また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミン及びジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
【0066】前記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
【0067】本発明に係るフェノール性化合物を色材受容層中に含有させる場合、有機酸や無機酸を添加してもよい。酸は、予めフェノール性化合物と混合しておいてもよいし、フェノール性化合物を含有した塗布液を同時に、又は遂時に塗布して混合してもよい。酸を添加することで、色材受容層の表面pHを3〜8、好ましくは5〜7.5に調整する。これにより白地部の耐黄変性が向上するので好ましい。表面pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPPI)の定めた表面pHの測定の内A法(塗布法)により測定を行う。例えば、前記A法に相当する(株)共立理化学研究所製の紙面用pH測定セット「形式MPC」を使用して該測定を行うことができる。
【0068】(その他の成分)本発明のインクジェット記録用シートは、必要に応じて、更に各種の公知の添加剤、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有することができる。
【0069】その他の成分は、1種単独でも2種以上を併用してもよい。その他の成分は、水溶性化、分散化、ポリマー分散、エマルション化、油滴化して添加してもよく、マイクロカプセル中に内包することもできる。その他の成分を添加する場合の添加量としては、0.01〜10g/m2が好ましい。
【0070】また、無機微粒子の分散性を改善する目的で、無機表面をシランカップリング剤で処理してもよい。該シランカップリング剤としては、カップリング処理を行なう部位の他に、有機官能性基(例えば、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基、アルキル基、フェニル基、エステル基等)を有するものが好ましい。
【0071】本発明において、色材受容層用塗布液は界面活性剤を含有しているのが好ましい。該界面活性剤としてはカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フッ素系、シリコン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
【0072】<インクジェット記録用シートの作製>本発明のインクジェット記録用シートの色材受容層は、支持体表面に微粒子と水溶性樹脂を含有する塗布液を塗布して塗布層を形成し、さらに前記塗布液及び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、かつ(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、pHが8以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与し、前記塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−Wet法)により形成されるのが好ましい。ここで前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤は、前記塗布液あるいは塩基性溶液の少なくとも一方又は両方に含有せしめることが好ましい。このようにして架橋硬化させた色材受容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの観点から好ましい。
【0073】媒染剤は、受容層表面からの媒染剤存在部分の厚みが受容層厚みに対し10〜60%であるように存在させる。例えば、■前記微粒子、水溶性樹脂、架橋剤を含む塗布層を形成し、媒染剤含有溶液をその上に塗布する方法、■微粒子、水溶性樹脂を含む塗布液と媒染剤含有溶液を重層塗布する方法等任意の方法で形成できる。また媒染剤含有溶液中に無機微粒子、水溶性樹脂、架橋剤等が含有されていてもよい。
【0074】前記のようにすると、媒染剤が色材受容層の所定の部分に多く存在するので、インクジェットの色材が十分に媒染され、色濃度、経時ニシ゛ミ、印画部光沢、印字後の文字や画像の耐水性、耐オゾン性が向上するので好ましい。媒染剤の一部は最初に支持体に設ける層に含有させてもよく、その場合は、後から付与する媒染剤は同じものでも異なっていてもよい。
【0075】本発明において、微粒子(例えば、気相法シリカ)と水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール)とを含有する色材受容層用塗布液(塗布液A)は、例えば、以下のようにして調製することができる。即ち、気相法シリカ等の微粒子と分散剤を水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散させた後、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、前記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、前記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。塗布液に安定性を付与するためにアンモニア水等でpH=9.2程度に調節する事、又は分散剤を用いることが好ましい。得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成することができる。
【0076】該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、媒体撹拌型分散機、コロイドミル分散機又は高圧分散機が好ましい。
【0077】また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
【0078】また、前記分散剤としてはカオチン性のポリマーを用いることができる。カオチン性のポリマーとしては、前述の媒染剤の例などが挙げられる。また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。前記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
【0079】該色材受容層用塗布液の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
【0080】色材受容層用塗布液(塗布液A)の塗布と同時又は塗布した後に、該塗布層に塩基性溶液(塗布液B)が付与されるが、該塗布液Bは、塗布後の塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与してもよい。即ち、色材受容層用塗布液(塗布液A)の塗布後、この塗布層が恒率乾燥を示す間に塗布液Bを導入することで好適に製造される。この塗布液Bには、媒染剤を含有せしめてもよい。
【0081】ここで、前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、色材受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
【0082】上記の通り、塗布液Aの塗布後、該塗布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に40〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は上記範囲が適当である。
【0083】前記第一の塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与する方法としては、■塗布液Bを塗布層上に更に塗布する方法、■スプレー等の方法により噴霧する方法、■塗布液B中に、該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0084】前記方法■において、塗布液Bを塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第一塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
【0085】塗布液Bの付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化がおこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
【0086】また、前記塩基性溶液(塗布液B)を、色材受容層塗布液(塗布液A)を塗布すると同時に付与する場合、塗布液A及び塗布液Bを、塗布液Aが支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることにより色材受容層を形成することができる。
【0087】前記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
【0088】前記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターによりおこなった場合、同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する際は、塗布液A及び塗布液Bの塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を上記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好ましい。
【0089】前記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。前記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。尚、バリアー層液には、前記媒染剤を含有させることもできる。
【0090】支持体上に色材受容層を形成した後、該色材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定しておこなう必要がある。
【0091】カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
【0092】前記色材受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
【0093】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。前記空隙率及び細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製の商品名「ボアサイザー9320−PC2」)を用いて測定することができる。
【0094】また、色材受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。前記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
【0095】本発明のインクジェット記録用シートの構成層(例えば、色材受容層あるいはバック層など)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。このポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止等のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。尚、ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を、前記媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止することができる。
【0096】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を表し、「重合度」は「重量平均重合度」を表す。
【0097】[実施例1、2、及び比較例1](支持体の作製)アカシアからなるLBKPをディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに調整した紙料と、アスペンからなるLBKPをディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに調整した紙料とを、実施例1、2、及び比較例1についてそれぞれ表1の配合となるよう混合した。
【0098】ついで上記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン性でんぷん(日本NSC製 CATO 304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学製 ポリアクロンST−13)0.145%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製 サイズパインK)0.285%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.285%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
【0099】上記のようにして調整したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブの写真乳剤塗設面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニールアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m2 塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は166g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙を得た。
【0100】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ25μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。
【0101】更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、東京インキ(株)製の群青を0.3%の含有量に調整し、及び(株)日本化学工業所製の蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」を0.08%の含有量になるように調整し、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み25μmとなるように押し出し、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、実施例1、2、及び比較例1の支持体とした。
【0102】(色材受容層用塗布液Aの調製)下記組成中の■気相法シリカ微粒子と■イオン交換水と■「PAS−M−1」を混合し、KD−P((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて、回転数10000rpmで20分間かけて分散させた後、下記■ポリビニルアルコールと■ホウ酸と■ポリオキシエチレンラウリルエーテルと■イオン交換水を含む溶液を加え、更に回転数10000rpmで20分間かけて再度分散を行ない、色材受容層用塗布液Aを調製した。シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=■:■)は、4.5:1であり、色材受容層用塗布液AのpHは、3.5で酸性を示した。
【0103】
<色材受容層塗布液Aの組成>■気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部 ((株)トクヤマ製の「レオロシールQS30」、平均一次粒子径7nm)
■イオン交換水 51.7部■「PAS−M−1」(60%水溶液) 0.83部 (分散剤、日東紡(株)製)
■ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 27.8部 ((株)クラレ製の「PVA124」、鹸化度98.5%、重合度2400)
■ホウ酸(架橋剤) 0.4部■ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 1.2部(花王(株)製「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6)
■イオン交換水 33.0部【0104】(インクジェット記録用シートの作製)上記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記から得た色材受容層用塗布液Aを、支持体のオモテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて170ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この期間は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の媒染剤溶液Bに30秒間浸漬して該塗布層上にその16g/m2を付着させ(媒染剤溶液を付与する工程)、更に80℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより、乾燥膜厚32μmの色材受容層が設けられた実施例1、2、及び比較例1のインクジェット記録用シートを作製した。
【0105】
<媒染剤溶液Bの組成>■硼酸(架橋剤) … 0.65部■ポリアリルアミン「PAA−10C」10%水溶液 … 25部 (媒染剤、日東紡(株)製)
■2メチルピペラジン … 2.0部■イオン交換水 … 60.2部■塩化アンモニウム(表面pH調製剤) … 0.8部■ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 10部 (花王(株)製の「エマルゲン109P」、2%水溶液、HLB値13.6)
■メガファック「F1405」10%水溶液 … 2.0部 (大日本インキ化学工業(株)製のフッ素系界面活性剤)
【0106】[評価試験]上記より得た実施例1、2、及び比較例1の支持体、及びインクジェット記録用シートについて、以下の評価試験を行った。評価結果は下記の表1に示す。
【0107】(1)支持体表面の粗さ実施例1、2、及び比較例1の支持体表面の粗さを、表面粗さ測定器(黒田精工(株)製 ナノメトロ110F)を用い、測定波長1〜2mmにて測定した。評価結果は下記の表1に示す。
【0108】(2) 印画後の光沢感実施例1、2、及び比較例1のインクジェット記録用シートについて、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製の「PM−900C」)を用いて、各インクジェット記録用シート上に黒色を印画し、印画後の光沢感を目視にて下記により評価した。評価結果は下記の表1に示す。
◎:印画後の光沢感が非常に高く良好。
○:印画後の光沢感が高い。
×:印画後の光沢感が低い。
【0109】
【表1】

【0110】上記表1の結果から、本発明に係るを含有する支持体では、比較例に比し滑らかで、アカシアの含量が高いほど、良好な結果を示した。又インクジェット記録用シートの光沢感も、比較例に比し光沢感があり、アカシアの含量が高いほど、良好な結果を示した。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、表面が平滑で、光沢感のあるインクジェット記録用シートを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
【出願日】 平成14年5月15日(2002.5.15)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2003−326841(P2003−326841A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−139897(P2002−139897)