| 【発明の名称】 |
インクジェット被記録材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】中立 貴之 【住所又は居所】神奈川県横浜市緑区青砥町450番地 ザ・インクテック株式会社内
【氏名】上村 正彦 【住所又は居所】神奈川県横浜市緑区青砥町450番地 ザ・インクテック株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】コーティング方式のみによって、高光沢性を有し、塗膜強度、耐カール性が優れ、また、染料・顔料両タイプの水性系のインクジェットインキに対するインキ吸収性、耐水性および顔料タイプインキに対して耐擦過性が優れたインクジェット被記録材料を提供すること。
【解決手段】プライマー処理した基材にインキ受容層を形成してなるインクジェット被記録材料において、該受容層がインキ吸収層(A)と表面光沢層(B)とからなり、上記インキ吸収層(A)が、非膨潤性樹脂(a)と無機微粒子(b)とからなり、上記表面光沢層(B)が、非膨潤性樹脂(a)とカチオン性無機微粒子(c)とからなることを特徴とするインクジェット被記録材料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プライマー処理した基材にインキ受容層を形成してなるインクジェット被記録材料において、該受容層がインキ吸収層(A)と表面光沢層(B)とからなり、上記インキ吸収層(A)が、非膨潤性樹脂(a)と無機微粒子(b)とからなり、上記表面光沢層(B)が、非膨潤性樹脂(a)とカチオン性無機微粒子(c)とからなることを特徴とするインクジェット被記録材料。 【請求項2】 非膨潤性樹脂(a)が、疎水基含有モノマーとビニルエステルとからなる共重合体のけん化物であり、そのけん化度が95.0〜99.8%で、かつ平均重合度1,000〜2,000の変性ポリビニルアルコール系共重合体である請求項1に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項3】 無機微粒子(b)が、アルミナでドープされたシリカ粒子であり、その平均粒径が30nm以下である請求項1または2に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項4】 カチオン性無機微粒子(c)が、アルミニウム水酸化物で被覆されたシリカ粒子であり、シリカに対するアルミニウム水酸化物の被覆量がシリカをSiO2に、アルミニウム水酸化物をAl2O3に換算しての比率で、SiO2/Al2O3=100/1〜20(重量比)のカチオン性球状コロイダルシリカであり、かつ平均粒径が200nm以下である請求項1または2に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項5】 インキ吸収層(A)の膜厚が、30〜50g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項6】 表面光沢層(B)の膜厚が、0.3〜2g/m2である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項7】 上記インキ吸収層(A)中の非膨潤性樹脂(a)と無機微粒子(b)の配合割合が、b/a=3〜6/1(重量比)である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項8】 上記表面光沢層(B)中の非膨潤性樹脂(a)とカチオン性無機微粒子(c)の配合割合が、c/a=5〜30/1(重量比)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項9】 さらに、光沢層(B)が、カチオン性無機微粒子(c)100重量部に対してカチオン性ポリマーを10〜30重量部含有している請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項10】 カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ジアリルアミン−マレイン酸共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載のインクジェット被記録材料。 【請求項11】 プライマー処理した基材が、ポリエステル系、ビニール系、ウレタン系、アミン系、およびポリエチレン系のプライマーからなる群から選ばれる少なくとも1種で処理されたポリエステルフィルム、合成紙、または塩化ビニル樹脂フィルムである請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット被記録材料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水系溶媒中に着色剤を分散したインクジェットインキを用いて、印字可能な被記録材料であって、高光沢性を有し、塗膜強度、耐カール性、インキ吸収性、耐水性および定着したインキの耐擦過性に優れたインクジェット被記録材料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、光沢タイプのインクジェット被記録材料は、水性のインクジエットインキに対する吸収性を持たせるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デンプン、水溶性セルロース誘導体などの水溶性樹脂および親水性樹脂からなるインキ吸収層と光沢層が基材上に順次積層された構成となっている。これらの光沢層は、光沢層をコーティングして、その湿潤状態の間に鏡面ロールを使用してコーティング面を回転しながら圧着して光沢を出すキャストコート法や、ポリオレフィンフィルムや4フッ化エチレン樹脂フィルムなどの離型性のプラスチックフィルムを圧着後、これらのプラスチックフイルムを剥離するフィルムキャスト法などの方法により鏡面仕上げをして光沢を出している。 【0003】しかしながら、上記の方法によって得られた光沢を有するインクジェット被記録材料は、ロールやフィルムの圧着によって表面光沢を出しているために、インキ受容層のインキを吸収する浸透構造(多孔質)が崩れ、インキ吸収性が低下する。このために、インキ吸収性を保持したまま所望の光沢を得るために、インキ吸収性と光沢性という相反する物性の品質管理が難しく、安定した光沢製品が得にくかった。さらに、上記のキャスト法にて使用する鏡面ロール上の繋ぎ部分が、インキ受容層の光沢面に転移するという問題もあり、一定で安定した光沢製品が得にくかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、コーティング方式のみによって、高光沢性を有し、塗膜強度、耐カール性が優れ、また、染料・顔料両タイプの水性系のインクジェットインキに対するインキ吸収性、耐水性および顔料タイプインキに対して耐擦過性が優れたインクジェット被記録材料を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、プライマー処理した基材にインキ受容層を形成してなるインクジェット被記録材料において、上記インキ受容層がインキ吸収層(A)と表面光沢層(B)とからなり、上記インキ吸収層(A)が、非膨潤性樹脂(a)と無機微粒子(b)とからなり、上記表面光沢層(B)が、非膨潤性樹脂(a)とカチオン性無機微粒子(c)とからなることを特徴とするインクジェット被記録材料を提供する。 【0006】本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記のプライマー処理した基材上に、非膨潤性樹脂(a)とカチオン性無機微粒子(c)とを用いて、インキ吸収層(A)を形成し、その上に非膨潤性樹脂(a)と無機微粒子(b)とを用いて、表面光沢層(B)をコーティング方法によって形成することにより、インキ受容層の表面が高光沢性を有し、塗膜強度、耐カール性が優れ、さらに、水系溶媒中に染料または顔料を分散した両タイプのインクジェットインキに対して、インキの吸収性、耐水性、および定着したインキの耐擦過性に優れた被記録材料が得られることを見いだした。 【0007】 【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づけるインキ吸収層(A)および表面光沢層(B)を形成する非膨潤性樹脂(a)は、水系溶媒中に着色剤を分散したインクジェットインキにて膨潤現象が発現しない、疎水基を含有する水溶性ポリマーまたは親水性ポリマーである。 【0008】上記のポリマーとしては、変性ポリビニルアルコール系共重合体、ポリビニルピロリドン系共重合体など、好ましくは非膨潤性の変性ポリビニルアルコール系共重合体が挙げられる。上記の変性ポリビニルアルコール系共重合体は、公知の方法にて、疎水基含有モノマーとビニルエステルとを共重合させたポリビニルエステル系共重合体を、塩基性条件下にて加水分解(けん化)して生成した変性ポリビニルアルコール系共重合体である。また、上記のポリビニルピロリドン系共重合体は、ビニルピロリドンと疎水基含有モノマーとの共重合体である。 【0009】上記の変性ポリビニルアルコール系共重合体の製造に使用されるビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、カプリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、および安息香酸ビニルなどのビニルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは酢酸ビニルが挙げられる。 【0010】上記の共重合体の製造に使用される疎水基含有モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、ペンテン、ヘキセン、1−ブテン、イソブテンなどのα−オレフィン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル類(「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタアクリル酸の双方を意味する);その他、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、その他の疎水性モノマーを本発明の目的を妨げない範囲において共重合したものも使用できる。好ましくは、α−オレフィン類および(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。疎水基含有モノマーのビニルエステルに対する共重合の割合は、得られる共重合体のけん化物が、水系溶媒中に着色剤を分散したインクジェットインキにて膨潤しない範囲であればよい。 【0011】上記の非膨潤性樹脂である変性ポリビニルアルコール系共重合体としては、好ましくは、けん化度が95.0〜99.8%、好ましくは97.0〜99.0%で、かつ平均重合度1,000〜2,000であるものが挙げられる。該共重合体の重合度が、上記上限を越える場合には、得られるインキ受容層形成用塗布液のコーティング適性が悪くなり、一方、重合度が上記下限未満の場合には、得られるインキ受容層の塗膜強度が低下する。前記の変性ポリビニルアルコール系共重合体は、例えば、クラレ(株)から、エクセバールRS2117などの商品名にて入手して本発明で使用することができる。 【0012】本発明で使用する無機微粒子(b)は、シリカ粒子の表面をアルミナにてドープしたシリカ粒子であり、該シリカ粒子は、シリカ粒子の特性とアルミナの特性を持った粒子である。これらのアルミナにてドープされたシリカ粒子は、公知の方法、例えば、AlCl3などのアルミニウム化合物を含む溶液中にシリカ粒子を投入して、そのシリカ粒子の表面をアルミニウム化合物溶液で被覆し、乾燥および焼成する溶液法や、ガス化したアルミニウム化合物およびケイ素化合物を火炎中で反応させて混合酸化物とする火炎加水分解法、あるいは火炎加水分解法と熱分解法を組み合わせた、例えば、ガス化したケイ素化合物とアルミニウム化合物とを含むエアロゾルを火炎中で反応させる方法で得られる。 【0013】上記の方法で得られたアルミナでドープされたシリカ粒子は、平均粒径が30nm以下のものが好ましく使用される。該シリカ粒子の平均粒径が上記上限を越える場合には、該粒子を用いて得られる塗布液の流動性とシリカ粒子の分散性が低下する。また、上記の無機微粒子(b)の前記非膨潤性樹脂(a)に対する配合割合は、b/a=3〜6/1(重量比)が好ましい。無機微粒子(b)の配合割合が、上記上限を越える場合には、得られるインキ受容層の塗膜強度が低下し、一方、無機微粒子(b)の配合割合が上記下限未満の場合には、インキ受容層のインキの吸収性が低下する。これらの無機微粒子(b)は、例えば、日本アエロジル(株)から、MOX−80の商品名にて入手して本発明で使用することができる。 【0014】また、本発明で使用するカチオン性無機微粒子(c)は、アルミニウム水酸化物をシリカの表面に含有させることによって、シリカ粒子表面をカチオン性に荷電させたカチオン性球状コロイダルシリカである。該コロイダルシリカは、例えば、酸化アルミニウム水和物などのカチオン変性剤によってコロイダルシリカの表面を被覆し、カチオン性にしたカチオン性球状コロイダルシリカが挙げられる。 【0015】上記のカチオン性球状コロイダルシリカにおけるアルミニウム水酸化物のシリカ粒子に対する被覆量は、コロイダルシリカをSiO2に、アルミニウム水酸化物をAl2O3に換算しての比率で、SiO2/Al2O3=100/1〜20(重量比)である。アルミニウム水酸化物の被覆量が上記上限を越える場合には、得られる光沢層(B)にクラックが発現する。一方、被覆量が上記下限未満の場合には、得られる光沢層(B)に十分な光沢が得られない。また、上記のカチオン性無機微粒子(c)の平均粒径は、200nm以下が好ましく使用される。これらのカチオン性無機微粒子(c)は、例えば、クラリアント(株)から、クレボゾール30CAL25の商品名にて入手して本発明で使用することができる。 【0016】上記のカチオン性無機微粒子(c)の前記非膨潤性樹脂(a)に対する配合割合は、c/a=5〜30/1(重量比)が好ましい。カチオン性無機微粒子(c)の配合割合が、上記上限を越える場合には、得られる記録材料にカールが発現しやすくなり、一方、カチオン性無機微粒子(c)の配合割合が上記下限未満の場合には、インキの吸収性が低下する。 【0017】また、前記の非膨潤性樹脂(a)およびカチオン性無機微粒子(c)から構成される光沢層(B)に、さらにカチオン性ポリマーを配合することによって、とくに、着色剤が顔料タイプからなる水性のインクジェットインキによって印字された印刷物の耐擦過性が向上する。上記のカチオン性ポリマーは、1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマーおよびポリマー、ジメチルアミン−エピクロロヒドリン重縮合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、ポリビニルアミン共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ジアリルアミン−マレイン酸共重合体など、好ましくはポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ジアリルアミン−マレイン酸共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体などが挙げられる。上記のカチオン性ポリマーは、例えば、センカ(株)からユニセンスCP104の商品名で入手して本発明で使用することができる。 【0018】上記のカチオン性ポリマーを使用する場合、その配合量は、前記のカチオン性無機微粒子(c)100重量部に対して、10〜30重量部である。カチオン性ポリマーの配合量が上記上限を越える場合には、得られる光沢層(B)のインキの吸収性が低下する。一方、カチオン性ポリマーの配合量が上記下限未満の場合には、目的とする印字物の耐擦過性の向上効果が得られない。 【0019】本発明のインキ受容層を構成するインキ吸収層(A)および光沢層(B)には、他に、分散剤、防腐剤、界面活性剤、帯電防止剤、消泡剤、紫外線吸収剤などの公知の添加剤を本発明の目的を妨げない範囲において添加して使用することができる。本発明の被記録材料の製造に使用する塗布液は、前記の成分を、適当な溶媒、例えば、水(水、イオン交換水など)を主体とし、イソプロピルアルコールなどのアルコール類などの親水性溶媒を添加した水溶液に、均一に混練して分散均質化することによって得られ、該塗布液をプライマー処理された基材に塗布し、乾燥して本発明の被記録材料が提供される。 【0020】上記のプライマー処理した基材としては、プライマーとして、例えば、ポリエステル系、ビニール系、アクリル系、ウレタン系、アミン系、ポリエチレン系などのプライマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を塗布した、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、合成紙、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロースなどの合成樹脂フィルムが挙げられ、好ましくはポリエステル系またはアクリル系プライマー処理したポリエステルフィルム、合成紙およびポリ塩化ビニルフィルムが挙げられる。上記の基材は、基材とプライマーとの接着性向上の目的で、コロナ放電処理などの前処理をして使用することができる。 【0021】上記基材への前記のインキ吸収層(A)および光沢層(B)を形成するための塗布液のコーティング方法としては、従来のコーティング設備を使用して、例えば、コンマコーター、ロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター、スプレイコーター、カーテンコーターなど公知コーティング方法が使用できる。好ましくは、インキ吸収層(A)を形成するためにはコンマコーターを、また、光沢層(B)を形成するためには、ダイコーターを使用して行うことが適している。上記塗布液の乾燥条件は、上記基材およびインキ受容層の劣化を誘因しない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは100〜110℃である。 【0022】上記のコーティング方法によるインキ吸収層(A)形成用塗布液の塗布量は30〜50g/m2(乾燥厚み)が好ましく、上記塗布量が、上記上限を越える場合には、得られるインキ吸収層の塗膜強度が低下し、また、コストアップになる。一方、塗布量が、上記下限未満の場合には、インキ吸収層のインキの吸収性が低下する。 【0023】また、前記の非膨潤性樹脂(a)およびカチオン性無機微粒子(c)とから構成される光沢層(B)の塗布量は、0.3〜2.0g/m2(乾燥厚み)が好ましく、塗布量が、上記上限を越える場合には、インキが光沢層を通過して、インキ吸収層に到達することが困難になり、乾燥不良により画像再現性が低下する。一方、塗布量が上記下限未満の場合には、光沢層として十分な光沢が得られない。 【0024】本発明の被記録材料は、着色剤として顔料タイプおよび染料タイプを使用した公知の水性系のインクジェットインキの両タイプのインクジェットインキによるプリントに適しており、とくに顔料タイプのインキを使用して印字した場合の印字物の耐擦過性が向上する。また、本発明の被記録材料に対する水性系のインクジェットインキの印字条件およびプリンターは、とくに限定されるものではなく、通常のインクジェット用プリンターおよび印字条件にて印字可能である。 【0025】上記のインクジェットインキに使用される着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、群青、紺青、弁柄、亜鉛華などの無機顔料、アリリド系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、キナクリドン系、ピラトロン系、ジオサジン系、インダストロン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリレン系、キノフタロン系などの有機顔料およびアゾ染料、キノリン染料、インジゴ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、ニトロ染料、金属錯塩染料などの染料が挙げられる。 【0026】 【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは重量基準である。(実施例1〜2および比較例1〜2および参考例1)下記の成分を均一に撹拌混合し、インキ吸収層用塗布液G1〜G2と、光沢層用塗布液H1〜H3とを調製し、25μmのポリエステルフィルムにアクリル系のプライマー処理を行い、該プライマー処理された基材に、まず、コンマコーターを使用して上記のインキ吸収層用塗布液を40g/m2(乾燥厚み)に塗工し、100〜110℃の雰囲気下で乾燥後、次にダイコーターを使用して光沢層用塗布液を0.5g/m2(乾燥厚み)に塗工して、本発明と比較例および参考例の被記録材料W1〜W5を調製した。 実施例1(W1) (塗布液G1)<インキ吸収層>・非膨潤性樹脂(a) 4.50部・無機微粒子(b) 18.00部・イオン交換水 71.50部・イソプロピルアルコール 6.00部(塗布液H1)<光沢層>・非膨潤性樹脂(a) 0.05部・カチオン性無機微粒子(c) 1.00部・カチオン性ポリマー 0.10部・イオン交換水 89.85部・イソプロピルアルコール 9.00部なお、上記成分は下記の通りである。 【0027】・非膨潤性樹脂(a) 変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、エクセバールRS2117、けん化度97.0〜99.0%、平均重合度1,700) ・無機微粒子(b) アルミナドープシリカ(日本アエロジル(株)製、MOX−8、平均粒径30nm以下) ・カチオン性無機微粒子(c) カチオン性球状コロイダルシリカ(クラリアント(株)製、クレボゾール 30CAL25、平均粒径200nm以下) ・カチオン性ポリマーセンカ(株)製、ユニセンスCP104【0028】実施例2(W2) 実施例1の塗布液H1中のカチオン性ポリマーを除いて塗布液H2を調製した以外は実施例1と同様にして本発明の被記録材W2を調製した。 【0029】比較例1(W4) 実施例1の塗布液G1およびH1における非膨潤性樹脂(a)に代えて、部分けん化ポリビニルアルコール(けん化度78.5〜89.5%)を使用して塗布液G2および塗布液H3を調製した以外は実施例1と同様にして比較例の被記録材W4を調製した。 【0030】比較例2(W5) 実施例1における塗布液H1を使用しないで、塗布液G1のみを使用する以外は実施例1と同様にして比較例の被記録材W5を調製した。 【0031】参考例(W3) 実施例1の塗布液H1の塗布量0.5g/m2を5g/m2にする以外は実施例1と同様にして参考例の被記録材W3を調製した。 【0032】上記で得られた各々の被記録材料単体の光沢性、耐カール性および塗膜強度と、各々の被記録材料のインキ受容層に、市販の水性系の顔料および染料タイプの墨およびカラーのインクジェットインキを使用して、エプソン(株)製のインクジェットプリンター MC−2000(顔料タイプに使用)およびPM−670C(染料タイプに使用)にて、解像度1,440dpiの印字を行い、被記録材料のインキの吸収性、耐水性および印字物の耐擦過性に関して下記の測定方法により評価した。評価結果を表1に示す。 【0033】(光沢性)光沢層の光沢を鏡面光沢計を使用して入射角60°における入反射率(%)を測定する。 【0034】(塗膜強度)光沢層の表面に市販のセロハンテープを指でこすって密着させ、密着後、セロハンテープを剥離して光沢層およびインキ吸収層の剥離の状態を下記の基準で判定した。 ◎:光沢層およびインキ吸収層の剥離が全く認められない。 ×:光沢層およびインキ吸収層の剥離が部分的あるいは全面的に認められる。 【0035】(耐カール性)各々の被記録材料を40℃、RH90%の条件下において2〜3日間放置し、放置後、該被記録材料のカールの状態を下記の基準にて判定した。 ◎:カールが全く認められない。 ○:カールがほとんど認められない。 △:カールがわずかに認められる。×:カールがかなり認められる。 【0036】(インキ吸収性)目視にて、前記印字物の印刷直後のインキの吸収定着状態を下記の基準で判定した。 ◎:インキ受容層の表面に直にインキが浸透する。 ○:インキ受容層の表面にインキの滲み、あるいはインキの不浸透に伴う残留が認められない。 △:インキ受容層の表面にインキの滲み、あるいはインキの不浸透に伴う残留が、わずかに認められる。 ×:インキ受容層の表面にインキの滲み、およびインキが浸透せず表面に部分的あるいは全面に残留する。 【0037】(耐水性)綿棒に水を浸し、該綿棒にて前記印刷物の表面を5回程度こすり、インキ受容層からのインキの脱落状態を下記の基準で判定した。 ◎:印字部のインキの脱落が全く認められない。 ○:印字部のインキの脱落がほとんど認められない。 △:印字部のインキの脱落がわずかに認められる。 ×:印字部のインキの脱落が部分的あるいは全面的に認められる。 【0038】(耐擦過性)顔料タイプの水性インクジェットインキによる印字物の表面に、市販のセロハンテープを指でこすって密着させ、密着後、セロハンテープを剥離してインキの脱離の状態を下記の基準で判定した。 ◎:インキの脱離が全く認められない。 ×:インキの脱離が部分的あるいは全面的に認められる。 【0039】
上記表1のインキαは、染料タイプの水性インクジェットインキを、また、インキβは、顔料タイプの水性インクジェットインキを表わす。 【0040】 【発明の効果】本発明の被記録材料は、高光沢性を有し、塗膜強度および耐カール性が優れており、また水性系の顔料または染料タイプのインクジェットインキに対して、優れたインキの吸収性と耐水性のバランスおよび顔料インキに対する耐擦過性を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183923 【氏名又は名称】ザ・インクテック株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市緑区青砥町450番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月13日(2002.5.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081787 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 輝晃
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| 【公開番号】 |
特開2003−326840(P2003−326840A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−137193(P2002−137193) |
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