| 【発明の名称】 |
インクジェット記録用紙 |
| 【発明者】 |
【氏名】野島 隆彦 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】牛久 正幸 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】▲高▼ 友香子 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、ブリーディング耐性が優れ、ひび割れ、塗布はじき等の塗布故障がなく、更に、ブロンジングを悪化させることなく、プリント後の保存中の滲み耐性に優れたインクジェット記録用紙を提供することである。
【解決手段】非吸水性支持体上に、無機微粒子、バインダーを含有する多孔質層をインク受容層として有するインクジェット記録用紙において、該インク受容層が多価金属化合物と、アセチレングリコール化合物またはアセチレンアルコール化合物とを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非吸水性支持体上に、無機微粒子、バインダーを含有する多孔質層をインク受容層として有するインクジェット記録用紙において、該インク受容層が多価金属化合物と、アセチレングリコール化合物またはアセチレンアルコール化合物とを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。 【請求項2】 前記多価金属化合物が、分子内にジルコニウム原子またはアルミニウム原子を有する化合物(但し、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを除く)であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。 【請求項3】 前記無機微粒子の一次平均粒径が、3〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。 【請求項4】 前記無機微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。 【請求項5】 前記シリカ微粒子が、気相法シリカであることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録用紙。 【請求項6】 前記バインダーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。 【請求項7】 前記インク受容層が、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。 【請求項8】 前記第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録用紙。 【化1】
〔式中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。R1、R2及びR3は各々アルキル基又はベンジル基を表す。Jは単なる結合手又は2価の有機基を表す。X-はアニオン基を表す。〕
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、写真画質のプリントを形成するインクジェット記録用紙に関し、詳しくは、ブリーディング耐性が優れ、ひび割れ、塗布はじき等の塗布故障がなく、更に、ブロンジングを悪化させることなく、プリント後の保存中の滲み耐性に優れたインクジェット記録用紙に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、インクジェット記録材料は、急速にその画質向上が図られ、写真画質に迫りつつある。特に、写真画質に匹敵する画質をインクジェット記録で達成するために、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の面からもその改良が進んでおり、高平滑性の支持体上に微粒子と親水性ポリマーからなる微小な空隙層を設けた空隙型の記録用紙は、高い光沢を有し、鮮やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れていることから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。特に、非吸水性支持体を使用した場合は、吸水性支持体に見られるようなプリント後のコックリング、いわゆる「しわ」の発生がなく、高平滑な表面を維持できるため、より高品位なプリントを得ることができる。 【0003】インクジェット記録は、一般に、水溶性染料インクを用いる場合と顔料インクを用いる場合とに大きく分けられる。顔料インクは、画像の耐久性が高いが、画像様に光沢が変化しやすく、その結果、写真画質に近いプリントを得にくく、一方、水溶性染料インクを用いると、画像の鮮明性が高く、かつ均一な表面光沢を有する写真画質に匹敵するカラープリントが得られる。 【0004】しかしながら、この水溶性染料は親水性が高いため、滲みが発生したり耐水性が劣るという欠点を有している。すなわち、画像記録後に、高湿下で長期間保存したり、プリント面上に水滴が付着した場合、染料が滲みやすい特性を有している。 【0005】この問題を解決するため、一般には、カチオン性物質のような染料固着性物質を多孔質層中に添加しておくことが行われている。例えば、カチオン性ポリマーを用いてアニオン性の染料と結合させ、強固に不動化する方法が好ましく用いられている。このようなカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム塩の重合物等があげられ、例えば、「インクジェットプリンター技術と材料」(株式会社シーエムシー発行 1998年7月)や特開平9−193532号に記載されている。また、水溶性の多価金属イオンを予めインクジェット記録用紙中に添加しておき、インクジェット記録時に染料を凝集固着させて不動化させる方法も提案されている。 【0006】しかしながら、かかるカチオン性ポリマーや水溶性多価金属イオンの添加により、滲み耐性や耐水性を高めれば、染料が凝集して表面で凝集しやすくなり、その結果として、画像表面が金属光沢状のブロンジング現象を起こしやすくなる。このブロンジング現象は、一般にプリントを高湿状態で保管した場合に起きやすくなる。 【0007】一方、ジルコニウム原子やアルミニウム原子を含有する化合物をインクジェット記録用紙に用いることが既に知られている。例えば、特開昭55−53591号、同55−150396号、同56−86789号、同58−89391号および同58−94491号には、水溶性染料と結合して難溶性塩を形成する水溶性多価金属塩を添加したインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開昭60−67190号、同61−10484号及び同61−57379号には、カチオン性ポリマーと水溶性多価金属塩を添加したインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開昭60−257286号には、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物を含有したインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開平10−258567号には、親水性高分子と第4A族元素含有水溶性化合物を併用する方法が、特開平10−309862号には親水性高分子と多価カルボン酸にジルコニル化合物を併用する方法が開示されている。さらに、ジルコニウム元素を含む化合物に関しては、特開平4−7189号に多孔性顔料と酸塩化ジルコニウム化合物を用いた方法が開示されている。同公報には、酸塩化ジルコニウム塩の添加により、比較的少量のバインダーで接着強度が得られ、画質向上が図れたと記載されている。また、特開平6−32046号には、ジルコニウム化合物をシリカと変性ポリビニルアルコールと組み合わせた方法が開示されている。さらに、欧州特許第754,560号には、水溶性バインダー、顔料、ジルコニウム化合物、カチオン性ポリマーを併用する方法が開示されている。 【0008】しかしながら、上記のような水溶性多価金属塩を含有させる場合、充分な滲み耐性や耐水性を向上させる効果を得るまで添加量を増すと、ブロンジングを引き起こしやすく、又はブロンジングを引き起こさないように添加量を減らすと滲み耐性が不十分になりやすい欠点があることが判明した。 【0009】また、インクジェット記録方式で使用される記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合においても、インクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかで、画像がぼやけないこと等が一般的には要求されている。 【0010】特開昭60−171190号には、HLB4〜10の特定の非イオン性界面活性剤を用いることによりインク吸収性を高めることが、特開昭60−198285号にはアニオン性またはノニオン性界面活性剤をインク吸収層塗工液に含有させることでインクジェット吸収層表面の濡れ性を改良して記録画像の画素系を大きくすることが、特開昭61−209190号にはポリエチレンオキサイドをインク吸収層に含有するインクジェット記録用紙が、特開昭62−21579号ではアルキルイミダゾリン型両性界面活性剤を含有するインクジェット記録シートが、特開昭61−89082ではシリコーン系界面活性剤による色ズレ、画像解像度の改善の提案、特開昭58−147469では酸アミド型活性剤を表面に含有するメディアによる高解像度化、第2514194号ではカチオン性界面活性剤による色ズレ、滲み込みを改良する方法が提案されている。 【0011】しかしながら、本研究者らが鋭意研究の結果、上記提案された方法では、色ズレが軽減され、記録用紙製造時のはじき故障は改善されるものの未だ不十分であり、更に、ひび割れ耐性が劣化するばかりではなく、近年の高画質、高速印字化されたプリンターを用いて印字した場合、インク吐出量の多い高濃度領域でのブリーディングやブロンジングが生じやすいことが判明した。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、その目的は、ブリーディング耐性が優れ、ひび割れ、塗布はじき等の塗布故障がなく、更に、ブロンジングを悪化させることなく、プリント後の保存中の滲み耐性に優れたインクジェット記録用紙を提供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。 【0014】1.非吸水性支持体上に、無機微粒子、バインダーを含有する多孔質層をインク受容層として有するインクジェット記録用紙において、該インク受容層が多価金属化合物と、アセチレングリコール化合物またはアセチレンアルコール化合物とを含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。 【0015】2.前記多価金属化合物が、分子内にジルコニウム原子またはアルミニウム原子を有する化合物(但し、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを除く)であることを特徴とする前記1項記載のインクジェット記録用紙。 【0016】3.前記無機微粒子の一次平均粒径が、3〜100nmであることを特徴とする前記1又は2項に記載のインクジェット記録用紙。 【0017】4.前記無機微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。 【0018】5.前記シリカ微粒子が、気相法シリカであることを特徴とする前記4項記載のインクジェット記録用紙。 【0019】6.前記バインダーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。 【0020】7.前記インク受容層が、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを含有することを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。 【0021】8.前記第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることを特徴とする前記7項に記載のインクジェット記録用紙。 【0022】本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、非吸水性支持体上に、無機微粒子、バインダーを含有する多孔質層をインク受容層(以下、インク吸収層ともいう)として有するインクジェット記録用紙において、該インク受容層が多価金属化合物と、アセチレングリコール化合物またはアセチレンアルコール化合物とを含有することにより、インク吸収性、ブリーディング耐性が優れ、ひび割れ、塗布はじき等の塗布故障がなく、さらに、ブロンジングを悪化させることなく、水溶性染料に対してプリント後の保存中の滲み耐性に優れたインクジェット記録用紙を提供できることを見出し、本発明に至った次第である。 【0023】特に、多価金属化合物をインク受容層に添加すると、滲み耐性は向上するが、画像表面が画像様に金属光沢状のブロンジング現象を起こし易くなることが、本発明者らの研究により判明している。この機構は明らかではないが、多価金属化合物は、記録用紙に水溶性染料インクが印字された際に、インク中の水分により拡散し、染料が固着して不動化すると共に、多価金属化合物が染料を凝集・析出させる、または、染料が固着している多価金属化合物が凝集・析出するためにブロンジングが起こると本発明者は考えている。 【0024】本発明は、画像保存の際の滲みを抑えるために用いる上記多価金属化合物に起因するブロンジングを抑えることがひとつの目的である。本発明によって、滲み耐性を改良し、ブロンジングが抑えられることの機構は明確ではないが、本発明のアセチレングリコール化合物又はアセチレンアルコール化合物が共存することにより、多価金属化合物と染料の結晶化を抑制するためであると推定している。 【0025】以下、本発明の詳細について説明する。 (アセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物)本発明の記録用紙においては、インク吸収層中に後述の多価金属化合物と共に、アセチレングリコール化合物またはアセチレンアルコール化合物を含有することが特徴である。 【0026】本発明で用いることのできるアセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物としては、特に制限はないが、以下に説明するアセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物が好ましい。 【0027】本発明で用いられるアセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物は、下記一般式(2)、(3)、(4)で表される化合物である。 【0028】 【化2】
【0029】一般式(2)において、R4、R6はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基、R5、R7はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基又はアリル基を表す。R4、R6としてはそれぞれがメチル基であることが好ましく、R5、R7はそれぞれがイソブチル基であることが好ましい。m、nはそれぞれ0〜40までの整数を表し、好ましくは、m、nの和は2〜30であり、より好ましくは2〜10である。 【0030】 【化3】
【0031】一般式(3)において、R8、R10はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基、R9、R11はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基又はアリル基を表す。R8、R10はそれぞれがメチル基であることが好ましく、R9、R11はそれぞれエチル基又はイソブチル基であることが好ましい。 【0032】 【化4】
【0033】一般式(4)において、R12は炭素数1〜3のアルキル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基又はアリル基を表す。R12はメチル基であることが好ましく、R13はイソブチル基であることが好ましい。 【0034】本発明に係るアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は、分子中に三重結合を有し、その隣接炭素原子に水酸基およびアルキル基を有し、三重結合に対して左右対称構造であるものが好ましい。 【0035】本発明に係るアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は、ノニオン性ではあるが、三重結合とそれに隣接する水酸基の組み合わせにより、電子密度を非常に高め、分子中央部が強く極性を有する特徴がある。通常の他のノニオン性化合物とは異なる特性を有し、三重結合を二重結合、一重結合にしたものでは、本発明の効果を得ることはできない。 【0036】上記一般式(2)〜(4)で表される化合物の中で、本発明でより好ましく用いることのできる化合物は、一般式(2)で表されるアセチレングリコール化合物である。 【0037】本発明で用いられるアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は市販品として入手することができ、例えば、日信化学工業(株)製のサーフィノール、オルフィン、川研ファインケミカル社製のアセチレノールが挙げられる。 【0038】本発明に係るアセチレングリコール化合物又はアセチレンアルコール化合物の含有量としては、記録用紙1m2当たり1〜1000mgが好ましく、5〜300mgがより好ましい。 【0039】本発明に係るアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は界面活性剤として作用し、その添加方法としては、塗布液にあらかじめ界面活性剤溶液として添加する方法、塗布液を支持体に塗布し、乾燥する前に塗布面に界面活性剤溶液として付与する方法、塗布乾燥後の多孔質層に界面活性剤溶液として含浸させる方法などが挙げられるが、塗布液にあらかじめ添加する方法、塗布液を支持体に塗布した後、乾燥する前に塗布面に界面活性剤溶液として付与する方法がより好ましい。 【0040】なお、インクジェット記録用紙において、アセチレングリコール化合物やアセチレンアルコール化合物をインクジェット記録用紙に用いることは既に知られている。例えば、特開平3−43291号、特開平11−286163号には吸収性紙支持体上にアセチレングリコールと微粒子とバインダーを有すインク受容層が設けられたインクジェット用紙が記載されている。また、特開2002−19279には、吸収性紙支持体上にアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を有するインク吸収層の上に、キャスト処理によって塗設される光沢発現層を有するインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開平2−551187号には基材上にインク保持層と、界面活性剤とアセチレングリコール及び/またはアルコールを併有するインク輸送層からなる被記録材が開示されている。さらに、特開平11−138978号には基材上にアルミナ水和物とポリビニルアルコールとアセチレングリコールを有するインク吸収層を設けたインクジェット記録用紙が開示されている。しかしながら、上述の各特許には、多価金属化合物の使用時の課題を踏まえ、本発明で規定する多価金属化合物との併用により、本発明の効果を十分発揮させるような記載は一切見られない。 【0041】(多価金属化合物)本発明の記録用紙では、インク吸収層中に上述したアセチレングリコール化合物又はアセチレンアルコール化合物と共に、多価金属化合物を含有せしめることが特徴である。 【0042】以下、本発明のインクジェット記録用紙に好ましく用いられるジルコニウム原子又はアルミニウム原子を有する化合物(但し酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムを除く)について説明する。 【0043】本発明のインクジェット記録用紙に好ましく用いられる分子内にジルコニウム原子又はアルミニウム原子を有する化合物(但し、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムを除く)について説明する。 【0044】本発明のインクジェット記録用紙に用いられるジルコニウム原子又はアルミニウム原子を有する化合物は、その化合物自身は水溶性であっても非水溶性であっても良いがインク吸収層に均一に添加できるものであればよい。 【0045】本発明で用いることのできるジルコニウム原子又はアルミニウム原子を含有する化合物は、無機酸や有機酸の単塩および複塩、有機金属化合物、金属錯体などのいずれであっても良い。 【0046】本発明で用いることのできるジルコニウム原子を有する化合物の具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(例えば、塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウムなどが挙げられる。これらのジルコニウム原子を含む化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましく、特に、炭酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウムがより好ましい。 【0047】本発明で用いることのできるアルミニウム原子を有する化合物の具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩等)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩等)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩など)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。 【0048】本発明においては、分子内にアルミニウム原子を有する化合物の中でも、ポリ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸アルミニウム化合物又はポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物であることが好ましい。 【0049】ポリ塩化アルミニウム化合物は、一般式〔Al2(OH)nCl6-n〕m、〔Al(OH)3〕n・AlCl3で示されるものであり、例えば、〔Al6(OH)15〕3+、〔Al8(OH)20〕4+、〔Al13(OH)34〕5+などのような塩基性で、かつ高い陽電子を持った多核縮合イオン(高分子性)を有効成分として、安定に含んでいるポリ塩化アルミニウムである。 【0050】ポリ塩化アルミニウム化合物の市販品としては、例えば、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニウム(Paho)、多木化学(株)製のポリ塩化アルミニウム(PAC)、(株)理研グリーン製のピュラケムWTが挙げられる。 【0051】また、ポリ硫酸アルミニウム化合物は、一般式〔Al2(OH)n(SO4)6-n/2〕m(ただし、0<n<6)で表されるものであり、市販品としては浅田化学(株)製の塩基性硫酸アルミニウム(AHS)が挙げられる。 【0052】ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物の市販品としては、日本軽金属(株)製のPASSが挙げられる。 【0053】上記ジルコニウム原子又はアルミニウム原子を含む化合物は、インク吸収層を形成する塗布液に添加してから塗布乾燥しても良いし、多孔質層を一旦塗布乾燥した後、インク吸収層にオーバーコート法により供給しても良い。 【0054】上記ジルコニウム原子又はアルミニウム原子を含む化合物をインク吸収層を形成する塗布液に添加する場合、水や有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に均一に溶解して添加すること、あるいはサンドミルなどの湿式粉砕法や乳化分散などの方法により微細な粒子に分散して添加することができる。インク吸収層が複数の層から構成される場合には、1層のみ添加してもよく、2層以上の層あるいは全ての層を形成する塗布液に添加することもできる。 【0055】また、多孔質のインク吸収層を一旦形成した後、オーバーコート方法により添加する場合には、均一な溶液に溶解して添加するのが好ましい。 【0056】ジルコニウム原子又はアルミニウム原子を含む化合物は、インクジェット記録用紙1m2当たり、通常0.01〜5g、好ましくは0.05〜2g、特に好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。 【0057】上記多価金属化合物は2種以上を併用しても良く、この場合、ジルコニウム原子を含む化合物を2種以上併用することも、アルミニウム原子を含む化合物を2種以上併用することも、更には、ジルコニウム原子とアルミニウム原子を含む化合物を併用することもできる。 【0058】なお、インクジェット記録用紙において、ジルコニウム原子やアルミニウム原子を含有する化合物を用いることは既に知られており、例えば、特開昭55−53591号、同55−150396号、同56−867789号、同58−89391号および同58−94491号には水溶性染料と結合して難溶性塩を形成する水溶性多価金属塩を添加したインクジェット記録用紙が記載されている。また、特開昭60−67190号、同61−10484号、同61−57379号にはカチオン性ポリマーと水溶性多価金属塩を添加したインクジェット記録用紙が記載されている。また、特開昭60−257286号には塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物を含有したインクジェット記録用紙が記載されている。また、特開平10−258567号には親水性高分子と第4A族元素含有水溶性化合物を併用する方法が、特開平10−309862号には親水性高分子と多価カルボン酸にジルコニル化合物を併用する方法が開示されている。 【0059】さらに、ジルコニウム元素を含む化合物に関しては、特開平4−7189号に多孔性顔料とオキシ塩化ジルコニウム化合物を用いた方法が開示されている。該明細書には、オキシ塩化ジルコニウム塩の添加により、比較的少量のバインダーで接着強度が得られ、画質向上がはかれたとの記載がある。また、特開平6−32046号にはジルコニウム化合物をシリカと変性ポリビニルアルコールと組み合わせる方法が開示されている。 【0060】しかしながら、上述の各特許には、本発明に係るアセチレングリコール化合物又はアセチレンアルコール化合物、特には、前記一般式(2)〜(4)で表される化合物との併用により、本発明の効果を十分発揮させるような記載は一切見られない。 【0061】(無機微粒子)次に、本発明の無機微粒子について説明する。 【0062】本発明で用いることのできる無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。 【0063】その様な無機微粒子は、一次粒子のまま用いても、また、二次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。 【0064】請求項3に係る発明では、無機微粒子の一次平均粒径が、3〜100nmであることが好ましく、また請求項5に係る発明では、無機微粒子が、シリカ微粒子であることが好ましく、また請求項6に係る発明では、シリカ微粒子が、気相法シリカであることが好ましい。本発明においては、特に、微細な空隙が形成出来る観点から、シリカ又は擬ベーマイトが好ましく、更に一次平均粒径が3〜100nmのシリカが好ましく、特に好ましくは一次平均粒径が3〜100nmの気相法により合成されたシリカである。 【0065】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。 【0066】上記微粒子の使用量は記録用紙1m2当たり概ね3〜30g、好ましくは5〜25gである。 【0067】(バインダー)本発明に係るインク吸収層に用いられるバインダーとしては、疎水性バインダー又は親水性バインダーが用いられるが、好ましくは親水性バインダーである。 【0068】親水性バインダーとしては、例えば、ゼラチン(アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、アミノ基をフェニルイソシアネートや無水フタル酸等で封鎖した誘導体ゼラチンなど)、ポリビニルアルコール(平均重合度が300〜5000、ケン化度が80〜99.5%が好ましい)、ポリビニルピロリドン、ポリエチオレンオキシド、ヒドロキシルエチルセルロース、寒天、プルラン、デキストラン、アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アルギン酸等が挙げられ、2種類以上を併用することもできる。これらの中、好ましい親水性ポリマーはポリビニルアルコールである。 【0069】ポリビニルアルコールは酢酸ビニルを加水分解して得られ、本発明では平均重合度が300以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられる。 【0070】また、ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。 【0071】ポリビリルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。また、ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど2種類以上を併用することもできる。 【0072】上記無機微粒子の使用量は、親水性バインダーに対して質量比で概ね1.5〜12倍であり、好ましくは2〜10倍、特に好ましくは3〜8倍である。 【0073】(架橋剤)親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合、空隙層中には皮膜の造膜性を改善し、また皮膜の耐水性や強度を高めるために、架橋剤を含有することが好ましい。 【0074】架橋剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩、エポキシ系架橋剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系架橋剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系架橋剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミ明礬、イソシアネート系化合物等が挙げられるが、その中でもホウ酸又はその塩が含有されることが好ましい。 【0075】ホウ酸又はその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体的にはオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸およびそれらの塩が含まれる。 【0076】ホウ酸又はその塩の使用量は、塗布液の無機微粒子や親水性バインダーの量により広範に変わり得るが、親水性バインダーに対して概ね1〜60質量%、好ましくは5〜40質量%である。 【0077】ホウ酸又はその塩は、本発明に用いられる多孔質層形成用水溶性塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加してもよく、あるいは多孔質層形成用の水溶性塗布液(架橋剤非含有)を塗布・乾燥した後で、ホウ酸又はその塩を含む溶液をオーバーコートするなどして供給することができる。 【0078】上記ホウ酸に加えて、他の架橋剤を併用することもできる。架橋剤の使用量は、親水性バインダーの種類、架橋剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、例えば、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを用いる際には、通常、ポリビニルアルコール1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。 【0079】(カチオン性ポリマー)次に、本発明に係るカチオン性ポリマーについて説明する。 【0080】本発明の記録用紙のインク吸収層に用いられるカチオン性ポリマーとして、特に制限はなく、インクジェット記録用紙で従来公知のカチオン性ポリマーが挙げられ、その中でも、請求項9に係る発明においては、インク受容層が、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを含有することが好ましい。例えば、特開昭57−64591号に記載のグアニジル基を有するカチオン性ポリマー、特開昭59−20696号に記載のジメチルジアリルアンモニウムクロライド、特開昭59−33176号に記載のポリアミンスルホン類、特開昭63−115780号の(メタ)アクリル酸アルキル第4級アンモニウム塩又は(メタ)アクリルアミドアルキル第4級アンモニウム塩型カチオン性ポリマー、特開昭64−9776号および同64−75281号に記載のジメチルアリルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの共重合ポリマー、特開平3−133686号に記載の繰り返し単位中に第4級窒素原子を2個以上含有するカチオン性ポリマー、特開平4−288283号に記載の第4級アンモニウム塩基を有するポリビニルピロリドン、特開平6−92010号および同6−234268号に記載の2級アミンとエピハロヒドリンとの反応により得られるカチオン性ポリマー、国際特許公開99−64248号に記載のポリスチレン型カチオン性ポリマー、特開平11−348409号に記載の2種以上のカチオン性基を有する繰り返し単位からなるカチオン性ポリマーなどを挙げることができる。 【0081】請求項10に係る発明においては、第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。 【0082】前記一般式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基が好ましい。R1、R2及びR3で表されるアルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基又はベンジル基である。Jで表される2価の有機基としては、好ましくは−CON(R′)−を表す。R′は水素原子又はアルキル基を表す。 【0083】Xで表されるアニオン基としては、例えば、ハロゲンイオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸塩などを挙げることができる。 【0084】好ましいカチオン性ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマーであってもよく、他の共重合可能な単量体との共重合であってもよい。共重合可能な繰り返し単位としては、前記一般式(1)以外のカチオン性単量体および、カチオン性基を有しない単量体を挙げることができる。 【0085】カチオン性基を有する単量体としては、例えば、下記の繰り返し単位を挙げることができる。 【0086】 【化5】
【0087】カチオン性基を有しない共重合可能な繰り返し単位としては、例えば、エチレン、スチレン、ブタジエン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、アクリルニトリルなどを挙げることができる。 【0088】本発明で好ましく用いられるカチオン性ポリマーが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する場合、前記一般式(1)で表される繰り返し単位は、好ましくは20モル%以上、特に好ましくは40〜100モル%である。 【0089】本発明に係る一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカチオン性ポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0090】 【化6】
【0091】 【化7】
【0092】 【化8】
【0093】上記カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、概ね3000〜20万であり、好ましくは5000〜10万である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められたポリエチレングリコール換算の値で表す。 【0094】本発明に係るカチオン性ポリマーの使用量は、記録用紙1m2当たり、概ね0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gである。 【0095】(その他の各種添加剤)本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層には、上記以外の各種の添加剤を用いることができ、例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、アニオン、カチオン又は非イオン性の各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。 【0096】(支持体)次に、本発明のインクジェット記録用紙に用いられる支持体について説明する。 【0097】本発明のインクジェット記録用紙に用いられる支持体は、非吸水性支持体である。吸水性支持体を用いた場合、ジルコニウム原子又はアルミニウム原子を含む化合物が、インク吸収層を形成する際やその後の保存中に支持体中へ拡散してしまい、本発明の効果を十分に発揮することができない。 【0098】本発明に用いられる非吸水性支持体としては、例えば、プラスチック樹脂フィルム支持体、あるいは紙の両面をプラスチック樹脂フィルムで被覆した支持体が挙げられる。プラスチック樹脂フィルム支持体としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらの積層したフィルム支持体等が挙げられる。これらのプラスチック樹脂フィルムは、透明又は半透明なものも使用できる。 【0099】本発明においては、プリント時のコックリング(しわ)が発生しない非吸水性支持体が好ましく、特に好ましい非吸収性支持体は、紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した支持体であり、最も好ましいのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体である。 【0100】以下、本発明で特に好ましい非吸収性支持体である紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について説明する。 【0101】本発明に係る非吸収性支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/又はLDPの比率は10〜70%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。 【0102】紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。 【0103】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。 【0104】紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。 【0105】紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。 【0106】紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。 【0107】紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。 【0108】次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。 【0109】以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。 【0110】ポリオレフィン層中には白地の調整を行うための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加することができる。着色顔料としては、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。 【0111】紙の表裏のポリエチレンの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。 【0112】更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体は、以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。 【0113】(1)引っ張り強さは、JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196Nであることが好ましい。 【0114】(2)引き裂き強度は、JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい。 【0115】(3)圧縮弾性率は、9.8kN/cm2が好ましい。 (4)不透明度は、JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい。 【0116】(5)白さは、JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい。 【0117】(6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい。 【0118】(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい。 (8)インク受容層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。 【0119】本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層は、単一の層構成を有するインク吸収層であっても多層構成からなるインク吸収層であっても良いが、非吸水性支持体から最も離れたインク吸収層が、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカチオン性ポリマーを少なくとも1種含有することが好ましい。 【0120】(その他の構成因子)本発明のインクジェット記録用紙の多孔質インク吸収層及び下引き層など必要に応じて適宜設けられる各種の層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい塗布方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設、乾燥して得られる。この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に、全ての親水性バインダー層を1回の塗布で形成する、同時塗布が好ましい。 【0121】塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。 【0122】本発明のインクジェット記録用紙の記録面の膜面pHは3.0〜7.5が好ましい。膜面pHが3.0以上の場合にはインクジェットで記録した際に染料が析出して金属状に光沢が変化するいわゆるブロンジングを引き起こしにくく、また、膜面pHが7.5以下であれば、十分な滲み耐性を発揮することができる。 【0123】本発明に係る記録面の膜面pHの測定はJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した。 【0124】本発明において記録面の膜面pHは、記録面を形成する塗工液のpHを調整することにより所定の範囲にすることができる。また、記録面を形成した後、適当なpH調整剤をオーバーコートすることにより所定の範囲にすることもできる。pH調整剤としては適当な酸やアルカリの水溶液を用いることもでき、この場合、使用する酸やアルカリの種類、濃度は、調整するpHの幅によって適宜選択することができる。 【0125】本発明のインクジェット記録用紙を用いて画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好ましく用いられる。なお、本発明のインクジェット記録用紙は、特に水溶性染料インクを用いたインクジェット記録において特に効果が大きく好ましいが、顔料インクを用いたインクジェット記録でも使用することが出来る。 【0126】上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒体、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤としては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料あるいは水分散性顔料が使用できる。 【0127】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。 【0128】その他の水性インクの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、等が挙げられる。 【0129】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を良好にするために、20℃において、通常、25〜60mN/m、好ましくは30〜50mN/mの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。上記インクのpHは、好ましくは5〜10であり、特に好ましくは6〜9である。 【0130】 【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。なお、実施例中で記載の「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。 【0131】実施例1《支持体1の作製》含水率が6%、坪量が200g/m2の写真用原紙の裏面側に、押し出し塗布法により密度が0.92の低密度ポリエチレンを35μmの厚さで塗布した。次いで、表面側にアナターゼ型酸化チタンを5.5%含有する密度が0.92の低密度ポリエチレンを40μmの厚さで押し出し塗布法で塗布して両面をポリエチレンで被覆した支持体を作製した。表側にコロナ放電を行いポリビニルアルコールからなる下引き層を0.03g/m2、裏面にもコロナ放電を行った後ラテックス層を0.12g/m2に成るように塗布した。 【0132】《各分散液の調製》 (シリカ分散液−1の調製)一次粒子の平均粒径が約12nmの気相法シリカ(トクヤマ製:レオロシールQS−20)160kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpHを2.5に調整した480Lの純水(エタノール10Lを含有)中に室温で吸引分散した後、全量を600Lに純水で仕上げて、シリカ分散液−1を調製した。 【0133】(シリカ分散液−2の調製)カチオン性ポリマー(HP−1)を2.12kg、エタノールを2.2L、n−プロパノールを1.1L含有する水溶液(pH=2.3)15Lに、上記シリカ分散液−1の60.0Lを攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸320gとホウ砂190gを含有する水溶液8.0Lを添加し、サンノブコ株式会社消泡剤SN381を2g含有する水溶液200mlを添加した。 【0134】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で85Lに仕上げて、シリカ分散液−2を調製した。 【0135】 【化9】
【0136】《塗布液の調製》 (塗布液−1の調製)650mlの上記シリカ分散液−2を40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合して、塗布液−1を調製した。 【0137】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の10%水溶液 6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 260ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 95ml 界面活性剤(HS−1(*1))30%溶液 4ml アニオン性蛍光増白剤(チバスペシャリティーケミカルズ製;UVITEXNFW LIQUID9)の10%液 10ml純水で全量を1000mLに仕上げた。塗布液のpHは約4.5であった。 【0138】(*1)HS−1:花王製 コータミン24P(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド) 《記録用紙の作製》 (記録用紙101の作製)前記作製した支持体1に、上記塗布液−1を湿潤膜厚が160μmになるように塗布し、約7℃に一度冷却した後、20〜65℃の風を吹き付けて乾燥し、記録用紙101を作製した。 【0139】(記録用紙102の作製)上記記録用紙101の作製において、上記塗布液−1から界面活性剤(HS−1)を除いた以外は同様にして、記録用紙102を作製した。 【0140】(記録用紙103〜107の作製)上記記録用紙101の作製において、上記塗布液−1で用いた界面活性剤(HS−1)に代えて、表1に記載の各種界面活性剤を固形分量として同一添加量になるように用いた以外は同様にして、記録用紙103〜107を作製した。 【0141】なお、表1に記載の各種界面活性剤の詳細は、以下の通りである。 サポニン:メルク社製 サポニンホワイトピュアF142D:大日本インキ製 メガファックF−142D(フッ素系ノニオン性活性剤) NS204.5:日本油脂(株)製 NS−204.5(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル) P2310:竹本油脂(株)製 パイオニンP2310(プルロニックタイプ:ポリオキシエチレンポリプロピレン縮合物) オルフィンE1010:日信化学工業(株)製(本発明に係る一般式(2)で表される化合物。エチレンオキサイド付加モル数(N=m+n=10)) オルフィンE1010の構造を以下に示す。 【0142】 【化10】
【0143】オルフィンE1004:日信化学工業(株)製(本発明に係る一般式(2)で表される化合物で、上記オルフィンE1010とは、エチレンオキサイド付加モル数(N=m+n=3.5)違い) (記録用紙108の作製)上記記録用紙101の作製において、塗布液−1にポリ塩化アルミニウム化合物(多木化学工業(株)製PAC250A、酸化アルミニウム(Al2O3)換算濃度10%)を34ml添加し、水溶性保湿剤をポリビニルアルコールに対して7.0質量%となるように添加して同一容量に仕上げた塗布液−2を用いた以外は同様にして、記録用紙108を作製した。 【0144】(記録用紙109〜120の作製)上記記録用紙108の作製において、塗布液−2で用いたHS−1及びPAC250Aに代えて、表1に記載の各界面活性剤及び各多価金属化合物をそれぞれ固形分付量が同様になるように用いた以外は同様にして、記録用紙109〜120を作製した。 【0145】上記各記録用紙の作製に用いた界面活性剤及び多価金属化合物の詳細は、以下の通りである。 【0146】PAC250A:ポリ塩化アルミニウム化合物(多木化学工業(株)製、酸化アルミニウム(Al2O3)換算濃度10%) PASS:ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物(日本軽金属(株)製、示唆式[Al(OH)1.5(SO4)0.75(SiO2)0.04]、(Al2O3)換算濃度8.5%) ZC−2:酸塩化ジルコニウム系無機ポリマー(第一希元素化学工業(株)製) サーフィノール104:日信化学工業(株)製 本発明に係る一般式(3)で表される化合物で、以下のその構造を示す。 【0147】 【化11】
【0148】サーフィノール61:日信化学工業(株)製 本発明に係る一般式(4)で表される化合物で、以下のその構造を示す。 【0149】 【化12】
【0150】(記録用紙121の作製)上記記録用紙115の作製において、カチオン性ポリマー(HP−1)を用いたシリカ分散液−2を、カチオン性ポリマー(HP−2)用いたシリカ分散液−3に変更以外は同様にして、記録用紙121を作製した。 【0151】 【化13】
【0152】(記録用紙122〜124の作製)上記記録用紙115の作製において、多価金属化合物として、PAC250Aに代えて、表1に記載の各多価金属化合物をそれぞれ固形分付量が同様になるように用いた以外は同様にして、記録用紙122〜124を作製した。なお、記録用紙124については、界面活性剤として本発明に係る界面活性剤であるオルフィンE1010とサポニンを併用した。 【0153】以上のようにして得られた記録用紙101〜124は、それぞれ36℃で3日間保管した。 【0154】《インクジェット記録用紙の評価》以上の様にして作製した各記録用紙について、以下の方法により各種評価を行った。 【0155】(ひび割れの評価)各記録用紙のインク受容層面側についてルーペにより観察を行い、0.3m2当たりのひび割れの発生数をカウントした。 【0156】(ハジキ故障の評価)各記録用紙のインク受容層面側を目視観察し、6000m2当たりのハジキ故障の発生数をカウントした。 【0157】(ブリーディング耐性の評価)セイコーエプソン社製インクジェットプリンター・PM770Cで、R255/B255のそれぞれ相隣り合うパターンをベタ印字し、境界線のにじみ具合を目視観察し、下記の基準に則ってブリーディング耐性の評価を行った。 【0158】○:ブリーディングが全くなし△:稍認められるが実用上許容範囲×:実用上許容範囲外(滲み耐性の評価)各記録用紙に対して、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM770Cを用いて、純正マゼンタインクによるベタプリントを背景として、ブラックインクによる線幅が約0.3mmの細線をプリントした。次いで、プリント後直ちに、プリント試料の両面を、前記支持体1により上下各3枚ずつ重ねた後、輪ゴムで固定し、この積層試料を、50℃、相対湿度85%の雰囲気下で7日間保存した。次いで、保存前後でのブラックインクの線幅をマイクロデンシトメーターで測定(反射濃度が最大濃度の50%部分の幅を線幅とした)し、下式にしたがって滲み率測定した。この値が少ない程、滲み耐性が良好であることを示す。 【0159】滲み率=(画像保存後の線幅)/(画像保存前の線幅) ◎:滲み率が1〜1.2である○:滲み率が1.21〜1.4である△:滲み率が1.41〜1.6である×:滲み率が1.61以上である(ブロンジング耐性の評価)上記インクジェットプリンターで、各記録用紙上にブラックインクによるベタ画像をプリントし、23℃、相対湿度80%の雰囲気下で1週間保存した後、プリント画像の状態を目視観察し、ブロンジングの発生具合を下記の基準に則り評価した。 【0160】 ◎:ブロンジングが認められない○:わずかにブロンジングが認められるが問題ない△:一部でブロンジングが認められるが実用上問題ない×:ブロンジングが激しく認められる以上により得られた各評価結果を、表1に示す。 【0161】 【表1】
【0162】表1より明らかなように、本発明の構成である記録用紙115〜124は、ひび割れ、塗布はじき等の塗布故障が極めて少なく、ブリーディング耐性(インク吸収性)が良好で、さらに、ブロンジング耐性、滲み耐性が改良されていることが分かる。その中でも、サポニンと本発明に係る界面活性剤と併用した記録紙124では、ひび割れ発生数が更に低減し、かつはじきサイズが更に小さく、はじきの数も減少し、顕著な改良効果が見られ、本発明の構成においては、サポニンと併用することがより好ましいことが分かる。 【0163】実施例2(シリカ分散液−4の調製)カチオン性ポリマー(例示化合物P−1:Mw3.5万)を2.12kg、エタノール4.2L、n−プロパノール1.1Lを含有する水溶液(pH=2.3)15Lに、実施例1で調製したシリカ分散液−1の60.0Lを攪拌しながら添加し、次いで、ホウ酸320gとホウ砂190gを含有する水溶液8.0Lを添加した。この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で85Lに仕上げてシリカ分散液−4を調製した。 【0164】(記録用紙201〜220の作製)実施例1で作製した記録用紙101〜120の作製において、シリカ分散液−3に代えて、上記調製したシリカ分散液−4を用いた以外は同様にして、記録用紙201〜220を作製した。 【0165】(シリカ分散液−5の調製)上記シリカ分散液−4の調製において、カチオン性ポリマー(P−1)に代えて、カチオン性ポリマー(例示化合物P−4:Mw3.0万)を用いた以外は同様にしてシリカ分散液−5を得た。 【0166】(記録用紙221〜224の作製)実施例1で作製した記録用紙121〜124の作製において、シリカ分散液−3に代えて、上記調製したシリカ分散液−5を用いた以外は同様にして、記録用紙221〜224を作製した。 【0167】以上のようにして得られた記録用紙201〜224は、それぞれ36℃で3日間保管した。 【0168】《インクジェット記録用紙の評価》以上の様にして作製した各記録用紙について、実施例1に記載の方法と同様にして、ひび割れの評価、ハジキ故障の評価、ブリーディング耐性の評価、滲み耐性の評価及びブロンジング耐性の評価を行い、得られた結果を表2に示す。 【0169】 【表2】
【0170】表2より明らかなように、本発明の記録用紙は、一般式(1)で表されるカチオン性ポリマーを用いることにより、ブリーディング耐性、滲み耐性及びブロンジング耐性の観点から、より良好な結果が得られることが分かる。 【0171】実施例3(記録用紙301〜317の作製)実施例2に記載の記録用紙208〜224の作製において、各多価金属化合物を塗布液への添加に代えて、固形分付量が1.0g/m2になるようにインク受容層表面にオーバーコートした以外は同様にして、記録用紙301〜317を作製した。 【0172】以上のようにして得られた記録用紙301〜317は、それぞれ36℃で3日間保管した。 【0173】《インクジェット記録用紙の評価》以上の様にして作製した各記録用紙について、実施例1に記載の方法と同様にして、ひび割れの評価、ハジキ故障の評価、ブリーディング耐性の評価、滲み耐性の評価及びブロンジング耐性の評価を行い、得られた結果を表3に示す。 【0174】 【表3】
【0175】表3から明らかなように、本発明の記録用紙は本発明に係る多価金属化合物の添加方法に拘わらず、良好な結果が得られることが分かる。 【0176】 【発明の効果】本発明により、ブリーディング耐性が優れ、ひび割れ、塗布はじき等の塗布故障がなく、更に、ブロンジングを悪化させることなく、プリント後の保存中の滲み耐性に優れたインクジェット記録用紙を提供することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカミノルタホールディングス株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−326832(P2003−326832A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−135358(P2002−135358) |
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