| 【発明の名称】 |
潜像表示媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】安藤 麗子 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
【氏名】斉藤 多恵 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】偽造防止効果が高く真偽判定が容易な潜像表示媒体を提供する。
【解決手段】本発明の潜像表示媒体1は、媒体基材2上に見る角度によって選択反射性を有するコレステリック液晶層3を設け、当該液晶層上の一部に、通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層4を設けるか、媒体基材2上に、絵柄印刷層を設け、当該絵柄印刷層上に、コレステリック液晶層3を設け、当該液晶層上の一部に、通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層4を設けた、ことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 媒体基材上に見る角度によって選択反射性を有するコレステリック液晶層を設け、当該液晶層上の一部に、通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層を設けた、ことを特徴とする潜像表示媒体。 【請求項2】 媒体基材上に、絵柄印刷層を設け、当該絵柄印刷層上に、見る角度によって選択反射性を有するコレステリック液晶層を設け、当該液晶層上の一部に、通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層を設けた、ことを特徴とする潜像表示媒体。 【請求項3】 コレステリック液晶層が、コレステリック液晶顔料を含む印刷インキによる印刷層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の潜像表示媒体。 【請求項4】 コレステリック液晶層が、コレステリック液晶樹脂の塗工層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の潜像表示媒体。 【請求項5】 媒体基材が黒色であるか媒体基材を黒色に印刷した後にコレステリック液晶層を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の潜像表示媒体。 【請求項6】 潜像パターン印刷層が、オフセット、グラビア、凹版印刷またはシルクスクリーン印刷で印刷されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の潜像表示媒体。 【請求項7】 潜像パターンが、0.01mm〜1.0mm幅の細線からなる図柄部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の潜像表示媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、虹色の干渉色を呈するコレステリック液晶からなる樹脂(印刷)層上に、当該コレステリック液晶を正面から観察した時に視認される反射光と同系色のインキを使用して潜像パターンを印刷することで、観察角度により出現する潜像を利用した媒体に関する。本発明の潜像表示媒体の利用分野は、各種保証書、商品券、株券等の有価証券類、チケットやくじ、乗車券や入場券、パスポート、金融機関や生命保険・損害保険等で使用される取引明細や各種証明書、価格や種別の表示用タグやラベル等である。 【0002】 【従来技術】従来より、この種の金券類等の偽造防止を図るために、見る角度によって虹色の干渉色を呈する色彩変化印刷層を設ける偽造防止技術が行われている。このような色彩変化印刷層は、例えばパールインキなどの色彩変化インキで印刷して形成されている。虹色の干渉色を呈するインキは、光を多重反射する顔料を含んでおり、その顔料で反射した光の干渉によって、色が変化して見える。そのため、色変化効果は、顔料で反射する光が多いほど色彩変化効果が大きい。そこで、光が多重反射する顔料の数が多くなるように、色彩変化印刷層は、その厚みが厚くなるようにスクリーン印刷などの孔版印刷や、グラビア印刷などの凹版印刷で印刷されることが多い。しかし、色彩変化印刷層は、グラビア印刷、コーティング又はスクリーン印刷で印刷されることが多いため、製造コストが高くなる問題があった。 【0003】かかる問題を解決するため、例えば、特開2000−6564号公報「偽造防止印刷媒体とその作成方法」は、商品券、株券等の印刷媒体へ、パール顔料により印刷した色変化印刷層を設け、その色変化印刷層の一部をオフセット印刷でパターン状に目視不能に隠蔽し、特定情報を形成した偽造防止印刷媒体を提案している。特開平6-255234号公報「二色性凹版印刷物」は、白色の下地に、有色化したパール顔料を含む凹版インキで、凹版画像を形成する二色性凹版印刷物を提案している。しかし、この印刷物の場合は、パール印刷に潜像を潜ませるものではないので高度の偽造防止を図ることはできない。また、一般に、パール顔料を使用するこれらの印刷媒体は、色彩変化が弱く鮮明な潜像を表出できない問題がある。 【0004】パール顔料によらず、コレステリック液晶顔料を使用する先行技術も存在する。特開平7-304983号は、コレステリック液晶による小板状構造の顔料を開示している。しかし、コレステリック液晶顔料は、その性質を生かすために鱗片状としサイズも大きくする必要があり、通常はシルクスクリーンまたはグラビアによる印刷で比較的大きな面積を有するベタ状パターンしか再現できないため、デザイン上の制限が大きく意匠性にも乏しい。また、単体では潜像効果を有しない問題もある。国際公開公報WO00/13065号(PCT/JP 99/04641)は、左円偏光又は右円偏光のいずれか一方のみを反射して反射光を生成する円偏光選択性を有する反射性フィルムに、ホログラム形成部が設けられていることを特徴とする真正性識別フィルム等を提案しているが、ホログラムを形成する場合、ホログラム原版の作成が複雑で大々的な設備を要するほか、複製などの工程も煩雑で非常に高価なものになってしまう問題がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、ホログラムを用いずにコレステリック液晶層を使用した印刷層を用いることで、鮮明な潜像表出をし視野角依存性に優れた潜像パターンを生じさせるべく研究し、本発明の完成に至ったものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、媒体基材上に見る角度によって選択反射性を有するコレステリック液晶層を設け、当該液晶層上の一部に、通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層を設けた、ことを特徴とする潜像表示媒体、にある。かかる潜像表示媒体であるため、複製を困難にし偽造印刷を容易に検出できる。 【0007】上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、媒体基材上に、絵柄印刷層を設け、当該絵柄印刷層上に、見る角度によって選択反射性を有するコレステリック液晶層を設け、当該液晶層上の一部に、通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層を設けた、ことを特徴とする潜像表示媒体、にある。かかる潜像表示媒体であるため、複製を困難にし偽造印刷を容易に検出できる。 【0008】上記において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶顔料を含む印刷インキによる印刷層であっても良く、コレステリック液晶樹脂の塗工層であっても良い。また、媒体基材が黒色であるか媒体基材を黒色に印刷した後にコレステリック液晶層を設ければ、透過光を吸収し色鮮やかなブルーシフトが確認できる。またさらに、潜像パターン印刷層は、オフセット、グラビア、凹版印刷またはシルクスクリーン印刷で印刷されたものであっても良く、潜像パターンの一部に、0.01mm〜1.0mm幅の細線からなる図柄部を有することは、潜像パターンを視認し難くする上で好ましい。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明は、見る角度によって選択反射性を有し色彩変化を生じるコレステリック液晶層を使用した印刷層または塗工層を設け、当該層上に、当該コレステリック液晶層を正面から観察した時の色と同系色の通常の印刷インキを使用して潜像パターンの印刷を行う。コレステリック液晶を使用した層は、コレステリック液晶片を顔料としたインキを使用しても良いし、液晶樹脂そのものを媒体基材に塗布し配向させて液晶塗膜を形成しても良い。通常の印刷インキによる印刷は、オフセットの他、凹版印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷など、何れの方法でもよく、同系色の転写箔を用いて転写により潜像パターンを形成しても構わない。 【0010】以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の潜像表示媒体を示す平面図である。図2は、本発明の潜像表示媒体の第1の実施形態、図3は第2の実施形態を示す各断面図である。図1は、潜像表示媒体1を商品券に適用した場合であって、図2は、その断面を示している。商品券の一部である媒体基材2上にコレステリック液晶層3を直接設け、当該液晶層3上の一部に、通常インキによる潜像パターン印刷層4が設けられている。コレステリック液晶層は、上記のようにコレステリック液晶片を顔料としたインキを使用し、オフセット、シルクスクリーン、グラビア、凹版、活版などの方法で印刷しても良いし、コレステリック液晶樹脂を媒体基材上に直接塗布し硬化させても、転写で形成しても構わない。 【0011】通常の印刷インキによる潜像パターン印刷層4も、前記のように各種の印刷方法や転写法を採用できるものである。当該潜像パターン印刷層4はコレステリック液晶層3を正面から観察した場合に視認される色と同系色の色料をもって印刷する。コレステリック液晶層は選択反射性を有することから、入射する光が入射角θを有している場合には、液晶の螺旋周期をP、液晶の平均屈折率をn、波長をλ、とすると、P・cosθ=λ/n、のBraggの反射条件を満足する波長の光を選択的に反射する。したがって、コレステリック液晶層3を有する表示媒体を傾けると当初の表面から観察した場合に視認される色彩とは異なる色彩を示すようになる。図1の場合、潜像表示媒体1を傾けた場合、通常インキの潜像パターン印刷層4は、コレステリック液晶層3が異なる色彩を呈するので、大きい〇で囲まれた「KU」の文字や「1000」の文字が浮き出るようになる。 【0012】コレステリック液晶層3の厚さは、その特性を生かすため、1μm〜20μm程度の厚みを有することが望ましく、また、より反射光を観察しやすくするために、黒色の媒体基材を使用してもよい。媒体基材は、上質紙、OCR用紙、ノーカーボン紙、アート紙などの紙類、塩化ビニル、ポリエステル、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、アクリルなどのプラスチックフィルム等を使用することができる。また、コレステリック液晶層を設ける面と逆の面に粘着層を有するラベル材料などでも良い。潜像表示媒体である商品券等には、表題1aや商品券金額1b、地紋模様1c等の絵柄を別に印刷して設けることは自由である。 【0013】図3の第2の実施形態の場合は、媒体基材2上に、まず通常インキの絵柄印刷層5を設け、当該絵柄印刷層上にコレステリック液晶層3を設け、当該液晶層3上の一部に、通常インキの潜像パターン印刷層4が設けられている。この場合、絵柄印刷層5を黒色のインキで印刷すると、透過光を吸収し色鮮やかなブルーシフトが確認できる。液晶層上に形成する通常インキの潜像パターン印刷層4は、上記第1の実施形態の場合と同様に、コレステリック液晶層3を正面から観察した時の色と同系色のインキを使用して印刷する。 【0014】本発明の潜像表示媒体は、以上のような簡単な構成であるが、図2のように光源8に対して所定の角度α1で潜像表示媒体1を観察した場合、通常インキの潜像パターン印刷層4は、コレステリック液晶層3と同系色となって人間の目9では殆どその違いを視認することができない。一方、それとは別の角度α2で観察した場合は、コレステリック液晶層3は別の色を呈するので、潜像パターン印刷層をはっきり視認することができる。コレステリック液晶は、反射光のピークが620nm付近に存在するため、赤色(斜めからは緑色)を呈し、この時の潜像パターンは赤系統の色のインキを使用して形成するが、ベタで大きなパターンを採用すると両者の輝度が異なり正面からでも容易に確認されてしまうことから、潜像パターンは0.01〜1mm幅の細線で形成されたレリーフ絵柄等が望ましい。 【0015】上記のように、本発明は、コレステリック液晶の選択的反射性を利用するもので、観察角を正面から斜め方向へと大きくしていくと、反射光が短波長側にシフトする(ブルーシフト、例えば赤→緑)。このため、液晶層上に液晶を正面から観察した場合と同系色で潜像パターンを形成すると(例えば、赤の液晶層上に赤のオフセットインキでパターンを印刷する)、正面からでは判別できなかったパターンが、観察角度を変えて斜めから観察すると、背景と色を異にして(緑色の背景に赤のパターン)観察でき、潜像を明瞭に視認することができる。この効果は、前述のように、ホログラム層などを設けて潜像、切替絵画像を形成するのに比べ、非常に安価であるが同等の効果を付与することができる。また、コレステリック液晶は、旋光性を有するため、偏光板等を判別器具として真偽判定することができること、コレステリック液晶の旋光性、選択反射性はコピー機、スキャナーで再現できない、という効果も得られる。 【0016】コレステリック液晶は、各種のものが塗工用樹脂として市販されていて、これらを使用することができる。図4は、塗工用樹脂から作成したR、G、B、3色のコレステリック液晶フィルムの反射率測定結果を示す図である。■は、626.00nmにピーク(7.15%)を有するRedフィルム、■は、569.00nmにピーク(8.82%)を有するGreenフィルム、■は、502.50nmにピーク(4.43%)を有するBlueフィルム、である。これらの塗工用樹脂をグラビア印刷等により媒体基材に直接塗工し、硬化乾燥させることができる。 【0017】 【実施例】(実施例1)白色のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、オフセット印刷で黒色の下地印刷を行った。当該印刷層上にコレステリック液晶顔料を使用したインキでシルクスクリーン印刷を行った。この顔料は、正面から観察した場合に、反射光520nmの緑色を呈している。当該コレステリック液晶層上に、緑色のインキを使用して、0.1mm幅の細線からなる潜像パターンをオフセットで印刷した。得られた潜像表示媒体を、正面から観察すると、潜像パターンは背景の液晶色と同化し確認し難いが、斜めから観察すると液晶色が緑色から青色に変化し、潜像パターンが背景とは色を異にして明瞭に確認できた。 【0018】(実施例2)白色のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、オフセット印刷で黒色の下地印刷を行った。当該印刷層上にコレステリック液晶樹脂をグラビア印刷で直接塗工し、硬化させて厚み約8μmのコレステリック液晶塗膜層を形成した。当該液晶層は、反射光620nmに反射光のピークを有する赤色であるため、液晶層上に、オフセットインキの紅で、0.1mm幅の細線からなる潜像パターンを印刷した。得られた潜像表示媒体は、正面から観察すると、潜像パターンは背景の液晶色と同化し確認し難いが、斜めから観察するとブルーシフトした液晶の緑色を背景に赤色の潜像パターンが明瞭に確認できた。 【0019】 【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明によれば以下の効果が得られる。潜像パターンが、コレステリック液晶の正反射色からなる通常の印刷インキで印刷されているので、正面からの観察では潜像パターンの存在を視認することができない。一方、コレステリック液晶が干渉色を呈する角度の観察状態では潜像パターンを明瞭に視認することができる。すなわち、本発明の潜像表示媒体は視野角依存性が高いので、ホログラムを使用しないでも通常の印刷方式により偽造を高度に防止できる。コレステリック液晶の旋光性、選択反射性は複写機やスキャナーでの再現は不可能であり、偽造防止効果が高い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月15日(2002.5.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111659 【弁理士】 【氏名又は名称】金山 聡
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| 【公開番号】 |
特開2003−326823(P2003−326823A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−139468(P2002−139468) |
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