| 【発明の名称】 |
パターン形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 一弘 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】パターンの再現性が良く、地汚れも無いパターン形成方法とする。
【解決手段】基材1の表面に、形成パターン状に開口部2を設けたパターン形成版3を積層した状態で、パターン形成版の開口部にインキ4をドクター刃5等で押し込み、インキが開口部に押し込まれた状態で基材側から電子線等の電離放射線を照射してインキを硬化させる。この後、パターン形成版を基材から離し、基材表面にインキの硬化物によるパターンを形成する。パターン形成版は厚み方向の全層又は何れかの層を、金属等で電離放射線遮蔽層とするのも良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パターン形成しようとする基材の表面に、形成パターン状に開口部が設けられたパターン形成版を積層し、次いで、該パターン形成版の開口部にインキを押し込み、インキが開口部に押し込まれた状態で基材側から電離放射線を照射することにより、インキを硬化させ、次いで、パターン形成版を基材から離すことで、基材の表面にインキの硬化物からなる所望のパターンを形成する、パターン形成方法。 【請求項2】 電離放射線として電子線を使用する、請求項1記載のパターン形成方法。 【請求項3】 インキを開口部に押し込む方法として、ドクター刃を使用する、請求項1記載のパターン形成方法。 【請求項4】 パターン形成版の厚み方向の層の全て又はいずれかの層が、電離放射線遮蔽層からなる、請求項1記載のパターン形成方法。 【請求項5】 パターン形成版の形成パターン状に設けられた開口部が、レーザ加工、機械加工、エッチング加工、サンドブラスト加工のいずれかの穴あけ加工により加工されたものである、請求項1記載のパターン形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パターンを形成する為の印刷技術に関する。特に、パターンの形状の再現性が良好な印刷技術に関する。 【0002】 【従来の技術】現在、パターン形成方法として、各種方式の印刷方法が提案、実用化されているが、そのなかで、インキによるパターンを厚く形成する事も可能な印刷方法としては、代表的には、スクリーン印刷が良く知られている。スクリーン印刷は、周知の如く、パターンを形成すべき基材に対して、その表面上に、パターン形成版としてスクリーン印刷版を配置し、スクリーン印刷版上でインキをスキージで加圧しながらしごいて、スクリーン印刷版上に設けられた形成パターン状の開口部から、基材にインキを転移させる。この後、インキを風乾、加熱硬化、紫外線硬化等によって固化させて、基材の表面に所望のパターンを形成する印刷方法である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクリーン印刷では、印刷版から基材上に液状のインキを所望のパターン状に転移させた後、インキを固化させている為に、印刷版から離れて基材上に置かれた液状のインキが、固化するまでの間にだれてパターン周囲に広がる、「ダレ」が起き易い。また、インキが周囲に広がった分、パターンの膜厚も低下する。図2(A)及び(B)は、この現象を概念的に示す断面図であり、図2(A)の如く基材21上にスクリーン版22から転移された直後のインキ23が、正確なパターン形状であったとしても、図2(B)の如く、固化するまでの間にインキがだれて、パターンの幅は広がりパターンの膜厚は薄くなり、パターンの断面形状も変化してしまう。 【0004】以上の如く、スクリーン印刷は、パターンの再現性が必ずしも良いとは言えなかった。もちろん、スクリーン印刷で用いるインキとしては、せん断応力が加わるインキ転移時は適度の流動性があり、せん断応力が加わらない転移後には流動性が乏しくなる様なチキソトロピック性に留意したインキを使用するが、それでも、ダレは皆無には出来ない。 【0005】ところで、ダレが皆無の印刷方法も無くは無い。それは、特開昭57−87318号公報、特公昭57−22755号公報、特公昭63−50066号公報、特開平7−32476号公報等に開示された賦形目的の印刷方法(賦形方法)であって、円筒状の印刷版である成形版胴(賦形版、ロール凹版等とも呼称される)の凹凸形状を、忠実に電離放射性硬化性樹脂の硬化物として、基材上の凹凸形状のパターンとして形成する印刷方法(以下「成形版胴法」と呼称する)である。 【0006】成形版胴法は、基本的には、以下の工程からなる。 【0007】(1)樹脂シート等の連続帯状で可撓性を有する基材上に形成すべき凹凸形状のパターンに対して、その凹凸形状と同形状且つ逆凹凸の凹凸形状を表面に形成した円筒形状の成形版胴を用意し、これを軸芯の回りに回転させる。 (2)基材を、該成形版胴の周速度と同速度で該成形版胴に供給する。 (3)該基材と該成形版胴とを、それらの間に、電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物からなるインキを介して重ね合わせて密着させ、該インキが該成形版胴の少なくとも凹部を完全に充填する様にする。 (4)その状態のままで電離放射線を照射して、該インキを硬化させる。 (5)而る後に、基材を、それに接着し且つ成形版胴上の凹凸形状に対応した凹凸のパターン形状として形成(賦形)されたインキの硬化物と共に剥離除去する。 【0008】図3は、この成形版胴法を、その一態様で概念的に説明する説明図である。成形版胴41の版面には所望のパターン形状に対応した凹部42を有し、この成形版胴41に対して、吐出口を上に向けたTダイ型の吐出ノズル43よって、電離放射線硬化性樹脂の未硬化液状組成物からなるインキ44を塗布した後、版面上の凹部42からはみ出した余分な未硬化樹脂液44はドクター刃45にて掻き取る。この後、連続帯状で可撓性の基材31を、押圧ローラ46によって成形版胴41の版表面に押し付ける様にして供給する。そして、成形版胴41の版面周辺に設置した電離放射線照射器47から電離放射線Rを、基材31を透して照射して、インキ44を硬化させて硬化物とする。基材31と成形版胴41間でインキ44が硬化して硬化物となった後、剥離ローラ48によって成形版胴41から基材31を剥離すれば、基材31上にインキ44の硬化物からなるパターン32が形成されるという印刷方法である。 【0009】そして、基材が樹脂シートの場合は、通常、成形版胴には公知のエンボス版等と同様な金属製の版胴を用いて、基材側から電離放射線を照射して基材を通して、基材と成形版胴間に位置するインキを硬化させる。しかし、この成形版胴法では、基材が電離放射線不透過性の材料でも、成形版胴にガラス、石英等の電離放射線に対して透明な材料を用いることで、成形版胴側から電離放射線を照射して、基材と成形版胴間に位置するインキを硬化する事も可能である。 【0010】以上の如き成形版胴法に於いては、インキの硬化は印刷版(成形版胴)が基材から離れる前であるので、形成されるパターン形状は、印刷版が有するパターン形状を、極めて正確に再現できることになる。 【0011】ところが、成形版胴法では、インキは一旦、成形版胴の版面全面に施した後、ドクター刃等でしごいて、版面上の凹部内にのみ残存させる様にしている。従って、どうしても、パターン以外の部分にも僅かにインキが残存する「地汚れ」が起きる傾向がある。それでも、形成するパターンが透明樹脂の凹凸や、絵柄等の場合では、目立つような地汚れは印刷条件を調整して無くすことは出来る。しかし、このパターン形状の再現性に優れた成形版胴法を、その再現性を生かすべく、電気回路等のパターン形成に適用しようとすると、僅かな地汚れでもパターン間の絶縁不良等の問題に繋がり、この様な用途には適した方法とは言えなかった。 【0012】すなわち、本発明の課題は、パターンの再現性が良く、かつ地汚れも起きない、パターン形成方法を提供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決すべく、本発明のパターン形成方法では、パターン形成しようとする基材の表面に、形成パターン状に開口部が設けられたパターン形成版を積層し、次いで、該パターン形成版の開口部にインキを押し込み、インキが開口部に押し込まれた状態で基材側から電離放射線を照射することにより、インキを硬化させ、次いで、パターン形成版を基材から離すことで、基材の表面にインキの硬化物からなる所望のパターンを形成する様にした。 【0014】この様な構成のパターン形成方法とすることで、基材に接触したインキの固化は、パターン形成版が離れる前に行うので、パターン形成版が離れた後にインキがだれる事が無い為に、パターンの再現性が良くなる。しかも、基材上へのインキの転移は、パターン形成版の開口部を通して行うので、基材上に地汚れとなってパターン以外の部分にインキが付着する事も無い。従って、電気回路等のパターン形成に適用する場合でも、地汚による絶縁不良等の問題は起こさない。 【0015】また、本発明のパターン形成方法は、上記方法に於いて更に、電離放射線として電子線を使用する様にした。 【0016】この様な構成のパターン形成方法とすることで、電離放射線として紫外線等を用いる場合に比べて、基材が厚い場合でも該基材を透してインキを十分に硬化させる事ができる上、硬化を瞬時に行え、作業性も良くなる。 【0017】また、本発明のパターン形成方法は、前記方法に於いて更に、インキを開口部に押し込む方法として、ドクター刃を使用する様にした。 【0018】この様な構成のパターン形成方法とすることで、パターン形成版面上のインキは、開口部に押し込まれ、且つ開口部以外の版面上は十分に掻き取ることができる。従って、基材側からの電離放射線照射によるインキ硬化時に、開口部以外の版面上で不要なインキが硬化して残り、次の回のパターン形成時に邪魔になることが無い。 【0019】また、本発明のパターン形成方法は、前記方法に於いて更に、パターン形成版の厚み方向の層の全て又はいずれかの層が、電離放射線遮蔽層からなる様にした。 【0020】この様な構成のパターン形成方法とすることで、基材側からの電離放射線照射によるインキ硬化時に、開口部以外の版面上で不要なインキが残っていたとしても、その不要なインキの硬化を防げる。従って、不要なインキが硬化して、次の回のパターン形成時に邪魔になることが無い。 【0021】また、本発明のパターン形成方法は、前記方法に於いて更に、パターン形成版の形成パターン状に設けられた開口部が、レーザ加工、機械加工、エッチング加工、サンドブラスト加工のいずれかの穴あけ加工により加工されたものである様にした。 【0022】この様な構成のパターン形成方法とすることで、所望の開口部を設けたパターン形成版は、容易に用意することができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 【0024】〔全体的説明〕先ず、図1は、本発明のパターン形成方法について、断面図で概念的に説明する説明図である。図1を参照しながら、本発明について詳述していく。 【0025】図1(A)は、これからパターンを形成しようとする基材1と、形成すべきパターン形状に対応した開口部2が設けられたパターン形成版3とを示す。そして、先ず、図1(B)の如く、基材1のパターン形成しようとする表面に対して、上記パターン形成版3を当接し積層する。 【0026】次に、図1(C)の如く、パターン形成版3の版面上に載せたインキ4を、インキ充填手段としてドクター刃5等を使用して版面上をしごいて、該インキ4を開口部2の内部に押し込む。図1(D)は押し込まれた後の状態を示す。 【0027】次に、図1(E)の如く、基材1とパターン形成版3とが積層されたままの状態で、且つインキ4が開口部に押し込まれた状態で、基材側から電離放射線Rを照射して、インキ4を硬化させる。 【0028】そして、インキ4が硬化した後、図1(F)の如く、パターン形成版3を基材1から離せば、基材1の表面にインキ4の硬化物からなる所望のパターン6が形成される。 【0029】〔基材〕基材1としては、基材側から基材を透してインキに電離放射線を照射させる関係上、使用する電離放射線に対して透過性のあるものが良い。この様な基材の材料としては、樹脂やガラス等が挙げられる。これらはシート状でも板状でも良い。基材は、パターン形成の目的に応じたものを使用すれば良い。 【0030】基材の樹脂としては、特に限定は無く、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素等である。なお、ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。 【0031】〔パターン形成版〕パターン形成版3は、その版に所望のパターン形状に応じた開口部2を設けた版であれば良い。版材料としては、例えば、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムの金属からなる金属板や金属シート、上記基材で述べた如き各種樹脂からなる樹脂板や樹脂シート等を用いることができる。また、版は、例えば金属と樹脂との積層体等であっても良い。積層は樹脂の融着や接着剤を介して行えば良い。また、金属としては金属箔や蒸着等による金属薄膜層等も使用できる。 【0032】この様な版材に所望の開口部を設ける方法は、基本的には特に限定は無く、例えば、公知の穴あけ加工方法で設けることができる。例えば、レーザ加工、機械加工、エッチング加工(版材が金属材料の場合)、サンドブラスト加工のいずれかの穴あけ加工により加工すれば良い。なお、レーザ加工では、例えば、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等を使用する。これら列記の穴あけ加工法によれば、所望のパターン形状に開口部を容易に形成することができる。これらの穴あけ加工は、使用する版材、形成するパターン形状等に応じて、適宜選択すれば良い。なお、開口部の深さ(版材の厚さ)は、形成すべきパターンの厚さに応じた厚さとすれば良い。 【0033】また、パターン形成版は、図4(A)に示す如く、単層構成の版でも良いが、例えば図4(B)に示す如く2層等と多層構成の版でも良い。多層構成の場合には、前述した如く、例えば金属と樹脂等と異種材料の組合わせが可能となる。図4(B)は、多層構成のうち、図面下側(基材側を想定)の層は電離放射線を透過する電離放射線透過層3Aとして、図面上側(版面側を想定)は、電離放射線を透過せず遮蔽する電離放射線遮蔽層3Bとする構成である。電離放射線透過層3Aは、樹脂から構成すれば良く、電離放射線遮蔽層は金属からなる層として構成すれば良い。 【0034】この様に、パターン形成版の厚み方向の層の全て又はいずれかの層が、電離放射線遮蔽層からなる構成とすれば、基材側からの電離放射線照射によるインキ硬化時に、開口部以外の版面上で不要なインキが残っていたとしても、そこまで電離放射線が到達するのを遮蔽して、その不要なインキの硬化を防げることになる。従って、不要なインキが硬化して、次の回のパターン形成時に邪魔になることが無い。 【0035】〔インキ〕インキ4としては、本発明では電離放射線硬化性樹脂を用いた、電離放射線硬化型のインキを使用する。電離放射線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の電離放射線により重合し硬化可能な組成物であり、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合、又はカチオン重合性官能基等を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した組成物である。なお、これらプレポリマー又はモノマーは単体又は複数種を混合して用いる。 【0036】上記プレポリマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも電離放射線硬化性樹脂として用いることができる。なお、例えば(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。また、以下の(メタ)アクリレートも同様に、アクリレート又はメタクリレートの意味である。 【0037】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。 【0038】また、ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等も挙げられる。 【0039】また、カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。チオールとしては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールがある。また、ポリエンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等がある。 【0040】また、紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程度である。 【0041】なお、電離放射線としては、電離放射線硬化性樹脂中の分子を架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常用いられるものは、紫外線又は電子線であるが、この他、可視光線、X線、イオン線等を用いる事も可能である。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主として用いられる。電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。 【0042】また、インキとしては、その樹脂として少なくとも電離放射線硬化性樹脂を用いるが、電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは、ウレタン樹脂、硬化性ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を併用しても良い。 【0043】また、インキ中には公知の各種添加剤等を添加しても良い。炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の無機粉末からなる充填剤、弁柄、カドミウムレッド、黄鉛、群青、チタン白、カーボンブラック、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の着色剤等である。また、インキ中には、金、銀、銅、アルミニウム、カーボンブラック等の導電性粉末を添加して、形成するパターンを導電性として良い。 【0044】なお、パターン形成版を基材から離すのはインキが固化してからであるが、そのときインキは完全硬化の状態以外に、半硬化(不完全硬化)の状態でも良い。半硬化の状態でも固化していれば、インキがだれるのは防げるからである。 【0045】〔ドクター刃〕パターン形成版に載せたインキを、版の開口部に押し込む充填手段としては、基本的には特に制限は無いが、例えばドクター刃5を使用すれば良い。ドクター刃は、鋼製で弾性を有する板状のものであるが、ドクター刃でしごいて開口部にインキを押し込めば、開口部以外の版面上でのインキを十分に掻き取ることができる。従って、基材側からの電離放射線照射によるインキ硬化時に、開口部以外の版面上で不要なインキが硬化して残り、次の回のパターン形成時に邪魔になる様なことが無い。なお、スクリーン印刷では、スクリーン印刷版の開口部からインキを裏側に通過させるのに、スキージと称するゴム製で弾性を有する板状のものを使用している。本発明でも、この様なスキージを使用しても良い。但し、ゴム製のスキージよりも、鋼製のドクター刃の方が、しごくときの圧力にもよるが、開口部通過時の開口部内での先端の変形量が少ないので、より正確なパターン再現が得やすい。 【0046】 【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。 【0047】〔実施例1〕先ず、厚さ0.5mmのステンレス板にレーザ加工によって穴あけ加工を行って形成すべき所望のパターン形状の開口部を設けたものを、パターン形成版として用意した。そして、このパターン形成版を、基材となる厚さ100μmのポリイミドフィルム上に載せて、該基材面に接触させた状態にした。次に、パターン形成版の版面上に、アクリレート系電離放射線硬化性樹脂のバインダーに導電性粉末として銀粉を添加した導電性インキを載せた後、鋼製のドクター刃でしごいて、開口部内にインキを押し込んだ。〔原稿ステレンレス厚み5mmは0.5mmとしました。〕 【0048】そして、基材とパターン形成版とが接触し積層されている状態で、基材側から基材を透して、電子線を100keV、50kGy(5Mrad)の条件で照射して、開口部内のインキを硬化させた。この後、パターン形成版を基材から離して取り除いて、基材上にインキ硬化物からなるパターンが形成されたパターン形成物を得た。 【0049】〔比較例1〕実施例1において、ドクター刃でインキを開口部に押し込んだ後、電子線を照射せずに、パターン形成版を取り除いた。そして、この後、電子線を実施例1と同条件で照射して、基材上に乗ったインキを硬化させて、基材上にインキ硬化物からなるパターンが形成されたパターン形成物を得た。 【0050】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られたパターン形成物を比較すると、実施例1では、基材上のインキによるパターンには、インキのダレは認められず、パターン形成版の開口部の形状が精度良く再現できており、パターンの再現性は良好であった。また、地汚れも無かった。一方、比較例1は、地汚れこそ無いが、インキのダレが認められ、パターン形成版の開口部の形状が再現できておらず、パターンの再現性は不良であった。 【0051】 【発明の効果】(1)本発明のパターン形成方法によれば、インキのダレが起きず、パターンの再現性が良い。しかも、基材上に地汚れとなってパターン以外の部分にインキが付着する事も無い。従って、電気回路等のパターン形成に適用する場合でも、地汚による絶縁不良等の問題は起こさない。 (2)また、電離放射線として電子線を使用すれば、電離放射線として紫外線等を用いる場合に比べて、基材が厚い場合でも該基材を透してインキを十分に硬化させる事ができる上、硬化を瞬時に行え作業性も良くなる。 (3)また、インキを開口部に押し込む方法として、ドクター刃を使用すれば、パターン形成版面上のインキは、開口部に押し込まれ、且つ開口部以外の版面上は十分に掻き取ることができる。従って、基材側からの電離放射線照射によるインキ硬化時に、開口部以外の版面上で不要なインキが硬化して残り、次の回のパターン形成時に邪魔になることが無い。 【0052】(4)また、パターン形成版の厚み方向の層の全て又はいずれかの層が、電離放射線遮蔽層からなる様にすれば、基材側からの電離放射線照射によるインキ硬化時に、開口部以外の版面上で不要なインキが残っていたとしても、その不要なインキの硬化を防げる。従って、不要なインキが硬化して、次の回のパターン形成時に邪魔になることが無い。 (5)また、パターン形成版の形成パターン状に設けられた開口部が、レーザ加工、機械加工、エッチング加工、サンドブラスト加工のいずれかの穴あけ加工により加工されたものである様にすれば、所望の開口部を設けたパターン形成版は、容易に用意することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年3月18日(2002.3.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111659 【弁理士】 【氏名又は名称】金山 聡
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| 【公開番号】 |
特開2003−266909(P2003−266909A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−74255(P2002−74255) |
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