| 【発明の名称】 |
熱転写記録媒体と受像シート及びそれらを用いた画像形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】椎名 義明 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
【氏名】内藤 晃 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
【氏名】渋谷 和道 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】低融点の結晶性ワックスに起因した、インキの滲みによる解像力の低下を防ぎ、転写画像を手で擦った場合などの耐久性を増強し、良好な面積階調を実現できること、これらを同時に達成できる熱転写記録媒体と受像シート、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】着色顔料、エポキシ樹脂、および、無色又は淡色の微粒子を主成分とし、且つ膜厚が0.2〜1.0μmである熱転写記録層が支持体上に設けてあり、該エポキシ樹脂は軟化点が70〜150℃であり、特定のエポキシ当量・分子量であることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】着色顔料、エポキシ樹脂、および、無色又は淡色の微粒子を主成分とし、且つ膜厚が0.2〜1.0μmである熱転写記録層が支持体上に設けてあり、該エポキシ樹脂は軟化点が70〜150℃であること、を特徴とする熱転写記録媒体。 【請求項2】前記熱転写記録層は、前記着色顔料が20〜60重量部の範囲、前記エポキシ樹脂が40〜70重量部の範囲、そして前記微粒子が5〜30重量部の範囲にあり、且つ、該着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子の総和が100重量部以下になる範囲の任意の組み合わせの配合比であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。 【請求項3】前記熱転写記録層中の無色又は淡色の微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の熱転写記録媒体。 【請求項4】前記熱転写記録層として、シアン、マゼンタ、イエローの3色か、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色が、支持体上に長手方向に沿って、面順次に並べて繰り返し設けてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写記録媒体。 【請求項5】受像層が支持体上に設けてあり、該受像層の受像面はエポキシ樹脂で形成されていることを特徴とする受像シート。 【請求項6】請求項1乃至4のいずれかに記載の熱転写記録媒体とサーマルヘッドプリンタを使用して、該熱転写記録媒体の熱転写記録層を画像データに基づいて受像シート上に感熱転写し、面積階調による画像形成を行う画像形成方法であって、受像面にはエポキシ樹脂の層が形成されている受像シートを使用することを特徴とする画像形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、着色顔料を含有する熱転写記録層を備えた熱転写記録媒体(感熱転写リボン)の熱転写記録層を、サーマルヘッドプリンタで受像シート上に熱転写し面積階調による画像形成、更に詳しくは、少なくとも2色以上の色を重ねて多色での面積階調による階調カラー画像などを形成するための熱転写記録媒体と受像シート及びそれらを用いた画像形成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、サーマルヘッドプリンタを用いて階調画像を形成する熱転写記録方式としては、昇華転写方式と溶融転写方式が知られている。昇華転写方式は、昇華性(熱移行性)染料とバインダー樹脂とからなる熱転写記録層を支持体上に設けた熱転写記録媒体を受像シートと重ね、サーマルヘッドの熱量に応じて熱転写記録層中の昇華型染料を受像シート上に移行させ階調画像を形成するものである。 【0003】しかしながら、このような昇華性(熱移行性)染料を用いて画像を形成した場合、形成された画像は耐久性が劣り、耐熱性や耐光性を要求する分野への利用が制限される。また、感熱記録感度が溶融転写方式と比べ低いため、乾電池などのバッテリー駆動によるプリンターの小型軽量化、将来実用が期待されている高解像力サーマルヘッドを用いる高速記録材料としては適していない等の欠点を有している。 【0004】一方、溶融転写方式は、支持体上に顔料や染料などの色材とワックスなどの結合剤からなる熱溶融性のインキ転写層を設けた転写シートをを用いてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加し、受像シート上にインキ転写層を融着させて画像を形成させる方式である。 【0005】溶融転写方式によって形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字、線画等の2値画像の記録に適している。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックよりなる熱転写シートを用いて、受像シート上に重ねて画像を形成することにより、カラー画像の形成も可能である。このようなカラー画像形成用熱転写シートとして特公昭63−65029号公報がある。ところが、上記特公昭63−65029号公報に記載の熱転写シートの場合、低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いているため、インキのニジミによって解像力の低下が発生しやすい。また転写画像の定着強度が弱く、画像部を手で強くこすると画像部がとれてしまう。 【0006】このような現象を解決する方法として種々の提案がなされてきた。例えば特開昭61−244592号公報には、65%以上の非晶質ポリマーと離型性物質と着色剤よりなる感熱インキ層を有する感熱転写シートが提案されている。しかしながら、上記特開昭61―244592号公報に記載の熱転写シートも、結晶性ワックスを含むため、各色の重ね印画を行った部分の定着強度は不十分なものとなっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として使用したことに起因したインキの滲みによる解像力の低下を防ぐ事、また、ワックスを使用していると転写した画像を手で擦ったような場合の耐久性が足りず、画像が取れて無くなり易いこと点を改善し転写した画像の耐久性を増強する事、そして良好な面積階調を実現できること、これらを同時に達成することのできる熱転写記録媒体(感熱転写リボン)と受像シート、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、溶融転写方式を用い、上記課題を解決することを可能とした。 【0009】すなわち、請求項1に係わる発明は、着色顔料、エポキシ樹脂、および、無色又は淡色の微粒子を主成分とし、且つ膜厚が0.2〜1.0μmである熱転写記録層が支持体上に設けてあり、該エポキシ樹脂は軟化点が70〜150℃であること、を特徴とする熱転写記録媒体である。尚、ここでいう「微粒子」はフィラーの役目を果たしており、また「無色又は淡色」とは、熱転写記録層による転写画像の色や濃度に実質的な影響が無い程度であることを意味する。 【0010】また、請求項2に係わる発明は、前記熱転写記録層は、前記着色顔料が20〜60重量部の範囲、前記エポキシ樹脂が40〜70重量部の範囲、そして前記微粒子が5〜30重量部の範囲にあって、且つ、該着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子の総和が100重量部以下になる範囲の任意の組み合わせの配合比であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体である。 【0011】尚、請求項2で、熱転写記録層の着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子の総和が100重量部以下としているが、ここでいう「以下」の意味は次のとおりである。すなわち、熱転写記録層中には、前記の主成分(着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子)だけが含まれる場合と、何らかの理由により前記の主成分以外にもその他の組成物が適宜含まれる場合とがあって、もし前者の場合には熱転写記録層の着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子の総和が100重量部とし、また、もし後者の場合であれば、熱転写記録層の着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子の総和は100重量部未満とする(この場合、着色顔料、エポキシ樹脂、微粒子、およびその他の組成物の総和が100重量部である)、という意味である。つまり、熱転写記録層中の着色顔料、エポキシ樹脂、および微粒子の配合比は、これら2つの場合でいう各100重量部に対して、配合比の組み合わせを適宜選択することになる。 【0012】また、もし熱転写記録層にその他の組成物も加える場合(すなわち後者の場合)には、具体例としては、界面活性剤等に代表される分散剤などを挙げることが出来、その配合比は、後者の場合でいう100重量部に対して0.1〜10重量部である。もし、その他の組成物の重量割合が少な過ぎると、その他の組成物の効果が上手く発揮されず、逆に、その他の組成物の重量割合が多過ぎると、本発明の当初の課題を全て十分に満たすように解決することが困難になる。その他の組成物が分散剤である場合、その役割は、次のような効果を狙うものである。つまり、熱転写記録層を支持体上に設けるには、一般に、熱転写記録層をなす適当量の配合比の組成物に、揮発性をもつ適当な溶剤を適当量加えて塗工液とし、これを支持体上のしかるべき場所に適当量だけ塗工した後に溶剤成分を揮発性させることにより行なうが、この際に、もし着色顔料や微粒子が望ましくない凝集を起こした事が原因と思われる不具合を生じる場合に、前記の塗工液中に分散剤を加えることにより、着色顔料や微粒子に好ましい分散性を付与することが出来、前記の凝集が原因と思われる不具合を解決するものである。 【0013】また、請求項3に関わる発明は、前記熱転写記録層中の無色又は淡色の微粒子がシリカであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。 【0014】また、請求項4に関わる発明は、シアン、マゼンタ、イエローの3色、あるいは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色が、支持体上に長手方向に沿って面順次に並べて繰り返し設けてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。 【0015】また、請求項5に関わる発明は、受像層が支持体上に設けてあり、該受像層の受像面はエポキシ樹脂で形成されていることを特徴とする受像シートである。 【0016】また、請求項6に関わる発明は、サーマルヘッドプリンタを用いて、請求項1乃至4記載の熱転写記録媒体の熱転写記録層を受像シート上に熱転写し、面積階調による画像形成を行う画像形成方法において、受像面にはエポキシ樹脂の層が形成されている受像シートを使用することを特徴とする画像形成方法である。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の熱転写記録媒体の転写原理は、サーマルヘッド等の熱媒体によって熱転写記録材に熱が加えられ、その際によって熱転写記録層中の熱溶融性物質であるエポキシ樹脂が溶解状態となり、粘着性が発現され、受像シート上に熱的に接着することによって画像が記録される。その為、少なくとも2色以上の色を重ねて印画を行う際、インキのニジミのない鮮明な印画が得られる。また転写された記録画像は機械的強度に優れた特性が得られる。 【0018】以下、本発明の熱転写記録媒体について詳細に説明する。図1は、支持体(2)上に熱転写記録層(3)を設けた本発明に係わる熱転写記録媒体(1)を示す。 【0019】本発明に用いることのできる支持体(2)としては、従来より昇華転写型や溶融転写型用として一般に用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルム、コンデンサーペーパー、パラフィン紙等の紙類を挙げることができるが、特に好ましいのはポリエステルフィルムである。支持体(2)の厚みは2〜50μm、より好ましくは2〜16μmである。熱転写記録層(3)は、着色顔料とエポキシ樹脂と無色又は淡色の微粒子からなる。 【0020】熱転写記録層(3)に含有されるエポキシ樹脂は、サーマルヘッド等の熱媒体に対する印画適正と転写記録後の画像の耐久性を考慮して軟化点が70℃から150℃の範囲のものを使用する。サーマルヘッドを使用して熱転写する場合の熱的条件は、通常300〜400℃で数ミリ秒であり、これを静的な条件に換算すると100〜150℃で5秒となる。また、前述のように熱転写記録するためにはエポキシ樹脂が溶解となるまで加熱する必要がある。 【0021】従って、サーマルヘッドから供給される熱量と、エポキシ樹脂を溶解状態を考慮すると、融点の上限は150℃となる。もしこの上限を越える樹脂を使用すると、転写時に、より多くのエネルギーを必要とし、サーマルヘッドの寿命が極端に短くなるからである。また、下限を70℃としたのは、転写記録後の画像の保有安定性を考慮したものであり、もし融点が70℃未満のエポキシ樹脂を使用すると、手でこすると尾引きが発生する等の現象が生じるからである。 【0022】また、本発明の熱転写記録層に主材料として使用するエポキシ樹脂の特性として、特に好ましくは、エポキシ当量(1グラムのエポキシ基を含む樹脂のグラム数)は600〜5000であり、分子量が800〜5000のものである。 【0023】もしこのエポキシ樹脂のエポキシ当量が、前記下限値よりも低い場合には(600未満)、擦りに対する画像の耐久性が充分でなく、手で擦ると転写画像に尾引きが発生し易いので好ましくない。逆に、もしこのエポキシ当量が、前記上限値よりも高い場合には(5,000を超える)、感熱転写の際に必要とする熱エネルギが多大過ぎてしまう為に、サーマルヘッドの寿命を縮めてしまうとか、感熱転写の感度も低いことから、画像を高速で感熱転写記録しようとする用途には不向きであるので好ましくない。 【0024】それから、このエポキシ樹脂の分子量が、もし前記下限値よりも低い場合には(800未満)、擦りに対する画像の耐久性が充分でなく、手で擦ると転写画像に尾引きが発生し易いので好ましくない。逆に、もしこの分子量が、前記上限値よりも高い場合には(5,000を超える)、感熱転写の際に必要とする熱エネルギが多大過ぎてしまう為に、サーマルヘッドの寿命を縮めてしまうとか、感熱転写の感度も低いことから、画像を高速で感熱転写記録しようとする用途には不向きであるので好ましくない。 【0025】本発明で最も好ましいエポキシ樹脂は、軟化点、エポキシ当量、および分子量の全ての特性が同時に前記それぞれの範囲内に在る場合である。この場合には、特に画像の転写性と耐久性に関して高い効果が得られるので好ましい。 【0026】以上の理由から、融点が70〜150℃、エポキシ当量が600〜5000、及び分子量が800〜5000の範囲にあるエポキシ樹脂を選択する訳であるが、このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグルシジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフロロアセトングリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂やフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂や、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルメタキシメンジアミン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、およびヘキサヒドロビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの中から任意に選択してよい。 【0027】熱転写記録層(3)に含有される無色又は淡色の微粒子は、熱転写するときの転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等を向上さるせ為に必要な成分であり、無色又は淡色のものを使用するのは、感熱転写で形成された着色画像の発色を損なわないようにする為である。このような無色又は淡色の微粒子の例としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、澱粉、酸化亜鉛、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン及びメラミン樹脂ビーズなどを挙げることができる。上記の中では、特に、シリカの微粒子が好ましい。 【0028】熱転写記録層(3)に含有される着色顔料は、公知の種々顔料を用いることができる。一例としては、ブラック単色印字用としてはカーボンブラックが好ましく、多色印字用としては、イエロー、マゼンタ、シアンを形成する顔料及びこの3色の顔料にブラックを加えた4色の顔料を使用する。これら顔料は、1種類もしくは2種類以上組み合わせて使用することも可能である。 【0029】熱転写記録層(3)を形成する為の組成物の配合組成は、その固形分総量100重量部に対して、着色顔料が20〜60重量部、エポキシ樹脂が40〜70重量部、無色又は淡色の微粒子が1〜30重量部である。着色顔料が上記範囲より少ない場合は所望の印画濃度を得ることができず、多い場合は膜強度が低下する点で好ましくない。エポキシ樹脂が上記範囲より少ない場合は膜強度が低下する点で好ましくなく、多い場合は転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が悪くなる点で好ましくない。無色の微粒子が上記範囲より少ない場合は転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が悪くなる点で好ましくなく、多い場合は良好なインキの流動性が得られない。また、これに必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。そしてその添加量は、前記熱転写記録層を形成する為の組成物100重量部に対して10重量部以下とするのが好ましい。 【0030】なお、本発明の熱転写記録媒体の製造方法は、コート紙またはプラスチック等の基体上に着色剤とエポキシ樹脂と無色の微粒子とを溶剤に、分散または溶解した組成物を、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート等のソルベントコート法によって塗布し、乾燥して熱転写記録層を形成することにより成る。 【0031】熱転写記録層(3)の膜厚は、0.2〜1.0μmが望ましい。膜厚が0.2μmを下回ると十分な濃度を出すことが難しく、また1.0μmを上回るとサーマルヘッドの発熱部分に応じた転写が困難となり、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が劣ることになる。 【0032】また、支持体(2)の熱転写記録層(3)を設けていない側よりサーマルヘッドを用いて熱を加え、受像シート上に熱転写記録層(3)を転写する際に、サーマルヘッドが支持体(2)に付着して熱転写記録媒体(1)のスムーズな走行性を妨害するのを防ぐために、支持体(2)の熱転写記録層(3)が設けられていない側に、バックコート層(4)を設けることが望ましい。 【0033】このようなバックコート層(4)に用いられる材料としては、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂等にシリコンオイルを含有させたもの、または、シリコン変性樹脂等を挙げることができる。また、耐熱性を向上させる目的で、架橋剤を併用しても良い。バックコート層(4)を設ける際の塗布厚は、0.1〜4μm程度が好ましい。 【0034】以上の如き熱転写記録媒体(1)を用いて、画像を形成する為に使用する受像シートとしては、上質紙、コート紙等の紙類、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム、あるいは紙、プラスチックフィルム上に受像層をコーティングしたもの等が挙げられる。ここで使用する受像層は、エポキシ樹脂であることが好適である。即ち、エポキシ樹脂を受像層として使用することによって、熱転写時に熱転写記録媒体の熱転写記録層が十分に溶融しなくても熱転写時の熱によって熱転写記録層と受像層とが良好に接着し、十分な箔切れを以て印画が成されるため転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が向上する。更には形成された画像は、耐摩耗性、耐擦過性等の画像耐性に優れたものとなる。 【0035】また、画像形成を行いたいシート上に直接画像形成を行うことが困難な場合は、上記受像シート上に一度画像を形成した後、転写画像を最終シート上に再転写させても良い。このような間接転写方式は、最終シートの選択性が広がるだけでなく、受像シートに保護層を設けておくことにより、最終転写画像上に保護層を設けられ画像耐性の向上が図れたり、受像シート上にホログラム形成層等のセキュリティ層を設けておくことにより、最終転写画像のセキュリティの向上を図ることが可能となる。 【0036】上記の如き本発明の熱転写記録媒体及び上記の如き受像シートを使用して面積階調による階調画像表現を得る際に使用する熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれも使用することが出来、熱エネルギーをコントロールすることにより、階調画像を得ることが可能となる。 【0037】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中で「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。 【0038】<実施例1>まず、下記組成の熱転写記録層用インキ組成物を調製した。 (シアンインキ) フタロシアニンブルー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※軟化点128℃、エポキシ当量1750〜2200、分子量2900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0039】 (マゼンタインキ) カーミン6B … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※軟化点128℃、エポキシ当量1750〜2200、分子量2900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0040】 (イエローインキ) ジスアゾイエロー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※軟化点128℃、エポキシ当量1750〜2200、分子量2900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0041】上記処方の熱転写記録層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ5.4μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.7μmになるように塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。 【0042】次に、100μmの易接着ポリエステルフィルムの易接着面に下記の受像層インキを用いて、乾燥膜厚が5μmになるように塗布及び乾燥して、受像シートを得た。 【0043】 (受像層インキ) エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …30部 ※軟化点128℃、エポキシ当量1750〜2200、分子量2900メチルエチルケトン …70部【0044】こうして得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写記録層面と受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、受像シート上に面積階調のみからなるカラー画像を形成させることができた。 【0045】<比較例1>熱転写記録層用インキとして以下の昇華転写型インキ組成物を調整した。 (シアンインキ) C.I.ソルベントブルー63 … 5部ブチラール樹脂(積水化学工業製BX−1) … 5部メチルエチルケトン …60部トルエン …30部【0046】 (マゼンタインキ) C.I.ディスパーズレッド60 … 5部ブチラール樹脂(積水化学工業製BX−1) … 5部メチルエチルケトン …60部トルエン …30部【0047】 (イエローインキ) C.I.ディスパーズイエロー201 … 5部ブチラール樹脂(積水化学工業製BX−1) … 5部メチルエチルケトン …60部トルエン …30部【0048】上記処方の熱転写記録層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ5.4μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布及び乾燥して比較例1の熱転写記録媒体を得た。 【0049】次に、100μmの易接着ポリエステルフィルムの易接着面に下記の染料受容層用インキを乾燥膜厚が4μmとなるように塗布、乾燥を行い、その後45℃で1週間エージングを行い、受像シートを得た。 【0050】 (染料受容層用インキ) アセタール樹脂 …10部塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 …10部シリコンオイル … 2部イソシアネート樹脂 … 3部メチルエチルケトン …50部トルエン …25部【0051】得られた熱転写記録媒体の熱転写記録層面と受像シートの染料受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いてイエロー、マゼンタ、シアンの順に画像形成を行い、カラー画像を得た。 【0052】<比較例2>実施例1において、熱転写記録層用インキの乾燥膜厚を、シアン、マゼンタ、イエローとも1.2μmとした以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作製しカラー画像を形成した。 【0053】<比較例3>実施例1において、熱転写記録層用インキを以下の処方に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作製しカラー画像を形成した。 【0054】 (シアンインキ) フタロシアニンブルー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※軟化点128℃、エポキシ当量1750〜2200、分子量2900メチルエチルケトン …71部【0055】 (マゼンタインキ) カーミン6B … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※軟化点128℃、エポキシ当量1750〜2200、分子量2900メチルエチルケトン …71部【0056】 (イエローインキ) ジスアゾイエロー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※軟化点128℃ エポキシ当量1750〜2200 分子量2900メチルエチルケトン …71部フタロシアニンブルー …10部【0057】<比較例4>実施例1において、熱転写記録層用インキを以下の処方に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作製しカラー画像を形成した。 【0058】 (シアンインキ) フタロシアニンブルー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1001) …20部 ※軟化点64℃ エポキシ当量450〜500 分子量900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0059】 (マゼンタインキ) カーミン6B … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1001) …20部 ※軟化点64℃ エポキシ当量450〜500 分子量900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0060】 (イエローインキ) ジスアゾイエロー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1001) …20部 ※軟化点64℃ エポキシ当量450〜500 分子量900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0061】<比較例5>実施例1において、熱転写記録層用インキを以下の処方に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作製しカラー画像を形成した。 【0062】 (シアンインキ) フタロシアニンブルー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1010) …20部 ※軟化点169℃ エポキシ当量3000〜5000 分子量5500無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0063】 (マゼンタインキ) カーミン6B … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1010) …20部 ※軟化点169℃ エポキシ当量3000〜5000 分子量5500無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0064】 (イエローインキ) ジスアゾイエロー … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1010) …20部 ※軟化点169℃ エポキシ当量3000〜5000 分子量5500無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972)… 4部メチルエチルケトン …67部【0065】実施例1及び比較例1、2、3、4、5で得られた画像に対して、画像階調性、耐光性及びセキュリティ性の評価を行った。 【0066】 【表1】
<※イメージ番号000003を参照>【0067】画像階調性……… ○:作製したカラー画像がハイライト部からシャドウ部まで忠実に再現されている×:ハイライト部からシャドウ部までの再現性が不十分である。 耐光性…………… キセノンフェードメーターによりカラー画像面に80時間照射を行い、その退色率を測定。 ○:退色率5%以内×:退色率5%以上定着性…………… カラー画像面を爪で通常の力で擦ったときの画像部の尾引きの程度。 ○:変化なし×:画像部周辺に汚れあり【0068】表に示した通り本発明による感熱記録媒体(実施例1)は、階調再現性において作製したカラー画像がハイライト部からシャドウ部まで忠実に再現され、記録後の画像の耐久性を具備した優れた熱転写記録媒体を得ることができ、本発明の目的が達成された。 【0069】<実施例2>実施例1において、熱転写記録層用インキ組成物としてシアン、マゼンタ、イエローの3色に、以下のブラックインキを加えて、4色を用いた混色によるカラー画像を作成した。 【0070】 (ブラックインキ) カーボンブラック … 9部エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※エポキシ当量1750〜2200 軟化点128℃ 分子量2900無色微粒子(シリカ:日本アエロジル製アエロジルR972) … 4部メチルエチルケトン …67部【0071】得られた画像は、実施例1同様の性能を有することが確認された。 【0072】<実施例3>実施例1において、カラー画像をシアン、マゼンタ、イエローの3色を用いた混色により作成し、文字及びバーコードの2値化画像をブラックで作成を行った。得られた画像は、実施例1の性能に加え、文字及びバーコード部分にも耐性の優れた性能を有することが確認された。 【0073】<実施例4>実施例1で得られた熱転写記録媒体を用い、以下に示す受像シート上に画像形成を行った。 【0074】(受像シート構成)25μmのポリエステルフィルム上に以下の各処方インキを順次塗布、乾燥して剥離層、受像層が順次積層された受像シートを得た。 【0075】 (剥離層用インキ) アクリル樹脂 …20部メチルエチルケトン …40部トルエン …40部【0076】 (受像層用インキ) エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …30部 ※エポキシ当量1750〜2200 軟化点128℃ 分子量2900メチルエチルケトン …70部【0077】画像形成された受像シートを最終製品用シートと重ね合わせ受像シート裏面よりヒートローラーにて熱転写を行い、ポリエステルフィルムのみを剥がしたところ、表面に保護層が設けられた良好な転写体を得ることができた。 【0078】<実施例5>実施例1で得られた熱転写記録媒体を用い、以下に示す受像シート上に画像形成を行った。 【0079】(受像シート構成)25μmのポリエステルフィルム上に以下の剥離層用インキ、ホログラム形成層用インキを順次塗布、乾燥して剥離層、ホログラム形成層を得た後、熱エンボスによりホログラム形成層の表面に凹凸形状によるホログラム形成を行った。 【0080】 (剥離層用インキ) アクリル樹脂 …20部メチルエチルケトン …40部トルエン …40部【0081】 (ホログラム形成層用インキ) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 …20部ウレタン樹脂 …15部メチルエチルケトン …70部トルエン …30部【0082】更に、透明薄膜層としてZnSを蒸着によりホログラム形成層表面に設けたのち、以下の受像層用インキを塗布、乾燥して受像層を積層し、受像シートを得た。 【0083】 (受像層用インキ) エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製:エピコート1007) …20部 ※エポキシ当量1750〜2200、軟化点128℃、分子量2900ウレタン樹脂 …10部メチルエチルケトン …70部【0084】画像形成された受像シートを表面に紫外線発光蛍光剤が印刷された最終製品用シートと重ね合わせ受像シート裏面よりヒートローラーにて熱転写を行い、ポリエステルフィルムのみを剥がしたところ、表面に保護層が設けられた良好な転写体を得ることができた。 【0085】得られた転写体はセキュリティ機能としてホログラム画像を有しており、セキュリティ性の高いものであった。実施例2〜5の結果も表1中に示しておく。 【0086】 【発明の効果】本発明によれば、熱転写記録層中に着色顔料とバインダー樹脂(エポキシ樹脂)と無色又は淡色の微粒子(フィラー)とを含有させ、サーマルヘッドプリンタで熱転写記録層を受像シート上に熱転写し、面積階調による階調再現性の優れた画像を形成することのでき、しかも転写後の画像は保存性、特に耐光性や機械的強度に優れており、これらを同時に達成することのできる熱転写記録媒体(感熱転写リボン)と受像シート、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することが出来た。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003193 【氏名又は名称】凸版印刷株式会社 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成11年9月30日(1999.9.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−211856(P2003−211856A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2003−17064(P2003−17064) |
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