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【発明の名称】 感熱記録体
【発明者】 【氏名】珠久 茂和
【住所又は居所】兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 王子製紙株式会社尼崎研究センター内

【要約】 【課題】記録走行性および記録画質に優れた感熱記録体を提供することにある。

【解決手段】支持体上に、電子供与性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱記録層、並びに顔料および接着剤を含有する保護層を有する感熱記録体において、保護層中の顔料として、少なくともモノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩により表面処理された顔料を保護層に対して0.1〜40質量%用いるものである。特に、表面処理された顔料中、モノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩の処理量が、表面処理された顔料に対して0.01〜20質量%程度のものが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、電子供与性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱記録層、並びに顔料および接着剤を含有する保護層を有する感熱記録体において、保護層中の顔料が、少なくともモノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩により表面処理された顔料であることを特徴とする感熱記録体。
【請求項2】 表面処理された顔料中、モノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩の処理量が、表面処理された顔料に対して0.01〜20質量%である請求項1記載の感熱記録体。
【請求項3】 表面処理された顔料が、保護層に対して0.1〜40質量%含有する請求項1または2記載の感熱記録体。
【請求項4】 表面処理された顔料が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種である請求項1、2または3記載の感熱記録体。
【請求項5】 保護層が、平滑な基材面から写しとられた表面を有する層である請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
【請求項6】 保護層が、接着剤組成として電離放射線硬化性化合物を主成分とし、電離放射線を照射して硬化された層である請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関し、特に記録走行性および記録画質に優れた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙、合成紙、またはプラスティックフィルムなどからなる支持体の片面上に、ロイコ染料、呈色剤および接着剤とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録体を記録媒体として用いた記録装置はコンパクトで、しかも安価であり、かつ保守が容易であるため、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器等の記録用媒体としてだけでなく、POSラベル、CAD、CRT医療画像用などの各種プリンター、プロッターの出力媒体として広く使用されている。
【0003】その中で記録画像の均一性、高解像度が必要なCRT医療計測用の画像プリンターおよび、寸法安定性、細線記録の必要なCADプロッターには複層構造を有する合成紙や、必要に応じて無機顔料を含有する2軸延伸した熱可塑性樹脂フィルムが使用されている。そして、用途の多様化にともない、銀塩写真に匹敵するような表面光沢性および記録画質、並びに記録走行性優れた感熱記録体への要望が高まっている。
【0004】記録走行性を改良するために、保護層中に高級脂肪酸またはその塩で表面処理された顔料を含有させた感熱記録材料が特開平6−340179号公報にあり、また表面光沢性と記録走行性を改良するためにロジン酸で表面処理された顔料を含有させた感熱記録体が特開平9−234952号公報に記載されているが、サーマルヘッドに対する記録エネルギーが高くなると記録走行性改良効果が低下する問題がある。
【0005】さらに、平滑な面を有する基材から転写された保護層中に、表面光沢性と記録走行性を改良するためにアルキルリン酸エステルを含有させた感熱記録体が特開平8−90907号公報に記載されているが、サーマルヘッドに対する記録エネルギーが高くなると記録走行性改良効果が低下する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、記録走行性および記録画質に優れた感熱記録体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】支持体上に、電子供与性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱記録層、並びに顔料および接着剤を含有する保護層を有する感熱記録体において、保護層中の顔料として、少なくともモノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩により表面処理された顔料を用いるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】感熱記録層上に有する保護層中に、モノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩により表面処理された顔料(以下、特定の顔料と称する)と接着剤を含有させることにより、記録走行性および記録画質に優れた効果が得られる。
【0009】特定の顔料中、モノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩の処理量としては、特定の顔料に対して0.01〜30質量%程度、より好ましくは0.02〜20質量%程度である。
【0010】特定の顔料は、モノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩と、顔料とをモノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩の溶融温度より高めの温度で処理したり、モノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩を溶解する溶液を顔料にスプレー処理したり、あるいはモノ(ジ)アルキルリン酸エステル塩と顔料の金属部分とを化学反応させるなどして得られる。
【0011】特定の顔料中の顔料としては、一次粒子の平均粒子径が0.01〜5μm程度の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンス、チレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラーなどの顔料が挙げられる。なかでも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムがモノ(ジ)アルキルリン酸エステルとの反応性と処理性に優れ、しかも保護層中の接着剤に対する分散性に優れ、好ましい。
【0012】特定の顔料の使用量としては、保護層に対して0.1〜40質量%程度、より好ましくは1〜25質量%程度である。使用量が、0.1質量%未満であると記録走行性改良効果が低く、40質量%を越えると記録画質が低下かる恐れがある。
【0013】特定の顔料中のモノ(ジ)アルキルリン酸エステルまたはその塩のアリキル基の炭素数としては6〜20程度であり、具体例としては、例えばリン酸モノステアリル、リン酸モノステアリルカリウム、リン酸ジステアリルカリウム、リン酸ジステアリルナトリウム、リン酸ジステアリルアンモニウム、リン酸ジステアリルリチウム、リン酸モノステアリル亜鉛、リン酸ジオクチル、リン酸ジヘキシルなどが挙げられる。
【0014】保護層は、特にJIS B 0652に規定された光波干渉式表面あらさ測定器により測定された表面あらさRqが0.01〜0.2μm程度の平滑な基材面から写しとられた表面を有する層が、保護層面の光沢性に優れ、好ましい。
【0015】保護層を形成するための保護層用塗液は、例えば電子線硬化性化合物および特定の顔料とからなる組成物をスリーロールミル、サンドミル、ペイントコンディショナーおよび超音波分散機等より混合したり、あるいは水を媒体とし、水性接着剤、特定の顔料、および必要により界面活性剤、架橋剤、消泡剤などの助剤とを混合攪拌することにより調製される。
【0016】本発明の感熱記録体の好ましい製造方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)支持体上に、感熱記録層、水性接着剤を主成分とする中間層を設け、表面あらさRqが0.2μmのPETフイルムなどの基材上に電離放射線硬化性化合物と特定の顔料を主成分とする保護層用塗液を塗布し、かかる塗布面と中間層面を密着させた後、PETフイルム上から電離放射線を照射し、保護層を硬化し、PETフイルムを除去する方法。
【0017】(2)支持体上に、感熱記録層、水性接着剤を主成分とする中間層を設けた後、その上に電離放射線硬化性化合物と特定の顔料を主成分とする疎水性の保護層用塗液を塗布し、かかる塗布面と表面あらさRqが0.2μmのPETフイルムなどの基材を密着させ、PETフイルム上から電離放射線を照射し、保護層を硬化し、PETフイルムを除去する方法。
【0018】(3)特定の顔料と水性接着剤を主成分とする水性の保護層用塗液を感熱記録層上に塗布し、保護層面を表面あらさRqが0.2μmのPETフイルムまたはクロームメッキされた金属ドラムに密着し、乾燥することにより得られる。
【0019】保護層は、接着剤組成として電離放射線硬化性化合物を主成分とし、電離放射線を照射して硬化された層が記録画質に優れ、好ましい。
【0020】疎水性の保護層用塗液中の電離放射線硬化性化合物としては、例えばエチレン性不飽和結合を1つ以上有するモノマーまたはプレポリマーである。
【0021】かかるモノマーの具体例としては、例えばN−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、アクリルアミド、ベンジルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、カプロラクトン付加物のアクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートなどの単官能モノマー、【0022】ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレートなどの複官能モノマー等が挙げられる。
【0023】また、プレポリマーとしては上記モノマーからなるプレポリマーが挙げられる。かかるモノマー及びプレポリマーは、二種以上をそれぞれ混合して使用することもできる。
【0024】電子線照射に用いられる電子線加速器としては、特にその方式に限定はなく、例えばエレクトロカーテン方式、スキャニング方式などの電子線照射装置を使用することができる。これらの中でも比較的安価で大出力の得られるエレクトロカーテン方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、30〜300KV程度である。
【0025】水性の保護層用塗液中の水性接着剤としては、例えば下記の感熱記録層用塗液中に含有される接着剤が使用される。また、助剤としては、例えばジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス、ステアリルリン酸エステル塩等の滑剤類、グリオキザール、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、ホウ酸、ホウ砂などの架橋剤類、表面処理されていない炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンス、チレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラーなどの顔料類、着色染料類、蛍光染料類が挙げられる。
【0026】保護層の塗布量としては、乾燥、もしくは硬化後の塗布量が0.5〜5.0g/m程度が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0/m程度である。
【0027】支持体としては、例えばポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料を加熱混練し、ダイから押し出し、縦方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料からなるフィルムを片面当たり1〜2層積層し、横方向に延伸して半透明化あるいは不透明化して製造される合成紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂単独または混合物を加熱混練し、ダイから押し出し2軸延伸して得られたフィルム、これらの樹脂に白色無機顔料を混合し、2軸延伸した不透明フィルムのほか、上質紙、中質紙、中性紙、再生紙、塗工紙などのパルプ繊維から製造されたものが使用できる。支持体の坪量としては、20〜250g/m2程度である。
【0028】感熱記録層には、熱エネルギーにより電子供与性化合物と電子受容性化合物とが反応して発色する組合せのものが含有されるが、かかる組合せとしては、例えばロイコ染料と呈色剤との組合せ、ジアゾニウム塩とカプラーとの組合せ、鉄、コバルト、銅など遷移元素とキレート化合物との組合せ、芳香族イソシアネート化合物とイミノ化合物との組合せ等が挙げられるが、ロイコ染料と呈色剤との組合せが発色濃度に優れるため、好ましく用いられる。以下、ロイコ染料と呈色剤との組合せからなる感熱記録体について詳細に述べる。
【0029】支持体上に形成される感熱記録層には、ロイコ染料および呈色剤として、各種公知のものが使用できる。かかるロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチル)アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオランなどが挙げられる。勿論、これらに限定されるものでなく、必要に応じて二種以上を併用することもできる。
【0030】呈色剤の具体例としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンなどのフェノール性化合物、N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、N−(o−トリル)−p−トリルスルホアミド、N−(p−トリルスホニル)−N’−(p−トリル)尿素、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタンなどの分子内に―SO2NH―結合を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−(p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩などが挙げられる。勿論、これらに限定されるものでなく、必要に応じて二種以上を併用することもできる。
【0031】本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と呈色剤の使用比率は用いられるロイコ染料、呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1重量部に対して呈色剤1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度使用するのが好ましい。
【0032】感熱記録層中には必要に応じて下記の如き増感剤、保存性改良剤などを添加することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、テレフタル酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル、2−ナフチルベンジルエーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2−(β−ナフトキシ)エタン、炭酸ジフェニル、p−ベンジルビフェニルなどが挙げられる。
【0033】保存性改良剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などのヒンダードフェノール類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤などが挙げられる。増感剤および保存性改良剤は、一般にロイコ染料1重量部に対して各々0.1〜4重量部程度含有するのが好ましい。
【0034】感熱記録層は、例えば水を分散媒として、サンドミル、アトライターおよびボールミルなどの粉砕機によりロイコ染料、呈色剤および必要により増感剤、保存性改良剤等とを一緒にまたは別々に平均粒子径が2μm以下となるように粉砕した後、接着剤、および下記の助剤などを添加して調製された感熱記録層用塗液を支持体上に乾燥後の塗布量が3〜20g/m2程度、塗布乾燥して形成される。
【0035】感熱記録層用塗液中に含有される接着剤としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビヤゴム、完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の水性樹脂が挙げられる。接着剤の使用量は、感熱記録層の固形量に対し8〜35部重量%程度が好ましい。
【0036】また、助剤としては、例えばジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス、ステアリルリン酸エステル塩等の滑剤類、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、焼成クレー、酸化チタン、珪藻土、無定形シリカ、中空フィラー等の顔料類、グリオキザール、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、ホウ酸、ホウ砂などの架橋剤類、着色染料類、蛍光染料類が挙げられる。
【0037】各層を形成するための各塗液は、カーテンコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、リップコーター、バーコーターなどの各種公知のコーターにより塗布される。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量%をあらわす。
【0039】〔実施例1〕
・A液調製3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、ポリビニルアルコールの10%水溶液5部および水20部からなる組成物をウルトラビスコミルで平均粒径が1.3μmとなるように分散してA液を得た。
【0040】・B液調製4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン50部、ポリビニルアルコールの10%水溶液5部および水70部からなる組成物をウルトラビスコミルで平均粒径が1.3μmとなるように分散してB液を得た。
【0041】・感熱記録層用塗液の調製A液30部、B液90部、炭酸カルシウムの60%スラリー52部、ポリビニルアルコールの10%水溶液40部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1537、固形濃度50%、旭化成工業社製)28部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンG−270、固形濃度20%、中京油脂社製)11部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−7−30、固形濃度30%、中京油脂社製)13部および水82部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗工液を得た。
【0042】・中間層用塗液の調製カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー70部、ケイ素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)の10%水溶液180部および水150部からなる組成物を混合攪拌して中間層用塗液を得た。
【0043】・保護層用塗液の調製電子線硬化性化合物としてε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート(商品名:カヤラッドDPCA−60、日本化薬社製)80部、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部をスリーロールミルで分散して保護層用塗液を得た。
【0044】・感熱記録体の作製合成紙(商品名:ユポFPG−80、ユポ コーポレーション社製)の片面に、感熱記録層用塗液および中間層用塗液を、それぞれ乾燥後の塗布量が8.0g/m2、3.0g/m2となるようにバー塗工方式で順次塗布乾燥して、感熱記録層および中間層を形成した後、スーパーカレンダー処理して、更にその上に保護層用塗液の塗布量が3.0g/m2となるように塗布し、厚さ50μmの二軸延伸PETフィルム(表面あらさRqが0.1μm)と保護層とを密着させ、PETフィルム側からエレクトロカーテン型電子線加速器(ESI社製)により加速電圧175KV、吸収線量4.0Mradの電子線を照射して接着剤層を硬化させた後、PETフィルムと保護層との間を剥離して感熱記録体を得た。
【0045】〔実施例2〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:5質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径1μmの炭酸マグネシウム20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0046】〔実施例3〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0047】〔実施例4〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径1μmの炭酸カルシウム20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0048】〔実施例5〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリル(処理量:0.1質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μm炭酸カルシウム20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0049】〔実施例6〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリル(処理量:20質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μm炭酸カルシウム20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0050】〔実施例7〕実施例1の保護層用塗液の調製において、電子線硬化性化合物としてε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート(商品名:カヤラッドDPCA−60、日本化薬社製)80部、およびリン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、それぞれを99部および1部を用いた以外は、、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0051】〔実施例8〕実施例1の保護層用塗液の調製において、電子線硬化性化合物としてε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート(商品名:カヤラッドDPCA−60、日本化薬社製)80部、およびリン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、それぞれを70部および30部を用いた以外は、、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0052】〔実施例9〕
・保護層用塗液の調製カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー100部、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部、ケイ素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)の10%水溶液300部および水150部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
【0053】・感熱記録体の作製合成紙(商品名:ユポFPG−80、ユポ コーポレーション社製)の片面に、実施例1の感熱記録層用塗液を乾燥後の塗布量が8.0g/m2となるようにバー塗工方式で順次塗布乾燥して感熱記録層を形成した後、更にその上に保護層用塗液の塗布量が3.0g/m2となるように塗布し、クロムメッキされた鏡面ドラムに保護層塗布面を密着、乾燥させ、感熱記録体を得た。
【0054】〔実施例10〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)の代わりに、リン酸ジステアリルナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0055】〔実施例11〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)の代わりに、リン酸ジオクチルアンモニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0056】〔実施例12〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)の代わりに、リン酸モノステアリルを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0057】〔実施例13〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)の代わりに、リン酸ジステアリル亜鉛を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0058】〔比較例1〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0059】〔比較例2〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリルナトリウム1部、および平均粒子径3μmの炭酸カルシウム19部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0060】〔比較例3〕実施例1の保護層用塗液の調製において、リン酸ジステアリル(処理量:10質量%/顔料)により表面処理された平均粒子径3μmの炭酸カルシウム20部の代わりに、リン酸ジステアリル20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た【0061】かくして得られた各感熱記録体および作製過程で得られたものについて以下の評価試験を行い、その結果を表1に示した。
【0062】〔光沢度〕光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて未記録部と記録濃度2.0の記録部の光沢度を入射角20度と75度で測定した。
【0063】〔記録走行性〕得られた感熱記録体をプリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)の内蔵パターンで黒ベタ印字を行い、得られた記録部の耐スティッキング性を下記のごとく目視判定した。
◎:音もなくスムーズな走行性である。
○:若干スティッキング音があるが概ねスムーズな走行である。
△:スティッキング音が大きく走行性にむらがある。
×:走行不良で印字できない。
【0064】〔記録画質〕得られた感熱記録体をプリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)の内蔵パターンでハーフトーン印字を行い、得られた記録像の画質を下記のごとく目視判定した。
◎:記録像が非常に均一である。
○:記録像が僅かに不均一である。
△:記録像が少し不均一で白抜けが僅かにある。
×:記録像が不均一である。
【0065】
【表1】

【0066】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明は表面光沢性、記録走行性および記録画質に優れた感熱記録体である。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【住所又は居所】東京都中央区銀座4丁目7番5号
【出願日】 平成14年1月28日(2002.1.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−211851(P2003−211851A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−17822(P2002−17822)