| 【発明の名称】 |
光情報記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】斎藤 直樹 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】レーザー光に対して高い感度を示す色素化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることにより、情報の高密度記録が可能で、高反射率および高変調度を有する光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に、レーザー光の照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、前記記録層がヘミポルフィラジン誘導体を含有することを特徴とする光情報記録媒体である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に、レーザー光の照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、前記記録層がヘミポルフィラジン誘導体を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体に関し、特に、ヒートモード型の光情報記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R等)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。 【0003】近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァサタイルディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行)。このDVD―Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と、狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680mmの波長のレーザー光)を照射することにより行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。 【0004】最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保しつつも、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。 【0005】例えば特開平4−74690号公報、特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、同2000−113504号公報、同2000−149320号公報、同2000−158818号公報及び同2000−228028号公報には、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の記録再生を行う記録再生方法が開示されている。 【0006】具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェエル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討では、上記各公報に記載の光ディスクは、実用上の感度、そして反射率や変調度などの記録特性においては尚充分でないことから、更に改良を要することが判明した。 【0008】以上から、本発明の目的は、レーザー光に対して高い感度を示す色素化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることにより、情報の高密度記録が可能で、高反射率および高変調度を有する光情報記録媒体を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、本発明者は、ヘミポルフィラジン誘導体を記録層の記録材料として用いることで、記録再生に用いられるレーザー光に対して高い感度を示し、かつ高い反射率、そして高い変調度を与える良好な記録再生特性を備えた光情報記録媒体が得られることを見出した。すなわち、本発明は、<1> 基板上に、レーザー光の照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、前記記録層がヘミポルフィラジン誘導体を含有することを特徴とする光情報記録媒体である。 【0010】<2> 前記ヘミポルフィラジン誘導体が下記一般式(I)で表されることを特徴とする<1>に記載の光情報記録媒体である。 【0011】 【化1】
・・・一般式(I) 【0012】[一般式(I)中、A及びBはそれぞれ独立に芳香族縮合環を表し、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、m又はnが2以上の整数のとき、複数個のR1又はR2は互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。Mは2個の水素原子、金属、金属酸化物又は配位子を有する金属を表す。] 【0013】<3> 前記一般式(I)中のMが、二つの水素原子、銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛および珪素のいずれかであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の光情報記録媒体である。 【0014】<4> 前記一般式(I)中の前記芳香族縮合環A及びBの少なくとも一方が、ベンゼン環であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の光情報記録媒体である。 【0015】<5> 前記一般式(I)中のm及びnがそれぞれ独立に0〜2のいずれかの整数であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の光情報記録媒体である。 【0016】<6> さらに、光反射層が設けられていることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の光情報記録媒体である。 【0017】<7> さらに、最表面に保護層が設けられていることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の光情報記録媒体である。 【0018】<8> 前記基板が、その表面にトラックピッチ0.2〜0.8μmのプレグルーブを有する透明な円盤状基板であり、前記記録層が、前記プレグルーブが形成された側の表面に設けられていることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の光情報記録媒体。 【0019】<9> <1>〜<8>のいずれかに記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザー光を照射して情報を記録することを特徴とする光情報記録方法である。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、記録層がヘミポルフィラジン誘導体を含有することを特徴とする。かかるヘミポルフィラジン化合物は、照射されたレーザー光を吸収して効率良く熱エネルギーへ変換でき、微小ピットの形成が可能であるため、これを記録層中に含有させると、情報の高密度記録が可能で、光情報記録媒体の反射率および変調度をそれぞれ高い状態に維持することができる。 【0021】本発明の光情報記録媒体に用いられるヘミポルフィラジン誘導体は、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。 【0022】 【化2】
・・・一般式(I) 【0023】一般式(I)中、A及びBはそれぞれ独立に芳香族縮合環を表し、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、m又はnが2以上の整数のとき、複数個のR1又はR2は互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。Mは2個の水素原子、金属、金属酸化物又は配位子を有する金属を表す。 【0024】一般式(I)において、A及びBで表される芳香族縮合環の好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環及びチアゾール環を挙げることができ、更に好ましいものは、ベンゼン環、ピリジン環及びピラジン環であり、特に好ましいものはベンゼン環である。 【0025】一般式(I)において、R1及びR2で表される置換基の例としては、以下に記載のものを挙げることができる。すなわち、炭素原子数1〜20の鎖状または環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル基)、炭素原子数6〜18のアリール基(例えば、フェニル基、クロロフェニル基、2,4−ジ−t−アミルフェニル基、1−ナフチル)、炭素原子数7〜18のアラルキル基(例えば、ベンジル基、アニシル基)、炭素原子数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル基、2−メチルビニル基)、炭素原子数2〜20のアルケニル基(例えば、エチニル基、2−メチルエチニル基、2−フェニルエチニル基)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素原子数2〜20のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、サリチロイル基、ピバロイル基)、炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、トルオイル基)、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、ブチルチオ基、ベンジルチオ基、3−メトキシプロピルチオ基)、炭素原子数6〜20のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基)、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、炭素原子数6〜20のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、パラトルエンスルホニル基)、炭素原子数1〜17のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−ブチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基)、炭素原子数1〜16のアミド基(例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基)、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基)、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、5もしくは6員のヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などのヘテロ環)である。 【0026】一般式(I)において、R1及びR2で表される置換基のより好ましい例としては、炭素原子数1〜16の鎖状又は環状のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数2〜17のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素数1〜10のアミド基であり、中でもさらに好ましいものは、炭素原子数1〜10の鎖状又は環状のアルキル基、炭素原子数7〜13のアラルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数l〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、塩素原子、炭素原子数2〜11のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜7のカルバモイル基、炭素数1〜8のアミド基であり、特に好ましいものは、炭素原子数3〜10の鎖状分岐又は環状のアルキル基、炭素原子数7〜11のアラルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜9のアルコキシカルボニル基、フェニル基及び塩素原子である。 【0027】一般式(I)において、m及びnとして好ましい値は、それぞれ独立に0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましい値は0である。m又はnが2以上の整数のとき、複数個のR1同士又はR2同士は互いに同一でも異なっていてもよく、連結して環を形成していてもよい。 【0028】一般式(I)において、縮合環A及びBは置換基を有していてもよく、その好ましい例としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜10のヘテロ環基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルスルフェニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルフェニル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜21のアシル基、炭素原子数1〜25のカルバモイル基、炭素原子数0〜32のスルファモイル基、炭素原子数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜15のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜21のアシルアミノ基、炭素原子教1〜20のスルホニルアミノ基、炭素原子数0〜32のアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基及びハロゲン原子を挙げることができるが、更に好ましいものは、炭素原子数3〜16のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数3〜16のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数3〜16のアルキルスルフェニル基、炭素原子数6〜10のアリールスルフェニル基、炭素原子数3〜16アルキルスルホニル基、炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜20のスルファモイル基であり、特に好ましいものは、炭素原子数4〜12のアルコキシ基、炭素原子数4〜12のアルキルスルホニル基、フェニルスルフェニル基、炭素原子数4〜12のアルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基及び炭素原子数4〜16のスルファモイル基であり、特に好ましいものは、炭素原子数4〜10のアルコキシ基、炭素原子数4〜10のアルキルスルフェニル基、炭素原子数4〜10のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜12のスルファモイル基である。 【0029】一般式(I)において、置換基R1、R2、縮合環A及びBの置換基は更に置換基を有していてもよく、該置換基の例としては、置換基R1及びR2の例として先に記載したものを挙げることができる。 【0030】一般式(I)において、Mとしては、既述のように、二つの水素原子、銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛および珪素のいずれかであるが、中でも、二つの水素原子、銅、ニッケル及びパラジウムが好ましく、二つの水素原子、銅及びニッケルがより好ましく、二つの水素原子及び銅が特に好ましい。 【0031】一般式(I)で表されるヘミポルフィラジン誘導体は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。 【0032】本発明の光情報記録媒体に用いられる一般式(I)で表されるヘミポルフィラジン誘導体は、特定の誘導体単独で使用してもよく、また構造の異なったものを複数種混合して用いてもよいが、単独で使用することが好ましい。尚、一般式(I)で表されるヘミポルフィラジン誘導体は、その合成時において不可避的に置換基の置換位置が異なる異性体を含む場合があるが、これら置換位置異性体は互いに区別することなく同一誘導体として見なしている。また、該置換基に異性体が含まれる場合も、これらを区別することなく同一のヘミポルフィラジン誘導体として見なしている。 【0033】以下に、本発明で用いられるヘミポルフィラジン誘導体の好ましい具体例(I−1〜I−28)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0034】 【化3】
【0035】 【化4】
【0036】 【化5】
【0037】 【化6】
【0038】 【化7】
【0039】 【化8】
【0040】 【化9】
【0041】本発明に用いられるヘミポルフィラジン誘導体は、イミド化合物とジアミノピリジン化合物とを脱水縮合する等の方法により製造することができる。 【0042】具体的には、J.Chem.Soc.2490(1954)、Chem.Rev.98,563−575(1998)に記載、引用もしくはこれらに類似の方法により合成することができる。 【0043】本発明の光情報記録媒体は、基板上に前記ヘミポルフィラジン誘導体を含有する記録層を有する。本発明の光情報記録媒体には、種々の構成のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に、記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成;前記円盤状基板上に、光反射層、記録層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層及び光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。 【0044】本発明の光情報記録媒体の基板に形成されるプレグルーブは、CD−RやDVD−R等の一般的な光情報記録媒体において形成されるものと同様とすることができる。 【0045】また、より高い記録密度を達成するために、CD―RやDVD―Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いることが可能である。本発明の光情報記録媒体の場合、該トラックピッチは200〜800nmの範囲にあることが好ましく、更に200〜500nmの範囲にあることが好ましく、特に250〜400nmの範囲にあることが好ましい。プレグルーブの深さは、5〜180nmの範囲にあることが好ましく、更に10〜150nmの範囲にあることが好ましく、特に20〜50nmの範囲にあることが好ましい。隣接するプレグルーブ同士の幅は50〜400nmの範囲にあることが好ましく、更に80〜300nmの範囲にあることが好ましく、特に100〜250nmの範囲にあることが好ましい。 【0046】本発明の光情報記録媒体として、円盤状基板上に記録層、光反射層、及び保護層をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明する。本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状として、または剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。 【0047】記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビエルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコー卜などの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。 【0048】記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。この場合、前記色素化合物(前記ヘミポルフィラジン誘導体)、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。 【0049】塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。 【0050】結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビエル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、該結合剤の使用量は、一般に前記ヘミポルフィラジン誘導体の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。 【0051】塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。 【0052】記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(II)で表される化合物を挙げることができる。 【0053】 【化10】
・・・一般式(II) 【0054】但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、そしてQ-はアニオンを表わす。 【0055】一般式(II)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、F、Cl等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの好ましい例としては、ClO4-、AsF6-、BF4-及びSbF6-を挙げることができる。一般式(II)で表される化合物の例を表1に示す。 【0056】 【表1】
【0057】前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。 【0058】記録層に隣接して、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金である。 【0059】光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。 【0060】光反射層の上には、最表面層として、光反射層や記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして貼り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。 【0061】保護層に用いられる材料の例としては、ZnS−SiO2、ZnS、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の無機物質、熟可塑性樹脂、熟硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパックリング、塗布等の方法により設けられてもよい。 【0062】また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の工程により、基板上に、記録層、光反射層そして保護層、あるいは基板上に、光反射層、記録層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。 【0063】本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。 【0064】CD−Rの場合は、750〜800nmの範囲の発振波長、DVD−Rの場合は、630〜680nmの発振波長を有するレーザー光が用いられる。また、更に短波長のレーザー光を用いる場合の記録光としては、390〜440nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が用いられる。このときの好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nm又は820nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長がそれぞれ425nm又は410nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に記録密度の点で青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。 【0065】 【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 【0066】(実施例1)化合物(I−1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液(濃度:1質量%)を得た。この塗布液を、表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:0.4μm、グルーブ幅:0.2μm、グルーブの深さ;0.05μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)であって、そのプレグルーブ側の表面にスピンコート法により塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約80nm)を形成した。 【0067】次に、記録層上に銀をスパッタリングして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、層厚7μmの保護層を形成した。以上の工程により本発明に従う光ディスクを作製した。 【0068】(実施例2〜8)実施例1において、化合物(I−1)で表わされるヘミポルフィラジン化合物を表2に示す化合物に代えたこと以外は同様にして、本発明に従う光ディスクを作製した。 【0069】 【表2】
【0070】(比較例1〜4)実施例1において、化合物(I−1)で表わされるヘミポルフィラジン化合物を下記比較用色素化合物(A)〜(D)にそれぞれ変更したこと以外は同様にして、比較用の光ディスクを作製した。 【0071】 【化11】
・・・(A):特関平7−304256号公報の実施例に記載の化合物【0072】 【化12】
・・・(B):特開平8−127174号公報の実施例1に記載の化合物【0073】 【化13】
・・・(C):特開平11−334207号公報の実施例1に記載の化合物【0074】 【化14】
・・・(D):特開2000−228028号公報の実施例に記載の化合物【0075】(光ディスクとしての評価)作製した光デイスクに線速度3,5m/秒で14T−EFM信号を発振波長405nmの青紫色半導体レーザー光を用いて記録した後、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度、グルーブ反射率、及び感度を測定した。記録および記録特性評価はパルステック社製DDU1000を用いて行った。評価結果を表2に示す。 【0076】表2の結果から、本発明の特徴とするヘミポルフィラジン誘導体を含有する記録層を有する光ディスク(実施例1〜8)は、比較化合物A〜Dを含む記録層を有する光ディスク(比較例1〜4)に比べて、上記青紫色半導体レーザー光に対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与え、しかも高感度であることがわかる。従って、本発明に従うヘミポルフィラジン誘導体を用いることで、短波長レーザー光に対しても、高い記録特性を具えた光ディスクが得られることがわかる。 【0077】 【発明の効果】本発明によれば、情報の高密度記録が可能で、高反射率および高変調度を有する光情報記録媒体を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−211848(P2003−211848A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−16717(P2002−16717) |
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