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【発明の名称】 インクジェット記録要素
【発明者】 【氏名】ヨンカイ ワン

【氏名】ロリ ジェイ.ショー−クライン

【氏名】トーマス ピー.ニコラス

【氏名】スリダー サダシバン

【氏名】リシン チュ

【要約】 【課題】本発明の目的は、染料系インクで印刷される際に、良好な表面光沢、速い乾燥時間、および優秀な画像堅牢性を提供する、光沢のあるインクジェット記録要素を提供することである。本発明のさらにもう1つの目的は、上述のインクジェット記録要素を使用する印刷方法を提供することである。

【解決手段】(I)少なくとも50質量%を含む無機粒子のベース層、並びに(II)以下の成分を含む画像受容層、(a)10〜 500nmの平均粒径を有するコロイド状無機酸化物粒子、および(b)ベンジルジメチルアンモニウム部分を有する水不溶性カチオン性高分子粒子、を記載されている順序で担持している支持体を含んでなるインクジェット記録要素。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (I)少なくとも50質量%を含む無機粒子のベース層、並びに(II)以下の成分を含む画像受容層、(a)10〜 500nmの平均粒径を有するコロイド状無機酸化物粒子、および(b)ベンジルジメチルアンモニウム部分を有する水不溶性カチオン性高分子粒子、を記載されている順序で担持している支持体を含んでなるインクジェット記録要素。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の粒子の混合物を含有しているインクジェット記録要素および上記要素を使用する印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的なインクジェット記録システムまたはインクジェット印刷システムにおいては、インク液滴が、記録要素または記録媒体に向かってノズルから高速で噴射され、媒体上に画像を生ずる。インク液滴(または記録液体)は、一般に、記録薬剤(例えば、染料または顔料)および大量の溶媒を含んでなる。溶媒(またはキャリア液体)は、概して、水および有機材料(例えば、一価アルコール、多価アルコール、またはそれらの混合物)から作られている。
【0003】インクジェット記録要素は、概して、少なくとも一方の表面に、インク受容層または画像受容層を担持している支持体を含んでなり、このような要素には、不透明な支持体を有する、反射式観察を目的とするもの、および透明な支持体を有する、透過光による観察を目的とするものが含まれる。
【0004】インクジェット記録要素の重要な特性は、それらが印刷後に素速く乾燥する必要があるということである。この目的のために、液体インクを有効に含有するのに十分な厚みおよび孔隙量を有する限り、ほぼ瞬間的な乾燥を提供する多孔質記録要素が開発されてきた。例えば、多孔質記録要素は、微粒子含有コーティングを支持体に適用して、磨かれた平滑面と接触させた状態で乾燥させる、キャストコーティングによって製造することができる。
【0005】一般に、インク受容層(IRL)には2種のタイプがある。第1のタイプのIRLは、分子拡散による膨潤およびインク吸収の高いキャパシティーを有するポリマーの非多孔質コーティングを含んでなる。カチオン性またはアニオン性の基材が上記コーティングに添加されて、カチオン性もしくはアニオン性の染料のための染料定着剤または媒染剤としてはたらく。このコーティングは、任意選択的に、透明かつ非常に平滑であり、高い光沢のある「写真グレード」の受容体につながる。第2のタイプのIRLは、無機粒子、高分子粒子、または有機−無機複合粒子、高分子バインダー、および添加剤(例えば、染料定着剤または媒染剤)の多孔質コーティングを含んでなる。これらの粒子は、化学的組成、大きさ、形状、および粒子内多孔性において多様であってもよい。この場合、印刷用液体は、上記IRLの開放孔隙中に吸収され、瞬間的に指触乾燥状態となるプリントが得られる。
【0006】光沢のある多孔質IRLは、通常は、少なくとも2種の層(ベース層、および光沢のある画像受容層)を含有している。普通紙上に塗布される場合、上記ベース層は、上記光沢のある画像受容層の下に配置される。画像受容層上に平滑で光沢のある表面を提供するためには、キャストコーティングおよびフィルム転写コーティングなどの特殊な塗布方法が利用されることが多い。また、普通紙上への従来のブレードコーティングもしくはロッドコーティング、またはエアナイフコーティングと組み合わせて、熱および圧力を用いるカレンダー加工を使用して、画像受容層上に光沢を生じさせてもよい。
【0007】光沢のある多孔質IRLは高濃度のインクを即座に吸収する能力を有するけれども、D. E. Bugner and C. Suminski, "Filtration and Reciprocity Effectson the Fade Rate of Inkjet Photographic Prints", Proceedings of IS&T's NIP16: International Conference on Digital Printing Technologies, Vancouver, BC, Oct. 2000 によって記載されているように、それらは画像堅牢性の問題(例えば、日光、タングステン灯、蛍光灯による照射またはオゾンへの暴露に起因する退色)を欠点として有する。不十分な画像堅牢性は、酸素および/または空気で運ばれる他の反応物(例えば、オゾン)に対する多孔質IRLのより大きい透過性に帰されると信じられている。
【0008】欧州特許出願公開明細書第 1,002,660号は、微粒子、親水性バインダー、および水溶性カチオン性ポリマーを含んでなる多孔質インクジェット記録要素に関する。しかしながら、この要素には、水溶性カチオン性ポリマーを使用するこのような要素上に印刷される画像の濃度が望まれるよりも低いという点において問題がある。
【0009】この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】欧州特許出願公開明細書第 1,002,660号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、染料系インクで印刷される際に、良好な表面光沢、速い乾燥時間、および優秀な画像堅牢性を提供する、光沢のあるインクジェット記録要素を提供することである。
【0011】本発明のさらにもう1つの目的は、上述の要素を使用する印刷方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの目的および他の目的は、(I)少なくとも50質量%を含む無機粒子のベース層、並びに(II)以下の成分を含む画像受容層、(a)10〜 500nmの平均粒径を有するコロイド状無機酸化物粒子、および(b)ベンジルジメチルアンモニウム部分を有する水不溶性カチオン性高分子粒子、を記載されている順序で担持している支持体を含んでなるインクジェット記録要素、を含む本発明によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の使用により、良好な光沢、速い乾燥時間、および優秀な画像堅牢性を有する記録要素が得られる。
【0014】上記の如く、上記ベース層は、少なくとも50質量%の無機粒子を含有している。本発明の好ましい態様において、上記ベース層は、少なくとも70質量%の無機粒子を含有している。もう1つの好ましい態様において、上記ベース層における上記無機粒子は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、シリカゲル、アルミニウムゲル、ヒュームドアルミナ、コロイド状アルミナ、擬ベーマイト、またはゼオライトを含んでなる。もう1つの好ましい態様において、上記ベース層におけるこれらの無機粒子は、アニオン性の表面電荷を有する。さらにもう1つの好ましい態様において、上記ベース層におけるこれらの無機粒子が 100nm〜5μm の平均粒径を有する。
【0015】本発明のもう1つの態様は、A)ディジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意する工程、B)上記プリンターに、上述のインクジェット記録要素を装填する工程、C)上記プリンターに、インクジェットインク組成物を装填する工程、並びにD)上記ディジタルデータ信号に応答して上記インクジェットインク組成物を使用して上記インクジェット記録要素に印刷する工程、を含むインクジェット印刷方法、に関する。
【0016】さらにもう1つの好ましい態様において、上記ベース層は、高分子材料および/またはラテックス材料(例えば、ポリビニルアルコールおよび/またはスチレン−ブタジエンラテックス)などのバインダーを含有している。さらにもう1つの好ましい態様において、上記ベース層における上記バインダーは、5〜20質量%の量で存在している。さらにもう1つの好ましい態様において、上記ベース層の厚みは、5μm 〜50μm 、好ましくは20〜40μm の範囲にわたっていてもよい。
【0017】本発明において有用なコロイド状無機酸化物粒子の例には、アルミナ、ベーマイト、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成クレー、アルミノ珪酸塩、シリカ、硫酸バリウム、または高分子ビーズが含まれる。本発明の好ましい態様において、上記粒子は、金属酸化物、好ましくはヒュームド金属酸化物である。もう1つの好ましい態様において、上記コロイド状無機酸化物粒子は、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ、シリカ、または含水酸化アルミニウムである。ヒュームド酸化物は、乾燥形態で、または凝集物の分散体として、入手可能である。もう1つの好ましい態様において、上記コロイド状無機酸化物粒子は、50〜200nmの平均粒径を有する。
【0018】非常に速いインク乾燥を得るためには、画像受容層の多孔性が必要である。これらの粒子の間の孔隙は、印刷用インクがこの層を素速く通過して、外面から過ぎ去って、速乾の印象を与えるように、十分に大きく、かつ十分に連続的でなければならない。同時に、これらの粒子は、それらの間に形成される孔隙が、可視光を散乱させないように、十分に小さいものとなるように配置されなければならない。
【0019】本発明の好ましい態様において、上記画像受容層は、上記多孔質受容層の多孔性を変化させるには不十分な量で、高分子バインダーをも含有していてもよい。もう1つの好ましい態様において、上記高分子バインダーは、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリオキサゾリン、ポリビニルアセトアミド、部分的に加水分解されたポリ (酢酸ビニル/ビニルアルコール) 、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキシド、スルホン化または燐酸化されたポリエステルおよびポリスチレン)、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジアン(collodian) 、寒天、クズウコン、ガー、カラギナン、トラガカント、キサンタン、ラムサン(rhamsan) などである。本発明のさらにもう1つの好ましい態様において、上記親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、またはポリアルキレンオキシドである。またさらにもう1つの好ましい態様において、上記親水性バインダーは、コア/シェルラテックスである。上記高分子バインダーは、前述の各粒子と適合するように選択されるべきである。
【0020】使用されるバインダーの量は、インクジェット記録要素に結合力を付与するのに十分であるべきであるけれども、凝集体によって形成される連続的な多孔構造が上記バインダーによって塞がれないように最小限に留められるべきでもある。本発明の好ましい態様において、上記バインダーは、5〜20質量%の量で存在している。
【0021】本発明の好ましい態様において、使用されるベンジルジメチルベンジルアンモニウム部分を有する水不溶性カチオン性高分子粒子は、以下の式を有する。
【0022】
【化1】

【0023】上式中、RはHを表すか、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R1 およびR2 は、各々独立に、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R3 はベンジル基を表し、Zは少なくとも1種のエチレン系不飽和非イオン性モノマーを表し、mは5〜 100、好ましくは10〜90のモル%を表し、nは0〜95のモル%を表し、そしてXはアニオンを表す。
【0024】上記の如く、上記式におけるZは、少なくとも1種のエチレン系不飽和非イオン性モノマーを表す。これらの例には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ヒドロキシオクタデシルアクリレート、ヒドロキシオクタデシルメタクリレート、ヒドロキシラウリルメタクリレート、ヒドロキシラウリルアクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、6-フェニルヘキシルアクリレート、6-フェニルヘキシルメタクリレート、フェニルラウリルアクリレート、フェニルラウリルメタクリレート、3-ニトロフェニル -6-ヘキシルメタクリレート、3-ニトロフェニル-18-オクタデシルアクリレート、エチレングリコールジシクロペンチルエーテルアクリレート、ビニルエチルケトン、ビニルプロピルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルオクチルケトン、ビニルブチルケトン、シクロヘキシルアクリレート、3-メタクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、3-メタクリルオキシプロピルトリス (トリメチルシロキシ) シラン、3-アクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロメチルスチレン、フルオロメチルアクリレート、トリフルオロメチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘプタフルオロブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、N,N-ジヘキシルアクリルアミド、N,N-ジオクチルアクリルアミド、ビニルプロピオネート、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルブチルエーテル、およびビニルプロピルエーテル、エチレン、スチレン、ビニルカルバゾール、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、メチルスチレン、ビニルビフェニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルプロピレン、2-メチル -2-ビニルオキシラン、ビニルピリジン、マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ヘキシルマレイミド、N-ビニルフタルイミド、およびN-ビニルマレイミド、ポリ (エチレングリコール) メチルエーテルアクリレート、ビニルピロリドン、ビニル4-メチルピロリドン、ビニル4-フェニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニル4-メチルイミダゾール、ビニル4-フェニルイミダゾール、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、アリールオキシジメチルアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、アリールオキシピペリジン、N,N-ジメチルアクリルアミド、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ブテニルアクリレート、ウンデセニルアクリレート、ウンデセニルメタクリレート、ビニルアクリレート、およびビニルメタクリレート、ジエン(例えば、ブタジエンおよびイソプレン)、飽和グリコールまたはジオールと不飽和モノカルボン酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート)、および多官能価芳香族化合物(例えば、ジビニルベンゼン)などが含まれる。
【0025】本発明の好ましい態様において、上記水不溶性カチオン性高分子粒子は、5〜500nm、好ましくは10〜 200nmの平均粒径を有する。上記水不溶性カチオン性高分子粒子は、 0.2〜32g/m2、好ましくは 0.4〜16g/m2の量で使用してもよい。
【0026】本発明のもう1つの好ましい態様において、上記水不溶性カチオン性高分子粒子は、ポリ (スチレン-co-塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) を含んでなる。
【0027】上記画像受容層の厚みは、5〜40μm 、好ましくは10〜20μm の範囲にわたることができる。必要とされるコーティング厚は、コーティングがインク溶媒を吸収するための溜めとして作用することの必要性およびコーティング表面の近くにインクを保持することの必要性によって定まる。
【0028】塗布後、上記インクジェット記録要素をカレンダー加工またはスーパーカレンダー加工に付して、表面の平滑性を高めてもよい。本発明の好ましい態様において、上記インクジェット記録要素は、65℃の温度、 14000kg/mの圧力、および0.15 m/s〜 0.3 m/sの速度における高温ソフトニップカレンダー加工に付される。
【0029】本発明において使用されるインクジェット記録要素のための支持体は、樹脂コート紙、紙、ポリエステル、または微孔質材料(例えば、Pittsburgh, PennsylvaniaのPPG Industries, Inc.によってTeslin(商標)という商品名で販売されているポリエチレンポリマー含有材料)、 Tyvek(商標)合成紙(DuPont Corp.)、およびOPPalyte(商標)フィルム(Mobil Chemical Co.)、並びに米国特許第 5,244,861号明細書に列挙されている他の複合フィルムなどの、インクジェット受容体に通常使用されるもののいずれにすることもできる。不透明な支持体には、普通紙、コート紙、合成紙、写真印画紙支持体、溶融押出コート紙、および積層紙(例えば、二軸配向支持体積層物)が含まれる。二軸配向支持体積層物は、米国特許第 5,853,965号、同 5,866,282号、同 5,874,205号、同 5,888,643号、同 5,888,681号、同 5,888,683号、および同 5,888,714号の各明細書に記載されている。これらの二軸配向支持体には、紙ベースおよび紙ベースの片面または両面に積層された二軸配向ポリオレフィンシート(概してポリプロピレン)が含まれる。透明支持体には、ガラス、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ -1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらのコポリマー)、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、およびこれらの混合物が含まれる。上記に列挙されている紙には、高品位紙(例えば、写真印画紙)から低品位紙(例えば、新聞用紙)までの広範囲の紙が含まれる。好ましい態様においては、ポリエチレンコート紙が用いられる。
【0030】本発明において使用される支持体は、50〜 500μm 、好ましくは75〜 300μmの厚みを有していてもよい。望まれる場合には、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、および他の既知の添加剤を支持体に導入してもよい。
【0031】インク受容層の上記支持体に対する接着性を改良するために、上記画像受容層を適用する前に、上記支持体の表面をコロナ放電処理に付してもよい。
【0032】本発明において用いられるコーティング組成物を、例えば、浸漬コーティング、線巻きロッドコーティング、ドクターブレードコーティング、ロッドコーティング、エアナイフコーティング、グラビアおよび反転ロールコーティング、スライドコーティング、ビードコーティング、押出コーティング、カーテンコーティングなどの周知の技法のいくつかによって適用してもよい。既知の塗布方法および乾燥方法は、1989年12月に発行されたリサーチディスクロージャー(ResearchDisclosure) 、第308119号の1007〜1008頁に、さらに詳細に記載されている。スライドコーティングが好ましく、この場合、ベース層とオーバーコートとを同時に適用することができる。塗布後、これらの層を単純な蒸発によって乾燥させるのが一般的であるけれども、対流加熱などの既知の技法によって乾燥を促進してもよい。
【0033】インクジェット記録要素に機械的耐久性を付与するために、上記において考察されているバインダーに対して作用する架橋剤を少量添加してもよい。このような添加剤は、上記層の結合力を改良する。例えば、カルボジイミド、多官能価アジリジン、アルデヒド、イソシアネート、エポキシド、多価金属カチオンなどの、あらゆる架橋剤を使用することができる。
【0034】着色剤の退色を改良するために、当該技術分野においてよく知られている紫外線吸収剤、ラジカル失活剤、または酸化防止剤を上記画像受容層にさらに添加してもよい。他の添加剤には、pH調節剤、接着性促進剤、レオロジー調節剤、界面活性剤、殺生剤、滑剤、色素、蛍光増白剤、艶消し剤、帯電防止剤などが含まれる。妥当な塗工性を得るために、例えば、界面活性剤、脱泡剤、アルコールなどの、当業者に既知の添加剤を使用してもよい。コーティング助剤の一般的な量は、全溶液質量に対して、0.01〜0.30質量%の活性コーティング助剤である。これらのコーティング助剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性のものであってもよい。具体例は、MCCUTCHEONの第1巻、Emulsifiers and Detergents, 1995, North American Editionに記載されている。
【0035】上記コーティング組成物は、水または有機溶媒のいずれから塗布することもできるけれども、水からの方が好ましい。全固形分は、もっとも経済的な方法において有用なコーティング厚を生ずるように選ばれるべきであり、微粒子コーティング調合物においては、10〜40質量%の固形分が典型的である。
【0036】本発明の記録要素を像形成させるのに使用されるインクジェットインクは当該技術分野においてよく知られている。概してインクジェット印刷において使用されるインク組成物は、溶媒またはキャリア液体、染料または顔料、湿潤剤、有機溶媒、洗浄剤、増粘剤、保恒剤などを含んでなる液体組成物である。溶媒またはキャリア液体は単なる水とすることができ、または多価アルコールなどの他の水混和性溶媒と混合された水とすることもできる。また、多価アルコールなどの有機材料が主たるキャリアまたは溶媒液体であるインクを使用してもよい。特に有用なものは、水と多価アルコールとの混合溶媒である。このような組成物において使用される染料は、概して、水溶性の直接染料または酸性型染料である。このような液体組成物は、例えば、米国特許第 4,381,946号、同 4,239,543号、および同 4,781,758号の各明細書を含む従来技術に広範に記載されている。
【0037】本発明を説明するために以下の例を提供する。
【0038】
【実施例】ベース層コーティング溶液1の調製以下のものを混合することによって、コーティング溶液を調製した。
(1) 242.6gの水(2) 225.6gの Albagloss-s(商標)沈降炭酸カルシウム (Specialty Minerals Inc.)(70質量%)
(3)8.75gのシリカゲル Crosfield 23F(商標)(Crosfield Ltd.)(4)8.75gのAirvol 125(商標)ポリビニルアルコール(Air Products)(10質量%)
(5)14.3gのスチレン−ブタジエンラテックス CP692NA(商標)(Dow Chemical Co.)(50質量%)
【0039】画像受容層コーティング溶液の調製改質コロイド状シリカ粒子分散体Aの調製325gのNalco 2329(商標)溶液(固形分40%)(Nalco Co.) に、1.29gのアミノプロピルメチルジメトキシシランを、撹拌しながら、室温において、滴下添加した。使用の前に、室温において24時間、反応を続けさせた。
【0040】画像受容層コーティング溶液1:この溶液は、 269gの上記分散体A、15gの Kymene Plus(商標)(HerculesCorp.)、44gのコア/シェル粒子エマルジョン[シリカのコアおよびポリアクリル酸ブチルのシェル](固形分40%)(2000年3月27日に出願された米国特許出願第09/535,703号明細書の例1に記載されている手順によって調製した)、82gのポリ (塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) (モル比=87:13)エマルジョン(固形分15%)、および1.12gの界面活性剤 Zonyl(商標)FSN を併せることによって調製した。ポリ (塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) は、65nmの平均粒径を有し、ベンジルトリメチルアンモニウム部分を有するカチオン性ポリマー粒子である。
【0041】画像受容層コーティング溶液2:この溶液は、ポリ (塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) (モル比=87:13)の代わりに、82gのポリ (スチレン-co-塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) (モル比=49.5:49.5: 1.0)エマルジョン(固形分20%)を使用したことを除き、画像受容層コーティング溶液1と同じに調製した。ポリ (スチレン-co-塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) は、60nmの平均粒径を有し、ベンジルジメチルベンジルアンモニウム部分を有するカチオン性ポリマー粒子である。
【0042】画像受容層コーティング溶液3:この溶液は、ポリ (スチレン-co-塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) (モル比=49.5:49.5: 1.0)の使用量を 105.6gとしたことを除き、画像受容層コーティング溶液2と同じに調製した。
【0043】画像受容層コーティング溶液4:この溶液は、ポリ (スチレン-co-塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム-co-ジビニルベンゼン) (モル比=49.5:49.5: 1.0)の使用量を 123.2gとしたことを除き、画像受容層コーティング溶液2と同じに調製した。
【0044】インクジェット記録要素の調製要素C−1(比較用):ベース層コーティング溶液1を写真印画紙上に塗布し、90℃において乾燥させて、25μm の乾燥厚みおよび27g/m2の乾燥塗布量とした。
【0045】画像受容層コーティング溶液1を上記ベース層の上に塗布し、90℃において乾燥させて、8μm の乾燥厚みおよび 8.6g/m2の乾燥塗布量とした。
【0046】要素1(本発明):要素1は、画像受容層コーティング溶液2を使用したことを除き、要素C−1と同様に調製した。
【0047】要素2(本発明):要素2は、画像受容層コーティング溶液3を使用したことを除き、要素C−1と同様に調製した。
【0048】要素3(本発明):要素3は、画像受容層コーティング溶液4を使用したことを除き、要素C−1と同様に調製した。
【0049】印刷および試験上記各要素に、カラーカートリッジ195-1730番を使用する Kodak PPM 200プリンターを使用して印刷した。画像は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、緑、赤、および青の隣接するパッチからなり、各々のパッチは、幅 0.4cmおよび長さ 1.0cmの長方形の形とした。
【0050】光沢上記各記録要素を、Gardener(商標)光沢計を使用して、60°鏡面光沢度について測定した。
【0051】光退色試験次に、上記各画像を、2週間に及ぶ周囲白色蛍光灯退色試験に付した。 1.0にもっとも近い反射濃度を退色の前後で比較し、マゼンタ染料についての濃度損失率(%)を算出した。以下の結果が得られた。
【0052】
【表1】

【0053】上記結果は、本発明の要素が、良好な光沢を維持しつつ、対象標準要素と比較して、カレンダー加工の前後で、より少ないマゼンタ濃度損失を有していたことを示している。
【0054】本発明の他の好ましい態様を、請求項との関連において、次に記載する。
【0055】[1] (I)少なくとも50質量%を含む無機粒子のベース層、並びに(II)以下の成分を含む画像受容層、(a)10〜 500nmの平均粒径を有するコロイド状無機酸化物粒子、および(b)ベンジルジメチルアンモニウム部分を有する水不溶性カチオン性高分子粒子、を記載されている順序で担持している支持体を含んでなるインクジェット記録要素。
【0056】[2] 前記ベース層における前記無機粒子がアニオン性の表面電荷を有する、[1]に記載の記録要素。
【0057】[3] 前記ベース層における前記無機粒子が 100nm〜5μm の平均粒径を有する、[1]に記載の記録要素。
【0058】[4] 前記ベース層が少なくとも70質量%の無機粒子を含んでなる、[1]に記載の記録要素。
【0059】[5] 前記ベース層における前記無機粒子が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、シリカゲル、アルミニウムゲル、ヒュームドアルミナ、コロイド状アルミナ、擬ベーマイト、またはゼオライトを含んでなる、[1]に記載の記録要素。
【0060】[6] 前記ベース層が5〜20質量%の量のバインダーをも含有している、[1]に記載の記録要素。
【0061】[7] 前記コロイド状無機酸化物粒子が、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ、シリカ、または含水酸化アルミニウムである、[1]に記載の記録要素。
【0062】[8] 前記コロイド状無機酸化物粒子が50〜 200nmの平均粒径を有する、[1]に記載の記録要素。
【0063】[9] 前記画像受容層が5〜20質量%の量のバインダーをも含有している、[1]に記載の記録要素。
【0064】[10] A)ディジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意する工程、B)前記プリンターに、[1]に記載のインクジェット記録要素を装填する工程、C)前記プリンターに、インクジェットインク組成物を装填する工程、並びにD)前記ディジタルデータ信号に応答して前記インクジェットインク組成物を使用して前記画像受容層上に印刷する工程、を含むインクジェット印刷方法。
【出願人】 【識別番号】590000846
【氏名又は名称】イーストマン コダック カンパニー
【出願日】 平成14年12月11日(2002.12.11)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2003−211837(P2003−211837A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−358901(P2002−358901)