| 【発明の名称】 |
複合記録材 |
| 【発明者】 |
【氏名】海江田 晃彰 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】加野 智久 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】神戸 浩樹 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】大西 弘幸 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】記録材の一方の面に単色および単純な複数色の高速印刷と、他方の面に銀塩写真画質の印刷を両立し、低いコストで印刷できる記録材を提供する。
【解決手段】紙等のベースシート2を有し、露光または加熱により発色する感熱剤3が前記ベースシート2の一方の面に薄く塗工され、感熱紙のように一面に感熱発色層4を有している。前記ベースシート2に対し前記感熱発色層4の裏側に、液体を浸透させ難い不浸透手段を有し、同面にインク吸収層6を有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ベースシートと、露光または加熱により発色する感熱剤を該ベースシートの一方の面に塗工した感熱発色層と、該ベースシートの他方の面にインク吸収層とを有する複合記録材。 【請求項2】前記インク吸収層は、フィラー、バインダーおよび染料定着剤で構成されることを特徴とする複合記録材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器の画像形成装置の印刷記録メディアに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の技術を印刷方式別に見ると、感熱紙等の記録材に伝熱する熱量により記録材を発色させるダイレクトサーマル方式の印刷では、多色印刷をする際に、感熱紙等の記録材に伝熱する熱量をサーマルヘッドにより調節し、発色の異なる発色物質の発色度合いにより多色印刷を実現していた。また近年開発されつつある多色印刷に特化したダイレクトサーマル方式のプリンタにおいては、色の三原色を印刷するのに3回に分けて発熱し発色させ、内2回を紫外線を当てて定着させる複雑な工程で実現している。 【0003】他方、記録材に直接複数色のインクを塗布するインクジェット方式では、インクノズルを複数有し、該インクを該インクノズルより微量噴出させると同時に、該インクノズルの集合体であるインクヘッドを、記録材に対して移動させていることや、該記録材を該インクヘッドに対し移動させることにより、該記録材に該インクを塗布し、該インクのドットの集合体により、画像形成を行っていた。 【0004】ダイレクトサーマル方式・インクジェット方式の仕組み上、ダイレクトサーマル方式の主な優れた点は単色および単純な複数色による印刷において高速印刷が可能である点であり、主な欠点は銀塩写真画質での多色での高速印刷が困難なことである。これに対して、インクジェット方式の主な優れた点は銀塩写真画質での多色印刷が容易に可能なことであり、主な欠点は単色および単純な複数色による印刷においてダイレクトサーマル方式と比較し印刷速度が遅いことである。 【0005】ダイレクトサーマル方式・インクジェット方式以外の昇華型熱転写方式の印刷については、銀塩写真画質の印刷は可能ではあるが、単色および単純な複数色による印刷においてはダイレクトサーマル方式より印刷速度も遅く、印刷にインクリボンを要すため、産業廃棄物を多く出す上、装置のコストと印刷ランニングコストも高価であった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記三方式の優れた点である高速印刷、写真画質、そして低い印刷コストを得るために、感熱紙等の記録材の感熱発色層の裏側にインクジェット方式で印刷すると、銀塩写真の画質と比べ、滲んだり乾くのに数分以上かかり乾きが遅かったり、紙に皺がよるコックリング等、銀塩写真と同等の印刷ができない上、インクジェットのインクが感熱発色層側に裏映りしてしまい、実使用に耐えない状況であった。 【0007】レシートの裏面にプリ印刷をする場合、プリ印刷がロット単位での注文であること、また1個のロール紙の印刷内容が同一であるため、店舗においてキャンペーン開始や季節の変わり目などロール紙の途中で裏面の情報を変更したい場合に、即座に対応することが困難であった。レシートの裏面の印刷内容を変更するためには、古くなったプリ印刷内容のレシート用ロール紙を廃却し、別のプリ印刷内容のロール紙を調達することが必要となるという課題があった。 【0008】本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、記録材の一方の面に単色および単純な複数色の高速印刷と、他方の面に銀塩写真画質の印刷を両立し、低いコストで印刷できる記録材を提供することにある。 【0009】また本発明の他の目的は、例えばレシートの裏側に、都度自由な情報を多色で印刷できることであり、タイムリーな裏面印刷と情報の陳腐化による不良在庫化を防ぐことのできる複合記録材を提供するものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ベースシートと、露光または加熱により発色する感熱剤を該ベースシートの一方の面に塗工した感熱発色層と、該ベースシートの他方の面にインク吸収層とを有することを特徴とする。 【0011】また、上記目的を達成するため、請求項2記載の発明は、上記インク吸収層が、フィラー、バインダーおよび染料定着剤で構成されることを特徴とする。 【0012】請求項1記載の発明において、例えば発熱したサーマルヘッド等の加熱体が感熱発色層に接することにより、感熱発色層に備えられた常温では固体であるロイコ染料等の無色染料とフェノール系酸性物質等の顕色剤が溶融し、この両者が接触して発色画像を得る。発色は一列に並べられたサーマルヘッドによって熱せられ発色するためインクジェット方式に比べ極めて高速で発色画像が得られるため、単色および単純な複数色の文字印刷、ならびにバーコード等の単純な形状やコントラストの要求される画像の印刷に用いられる。これに対し、インクジェットのノズルより噴出されるインクは、インク吸収層に、例えば1インチ当たり1440ドットかつ1ドット当たり4ピコリットルと極めて微細に噴きつけられ、イエロー、マゼンタ、シアンの色の三原色と黒色の組み合わせにより、多色画像を得ることができる。上記感熱発色層には、例としてロイコ染料等の無色染料とフェノール系酸性物質等の顕色剤を挙げたが、これに限らず、いわゆる感熱紙に使われている感熱発色作用のある物質であれば、いずれも使用することができる。 【0013】感熱紙等のように露光または加熱により発色する感熱発色層をもつ記録材の裏側には液体を浸透させない手段を有しても良く、同面にインクジェットのインク吸収層を形成する。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る複合記録材の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。 【0015】図1〜図2は、本発明の複合記録材の一実施の形態を示すもので、図1は本発明の複合記録材の断面図、図2は本発明の複合記録材にダイレクトサーマル方式で印刷する模式図である。 【0016】図1に示すように、本実施の形態の複合記録材1は 紙等のベースシート(以下「基材」ということもある。)2を有し、露光または加熱により発色する感熱剤3が前記ベースシート2の一方の面に薄く塗工され、感熱紙のように一面に感熱発色層4を有している。前記ベースシート2に対し前記感熱発色層4の裏側に、液体を浸透させ難い不浸透層5を有し、該不浸透層5の上面にインク吸収層を有している。 【0017】ベースシート2は、紙、布、そしてポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂の薄いシートでも良く、色は白系統の色で日本工業規格の白色度(ハンター白色度;JIS P8123)80%前後が基本ではあるが、デザイン的な理由等で色の着いているベースシートを用いることもできる。厚みは、汎用の感熱紙と同様の60μmから90μmが入手性から見て望ましいが、要求機能が得られれば特に限定されない。これらの基材には、感熱発色層とインク吸収層の接着強度を向上させる目的で、コロナ放電処理やアンダーコートを行うこともできる。 【0018】感熱剤3は、前述のロイコ染料等の無色染料とフェノール系酸性物質等の顕色剤以外にも、要求機能が得られれば、特に限定されず市販の感熱紙に使われているもののほとんどを使用することが可能である。 【0019】紙などをベースシートに使用する場合、インクの溶剤や水などが浸透し印刷の裏映りやコックリング等の不具合が生じるため、不浸透層5を構成してもよい。不浸透層5を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体等の熱可塑性樹脂の1種またはこれらを混合したものを使用する。また裏映りを防いだり、コックリング等を防ぐ手段としては、液体を浸透させ難いベースシート2を用いたり、インク吸収層6で、インクの溶剤や水分を吸収する方法もある。 【0020】インク吸収層6は従来公知にインクジェット用紙に使用されているインク吸収層であればよい。インク吸収層の例として、特開平08−67065、特開平09−39372号公報で開示されている、概して、インク吸収層は、主としてバインダー、フィラー、及び染料定着剤からなり、バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、ポリビニルアルコール及びその誘動体、スチレンブタジエン共重合体、アクリル共重合体などが使用されている。フィラーとしては、有機・無機フィラーいずれも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、ポリスチレン、スチレンアクリル共重合体、合成シリカ、クレー、タルクなどが使用されている。染料定着剤はカチオン系の第4級アンモニウム塩系、ポリアミドエピクロロヒドリン系、スチレンメタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド系定着剤等が、染料の特性によって適宜使用されている。これらの材料の他に適宜、各種界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、架橋剤、退色防止剤、pH調整剤等を要求されている性能を損なわない程度に添加することができる。このような材料を適宜配合し、インク吸収層として単層または複層形成しても良い。 【0021】図2に示すように、発熱したサーマルヘッド等の加熱体11が感熱発色層4に接することにより、感熱発色層4に備えられた常温では固体であるロイコ染料等の無色染料12とフェノール系酸性物質等の顕色剤13が溶融し、この無色染料12と顕色剤13が接触して発色部分14を得る。該発色部分14の組み合わせにより、発色画像を得る。 【0022】 【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 基材および感熱発色層:市販の感熱紙 (TF50KS−E 日本製紙社製)を使用した。 【0023】該感熱紙の感熱発色層の感熱剤にはロイコ染料等の無色染料とフェノール系酸性物質等の顕色剤が備えられている。 【0024】〈実施例1〉上記基材上に下記組成の塗工液を塗工しインク吸収層を得た。 微粒子合成シリカ(水沢化学工業社製、ミズカシルP78−D)100部ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA117)40部染料定着剤(住友化学社製、スミカレーズレジン1001)20部を含有する固形分濃度17重量%の塗工液をエアナイフコータによって塗工し乾燥した。全乾燥塗工量は11g/m2であった。 【0025】〈実施例2〉上記基材上に下記組成の塗工液を塗工しインク吸収層を得た。 微粒子合成シリカ(トクヤマ社製、ファインシール-37B)100部ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA117)40部染料定着剤(日本触媒工業製、エポミンP1000)8部を含有する固形分濃度21重量%の塗工液をエアナイフコータによって塗工し乾燥した。全乾燥塗工量は11g/m2であった。 【0026】〈比較例1〉インク吸収層無し。 【0027】〈比較例2〉上記基材上に下記組成の塗工液を塗工しインク吸収層を得た。 微粒子合成シリカ(トクヤマ社製、ファインシールX−37B)100部ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA117)30部を含有する固形分濃度15重量%の塗工液をエアナイフコータによって塗工し乾燥した。全乾燥塗工量は11g/m2であった。 【0028】<比較例3>上記基材上に下記組成の塗工液を塗工しインク吸収層を得た。 ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA117)100部染料定着剤(日本触媒工業製、エポミンP1000)20部を含有する固形分濃度21重量%の塗工液をエアナイフコータによって塗工し乾燥した。全乾燥塗工量は11g/m2であった。 【0029】以上で得られた記録媒体(複合記録材)のインク吸収層側に、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製 商品名PM−880C)により、マゼンダ・シアン・イエローのベタ印刷を行い、裏映り・インク吸収性・耐水性の評価を行った。それらの結果を表1に示す。 【0030】裏映り評価:インク吸収層側にベタ印刷を行い、感熱層側から目視により以下に示す評価をした。 ○裏映りしていない。 ×裏映りしている。 【0031】インク吸収性評価:インク吸収層側にベタ印刷を行い、インク吸収層側から目視により以下に示す評価をした。 ○インクを多量に打っても溢れず良好。 ×インクを多量に打っても溢れて滲む。 【0032】耐水性評価:インク吸収層側にべた印刷を行い、その画像上に水を滴下して目視により以下に示す評価をした。 ○水を滴下しても滲まない。 ×水を滴下したら、滲む。 【0033】 【表1】
【0034】表1の結果から明らかなように、フィラー、バインダーおよび染料定着剤で構成されたインク吸収層を設けた記録媒体(実施例)は比較例の記録媒体に対して、インクジェットで印字するのに適していることが判る。 【0035】 【発明の効果】本発明により、従来困難であった感熱紙等の記録材の裏面へのインクジェット方式による画像形成が容易に可能となる。 【0036】感熱紙等の感熱発色層の裏側にインクジェット方式で印刷しても、印刷裏映りしなくなった。加えて、銀塩写真画質で印刷できるようになった。 【0037】銀塩写真画質水準であるため、店舗等で顧客に有用な情報や広告の販売促進機能を高め、割引きなどのクーポン券も著しく顧客の目を引くことができる。 【0038】プリ印刷に比べ、印刷内容が都度決められるので、店舗においてキャンペーン開始や季節の変わり目などロール紙の途中で裏面の情報を変更したい場合に、即座に対応することが可能となる。そのため印刷内容が古くなって廃却する無駄を省くことができる。 【0039】また顧客の購買したものに関連した情報を顧客1人1人に対して情報の印刷も可能である。 【0040】インクジェット方式については、様々な用途について可能であるが、一例として、特殊インクの塗布も可能である。特殊インクの塗布は、従来の感熱紙には予め印刷しておく方法しか可能ではなかったが、本発明によれば、特定波長照射発光インク、つまり可視光線による照射光では発光しないため目に見えず、紫外線等の特定な波長の照射光で発光するインクによる印刷や、香水等のような特定の香りのする印刷も可能となる。これは、前者は返品返金等の不正利用防止等、後者は、販売促進等に効果的である。 【0041】以上により発行者の画像形成の自由度を広げることができる。 【0042】コスト面については、本発明では、装置には現在多く利用されているダイレクトサーマル方式とインクジェット方式を装置に採用すれば、機能的な目的を実現できるため、装置コストを抑えることができ、印刷コストを低く抑えることができる。 【0043】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095728 【弁理士】 【氏名又は名称】上柳 雅誉 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−211835(P2003−211835A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−17661(P2002−17661) |
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