| 【発明の名称】 |
インクジェット記録シート |
| 【発明者】 |
【氏名】中島 彰久 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】上田 栄一 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高湿下でのインクのにじみ耐性に優れ、低湿下でもひび割れが少ないインクジェット記録シートを提供する。
【解決手段】支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、非晶質酸化錫を含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、非晶質酸化錫を含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【請求項2】 支持体上の少なくとも片面に、非晶質酸化錫と水溶性樹脂を含有する受像層を有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【請求項3】 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録シート。 【請求項4】 前記水溶性樹脂が主鎖にエチレン単位を有するポリビニルアルコール系共重合体であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録シート。 【請求項5】 支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、非晶質酸化錫と気相法シリカを含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【請求項6】 支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、「非晶質酸化錫」と「数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ」を含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【請求項7】 支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層が、非晶質酸化錫水分散液中に、少なくとも「気相法シリカ」および「数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ」から選ばれる少なくとも1つを分散し、含有する塗布液を塗設したものであることを特徴とするインクジェット記録シート。 【請求項8】 前記非晶質酸化錫が、加水分解性錫化合物を加水分解し、水洗して得られる非晶質酸化錫であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。 【請求項9】 前記非晶質酸化錫を含む受像層が、支持体から最も離れた受像層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録シートに関するものであり、詳しくは、画像濃度が高く、インクにじみが少なく、耐水性に優れた画像を得ることが出来、さらに受像層にひび割れ欠陥が少ないインクジェットプリンター用として好適なインクジェット記録シート(以下単に、記録シートともいう)に関するものである。 【0002】 【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであり、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。 【0003】インクジェット記録は、ノズルの目詰まりとメンテナンスが従来から問題となっていたが、インクおよび記録装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。 【0004】インクジェット記録に使用される記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかで ぼやけないこと等が要求される。 【0005】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録シート上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、また、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画質を大きく低下させ易い。また、インク吸収容量が少ない場合、出力されたインクがあふれて印字部にムラが発生したりする。したがって、インクジェット記録シートとしては高いインク吸収性を持たせるようにすることが必要である。 【0006】これらの問題を解決するために、無機微粒子とバインダーからなる空隙構造をもつ記録シートが多数提案されている。この中でも、代表的な構成としては、カチオンポリマーとシリカと水溶性樹脂からなる空隙構造をもつ記録シートである。 【0007】このような記録シート中では、カチオンポリマーは層中でインク中の色素を定着させる機能、シリカは塗膜の空隙構造を形成する機能、水溶性樹脂はシリカを結着する機能を分担している。 【0008】しかしながら、カチオンポリマーを多量に使用してインク定着性を向上させようとすると、高湿下で画像がにじんでしまうとか、低湿下でインク受像層がひび割れしてしまうなどの問題があった。これは、カチオンポリマーが水溶性であるため湿度が高い場合には湿気を含み柔軟性の付与には寄与するが、移行しやすいので画像がにじんでしまう。また、低湿下では、柔軟性がなくなるのでひび割れしやすくなるためである。そこでカチオンポリマーに替わりうる素材が求められていた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高湿下でのインクのにじみ耐性に優れ、低湿下でもひび割れが少ないインクジェット記録シートを提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下記構成により達成される。 【0011】1.支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、非晶質酸化錫を含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【0012】2.支持体上の少なくとも片面に、非晶質酸化錫と水溶性樹脂を含有する受像層を有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【0013】3.前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールであることを特徴とする前記2記載のインクジェット記録シート。 【0014】4.前記水溶性樹脂が主鎖にエチレン単位を有するポリビニルアルコール系共重合体であることを特徴とする前記2記載のインクジェット記録シート。 【0015】5.支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、非晶質酸化錫と気相法シリカを含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【0016】6.支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層中に、「非晶質酸化錫」と「数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ」を含有することを特徴とするインクジェット記録シート。 【0017】7.支持体上の少なくとも片面に受像層を有するインクジェット記録シートであって、該受像層が、非晶質酸化錫水分散液中に、少なくとも「気相法シリカ」および「数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ」から選ばれる少なくとも1つを分散し、含有する塗布液を塗設したものであることを特徴とするインクジェット記録シート。 【0018】8.前記非晶質酸化錫が、加水分解性錫化合物を加水分解し、水洗して得られる非晶質酸化錫であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。 【0019】9.前記非晶質酸化錫を含む受像層が、支持体から最も離れた受像層であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。 【0020】即ち、われわれは、鋭意検討を続けた結果、カチオンポリマーの代替として非晶質酸化錫を用いることで、高湿下でもインク定着性、耐湿性に優れたインクジェット記録シートが得られることを見出した。さらに、非晶質酸化錫を特定のシリカ、特定の水溶性ポリマーと組み合わせると驚くべきことに、インク受像層を低湿に保存しても、ひび割れの起こりにくい記録シートが得られることを見出した。 【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、その物質について非晶質(以下、非晶性ともいう)なものとは、その物質について結晶質(以下、結晶性ともいう)なものとは異なる物質を意味する。結晶質なものとは、電気・電子工学大系72巻 結晶の評価(伊藤次、犬塚直夫 コロナ社1982年)第4頁に記載されているように、原子の配列に長距離秩序があり、その物質に固相の融点があることが特徴である。例えば、高純度で無色透明な結晶性の酸化スズであれば、正方晶系ルチル型構造であり、屈折率1.9968、電気伝導性は室温で106Ωcm以上の高抵抗を示すことが知られている。また融点は1127℃であり、結晶性酸化スズであればこの温度まで熱的に安定である。故に、一般に非晶質酸化スズとは、以上の性質を示さない物質であり、原子の配列に長距離秩序がなく、結晶性酸化スズの融点以下に、物質の変化を示す温度領域が存在する、酸化スズといえる。 【0022】酸化錫は、X線回折によりその構造を同定することが可能であり、新版カリティX線回折要論(松村源太郎訳 アグネ社 1977年)に記載された結晶子サイズの測定から長距離秩序のおおよその値を知ることができる。例えば、酸化スズの(110)面の面間隔はおおよそ0.33nmであり、結晶性酸化スズならば数10個以上の繰り返し単位がなければならず、結晶子測定を行えば、10数nmの値が観測される。従って、結晶子測定において10nm未満であれば、もはや長距離秩序があるとはいえず、非晶質と思われる。5nm未満であれば、もはや繰り返し単位を仮定すれば10個以下となり結晶ではない。また、非晶質(非晶性)であるか結晶質(結晶性)であるかについては、固体の熱分析を行えば容易に明らかとなり、測定条件の影響、試料サイズの影響を考慮しても1000℃未満で熱的な変化が生じるならば結晶性の酸化錫であるとは言い難い。熱的な変化で容易に観測できるのは熱質量分析であり、200℃での質量を測定開始質量として質量減少を融点よりはるかに低い500℃までの温度領域で0.1質量%以上生じるならば単結晶酸化スズではない。 【0023】本発明の酸化錫は、その製造過程で200℃以上の高温で処理されないため、上記の条件を満たしており、明らかに非晶質なものである。 【0024】次に、本発明の非晶質酸化錫について製造順序に従って説明する。本発明の非晶質酸化錫の製造工程は、加水分解性スズ化合物を加水分解処理する加水分解工程と、得られた沈殿物の洗浄工程と、これを分散する分散工程との3工程からなる。各工程がさらに細分化されることに本発明は制限を加えない。 【0025】まず、本発明の非晶質酸化錫の原料としては、加水分解性スズ化合物が好ましく、これを加水分解して非晶質酸化錫を作製する。 【0026】加水分解性スズ化合物としては、K2SnO3・3H2Oのようなオキソ陰イオンを含む化合物、SnCl4、SnCl4・5H2Oのような水溶性ハロゲン化物、R′2SnR2、R3SnX、R2SnX2(ここで、R′は脂肪族基もしくは芳香族基、Rは脂肪族基もしくは芳香族基、Xはハロゲン原子を表す)の構造を有する化合物、例えば(CH3)3SnCl・(ピリジン)、(C4H9)2Sn(O2CC2H5)2等の有機金属化合物、Sn(SO4)2・2H2O等のオキソ塩等を挙げることができる。 【0027】加水分解工程では、加水分解性スズ化合物を水中に添加する際の温度条件が重要であり、この温度は、10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜45℃であり、特に好ましくは20〜40℃である。 【0028】さらに加水分解工程では、加水分解性スズ化合物を分割投入することが好ましく、その際、2回目以降の投入量を直前の投入量の1/2以下とすることが好ましく、1/5以下とすることがより好ましい。また、加水分解工程の温度が72℃以上98℃以下であることが好ましい。さらに、加水分解性スズ化合物を分割投入するにあたり、2回目以降の投入を直前の投入から1〜25分後とすることが好ましい。 【0029】洗浄工程では、固液分離工程を伴うが、その際用いられる固液分離方法もデカンテーション法、限外濾過法等の方法、適当な濾過器を用いる方法、等いかなる方法でもよい。 【0030】デカンテーション法に用いる純水は、効率的にハロゲンイオン等の副生物を取り除き、非晶質酸化錫スラリーの沈降を早めるために、40℃前後に加熱することが好ましい。 【0031】本発明では、洗浄後の非晶質酸化錫水分散液のpHは、通常6〜7.5、好ましくは6.5〜7.0であるが、目標とするpHにするため、途中で少量の水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどアルカリ金属水酸化物の水溶液を上記pH以上にならないよう加え、洗浄を繰り返すことで非晶質酸化錫水分散液のpHを上記範囲に収まるように制御しながら洗浄することが好ましい。 【0032】水分散液中の非晶質酸化錫の濃度は、5〜20%であることが、経済性と、仕上がり非晶質酸化錫水分散液の粘度の点から好ましく、この濃度になるように濃縮することが好ましい。濃縮は、非晶質酸化錫の分散性を劣化させないよう限外濾過膜を使用して濃縮することが好ましい。尚、非晶質酸化錫は前述のように200〜400℃の間でも減量するので、非晶質酸化錫の濃度は、800℃・1時間で乾燥して求めた値である。 【0033】このようにして洗浄された酸化錫スラリーは、分散工程で機械的分散方法で機械的に分散することにより、粗大粒子を粉砕し分散性を向上させることが好ましい。機械的分散方法としては、媒体ミル処理、コロイドミル処理、高速剪断撹拌処理及び高圧衝撃分散処理等が挙げられる。媒体ミル処理に使用される具体的装置としては、ボールミル、アトライター、サンドミル及びビーズミルなどが挙げられる。コロイドミル処理に使用される具体的装置としては、コロイドミル、ストーンミル、ケーデーミル及びホモジナイザーなどが挙げられる。高速剪断撹拌処理に使用される具体的装置としては、商品名としてハイスピードディスパーサー、ハイスピードインペラー及びディゾルバーと呼ばれているものなどが挙げられる。 【0034】また本発明の非晶質酸化錫スラリーに、アンモニアなどのアルカリを添加し加熱してゾル化してもかまわない。 【0035】本発明に用いられるシリカとしては、気相法シリカや、数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ、等が好ましい。 【0036】本発明に用いられる気相法シリカとしては、二酸化ケイ素を主体とする合成ケイ素化合物である合成シリカの中で、四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作るいわゆる乾式法または気相法により合成される超微粒子シリカが好ましい。気相法シリカの1次粒子径は5〜50nmであることが好ましい。このような気相法シリカとしては、日本アエロジル社のAEROSILシリーズ、トクヤマ社のレオロシールシリーズなどが挙げられる。 【0037】気相法シリカは、乾燥状態で市販されているため、これを塗設するために、水に分散する。この際、水媒体として、非晶質酸化錫の水分散液を使用することが好ましい。もちろん、単純に純水中に分散した後、非晶質酸化錫水分散物と混合してもかまわない。 【0038】一方、コロイダルシリカとは、二酸化ケイ素をコロイド状に水に分散させたものであり、1次粒子径が通常5〜100nm程度で球状である。このようなコロイダルシリカとしては、日産化学工業社のスノーテックスシリーズ、触媒化成工業社のカタロイド−Sシリーズ、バイエル社のレバシルシリーズなどが挙げられる。 【0039】さらに、本発明に用いられる「数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ」(以下単に、数珠状コロイダルシリカともいう)とは、球状のコロイダルシリカが複数連結して数珠状や分岐した形状になったものを意味する。数珠状コロイダルシリカは、球状のコロイダルシリカの1次粒子を2価以上の金属イオンで粒子間を結合したものである。介在される金属イオンとしては、Ca2+、Mg2+、Ba2+、Al2+、Ti2+などがある。 【0040】数珠状に連結及び/又は分岐する元となるコロイダルシリカの1次粒子径は通常5〜100nmであり、空隙率を高くするためには7〜40nmであることが好ましい。数珠状コロイダルシリカの長さは30〜500nmであることが好ましい。また、数珠状コロイダルシリカは、コロイダルシリカと他の無機粒子とが数珠状に連結したものであってもよい。ここで用いる他の無機粒子としては、例えば、アルミナ、セリア、チタニアなどが挙げられる。 【0041】数珠状コロイダルシリカは電子顕微鏡を用いた撮影写真によってその形状を見ることが出来る。このシリカゾル中に存在する多数のコロイダルシリカ粒子は形状が同一に限られていないが、共通して数珠状を呈する。この多数のコロイダルシリカ粒子は、ほぼ真っ直ぐにつながったもの、屈曲してつながったもの、分岐してつながったもの、環状につながったもの、の4種類に大別されるが、それらの分率を正確な数字で表すことは困難である。しかし、電子顕微鏡を用いた撮影写真によれば、屈曲してつながったものと、分岐してつながったものの分率が最も高く、これらのタイプのものが大半を占めている。 【0042】1個の粒子に着目すると、この粒子は数珠の球に相当する球状コロイダルシリカ粒子と糸に相当する接合部のシリカとから成っている。そして、その接合部はくびれている。即ち、つながった2個の粒子のみに注目すると、それらは鉄亜鈴(ダンベル)型を呈している。数珠状コロイダルシリカは細長い形状ではなく、数珠状を示し、数珠状の度合い(球状コロイダルシリカ粒子のつながり度合い)は製造条件により変わり、この度合いは製造の経験則に従って定められる。その形状は、数珠状(Rosary shaped)またはパールネックレス状(Pearl necklace shaped)といえる。詳細は、WO00/15552号に記載されている。 【0043】数珠状コロイダルシリカとしては、日産化学工業社のスノーテックス−PSシリーズ、スノーテックス−UPシリーズなどが挙げられる。 【0044】本発明において、受像層の非晶質酸化錫とシリカの含有の比率は、0.01:1〜1:1であることが好ましい。本発明においては、受像層塗工液の調製の際、非晶質酸化錫分散液中にルシリカを添加することが好ましい。 【0045】非晶質酸化錫水分散液中に、シリカを徐々に添加することで、シリカと非晶質酸化錫が付着する。この際、シリカを添加する過程では十分な攪拌を行うことが好ましく、場合によっては、添加中または添加後に分散機を併用するなどするのが生産効率上好ましい。 【0046】このようにして得られた混合液には、ミクロ的に見た場合、微小なダマ状凝集物が多数存在している。このような微小なダマ状凝集物はその後の分散処理を行うことにより軽減される。この分散処理方法としては、例えば、高速回転分散機、媒体攪拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、ロールミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、本発明では形成される微小なダマ状凝集物の分散処理を効率的に行えるという点から超音波分散機または高圧分散機が好ましく用いられる。超音波分散機は通常20〜25kHzの超音波を照射し、固液界面にエネルギーを集中させることで分散するものであり非常に効率的に分散される。また、高圧分散機は3個または5個のピストンを持った高圧ポンプの出口に、ねじまたは油圧によってその間隙を調整できるようになっている均質バルブを1個または2個備えたものであり、高圧ポンプにより送液された液媒体が均質バルブによりその流れが絞られて圧力がかかり、この均質バルブを通過される瞬間に微小なダマ状凝集物が粉砕される。この分散処理方法は連続的に多量の液を分散できるために、多量の液を製造する場合特に好ましい方法である。均質バルブに加えられる圧力は通常50〜1000kg/cm2であり、分散は1回のパスで済ますことも、多数回繰り返して行うこともできる。上記の分散処理方法は2種以上を併用することも可能である。上記の分散液を調製する際には、各種の添加剤を添加して調製することができる。例えば、ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成するので好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤など、必要に応じて適宜使用することができる。特に、水混和性有機溶媒は、コロイダルシリカとカチオンポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑制されるために好ましい。そのような水混和性有機溶媒は分散液中に好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%使用される。pHは広範に変化させ得るが、1〜8であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。 【0047】本発明に係る水溶性樹脂とは、水1Lに対して、ポリマーが1g以上溶解するものをいう。溶解するのには、加熱、冷却、攪拌、超音波による振動などいかなる方法をとってもよい。 【0048】水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール系共重合体、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられるが、本発明で好ましく用いられる水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール若しくは、ポリビニルアルコール系共重合体が挙げられる。 【0049】ポリビリルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールが挙げられ、ポリビニルアルコール系共重合体としては、例えば、末端をカチオン変性したカチオンポリビニルアルコール共重合体やアニオン性基を有するアニオンポリビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール共重合体、ノニオンポリビニルアルコール共重合体、さらにはエチレンと酢酸ビニルの共重合体の加水分解物等が挙げられる。 【0050】前記酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールとしては、平均重合度が1000以上のものが好ましく、平均重合度が1500〜5000のものが特に好ましい。ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。 【0051】前記カチオンポリビニルアルコール共重合体としては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されるような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を、ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールが挙げられる。これらカチオンポリビニルアルコール共重合体は、例えば、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をけん化することにより得られる。 【0052】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチル・トリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。 【0053】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体(カチオン変性基含有単量体)と酢酸ビニルとの共重合体におけるカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜5モル%である。 【0054】前記アニオンポリビニルアルコール共重合体としては、例えばアニオン性基を有するポリビニルアルコール、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、水溶性基を有するポリビニルアルコール共重合体が挙げられる。 【0055】また、前記ノニオンポリビニルアルコール共重合体としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されるようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されるような疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。 【0056】ポリビニルアルコールとしては、重合度や変性の種類が違うなどするポリビニルアルコールを2種類以上を併用することもできる。 【0057】また、前記エチレンと酢酸ビニルの共重合体の加水分解物の如き、エチレンとビニルエステルとの共重合体を鹸化することにより得られる共重合体も好ましく用いられる。ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体とエチレンを共重合し、それを鹸化することによって得られる末端変性PVAも用いることができる。この中でも主鎖にエチレン単位を有するポリビニルアルコール共重合体が好ましい。これらの共重合体の鹸化度は、共重合物の含有量にもよるが50モル%以上が好ましく、80〜99.5モル%以上がより好ましい。また、重合度は、100〜4000の範囲が好ましい。 【0058】本発明に好ましく用いられる主鎖にエチレン単位を有するポリビニルアルコール共重合体としては、(株)クラレより“クラレRSポリマー”という名称で、市販されており、RS−4105、RS−3110、RS−2113,RS−2117、RS−2817,RS−2617,RS−2713,RS−4103等が挙げられる。 【0059】また、本発明のインクジェット記録シートにおいては、受像層の塗布性を向上させるために受像層中にホウ酸はおよび/またはホウ酸塩を含有するのが好ましい。ホウ酸もしくはその塩としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸及びそれらの塩が含まれる。これらのホウ酸またはその塩は、1m2当たり通常0.05〜2g、好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。 【0060】ホウ酸やホウ酸塩は、ポリビニルアルコールを含む塗布液のチキソトロピー性を向上させる機能がある。チキソトロピー性の高い塗布液は、剪断がかかっているコーターからウエッブに乗るまで、の間は、粘度が低く、送液、またウエッブに乗ったときの塗布液のレベリング性に優れ、ウエッブ上では粘度が上昇し、乾燥風による塗膜の乱れが生じにくくなるので非常にきれいな仕上がりとなる。 【0061】本発明のインクジェット記録シートに用いられる支持体としては非吸水性支持体が好ましく、透明支持体であっても不透明支持体であってもよい。透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料からなるフィルム等が挙げられる。この中では特に、コストの点からポリエステル系樹脂から成るフィルムのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。このような透明な支持体においては、厚さとしては、約10〜200μmが好ましい。た、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(所謂RCペーパー)、ポリエチレンテレフタレート(PET)に硫酸バリウム、酸化チタン等の白色顔料を添加してなる所謂ホワイトPETフィルムが好ましい。支持体に受像層を設ける場合、支持体と受像層との接着強度を大きくする等の目的で、受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。 【0062】本発明のインクジェット記録シートにおいて、吸収層に褪色防止剤として水溶性還元剤、含硫黄化合物または疎水性酸化防止剤の乳化分散物を添加することもできる。上記水溶性還元剤は、特開平8−300807号公報、同8−150773号公報、同8−108617号公報、同9−267544号公報等に記載されており、例えば、亜硫酸塩、亜硝酸塩、亜燐酸塩、チオ硫酸塩、アスコルビン酸またはその塩、ヒドロキシルアミン誘導体(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩、N−ヒドロキシフタルイミド、N,N−ジカルボキシエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩等)、グルコース等が挙げられる。 【0063】また、印字後のにじみを防止する目的で水溶性多価金属イオンを含有してもよい。用いることができる水溶性多価金属イオンとしては、2〜4価の多価金属イオンが挙げられ、具体的には、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、Fe3+、Ni2+、Co2+、Al3+等が挙げられるが、特に、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Al3+が好ましい。多価金属イオンの添加量は、記録シート1m2当たり概ね0.1〜10ミリモルである。特に好ましいのは0.2〜2ミリモルである。 【0064】本発明のインクジェット記録シートに設けられる受像層及び必要に応じて設けられるその他の層には、前記した以外に各種の添加剤を添加することができる。これら添加剤としては、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子;カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤;蛍光増白剤;硫酸、燐酸、枸櫞酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤;消泡剤;防腐剤;増粘剤;帯電防止剤;マット剤等の公知の各種添加剤が挙げられる。 【0065】多孔質の受容層は2層以上から構成されてもよく、この場合、これら2層以上の層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。 【0066】本発明のインクジェット記録シートの受容層及び下引層、その他、必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層の支持体上への塗布には、公知の塗布方法を適宜選択して用いることができる。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設・乾燥する方法である。この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に、全ての親水性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。 【0067】塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法または米国特許2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。 【0068】塗布にあたり、ウエッブをあらかじめ冷却したり、塗布後乾燥までの間にウエッブを10℃以下に冷却し、塗布液にチキソトロピー性を加速してもよい。 【0069】本発明のインクジェット記録シートを用いて画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好ましく用いられる。本発明でいう水性インクとは、着色剤及び液媒体、その他の添加剤から成る水性の記録液体である。着色剤としては、インクジェット記録方式で公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料または食品用色素等の水溶性染料または水分散性顔料が使用できる。水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類またはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル類が好ましい。 【0070】その他、水性インクの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防黴剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤などが挙げられる。水性インク液は、インクジェット記録シートに対する濡れ性を良好にするため、20℃において25×10-5〜60×10-5N/cm、好ましくは30×10-5〜50×10-5N/cmの範囲内の表面張力を有することが好ましい。 【0071】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。 【0072】実施例1〈非晶質酸化錫ゾル(A)〉多木化学社製:セラメースS(アンモニア分散酸化錫ゾル)を非晶質酸化錫ゾル(A)として用いる。 【0073】〈非晶質酸化錫ゾル(B)の作製〉滴下ロートと温度計、更に攪拌棒を付した300リットルの反応釜に純水200リットルを入れ、滴下ロートに無水塩化第2錫(SnCl4)5.4kgを入れた。フラスコ内を攪拌棒で攪拌しながら、滴下ロートより無水塩化第2錫をまず4.8kg滴下したのち、5分間攪拌した。さらに、無水塩化第2錫を0.5kg滴下したのち、5分間攪拌した。後、残りの無水酸化第2錫を滴下した。 【0074】滴下終了後、滴下ロートを外し、U字型に曲げた管に取り替えた。管の先は、炭酸ナトリウムの水溶液に浸した。その後、釜を蒸気で加熱、釜内を85℃に保った。85℃に近づくにつれフラスコ内は白濁してきた。釜内を断続攪拌しながら、1時間保温し、水冷し内部の温度が60℃となった時点で、1000リットルの40℃の純水中にフラスコの内容物を注ぎ込んだ。 【0075】スラリーの、自然沈降を待ち、嵩が400Lになった時点で、上澄みを廃棄(デカンテーション)した。この中に、800Lの40℃純水を加え、さらに沈降させ、デカンテーションを17回繰り返した。 【0076】デカンテーションの途中で、スラリーのpHが、7を越えないように、ゆっくりと水酸化ナトリウムの1モル/L水溶液を注ぎ込んだ。 【0077】17回目のデカンテーションが終わった後、さらに限外濾過膜(旭化成社製S:EP−1013)を用いて、非晶質酸化錫の固形分(乾燥条件:800℃・1時間)が10%となるまで濃縮して、非晶質酸化錫スラリーを得た。 【0078】得られた非晶質酸化錫スラリーを、イオンクロマトグラフィにて塩素イオン濃度を測定したところ、3.6ppmであった。また、pHは、6.8であった。 【0079】別に、環流冷却管、温度計、攪拌棒を付した3リットルの三口フラスコに純水2580mlを入れた。環流冷却管をはずし、攪拌棒を回転させながら、ポリビニルアルコール(PVA−203:クラレ社製、ケン化度88%、平均重合度300)の顆粒420gをゆっくりと添加した。後、再度環流冷却管を付した後、フラスコをウォーターバスで加熱し、内温を3時間80±3℃に保ちながら、溶解を続けた。3時間加熱後、室温まで冷却しポリビニルアルコールの水溶液を得た。得られたポリビニルアルコールの水溶液の一部をとり、140℃・2時間の乾燥条件で乾燥させたところ、固形分濃度は、13.5%であった。 【0080】また別に、上記で得た非晶質酸化錫スラリー2000gを50℃に加熱し、超音波分散機で分散した。後、超音波分散機で分散された非晶質酸化錫スラリー830gを採取した後、装置を止めた。 【0081】上記ポリビニルアルコールの水溶液8gと純水162gをよく混合した液を攪拌しながら、上記超音波分散機で分散された非晶質酸化錫スラリー830gをゆっくりと添加し、非晶質酸化錫の水分散液を作製した。これを非晶質酸化錫ゾル(B)とする。 【0082】〈分散液B(1)の作製〉非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(A) 非晶質酸化錫ゾル(A)1445mlに、純水を3000mlを加え、後、6%硝酸でpHを3.0に調整し、さらに純水で5121mlに仕上げた。 【0083】この中に、気相法シリカ(レオシールQS−20:トクヤマ社製)810gをジェットストリーム・インダクターミキサーTDS(三田村理研工業社製)を用いて、室温で吸引分散した。これを非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(A)とする。 【0084】得られた非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(A)に、ホウ酸と硼砂の1:1混合水溶液(ホウ酸と硼砂がそれぞれ5質量%含有)350mlを攪拌しながら徐々に添加した。その後、高圧ホモジナイザー(三和機械社製)で、250kg/cm2の条件で分散し均一で青白濁色の分散液を得た。これを分散液B(1)とする。 【0085】〈分散液B(2)の作製〉非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(B) 非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(A)において、非晶質酸化錫ゾル(A)に変え、非晶質酸化錫ゾル(B)を用いた他は同様にして非晶質酸化錫−シリカ混合分散液(B)を作製した。 【0086】得られた非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(B)について、分散液B(1)と同様に処理して均一で青白濁色の分散液を得た。これを分散液B(2)とする。 【0087】〈分散液B(3)の作製〉非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(C) 非晶質酸化錫ゾル(A)1445mlに、数珠状コロイダルシリカ水分散液(スノーテックス−PS−SO:日産化学工業社製)を3375ml加え、後、6%硝酸でpHを3.0に調整し、さらに純水で5121mlに仕上げた。 【0088】この中に、気相法シリカ(AEROSIL300:日本アエロジル社製)405gをジェットストリーム・インダクターミキサーTDS(三田村理研工業社製)を用いて、室温で吸引分散した。これを非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(C)とする。 【0089】得られた非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(C)について、分散液B(1)と同様に処理して均一で青白濁色の分散液を得た。これを分散液B(3)とする。 【0090】〈分散液B(4)の作製〉非晶質酸化錫−シリカ混合分散液(D) 非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(C)に用いた非晶質酸化錫ゾル(A)に変え、非晶質酸化錫ゾル(B)を用いた他は同様にして非晶質酸化錫−シリカ混合分散液(D)を作製した。 【0091】得られた非晶質酸化錫−シリカ混合水分散液(D)について、分散液B(1)と同様に処理して均一で青白濁色の分散液を得た。これを分散液B(4)とする。 【0092】〈分散液B(5)の作製(比較)〉カチオンポリマー−シリカ分散液6%硝酸でpHを3.0に調整した純水4121.5ml中に、気相法シリカ(AEROSIL300:日本アエロジル社製)810gをジェットストリーム・インダクターミキサーTDS(三田村理研工業株式会社製)を用いて、室温で吸引分散した。 【0093】このシリカ分散液を、メタクリル酸エチルとメタクリル酸トリメチルアミノエチルの塩酸塩1:1(モル比)共重合体(カチオンポリマー)の12%水溶液1000ml中に、攪拌しながら徐々に添加した。これをカチオンポリマー−シリカ分散液とする。 【0094】得られたカチオンポリマー−シリカ分散液について、分散液B(1)と同様に処理して均一で青白濁色の分散液を得た。これを分散液B(5)とする。 【0095】〈受像層塗工液T11〜T15の作製〉40℃で攪拌しながら、シリカ混合水分散液B(1)〜B(5)それぞれ530mlに、以下の添加剤を順次混合し、受像層塗工液T11〜T15をそれぞれ作製した。 【0096】(1)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:クラレポバールPVA203)の10%水溶液0.6ml(2)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:クラレポバールPVA235)の5%水溶液442.8ml(3)純水で全量を1000mlに仕上げる。 【0097】〈受像層塗工液T21〜T25の作製〉40℃で攪拌しながら、シリカ混合水分散液B(1)〜B(5)それぞれ530mlに、以下の添加剤を順次混合し、受像層塗工液T21〜T25をそれぞれ作製した。 【0098】 (1)ポリビニルアルコール共重合体(クラレ工業社製:RS−4103) の10%水溶液 0.6ml (2)ポリビニルアルコール共重合体(クラレ工業社製:RS−2117)の5%水溶液 442.8ml (3)純水で全量を1000mlに仕上げる。 【0099】インクジェット記録シートの作製青色着色した下引き済みポリエステルフィルム上(厚み175μm)に、上記各受像層塗工液を湿潤膜厚で270μmになるように塗布し、各インクジェット記録シートを得た。尚、塗膜は受像層塗工液を40℃に加温し、スライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃の風で60秒間、45℃の風で60秒間、50℃の風で60秒間順次乾燥して作製した。 【0100】〈評価方法〉(1)吸水量インク吸収層の吸水量を以下の方法で測定し、吸収性の評価を行った。 【0101】インクジェット記録シートを10cm×10cmの大きさに切り、乾燥時の質量(これを(a)とする)を測定する。その後、純水に30秒浸たし、表面の水を拭き取って浸水後の質量(これを(b)とする)を測定する。得られた(a)、(b)の値から下式のようにして吸水量を計算する。 【0102】 吸水量(g/m2)=((b)−(a))×100(2)高湿下でのインクのにじみ耐性インクジェット記録シートを、温度30℃、湿度80%の雰囲気下に24時間調湿した後、ヒューレットパッカード社製インクジェットプリンターDesign Jet 2000CPでYMCインク3色各100%出力合計300%で重ね打ちを行った。後、さらに、上記と同条件で24時間調湿をした後、印字面の状態を目視で観察して以下の基準で評価した。 【0103】○:にじみがない△:部分的ににじみムラが発生している×:画像全体がにじんでいる(3)低湿下でのひび割れインクジェット記録シートを、温度30℃、湿度15%の雰囲気下に24時間調湿した後、ヒューレットパッカード社製インクジェットプリンターDesign Jet 2000CPでYMCインク3色各100%出力合計300%で重ね打ちを行った。後、さらに、上記と同条件で24時間調湿をした後、10cm×10cmの範囲の印字表面の状態を100倍の顕微鏡で観察してひび割れの数を数えた。なお、ひび割れの大きさが0.3mm未満のものを小、0.3mm以上のものを大と表現した。 【0104】結果を表2に示す。 【0105】 【表1】
【0106】 【表2】
【0107】表1、表2から明らかなように、非晶質酸化錫を用いたインクジェット記録シート(本発明の構成のもの)はすべて、カチオンポリマーを用いたもの(比較)に比べ高湿での滲みが少なく、また低湿下でのひび割れも少ない。 【0108】また、加水分解性錫化合物を加水分解し水洗して得られる非晶質酸化錫を用いた方が、気相式シリカのみよりも数珠状に連なったシリカを含む方が、さらに主鎖にエチレン単位を有するポリビニルアルコールを用いた方が、ひび割れが少ないことがわかる。 【0109】 【発明の効果】本発明により、高湿下でのインクのにじみ耐性に優れ、低湿下でもひび割れが少ないインクジェット記録シートを提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿1丁目26番2号
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| 【出願日】 |
平成14年1月24日(2002.1.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−211832(P2003−211832A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−15462(P2002−15462) |
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