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【発明の名称】 インクジェット画像記録材料と画像記録方法
【発明者】 【氏名】高橋 修
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真フイルム株式会社内

【氏名】石井 善雄
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真フイルム株式会社内

【要約】 【課題】画像情報に基づくインクジェット方式により連続して能率よく画像を記録することができ、特に銀塩カラー感材により得られるプリントに匹敵しうる高画質の画像を記録することができるインクジェット画像記録材料及びそれを用いた画像記録方法を提供すること。

【解決手段】支持体上に、少なくとも一層のインク画像受容層を有するインクジェット画像記録材料であって、前記インクジェット画像記録材料の最上層に、湿潤剤を含むことを特徴とするインクジェット画像記録材料、及びそれを用いたインクジェット画像記録材料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、少なくとも一層のインク画像受容層を有するインクジェット画像記録材料であって、前記インクジェット画像記録材料の最上層に、湿潤剤を含むことを特徴とするインクジェット画像記録材料。
【請求項2】 前記湿潤剤が、グリコール、グリセリン、及びそれらの誘導体から選択されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像記録材料。
【請求項3】 前記最上層が、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、これらの架橋硬化剤と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット画像記録材料。
【請求項4】 前記最上層が、親水性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット画像記録材料。
【請求項5】 前記親水性ポリマーが、セルロース誘導体から選択されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット画像記録材料。
【請求項6】 画像記録材料に記録すべき画像を表す画像情報を入力し、入力された画像情報に基づき記録ヘッドの吐出口から記録液滴を吐出させ前記記録液滴を画像記録材料に付着させて、画像記録材料に画像を記録するインクジェット画像記録方法であって、前記画像記録材料が、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット画像記録材料であることを特徴とするインクジェット画像記録方法。
【請求項7】 前記記録ヘッドの吐出口から記録液滴を吐出させて画像記録材料に画像を記録した後、前記画像記録材料を加熱乾燥することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット画像記録方法。
【請求項8】 画像記録材料をロール状に予め装填して、搬送し、連続して画像を記録し、複数の画像を記録材料に連続して記録している間、画像記録の障害となる事象が発生したか否かを監視し、前記事象が発生したと判断された場合に、前記障害又は前記事象を除去修正するための処理を行う、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット画像記録方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット画像記録材料に係り、特に、画像情報、例えば、カラー写真フィルムからの画像情報に基づいて記録ヘッドの吐出口から吐出させた記録液滴を材料に付着させて画像を記録するインクジェット画像記録方法に用いられるインクジェット画像記録材料(以下、単に「画像記録材料」ということがある)、このインクジェット画像記録材料を用いるインクジェット画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀塩カラー感材によるカラー画像作成におけるカラー画像の高品質化、汎速化、低コスト化及び画像作成のディジタル化により、静電転写方式、昇華熱転写方式、インクジェット方式など、フルカラー画像作成方法が急速に普及しつつある。銀塩カラー感材を用いる方法は、色再現性、画像の鮮鋭度、画像密度、光沢性などの画質、さらに画像の耐久性などにおいて優れており、特にインクジェット方式の開発の一つの目標ともなっている。
【0003】インクジェット方式は、カラー原画のディジタル情報の入力化、インクの種の選択などでフルカラー化は比較的容易であり、他の方式に比べ印字騒音も比較的低く有利である。しかし、使用するインクは比較的多量の水または溶媒を含んでおり、その液滴の吸収、除去、微細単位の液滴の連続射出のビーディング、滲みによる鮮鋭度劣化防止、また銀塩カラー感材の膜中での画像形成と異なり、溶解または分散された色素を含むインクの射出による画像の形成であり、画像の保護、耐久性の向上が特に要求される。
【0004】従来、記録支持体の基質として、一般的な紙及び、さらに耐水性樹脂層を設けたシートが用いられる。このような基質として例えば、特開昭59−22683号記載の印刷シートなどが挙げられる。また樹脂フィルム、例えば特開昭59−222381号記載のポリエステル、酢酸セルロースなどの透明フィルム、または白色顔料を充填したフィルムや合成紙などが用いられる。特開平11−5362号記載の透明または不透明な基材で、インク吸収性がある紙や多孔性の樹脂フィルムなど、その表面に設けられた層と一体となってインク吸収性を改良し、加熱処理により、酸素遮断性の支持体として用いられる。
【0005】特開昭59−222381号、特開昭59−22683号、特開平8−2090号、特開平9−104163号、特開平11−5362号、特開2000−43368号、特開2000−43369号等には、インク画像受容層上にさらに画像保護層が設けたものが記載されている。インク画像受容層には、特開平7−237348号、特開平9−104163号、特開平9−156206号、特開平11−5362号、米国第5,474,843号、EP−第1060901A−2号などの記載のように、インクを透過しやすい親水性バインダーとインクを透過吸着固定しやすい多孔性吸着物や媒染剤が用いられる。その画像保護層は、特開昭59−215885号、特開昭59−103782号などに記載のうようにラミネートコーティング、例えば特開昭62−59076号、特開昭62−56184号など、特に特開平1−291990号記載のラミネートコーティング、ポリマー溶解塗布や押出法によって設けることができる。また、特開平7−237348号、同平8−2090号、同2000−43368号、同2000−43368号記載の多孔質高分子層を用い、画像付着後、加熱処理して、画像保護層を設ける方法も知られている。特開2000−225695号などには、形成された画像を、保護する液滴をインクジェットにより吐出し付着し設ける方法が記載されている。このように、画像形成後、画像保護層を設ける方法は、工数多くコストの点でも好ましくない。いずれの方法も、高画質を得るには、一長一短あり、銀塩カラー感材によるプリントに匹敵するものは得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インク画像受容層にインク染料の媒染剤を用いる方法は、インク染料を染料の固定すると同時にその固定速度と同じような速度で吸収処理することが必要で、その一つとして無機顔料を含む吸収層を用いる方法があるが、不充分で、画像の滲みや汚れ等が発生しやすく、染料の色相及び保存性にも問題がある。また、インク染料の吸着性無機顔料を用いる方法もある。この方法は、前記媒染剤を用いるポリマーよりも高画質の画像を形成することができるが、画像面の光沢性、画像の強度、保存性に劣る。これらの問題点を解消するための方法として、インク画像受容層に熱可塑性樹脂又はそのラテックスを用いること、特にインク画像受容層上に画像保護層を設ける方法がある。この方法は、インク透過性を阻害し、画質、表面光沢性、また記録材料としての塗膜面の物理的強度が不充分である。
【0007】本発明の目的は、これらの欠陥を改善し、画像情報に基づくインクジェット方式により連続して能率よく画像を記録することができ、特に銀塩カラー感材により得られるプリントに匹敵しうる高画質の画像を記録することができるインクジェット画像記録材料及びそれを用いた画像記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的は、以下の発明によって達成される。
(1)支持体上に、少なくともインク受容性無機顔料を含むインク画像受容層を有するインクジェット画像記録材料であって、前記インクジェット画像記録材料の最上層に、湿潤剤を含むことを特徴とするインクジェット画像記録材料。
(2)前記湿潤剤が、グリコール、グリセリン、及びそれらの誘導体から選択されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像記録材料。
(3)前記最上層が、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、これらの架橋硬化剤と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット画像記録材料。
(4)前記最上層が、親水性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット画像記録材料。
(5)前記親水性ポリマーが、セルロース誘導体から選択されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット画像記録材料。
(6)画像記録材料に記録すべき画像を表す画像情報を入力し、入力された画像情報に基づき記録ヘッドの吐出口から記録液滴を吐出させ前記記録液滴を画像記録材料に付着させて、画像記録材料に画像を記録するインクジェット画像記録方法であって、前記画像記録材料が、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット画像記録材料であることを特徴とするインクジェット画像記録方法。
(7)前記記録ヘッドの吐出口から記録液滴を吐出させて画像記録材料に画像を記録した後、前記画像記録材料を加熱乾燥することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット画像記録方法。
(8)画像記録材料をロール状に予め装填して、搬送し、連続して画像を記録し、複数の画像を記録材料に連続して記録している間、画像記録の障害となる事象が発生したか否かを監視し、前記事象が発生したと判断された場合に、前記障害又は前記事象を除去修正するための処理を行う、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット画像記録方法。
【0009】(1)のインクジェット画像記録材料によれば、最上層に含有される湿潤剤により、インクの透過性を高め、表面の光沢性と画質を改良する。(2)のインクジェット画像記録材料によれば、湿潤剤として、グリコール、グリセリン、及びそれらの誘導体から選択されるものを用いることで、より効果的にインクの透過性を高め、表面の光沢性と画質を改良する。(3)のインクジェット画像記録材料によれば、湿潤剤と共に、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンとそれらの架橋硬化剤とを併用することで、効果的にインクの透過性を高めるだけでなく、付着性をも高め、さらには画像の物理的強度、画像の耐候性や膜の保存性を改良する。(4)のインクジェット画像記録材料によれば、湿潤剤と共に、親水性ポリマーを併用することで、効果的にインクの透過性を高め、さらには画像定着速度(インク乾燥性)を改良し、ひいては画質を改良する。(5)のインクジェット画像記録材料によれば、親水性ポリマーとして、セルロース誘導体から選択されるものを用いることで、より効果的にインクの透過性を高め、さらには画像定着速度(インク乾燥性)を改良し、ひいては画質を改良する。(6)のインクジェット画像記録方法によれば、画像情報に基づくインクジェット方式により連続して能率よく画像を記録することができ、特に銀塩カラー感材により得られるプリントに匹敵しうる高画質の画像として記録することができる。(7)のインクジェット画像記録方法によれば、記録ヘッドから記録液滴を吐出させて画像を記録する記録した後、加熱乾燥することで、インクの迅速乾燥、膜の硬化を図ることができる。(8)のインクジェット画像記録方法によれば、上記(1)〜(5)のインクジェット画像記録材料を用いることで、接着の発生、画像面にキズを与えることなく、コンパクトにロール状形態にして装填することができ、搬送して複数の画像を画像記録材料に連続的に記録している間に、画像記録の障害となる事象が発生した場合にも、これが検知され、画像記録の障害が除去されるか、又は該障害となる事象そのものが除去されるので、前記事象が発生してから不適正な画質の画像を多数記録したり、前記事象が発生することで画像記録が長時間停止することを未然に防止することができ、インクジェット記録方式による画像記録の高能力化・適正画像の得率向上を達成することができる。なお、画像記録の障害となる事象としては、例えば画像記録の不調(具体的には、記録ヘッドの吐出口の詰まりや、記録ヘッドの吐出口からの記録液滴の吐出量低下、或いはその他の事象)、画像情報を記憶する記憶手段の空き容量低下が挙げられる。また、画像記録材料に記録すべき原画像を表す原画像情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された原画像情報に対して画像処理を行うことで、画像記録材料に記録すべき画像を表す画像情報を生成し、生成した画像情報を記録手段に出力する画像処理手段と、を更に備えた構成において、画像記録の障害となる事象としては、例えば取得手段の不調、取得手段による不良な原画像情報の取得、画像処理手段による画像処理の不調が挙げられる。本発明においては、上記の各事象のうちの少なくとも1つの事象が発生したか否かを監視する。そして、前記事象が発生したと判断された場合に、前記障害又は前記事象を除去するための処理を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。本発明のインクジェット画像記録材料は、少なくとも一層のインク受容性無機顔料を含むインク画像受容層を有するインクジェット画像記録材料であって、前記インクジェット画像記録材料の最上層に、湿潤剤を含むことを特徴とする。
【0011】本発明のインクジェット画像記録材料は、インク画像受容層上に、(1)画像保護層のみ有する態様,(2)画像保護層とオーバーコート層とを有する態様,(3)オーバーコート層のみ有する態様、(4)これらの層を有しない形態等の層構成をとるが、インク画像受容層上に画像保護層とオーバーコート層とを有する態様であることが望ましい。また、オーバーコート層は2層以上からなる形態であることが望ましい。
【0012】湿潤剤は、これらの形態の層構成における最上層に含有される。したがって、インクジェット画像記録材料の最外側がインク画像受容層の場合、インク画像受容層に湿潤剤が含有され、最外側が画像保護層の場合、画像保護層に湿潤剤が含有され、最外側がオーバーコート層の場合、オーバーコート層に湿潤剤が含有される。また、インク画像受容層上にオーバーコート層を有する場合にはオーバーコート層が少なくとも二層形成され、その最外側のオーバーコート層に湿潤剤が含有されることが望ましい。
【0013】湿潤剤とはインクを濡れやすくする性質を有する成分をいい、本発明においては、特に多価アルコールまたはその誘導体、グリセロールまたはその誘導体、グリセロールまたはその誘導体、グリセリンまたはその誘導体、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、モノブチルエーテル、トリエチサングリコール、モノブチルエーテル等の誘導体が挙げられる。これらの湿潤剤を含む層では、インクの透過性を促進するとともにインクの乾燥速度を高め、画像記録材料の搬送性を向上させる。
【0014】本発明において、最上層に含有される湿潤剤は、適量少量加えるがよく、バインダーに対して20質量%以下であることが、材料をロール状形態で保存しても、接着の発生、画像面にキズを与えることなく、インクの透過性を促進するとともにインクの乾燥速度を高め、画像記録材料の搬送性を向上させることができる観点から好ましい。より好ましくは、バインダーに対してで2〜18質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。湿潤剤を最上層に20重量%を超えて加えると材料をロール状形態で保存している間に、接着を発生、画像面にキズを与えやすくなる場合がある。なお、二層からなるオーバーコート層の場合、その下層のオーバーコート層には層重量の5〜30重量%加えることが好ましい。
【0015】本発明において、湿潤剤が含有された最上層には、さらにゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、これらの架橋硬化剤と、を含むことが、効果的にインクの透過性を高めるだけでなく、付着性をも高め、さらには画像の物理的強度や保存性の観点から好適である。これらの架橋硬化剤の少なくとも一部は、最上層中に架橋反応物として含有される。さらに好ましくは、親水性ポリマーを混合すると、効果的にインクの透過性を高め、さらには画像定着速度(インク乾燥性)を改良し、ひいては画質を改善させることができる。
【0016】ゼラチンとしては写真用ゼラチンを用いることができ、比較的カチオン性成分が多い酸処理ゼラチン又比較的アニオン性成分が多い石灰処理ゼラチンなどがあり、インク特性に合わせ選択するがよい。変性ゼラチンとしてはアシル化ゼラチン、例えばトリメリト酸無水物による変性ゼラチン、COO基のエステル化ゼラチンなどによりゼラチンの荷電性を変えたものが挙げられる。この変性ゼラチンをゼラチンに混合することにより、インク受容性が膨潤性を調整することができる。メタクリル酸メチルとゼラチンの共重合体などゼラチンを混合することにより、物理的強度か可塑性を調整することができる。ゼラチンとの混合重量比は2%ないし20%が好ましい。架橋硬化剤は、写真用に用いられるスルホネートエステル系硬化剤、例えばビス(メタンスルホネート)、ビス(ビニルスルホニール)メタンなど、S−トリアジン系硬化剤、例えば2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシトリアジンなど、T,H,Jornes編 The Theory of the photographic process第4版3章に記載される無機又は有機硬化剤が用いられる。架橋硬化剤は、層中のゼラチンに対し、ゼラチンの種によるが0.01〜0.1重量%の量加えるがよい。親水性ポリマーは、セルロース誘導体が好ましい。例えばアニオン性セルロースエーテル、アニオン性セルロースエーテル、カチオン性セルロースエーテルや、特にポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンやスルホン化ポリエステルなどである。
【0017】図1(a)、(b)は、それぞれ本発明の好ましい一実施の形態を示す要部断面図である。図1(a)、(b)において、2は支持体、4は下塗り層、6はインク画像受容層、8は画像保護層、10はオーバーコート層である。
【0018】−画像記録材料−[支持体]本発明の画像記録材料における支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料よりなる不透明支持体のいずれをも使用できる。色材受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0019】前記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、ポリエチレンテレフタレートは特に好ましい。前記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い性の点で、50〜200μmが好ましい。
【0020】高光沢性の不透明支持体としては、インク画像受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記支持体が挙げられる。
【0021】例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体が挙げられる。更に、白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。
【0022】また、前記支持体には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用してもよい。
【0023】原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
【0024】特に、インク画像受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜20重量%が好ましく、4〜13重量%がより好ましい。
【0025】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
【0026】本発明において、画像記録材料が銀塩カラー感材並みの品質を得るには現用バライタ紙やWP(原紙の両面に熱可塑性樹脂を被覆した支持体)など白色度、並びに平滑度が高い基材を用いるがよい。また、画像形成後、支持体自体が酸素遮断性となる基材が好ましい。
【0027】[下塗り層]下塗り層には、支持体の表面とインク画像受容層との密着性がよいポリビニルアルコールまたはその変性体、ゼラチンまたはその変性体など親水性樹脂が用いられ、架橋硬化剤や、熱可塑性樹脂ラテックスなど混用するがよい。このような下塗り層を設けることによって支持体とインク画像受容層との密着と、水吸収性を高めることができる。また、下塗り層には、硫酸バリウムなどの白色顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤や光安定剤などを混用することもできる。
【0028】[インク画像受容層]インクジェットにより賦与されたインクを滲み少なく吸収し、染料を吸着固定又は不溶化し、画像を保持する機能をもつ層である。インクの溶媒の吸収を強化し、特定の層に画像形成染料を固定し、滲みやビーディングが少ない画像を得るために支持体に近い方に溶媒を吸収するための層(インク吸収層)を設け、また、染料の固定強化のための多層構成にすることが好ましい。主として染料を吸着する無機顔料(インク受容性無機顔料)や、染料を固定する媒染剤等を用い、さらいインク透過性がよく、染料吸着や固定を阻害しないバインダーに界面活性剤を用いることが好適である。また、画像を保護する熱可塑性樹脂ラテックスを用いるがよい。また、インク透過性を保持するために、多孔性構造としてもよい。
【0029】染料を固定する媒染剤には、米国特許5,474,943号に記載のカチオン性ポリマーを使用することができる。また、米国特許5,789,070号に記載等に記載の多層構成とすることが好ましい。好ましい媒染剤としては、水溶性で少なくとも30g/lの溶解度をもつカチオン性ポリマー、例えば、ジエチルアンモニウムクロライドヒドロキシエチルセルロース(celquant L−200とcelquant L−100 National Starch aChemical社製)である。好ましくはカチオン性変性セルロースエーテル、エポキシ置換のトリメチルアンモニウム・クロライド又はドデシルジメチルアンモニウム・クロライドとヒドロキシエチルセルロースとの反応物等である。また、バインダーには、インク受容性を損なわない親水生ポリマー、例えば、特開昭61−10483号公報に記載のもの、あるいはカチオン性ポリビニルアルコール又はその共重合体を用いることができる。
【0030】染料を吸着する無機顔料として、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、擬ベーマイト、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物など公知のものが用いられる。特にアルミナ水和物、シリカ、コロイダルシリカなどが好ましい。これらの無機顔料は、インク画像受容層中で空隙状に構成されて染料を吸着し、インクの滲みを防止することができる。
【0031】アルミナ水和物としては、アルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウムの加水分解などの公知の方法で製造できる。その形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等特に限定されず、また、配向性の有無も問わない。アルミナ水和物は、工業的に市販されているもの、もしくはそれらの原料から加工されたもの等を使用することができ、これらアルミナ水和物の特徴として透明性、光沢性、染料定着性の高いものでかつ、被膜形成時にクラック等の入らず、塗工性の良いものであればさらに良い。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成社製の「AS−2」、「AS−3」、日産化学社製の「520」等が挙げられる。これらのアルミナ水和物は、通常粒子径が1μm以下と細かいものであり、優れた分散性を有するものであるため、画像記録材料に非常に良好な平滑性、光沢性を持たせることができる。
【0032】無機顔料を結着するためのバインダーとしては、水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。
【0033】無機顔料(特にアルミナ水和物)とバインダーの混合比は、重量比で、好ましくは1:1〜35:1、より好ましくは5:1〜30:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量が上記範囲よりも少ない場合はインク画像受容層の機械的強度が不足する場合があり、ひび割れや粉落ちが発生する傾向がある。しかし、この傾向は、インク画像受容層上に、後記する画像保護層やオーバーコート層を設けることにより低減させることができる。また、無機顔料、特にアルミナ水和物とバインダーの混合比が上記範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなってインクの吸収性が低下する場合がある。
【0034】インク画像受容層を形成するための塗工液には、アルミナ水和物及びバインダーに加え、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することも可能である。
【0035】無機顔料(特にアルミナ水和物)の基材への塗工量としては、染料定着性をもたせるためには10g/m2以上が好ましく、基材がインク吸収性を有しない場合、塗工量としては30〜50g/m2の範囲がより好ましく、基材がインク吸収性を有する場合、塗工量としては20〜40g/m2の範囲がより好ましい。塗工・乾燥方法は特に限定されないが、必要に応じてアルミナ水和物及びバインダーに焼成処理を施す等も可能である。かかる焼成処理を施すことにより、バインダー架橋強度が上がり、インク受容層の機械的強度が向上し、また、アルミナ水和物層の表面光沢が向上する。
【0036】なお、無機顔料としてシリカ、コロイダルシリカを、上記アルミナ水和物と同様、多孔性構造にして用いることもできる。この場合、バインダーとして、例えば特開昭61−10483号に記載のような、前記バインダーに加え、カチオン変性ポリビニルアルコールまたはその共重合体を用いることができる。
【0037】インク画像受容層には、熱可塑性樹脂粒子を含有させることができる。熱可塑性樹脂粒子を含有した多孔質のインク画像受容層をインクが浸透した後、非孔質化することによってインクを固定化し、耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢を付与することができ、印字物の長期保存が可能となる。
【0038】インク画像受容層を非孔質化する方法として加熱処理が好ましく、加熱処理温度としては、インク画像受容層に含有される熱可塑性樹脂粒子の流動温度以上に加熱することが好ましく,最低造膜温度(MFT)以上に加熱することがより好ましく、これらの温度は、熱可塑性樹脂の種類によって任意に選定される。この最低造膜温度(MFT)は、画像保護層が加熱処理によって造膜し、透明となる温度であり、処理時間に依存する。
【0039】[画像保護層]画像保護層は、熱可塑性樹脂ラテックスを用いた多孔性樹脂層を形成し、かつ、ラテックスは特定の粒子分布を有することが望ましい。この画像保護層を設けることで、特に、インク画像受容層の物理的強度の保持、画像の耐久性、耐候性を改良することができる。
【0040】画像保護層としての熱可塑性樹脂ラテックスによる多孔性樹脂層の形成には、熱可塑性樹脂ラテックスの粒子分布が重要である。このため、この熱可塑性樹脂ラテックスの平均粒子径は0.1ないし10μmであることが好ましく、より好ましくは0.3ないし5μm、さらに好ましくは0.3ないし3μmである。分布は単分散分布が好ましく、その平均粒子径の±2/3の域に、好ましくは±1/3の域に90%以上の粒子が入る程度の均一な粒子のラテックスが好ましい。特に熱可塑性樹脂ラテックスの微細粒子が入らないことが好ましい。熱可塑性樹脂ラテックスは、その粒子固形分が約10ないし60重量%程度が好ましく、インク透過性を阻害せず、加熱により透明樹脂被膜になるものが望ましい。
【0041】熱可塑性樹脂ラテックスは、画像保護層上に後記するオーバーコート層を設ける場合、樹脂のTgに余り関係なく画像保護層を設ける際の処理温度に適合し、好ましくは画像保護層形成時の処理温度より10℃以上高い最低造膜温度(MFT)のものがよく、例えば50℃以上、好ましくは60℃以上のものが好ましい。これらの処理温度の場合、熱可塑性粒子を含む多孔質層の状態を維持した状態で画像保護層が形成され、オーバーコート層から浸透するインクをインク画像受容層に吸着固定させることができる。
【0042】熱可塑性樹脂ラテックスには、画像記録時の加熱処理により非孔質化し、造膜し、画像を保護する特性を持つ樹脂、特に高い紫外線吸収を持つ成分を含む樹脂が好ましい。例えば、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン系のいずれかの材料または塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−アクリル系、塩化ビニル−塩化ビニリデン系、塩化ビニリデン−アクリル系、SBR系、NBR系などのラテックス、これらの2元以上の共重合体のラテックス、例えばSBR系/NBR系混合物や塩化ビニル−アクリル系/酢酸ビニル系混合物などのラテックスが挙げられる。また共役二重結合成分を含む成分は50%以下が好ましい。
【0043】画像保護層にはシリカゲル等を画像保護層中に10ないし30重量%混合することが望ましい。シリカゲル等を画像保護層に含有させることによって、画像保護層とインク画像受容層との密着を強化、ビーディングを阻止し、画像の鮮鋭度を改善する効果がある。
【0044】画像保護層は、インク画像受容層との密着の適正化あるいは、画像の鮮鋭度の改善などのためにインク画像受容層に用いた親水性バインダー、例えばポリビニルアルコールなど微量のバインダーを画像保護層にも添加することが望ましい。特に、このバインダーにはインクとの密着吸収性がよい親水性高分子の中から選ぶことがよい。例えばポリビニルアルコール、その変性体ポリビニルピロリドン、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのその誘導体など、単独あるいは複数種を混合して用いることができる。またインクの密着吸収性を高め画質改良のためバインダーに対し10〜30重量%のコロイダルシリカを混合することもできる。
【0045】画像保護層には、バインダーに対する架橋硬化剤、例えばゼラチンに対してはジメチルヒダントイン、グルタールアルデヒド、他前記の硬化剤、またポリビニルアルコール系については、ホウ酸塩やホルムアルデヒド−尿素樹脂など用いることができる。また、湿潤剤を加え用いることもできる。
【0046】[オーバーコート層]オーバーコート層はインク画像受容層又は画像保護層の上に少なくとも一層設けられものである。オーバーコート層をインク画像受容層、画像保護層に設けることによってその下の層(インク画像受容層や画像保護層)の欠陥となる表面光沢性、インク密着性、さらに画像の耐候性、耐保存性を改良することができる。さらにオーバーバーコート層を設けることで、薄膜でもインクとの密着吸収、透過性がよく、画像の鮮鋭度を向上させる。またバックコート層の設定と相まってその搬送性も改良できる。特にオーバーコート層として架橋硬化剤を含む硬化ゼラチン層を形成することで、親水性でありながら画像を保護し、耐候性、保存性に驚くべき改良効果をもっている。さらに他層と併用することにより相乗的に画像の耐候性や画質改良にその効果を発揮することができる。
【0047】オーバーコート層には、バインダーとして親水性ポリマー、特にインク受容性のあるポリマーを含み、好ましくはその架橋硬化剤、潤滑剤を含み、必要に応じて増粘剤、pH調整剤、流動性変化剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができる。
【0048】オーバーコート層の少なくとも1層には、インク溶剤透過性のゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、その架橋硬化剤とを含みむことが好適である。各材料については上述したものと同様である。
【0049】オーバーコート層は、画像保護層を有する場合、画像保護層に比し薄層でその0.01以上1.0以下が望ましい。オーバーコート層の厚みが保護層の0.01よりも薄いと画像保護層を保護する機能が低く、1よりも大きいと、インクを画像保護層に浸透させる機能が低下しやすい。オーバーコート層の厚みは、画像保護層の1/20〜2/5がより好ましく、さらに好ましくは0.1ないし1μm、特に好ましくは0.2ないし0.5μmである。また、オーバーコート層をインク画像受容層面に形成する場合、オーバーコート層の厚みは、好ましくは0.1ないし5μm、より好ましくは0.1ないし3μmである。
【0050】[バック層]本発明のインクジェット画像記録材料は必要に応じてインク画像受容層がある面の裏面にバック層を設けることもできる。バック層には、耐水性樹脂ラテックスや無機微粒子のマット剤、またフッ素系樹脂や潤滑剤、界面活性剤などを塗布するのが望ましい。特に特願2001−277003に記載のバック層を設けることが好適である。バックコート層を設けることによって、画像記録材料の搬送性も改良することができる。
【0051】−インクジェット画像記録方法−本発明のインクジェット画像記録方法は、上記したインクジェット方式の画像記録材料を用いることにあり、画像記録材料に記録すべき画像を表す画像情報を入力し、入力された画像情報に基づき記録ヘッドの吐出口から記録液滴を吐出させ前記記録液滴を画像記録材料に付着させて、画像記録材料に画像を記録する方法である。
【0052】特に、前記記録ヘッドの吐出口から記録液滴を吐出させて画像記録材料に画像を記録した後、前記画像記録材料を加熱乾燥するが望ましい。この加熱処理は、熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層からなるインク画像受容層を非孔質化するに必要な温度条件、処理時間で処理することが好ましく、このような処理によって、インク画像受容層の耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢を付与することができると共に印字され、多孔質層のインク画像受容層に浸透したインクを非孔質化によってインク画像受容層中に吸着固定することによって、印字物の長期保存が可能となる。
【0053】この時の加熱処理温度としては、熱可塑性樹脂粒子の流動温度以上、より好ましくは最低造膜温度(MFT)以上であることが望ましく、熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、最低造膜温度(MFT)は、主として用いられる画像保護層が加熱処理によって造膜し透明になる温度で、処理時間にも依存する。
【0054】また、加熱処理温度は、同時に画像保護層を非孔質化し、透明化されることが好ましく、この場合、画像保護層を構成する熱可塑性樹脂粒子の樹脂のTgと熱可塑性樹脂ラテックスの最低造膜温度(MFT)の差が10℃以下の樹脂ラテックスを用いることが望ましい。
【0055】このような画像記録方法を適用する手段としては、少なくとも本発明の画像記録材料にインクを印字した後、印字された画像記録材料を所定の温度で加熱処理できる手段を有することが望ましい。
【0056】また、本発明によるインクジェット方式の画像記録材料は、特に高品質のカラー画像の記録に用いるがよい。この場合、画像記録装置の中に上記の加熱処理手段を有する装置であって、銀塩撮影感材の現像処理システムによって得られた画像、高品質のカラーディジタルカメラなどから得られた画像情報から、インクジェット方式により、特に連続して記録する画像記録システムに用いるがよい。例えば特願2000−361518に記載の画像記録装置の記録材料として用いるがよい。
【0057】このような画像記録方法を適用する手段としては、少なくとも本発明の画像記録材料にインクを印字した後、印字された画像記録材料を所定の温度で加熱処理できる手段を有することが望ましく、画像記録材料としては、シート状形態、ロール状形態のいずれでもよいが、ロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を巻回し、かつこのロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を連続的ないし断続的に送り出しながら、印字できる画像記録システムが望ましい。
【0058】また、本発明によるインクジェット方式の画像記録材料は、特に高品質のカラー画像の記録に用いるがよい。この場合、画像記録装置の中に上記の加熱処理手段を有し、かつ、ロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を装填でき、かつこのロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を送り出しながら、印字できる画像記録装置であって、銀塩撮影感材の現像処理システムによって得られた画像、高品質のカラーディジタルカメラなどから得られた画像情報に基づいてインクジェット方式により、特に連続して記録する画像記録システムに用いるのが好ましい。また、連続して記録する画像記録システムには、特に複数の画像を記録材料に連続して記録している間、画像記録の障害となる事象が発生したか否かを監視し、前記事象が発生したと判断された場合に、前記障害又は前記事象を除去修正するための処理を行うシステムが備えられることが好ましい。例えば特願平2000−361518号記載の画像記録装置の記録材料として用いるのがよい。
【0059】この画像記録装置は、図2に示すように、画像データを入力する入力装置として、フィルムスキャナ12、メディアドライバ14及び画像データ受信装置16を各々備え、入力装置から入力された画像データを処理する画像処理装置18が設けられていると共に、画像処理装置18による処理を経た画像データ(又は画像)を出力する出力装置として、インクジェット記録方式により画像を記録するインクジェットプリンタ20が設けられている。
【0060】メディアドライバ14は、例えばフロッピー(R)ディスク(FD)等の磁気ディスクやCD−R等の光ディスク、光磁気ディスク(MO)、デジタルスチルカメラ(DSC)に装填可能なPCカードやスマートメディア、ICカード(以下、これらを「デジタルカメラカード」と総称する)等の各種情報記憶媒体の何れかがセットされ、セットされた情報記憶媒体に記憶されている画像データを読み出して出力する。また、画像データ受信装置16は、インターネット等のコンピュータネットワークに接続されており、コンピュータネットワークを介して情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ(PC))からR,G,Bの画像データを受信し、受信した画像データを出力する。
【0061】フィルムスキャナ12は、写真フィルム38(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録されているフィルム画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力するものであり、LED光源30から射出され光拡散ボックス34によって光量むらが低減された光が、フィルムキャリア36にセットされている写真フィルム38に照射され、写真フィルム38を透過した光がレンズ40を介してエリアCCDセンサ42(ラインCCDセンサでもよい)の受光面上に結像されるように構成されている。
【0062】フィルムキャリア36は、フィルム画像がLED光源30からの射出光の光軸上(読取位置)に順に位置するように写真フィルム38を間欠搬送する。またLED光源30は、R光を射出する多数個のLED、G光を射出する多数個のLED、B光を射出する多数個のLED、及びIR光を射出する多数個のLEDが、図示しない基板の全面に一定かつ高い密度で各々配列されて成り、単一の画像が読取位置に位置している状態でR,G,Bの光を順に射出するようにドライバ(図示省略)によって駆動される。
【0063】これにより、写真フィルム38に記録されているフィルム画像がCCDセンサ42によって順に読み取られ、CCDセンサ42からはフィルム画像に対応するR,G,B,IRの信号が出力される。CCDセンサ42から出力された信号はA/D変換器44によってデジタルの画像データに変換されて画像処理装置18に入力される。なお、フィルムスキャナ12にはスキャナ制御部28が設けられており、フィルムスキャナ12の各部の動作はスキャナ制御部28によって制御される。また、個々のフィルム画像に対して読み取りを複数回(例えば比較的低い解像度でフィルム画像を読み取るプレスキャンと、比較的高い解像度でフィルム画像を読み取るファインスキャン)行うようにしてもよい。
【0064】また、本実施形態に係る入力装置として、反射原稿(例えば画像が記録されたカラーペーパ)を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力する反射型スキャナを、上述したフィルムスキャナ12と別に設けてもよい。この反射型スキャナとしては、複数枚の反射原稿を自動的かつ連続的に読み取り可能なように、複数枚の反射原稿をスキャナの読取部へ順次自動供給する自動供給機構が設けられているスキャナを用いることが好ましい。
【0065】フィルムスキャナ12、メディアドライバ14及び画像データ受信装置16は、画像処理装置18の前処理部44に接続されており、これらの画像データ入力装置から出力された画像データは前処理部44に入力される。前処理部44は、入力された画像データに対し、画像データ入力元に応じて異なる所定の前処理を行う。フィルムスキャナ12から入力された画像データに対する前処理としては、例えば暗補正や濃度変換、シェーディング補正、欠陥画素補正等が挙げられる。また、メディアドライバ14から入力された画像データに対する前処理としては、例えば情報記憶媒体に圧縮されて記録されていた画像データの解凍や、鮮鋭度向上等の画像処理が挙げられる。また、画像データ受信装置16から入力された画像データに対する前処理としては、例えば画像データ受信装置16が受信した圧縮画像データ(例えばJPEG形式の画像データ)の解凍等が挙げられる。
【0066】前処理部44は画像メモリ46を介して画像処理部48に接続されており、前処理部44での前処理を経た画像データは、画像メモリ46に一時記憶された後に画像処理部48によって読み出されることで画像処理部48に入力される。画像処理部48は、画像メモリ46から読み出した画像データに基づき、該画像データに対する各種の画像処理の処理条件を演算により自動的に決定する(セットアップ演算)。
【0067】なお、画像処理部48で実行される画像処理としては、例えば画像のグレーバランス調整、濃度調整、階調コントロール、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理、IRのデータに基づき写真フィルム上の傷や異物の付着等に起因する画像データの欠陥部を修正する欠陥部修正処理等の出力画像の画質向上のための画像処理が挙げられる。また、画調を意図的に変更する画像処理(例えば出力画像をポートレート調に仕上げる画像処理等)や、画像を加工する画像処理(例えば原画像中に存在する人物を出力画像上で細身に仕上げるための画像処理等)等の画像処理も実行可能としてもよい。
【0068】また画像処理部48は、画像メモリ46から読み出した画像データに対し、セットアップ演算によって決定した処理条件に従って各種の画像処理を行う。画像処理部48はインクジェットプリンタ20の画像データ蓄積部54に接続されており、各種の画像処理が完了した画像データは、記録用画像データとして画像データ蓄積部54に転送されて一時記憶される。
【0069】なお、画像処理装置18は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポートがバスを介して互いに接続されていると共に、入出力ポートにハードディスク装置(HDD)等の記憶装置が接続された構成のPCを含んで構成されている。PCの入出力ポートには、CRT50及びキーボードやマウス等から成る入力装置52が接続されている。上述した前処理部44及び画像処理部48は、例えばPCに所定のプログラムを実行させることで実現することができるが、各種の画像処理を実行する専用のハードウェアを含んで構成してもよい。
【0070】また、セットアップ演算によって得られた画像処理の処理条件に基づき画像データに対して画像処理を行い、画像処理後の画像データをCRT50に出力することで、出力画像の仕上がりを推定したシミュレーション画像をCRT50に表示することで、セットアップ演算によって得られた処理条件をオペレータに検定させ、入力装置52を介して処理条件の修正が指示された場合に、指示に応じて処理条件を修正するようにしてもよい。
【0071】一方、インクジェットプリンタ20の画像データ蓄積部54には、マイクロコンピュータ等で構成されるプリンタ制御部56が接続されている。プリンタ制御部56はフィルムスキャナ12のスキャナ制御部28、画像処理装置18の画像処理部48に接続されている。また、プリンタ制御部56には、ドライバ58を介して記録ヘッド60が接続されていると共に、記録材料搬送部62、加熱処理部64、画像読取部66が各々接続されている。
【0072】インクジェットプリンタ20は、図3に示すように、筐体20Aが略箱形とされており、筐体20Aの一端部には、長尺状の画像記録材料70をリール72Aに巻き取られた状態で収納するマガジン72がセットされる。マガジン72が筐体20Aにセットされた状態で、リール72Aは、減速機構を介して引出搬送用モータと連結され(何れも図示省略)、引出搬送用モータが駆動されることで回転される。これにより、画像記録材料70がマガジン72から引き出される。
【0073】マガジン72から引き出された画像記録材料70は、画像記録材料70の引出方向下流側に配列された搬送ローラ対74、76,78,80,82により筐体20Aの他端側へ向けて搬送される。搬送ローラ対74は引出搬送用モータの駆動力で回転駆動され、搬送ローラ対76,78,80,82は同期搬送用モータ(図示省略)の駆動力で回転駆動される。
【0074】また、搬送ローラ対74,76の間には図示しないループ形成機構が設けられており、このループ形成機構により搬送ローラ対74,76の間に画像記録材料70のループが形成される。ループ形成位置の近傍には、ループ形成位置を挟んで対向する発光素子と受光素子の対から成るループセンサ84が、高さ位置の異なる2箇所に各々設けられている。
【0075】引出搬送用モータ、同期搬送用モータ、ループ形成機構、及び搬送ローラ対74、76,78,80,82は記録材料搬送部62を構成しており、プリンタ制御部56は、ループ形成機構によって画像記録材料70のループが一旦形成された後は、上側に位置しているループセンサ84が記録材料70のループを検知しない状態(発光素子から射出された光が記録材料によって遮蔽されることなく受光素子で受光される状態)になると、引出搬送用モータを駆動してリール72A及び搬送ローラ対74を回転させることで、マガジン72からの画像記録材料70の引き出しを開始し、下側に位置しているループセンサ84が画像記録材料70のループを検知すると(発光素子から射出された光が記録材料70のループの最下部によって遮蔽されることで受光素子で受光されない状態になると)、引出搬送用モータの駆動を停止してマガジン72からの画像記録材料70の引き出しを停止することを繰り返す。
【0076】上記のループを形成することで、ループの下流側ではマガジン72からの画像記録材料70の引き出しと非同期に画像記録材料70を搬送することが可能になる。このため、プリンタ制御部(図示省略)は、ループの下流側では記録ヘッド60による画像記録材料70への画像記録に同期して画像記録材料70が搬送されるように、同期搬送用モータを駆動して搬送ローラ対76,78,80,82を回転駆動させる。
【0077】搬送ローラ対76,78の間の上方には記録ヘッド60が配置されている。記録ヘッド60は画像記録材料70の搬送路の近傍に配置されている。搬送ローラの82の下流側には、長尺状の画像記録材料70を個々の情報を単位として切断するカッタが100が設けられている。カッタ100によって画像毎に切断された画像記録材料70は筐体20Aに設けられたトレイ102に排出される。なお、86は画像面加圧ロール、88、90はプラテンである。
【0078】複数のメインタンク(図示省略)には互いに異なる色のインク(例えばC,M,Y,BK)が貯留されており、インク室を介して各ノズル列に供給される。これにより、各記録ヘッド60のノズルからはノズル列毎に互いに異なる色のインクが吐出されるようになっている。
【0079】搬送ローラ80、82の間には、画像記録材料70に記録されたカラー画像(出力画像)の読取を行なう3ラインCCDセンサ(エリアセンサを用いてもよい。)98が配置されている。CCDセンサ98は画像読取部の一部を構成しており、CCDセンサ98から出力された画像信号は、画像読取部に含まれる増幅器、A/D変換器、暗補正等の補正を行なう補正部を経て出力画像を表す出力画像データとしてプリンタ制御部に入力されるようになっている。
【0080】一方、ノズルからインクを吐出させるための吐出方式としては、公知の種々の吐出方式の中から任意の方式を採用可能であり、例えば代表的な方式として、インク室に付設した圧電素子にパルス電圧を印加して圧電素子を変形させることでインク室内のインク液圧を変化させ、このインク液圧の変化を利用してノズルからインク滴を吐出させる圧電素子方式や、インク室内に設けた加熱素子によってインクを加熱し、この加熱によってインク室内に発生したバブルによりノズルからインク滴を吐出させるサーマル方式等を採用することができる。なお、記録ヘッド60にはノズルの吐出口の詰まりを解消するために、負圧を発生させることで記録ヘッド60内部の全てのインク室内のインクを吸引するポンプ112も取付けられている。
【0081】本発明の画像記録材料を図2及び図3に示す画像記録装置に適用した場合、画像記録材料を作製した後、この長尺状の画像記録材料70をマガジン72から取出して画像記録装置内を搬送するに際しては、画像記録材料70は最外層を除く、インク画像受容層、画像保護層及びオーバーコート層の少なくとも一層に湿潤剤を含有している結果、インクの透過性が促進され、表面の光沢性と画質が向上する。また、画像記録材料70に記録ヘッド60からインクを印字した後、加熱処理部64で加熱処理することによって多孔質を非孔質化できる結果、画像記録材料70の表面の面状性、透明性を向上させ、かつ印字されたインクをインク画像受容層内に吸着固定することによって画像記録材料の耐久性、耐候性等を向上させ、画像の鮮鋭化を図ることができる。
【0082】
【実施例】本発明の実施例を示す。しかし、これに限るものではない。
(実施例1)
1.インクジェット方式の画像記録材料の作製1−1 支持体と下塗層の作製通常カラー印画紙の製造に用いられる構成のポリエチレン両面ラミネートした紙支持体(厚み100μm)を用いた。この裏面にコロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む5重量%ゼラチン水溶液にエポキシ系硬化剤の0.3重量%相当加えた液を用いて、厚み0.2μmの下塗層を設けた。
【0083】1−2 インク画像受容層の作製インク画像受容層(多孔質無機顔料層)を以下に示すようにして形成した。アルミニウムイソプロキシドの加水分解膠法で合成した(020)面方向の結晶厚さ80ミクロン、2次凝集粒子直径1.5〜4ミクロンのベーマイトゾル100重量部に、ポリビニルアルコール11重量部(いずれも固形分換算)と水を加え、塗工液を用い下塗り支持体上に塗工して乾燥膜厚が30ミクロンの塗膜(インク画像受容層)とした。このようにして作った塗膜はアルミナ水和物多孔質層の細孔径が50ミリミクロンの透明な多孔質膜となっていた。
【0084】1−3 画像保護層の作製(1)−アクリロニトリル/塩化ビニリデン/アクリル酸(質量比15/79/6):(P−1)の合成−400mlのナス型フラスコに(1)230gの蒸留水、(2)0.8gのTriton−770、(3)12.34gのアクリルニトリル、(4)4.93gのアクリル酸、(5)64.96gの塩化ビニリデン、(6)0.204gのメタ重亜硫酸カリウム、及び(7)0.102gの過硫酸カリウムを順に添加した。このフラスコをシールし、30℃で18時間振とうした。この重合混合物を室温において減圧下で15分間揮発性残留モノマーを除去した。(Tg:46℃)試料(P−1)は平均粒子径0.8μmで0.5ないし1.1μmの径域に90%以上の粒子が入る単分散分布性をもっていた。乳化剤のTriton−770の量と振とうの速度を変えて得られたラテックスの粒子径と分布をマイクロトラックUPA(日機装(株)製)を測定し、目的にあったものを選択した。
【0085】(2)画像保護層の形成(比較試料a)熱可塑性樹脂ラテックス(試料(P−1))を含む塗工液を厚さ約5μmとなるように約52℃で、インク画像受容層上に塗布乾燥し、画像保護層として多孔質ラテックス樹脂層を形成した。これを比較用画像記録材料試料aとした。
【0086】(画像記録材料No,1)オーバーコート層を以下に示すようにして形成した。バインダーとしてアルカリ処理ゼラチンの5重量%ゼラチン水溶液に、架橋硬化剤として0.03質量%(対バインダー)のビス(ビニルスルホニル)メタンを加え、さらに湿潤剤として約15質量%(対バインダー)のグリセロールを加えて混合し、この塗工液を用いて比較用画像記録材料試料aの表面上に塗膜し、厚さ役0.6μmのオーバーコート層を有する画像記録材料No,1を得た。
【0087】(画像記録材料No,2)オーバーコート層を以下に示すようにして形成した。バインダーとしてポリビニルアルコールの5重量%ゼラチン水溶液に、ホウ素と硼砂とを重量比1:1混合水溶液にて、バインダーに対して0.2質量%となるように加え、さらに湿潤剤として約10質量%(対バインダー)のグリセロールを加えて混合し、この塗工液を用いて比較用画像記録材料試料aの表面上に塗膜し、厚さ約1μmのオーバーコート層を有する画像記録材料No,2を得た。
【0088】(画像記録材料No,3)画像記録材料No,1におけるオーバーコート層の形成に、ヒドロキシエチルセルローズとカルボキシメチルセルローズとの1:1混合物を20重量%(対バインダ−)加えた以外は、画像記録材料No,1と同様にして画像記録材料No,3を得た。
【0089】(比較用画像記録材料試料b)画像記録材料No,2におけるオーバーコート層の形成に、湿潤剤を用いなかった以外は、画像記録材料No,2と同様にして比較用画像記録材料試料bを得た。
【0090】1−4 評価これらの試料を用いて図2及び図3に示す画像記録システムにおいて、冨士写真フィルム(株)製カラーネガフィルムsuparia400用いたカラーネガ画像をもつフィルムを用い、図2及び図3に示す画像記録システムにおいて前記試料を用い、画像記録を行なった。なお、加熱処理部では、100〜140度で各試料を加熱処理した。それぞれの試料の評価を下記のような基準で行ない、その結果を表1に示す。
【0091】画質:得られた画像の色相、シャープネス、画像の毀損等の有無を目視比較観察した。
画像耐候性:画像記録物を、屋外(直射日光下を含む)に10日間放置し、画像の変化を目視観察した。
インク吸収性:インクの滲み、均一性、ビーディングを目視観察した。
耐摩擦性:画像記録材料及び画像上に1Kgの重りを乗せ、こすり傷のつき具合を比較目視評価する。
保存性:ロール形状で面を加圧し、10日間常温常圧に保存した後、ロールを巻き戻し、インク画像受容層面の毀損状態を観察する。
共通の評価法;◎ 特に優れている○ より優れている△ 実用上やや劣るが使用可× 劣る【0092】
【表1】

【0093】(実施例2)
2.インク画像受容層に吸着剤としてシリカを用いた画像記録材料の作製2−1 実施例1において用いた下塗り層つき支持体を用いた。
【0094】2−2インク画像受容層の作製下塗り層を設けた上に、下記組成の塗布液を用い約30μmのインク画像受容層を設けた。
(1)シリカ分散液の作製気相法により得たシリカ(1次粒子の平均粒子径約0.01μm)の18%水溶液450リットル、下記カチオン性ポリマーA16重量%、n−プロパノール5重量%及びエタノール2重量%を含有する水溶液の混合液に、ホウ酸と硼砂との重量比1:1の混合水溶液42リットルを加えて強く撹拌し、シリカ分散液を得た。
【0095】
【化1】

【0096】(2)蛍光増白剤分散液の作製3%酸処理ゼラチンの水溶液にサポニン4kg及びカチオン性ポリマーAを2kg含合した溶液に油溶性蛍光増白剤(チバガイギー(株)製uVITE X−OB)600gとジイソデシルフタレート12kgを酢酸エチル25リットルに加熱し溶解、乳化分散して加水し140リットルとする。
(3)インク画像受容層用塗布液の作製上記シリカ分散液610ml、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA203)10%水溶液5ml、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA235)5%水溶液250ml、上記蛍光増白剤分散液25ml、エタノール6mlとを混合撹拌し、水を加えて1リットルとする。
(4)前記インク画像受容層用塗布液を用い前記支持体に塗布し、乾燥膜厚約30μmのインク画像受容層を形成した。これを比較用画像記録材料試料cとする。
【0097】2−3 オーバーコート層の作製(画像記録材料No,4)比較用画像記録材料試料cの表面(インク画像受容層上)に、画像記録材料試料No,1と同様の組成のオーバーコート層を設けて画像記録材料No,4を得た。
【0098】(画像記録材料No,5)比較用画像記録材料試料cの表面(インク画像受容層上)に、画像記録材料試料No,3と同様の組成のオーバーコート層を設けて画像記録材料No,5を得た。
【0099】(比較用画像記録材料試料d)比較用画像記録材料試料cの表面(インク画像受容層上)に、比較用画像記録材料試料bと同様の組成のオーバーコート層を設け比較用画像記録材料試料dを得た。
【0100】2−4 評価実施例1に準じて画像を記録し、画像記録材料の性能を評価した。その結果を表2に示す。
【0101】
【表2】

【0102】以上、実施例1及び2から次のことわかった。
(1)画像記録材料の最上層に、湿潤剤、特に多価アルコール系さらにグリセロール系湿潤剤を適量用いると、インク吸収性、耐摩擦性や搬送性を改良できる。
(2)画像記録材料の最上層に、ゼラチン及び架橋硬化剤と併用すると、耐候性や画質、特に画像の保護による耐候性やハガレ、キズの発生を抑制しまた耐摩擦性も改良できる。
(3)画像記録材料の最上層に、親水性ポリマー、特にセルロース誘導体を併用するとインク吸収性が改良され画質の改良に結びつく。またインク乾燥速度も改良され、本発明の記録装置の加熱乾燥手段と相乗し、記録の迅速化に有利である。従って、本発明のインクジェット画像記録方法に用いる画像記録材料における最上層に、湿潤剤、好ましくゼラチン又は変性ゼラチンと架橋硬膜剤、さらに好ましくは親水性ポリマーを用いることにより、インクの付着、透過性を改良すると共に、耐摩擦性や搬送性を改良し、特に硬化ゼラチンの層とすることで、インクジェット画像の欠陥の一つである耐候性や物理的強度を改良する。またインクの乾燥速度をも改良する。また、本発明による画像記録材料を加熱乾燥手段、さらに監視手段と異常事象処理手段、ひいては巻きぐせ修正ローラーなど設けた記録装置に用い、特に銀塩カラー感材によるプリント作製システムに匹敵する高画質の画像を連続して能率よく記録することができる。
【0103】
【発明の効果】以上のように請求項1のインクジェット画像記録材料によれば、最上層にインク親和性や親水性を有する湿潤剤を含有するので、インクの透過性や付着性を高め、表面の光沢性と画質を改良することができる。請求項2に記載のインクジェット画像記録材料によれば、湿潤剤として、グリコール、グリセリン、及びそれらの誘導体から選択されるものを用いることで、より効果的にインクの透過性を高め、表面の光沢性と画質を改良する。請求項3に記載のインクジェット画像記録材料によれば、最上層にゼラチン、変性ゼラチンとその架橋硬化剤を含有するので、上記の効果に加えて、さらに膜の物理的強度が改良し、画像の耐候性、膜の保存性等を改良できる。請求項4に記載のインクジェット画像記録材料によれば、最上層に親水性ポリマーを併用しているので、上記の効果に加えて、効果的にインクの透過性を高め、さらには画像定着速度(インク乾燥性)を改良し、ひいては高画質な画像が得られる。請求項4に記載のインクジェット画像記録材料によれば、親水性ポリマーとして、セルロース誘導体から選択されるものを用いるので、より効果的にインクの透過性を高め、さらには画像定着速度(インク乾燥性)を改良し、ひいては高画質な画像が得られる。請求項6に記載の画像記録方法によれば、上記の特性を優れた画像が迅速に能率よく得ることができる。請求項7に記載の画像記録方法によれば、記録ヘッドから記録液滴を吐出させて画像を記録する記録した後、加熱乾燥することで、インクの迅速乾燥、膜の硬化を図ることができる。請求項8に記載の画像記録方法によれば、接着の発生、画像面にキズを与えることなく、画像記録材料をコンパクトにロール状形態にして装填することができ、インクジェット記録方式による画像記録の高能力化・適正画像の得率向上を達成することができる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
【出願日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2003−211830(P2003−211830A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−13787(P2002−13787)