| 【発明の名称】 |
インクジェット画像記録材料及び画像記録方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 修 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】石井 善雄 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】迅速に能率よく高品質の画像を記録することができ、特に銀塩カラー感材により得られるプリントに匹敵する高品質の画像を記録できるインクジェット画像記録材料と画像記録方法を提供する。
【解決手段】支持体2上に、少なくとも1層からなるインク受像層6を設け、該インク受像層6上に画像保護層8及び/又はオーバーコート層10を有し、最外層を除く、前記インク受像層6、画像保護層8及びオーバーコート層10の少なくとも一層に湿潤剤を含有するインクジェット画像記録材料。各層のいずれかにゼラチンまたは変性ゼラチンとその架橋硬化剤とを含有することが望ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、少なくとも1層からなるインク受像層を設け、該インク受像層上に画像保護層及び/又はオーバーコート層を有し、最外層を除く、前記インク受像層、画像保護層及びオーバーコート層の少なくとも一層に湿潤剤を含有することを特徴とするインクジェット画像記録材料。 【請求項2】 前記各層の少なくともいずれかにゼラチン及び/又は変性ゼラチンとその架橋硬化剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像記録材料。 【請求項3】 前記オーバーコート層が少なくとも2層からなり、その最外層が親水性ポリマーと、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、これらの架橋硬化剤と、を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット画像記録材料。 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載のいずれかのインクジェット画像記録材料を用いることを特徴とする画像記録方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット画像記録材料に係り、特に、画像情報、例えば、カラー写真フィルムからの画像情報に基づいて記録ヘッドの吐出口から吐出させた記録液滴を材料に付着させて画像を記録するインクジェット画像記録方法に用いられるインクジェット画像記録材料とこのインクジェット画像記録材料を用いるインクジェット画像記録方法に関する。 【0002】 【従来の技術】銀塩カラー感材によるカラー画像作成におけるカラー画像の高品質化、汎速化、低コスト化及び画像作成のディジタル化により、静電転写方式、昇華熱転写方式、インクジェット方式など、フルカラー画像作成方法が急速に普及しつつある。銀塩カラー感材を用いる方法は、色再現性、画像の鮮鋭度、画像密度、光沢性などの画質、さらに画像の耐久性などにおいて優れており、特にインクジェット方式の開発の一つの目標ともなっている。 【0003】インクジェット方式は、カラー原画のディジタル情報の入力化、インクの種の選択などでフルカラー化は比較的容易であり、他の方式に比べ印字騒音も比較的低く有利である。しかし、使用するインクは比較的多量の水または溶媒を含んでおり、その液滴の吸収、除去、微細単位の液滴の連続射出のビーディング、滲みによる鮮鋭度劣化防止、また銀塩カラー感材の膜中での画像形成と異なり、溶解または分散された色素を含むインクの射出による画像の形成であり、画像の保護、耐久性の向上が特に要求される。 【0004】従来、記録支持体の基質として、一般的な紙及び、さらに耐水性樹脂層を設けたシートが用いられる。このような基質として例えば、特開昭59−22683号記載の印刷シートなどが挙げられる。また樹脂フィルム、例えば特開昭59−222381号記載のポリエステル、酢酸セルロースなどの透明フィルム、または白色顔料を充填したフィルムや合成紙などが用いられる。特開平11−5362号記載の透明または不透明な基材で、インク吸収性がある紙や多孔性の樹脂フィルムなど、その表面に設けられた層と一体となってインク吸収性を改良し、加熱処理により、酸素遮断性の支持体として用いられる。 【0005】特開昭59−222381号、特開昭59−22683号、特開平8−2090号、特開平9−104163号、特開平11−5362号、特開2000−43368号、特開2000−43369号等には、インク受像層上にさらに画像保護層が設けたものが記載されている。インク受像層は、特開平7−237348号、特開平9−104163号、特開平11−5362号等、また、米国特許5,474,843号、米国特許5,789,070号等には、インクを透過しすい親水性バインダー、及びインクを吸収しやすい多孔性物質を使用し、インクの染料を吸着固定しすい無機顔料や有機溶媒、沈殿固定化させる物質を使用するがことが記載されている。また、EP1060901A2号には、特に有機媒染剤を使用して画像記録材料の欠陥を改善する方法が記載されている。 【0006】さらに、特開昭59−215885号、特開昭59−103782号などには、インク受像層の表面にラミネートコーティングによる保護層、特開昭62−59076号、特開昭62−56184号等、特に特開平1−291990号には、ラミネートコーティング、ポリマー溶解塗布や押出法によってインク受像層の表面に保護層を設けることが記載されている。また、特開2000−225695号等には、形成された画像を、保護する液滴をインクジェットにより吐出して画像形成面に付着させる方法が記載されている。この方法では、加熱処理前の記録材料の表面の耐久性が充分でなく、この耐久性の点で改良が望まれている【0007】特開平7−237348号、特開平8−2090号、特開2000−43368号記載には、多孔質高分子層を用い画像形成後、加熱処理して保護層を設ける方法も記載されている。しかしながら、この方法では、画像形成後に画像保護層を設ける方法は、工数を多くし製造コストの点でも好ましくない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】インク受像層にインク染料の媒染剤を用いる方法は、インク染料を染料の固定すると同時にその固定速度と同じような速度で吸収処理することが必要で、その一つとして無機顔料を含む吸収層を用いる方法があるが、不充分で、画像の滲みや汚れ等が発生しやすく、染料の色相及び保存性にも問題がある。また、インク染料の吸着性無機顔料を用いる方法もある。この方法は、前記媒染剤を用いるポリマーよりも高画質の画像を形成することができるが、画像面の光沢性、画像の強度、保存性に劣る。これらの問題点を解消するための方法として、インク受像層に熱可塑性樹脂又はそのラテックスを用いること、特にインク受像層上に画像保護層を設ける方法がある。この方法は、インク透過性を阻害し、画質、表面光沢性、また記録材料としての塗膜面の物理的強度を不充分である。 【0009】インク受像層にインク染料の媒染剤を用いる記録要素として、前記のEP106090A1−2号記載の支持体上に、インク吸収層を設け、その上にインク受容層上に、親水生ポリマーと、ゼラチンとその架橋硬化剤を塀用した最上層を設けることによって乾燥時間の短縮と光沢性を改良することが記載されている。しかしながら、この方法は、記録材料として保存性、特に記録材料をロール状形態でその表面・裏面を互いに強く圧着したときにインク受像層面にキズ等が発生しやすい問題がある。 【0010】本発明の目的は、インクジェットプリントシステムに有効に適用でき、かつ、迅速に能率よく高品質の画像を記録することができ、特に銀塩カラー感材により得られるプリントに匹敵する高品質の画像を記録できるインクジェット画像記録材料と画像記録方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的は、以下の発明によって達成される。 (1)支持体上に、少なくとも1層からなるインク画像受容層を設け、該インク画像受容層上に画像保護層及び/又はオーバーコート層を有し、最外層を除く、前記インク画像受容層、画像保護層及びオーバーコート層の少なくとも一層に湿潤剤を含有することを特徴とするインクジェット画像記録材料。 (2)前記各層の少なくともいずれかにゼラチン及び/又は変性ゼラチンとそれらの架橋硬化剤とを含有することを特徴とする(1)に記載のインクジェット画像記録材料。 (3)前記オーバーコート層が少なくとも2層からなり、その最外層が親水性ポリマーと、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、これらの架橋硬化剤と、を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のインクジェット画像記録材料。 (4)(1)乃至(3)の記載のいずれかのインクジェット画像記録材料を用いる画像記録方法。(1)のインクジェット画像記録材料によれば、インク画像受容層、画像保護層及び/又はオーバーコート層のいずれかに含有される湿潤剤によるインクのの透過性が促進させ、表面の光沢性と画質を改良する。(2)のインクジェット画像記録材料によれば、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンとそれらの架橋硬化剤によって、インク受像層の層を保護の強化、画像の耐候性、保存性を改良する。(3)のインクジェット画像記録材料によれば、最上層に親水性ポリマーと、ゼラチン及び/又は変性ゼラチンと、これらの架橋硬化剤と、を含有しており、インクの透過性、画質の向上を図る。(4)の画像記録方法によれば、インクジェットプリントシステムに有効に適用でき、かつ、迅速に能率よく高品質の画像を記録することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。本発明は、支持体上に、少なくとも1層からなるインク受像層を設け、該インク受像層上に画像保護層及び/又はオーバーコート層を有し、最外層を除く、前記インク受像層、画像保護層及びオーバーコート層の少なくとも一層に湿潤剤を含有することを特徴とする。インク画像受像層は、一層でもよく、2層以上であってもよい。インク受像層上には、(1)画像保護層のみ有する態様,(2)画像保護層とオーバーコート層とを有する態様,(3)オーバーコート層のみ有する態様等が包含されるが、最外側がオーバーコート層があることが望ましい。湿潤剤は、インク受像層に含有される場合と、画像保護層に含有される場合と、オーバーコート層に含有される場合がある。ただし、湿潤剤は、インクジェット画像記録材料における最外側を除く層に含有される。 【0013】したがって、インクジェット画像記録材料の最外側が、画像保護層の場合、インク受像層に湿潤剤が含有され、最外側がオーバーコート層の場合、画像保護層に湿潤剤が含有され、また、インク受像層上にオーバーコート層が含有ささる場合にはオーバーコート層が少なくとも二層形成され、その最外側のオーバーコート層に湿潤剤が含有されることが望ましい。 【0014】本発明において、湿潤剤とはインクを濡れやすくする性質を有する成分をいい,本発明においては、特に多価アルコールまたはその誘導体、グリセロールまたはその誘導体、グリセリンまたはその誘導体、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチサングリコールモノブチルエーテル等の誘導体が挙げられる。これらの湿潤剤を含む層では、インクの透過性を促進するとともにインクの乾燥速度を高め、画像記録材料の搬送性を向上させる。 【0015】二層からなるオーバーコート層の最上層に湿潤剤が含有させると、画像記録材料をロール状形態が保存する場合、画像記録材料間で接着現象が発生し、画像面にキズ等が発生しやすい。したがって、二層からなるオーバーコート層の場合、下層側のオーバーコート層に湿潤剤を混合することが好ましく、その含有量はオーバーコート層の下層の質量の5〜30質量%が好ましい。 【0016】画像保護層上にオーバーコート層が設けられている場合、画像保護層に湿潤剤を含有させ、オーバーコート層には湿潤剤が含有させることが好ましく、さらにオーバーコート層にゼラチン、変性ゼラチンまたはその混合物とそれらの架橋硬化剤とともに親水性セルロース誘導体を塀用することが望ましい。 【0017】図1〜図3は、それぞれ本発明の好ましい一実施の形態を示す要部断面図である。図1〜図3において、2は支持体、4は下塗り層、6はインク受像層、6Aはインク吸収層、6Bはインク受容層、8は画像保護層、10はオーバーコート層、10Aは第1オーバーコート層、10Bは、第2オーバーコート層である。 【0018】−画像記録材料−[支持体]本発明の画像記録材料における支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料よりなる不透明支持体のいずれをも使用できる。色材受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。 【0019】前記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、ポリエチレンテレフタレートは特に好ましい。前記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い性の点で、50〜200μmが好ましい。 【0020】高光沢性の不透明支持体としては、インク画像受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記支持体が挙げられる。 【0021】例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体が挙げられる。更に、白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。 【0022】また、前記支持体には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用してもよい。 【0023】原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。 【0024】特に、インク画像受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているように、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好ましい。 【0025】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも使用できる。 【0026】本発明において、画像記録材料が銀塩カラー感材並みの品質を得るには現用バライタ紙やWP(原紙の両面に熱可塑性樹脂を被覆した支持体)など白色度、並びに平滑度が高い基材を用いるがよい。また、画像形成後、支持体自体が酸素遮断性となる基材が好ましい。 【0027】[下塗り層]下塗り層には、支持体の表面とインク画像受容層との密着性がよいポリビニルアルコールまたはその変性体、ゼラチンまたはその変性体など親水性樹脂が用いられ、架橋硬化剤や、熱可塑性樹脂ラテックスなど混用するがよい。このような下塗り層を設けることによって支持体とインク画像受像層層との密着と、水吸収性を高めることができる。また、下塗り層には、硫酸バリウムなどの白色顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤や光安定剤などを混用することもできる。 【0028】[インク受像層]インクジェットにより賦与されたインクを滲み少なく吸収し、染料を吸着固定又は不溶化し、画像を保持する機能をもつ層である。インクの溶媒の吸収を強化し、特定の層に画像形成染料を固定し、滲みやビーディングが少ない画像を得るために支持体に近い方に溶媒を吸収するための層(インク吸収層)を設け、また、染料の固定強化のための多層構成にすることが好ましい。 【0029】染料を固定するを媒染剤には、米国特許5,474,943号に記載のカチオン性ポリマーを使用することができる。また、米国特許5,789,070号に記載等に記載の多層構成とすることが好ましい。好ましい媒染剤としては、水溶性で少なくとも30g/lの溶解度をもつカチオン性ポリマー、例えば、ジエチルアンモニウムクロライドヒドロキシエチルセルロース(celquant L−200とcelquant L−100 NationalStarch a Chemical社製)である。好ましくはカチオン性変性セルロースエーテル、エポキシ置換のトリメチルアンモニウム・クロライド又はドデシルジメチルアンモニウム・クロライドとヒドロキシエチルセルロースとの反応物等である。また、バインダーには、インク受容性を損なわない親水生ポリマー、例えば、特開昭61−10483号公報に記載のもの、あるいはカチオン性ポリビニルアルコール又はその共重合体を用いることができる。 【0030】染料を吸着する無機顔料として、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、擬ベーマイト、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物など公知のものが用いられる。特にアルミナ水和物、シリカ、コロイダルシリカなどが好ましい。これらの無機顔料は、インク画像受容層中で空隙状に構成されて染料を吸着し、インクの滲みを防止することができる。 【0031】アルミナ水和物としては、アルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウムの加水分解などの公知の方法で製造できる。その形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等特に限定されず、また、配向性の有無も問わない。本発明で使用するアルミナ水和物は、工業的に市販されているもの、もしくはそれらの原料から加工されたもの等を使用することができ、これらアルミナ水和物の特徴として透明性、光沢性、染料定着性の高いものでかつ、被膜形成時にクラック等の入らず、塗工性の良いものであればさらに良い。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成社製のAS−2、AS−3、日産化学社製の520等が挙げられる。これらのアルミナ水和物は、通常粒子径が1μm以下と細かいものであり、優れた分散性を有するものであるため、記録媒体に非常に良好な平滑性、光沢性を持たせることができる。 【0032】無機顔料を結着するためのバインダーとしては、水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。 【0033】無機顔料、特にアルミナ水和物とバインダーの混合比は、質量比で、好ましくは1:1〜35:1、より好ましくは5:1〜30:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量が上記範囲よりも少ない場合はインク画像受容層の機械的強度が不足する場合があり、ひび割れや粉落ちが発生する傾向がある。しかし、この傾向は、インク受像層上に、後記する画像保護層やオーバーコート層を設けることにより低減させることができる。また、無機顔料、特にアルミナ水和物とバインダーの混合比が上記範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなってインクの吸収性が低下する場合がある。 【0034】インク受像層を形成するための塗工液には、アルミナ水和物及びバインダーに加え、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することも可能である。 【0035】無機顔料、特にアルミナ水和物の基材への塗工量としては、染料定着性をもたせるためには10g/m2以上が好ましく、基材がインク吸収性を有しない場合、塗工量としては30〜50g/m2の範囲がより好ましく、基材がインク吸収性を有する場合、塗工量としては20〜40g/m2の範囲がより好ましい。塗工・乾燥方法は特に限定されないが、必要に応じてアルミナ水和物及びバインダーに焼成処理を施す等も可能である。かかる焼成処理を施すことにより、バインダー架橋強度が上がり、インク受容層の機械的強度が向上し、また、アルミナ水和物層の表面光沢が向上する。 【0036】本発明において、無機顔料としてシリカ、コロイダルシリカ等を、アルミナと同様に用いることができる。また、特開平11−321080号に記載されている方法を用いることができる。 【0037】インク受像層には、熱可塑性樹脂粒子を含有させることができる。熱可塑性樹脂粒子を含有した多孔質のインク受像層をインクが浸透した後、非孔質化することによってインクを固定化し、耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢を付与することができ、印字物の長期保存が可能となる。 【0038】インク受像層を非孔質化する方法として加熱処理が好ましく、加熱処理温度としては、インク受像層に含有される熱可塑性樹脂粒子の流動温度以上に加熱することが好ましく,最低造膜温度(MFT)以上に加熱することがより好ましく、これらの温度は、熱可塑性樹脂の種類によって任意に選定される。この最低造膜温度(MFT)は、画像保護層が加熱処理によって造膜し、透明となる温度であり、処理時間に依存する。 【0039】[画像保護層]画像保護層は、熱可塑性樹脂ラテックスを用いた多孔性樹脂層を形成し、かつ、ラテックスは特定の粒子分布を有することが望ましい。樹脂ラテックスの平均粒子径は0.1ないし10μm、好ましくは0.3ないし5μm、さらに好ましくは0.3ないし3μmである。分布は単分散分布が好ましく、その平均粒子径の±2/3の域に、好ましくは±1/3の域に90%以上の粒子が入る程度の均一な粒子のラテックスが好ましい。特にラテックスの微細粒子が入らないことが好ましい。熱可塑性樹脂ラテックスは、その粒子固形分が約10ないし60質量%程度が好ましく、インク透過性を阻害せず、加熱により透明樹脂被膜になるものが望ましい。 【0040】画像保護層における該熱可塑性樹脂ラテックスは、画像保護層上に後記するオーバーコート層を設けるため、樹脂のTgに余り関係なく画像保護層を設ける際の処理温度に適合し、好ましくは画像保護層形成時の処理温度より10℃以上高い最低造膜温度(MFT)のものがよく、例えば50℃以上、好ましくは60℃以上のものが好ましい。これらの処理温度の場合、熱可塑性粒子を含む多孔質層の状態を維持した状態で画像保護層が形成され、オーバーコート層から浸透するインクをインク画像受像層に吸着固定させることができる。 【0041】画像保護層に用いられる熱可塑性樹脂には、画像記録時の加熱処理により非孔質化し、造膜し、画像を保護する特性を持つ樹脂、特に高い紫外線吸収を持つ成分を含む樹脂が好ましい。例えば、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン系のいずれかの材料または塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−アクリル系、塩化ビニル−塩化ビニリデン系、塩化ビニリデン−アクリル系、SBR系、NBR系などのラテックス、これらの2元以上の共重合体のラテックス、例えばSBR系/NBR系混合物や塩化ビニル−アクリル系/酢酸ビニル系混合物などのラテックスが挙げられる。また共役二重結合成分を含む成分は50%以下が好ましい。 【0042】また、画像保護層にはシリカゲル等を画像保護層中に10ないし30質量%混合することが望ましい。シリカゲル等を画像保護層に含有させることによって、画像保護層とインク画像受像層との密着を強化、ビーディングを阻止し、画像の鮮鋭度を改善する効果がある。画像保護層とインク画像受像層との密着の適正化あるいは、画像の鮮鋭度の改善などのためにインク画像受容層に用いた親水性バインダー、例えばポリビニルアルコールなど微量のバインダーを画像保護層にも添加することが望ましい。 【0043】[オーバーコート層]本発明によるオーバーコート層は、バインダーとして親水性ポリマー、特にインク受容性のあるポリマーを含み、好ましくはその架橋硬化剤、潤滑剤を含み、必要に応じて増粘剤、pH調整剤、流動性変化剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができる。オーバーコート層をインク受像層、画像保護層に設けることによってその下の層、インク受像層、記録画像層を物理的、化学的に保護するとともに記録装置における記録材料の搬送性、画質の向上、安定化を改良することができる。 【0044】ゼラチンは、写真用ゼラチンを用いることができ、比較的カチオン性成分が多い酸処理ゼラチン又は比較的アニオン性成分が多い石灰処理ゼラチン等があり、インクの特性に応じて選択するのがよい。変性ゼラチンは、アシル化ゼラチン、例えば、トリメリット酸無水物による変性ゼラチン、−COO基のエステル化ゼラチン等によりゼラチンの荷電性を変えたもの等を使用することができる。これらの変性ゼラチンをゼラチンに混合することによりインク受容性、潤油性等を調整することができる。また、メタクリル酸メチルとゼラチンとの共重合体をゼラチンと混合することによって記録材料の物理的強度や可塑性を調整することができる。ゼラチンに対する変性ゼラチンの混合質量比は、2%ないし20%である。 【0045】ゼラチンに対する架橋硬化剤は、写真用に用いられるスルホネート系硬化剤、例えば、ビス(メタンスルホネート)、ビス(ビニルスルホニル)メタン等、s−トリアジン性硬化剤、例えば、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−トリアジン等、T.H.Jamos編、The Theory of the photographic process 第4版 3章に記載されている無機硬化剤又は有機硬化剤を用いることができる。架橋硬化剤は、ゼラチンの種類にもよるが、層中にゼラチンに対して0.01〜0.1質量%加えることが好ましい。 【0046】本発明において、オーバーコート層の少なくとも1層は、ゼラチン、変性ゼラチン、またはその混合物とこれらの架橋硬化剤を含有することが好ましい。これらの架橋硬化剤の少なくとも一部は、オーバーコート層中に架橋反応物として含有される。さらに好ましくは、オーバーコート層にはゼラチン、変性ゼラチン、またはその混合物とこれらの架橋硬化剤とともに親水性ポリマーを混合すると、オーバーコート層の物理的強度を劣化させることなく、インク透過性、インク付着性、及びインク乾燥性等を改良することができる。 【0047】オーバーコート層に混合される親水性ポリマーとしては、ノニオン性セルロースエーテル、アニオン性セルロースエーテル、カチオン性セルロースエーテル等のセルロース誘導体の他にポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリエステル、ドデシルジメチルアンモニウム・クロライドエポキシ置換体、メチルセルロース等が挙げられる。 【0048】オーバーコート層は、画像保護層を有する場合、画像保護層に比し薄層でその0.01以上1.0以下が望ましい。オーバーコート層の厚みが保護層の0.01よりも薄いと画像保護層を保護する機能が低く、1よりも大きいと、インクを画像保護層に浸透させる機能が低下しやすい。オーバーコート層の厚みは、画像保護層の1/20〜2/5がより好ましく、0.1ないし1μm、好ましくは0.2ないし0.5μmである。また、オーバーコート層をインク受像層面に形成する場合、オーバーコート層の厚みは、0.1ないし5μm、好ましくは0.1ないし3μmである。 【0049】[バック層]本発明のインクジェット画像記録材料は必要に応じてバック層を設けることもできる。バック層には、耐水性樹脂ラテックスや無機微粒子のマット剤、またフッ素系樹脂や潤滑剤、界面活性剤などを塗布するのが望ましい。バックコート層を設けることによって、画像記録材料の搬送性も改良することができ、インクジェット画像記録材料がロール状の場合、シート状に多数枚重ねられている場合、最表面とバック層との接着によりトラブルを防止することができる。 【0050】−画像記録方法−本発明の画像記録方法は、上記したインクジェット方式の画像記録材料を用いることにあり、特に本発明のインクジェット方式の画像記録材料を用いて、インクを印字後、加熱処理することが望ましい。この加熱処理は、熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層からなるインク画像受像層を非孔質化するに必要な温度条件、処理時間で処理することが好ましく、このような処理によって、インク画像受像層の耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に光沢を付与することができると共に印字され、多孔質層のインク画像受像層に浸透したインクを非孔質化によってインク画像受像層中に吸着固定することによって、印字物の長期保存が可能となる。 【0051】この時の加熱処理温度としては、熱可塑性樹脂粒子の流動温度以上、より好ましくは最低造膜温度(MFT)以上であることが望ましく、熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、最低造膜温度(MFT)は、主として用いられる画像保護層が加熱処理によって造膜し透明になる温度で、処理時間にも依存する。 【0052】また、加熱処理温度は、同時に画像保護層を非孔質化し、透明化されることが好ましく、この場合、画像保護層を構成する熱可塑性樹脂粒子の樹脂のTgと熱可塑性樹脂ラテックスの最低造膜温度(MFT)の差が10℃以下の樹脂ラテックスを用いることが望ましい。 【0053】このような画像記録方法を適用する手段としては、少なくとも本発明の画像記録材料にインクを印字した後、印字された画像記録材料を所定の温度で加熱処理できる手段を有することが望ましい。 【0054】また、本発明によるインクジェット方式の画像記録材料は、特に高品質のカラー画像の記録に用いるがよい。この場合、画像記録装置の中に上記の加熱処理手段を有する装置であって、銀塩撮影感材の現像処理システムによって得られた画像、高品質のカラーディジタルカメラなどから得られた画像情報から、インクジェット方式により、特に連続して記録する画像記録システムに用いるがよい。例えば特願平2000−361518号記載の画像記録装置の記録材料として用いるがよい。 【0055】このような画像記録方法を適用する手段としては、少なくとも本発明の画像記録材料にインクを印字した後、印字された画像記録材料を所定の温度で加熱処理できる手段を有することが望ましく、画像記録材料としては、シート状形態、ロール状形態のいずれでもよいが、ロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を巻回し、かつこのロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を連続的ないし断続的に送り出しながら、印字できる画像記録システムが望ましい。 【0056】また、本発明によるインクジェット方式の画像記録材料は、特に高品質のカラー画像の記録に用いるがよい。この場合、画像記録装置の中に上記の加熱処理手段を有し、かつ、ロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を装填でき、かつこのロール状形態のインクジェット記録画像記録材料を送り出しながら、印字できる画像記録装置であって、銀塩撮影感材の現像処理システムによって得られた画像、高品質のカラーディジタルカメラなどから得られた画像情報に基づいてインクジェット方式により、特に連続して記録する画像記録システムに用いるのが好ましい。例えば特願平2000−361518号記載の画像記録装置の記録材料として用いるのがよい。 【0057】この画像記録装置は、図4に示すように、画像データを入力する入力装置として、フィルムスキャナ12、メディアドライバ14及び画像データ受信装置16を各々備え、入力装置から入力された画像データを処理する画像処理装置18が設けられていると共に、画像処理装置18による処理を経た画像データ(又は画像)を出力する出力装置として、インクジェット記録方式により画像を記録するインクジェットプリンタ20が設けられている。 【0058】メディアドライバ14は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等の磁気ディスクやCD−R等の光ディスク、光磁気ディスク(MO)、デジタルスチルカメラ(DSC)に装填可能なPCカードやスマートメディア、ICカード(以下、これらを「デジタルカメラカード」と総称する)等の各種情報記憶媒体の何れかがセットされ、セットされた情報記憶媒体に記憶されている画像データを読み出して出力する。また、画像データ受信装置16は、インターネット等のコンピュータネットワークに接続されており、コンピュータネットワークを介して情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ(PC))からR,G,Bの画像データを受信し、受信した画像データを出力する。 【0059】フィルムスキャナ12は、写真フィルム38(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録されているフィルム画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可視化されたネガ画像又はポジ画像)を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力するものであり、LED光源30から射出され光拡散ボックス34によって光量むらが低減された光が、フィルムキャリア36にセットされている写真フィルム38に照射され、写真フィルム38を透過した光がレンズ40を介してエリアCCDセンサ42(ラインCCDセンサでもよい)の受光面上に結像されるように構成されている。 【0060】フィルムキャリア36は、フィルム画像がLED光源30からの射出光の光軸上(読取位置)に順に位置するように写真フィルム38を間欠搬送する。またLED光源30は、R光を射出する多数個のLED、G光を射出する多数個のLED、B光を射出する多数個のLED、及びIR光を射出する多数個のLEDが、図示しない基板の全面に一定かつ高い密度で各々配列されて成り、単一の画像が読取位置に位置している状態でR,G,Bの光を順に射出するようにドライバ(図示省略)によって駆動される。 【0061】これにより、写真フィルム38に記録されているフィルム画像がCCDセンサ42によって順に読み取られ、CCDセンサ42からはフィルム画像に対応するR,G,B,IRの信号が出力される。CCDセンサ42から出力された信号はA/D変換器44によってデジタルの画像データに変換されて画像処理装置18に入力される。なお、フィルムスキャナ12にはスキャナ制御部28が設けられており、フィルムスキャナ12の各部の動作はスキャナ制御部28によって制御される。また、個々のフィルム画像に対して読み取りを複数回(例えば比較的低い解像度でフィルム画像を読み取るプレスキャンと、比較的高い解像度でフィルム画像を読み取るファインスキャン)行うようにしてもよい。 【0062】また、本実施形態に係る入力装置として、反射原稿(例えば画像が記録されたカラーペーパ)を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力する反射型スキャナを、上述したフィルムスキャナ12と別に設けてもよい。この反射型スキャナとしては、複数枚の反射原稿を自動的かつ連続的に読み取り可能なように、複数枚の反射原稿をスキャナの読取部へ順次自動供給する自動供給機構が設けられているスキャナを用いることが好ましい。 【0063】フィルムスキャナ12、メディアドライバ14及び画像データ受信装置16は、画像処理装置18の前処理部44に接続されており、これらの画像データ入力装置から出力された画像データは前処理部44に入力される。前処理部44は、入力された画像データに対し、画像データ入力元に応じて異なる所定の前処理を行う。フィルムスキャナ12から入力された画像データに対する前処理としては、例えば暗補正や濃度変換、シェーディング補正、欠陥画素補正等が挙げられる。また、メディアドライバ14から入力された画像データに対する前処理としては、例えば情報記憶媒体に圧縮されて記録されていた画像データの解凍や、鮮鋭度向上等の画像処理が挙げられる。また、画像データ受信装置16から入力された画像データに対する前処理としては、例えば画像データ受信装置16が受信した圧縮画像データ(例えばJPEG形式の画像データ)の解凍等が挙げられる。 【0064】前処理部44は画像メモリ46を介して画像処理部48に接続されており、前処理部44での前処理を経た画像データは、画像メモリ46に一時記憶された後に画像処理部48によって読み出されることで画像処理部48に入力される。画像処理部48は、画像メモリ46から読み出した画像データに基づき、該画像データに対する各種の画像処理の処理条件を演算により自動的に決定する(セットアップ演算)。 【0065】なお、画像処理部48で実行される画像処理としては、例えば画像のグレーバランス調整、濃度調整、階調コントロール、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理、IRのデータに基づき写真フィルム上の傷や異物の付着等に起因する画像データの欠陥部を修正する欠陥部修正処理等の出力画像の画質向上のための画像処理が挙げられる。また、画調を意図的に変更する画像処理(例えば出力画像をポートレート調に仕上げる画像処理等)や、画像を加工する画像処理(例えば原画像中に存在する人物を出力画像上で細身に仕上げるための画像処理等)等の画像処理も実行可能としてもよい。 【0066】また画像処理部48は、画像メモリ46から読み出した画像データに対し、セットアップ演算によって決定した処理条件に従って各種の画像処理を行う。画像処理部48はインクジェットプリンタ20の画像データ蓄積部54に接続されており、各種の画像処理が完了した画像データは、記録用画像データとして画像データ蓄積部54に転送されて一時記憶される。 【0067】なお、画像処理装置18は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポートがバスを介して互いに接続されていると共に、入出力ポートにハードディスク装置(HDD)等の記憶装置が接続された構成のPCを含んで構成されている。PCの入出力ポートには、CRT50及びキーボードやマウス等から成る入力装置52が接続されている。上述した前処理部44及び画像処理部48は、例えばPCに所定のプログラムを実行させることで実現することができるが、各種の画像処理を実行する専用のハードウェアを含んで構成してもよい。 【0068】また、セットアップ演算によって得られた画像処理の処理条件に基づき画像データに対して画像処理を行い、画像処理後の画像データをCRT50に出力することで、出力画像の仕上がりを推定したシミュレーション画像をCRT50に表示することで、セットアップ演算によって得られた処理条件をオペレータに検定させ、入力装置52を介して処理条件の修正が指示された場合に、指示に応じて処理条件を修正するようにしてもよい。 【0069】一方、インクジェットプリンタ20の画像データ蓄積部54には、マイクロコンピュータ等で構成されるプリンタ制御部56が接続されている。プリンタ制御部56はフィルムスキャナ12のスキャナ制御部28、画像処理装置18の画像処理部48に接続されている。また、プリンタ制御部56には、ドライバ58を介して記録ヘッド60が接続されていると共に、記録材料搬送部62、加熱処理部64、画像読取部66が各々接続されている。 【0070】インクジェットプリンタ20は、図5に示すように、筐体20Aが略箱形とされており、筐体20Aの一端部には、長尺状の画像記録材料70をリール72Aに巻き取られた状態で収納するマガジン72がセットされる。マガジン72が筐体20Aにセットされた状態で、リール72Aは、減速機構を介して引出搬送用モータと連結され(何れも図示省略)、引出搬送用モータが駆動されることで回転される。これにより、画像記録材料70がマガジン72から引き出される。 【0071】マガジン72から引き出された画像記録材料70は、画像記録材料70の引出方向下流側に配列された搬送ローラ対74、76,78,80,82により筐体20Aの他端側へ向けて搬送される。搬送ローラ対74は引出搬送用モータの駆動力で回転駆動され、搬送ローラ対76,78,80,82は同期搬送用モータ(図示省略)の駆動力で回転駆動される。 【0072】また、搬送ローラ対74,76の間には図示しないループ形成機構が設けられており、このループ形成機構により搬送ローラ対74,76の間に画像記録材料70のループが形成される。ループ形成位置の近傍には、ループ形成位置を挟んで対向する発光素子と受光素子の対から成るループセンサ84が、高さ位置の異なる2箇所に各々設けられている。 【0073】引出搬送用モータ、同期搬送用モータ、ループ形成機構、及び搬送ローラ対74、76,78,80,82は記録材料搬送部62を構成しており、プリンタ制御部56は、ループ形成機構によって画像記録材料70のループが一旦形成された後は、上側に位置しているループセンサ84が記録材料70のループを検知しない状態(発光素子から射出された光が記録材料によって遮蔽されることなく受光素子で受光される状態)になると、引出搬送用モータを駆動してリール72A及び搬送ローラ対74を回転させることで、マガジン72からの画像記録材料70の引き出しを開始し、下側に位置しているループセンサ84が画像記録材料70のループを検知すると(発光素子から射出された光が記録材料70のループの最下部によって遮蔽されることで受光素子で受光されない状態になると)、引出搬送用モータの駆動を停止してマガジン72からの画像記録材料70の引き出しを停止することを繰り返す。 【0074】上記のループを形成することで、ループの下流側ではマガジン72からの画像記録材料70の引き出しと非同期に画像記録材料70を搬送することが可能になる。このため、プリンタ制御部(図示省略)は、ループの下流側では記録ヘッド60による画像記録材料70への画像記録に同期して画像記録材料70が搬送されるように、同期搬送用モータを駆動して搬送ローラ対76,78,80,82を回転駆動させる。 【0075】搬送ローラ対76,78の間の上方には記録ヘッド60が配置されている。記録ヘッド60は画像記録材料70の搬送路の近傍に配置されている。搬送ローラの82の下流側には、長尺状の画像記録材料70を個々の情報を単位として切断するカッタが100が設けられている。カッタ100によって画像毎に切断された画像記録材料70は筐体20Aに設けられたトレイ102に排出される。なお、86は画像面加圧ロール、88、90はプラテンである。 【0076】複数のメインタンク(図示省略)には互いに異なる色のインク(例えばC,M,Y,BK)が貯留されており、インク室を介して各ノズル列に供給される。これにより、各記録ヘッド60のノズルからはノズル列毎に互いに異なる色のインクが吐出されるようになっている。 【0077】搬送ローラ80、82の間には、画像記録材料70に記録されたカラー画像(出力画像)の読取を行なう3ラインCCDセンサ(エリアセンサを用いてもよい。)98が配置されている。CCDセンサ98は画像読取部の一部を構成しており、CCDセンサ98から出力された画像信号は、画像読取部に含まれる増幅器、A/D変換器、暗補正等の補正を行なう補正部を経て出力画像を表す出力画像データとしてプリンタ制御部に入力されるようになっている。 【0078】一方、ノズルからインクを吐出させるための吐出方式としては、公知の種々の吐出方式の中から任意の方式を採用可能であり、例えば代表的な方式として、インク室に付設した圧電素子にパルス電圧を印加して圧電素子を変形させることでインク室内のインク液圧を変化させ、このインク液圧の変化を利用してノズルからインク滴を吐出させる圧電素子方式や、インク室内に設けた加熱素子によってインクを加熱し、この加熱によってインク室内に発生したバブルによりノズルからインク滴を吐出させるサーマル方式等を採用することができる。なお、記録ヘッド60にはノズルの吐出口の詰まりを解消するために、負圧を発生させることで記録ヘッド60内部の全てのインク室内のインクを吸引するポンプ112も取付けられている。 【0079】本発明の画像記録材料を図4及び図5に示す画像記録装置に適用した場合、画像記録材料を作製した後、この長尺状の画像記録材料70をマガジン72から取出して画像記録装置内を搬送するに際しては、画像記録材料70は最外層を除く、インク受像層、画像保護層及びオーバーコート層の少なくとも一層に湿潤剤を含有している結果、インクの透過性が促進され、表面の光沢性と画質が向上する。また、画像記録材料70に記録ヘッド60からインクを印字した後、加熱処理部64で加熱処理することによって多孔質を非孔質化できる結果、画像記録材料70の表面の面状性、透明性を向上させ、かつ印字されたインクをインク画像受像層内に吸着固定することによって画像記録材料の耐久性、耐候性等を向上させ、画像の鮮鋭化を図ることができる。 【0080】 【実施例】本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(実施例1)1.本発明のインクジェット方式の画像記録材料の作製1−1 支持体と下塗層の作製通常カラー印画紙の製造に用いられる構成のポリエチレン両面ラミネートした紙支持体(厚み100μm)を用いた。この裏面にコロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む5質量%ゼラチン水溶液にエポキシ系硬化剤の0.3質量%相当加えた液を用いて、厚み0.2μmの下塗層を設けた。 【0081】1−2 インク受像層の作製(インク吸収層)酸処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液にカチオン性樹脂ラテックス、クロロメチルエチレンベンゼンと2−メチル−2−プロピオン酸−1,2−エタンジルエステルのN,N−ジメチルメタンアミン4級塩の共重合体粒子の11質量%(対ゼラチン)及びポリスチレン樹脂ラテックスの1.4質量%(層の質量に対し)を加えて、前記下塗層面上に厚さ約10μmのインク吸収層を設けた。 【0082】(インク受容層)酸処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液にカチオン性セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ドデシルジメチルアンモニウムクロライドののエポキシ置換対樹脂の1:7倍質量物質(対ゼラチン)とメチルセルロースの約40質量%の(対ゼラチン)とを添加攪拌し、さらに架橋硬化剤としてビス(ビニルスルホニル)メタンの0.05質量%(対ゼラチン)を添加し、湿潤剤としてグリセロール25%溶液(対インク受像層)相当を添加し攪拌し塗工液を調製した。この塗工液をインク吸収層上に塗布乾燥して厚み約3μmのインク受容層を設けた比較試料aを得た。上記塗工液に湿潤剤を用いない他は、実施例1と同様にして比較試料bを得た。 【0083】1−3 画像記録材料の作製(画像記録材料No.1)比較試料aの表面上に次の塗工液を用い、約0.5μm厚のオーバーコート層を設けた。石灰処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液に、架橋硬化剤としてビス(ビニルスルホニル)メタンの0.06質量%(対ゼラチン)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの少量を用い、塗膜し画像記録材料No.1を得た。 (画像記録材料No.2)比較試料aの表面上に次の塗工液を用い、約0.5μm厚のオーバーコート層を設けた。石灰処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液に、架橋硬化剤としてビス(ビニルスルホニル)メタンの0.06質量%(対ゼラチン)とメチルセルロースの30質量%(対ゼラチン)を加え、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの少量を用い、塗膜し画像記録剤No.2を得た。 【0084】(画像記録材料No.3)比較試料bの表面上に次の塗工液を用いて約1.2μmのオーバーコート層を設けた。石灰処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液に、架橋硬化剤としてビス(ビニルスルホニル)メタンの0.06質量%(対ゼラチン)と湿潤剤としてグリセロールの約23質量%を加え、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの少量を用い、比較試料b上に塗膜して厚み約1μmの第1のオーバーコート層を設け、その上に第1のオーバーコート層の塗布液中、湿潤剤を除いた塗布液に用い、第1のオーバーコート層上に厚み約0.2μmの第2のオーバーコート層を設けた画像記録材料No.3を得た。 【0085】これらの試料を用いて図4及び図5に示す画像記録システムにおいて、冨士写真フィルム(株)製カラーネガフィルムsuparia400用いたカラーネガ画像をもつフィルムを用い、図4及び図5に示す画像記録システムにおいて前記試料を用い、画像記録を行なった。なお、加熱処理部では、100〜140度で各試料を加熱処理した。それぞれの試料の評価を下記のような基準で行ない、その結果を表1に示す。 【0086】画質 : 得られた画像の色相、シャープネス、画像の毀損等の有無を目視確認した。 画像耐候性:画像記録物を、屋外(直射日光下を含む)に10日間放置し、画像の変化を目視観察した。 インク吸収性:インクの滲み、均一性、ビーディングを目視観察した。 耐摩擦性 :記録媒体及び画像上に1Kgの重りを乗せ、こすり傷のつき具合を比較目視評価する。 保存性 :ロール形状で面を加圧し、10日間常温常圧に保存した後、ロールを巻き戻し、インク受像層面の毀損状態を観察する。 共通の評価法 ; ◎ 特に優れている○ より優れている△ 実用上やや劣るが使用可× 劣る【0087】 【表1】
【0088】表1の結果から、インク受像層に媒染剤及び湿潤剤を用い、最上層であるオーバーコート層を用いない場合、ロール形態で記録材料を保存すると、やや裏面と接着によるキズが発生しやすい。また、インク受像層に湿潤剤を用いないと、やや画質及びインク吸収性が劣り、耐摩擦性も相対的に劣化する。湿潤剤を含むインク受像層の上にオーバーコート層を設けると、特に次の点を改良される。 (1)オーバーコート層の最上層に湿潤剤を用いない層を設けることにより湿潤剤を最上層に含有させることによる欠陥が解消される。 (2)オーバーコート層を硬化されたゼラチン層とすることによってインク受像層に物理的強度、耐摩耗性、特に画質、耐候性及び保存性が改良される。 (3)オーバーコート層に親水性ポリマーセルロース誘導体を合わせ用いることによりインク吸収性、画質が解消される。 【0089】実施例2実施例1において用いた下塗り層つき支持体を用いた。 2−1(インク受像層の作製) 画像受像層(多孔質無機顔料層)を形成するため、下記の方法で塗工分散液を作製した。アルミニウムイソプロキシドの加水分解膠法で合成した(020)面方向の結晶厚さ80ミクロン、2次凝集粒子直径1.5〜4ミクロンのベーマイトゾル100質量部に、ポリビニルアルコール11質量部(いずれも固形分換算)と水を加え、塗工液を用い下塗り支持体上に塗工して乾燥膜厚が30ミクロンの塗膜(インク画像受像層)とした。このようにして作った塗膜はアルミナ水和物多孔質層の細孔径が50ミリミクロンの透明な多孔質膜となっていた。これを比較試料cとした。 【0090】2−2(画像保護層の作製) (1)アクリロニトリル/塩化ビニリデン/アクリル酸(質量比15/79/6):(P−1)の合成400mlのナス型フラスコに(1)230gの蒸留水、(2)0.8gのTriton−770、(3)12.34gのアクリルニトリル、(4)4.93gのアクリル酸、(5)64.96gの塩化ビニリデン、(6)0.204gのメタ重亜硫酸カリウム、及び(7)0.102gの過硫酸カリウムを順に添加した。このフラスコをシールし、30℃で18時間振とうした。この重合混合物を室温において減圧下で15分間揮発性残留モノマーを除去した。(Tg:46℃) 試料(P−1)は平均粒子径0.8μmで0.5ないし1.1μmの径域に90%以上の粒子が入る単分散分布性をもっていた。P−2、P−3は、乳化剤のTriton−770の量と振とうの速度を変えて得られたラテックスの粒子径と分布をマイクロトラックUPA(日機装(株)製)を測定し、目的にあったものを選択した。 【0091】(2)画像保護層熱可塑性樹脂ラテックス(P−1)を含む塗工液に湿潤剤としてグリセロールの20質量%(対画像保護層)相当量を加えて画像保護層を得た。これを比較試料dとした。 【0092】(画像記録材料No.4)比較試料cの表面上に下記の塗工液を用い、オーバーコート層を設けた。石灰処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液に、架橋硬化剤としてビス(ビニルスルホニル)メタンの0.06質量%(対ゼラチン)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの少量を用い、塗膜して厚さ役0.2μmのオーバーコート層を有する画像記録材料No.4を得た。 【0093】(画像記録材料No.5)比較試料dを用いた他は、画像記録材料No.4と同様にして画像記録材料No.5を得た。 【0094】(画像記録材料No.6)比較試料dの表面上に次の塗工液を用い、約0.5μm厚のオーバーコート層を設けた。石灰処理ゼラチンの5質量%ゼラチン水溶液に、架橋硬化剤としてビス(ビニルスルホニル)メタンの0.06質量%(対ゼラチン)と親水性樹脂ポリビニルアルコールの20質量%(対ゼラチン)を加え、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの少量を用いて塗膜し、画像記録剤No.6を得た。 【0095】実施例1の場合と同様に画像記録した後、評価した。その結果を表2に示す。 【0096】 【表2】
【0097】表2の結果から、インク受像層に媒染剤及び湿潤剤を用い、最上層であるオーバーコート層を用いない場合、ロール形態で記録材料を保存すると、やや裏面と接着によるキズが発生しやすい。また、画像保護層に湿潤剤を用いず、最外層にオーバーコート層を有しない場合、耐候性、耐摩擦性等が低下する。オーバーコート層にゼラチンとその架橋硬化剤を用いる場合、ゼラチンとともに親水性ポリマーとしてポリビニルアルコールを併用すると、記録材料の各特性が特に優れていることわかる。 【0098】 【発明の効果】以上のように請求項1のインクジェット画像記録材料によれば、インク受像層、画像保護層、及びオーバーコート層の少なくともいずれかにインク親和性や親水性を有する湿潤剤を含有するので、高品質の画像を記録することができる。請求項2に記載のインクジェット画像記録材料によれば、少なくとも一層にゼラチン、変性ゼラチンとその架橋硬化剤を含有するので、上記の効果に加えて、さらに膜の物理的強度が改良し、画像の耐候性、膜の保存性等を改良できる。請求項3に記載のインクジェット画像記録材料によれば、少なくとも一層にゼラチン、変性ゼラチンとその架橋硬化剤とともに親水性ポリマーを併用しているので、上記の効果に加えて、さらに画像の耐候性、膜の保存性等をより改良でき、銀塩カラー感材によるカラープリントに匹敵する画像が得られる。請求項4に画像記録方法によれば、上記の特性を優れた画像が迅速に能率よく得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−211828(P2003−211828A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−10360(P2002−10360) |
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