| 【発明の名称】 |
インクジェット画像形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】茨木 一彦 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】インクジェット画像形成において従来の技術では実現出来なかった、高い保存性を簡易な装置によるフィルムのコートによって得る方法を提供する事にある。
【解決手段】インクジェット受像紙上に画像形成後、加圧することによって芯物質である接着剤を放出するマイクロカプセルを片面に有するフィルムを画像面に圧着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクジェット画像形成方法において、インク受容層上に画像形成後、加圧することによって芯物質である接着剤を放出するマイクロカプセルを片面に有するフィルムを画像面に圧着する事を特徴とする画像形成方法。 【請求項2】 インクジェット画像形成方法において、インク受容層上に画像形成後、画像保存剤を片面上に含有するフィルムを接着する画像形成方法。 【請求項3】 画像保存剤を上記フィルム上に含有する請求項1の画像形成方法。 【請求項4】 上記画像保存剤が、ヒドラジン誘導体、チオエーテル誘導体、ジシアンジアミド誘導体から選ばれる請求項2又は3の画像形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプリンターによる画像形成方法である。更に詳しくは画像保存性の向上されたインクジェット画像形成方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。インクジェットプリンターは、高速印字が可能である、騒音が少ない、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要である等の特長があり、複雑な画像を正確、且つ迅速に形成する事が出来る点で注目されており、特にコンピューターで作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途において、近年急速に普及している。 【0003】又、インクジェット記録方式では、複数個のインクノズルを使用する事により、多色記録を行なう事も容易である。多色インクジェット記録方式では、多色印刷物やカラー写真に比較して、遜色の無い画像を得る事が可能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷技術や写真技術よりも安価で済む事から広く利用されつつある。 【0004】最近、特に注目されているインクジェットプリンターの利用分野としては、写真に近い高画質が要求される印刷分野におけるカラープルーフの作成やデザイン分野におけるデザインイメージの出力等がある。更に、コンピューターで作成した文字や画像情報をインクジェットプリンターを用いて透明な記録シートに出力し、これをオーバーヘッドプロジェクターの原稿として会議のプレゼンテーション等に利用する事も一般的に行なわれている。 【0005】このようなインクジェット記録方式で使用される記録シートに要求される特性としては、耐光性、耐ガス性等の画像保存性が高いこと、画像濃度が高い事、色再現性が良好な事、インク吸収性が高い事、ドット再現性が良好である事、印字後の保存に依るにじみが無い事等が挙げられる。 【0006】近年、インクジェット記録方式は、画像品質については著しい改良が見られ、見方に依れば銀塩写真をも凌駕する様なレベルにまで達してきているが、画像保存性ついては未だ十分満足出来るものではない。これを改良する為には、染料インクに替えて顔料インクを用いる方法や、画像保存剤を添加する等の検討がなされているが、顔料インクを用いると十分に鮮鋭な色調が得られない、画像保存剤を十分な量用いるとインク吸収性を阻害する、画像の滲みを引き起こす等の問題生じる。 【0007】そこで、これらを改良する為に、例えば特開平8−252985、同平11−301099号公報に開示されているように、印字後透明フィルムでラミネートコートする方法が提案されている。また、特開平8−258372号公報には樹脂を印字画像上に積層する方法が提案されている。これらの方法に依れば、空気の遮断には十分な効果があり、画像保存性を飛躍的に向上させることが期待出来る。 【0008】しかしながら前者の方法では加熱手段を必要とする為に装置が大型になる、また、後者の方法では揮発する溶剤の臭気等の問題があり、何れにしても家庭での使用には不向きなものであった。そこで、簡易な装置を用いて高い保存性を得ることが求められていた。 【0009】また、フィルムの接着のみでは、切断面(フィルム接着の端部)からの酸素の進入に依るものや、特に空隙タイプのインクジェット記録材料においては、その空隙に残った酸素の影響によって十分な保存性が得られない事がある。この場合、更に画像保存剤を用いることになるが、先に述べたようにインク受容層に多量に画像保存剤を用いるとインク吸収性を阻害する、画像の滲みを引き起こす等の問題を生じる事があり、更なる高保存性のインクジェット記録材料を得る方法が求められていた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、インクジェット画像形成において従来の技術では実現出来なかった、高い保存性を簡易な装置によるフィルムの接着によって得る方法を提供する事にある。また、フィルム接着のみでは得られない更なる高保存性を得る方法を提供する事にある。 【0011】 【課題を解決する為の手段】本発明の上記課題は基本的に下記手段によって解決された。 ■インクジェット画像形成方法において、インク受容層上に画像形成後、加圧することによって芯物質である接着剤を放出するマイクロカプセルを片面に有するフィルムを画像面に圧着する事を特徴とする画像形成方法。 ■インクジェット画像形成方法において、インク受容層上に画像形成後、画像保存剤を片面上に含有するフィルムを接着する画像形成方法。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。加圧することによって芯物質である接着剤を放出するマイクロカプセルとしては種々の方法で得ることが出来る。例えば特開昭60−124678号公報に示されている方法で得ることが出来る。 【0013】芯物質としては天然ゴム、合成ゴム、塩化ゴム、アクリル共重合体等を用いる。マイクロカプセルの製法としてはコアセルベーション法、界面重合法等公知の種々の方法を用いることが出来るが、芯物質を凍結粉砕し、低温下でロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの壁物質とともに混合撹拌し微粉末化した壁物質で微粉末化した芯物質を被覆する方法が簡易で好ましい。 【0014】このようにして得られたマイクロカプセルを透明もしくは淡色で着色されたフィルム上にポリビニルアルコール(以下PVAと称する)などをバインダーとして塗布する。フィルムとしてはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム及び樹脂類などがある。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルムが、平面平滑性、強度などに優れ、かつ厚さが0.1mm以下と薄く、ロール状態でも体積が比較的小さくなるので、望ましい。 【0015】インクジェットによって画像を形成し、インク中の水等の溶媒を乾燥した後、上記で得られた圧着フィルムを重ね合わせ、例えば2本のロールで挟んで圧着する。この際、接着を更に確実にする為に加熱をすることもできる。しかしながらこれらの方法によれば、本質的に加熱部分を要しないので簡便な装置を用いることができる。また剥離紙が不要なので廃棄物が生じる事も無い。 【0016】本発明に用いる画像保存剤は、添加する事によってインクジェット記録によって得られた画像の退色を抑制するものである。 【0017】退色の抑制度の評価法としては、例えば、下記組成のシアンインクとインク受容層を作製し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて印字後、印字面に画像保存剤を1g/m2になる様に塗布し、オゾン暴露(20ppm、3時間)による強制試験を行った後、オゾン暴露前の反射濃度1.0部分の画像残存率(オゾン暴露後の濃度/オゾン暴露前の濃度)を求める。この試験の場合で画像残存率が70%以上のものが本発明による画像保存剤として用いる事ができるものであり、更に80%以上のものが好ましい。 【0018】 <シアンインク>トリエチレングリコール 114.0gグリセリン 91.5gトリエチレングリコールブチルエーテル 89.0gオルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0gDirect Blue 199 50.0g脱塩水を加えて1Lとする。 【0019】<インク受容層の作製法>ポリエチレン樹脂被覆紙支持体に下記組成のインク受容層塗布液をスライド塗布装置で塗布し乾燥する。下記に示すインク受容層塗布液は、気相法シリカが9重量%の固形分濃度になるように調製する。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、18g/m2になるように塗布、乾燥する。乾燥後、ロール状に巻き取り、それを更にA4サイズに切断して、40℃で3日間加熱する。 【0020】<インク受容層塗布液>気相法シリカ 100部 (平均一次粒径12nm、BET法に依る比表面積300m2/g)ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 3部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)、PVA 22部 (ケン化度98%、平均重合度3500)、ホウ酸3部【0021】画像保存剤としては例えば、ヒドラジン誘導体、チオエーテル誘導体、ジシアンジアミド誘導体等を用いることができる。特に好ましいのはヒドラジン誘導体である。 【0022】ヒドラジン誘導体の好ましい構造を以下に示す。 【0023】 【化1】
【0024】 【化2】
【0025】 【化3】
【0026】 【化4】
【0027】チオエーテル誘導体の好ましい構造を以下に示す。 【0028】 【化5】
【0029】 【化6】
【0030】本発明に用いられるジシアンジアミド誘導体としては、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物等が挙げられ、分子量は10,000以下、好ましくは5,000以下であることが好ましい。これらの樹脂は例えば日華化学からネオフィックスRP−70Y、里田化工からジェットフィックス20、三洋化成からサンフィックス70、日本カーバイドからニカフロックD1000、里田化工からジェットフィックス105の商品名で入手することができる。 【0031】本発明では、印字された画像が形成されたインク受容層に接着されるフィルムに上記画像保存剤を含有させる。本発明で用いられるこれら画像保存剤の好ましい含有量は0.1〜5g/m2、より好ましくは0.2〜2.5g/m2である。これらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、またさらにその他のインクジェット分野で公知の酸化防止剤、退色防止剤などと組み合わせて用いてもよい。 【0032】画像保存剤はフィルム上に設けたPVA、ゼラチン等の親水性バインダー中に含有させるか、もしくはバインダー無しでフィルムに直接塗布する。 【0033】フィルムの接着は接着剤を放出するマイクロカプセルを片面に有するフィルムの他、アクリル系等の接着剤を塗布したフィルムや、熱可塑性樹脂を片面に有するフィルムを用いて行う。 【0034】本発明において、フィルムには更に紫外線吸収剤を用いることが出来る。紫外線吸収剤は、有機系化合物、無機系化合物のいずれでもよく、例えば特開2000−280601号明細書記載の化合物などが好ましい。その具体例としては、サリチル酸系(例えばフェニルサリシレート、p−tert.−ブチルフェニルサリシレートなど)、ベンゾフェノン系(例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アルコキシベンゾフェノン類、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール系(例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−アルキルフェニル)ベンゾトリアゾール類、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジアルキルフェニル)ベンゾトリアゾール類、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジアルキルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール類など)、シアノアクリレート系(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなど)などの有機系紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウムなどの無機系紫外線吸収剤がある。うち特に好ましいものは、有効な吸収波長帯が幅広く、また吸光度も高いベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。これら紫外線吸収剤の好ましい含有量は0.1〜5g/m2、より好ましくは0.2〜2.5g/m2である。 【0035】本発明において、インク受容層には無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子としては合成シリカ、アルミナまたはその水和物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられるが、その中でも合成シリカが好ましく、特に、気相法シリカ及びアルミナが好ましい。 【0036】合成シリカには、湿式法に依る物と気相法に依る物がある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などに依る複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変える事によって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更にシリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られる物のようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。 【0037】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用する事が出来る。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジルとして市販されており入手する事が出来る。 【0038】本発明に特に好適に用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は30nm以下であり、好ましくは3〜20nmであり、且つBET法に依る比表面積が50m2/g以上、好ましくは100〜500m2/gである。本発明でいうBET法とは、気相吸着法に依る粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名な物は、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。 【0039】気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する事であり、これによって、高いインク吸収性が得られる。前記二次凝集の状態は50〜500nm程度に保つ事が好ましく、これによって、光沢を低下させずに高いインク吸収性が得られる。 【0040】本発明に使用するアルミナは平均一次粒子径が30nm以下の微粒子が好ましい。アルミナ微粒子は多孔質の物であっても良く、形状は不定形、針状、球形など任意の形状の物を用いる事が出来る。アルミナ微粒子の製造方法は特にこだわらないが、不純物が少なく、平均粒子径が整っている点から気相法が好ましい。 【0041】これら無機微粒子の使用量は求められる製品の品質等にも依るが、乾燥重量で10〜100g/m2、更に好ましくは12〜50g/m2を用いる。 【0042】本発明はインク受容層にカチオン性ポリマーを含有するのが好ましい。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59ー33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号、同平10−217601号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、あるいはホスホニウム塩基を有する水溶性カチオン性ポリマー、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が挙げられる。これらのカチオン性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10万以下、更に好ましくは5万以下で、下限は2千程度である。 【0043】本発明ではインク受容層のバインダーとしてエーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、PVA及びその誘導体、無水マレイン酸誘導体、通常のスチレンーブタジエン共重合体等を用いる事が出来る。 【0044】本発明は、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いる事が出来る。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いる事が出来る。 【0045】本発明にはインク受容層に周期表4A族元素を含む化合物を含む事ができる。特に好ましいものは、チタンまたはジルコニウムを含むものである。これらは水溶性である事が好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタン、乳酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低いものもあり、その場合は適宜pHを調節して用いる事も可能である。 【0046】本発明におけるインク受容層には、皮膜の脆弱性を改良する為に各種油滴を含有する事が出来る。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを1種以上重合させた粒子)を含有させる事が出来る。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いる事が出来る。 【0047】本発明のインク受容層には、更に低分子のカチオン性化合物を含有する事が出来る。カチオン性化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、りん酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストケイ酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。 【0048】本発明において、特に水溶性アルミニウム化合物が、耐水性、耐候性の点で好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。 【0049】本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク受容層中の含有量は、0.1〜10g/m2、好ましくは0.2〜5g/m2である。これらは併用する事が出来る。 【0050】本発明において、インク受容層には、界面活性剤を添加する事が出来る。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。 【0051】本発明において、インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加する事も出来る。 【0052】本発明において、塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いる事が出来る。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。 【0053】本発明に用いられるインク受容層の支持体としては、目的に応じて紙、PET等の透明、半透明、不透明のものを用いることが出来る。 【0054】インク受容層支持体として紙を用いる場合は少なくとも片面(画像形成面の反対側)、好ましくは両面が例えばポリオレフィンの様な非通気性のもので被覆されていることが好ましい。 【0055】本発明に好適に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、その含水率が6%以上である。好ましくは6.5〜9.0%の範囲であり、より好ましくは7.0〜9.0%の範囲である。樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定する事が出来る。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いる事が出来る。 【0056】樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限は無く、一般に用いられている紙が使用出来るが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。 【0057】更に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていても良い。 【0058】又、原紙の厚味に関しては特に制限は無いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。 【0059】原紙の被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用出来る。 【0060】又、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。 【0061】樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。又、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施す事が好ましい。裏面に樹脂を被覆する必要は無いが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施す事が出来る。又、樹脂被覆層の厚味としては特に制限は無いが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。 【0062】樹脂被覆紙の含水率を調整する方法は、原紙(紙基体)を抄造するとき、ドライヤーに依る乾燥を調整したり、乾燥終了後に調湿ゾーンを設けて調整する方法が一般的である。 【0063】本発明に用いられる樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂層表面のJIS−P8142に依る75度鏡面光沢度が30%以上70%未満になるように微粗面加工されたものが好ましい。ポリオレフィン樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、原紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により高光沢か、無光沢か、またはパターン化された例えば絹目状やマット状等に形成する事が出来る。本発明では、微粗面加工したクーリングロールを使用し、インク受容層を設ける側のポリオレフィン樹脂層表面のJIS−P8142に依る75度鏡面光沢度を30%以上70%未満となるようにする事が好ましい。好ましくは光沢度が35%以上70%未満であり、より好ましくは、40%以上68%以下である。 【0064】本発明において、微粗面とは、鏡面でもなく、又絹面やマット面のように型付けされたものでもなく、表面に極微細な凹凸有するものである。例えば、中心面平均粗さ(SRa)で表す事が出来る。このSRa値が、0.11〜0.50μmの範囲である事が好ましく、0.11〜0.35μmがより好ましく、更に0.12〜0.25μmの範囲が好ましい。 【0065】上記中心面平均粗さ(SRa)は、触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでのSRa値であり、下記数1で規定されるものである。 【0066】 【数1】
【0067】数1において、Wxは試料面域のx軸方向の長さを表し、Wyは試料面域のy軸方向の長さを表し、Saは試料面域の面積を表す。 【0068】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び3次元粗さ解析装置として、小坂研究所製、SE−3AK型機及びSPA−11型機を用いて、カットオフ値0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従って、Sa=160mm2の条件で求める事が出来る。 【0069】前記微粗面加工に用いられるクーリングロールの表面の形状は、微粗面に加工されていれば特に限定されないが、例えば特開平5−118557号、同平7−261325号、同平8−254789号、同平10−293379号公報、特公昭62−19732号公報等に開示されているようなクーリングロールが用いられる。例えば、表面が平均深さ0.05〜0.7μm、平均ピッチ0.1〜100μmの微細な凹凸を有するクーリングロールが用いられる。 【0070】本発明に用いられる支持体には、帯電防止性、搬送性、カール防止性などの為に、各種のバックコート層を塗設する事が出来る。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめる事が出来る。 【0071】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。又、以下に記載する部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を示す。 【0072】実施例1◎フィルムの作製<フィルム1の作製>アクリレート系粘着剤を液体窒素で冷却固化し、−60℃以下で凍結粉砕した。この粉末100重量部にテルペン系樹脂10重量部及びシリカ粉末を2重量部添加し、激しく撹拌してマイクロカプセルを得た。厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)支持体上に10重量%のPVA水溶液を固形分で0.2g/m2になる様に塗布し、未乾燥の状態で上記マイクロカプセルを散布し乾燥した。マイクロカプセルは約1g/m2となるように用いた。 【0073】<フィルム2の作製>フィルム1の作製においてPET支持体にマイクロカプセルを含有させる面に画像保存剤としてヒドラジン化合物H1を1g/m2になるように加えた以外は同様にして得た。 【0074】<フィルム3の作製>フィルム2の作製において用いたヒドラジン化合物H1の代わりにチオエーテル誘導体T1を用いた以外は同様にして得た。 【0075】<フィルム4の作製>フィルム2の作製において用いたヒドラジン化合物H1の代わりにジシアンジアミド誘導体、ジェットフィックス20(里田化工製)を用いた以外は同様にして得た。 【0076】◎インクジェット記録材料の作製<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダードフリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70重量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30重量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆した。こうして得られた支持体のSRa値は0.15μmで、含水率は7.5%であった。 【0077】<インク受容層の作製>上記支持体に下記組成のインク受容層塗布液をスライド塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は、気相法シリカが9重量%の固形分濃度になるように調製した。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、18g/m2になるように塗布、乾燥した。乾燥後、ロール状に巻き取り、それを更にA4サイズに切断して、40℃で3日間加熱した。 【0078】<インク受容層塗布液>気相法シリカ 100部 (平均一次粒径12nm、BET法に依る比表面積300m2/g)ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 3部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)、PVA 22部 (ケン化度98%、平均重合度3500)、ホウ酸3部【0079】上記で作製したインクジェット記録材料のインク受容層面にインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて印字後、約1分放置して乾燥した後、下記の表1の組み合わせで2本のゴムロールでフィルム1〜3とインク受容層を重ね合わせて圧着してサンプル1〜4を得た。またインク受容層面にフィルムを圧着していないものをサンプル5とした。 【0080】◎サンプルの評価【0081】得られた各々のインクジェット記録シートについて、下記に示す通り画像保存性(耐光性及び耐ガス性)を評価した。その結果を表1に示す。 【0082】<耐光性>CYMKの各インク中、光退色が最も激しいマゼンタインクについて、アトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて600W/m2で50時間照射という条件で強制試験を行った後、照射前の反射濃度1.0部分の画像残存率(照射後濃度/照射前の濃度)を求めた。 【0083】<耐ガス性>CYMKの各インク中、ガス退色が最も激しいシアンインクについて、オゾン暴露(20ppm、3時間)による強制試験を行った後、オゾン暴露前の反射濃度1.0部分の画像残存率(オゾン暴露後の濃度/オゾン暴露前の濃度)を求めた。 【0084】 【表1】
【0085】簡便な装置を用いて高い耐候性が得られることが分かる。 【0086】実施例2<フィルム5の作製>(株)アスカ製 ラミネーター専用フィルム(100μm)上に10重量%のPVA水溶液を固形分で0.2g/m2になる様に塗布した。PVA中にはヒドラジン化合物H1を1g/m2になるように加えた。 【0087】実施例1で用いたインクジェット記録材料に実施例1と同様に印字、乾燥を行いフィルム5と重ね合わせ、専用ラミネーターを用いて100℃で熱圧着を行いサンプル6を得た。更にフィルム6の作製でヒドラジン化合物H1を用いない他は同様にして作製したフィルム(フィルム6)とインク受容層を重ね合わせ、同様に熱圧着を行いサンプル7を得た。 【0088】<にじみ試験>100μmの細線及び同幅の非印字部を有する部分を熱圧着後1ヶ月経時し、調べた。○;にじみが見られない。△;わずかに観察される。×;極度のにじみ。(○以上が製品として許容される)。 【0089】結果を下記の表に示す。 【0090】 【表2】
【0091】上記の結果は熱圧着を行った例であるが、インク受容層に耐候性改良材を用いるのに比べ、にじみが生じ難い事が分かる。 【0092】 【発明の効果】上記実施例より明らかなように、本発明に依れば、インクジェット画像形成において従来の技術では実現出来なかった、高い保存性を簡易な装置によるフィルムコートによって得る事が出来た。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005980 【氏名又は名称】三菱製紙株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号
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| 【出願日】 |
平成13年12月27日(2001.12.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−191595(P2003−191595A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月9日(2003.7.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−397729(P2001−397729) |
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