| 【発明の名称】 |
情報記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】東 博史 【住所又は居所】滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂株式会社長浜工場内
【氏名】竹本 晋也 【住所又は居所】滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂株式会社長浜工場内
【氏名】寺井 智彦 【住所又は居所】滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂株式会社長浜工場内
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| 【要約】 |
【課題】サーマルヘッド等を直接接触させることなく、リライト耐久性に優れており、また、施した印刷層が容易に劣化しない、耐久性のある印刷層を設けることが可能な情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】情報記録媒体は、少なくとも1層のプラスチックフィルム上に、温度によって可逆的に可視画像を表示し又は可視画像を消去する可逆性記録層を有する記録基材に、光熱変換物質を含有する光熱変換層を含む光熱変換基材と少なくとも1枚のシートとを、光熱変換層が可逆性記録層と接するように積層し、かつ、記録基材とシートとの間に、さらにICチップとアンテナを有することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1層のプラスチックフィルム上に、温度によって可逆的に可視画像を表示し又は可視画像を消去する可逆性記録層を有する記録基材に、光熱変換物質を含有する光熱変換層を含む光熱変換基材と少なくとも1枚のシートとを、該光熱変換層が該可逆性記録層と接するように積層し、かつ、前記記録基材と前記シートとの間に、さらにICチップ又はICチップとアンテナを有することを特徴とする情報記録媒体。 【請求項2】 前記記録基材と、前記シートとの間に中間シートを有することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。 【請求項3】 前記ICチップ又はICチップとアンテナが、フィルム上に配線されていることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録媒体。 【請求項4】 前記光熱変換物質が、赤外線吸収色素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱や光によって可視画像を表示及び消去することが可能な情報記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】リライト記録媒体の印字や消去においては、画像記録手段として、ドット単位で加熱制御が可能なサーマルヘッドが用いられてきた。また、画像消去手段として、サーマルヘッド、あるいはエリア全面での消去が可能なヒーターバーや加熱スタンプ等が用いられてきた。この場合、サーマルヘッド等の画像記録手段や画像消去手段を、リライト記録媒体の表面に直接接触させて加熱することにより、リライト記録媒体の印字や消去を行っていた。表面に保護層を設けたとしても、画像記録や消去の観点から数μm程度の層しか設けることができない。リライト記録媒体の情報の書換え動作において、熱、圧力、せん弾力、擦傷力等がリライト記録媒体の表面に加わる。そのため、記録媒体の表面が物理的に劣化し、情報書換えの繰り返し使用回数に限界があった。 【0003】安価な磁気カードやラベルのような情報記録媒体ならば、使用限界回数以上になったら廃棄すればよいが、例えば、ICチップやアンテナコイル等の高価な部品を搭載したリライト記録媒体では廃棄しにくい。しかも、ICチップの耐久性は高いので、リライト記録媒体の書換え限度回数で廃棄したのでは、不経済である。このことは、コスト的に実用化への障壁となっていた。 【0004】そこで、物理的な劣化を防ぐために、レーザ光をリライト記録媒体の表面に照射することによって、接触せずに可視画像を形成する方法が有効と考え、それに対応したリライト記録媒体の開発がすすめられている。 【0005】しかし、リライト記録媒体の表面に接触せずに情報書換えを行う場合でも、表面に記録層が露出していると、日常的な使用により表面が磨耗して物理的劣化が生じる。また、近年においては、機能面、デザイン面から、表面に印刷が要求されることも多いが、リライト記録媒体の材質や表面を保護するためのコーティング層の材質によっては、印刷を施すことができなかったり、施した印刷が容易に劣化したり等の問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐久性のある印刷層を設けることが可能で、かつ、リライトの繰り返し動作に対して、物理的劣化を生じない、リライト耐久性に優れた可逆性の情報記録媒体を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の情報記録媒体は、少なくとも1層のプラスチックフィルム上に、温度によって可逆的に可視画像を表示し又は可視画像を消去する可逆性記録層を有する記録基材に、光熱変換物質を含有する光熱変換層を含む光熱変換基材と少なくとも1枚のシートとを、光熱変換層が該可逆性記録層と接するように積層し、かつ、記録基材とシートとの間に、さらにICチップ又はICチップとアンテナを有することを特徴とする。ここで、記録基材とシートとの間に、中間シートを有することができる。また、ICチップ又はICチップとアンテナが、フィルム上に配線されていてもよい。また、光熱変換物質は、赤外線吸収色素であってもよい。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の情報記録媒体は、少なくとも1層のプラスチックフィルム上に可逆性記録層を有する積層体(以下「記録基材」という)と、この可逆性記録層の上に、光熱変換物質を含有する層(以下「光熱変換層」という)を含む積層体(以下「光熱変換基材」という)とを有する。ここで、光熱変換層は、可逆性記録層と接するように、設けられる。また、光熱変換層を含む積層体の上にはICチップ又はICチップとアンテナを有し、さらにオーバーシート等のシートが設けられていても良い。 【0009】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の記号を付して、説明を省略する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図である。図1の(a)は情報記録媒体を形成する前の状態を示す断面図であり、(b)は、プレスにより情報記録媒体を形成した後の構成を示す図である。本実施形態においては、プラスチックフィルム2の一方の面に可逆性記録層1を有する記録基材3と、オーバーシート4との間に、光熱変換基材5及びアンテナコイルを備えたICチップ7をこの順に、光熱変換層が可逆性記録層1と接するように挿入して積層する。プラスチックフィルム2とオーバーシート4の外側から加熱加圧プレス加工を行って積層すると、図1の(b)に示す構成の情報記録媒体が形成される。 【0010】ここで、記録基材を構成するプラスチックフィルム2は透明である。記録基材を構成する可逆性記録層1はプラスチックフィルム上に塗布等により形成されてもよいし、ホットメルト等の接着剤層を介して積層されてもよい。したがって、可逆性記録層の厚さは、厚くすることも薄くすることもでき、用途に応じて、1μm〜100μmの範囲内で適宜選択されて形成される。ここでは、可逆性記録層の厚さを容易に変更することができるので、コスト等を考慮しつつ、用途に応じた最適な記録基材を選択することができる。 【0011】光熱変換物質は高価であるので、光熱変換層を記録層と隣接して設けることにより、光熱変換層の層厚を薄くして、コストの低下を図ることができる。また、記録層に光熱変換物質を含有させると、記録特性に悪影響を与えることがあるが、光熱変換層を記録層に隣接して設ける構成をとれば、記録層に光熱変換物質を含有させなくてもよいので、かかる悪影響が生じることがない。なお、アンテナコイルは印刷やエッチングにより形成することができる。 【0012】本実施形態においては、記録基材とICチップとオーバーシートとを重ねてプレスするという、簡単な工程で、情報記録媒体を形成することができる。また、可逆性記録層1を覆うプラスチックフィルム2は透明であるので、透明プラスチックフィルムを通して可逆性記録層の可視化部分を外部から観察することができる。さらに、印刷を透明なプラスチックフィルム2の裏面に施すことができるので、印刷の耐久性にも優れている。ここで、透明なプラスチックフィルム2は十分な厚さを有するので、接触や磨耗等が起こっても、可視化部分は透明シートで保護されており、リライト耐久性にも優れている。また、可逆性記録層1は、表面の透明なプラスチックフィルムで紫外線が遮蔽されるので、紫外線劣化が防止される。 【0013】次に、記録基材とオーバーシートとの間に、さらに中間シートを有する第2の実施形態に係る情報記録媒体について説明する。図2の(a)は情報記録媒体を形成する前の状態を示す断面図であり、(b)は、プレスにより情報記録媒体を形成した後の構成を示す図である。本実施形態においては、プラスチックフィルム2の一方の面に可逆性記録層1を有する記録基材3と、オーバーシート4との間に、光熱変換層を含む光熱変換基材5、中間シート6及びアンテナコイルを備えたICチップ7とをこの順に配置し、プラスチックフィルム2とオーバーシート4の外側から加熱加圧プレス加工を行うことにより積層体が形成される。ただし、光熱変換層は可逆性記録層1と接するように配置される。なお、ここでは光熱変換基材5とアンテナコイルを備えたICチップ7との間に中間シートを配置した構成を例示したが、ICチップ7とオーバーシート4との間に中間シート6を配置する構成をとることもできる。本実施形態によれば、オーバーシートだけでは光熱変換基材やICチップ等の凹凸を吸収し難い場合でも、中間シートを配置することにより、かかる凹凸を十分に吸収して、情報記録媒体の表面を平坦に仕上げることができる。 【0014】ここで、アンテナコイルを備えたICチップ7は、フィルムに配置されていてもよい。この実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第3の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図である。図3の(a)は、光熱変換基材5とオーバーシート4との間に、アンテナコイルを接続したICチップを配置したフィルム8を挟み込んだ状態を示す。ただし、光熱変換層は可逆性記録層1と隣接するように配置される。記録基材3とオーバーシート4の上下から加熱加圧プレスを行い、積層して図3の(b)に示す情報記録媒体を形成する。 【0015】次に、アンテナコイルを備えたICチップが配設されたフィルム8が、中間シートを介して配置されている情報記録媒体について説明する。図4は、第4の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図である。図4の(a)は、光熱変換基材5とオーバーシート4との間に、中間シート6とアンテナコイルを接続したICチップを配設したフィルム8とがこの順に挟み込まれている。ただし、光熱変換層は可逆性記録層1と接するように配置される。プラスチックフィルム2とオーバーシート4の上下から、加熱加圧プレスを行い、図4の(b)に示す情報記録媒体を形成する。なお、中間シートはアンテナコイルを接続したICチップを配置したフィルムとオーバーシートとの間に挟んでもよい。 【0016】本発明においては、光熱変換層を含む光熱変換基材は、光熱変換層のみから形成されていてもよいが、他の層を含んでいてもよい。光熱変換層の他に他の層を含む光熱変換基材の具体例を以下に説明する。図5に、本発明に使用される光熱変換基材の第1の具体例の構成を示す。図5に示す光熱変換基材は、光熱変換層11に、アルミ蒸着層12、PET基材13、ホットメルト(HM)接着剤層14をこの順に有する。例えば、光熱変換層11を可逆性記録層1に重ね、HM接着剤層14にアンテナコイルを備えたICチップ7を重ねて、加熱加圧プレスを行うことにより、情報記録媒体が形成される。 【0017】図6に、PET基材を用いない光熱変換基材の第2の具体例の構成を示す。図6に示す光熱変換基材は、離型フィルム15に光熱変換層11、アルミ蒸着層12、ホットメルト(HM)接着剤層14をこの順に積層した構成を有する。例えば、オーバーシート4に転写させ、離型フィルムを剥離した後、光熱変換層11が記録基材3の可逆性記録層1に接するように配置する。次に、記録基材3とオーバーシート4で、アンテナコイルを備えたICチップ7を挟み込み、加熱加圧プレスを行うことにより、情報記録媒体が形成される。 【0018】上述した記録基材及び光熱変換基材は、情報記録媒体を構成するための構成部材として優れており、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、記録基材に光熱変換基材を重ね、その上に、紙、金属、プラスチック等の基材を積層して情報記録媒体を形成することもできる。 【0019】本発明において可逆性記録層としては、加熱温度を調節することによって、透明状態又は白濁状態に変化させて可視状態になるものと、加熱後の冷却速度を調節することによって、発消色させて可視状態になるもののいずれかを使用することができる。前者の場合の例としては、高分子樹脂母材に結晶性の有機低分子化合物を分散させたものが挙げられ、後者の例としては、高分子樹脂母材に電子供与性呈色物質と電子受容性化合物とを分散させたものが挙げられる。 【0020】有機低分子化合物としては、高分子樹脂母材内に0.1〜2.0μm程度の直径の集合体となって、熱処理によって融解又は結晶化するものであり、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族二塩基酸、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪族ケトン、脂肪族エーテル、脂肪族アルコール及びその誘導体からなる結晶性低分子化合物が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。有機低分子化合物としては、融点が50〜150℃の範囲内のものが好ましく用いられる。 【0021】本発明においては、炭素数12以上の脂肪酸エステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸とを併用した組み合わせで使用することが好ましい。炭素数12以上の脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸べヘニル、べヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチル、リグノセリン酸ステアリル、リグノセリン酸ベヘニル等が挙げられる。炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の具体例としては、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。 【0022】電子供与性化合物としては、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ染料が好適に使用される。例えば、クリスタルバイオレット、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等のフタリド化合物、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン等のフルオラン化合物が挙げられる。これらの化合物は、分子構造中にラクトン環部分を持ち、そのラクトン環が開環したり閉環したりすることにより、発色と消色する。 【0023】電子受容性化合物としては、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩、スルホン酸、スルホン酸塩類が挙げられる。具体的には、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコ酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げられる。フェノール化合物としては、4'−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N'−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド等が挙げられる。 【0024】可逆性記録層に用いられる高分子樹脂母材としては、透明で製膜性の良い合成樹脂が好ましく、具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、その他の酢酸ビニル化合物、塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ABS樹脂等で、透明なアモルファス樹脂が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。可逆性記録層に、電子線又は紫外線等の放射線硬化性樹脂を混合すると、高温領域での弾性率が高くなり、リライト耐久性を向上させることができる。かかる樹脂としては、例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の硬化性に優れた多官能アクリレートモノマーが良好に使用できる。紫外線硬化の場合は、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサンソン系、パーオキシド系等の光重合開始剤を適量添加して硬化重合させる。 【0025】本発明においては、可逆性記録層に光熱変換物質を含有するか、または可逆性記録層に光熱変換物質を含有しない場合には、隣接して光熱変換物質を含有する層が設けられている。使用される光熱変換物質としては、例えば赤外吸収色素やカーボンブラック等が挙げられ、使用する半導体レーザ光の発振波長付近に吸収ピークをもつものが選択される。一般には、波長100nm〜1,000nm、好ましくは700〜900nmの半導体レーザを使用することができ、赤外吸収色素としては、かかる波長領域に吸収ピークを有するシアニン系色素、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素等が好ましく用いられる。これらの中では、フタロシアニン系色素又はナフタロシアニン系色素が好ましい。構造的に、熱や紫外線による分解等の劣化に対して耐久性があるので、リライト回数の向上を図ることができるからである。耐候性、耐熱性等の化学的安定性の見地からは、特に、各種金属と錯体を形成しているものが好ましい。 【0026】本発明の記録基材を構成するプラスチックフィルムやオーバーシートは、熱圧着する材料を主成分とするものであることが好ましく、アンテナコイル、ICチップ等の凹凸を吸収することができるものであることが好ましく、加熱加圧プレスにより変形するものが好ましい。例えば、加熱、加圧等で熱変形する熱可塑性樹脂が好ましい材料として挙げられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるわけではないが、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂樹脂、ABS樹脂樹脂、AS樹脂樹脂、PC樹脂樹脂等の汎用プラスチックの1又は2以上を主成分とするフィルムやシートが好ましく用いられる。また、耐熱性が良好なエンジニアリング・プラスチックを用いることもでき、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を主成分とするフィルムやシートが挙げられる。ただし、ガラス転移温度(Tg)や融解温度等が高すぎる材料では、プレス加工の際に、可逆性記録層やICチップ等の劣化や破壊が起こることも考えられるので、プレス加工温度を考慮して適宜選択されることが好ましい。プラスチックフィルムやオーバーシートは単層でもよいが、2層以上の積層体であってもよい。この場合、各層は同一組成の樹脂からなっても、異なっていてもよい。 【0027】プラスチックフィルムは透明であることが好ましい。透明な耐久性のあるプラスチックフィルムを可逆性記録層の表面に設けることにより、可逆性記録層に記録された情報を明瞭に確認することができる。また、透明シートの裏面に印刷を施すことができるので、印刷層が磨耗等により劣化することもない。 【0028】本発明に用いられる中間シートとしては、加熱加圧プレス加工により変形しやすい材料であることが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、具体的には、上述した塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上をブレンドして用いることができる。また、中間シートとしては、熱硬化性樹脂を使用することもできる。この場合には、熱硬化性樹脂が室温で柔らかい状態のままICチップ等とオーバーシートとを重ねて加熱プレスし、硬化させることにより、情報記録媒体を形成することができる。かかる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。また、中間シートは単層体でも積層体でもよく、積層体の場合に、各層は同一でも異なっていてもよい。例えば、熱可塑性樹脂層/耐熱性フィルム/熱可塑性樹脂層のような層構成をとることができる。 【0029】本発明の情報記録媒体を構成する各層の厚さは特に限定されるものではないが、記録基材の保護の観点から、オーバーシートが、50〜500μmであることが好ましい。プラスチックフィルムの厚さは、50μm〜250μmであり、記録基材の厚さは、100〜350μmであり、可逆性記録層は、1〜100μmであることが好ましい。可逆性記録層の厚さがこの範囲内であれば、可視画像のコントラストが得られ、画像の印字や消去の速度も満たされるからである。本発明において、情報記録媒体を構成する各層に、適宜添加剤等を添加することができる。プラスチックフィルム、オーバーシート、中間シートには、用途、必要に応じて、適宜、コロナ処理、易接着コート等の表面処理を施してもよい。例えば、情報記録媒体がカードやラベルとして用いられる場合には、印刷が施される場合も多いので、表面処理を施すことが好ましい。本発明の情報記録媒体は、記録基材とオーバーシートとの間に、記録基材、ICチップ等を挿入して、プレス加工することにより、形成される。プレス加工の条件は、プレス温度が100℃〜150℃であることが好ましく、プレス圧力が10kg/cm2〜50kg/cm2であることが好ましく、プレス時間は10分〜60分であることが好ましい。本発明の情報記録媒体は、例えば、ポイントカード、プリペイドカード、クレジットカード、IDカード等のカードや、物流向けのコンテナ用ラベル等に好適にである。本発明の情報記録媒体は、レーザを使用して可視状態とすることができる。使用されるレーザとしては、通常使用されるものを用いることができる。 【0030】 【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1) 《可逆性記録層を有する記録基材の作成》188μm厚の透明なポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称すこともある)フィルムの表面に、下記に示す書換え可能・可視化可能な可逆性記録層用組成物をテトラヒドロフランに溶解した塗布液を塗工し、110℃で5分間、加熱乾燥した。その後、160W/cm・10m/分でUV光を照射して、厚さ10μmの可逆性記録層を形成した。 (可逆性記録層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) テトラエチレングリコールジアクリレート 50質量部 光重合開始剤 2質量部 (チバガイギー社製、商品名「イルガキュア−184」) ステアリン酸ステアリル 40質量部 エイコサン二酸 8質量部【0031】《光熱変換層を含む光熱変換基材の作成》アルミニウムが蒸着された25μm厚のPETフィルムのアルミニウム層上に、下記に示す光熱変換層用塗布液を塗工し、130℃で5分間、加熱乾燥して、厚さ1μmの光熱変換層を含む光熱変換基材を作成した。次いで、得られた光熱変換基材をテープ状に切断した。 (光熱変換層) ポリエステル−ポリウレタン共重合体 257質量部 (東洋紡績社製、商品名「バイロンUR−8200」、固形分濃度30質量%) イソシアネート化合物 21質量部 (日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%) フタロシアニン系色素(山本化成社製、商品名「D99−038」)7質量部 メチルイソブチルケトン 170質量部 トルエン 170質量部【0032】《情報記録媒体の作成》記録基材の可逆性記録層上に光熱変換層が隣接するように光熱変換基材を重ね、光熱変換基材のPET層上に、アンテナ用ループコイルを配線したICチップと、オーバーシートとして別途用意した厚さ300μmの非晶性ポリエステルシート(三菱樹脂社製、ディアフィクス「PG−WHI」)とをこの順に重ね、プレス温度が120℃、プレス圧力が20kg/cm2、プレス時間が30分で加熱プレスを行って積層体を形成し、情報記録媒体を形成した。得られた情報記録媒体を裁断し、打ち抜いて、大きさが54mm×86mmのカード形状の情報記録媒体を作製した。 【0033】(実施例2)実施例1において、光熱変換基材とオーバーシートとの間に、中間シートとして厚さ100μmの非晶性ポリエステルフィルムと、アンテナ用ループコイルを配線したICチップとを、この順に重ねて加熱プレスを行った以外は実施例1と同様にして、カード形状の情報記録媒体を作成した。 【0034】(実施例3)実施例1において、アンテナ用ループコイルを配線したICチップの替りに、エッチングにより形成されたアンテナを接続したICチップ配線したフィルムを、光熱変換基材とオーバーシートとの間に挿入した以外は実施例1と同様にして、カード形状の情報記録媒体を作成した。 【0035】(実施例4)実施例2において、アンテナ用ループコイルを配線したICチップの替りに、エッチングにより形成されたアンテナを接続したICチップを配線したフィルムを用いた以外は実施例2と同様にして、カード形状の情報記録媒体を作成した。 【0036】(実施例5)実施例1において、可逆性記録層を、以下のようにして形成された可逆性記録層に変更した以外は実施例1と同様にして、カード形状の情報記録媒体を作成した。すなわち、まず下記に示す分散液をペイントシェーカーを使用して2時間分散した後、下記に示す硬化剤を添加して、十分に攪拌して塗布液を調整し、透明PETフィルム上に塗布し、130℃で5分間乾燥させた。その後、60℃で16時間エージングを行って記録基材を作製した。 《分散液》 色素前駆体(クリスタルバイオレットラクトン) 10質量部 電子受容性化合物 (ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド) 20質量部 樹脂母材 50質量部 (アクリルポリオール:「LR−1503」、三菱レーヨン社製) 溶剤(トルエン) 150質量部《硬化剤》 イソシアネート化合物 5質量部 (コロネートL:固形分75質量%、日本ポリウレタン社製) 【0037】(実施例6) 《可逆性記録層を有する記録基材の作成》188μm厚の透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に、下記に示す書換え可能・可視化可能な可逆性記録層用組成物をテトラヒドロフランに溶解した塗布液を塗工し、110℃で5分間、加熱乾燥した。その後、160W/cm・10m/分でUV光を照射して、厚さ10μmの可逆性記録層を形成した。 (可逆性記録層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) テトラエチレングリコールジアクリレート 50質量部 光重合開始剤 2質量部 (チバガイギー社製、商品名「イルガキュア−184」) ステアリン酸ステアリル 40質量部 エイコサン二酸 8質量部【0038】《光熱変換層を含む光熱変換基材の作成》離型処理が施された25μm厚のPETフィルムの離型面上に、下記に示す光熱変換層用塗布液を塗工し、130℃で5分間、加熱乾燥して、厚さ1μmの光熱変換物質を含有する光熱変換層を形成した。次いで、その上に、アルミニウム蒸着層、4μm厚の接着剤層を順次積層し、転写フィルムを作成した。次に、得られた転写フィルムをテープ状に切断した。 (光熱変換層を含む転写フィルム) ポリエステル−ポリウレタン共重合体 257 (東洋紡績社製、商品名「バイロンUR−8200」、固形分濃度30質量%) イソシアネート化合物 21質量部 (日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%) フタロシアニン系色素(山本化成社製、商品名「D99−038」)7質量部 メチルイソブチルケトン 170質量部 トルエン 170質量部【0039】《情報記録媒体の作成》オーバーシートとして用意した300μm厚の非晶性ポリエステルシートに、得られたテープ上の転写フィルムを転写した後、離型PETフィルムを剥がした。次に、得られた記録基材の記録層と、オーバーシートに転写された転写フィルムの光熱変換層とが接するように重ねた。また、記録基材と非晶性ポリエステルシートとの間にアンテナ用ループコイルを配線したICチップとを挟み、プレス温度が120℃、プレス圧力が20kg/cm2、プレス時間が30分で加熱プレスを行って積層体を形成し、情報記録媒体を形成した。得られた情報記録媒体を裁断し、打ち抜いて、大きさが54mm×86mmのカード形状の情報記録媒体を作製した。 【0040】実施例1から実施例6において作製したカード形状の情報記録媒体を、半導体レーザが搭載された専用カードリーダ・ライタを用いて、印字と消去の繰り返し動作を3,000回行ったところ、印字性、消去性に低下はなく、かつ、物理的劣化も見られなかった。特に、実施例2又は実施例4のように、中間シートとして100μm厚のポリエステルシートを配置すると、ICチップ等の凹凸を吸収し、表面が平坦なカードに仕上げることができる。また、実施例6のように、光熱変換層を含む転写フィルムを用いると、実施例1のような支持体が不要となり、薄い光熱変換層を形成できるため、プレス加工後、凹凸を吸収し、表面が平坦なカードに仕上げることができる。このように、実施例2,4,6に準ずれば、表面が平坦なカードを製造することができ、印刷等の2次加工にとって、特に有利である。 【0041】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、耐久性のある印刷層を設けることができ、かつ、印字と消去の繰り返し動作に対して物理的劣化の生じない、リライト耐久性に優れた情報記録媒体を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006172 【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目5番2号
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| 【出願日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107939 【弁理士】 【氏名又は名称】大島 由美子 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−182250(P2003−182250A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−389403(P2001−389403) |
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