| 【発明の名称】 |
感熱記録材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 久容 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】南 一守 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】山田 悟 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を発色成分として含み、良好な青〜シアン色の発色濃度が得られ、形成画像の画像部の褪色や地肌部の光着色が抑えられ、耐光性に特に優れた感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に感熱記録層を有する感熱記録材料において、前記感熱記録層が、下記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩とを含むことを特徴とする感熱記録材料である〔R1:H、アルキル基;R2,R3:H、アルキル基、アリール基;Ar:アリール基;X1〜X4:N、CH〕。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に感熱記録層を有する感熱記録材料において、前記感熱記録層が、下記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩とを含むことを特徴とする感熱記録材料。 【化1】
〔一般式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Arは、アリール基を表す。X1、X2、X3、及びX4は、それぞれ独立にN、CHを表す。〕 【請求項2】 サリチル酸金属塩が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の感熱記録材料。 【化2】
〔一般式(2)中、Y1、Y2、Y3、及びY4は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表し、Mは、Al、Zn、Cuを表す。nは2又は3を表す。〕
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を用いた発色系であって、画像品質の良好な感熱記録材料に関する。 【0002】 【従来の技術】電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を発色成分として使用した記録材料としては、感圧紙、感熱紙、感光感圧紙、通電感熱記録紙、感熱転写紙などとして既に広く知られている。例えば、英国特許2,140,449号、米国特許4,480,052号、同4,436,920号、特公昭60−123,556号、同60−123,557号などに詳しく記載されている。 【0003】近年では、記録材料の高画質化が求められる状況にあり、特に画像濃度、画像部及び地肌部(非画像部)の堅牢性(画像安定性、白色性)等の特性改良に関する研究が盛んに行われている。 【0004】発色成分のうち、青〜シアン色の画像を与える電子供与性染料前駆体としては、トリフェニルメタンフタリド化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物など種々のものが知られており、電子受容性化合物としては、ビスフェノール系やサリチル酸亜鉛系の化合物が知られている。しかしながら、発色形成された画像部が熱や光によって褪色するなど、画像の堅牢性(画像安定性)の点で問題があり、地肌部においても光に曝されると徐々に着色(以下、「光着色」ということがある。)し、地肌部の白色性や画像コントラストが低下するといった問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このように、青〜シアン色に良好に発色し得る発色系であっても、画像部の熱や光に対する堅牢性に優れ、地肌部での光着色が抑えられ、地肌白色度の高い画像が安定的に得られ、かつ長期間保持することの可能な記録材料は、未だ提供するまでに至っていないのが現状である。以上の状況を踏まえ、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、【0006】本発明は、電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を発色成分として含み、青〜シアン色の発色濃度が良好であり、形成画像の画像部の褪色や地肌部(非画像部)の光着色が抑えられ、画像堅牢性(特に耐光性)に優れ、地肌白色性及び画像コントラストの良好な画像を形成、保持し得る感熱記録材料を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、青〜シアン色に良好に発色し得る発色系において、その発色性を維持しつつ、耐光性(画像安定性、地肌白色性)を高める技術の検討を重ねた結果、特にベンゾイルアミノ基を有する電子供与性染料前駆体を発色させる顕色剤としてサリチル酸金属塩が有用であるとの知見を得た。上記知見に基づき、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。 【0008】<1> 支持体上に感熱記録層を有する感熱記録材料において、前記感熱記録層が、下記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩とを含むことを特徴とする感熱記録材料である。 【0009】 【化3】
【0010】前記一般式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基を表す。Arは、アリール基を表す。X1、X2、X3、及びX4は、それぞれ独立にN、CHを表す。 【0011】<2> サリチル酸金属塩が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1>に記載の感熱記録材料である。 【0012】 【化4】
【0013】前記一般式(2)中、Y1、Y2、Y3、及びY4は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表し、Mは、Al、Zn、Cuを表す。nは2又は3を表す。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料においては、発色成分として、以下に示す一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩とを含有する。以下、本発明の感熱記録材料について詳細に説明する。 【0015】本発明の感熱記録材料は、支持体上に、一層若しくは二層以上の感熱記録層を有してなり、必要に応じて、保護層等の他の層を有していてもよい。 −感熱記録層−前記感熱記録層(以下、「本発明に係る感熱記録層」と称する。)は、下記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体と、該電子供与性染料前駆体と反応して発色させる顕色剤としてのサリチル酸金属塩と、を少なくとも含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。該層において、前記電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物の少なくとも一方がマイクロカプセルに内包されてもよい。 【0016】〈一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体〉本発明に係る感熱記録層には、発色成分の一方である電子供与性染料前駆体として、下記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体を含有する。該電子供与性染料前駆体は、構造中にベンゾイルアミノ基を有しており、後述のサリチル酸金属塩との反応作用により、青〜シアン色の良好な発色画像を与えると共に、特に画像褪色のない画像安定性、地肌部(非画像部)の白色性を保持し得る耐光性を高めることができる。 【0017】 【化5】
【0018】前記一般式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基を表す。前記R1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。上記のうち、R1としては、n−プロピル基が特に好ましい。 【0019】前記一般式(1)中、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。 【0020】前記R2で表されるアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、等が挙げられる。前記R2で表されるアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。例えば、置換若しくは無置換のフェニル基が好適に挙げられ、フェニル基のほか、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、等が挙げられる。上記の中でも、前記R2としては、水素原子、メチル基、フェニル基が特に好ましい。 【0021】前記R3で表されるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。該アルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−フェノキシエチル基、2−フェノキシプロピル基、3−フェノキシプロピル基、2−クロロエチル基、等が好適に挙げられる。 【0022】前記R3で表されるアリール基としては、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。該アリール基も、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。具体的には、例えば、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、等が好適に挙げられる。 【0023】上記の中でも、前記R3としては、オクチル基が特に好ましい。 【0024】前記一般式(1)中のArは、アリール基を表す。該アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、炭素数6〜9のアリール基がより好ましい。該アリール基は、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。具体的には、例えば、ベンジル基、2−フェネチル基、1−フェネチル基、フェニル基、p−トリル基、等が好適に挙げられる。中でも、フェニル基が特に好ましい。 【0025】前記一般式(1)中のX1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、N(窒素原子)、CHを表し、好ましくはX1がNを、X2、X3及びX4がCHを表す。 【0026】以下、前記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体(インドリルアザフタリド化合物)の具体例(例示化合物1−1〜1−20)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。 【0027】 【化6】
【0028】 【化7】
【0029】前記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体の感熱記録層における含有量としては、0.05〜1.5g/cm2が好ましく、0.1〜0.5g/cm2がより好ましい。前記含有量が、0.05g/cm2未満であると、発色濃度が低下することがあり、1.5g/cm2を超えると、耐光性が著しく低下することがある。 【0030】尚、感熱記録層には、前記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体と共に、本発明の効果を損なわず、かつ電子供与性染料前駆体の総量が上記含有量の範囲内となる範囲で、公知の電子供与性染料前駆体を適宜選択し併用することもできる。 【0031】〈サリチル酸金属塩〉サリチル酸金属塩は、既述の一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物(顕色剤)として含有する。前記サリチル酸金属塩としては、広く公知のものの中から適宜選択することができる。中でも特に、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。 【0032】 【化8】
【0033】前記一般式(2)中、Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。前記Y1〜Y4で表されるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、該アルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、等で置換されていてもよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、3−トリメチル−1−ジメチルプロピル基、1−ジフェニルエチル基、等が挙げられる。 【0034】前記Y1〜Y4で表されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜6のシクロアルキル基が好ましく、該シクロアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、等で置換されていてもよい。具体的には、(置換)シクロペンチル基、(置換)シクロヘキシル基等が挙げられる。 【0035】前記Y1〜Y4で表されるアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、該アリール基は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、等で置換されていてもよい。具体的には、例えば、−CH(CH3)C6H5、−CH(C6H5)−(CH2)2−CH(C6H5)CH3、−C(CH3)2C6H5、ナフチル基、等が挙げられる。 【0036】上記の中でも、Y1〜Y4としては、α−メチルベンジル基、α−ジメチルベンジル基が特に好ましい。 【0037】前記一般式(2)中のMは、Al、Zn、Cuを表し、好ましくはZnを表す。また、nは、2又は3を表し、好ましくは2を表す。 【0038】以下、前記サリチル酸金属塩の具体例(例示化合物2−1〜2−20)を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。尚、各基中の点印(・)は結合部位を示す。 【0039】 【化9】
【0040】 【化10】
【0041】前記サリチル酸金属塩の感熱記録層における含有量としては、既述の電子供与性染料前駆体の総質量の0.1〜50倍が好ましく、5〜30倍がより好ましい。前記含有量が、0.1倍未満であると、十分な耐光性が得られず、発色画像の光褪色や地肌部の光着色を生じたり、発色濃度が低下することがあり、50倍を超えると、耐光性が著しく低下することがある。尚、感熱記録層には、前記サリチル酸金属塩と共に、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の電子受容性化合物を適宜選択し併用してもよい。 【0042】〈他の成分〉感熱記録層には、必要に応じて適宜他の成分を添加してもよい。即ち、耐光性を更に向上させる目的で、酸化防止剤が添加される。該酸化防止剤としては、公知のものから適宜選択でき、例えば、ヨーロッパ公開特許第310551号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、ヨーロッパ公開特許第310552号公報、特開平3−121449号公報、ヨーロッパ公開特許第459416号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第4814262号、特開昭54−48535号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4980275号、特開昭63−113536号公報、特開昭62−262047号公報、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、ヨーロッパ公開特許第309402号公報、ヨーロッパ公開特許第309401号公報、等に記載のものが挙げられる。 【0043】更に、既に感熱記録材料、感圧記録材料として公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の一例として、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05−188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報、等に記載の化合物が挙げられる。 【0044】バインダーとして、従来公知のものを添加してもよい。例えば、ポリビニルアルコールやゼラチン等の水溶性高分子やポリマーラテックス等が挙げられる。 【0045】本発明において、上述の一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体、サリチル酸金属塩、及び他の電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物等、並びに他の成分の使用形態については、特に限定はなく、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化して使用する方法、などが挙げられる。例えば、一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体及びサリチル酸金属塩(並びに必要により他の成分)は、例えば界面活性剤、水溶性高分子等と共に、ボールミルやサンドミル等により固体分散して用いてもよいし、特に発色成分については、保存性の観点から、その少なくとも一方(好ましくは電子供与性染料前駆体)をマイクロカプセル化して使用してもよい。 【0046】マイクロカプセル形成方法としては、従来公知のマイクロカプセルの形成方法(米国特許第3,726,804号、同第3,796,669号等の明細書など)を用いることができ、具体的には界面重合法や内部重合法が適している。具体的には、電子供与性染料前駆体を、マイクロカプセル壁前駆体(壁材)や界面活性剤等の他の成分と共に水に難溶又は不溶の有機溶剤に溶解して油相とし、これを水溶性高分子及び必要に応じて界面活性剤等の他の成分を含む水溶液(水相)中に添加してホモジナイザーなどにより乳化分散し、昇温してマイクロカプセル壁となる高分子膜(壁膜)を油/水界面に形成してマイクロカプセル液を得る。このとき、マイクロカプセル壁前駆体(壁材)は、上記油相ではなく水相に、あるいは油相と水相の両相に、含有させてもよい。 【0047】壁膜となる高分子物質(壁材)としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリレート共重合体樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセルが好ましい。 【0048】以下、電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)の製造方法を一例に説明する。まず、電子供与性染料前駆体は、カプセルの芯となる疎水性の有機溶媒(必要に応じ低沸点溶媒を含む)に溶解又は分散させ、マイクロカプセルの芯となる油相を調製する。このとき、好ましくは該油相側に、壁材としての多価イソシアネートや、均一に乳化分散し安定化させる目的で界面活性剤が添加される。また、適宜褪色防止剤やステイン防止剤等の添加剤が添加される。続いて、調製した油相を水相中に乳化分散する。このとき、水相には水溶性高分子を溶解した水溶液を使用し、これに前記油相を投入後、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行う。均一に乳化分散し安定化させる点で、好ましくは前記水相中にも界面活性剤が添加される。尚、前記水溶性高分子は、分散を均一かつ容易にするとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。そして、水相中に油相を加えた乳化分散液中では、油相と水相の界面において多価イソシアネートの重合反応が生じてポリウレア壁が形成される。 【0049】前記多価イソシアネート化合物としては、3官能以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましく、2官能のイソシアネート化合物であってもよい。具体的には、キシレンジイソシアネート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びその水添物、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等が挙げられる。特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特願平8−268721号等に記載の化合物も好ましい。 【0050】多価イソシアネートの使用量としては、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが0.01〜0.3μmとなるように決定され、その分散粒子径としては、0.2〜10μm程度が一般的である。 【0051】前記油相の調製に際し、電子供与性染料前駆体を溶解、分散する前記疎水性の有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましく、例えば、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、アルキルビフェニル、アルキルターフェニル、塩素化パラフィン、リン酸エステル類、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、炭酸エステル類、エーテル類、硫酸エステル類、スルホン酸エステル類等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。また、有機溶媒に対する溶解性が劣る場合は、電子供与性染料前駆体の溶解性の高い低沸点溶媒(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン等)を補助的に併用してもよい。 【0052】即ち、電子供与性染料前駆体は、疎水性の有機溶媒、低沸点溶媒に対する適当な溶解度を有することが好ましく、具体的には、電子供与性染料前駆体の濃度調整を容易に行い得る点で、溶媒への溶解度は5%以上が好ましい。尚、水に対する溶解度は1%以下が好ましい。 【0053】前記水相に用いる水溶性高分子としては、乳化しようとする温度における、水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール及びその変成物、ポリアクリル酸アミド及びその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。また、前記水溶性高分子は、イソシアネート化合物との反応性がないか、若しくは低いことが好ましく、例えば、ゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有するものは、予め変成する等して反応性をなくしておくことが望ましい。 【0054】前記乳化は、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等の公知の乳化装置の中から適宜選択して行うことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させる目的で、乳化物は30〜70℃に加温される。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、十分な攪拌を行う等の必要がある。また、反応中に凝集防止用の分散物を添加してもよい。重合反応時は、その進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的の電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセルを得ることができる。 【0055】一方、感熱記録層形成用の塗布液(感熱記録層用塗布液)の調製において、前記電子供与性染料前駆体を発色させるサリチル酸金属塩(及び必要により他の電子受容性化合物)は、上記のように固体分散して用いることもできるが、特に好ましくは、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることが好ましい。必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いてもよい。 【0056】更に、サリチル酸金属塩(及び必要により他の電子受容性化合物)、有機塩基等は、別々に乳化分散することも、混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、乳化分散することも可能である。好ましい乳化分散粒子径は1μm以下である。前記高沸点有機溶剤としては、例えば特開平2−141279号公報に記載の高沸点オイルの中から適宜選択でき、乳化安定性の点で、エステル類が好ましく、リン酸トリクレジルが特に好ましい。前記低沸点溶剤としては、油相における前記低沸点溶媒と同様のものが挙げられる。 【0057】また、水相に含有する界面活性剤としては、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤であって、水溶性高分子と沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択でき、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。 【0058】−多色感熱記録層−支持体上に複数の感熱記録層を有してなる場合においては、各感熱記録層の発色色相を変えることにより、多色感熱記録層を有するの感熱記録材料とすることができる。即ち、各感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選べばフルカラーの画像記録が可能となる。この場合、支持体に最も近い感熱記録層(最下層)として、前記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩を含む本発明に係る感熱記録層を形成し、該層上に、例えば、ジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と熱時反応して発色させるカプラー化合物とを組合せたジアゾ発色系、塩基性化合物と接触して発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応を起こし発色する発色系、等の、互いに発色色相の異なる感熱記録層を2層以上設ければよい。 【0059】ここで、ジアゾ発色系の感熱記録層としては光定着型感熱記録層が好適であり、該層を構成する、発色成分であるジアゾニウム塩及びカプラー化合物、並びにこれら発色成分の発色反応を促進する塩基性物質などは、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、特公平4−75147号公報、特公平6−55546号公報、特公平6−79867号公報、特開平4−201483号公報、特開昭60−49991号公報、特開昭60−242094号公報、特開昭61−5983号公報、特開昭63−87125号公報、特開平4−59287号公報、特開平5−185717号公報、特開平7−88356号公報、特開平7−96671号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−38389号公報、特開平5−185736号公報、特開平5−8544号公報、特開昭59−190866号公報、特開昭62−55190号公報、特開昭60−6493号公報、特開昭60−259492号公報、特開昭63−318546号公報、特開平4−65291号公報、特開平5−204089号公報、特開平8−310133号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−156229号公報、特開平9−175017号公報、等に記載のものが挙げられる。 【0060】フルカラー感熱記録材料の層構成としては、例えば、以下のような形態で構成されていてもよい。但し、これらに限定されるものではない。感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩を、それぞれのジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に発色させうるカプラー化合物と組合せて別々の層に含有させてなる、発色色相の異なる2層の感熱記録層(B層、C層)と、本発明に係る感熱記録層(A層)とを積層したフルカラー感熱記録材料であってもよい。具体的には、支持体側から、前記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩を含む本発明に係る第一の感熱記録層(A層)、極大吸収波長が360nm±20nmであるジアゾニウム塩とこれと熱時反応して発色させるカプラー化合物を含む第二の感熱記録層(B層)、極大吸収波長が400±20nmであるジアゾニウム塩とこれと熱時反応して発色させるカプラー化合物を含む第三の感熱記録層(C層)を順次積層してなるものでもよい。 【0061】多色感熱記録材料の場合、以下のようにして記録することができる。まず、第三の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩とカプラー化合物とを発色させる。次いで、400±20nmの光を照射してC層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩を分解させる。次に、第二の感熱記録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に含まれているジアゾニウム塩とカプラー化合物とを発色させる。このときC層も同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。この後、360±20nmの光を照射してB層に含まれているジアゾニウム塩を分解させる。最後に、本発明に係る感熱記録層(A層)が発色するに十分な熱を与えて発色させる。このとき、C層、B層のも同時に強く加熱されるが、既にジアゾニウム塩は分解しており、発色能力が失われているので発色しない。 【0062】発色色相の異なる複数の感熱発色層を積層する場合には、混色等を防止するため中間層を設けることができる。該中間層は、水溶性高分子化合物を含有してなり、該水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−マレイン酸共重合体、ゼラチン、等が挙げられる。 【0063】以上のように、前記一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体とサリチル酸金属塩とを発色成分とするので、発色濃度の良好な青〜シアン色の画像を形成し得、しかも耐光性(画像安定性及び地肌白色性)を向上させることができる。したがって、画像褪色がなく、地肌部の光着色のない堅牢な画像を安定的に形成、保持することができる。 【0064】 【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。 【0065】(実施例1) <フタル化ゼラチン溶液の調製>フタル化ゼラチン(商品名:#801ゼラチン、新田ゼラチン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液、大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。 【0066】<感熱記録層用塗布液の調製>−電子供与性染料前駆体分散液aの調製−上記より得たフタル化ゼラチン溶液5.63部に、イオン交換水12.08部と、既に例示の電子供与性染料前駆体(例示化合物1−2;一般式(1)で表される化合物)1.50部と、2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウムの2%水溶液0.38部とを混合して、ボールミルにより一晩分散させ、電子供与性染料前駆体分散液aを得た。この分散液中で分散状態にある電子供与性染料前駆体の、LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて測定した平均粒子径は、1.2μmであった。 【0067】−サリチル酸金属塩分散液の調製−上記より得たフタル化ゼラチン溶液3.75部に、イオン交換水10.02部と、既に例示のサリチル酸金属塩(例示化合物2−1;一般式(2)で表される化合物)5.0部と、2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウムの2%水溶液1.25部とを混合して、ボールミルにより一晩分散させ、サリチル酸金属塩分散液を得た。この分散液中で分散状態にあるサリチル酸金属塩の、LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて測定した平均粒子径は、0.5μmであり、固形分濃度は26.3%であった。 【0068】−感熱記録層用塗布液aの調製−上記より得た、電子供与性染料前駆体分散液aとサリチル酸金属塩分散液とを、電子供与性染料前駆体/サリチル酸金属塩の比(質量比)が1/20となるように混合し、感熱記録層用塗布液aを得た。 【0069】<中間層用塗布液の調製>−アルカリ処理ゼラチン水溶液(1)の調製−アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名:#750ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)100.0部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)2.857部、水酸化カルシウム0.5部、及びイオン交換水521.643部を混合し、50℃にて溶解し、中間層用塗布液調製用のアルカリ処理ゼラチン水溶液(1)を得た。 【0070】−中間層用塗布液の調製−上記より得たアルカリ処理ゼラチン水溶液(1)10.0部と、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(2.0%水溶液、三共化学(株)製)0.05部と、硼酸(4%水溶液)1.5部と、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)の5%水溶液0.19部と、下記化合物(J)の4%水溶液3.42部と、下記化合物(J’)の4%水溶液1.13部と、イオン交換水0.67部とを混合し、中間層用塗布液を得た。 【0071】 【化11】
【0072】<保護層用PVA溶液の調製>ビニルアルコール/アルキルビニルエーテル共重合体(商品名:EP−130、電気化学工業(株)製)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルとの混合物(商品名:ネオスコアCM−57(54%水溶液)、東邦化学工業(株)製)8.74部、及びイオン交換水3832部を混合し、90℃下で1時間溶解して、均一な保護層用PVA溶液を得た。 【0073】<感熱記録材料の作製>支持体として、75μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)支持体を用意し、該PET支持体上に、メイヤーバーにより、上記より得た感熱記録層用塗布液aを電子供与性染料前駆体の塗布量が0.361g/cm2となるように塗布し、乾燥して感熱記録層を形成した。続いて、該感熱記録層上に、上記より得た中間層用塗布液を、固形分塗布量が2.39g/cm2となるように塗布、乾燥し、形成された中間層上に、更に上記より得た保護層用PVA溶液を、固形分塗布量が1.39g/cm2となるように塗布し、乾燥して、本発明の感熱記録材料(1)を得た。 【0074】(実施例2)実施例1において、サリチル酸金属塩分散液の調製に用いたサリチル酸金属塩を既述の例示化合物2−4(一般式(2)で表される化合物)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(2)を得た。 【0075】(実施例3)実施例1において、サリチル酸金属塩分散液の調製に用いたサリチル酸金属塩を既述の例示化合物2−7(一般式(2)で表される化合物)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(3)を得た。 【0076】(比較例1) <アルカリ処理ゼラチン水溶液(2)の調製>アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名:#750ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)33.8部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.965部、水酸化カルシウム0.2026部、及びイオン交換水152.7部を混合し、50℃にて溶解し、アルカリ処理ゼラチン水溶液(2)を得た。 【0077】<感熱記録層用塗布液の調製>−電子供与性染料前駆体分散液bの調製−実施例1で調製したフタル化ゼラチン溶液5.63部に、イオン交換水12.08部と、下記電子供与性染料前駆体1.50部と、2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウムの2%水溶液0.38部とを混合して、ボールミルにより一晩分散させ、電子供与性染料前駆体分散液bを得た。この分散液b中で分散状態にある電子供与性染料前駆体の、LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて測定した平均粒子径は、1.18μmであった。 【0078】 【化12】
【0079】−電子受容性化合物分散液の調製−上記より得たフタル化ゼラチン溶液3.75部に、イオン交換水10.02部と、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名:ビスフェノールP、三井石油化学(株)製;電子受容性化合物)5.0部と、2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウムの2%水溶液1.25部とを混合して、ボールミルにより一晩分散させ、分散液とした。この分散液の固形分濃度は26.3%であった。そして、この分散液17.87部に、上記より得たアルカリ処理ゼラチン水溶液(2)8.47部を加えて30分間攪拌した後、該分散液の固形分濃度が23.5%となるように更にイオン交換水を加えて電子受容性化合物分散液を得た。得られた電子受容性化合物分散液中の電子受容性化合物の、LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて測定した平均粒子径は、0.51μmであった。 【0080】−感熱記録層用塗布液bの調製−上記より得た、電子供与性染料前駆体分散液bと電子受容性化合物分散液とを、電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物の比(質量比)が1/10となるように混合し、感熱記録層用塗布液bを得た。 【0081】<感熱記録材料の作製>実施例1と同様の、75μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)支持体を用意し、該PET支持体上に、メイヤーバーにより、上記より得た感熱記録層用塗布液aを電子供与性染料前駆体の塗布量が0.361g/cm2となるように塗布し、乾燥して感熱記録層を形成した。続いて、該感熱記録層上に、上記より得た中間層用塗布液を、固形分塗布量が2.39g/cm2となるように塗布、乾燥し、形成された中間層上に、更に上記より得た保護層用PVA溶液を、固形分塗布量が1.39g/cm2となるように塗布し、乾燥して、比較の感熱記録材料(4)を得た。 【0082】<画像形成及び評価>(1) 画像耐光性試験まず、上記より得られた、本発明の感熱記録材料(1)〜(3)及び比較の感熱記録材料(4)の各々について、サーマルヘッド(KST型、京セラ(株)製)を用いて熱印画し、それぞれにシアン色の画像を形成した。形成されたシアン色の画像部に対し、まず照射前の画像部のシアン濃度(C0)をX−rite反射濃度計(X−rite社製)を用いて測定しておき、キセノンフェードメーターによりキセノン光を照射(72時間、144時間、288時間)した。そして、照射後のシアン濃度(C1)を上記同様にして測定した。得られた濃度C0及びC1から濃度残存率(C1/C0)を求め、耐光性を評価するための指標とした。尚、C1/C0値の大きい方が耐光性に優れることを示す。 【0083】(2) 地肌白色度シアン色の画像が形成された各感熱記録材料について、前記「(1) 画像耐光性試験」と同様にしてキセノン光を照射し、照射後の地肌部(非画像部)の濃度(O.Dyellow)を、X−rite反射濃度計(X−rite社製)を用いて測定した。 【0084】 【表1】
【0085】上記表1に示すように、一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体及びサリチル酸金属塩を発色成分とした感熱記録材料(1)〜(3)では、シアン濃度が高く、地肌白色度が良好で高コントラストの画像が得られ、しかも形成された画像は良好な耐光性を示した。一方、特定の電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を併用しなかった感熱記録材料(4)では、光による画像褪色、地肌着色が顕著であり、十分な耐光性が得られなかった。 【0086】 【発明の効果】本発明によれば、電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を発色成分とする発色系であって、青〜シアン色の発色濃度が良好であり、形成画像の画像部の褪色や地肌部(非画像部)の光着色が抑えられ、画像堅牢性(特に耐光性)に優れ、地肌白色性及び画像コントラストの良好な画像を形成、保持し得る感熱記録材料を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−182240(P2003−182240A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−384125(P2001−384125) |
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