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【発明の名称】 可逆性感熱記録媒体及び該記録媒体を備えた情報記録表示カード
【発明者】 【氏名】植田 秀昭
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

【氏名】寺阪 佳久
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

【氏名】中村 光俊
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

【氏名】藤野 泰光
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

【氏名】美譽志 達彦
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

【要約】 【課題】保護層の耐摩耗性の向上を図り、かつ、液晶性化合物の紫外線による劣化を防止するようにした可逆性感熱記録媒体及び情報記録表示カードを得る。

【解決手段】基体11上にコレステリック液晶相を示す液晶性化合物を含む書換え可能な感熱記録層12を設け、該記録層12上に保護層15を設けた可逆性感熱記録媒体10。保護層15は紫外線硬化樹脂を主成分とし、滑材及び/又は紫外線吸収剤が含有されている。情報記録表示カードはこの記録媒体10を可視情報表示部として備えている。また、この情報記録表示カードを用いて情報記録表示システムを構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体上にコレステリック液晶相を示す液晶性化合物を含む書換え可能な感熱記録層を設け、該記録層上に保護層を設けた可逆性感熱記録媒体において、前記保護層は紫外線硬化樹脂を主成分とし、かつ、滑材が含有されていることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項2】 基体上にコレステリック液晶相を示す液晶性化合物を含む書換え可能な感熱記録層を設け、該記録層上に保護層を設けた可逆性感熱記録媒体において、前記保護層は紫外線硬化樹脂を主成分とし、かつ、紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項3】 前記保護層に滑材が含有されていることを特徴とする請求項2記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項4】 前記液晶性化合物は分子量が1000〜2000であり、ガラス転移温度が50℃以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の可逆性感熱記録媒体を用いたカラー表示の書換えが可能な可視情報表示部を備えたことを特徴とする情報記録表示カード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示の書換えが可能な可逆性感熱記録媒体、該記録媒体を備えた情報記録表示カード及び該カードを用いる情報記録表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】近年、省資源、リサイクルに対する関心が高まっている中で、紙などの記録媒体を繰り返して使用できることが望まれている。このような技術開発に対する取り組みにおいては、簡易な手段によって省エネルギーによる記録、消去が可能なリライタブルな記録・表示材料が注目されている。この種の可逆性記録表示材料は、記録媒体をリサイクルするという目的の他に、ICカード、磁気カード、光カード等に記録された内部情報やその他必要とされる情報を可視化するという目的にも使用でき、様々な応用が可能である。
【0003】従来、可逆性感熱記録材料としては、ロイコ染料/顕減色剤、有機低分子/高分子樹脂マトリクス、高分子コレステリック液晶が知られている。しかし、これらの記録材料は、フルカラーの表示ができなかったり、表示を完成させるのに時間を要したりしていた。
【0004】このような問題点に鑑みて、本出願人は、特開2000−90229号公報として、等方相転移温度が融点より高いコレステリック液晶性化合物を主成分とする書換え可能な可視情報表示部を備えた情報記録表示カード及びそれを用いた情報記録表示システムを提案した。ここで使用される記録媒体は、基体上にコレステリック液晶性化合物を主成分とする書換え可能な感熱記録層を設け、さらにその上に保護層を設けたものである。
【0005】しかしながら、この記録媒体にあっては、記録するためにサーマルヘッドが保護層上を摺動したり、記録媒体をヒートローラ間を通過させ、あるいはホットスタンプを押圧するために、保護層が摩耗しやすく、表示された文字等が滲み、耐久性に欠けるという問題点が見出された。また、液晶性化合物は紫外線で劣化しやすく、その対策が求められている。
【0006】そこで、本発明の目的は、保護層の耐摩耗性の向上を図り、耐久性の良好な可逆性感熱記録媒体、該記録媒体を備えた情報記録表示カード及び該カードを用いる情報記録表示システムを提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、液晶性化合物の紫外線による劣化を防止することのできる可逆性感熱記録媒体、該記録媒体を備えた情報記録表示カード及び該カードを用いた情報記録表示システムを提供することにある。
【0008】
【発明の構成、作用及び効果】以上の目的を達成するため、第1の発明に係る可逆性感熱記録媒体は、基体上にコレステリック液晶相を示す液晶性化合物を含む書換え可能な感熱記録層を設け、該記録層上に保護層を設けた可逆性感熱記録媒体において、前記保護層は紫外線硬化樹脂を主成分とし、かつ、滑材が含有されていることを特徴とする。
【0009】第1の発明に係る可逆性感熱記録媒体に対しては、サーマルヘッドによる加熱によって、レーザビーム走査装置から照射される光エネルギーやマスクを介して露光されるフラッシュ光のエネルギーによって、あるいはホットスタンプから加えられる加熱によって、文字、数字、図形等の画像が書き込まれる。また、ホットスタンプやヒートローラ等による全面加熱や光エネルギーの全面露光等で表示情報が消去される。
【0010】第1の発明に係る可逆性感熱記録媒体においては、保護層が紫外線硬化樹脂を主成分とするため、感熱記録層上に保護層を容易に形成することができ、かつ、保護層には滑材が含有されているため、表面が滑らかで耐摩耗性が向上する。従って、サーマルヘッドやヒートローラ、ホットスタンプに対する耐久性が良好であり、表示された文字等に滲みが生じることもない。
【0011】第2の発明に係る可逆性感熱記録媒体は、基体上にコレステリック液晶相を示す液晶性化合物を含む書換え可能な感熱記録層を設け、該記録層上に保護層を設けた可逆性感熱記録媒体において、前記保護層は紫外線硬化樹脂を主成分とし、かつ、紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする。保護層には滑材が含有されていてもよい。
【0012】第2の発明に係る可逆性感熱記録媒体においては、前記第1の発明に係る可逆性感熱記録媒体と同様に、保護層が紫外線硬化樹脂を主成分とするため、感熱記録層上に保護層を容易に形成することができる。また、保護層に紫外線吸収剤が含有されているため、液晶性化合物を紫外線の照射による劣化から保護することができ、また、保護層自体の劣化や、表示欠陥等を有効に防止することができる。
【0013】前記第1及び第2の発明に係る可逆性感熱記録媒体において、コレステリック液晶性化合物は分子量が1000〜2000であり、ガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。分子量が1000〜2000程度の中分子コレステリック液晶性化合物は、加熱温度を制御することで所望の色を高速で表示することが可能であり、フルカラーの表示が可能である。また、再加熱によって表示を消去することができる。分子量が1000よりも小さいとメモリ性が低くなってしまい、分子量が2000よりも大きいと書込みに対する応答性が悪くなったり、コレステリック液晶相への転移温度が高くなりすぎる。また、ガラス転移温度が50℃以上であれば、常温で表示色が変化することを回避できる。
【0014】この種の中分子コレステリック液晶性化合物の代表的なものとしては、例えば、下記化学構造式(A)〜(G)で表される化合物を挙げることができる。
【0015】
【化1】

【0016】
【化2】

【0017】
【化3】

【0018】
【化4】

【0019】
【化5】

【0020】
【化6】

【0021】
【化7】

【0022】これらの化合物は、単独あるいは複数種を組み合わせて用いてもよく、他のコレステリック液晶性化合物と組み合わせて用いてもよい。特に、複数種類の中分子コレステリック液晶性化合物を組み合わせて用いることで、表示の高速化や、表示色が多彩で色むらが少なく、色を変化させる温度範囲が広く、温度制御が容易になるなどの利点がある。また、例示した化合物以外にもコレステロール基を有する様々なコレステリック液晶性化合物が使用可能である。
【0023】さらに、感熱記録層は、前記中分子コレステリック液晶性化合物と高分子樹脂との複合膜にて形成してもよい。このような複合膜とすることで、記録層の機械的強度が高められ、媒体が曲げや摩擦に対して強くなる。さらに、この記録層には形状が一定したスペーサが含まれていてもよい。記録層の厚みを均一化することができ、かつ、ヒートローラで表示を消去する場合にも記録層の厚みを一定に維持できる。スペーサとしては、例えば、液晶パネル用として市販されている球形や板状の樹脂微粒子や無機微粒子を用いることができる。
【0024】保護層は前記記録層を機械的あるいは化学的に外部から保護するためのものであり、その主成分である紫外線硬化樹脂は、アクリレート系樹脂を使用することが好ましい。アクリレート系樹脂は滑材を含有させやすく、記録層上に塗布して硬化させることにより比較的広い面積であっても簡単に形成することができる。
【0025】滑材は、例えば0.1〜50重量%の割合で紫外線硬化樹脂に含有される。使用可能な滑材としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、クレー、カオリン、珪藻土、ジルコニウム化合物、ガラス微粒子等の無機化合物微粒子や、オルガノシリカ、オルガノチタニア、アルミナゾル等のハイブリッド微粒子、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂微粒子である。
【0026】また、前記滑材に対しては、シリコンオイル、変性シリコンオイル、シランカップリング材、二硫化モリブデン、チタンカップリング材等の液状の補助滑材を併用してもよい。さらに、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチロールステアリルアミド、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス等のワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類等の高級脂肪酸誘導体も補助滑材として有効に作用する。
【0027】これらの液状又は分子状の補助滑材を併用することによって、レベリング効果が発揮され、サーマルヘッドやホットスタンプ、ヒートローラ等との摩擦による保護層の摩耗や剥離、損傷等を有効に防止することができる。滑材に対する補助滑材の添加は、主滑材と補助滑材との比を100:1から1:1の広範囲で調整することができる。主滑材はその含有量が少なくなると、それだけサーマルヘッド等の滑り性が悪くなるため、ある程度の量が必要となる。
【0028】紫外線吸収剤は、例えば、0.1〜30重量%の割合で紫外線硬化樹脂に含有される。使用可能な紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール誘導体、サリチル酸誘導体、2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、安息香酸誘導体、けい皮酸誘導体、クマリン誘導体等を使用することができる。これらの紫外線吸収剤として市販のものを用いてもよい。
【0029】前記滑材と紫外線吸収剤はそれぞれ単独では保護層の樹脂成分に対して0.1〜30重量%の割合で添加され、添加量が少ないと効果が十分に発揮できず、多すぎると保護層の強度が弱くなり、かえって保護層が摩耗しやすくなる等の問題が発生する。また、滑材と紫外線吸収剤とを併用する場合の合計量は、保護層の樹脂成分に対して1〜40重量%の範囲で調整することが好ましい。
【0030】第3の発明に係る情報記録表示カードは、前記第1又は第2の発明に係る可逆性感熱記録媒体を用いたカラー表示の書換えが可能な可視情報表示部を備えたことを特徴とする。この情報記録表示カードにあっては、前記可逆性感熱記録媒体を使用して必要とされる情報をリライタブルに表示することができ、例えば、カードに内蔵されている非可視情報を可視情報として表示することができる。
【0031】第4の発明に係る情報記録表示システムは、前記第1又は第2の発明に係る可逆性感熱記録媒体を用いたカラー表示の書換えが可能な可視情報表示部を備えた情報記録表示カードを用いることを特徴とする。この情報記録表示システムにあっては、前記可逆性感熱記録媒体を使用して必要とされる情報をリライタブルに表示することができ、例えば、カードに内蔵されている非可視情報を可視情報として表示することができる。
【0032】前記第3の発明に係る情報記録表示カードや第4の発明に係る情報記録表示システムにおいて、例えば、銀行用カードであれば、使用するごとに支払い金額や口座の残高等が書き換えられて表示され、プリペードカードであれば、使用金額と残高がその都度書き換えられて表示され、使用者は目視によってこれらの情報を得ることができる。
【0033】また、前記可逆性感熱記録媒体は内蔵電源や駆動用電極あるいは偏光板等を必要とすることなく情報をカラーで表示することができ、構造が簡単であり、安価に製造することができる。
【0034】さらに、前述のとおり、第1及び第2の発明に係る可逆性感熱記録媒体は、長期間の使用に耐え得るものであるから、繰り返し表示内容が書き換えられ、また、屋内外の様々な環境において使用される第3の発明に係る情報記録表示カードや第4の発明に係る情報記録表示システムにとって特に有用である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る可逆性感熱記録媒体、情報記録表示カード及び情報記録表示システムの実施形態について添付図面を参照して具体的に説明する。なお、以下に示す各実施形態、実施例においては、具体的な物質名を挙げて説明を行っているが、これらはあくまでも一例であり、本発明に係る記録媒体、カード及びシステムはこれらの物質を使用したものに限られず、各種の材料を使用することが可能である。
【0036】(第1実施形態、可逆性感熱記録媒体、図1参照)この可逆性感熱記録媒体10は、図1に示すように、基体11の表面に可逆性感熱記録層12を設け、その上に保護層15を設けたものである。
【0037】基体11には各種のプラスチック材料を用いることができ、例えば、黒色のPET(ポリエチレンテレフタレート)を使用できる。透明な基体や白色等の着色された基体であってもよく、この場合は、基体11の表面あるいは裏面に黒色の光吸収層が形成される。
【0038】感熱記録層12はコレステリック液晶相を示す中分子コレステリック液晶性化合物の単体又は混合物を主体とする液晶層であり、具体的な液晶性化合物については後述する。
【0039】保護層15は、紫外線硬化樹脂に滑材及び/又は紫外線吸収剤を分散させた溶液を感熱記録層12上に塗布し、紫外線を照射して硬化させたものである。
【0040】可逆性感熱記録層12は、等方相転移温度以上に加熱し、降温すると、液晶性化合物がヘリカル軸を基体11に対して垂直方向に向けるコレステリック液晶相を示し、温度に応じた特定の波長の光を反射する。
【0041】例えば、コレステリック液晶性化合物として後述する化学構造式(A1),(B1)で表される化合物を混合したものは、約85℃で赤色、約100℃で緑色、約120℃で青色を示し、それらの温度から急冷することによってその反射状態のまま固体化する。また、約130℃以上に加熱した後、急冷すると透明になる。即ち、ヒートローラ等で130℃以上に加熱した後に急冷すると、感熱記録層12は全面が透明になる。また、ガラス転移温度である約80℃に所定時間保った後に室温まで徐冷した場合も透明になる。このとき、基体11が黒色であると、あるいは基体11の表面又は裏面に光吸収層が設けられていると、黒色に観察される。
【0042】この感熱記録層12に対して、従来知られているサーマルヘッドを用いて部分的に加熱、急冷を行うと、加熱された部分が降温時の温度に応じた反射色を示す。即ち、黒色を背景に液晶の表示色が観察される。図1において、符号12aが透明状態の部分を示し、符号12bがコレステリック液晶相のまま残された部分を示す。従って、サーマルヘッドによって100℃で書込みを行うと、矢印A方向から見ると、緑色の表示を観察することができる。また、85℃、100℃、120℃で選択的に書込みを行うと、フルカラーの表示が可能である。反射率を低く表示したい部分では、黒色表示部分を混ぜ合わせることで結果的に反射率を下げることができる。
【0043】感熱記録層12の表示を消去するには、ヒートローラとの接触あるいは光線の照射にて液晶を融点以上に加熱すればよい。その状態から急冷すると透明になり、徐冷すると白濁する。
【0044】また、画像の書込みは、サーマルヘッド以外に、レーザビーム走査装置によるデジタル露光、マスクを介してのフラッシュ露光あるいはホットスタンプ等によって行うことができる。
【0045】(サーマルプリンタ、図2〜4参照)図2に前記感熱記録層12に情報を書き込むためのサーマルプリンタの一例を示す。このプリンタは、ハウジング50内に、記録媒体10の進行方向Bに沿って、搬送ローラ51,52、サーマルヘッド53、プラテン54、冷却器55、搬送ローラ56,57が設置されている。
【0046】記録媒体10は、入口50aからプリンタ内に進入し、搬送ローラ51,52によってプラテン54とサーマルヘッド53の間に搬送され、ここで情報が書き込まれる。サーマルヘッド53からの加熱の停止後自然に急冷されて、書込みの固定化が図られる。その後、記録媒体10は搬送ローラ56,57によって出口50bから排出される。
【0047】なお、記録媒体10の感熱記録層12はサーマルヘッド53に設けられた各発熱体を通過した後、自然冷却によって急冷されることになるので、記録層12の冷却手段は本来不要であるが、より確実に表示動作を行わせるために、冷却器55を設けた。
【0048】サーマルヘッド53は、図4に示すように、4本の発熱体53r,53g,53b,53eを記録媒体10の進行方向Bに直交する矢印C方向に互いに平行に並べて配置したものである。発熱体53rは赤色、発熱体53gは緑色、発熱体53bは青色にそれぞれ書き込むためのものである。発熱体53eは画像の消去を行うためのものである。各発熱体は進行方向Bに沿って配列された多数の画素成分を有している。
【0049】サーマルヘッド53は、記録媒体10の送り方向Bに直交する方向Cに、記録媒体10の進行に同期して往復運動するように構成されている。各発熱体は、C方向移動しながら各色ごとの画像情報に基づいてオン、オフされ、発熱と非加熱とを繰り返すことにより、画素数に等しい数のラインずつ画像を記録層12に書き込み、最終的に1枚のカラー画像を記録層12上に再現する。なお、発熱体による書込みは、温度の高い順、即ち、消去用発熱体53e、青色用発熱体53b、緑色用発熱体53g、赤色用発熱体53rの順で行うことが好ましい。なお、3色及び消去用を1本の発熱体で構成することも可能であるが、温度制御が複雑になるので3色に分けて書き込むことが望ましい。
【0050】また、書き込んだ表示の消去は、同様にサーマルプリンタを用いて消去用の発熱体53eにより融点以上に加熱した後、急冷することにより、記録層12が透明となって表示が消去される。消去は全面でも一部分でもよい。
【0051】なお、ガラス転移温度付近の温度に所定時間保った後、徐冷することによって表示を消去するようにしてもよい。
【0052】図3に前記感熱記録層12に情報を書き込むためのサーマルプリンタの他の例を示す。このプリンタは、ハウジング50内に、記録媒体10の進行方法Bに沿って搬送ローラ51,52、ヒートローラ58,59、冷却器55、サーマルヘッド53、プラテン54、搬送ローラ56,57が設置されている。
【0053】記録媒体10は、入口50aからプリンタ内に進入し、搬送ローラ51,52からヒートローラ58,59へ送られ、ここで融点以上に加熱され、さらに冷却器55で急冷される。ここで初期化が行われ、書き込まれていた情報があれば消去される。次に、記録媒体10はプラテン54とサーマルヘッド53の間に搬送され、ここで情報が書き込まれる。サーマルヘッド53からの加熱の停止後自然に急冷されて、書込みの固定化が図られる。その後、記録媒体10は搬送ローラ56,57によって出口50bから排出される。
【0054】図3に示すサーマルプリンタではサーマルヘッド53の前段でヒートローラ58,59によって記録層12の情報を予め消去する。従って、サーマルヘッド53は発熱体53b,53g,53rで構成され、図4に示した発熱体53eは省略されている。
【0055】なお、記録媒体10の感熱記録層12はサーマルヘッド53に設けられた各発熱体を通過した後、自然冷却によって急冷されることになるので、記録層12の冷却手段は本来不要であるが、より確実に表示動作を行わせるために、いま一つの冷却器を設けてもよい。
【0056】(レーザプリンタ、図5参照)記録媒体10に対しては、図5に示すレーザプリンタを使用して情報を書き込むこともできる。この場合、レーザ光のエネルギーを熱に変換するため、記録媒体10に光熱変換層を設けることが望ましい。光熱変換層はレーザ光を吸収する吸収剤や赤外線吸収剤を添加して得られる。また、基体11に赤外線吸収性の材料を用いてもよい。
【0057】このレーザプリンタは、青色、緑色及び赤色に書き込むための半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等のレーザ68b,68g,68rを駆動回路70によって変調し、それぞれから放射されたレーザビームをコリメータレンズ69b,69g,69rを介してポリゴンミラー71に入射する。ポリゴンミラー71は矢印E方向に回転駆動され、この回転に基づいてレーザビームが偏向され、記録媒体10上を直線状に走査し、記録媒体10が矢印D方向に搬送されることで、記録層12に二次元のカラー情報が書き込まれる。なお、図5には図示されていないが、レーザプリンタにはfθレンズ等の光学素子も当然設置されている。
【0058】書き込む色はレーザの放射エネルギーを制御することによって対応させる。従って、1個のレーザを用いて、各色ごとにレーザビームのエネルギーを制御して書き込むことも可能である。しかし、3個のレーザを用いて色別に書込みを行った方がエネルギーの制御が容易である。また、先に説明したサーマルプリンタと同様に、表示消去用のレーザを設けてもよい。
【0059】(第2実施形態、情報記録表示カード、図6,7参照)情報記録表示カード20は、図6に示すように、カード20の表面に可視情報表示部21を配置し、裏面に不可視情報記録部22を配置したものである。表示部21及び記録部22の断面構造は図7に示すとおりである。即ち、表示部21は前記可逆性感熱記録媒体10と同様に、基体11の表面に感熱記録層12を設け、保護層15で被覆したものである。記録部22は基体11の裏面に記録層25を設け、保護層26で被覆したものである。記録層25には、例えば、フェライト粉末等の磁気記録材や光磁気記録材等が用いられる。
【0060】不可視情報記録部22は図6(B)に示したストライプ状以外にも、方形状など任意の形状、任意の大きさで設けることができ、裏面全体を不可視情報記録部としてもよい。また、透明な基体を使用し、不可視情報記録部が光吸収層を兼ねるようにしてもよい。
【0061】(第3実施形態、情報記録表示カード、図8,9参照)情報記録表示カード30は、図8に示すように、カード30の表面に可視情報表示部21及びIC部分23を配置し、裏面に不可視情報記録部22を配置したものである。表示部21及び記録部22の断面構造は図9に示すとおりである。即ち、表示部21は前述した基体11の表面に光吸収層13を介して感熱記録層12を設け、保護層15で被覆したものである。記録部22は基体11の裏面に記録層25を設け、保護層26で被覆したものである。
【0062】IC部分23は、メモリ手段として使用され、接触式で外部から駆動させるような構造でもよく、あるいは、非接触式で誘導起電力を発生するコイル等を有する構造であってもよい。
【0063】(第4実施形態、情報記録表示システム、図10参照)この情報記録表示システム100は、前記情報記録表示カード20に情報を記録表示するためのもので、可視情報表示部21への記録/消去を行う可視情報記録手段101及び不可視情報記録部22への記録/消去を行う不可視情報記録手段102を含み、さらに、必要に応じて不可視情報記録部22に記録された情報を読み取る不可視情報読取り手段103を備えたものである。
【0064】可視情報記録手段101としては、可視情報表示部21に前述の如くコレステリック液晶性化合物を用いているため、図2又は図3に示したサーマルプリンタや図5に示したレーザプリンタが用いられる。不可視情報記録部22の情報の一部や可視化する方が都合のよい情報が可視情報表示部21にカラー表示され、必要に応じて消去、再表示される。
【0065】不可視情報記録手段102や不可視情報読取り手段103としては、専用に設計されたあるいは市販のカードリーダライタが用いられ、不可視情報記録部22への情報の記録、消去/読取りが行われる。不可視情報記録部22が例えば磁気記録層であれば、磁気ヘッドを用いたリーダライタによって記録が読み取られ、新たな記録が行われ、消去も可能である。リーダライタはそれ自体に情報を入力できる機能を持っていてもよいし、コンピュータ等の外部装置からの入力情報によって制御されてもよい。
【0066】(実施例の説明)次に、本発明に係る可逆性感熱記録媒体及び情報記録表示カードの詳細について、実施例1〜10を挙げて説明する。なお、比較のために比較例1,2も併せて説明する。
【0067】(実施例1)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、以下の化学式(A1),(B1)で表される液晶性化合物を重量比1:2で混合したものを170℃に加熱溶融し、基体上に厚さ10μmとなるように塗布して感熱記録層とした。
【0068】
【化8】

【0069】次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)95重量部、粒径0.03μmの炭酸カルシウム4重量部、シリコンオイル(信越シリコーン社製:KF96)0.5重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が2μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0070】この可逆性感熱記録媒体の全体を80℃で10秒加熱した後徐冷することにより黒色の背景を得た。次に、記録媒体の全体を室温に冷却した後、産電子工業社製リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない青色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び80℃で10秒加熱した後徐冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0071】(実施例2)基体として、厚さ300μmの透明ポリエーテルサルフォンフィルムを用い、その表面に、シリコン樹脂(東芝シリコーン社製:YR3370)にカーボンブラックを分散させ、さらに、触媒(東芝シリコーン社製:CR15)を混合したイソプロピルアルコール溶液を厚さ5μmに塗布し、130℃で熱硬化させて黒色の光吸収層を形成した。その後、光吸収層上に、前記実施例1と同様の感熱記録層を形成した。
【0072】次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)95重量部、粒径0.1μmのシリカ粉末4重量部、ポリエチレンワックス0.5重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が1μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0073】この可逆性感熱記録媒体の全体を80℃で10秒加熱することにより黒色の背景を得た。次に、記録媒体の全体を室温に冷却した後、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない青色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び80℃で10秒加熱することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0074】(実施例3)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエーテルサルフォンフィルムを用い、以下の化学式(C1),(D1)で表される液晶性化合物を重量比1:1で混合したものを140℃に加熱溶融し、基体上に厚さ10μmとなるように塗布して感熱記録層とした。
【0075】
【化9】

【0076】次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)95重量部、粒径0.5μmの酸化チタン5重量部、シリコンオイル(信越シリコーン社製:KF96)0.5重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が2μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0077】この可逆性感熱記録媒体の全体を一旦140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより緑色の背景を得た。次に、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない黒色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0078】(実施例4)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、以下の化学式(E1)で表される化合物を140℃に加熱溶融し、基体上に厚さ10μmとなるように塗布して感熱記録層とした。
【0079】
【化10】

【0080】次に、アクリレート系紫外線硬化樹脂(JSR社製:Z7010−V22)95重量部、粒径0.3μmの酸化亜鉛4重量部、ステアリン酸亜鉛0.3重量部、シリコンオイル(信越シリコーン社製:KF96)0.2重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が3μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0081】この可逆性感熱記録媒体の全体を一旦130℃に加熱した後95℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより緑色の背景を得た。次に、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない黒色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び130℃に加熱した後95℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0082】(実施例5)基体として、厚さ500μmの白色ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、その表面に、シリコン樹脂(東芝シリコーン社製:YR3370)にカーボンブラックを分散させ、さらに、触媒(東芝シリコーン社製:CR15)を混合したイソプロピルアルコール溶液を厚さ5μmに塗布し、130℃で硬化させて黒色の光吸収層を形成した。
【0083】その後、テトラヒドロフラン100重量部に前記化学式(A1),(B1)で示した液晶性化合物をそれぞれ10重量部ずつ、及びポリエステル樹脂(東洋紡社製:バイロン200)5重量部と直径10μmのシリカ製スペーサ0.1重量部を混合溶融させ、この溶液を光吸収層上にブレードによって塗布し、加熱乾燥させて厚さ10μmの感熱記録層とした。
【0084】次に、シリカ及びタルクを混合したアクリレート系紫外線硬化樹脂(JSR社製:Z7010−V22)100重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が3μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0085】この可逆性感熱記録媒体の全体を80℃で10秒加熱することにより黒色の背景を得た。次に、記録媒体の全体を室温に冷却した後、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない青色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び80℃で10秒加熱することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0086】(実施例6)基体として、厚さ500μmの白色ポリエーテルサルフォンフィルムを用い、その表面に、シリコン樹脂(東芝シリコーン社製:YR3370)にカーボンブラックを分散させ、さらに、触媒(東芝シリコーン社製:CR15)を混合したイソプロピルアルコール溶液を厚さ5μmに塗布し、130℃で硬化させて黒色の光吸収層を形成した。
【0087】その後、テトラヒドロフラン100重量部に前記化学式(C1),(D1)で示した液晶性化合物をそれぞれ10重量部ずつ、及びポリエステル樹脂(東洋紡社製:バイロン200)5重量部と直径10μmのシリカ製スペーサ0.1重量部を混合溶融させ、この溶液を光吸収層上にブレードによって塗布し、加熱乾燥させて厚さ10μmの感熱記録層とした。
【0088】次に、エポキシアクリレート系紫外線硬化樹脂(東亞合成社製:アロニックステップSUV3700)95重量部、重合開始剤(チバガイギー社製:ダロキュア1173)18重量部、粒径0.05μmの酸化亜鉛4重量部、シリコンオイル(信越シリコーン社製:KF96)0.5重量部を、メチルエチルケトン200重量部に超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が2μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0089】この可逆性感熱記録媒体の全体を一旦140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより緑色の背景を得た。次に、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない黒色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0090】(実施例7)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエーテルスルホンフィルムを使用した。不可視情報記録部として、γ−Fe2310重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(UCC社製:VAGH)10重量部、イソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートL)2重量部を、メチルエチルケトン40重量部とトルエン40重量部の混合溶剤に分散させ、この溶液を基体上にワイヤバーで塗布して乾燥させ、厚さ約10μmの磁気記録層を形成した。この磁気記録層の保護層はウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)にて厚さ2μmに形成した。
【0091】可視情報表示部として、テトラヒドロフラン40重量部に前記化学式(C1),(D1)で示した液晶性化合物をそれぞれ3重量部ずつ混合溶融させ、この溶液を前記基体の反対面上にブレードによって塗布し、加熱乾燥させて厚さ8μmの感熱記録層を形成した。
【0092】次に、シリコンアクリレート系紫外線硬化樹脂(東芝シリコーン社製:UVHC−1101)100重量部、フッ素樹脂系滑材(日本油脂社製:モディパーFS710)5重量部を、イソプロピルアルコール100重量部に超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が3μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、保護層を形成した。
【0093】この可逆性感熱記録媒体の全体を一旦140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより緑色の背景を得た。次に、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない黒色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0094】(比較例1)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、前記化学式(A1),(B1)で示した液晶性化合物を重量比1:2で混合したものを170℃に加熱溶融し、基体上に厚さ10μmとなるように塗布して感熱記録層とした。
【0095】次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)100重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が2μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0096】この可逆性感熱記録媒体の全体を80℃で10秒加熱した後徐冷することにより黒色の背景を得た。次に、記録媒体の全体を室温に冷却した後、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない青色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び80℃で10秒加熱した後徐冷することにより記録されている文字が消去されたが、ライタの接触によるものと思われる痕跡が残った。
【0097】(比較例2)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、前記化学式(A1),(B1)で示した液晶性化合物を重量比1:2で混合したものを170℃に加熱溶融し、基体上に厚さ10μmとなるように塗布して感熱記録層とした。次に、この感熱記録層上に厚さ3μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、保護層とした。
【0098】この可逆性感熱記録媒体の全体を80℃で10秒加熱した後徐冷することにより黒色の背景を得た。次に、記録媒体の全体を室温に冷却した後、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない青色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び80℃で10秒加熱した後徐冷することにより記録されている文字が消去されたが、ライタの接触によるものと思われる痕跡が残った。
【0099】(実施例8)基体として、厚さ500μmの透明ポリエーテルスルホンフィルムを使用した。不可視情報記録部として、γ−Fe2310重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(UCC社製:VAGH)10重量部、イソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートL)2重量部を、メチルエチルケトン40重量部とトルエン40重量部の混合溶剤に分散させ、この溶液を基体上にワイヤバーで塗布して乾燥させ、厚さ約10μmの磁気記録層を形成した。この磁気記録層の保護層はウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)にて厚さ2μmに形成した。
【0100】可視情報表示部として、テトラヒドロフラン40重量部に前記化学式(C1),(D1)で示した液晶性化合物をそれぞれ3重量部ずつ混合溶融させ、この溶液を前記基体の反対面上にブレードによって塗布し、加熱乾燥させて厚さ8μmの感熱記録層を形成した。
【0101】次に、シリコンアクリレート系紫外線硬化樹脂(東芝シリコーン社製:UVHC−1101)100重量部、フッ素樹脂系滑材(旭硝子社製:アフロンポリミストF−5)3重量部、紫外線吸収剤(白石カルシウム社製:シーソーブ100)2重量部を、イソプロピルアルコール100重量部に超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が3μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、保護層を形成した。
【0102】この可逆性感熱記録媒体の全体を一旦140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより緑色の背景を得た。次に、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない黒色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0103】(実施例9)基体として、厚さ500μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。不可視情報記録部として、γ−Fe2310重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(UCC社製:VAGH)10重量部、イソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートL)2重量部を、メチルエチルケトン40重量部とトルエン40重量部の混合溶剤に分散させ、この溶液を基体上にワイヤバーで塗布して乾燥させ、厚さ約10μmの磁気記録層を形成した。この磁気記録層の保護層はシリコンアクリレート系紫外線硬化樹脂(東芝シリコーン社製:UVHC−1101)にて厚さ2μmに形成した。
【0104】可視情報表示部として、テトラヒドロフラン40重量部に前記化学式(C1),(D1)で示した液晶性化合物をそれぞれ3重量部ずつ混合溶融させ、この溶液を前記基体の反対面上にブレードによって塗布し、加熱乾燥させて厚さ8μmの感熱記録層を形成した。
【0105】次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)100重量部、粒径0.05μmの炭酸バリウム6重量部、紫外線吸収剤(チバガイギー社製:チヌビンP)4重量部、シリコンオイル(信越シリコーン社製:KF96)0.3重量部を、イソプロピルアルコール100重量部に超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が4μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射して硬化させ、保護層を形成した。
【0106】この可逆性感熱記録媒体の全体を一旦140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより緑色の背景を得た。次に、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない黒色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び140℃に加熱した後80℃まで冷却し、さらに室温まで急冷することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0107】(実施例10)基体として、厚さ500μmの黒色ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、前記化学式(A1),(B1)で示した液晶性化合物を重量比1:2で混合したものを170℃に加熱溶融し、基体上に厚さ10μmとなるように塗布して感熱記録層とした。
【0108】次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157)100重量部、粒径が0.1μmのシリカ粉末5重量部、及び、紫外線吸収剤(チバガイギー社製:チヌビン328)5重量部を超音波分散させた溶液を調製し、ワイヤバーを用いて乾燥後の膜厚が2μmとなるように前記感熱記録層上に塗布し、紫外線を照射し、60℃で24時間乾燥させて硬化させ、保護層を形成した。
【0109】この可逆性感熱記録媒体の全体を80℃で10秒加熱することにより黒色の背景を得た。次に、記録媒体の全体を室温に冷却した後、前記リーダライタSD500−GPIIIにて印字したところ、滲みのない青色文字が記録された。また、この記録媒体の全体を再び80℃で10秒加熱することにより記録されている文字が消去された。記録と消去を繰り返しても記録履歴を示すような痕跡は残らなかった。
【0110】(耐光性テスト)前記実施例8,9,10及び前記比較例1で得られた記録媒体に対して、フェードメータテスト機(サンテスタ社製:XF−180)を用いて紫外線光量80W/m2で1000時間照射して耐光性を測定した。
【0111】その結果、実施例8,9,10で得られた記録媒体はほとんど変化を示さなかった。しかし、比較例1で得られた記録媒体は退色による劣化が見られた。
【0112】(他の実施形態)なお、本発明に係る可逆性感熱記録媒体、情報記録表示カード及び情報記録表示システムは前記各実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0113】特に、感熱記録層を構成する液晶性化合物は、前記化学構造式(A)〜(G)に示すもの以外に、コレステリック液晶相を示すものであれば種々の化合物を使用することができる。また、情報記録表示カードや情報記録表示システムの構成は任意である。
【出願人】 【識別番号】000006079
【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル
【出願日】 平成13年11月8日(2001.11.8)
【代理人】 【識別番号】100091432
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 武一
【公開番号】 特開2003−145949(P2003−145949A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−343874(P2001−343874)