| 【発明の名称】 |
可逆性感熱記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺井 智彦 【住所又は居所】滋賀県長浜市三ッ矢町5番8号 三菱樹脂株式会社長浜工場内
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| 【要約】 |
【課題】可逆性感熱記録媒体の書き換えの際の繰り返しの熱処理により、記録層が劣化せず鮮明な画像が得られ、使用時の耐久性が充分な可逆性感熱記録媒体とすることである。
【解決手段】ポリオール系樹脂およびその架橋剤であるイソシアネート系化合物を含有する母材中に、発色性を温度によって可逆的に変化する化合物を分散させた材料で記録層を設け、この記録層の熱処理温度条件により可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録媒体において、前記記録層の貯蔵弾性率が、100℃以上の雰囲気下の周波数1Hzにおける動的測定条件で0.1〜100MPaの範囲になるように母材を架橋させた可逆性感熱記録媒体とする。母材を架橋して粘弾性率を高めているので、繰り返し熱処理をして書き換えを行っても記録層が劣化せず、コントラストの低下や細かなキズの発生がなく、カールも起こり難い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる母材中に電子供与性色素前駆体と電子受容性化合物を分散させた材料で記録層を設け、この記録層の熱処理温度条件により可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録媒体において、前記記録層の貯蔵弾性率が、100℃以上の雰囲気下の周波数1Hzにおける動的測定条件で0.1〜100MPaの範囲になるように前記母材を架橋させたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 【請求項2】 母材が、ポリオール系樹脂およびその架橋剤であるイソシアネート系化合物を含有する母材である請求項1または2に記載の可逆性感熱記録媒体。 【請求項3】 母材が、二種以上の樹脂と架橋剤の混合物からなる熱可塑性樹脂である請求項1または2に記載の可逆性感熱記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、可視画像を繰り返し表示したり、または消去することができる可逆性感熱記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、プリペイドカードその他の情報の記録媒体として磁気カードやICカードなどが使用されているが、記録されている情報の内容が直接に目で見て確認できないため、使用者が支払い金額や残額を簡単にチェックできず、カードの内容保証の点で問題がある。 【0003】このような問題点に鑑みて、記録媒体の表面に画像で情報を適宜に表示したり、消去したりするものが知られている。そのうち、色素を使って発色させた着色画像を表示する記録媒体は視認性が良いものである。 【0004】着色または非着色の画像を可逆的に形成する色素として、分子構造内にラクトン環をもち、電子放出によるラクトン環の開環という分子構造の変化により発色を示す電子供与性呈色性化合物(いわゆるロイコ染料)があり、これを配合した感熱記録材料がある。 【0005】例えば、特開平2−188293号、特開平2−188294号に開示されている可逆性感熱記録材料は、ロイコ染料と共に顕減色剤として酸・塩基化合物とバインダーを成分とする記録材料である。このものは、酸と塩基の反応速度の違いを利用して発消色をくり返すことができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、記録層を形成する材料として、熱可塑性樹脂からなる母材に電子供与性化合物、すなわちロイコ染料を用いた発色型記録材料は、今までの可逆性感熱記録材料である透明/白濁方式に比べて、画像を書き換える際に高温で長時間の熱処理を必要とし、書き換えによって記録層の母材が熱変性を起こして劣化し、画像のコントラストが低下したり、記録層の表面に細かなキズが発生したり、カール(歪曲変形)が起こる場合があり、使用耐久性が充分に得られなかった。 【0007】このような問題は、記録層の上に保護層を設けて間接的に加熱された場合でもほぼ同様に起こることである。 【0008】このような問題に対処できるように、発色型記録材料の記録層の強度を向上させる対策としては、特開平5−124360号に、記録層内に紫外線や電子線の照射により架橋する樹脂を添加する方法が提案されている。 【0009】しかし、架橋樹脂を直接に添加すると、記録層側へのカールやカード打ち抜き時にバリ等が発生するという問題が起きる。 【0010】そこで、この発明の課題は、上記した従来技術における問題点を解決し、発色型記録材料を用いた可逆性感熱記録媒体において、所要温度の書き換え操作を繰り返し行なっても鮮明な画像が得られるよう耐久性のある可逆性感熱記録媒体とすることである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明においては、熱可塑性樹脂からなる母材中に電子供与性色素前駆体と電子受容性化合物を分散させた材料で記録層を設け、この記録層の熱処理温度条件によって可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録媒体において、前記記録層の貯蔵弾性率が、100℃以上の雰囲気下の周波数1Hzにおける動的測定条件で0.1〜100MPaの範囲になるように前記母材を架橋させたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体としたのである。 【0012】上記した可逆性感熱記録媒体は、前記記録層の貯蔵弾性率が、所定の範囲になるように前記熱可塑性樹脂母材を架橋して粘弾性率を高めているので、繰り返し熱処理をして書き換えを行なっても記録層の劣化によるコントラストの低下や細かなキズの発生がなく、記録媒体にカールが起こり難い。 【0013】また、上記の可逆性感熱記録媒体において、母材が、ポリオール系樹脂およびその架橋剤であるイソシアネート系化合物を含有することが好ましい。このようにすると、母材が充分に軟らかく弾性のある樹脂となり、耐熱性および物理的な強度共に、繰り返し書き換えの耐久性に優れたものになる。 【0014】また、可逆性感熱記録媒体は、母材が、二種以上の樹脂と架橋剤の混合物からなることが好ましい。二種以上の樹脂を取り合わせると、弾性率の調整の幅が広がり、また一種または二種以上の樹脂の架橋性を調節するので、多様な調節が可能になり、弾性率を適当な範囲に調節しやすいからである。 【0015】 【発明の実施の形態】この発明では、可逆性感熱記録媒体の積層構成のうち、記録層を構成する母材(高分子バインダーとも呼ばれる。)として熱可塑性樹脂を採用し、その架橋剤を配合する。 【0016】母材としての樹脂は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などをもつ樹脂なら何でも良いが、特にアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール樹脂が、透明性や製膜性が良好で耐熱性の高いので好ましく、架橋剤としては、イソシアネート系化合物を採用することが好ましい。 【0017】なお、一般的な熱架橋性樹脂であるフェノール樹脂やメラミン樹脂などは焼き付け温度が高く、長時間にわたり、リライト特性に影響がでてしまうので、好ましいものではない。 【0018】またイソシアネート系化合物(架橋剤)としては、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートが好ましい。記録層は単独の樹脂で構成されるものでもいいし、複数の樹脂から構成されるものでも良い。複数の樹脂としては上記の熱可塑性樹脂が挙げられる。 【0019】リライトカードのような可逆性感熱記録媒体として使用するためには、繰り返し耐久性が必要とされるが、通常の熱可塑性樹脂では硬度、剛性などが不足していて充分に満足できるものではない。 【0020】そこで、繰り返し耐久性を増すために、記録層内と高分子バインダーを架橋するが、架橋には熱・紫外線・電子線などを利用する手段があるが、電子供与性化合物(ロイコ染料)を用いた記録材料では、記録層に紫外線や電子線があたるとそのエネルギーでロイコ染料が分解され、地肌が変色する現象が起こる。そのため熱架橋を採用することが好ましい。 【0021】また、一般に橋掛け架橋することでポリマーの特性として、ガラス転移温度(Tg)および弾性率の数値が上昇することが多い。通常の樹脂では、その弾性率は0.01KPa〜10MPa程度であり、架橋することで0.1MPaから高いものは1000MPa程度になる。 【0022】この発明では、架橋後の記録層樹脂の貯蔵弾性率が、100℃以上の雰囲気下で周波数1Hzにおける動的測定で0.1〜100MPaの範囲にあるように、熱可塑性樹脂の架橋密度を調節する。架橋密度は、架橋剤量と、加熱処理の温度および時間を調節するなどして行なうことができる。 【0023】架橋密度を調節せずに貯蔵弾性率が、上記の範囲未満になれば、印字・消去の加熱の際に記録層に劣化がおこり、キズや消去不良が発生し繰り返しの使用に耐えられなくなる。また、貯蔵弾性率が、上記の範囲を超えて高くなると、記録材にカールが発生したり、カードとして加工するときにバリが発生したり、折り曲げ時に剥離が起こる。動的な貯蔵弾性率の測定は、JIS K7198に基づいて行なうことが好ましい。 【0024】この発明で用いる電子供与性化合物(色素前駆体)は、分子構造中にラクトン環部分を有する以下に列挙のロイコ染料が用いられる。 【0025】クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3、3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等のフタリド化合物、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオランなどのフルオラン化合物が挙げられる。 【0026】この発明で用いられる電子受容性化合物は、以下のような化合物が挙げられる。炭素数6以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物、好ましくは炭素数12以上の脂肪族基を一つ有するフェノール性化合物である。 【0027】具体的には、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等である。 【0028】フェノール化合物としては、4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジドなどが挙げられる。 【0029】上述した電子供与性化合物と電子受容性化合物は、高分子バインダーに対して溶解もしくは分散させ、これをPET、紙などの支持体に対して塗布および乾燥させて記録層を形成する。その際の配合は、ロイコ染料10重量部に対して電子受容性化合物は10〜100重量部とし、好ましくは20〜50重量部とする。また、主に母材を構成する樹脂(バインダー)は、10〜200重量部、好ましくは20〜100重量部である。このようなバインダーは、OH価に合わせたイソシアネートを含んでいるものを採用できる。 【0030】また、この発明では記録層上に、繰り返し耐久性やサーマルヘッドとのマッチング性の向上のために保護層を設けることができ、保護被膜としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などの耐熱性の高い樹脂が好ましい。 【0031】この発明の可逆性感熱記録媒体を製造する工程を以下に説明する。 【0032】まず、電子供与性化合物および電子受容性化合物とバインダーとを、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)などの有機溶剤中で溶解および分散し、さらに架橋剤を加えて塗工液を調整する。 【0033】この塗工液を支持体にコーティングして乾燥して記録層を形成し、さらに架橋のための熱処理を行なう。前記乾燥は、加熱して行なう場合に架橋処理を兼ねても良い。 【0034】前記したコーティングは、通常、ロール状の支持体を用いて行うことが多いが、コーティング後にロール状支持体で高温に加熱して熱架橋を行うと、媒体がロールに沿って変形(カール)して元の平面形状に戻らなくなり、これを素材としてカード状記録媒体を作製した際にカールの原因となってしまう。記録媒体がカールすると、安定した印字や消去ができなくなり、カード状記録媒体を読み書きする装置内で走行不良も見られるようになる。 【0035】このような理由で熱架橋のエージングは、低温下で長時間行うことが好ましい。また、塗工完了後にシートカットした後に、追加エージングを行っても良い。カール防止性を考慮した好ましい熱架橋条件は、40〜80℃で10〜100時間程度、好ましくは40〜60℃で16〜48時間である。 【0036】この記録材料の記録方法には、サーマルヘッド、スタンプ、ホットプレート、レーザマーカ、熱ペンなどがあげられる。印字にはサーマルヘッドやレーザマーカ、熱ペンなどで加熱(T1)を行い、急冷してやると現れた発色が固定される。また消去には、サーマルヘッド、棒状ヒーター、ホットスタンプ、加熱ロール、ホットプレートなどで加熱(T2<T1)を行うか、加熱(T1)後徐冷してやることで画像が消去される。このように、加熱温度と加熱時間の制御により可逆的な画像形成が可能である。 【0037】 【実施例および比較例】 〔実施例1〕 ■色素前駆体:クリスタルバイオレットラクトン 10重量部■電子受容性化合物:ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド 20重量部■バインダー:アクリルポリオール(LR−1589:三菱レイヨン製) 50重量部■溶剤:トルエン 150重量部■架橋剤:コロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製) 3.5重量部ペイントシェーカーを用いて上記の■〜■の材料を溶剤■中で2時間程度分散した後、イソシアネート系化合物である架橋剤■を加えて、よく攪拌し、塗工液を調整した。 【0038】調整された塗工液を188μmの白色ポリエステルフィルム(W400:三菱化学ポリエステルフィルム製)のロール状支持体に試験用グラビアコーターを用いてコーティングし、130℃で乾燥して厚さ10μmの記録層を設けた。その後、60℃で16hr加熱してエージング(架橋)を行なった。 【0039】記録層の弾性率は、100℃の雰囲気下で測定器:粘弾性スペクトロメーターF−3型(岩本製作所製)で周波数1Hzで動的に測定を行なった。 【0040】この上に紫外線硬化樹脂を厚さ2μmになるように塗布し紫外線で硬化させて保護層とし、可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0041】〔実施例2〕 ■バインダー:アクリルポリオール LR−1589、■架橋剤:コロネートLの添加量を50:7に変更したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0042】〔実施例3〕 ■バインダー:アクリルポリオール LR−1589、■架橋剤:コロネートLの添加量を50:14に変更したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0043】 〔実施例4〕 ■色素前駆体:3−メチルイソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10重量部■電子受容性化合物:4−(4’−ヒドロキシフェニル)安息香酸 30重量部■バインダー:アクリル樹脂(三菱レイヨン社製:BR−64) 25重量部 ポリエステルポリオール(大日本インキ社製:バーノック 11−408) 50重量部■溶剤:トルエン 150重量部■イソシアネート系化合物:コロネートL 5重量部実施例1において、記録層の組成を以上の配合としたこと以外は全く同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0044】 〔実施例5〕 ■色素前駆体:3−メチルイソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10重量部■電子受容性化合物:4−(4’−ヒドロキシフェニル)安息香酸 30重量部■バインダー:アクリル樹脂(三菱レイヨン社製:BR−64) 25重量部 ポリエステルポリオール(大日本インキ社製:バーノック 11−408) 25重量部■溶剤:トルエン 150重量部■イソシアネート系化合物 :コロネートL 5重量部実施例1において、記録層の組成を以上の配合としたこと以外は全く同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0045】 〔比較例1〕 ■色素前駆体:クリスタルバイオレットラクトン 10重量部■電子受容性化合物:ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド 20重量部■バインダー:アクリル樹脂(三菱レイヨン社製:BR−80) 20重量部■溶剤:トルエン 150重量部実施例1において、記録層の組成を以上の配合とし、架橋のための処理を行なわなかったこと以外は全く同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0046】〔比較例2〕実施例1において、■バインダー:アクリルポリオール LR−1589、■架橋剤:コロネートLの添加量を50:1に変更したこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0047】 〔比較例3〕 ■色素前駆体:クリスタルバイオレットラクトン 10重量部■電子受容性化合物:ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド 20重量部■バインダー:UV硬化樹脂(大日本インキ社製:UNI大日本インキ C7−157) 50重量部■溶剤:トルエン 150重量部ペイントシェーカーを用いて上記の材料を溶剤中で2時間程度分散し、塗工液を調整した。この塗工液を188μmの白色ポリエステルフィルム(W400:三菱化学ポリエステルフィルム製)のロール状支持体に試験用グラビアコーターを用いてコーティングし、130℃で乾燥して厚さ10μmの記録層を設けた。その後、160W/cmの紫外線を照射して、記録層を硬化させた。 【0048】記録層の弾性率は100℃の雰囲気下で測定器:粘弾性スペクトロメーターF−3型(岩本製作所製)で周波数1Hzで動的に測定を行った。 【0049】この上に紫外線硬化樹脂を厚さ2μmになるように塗布し紫外線で硬化させて保護層とし、可逆性感熱記録媒体を作製した。 【0050】[可逆性感熱記録媒体の使用時の耐久性評価]以上のように作製した記録材をカード状に打ち抜いて試験用の可逆性感熱記録媒体とし、これに対してサーマルヘッド(0.35mJ/dot)で印字を行い、次いで130℃の熱印版で10秒間加熱して印字された画像の消去を行なった。 【0051】このように印字と消去を1サイクル(回)として、そのテストを300回繰り返し、その後の印字コントラスト、カールについて目視で評価し、異常のないものを○印、異常が軽微であるものを△印、コントラストが低下し、キズやカールなどがある不良品は×印で示す3段階評価を行ない、これらの結果を表1中に示した。 【0052】 【表1】
【0053】表1の結果からも明らかなように、架橋をしていない比較例1や架橋性の低い比較例2は、弾性率が低くなるために、繰り返しの書き換えによって、コントラストが低下したり、表面にキズや凹みが発生して使用できなくなった。 【0054】紫外線により架橋した比較例3では、弾性率が高くなりすぎて繰り返し書き換えによりカードにカールが生じたり、端部に剥離が生じ外観が不良になった。 【0055】これに対して、加熱処理により記録層に適度の架橋構造を導入した実施例は、いずれもコントラスト低下やカールの発生もなかった。 【0056】 【発明の効果】この発明は、以上説明したように、予め架橋した樹脂を添加することなく、記録層の貯蔵弾性率が、所定の測定条件で所定の範囲になるようにその母材を架橋させた可逆性感熱記録媒体としたので、発色型記録材料を用いた可逆性感熱記録媒体に対して、所要温度の書き換え操作を繰り返し行なっても記録層が加熱によって劣化せず、鮮明な画像が得られ、使用時の耐久性が充分な可逆性感熱記録媒体となる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006172 【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目5番2号
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| 【出願日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−145931(P2003−145931A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−351815(P2001−351815) |
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