| 【発明の名称】 |
感熱記録材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】大野 誠 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう感熱記録材料において、高い光沢度を有し、高画質な画像を記録することができる感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】支持体上に感熱記録層と保護層とをこの順に有する感熱記録材料であって、前記保護層は、120℃におけるダイナミック硬度が40以上であり、かつ、印画後の印画領域の水に対する接触角が75°以上であることを特徴とする感熱記録材料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に感熱記録層と保護層とをこの順に有する感熱記録材料であって、前記保護層は、120℃におけるダイナミック硬度が40以上であり、かつ、印画後の印画領域の水に対する接触角が75°以上であることを特徴とする感熱記録材料。 【請求項2】 前記保護層は、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールと、無機超微粒子と、熱可融性潤滑剤と、シリコーン変性アクリルエマルションと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。 【請求項3】 バインダーとしてポリビニルアルコールを含み、さらに、ホウ酸を前記ポリビニルアルコールに対して18〜30質量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。 【請求項4】 前記保護層は、前記シリコーン変性アクリルエマルションを前記熱可融性潤滑剤に対して10〜40質量%含むことを特徴とする請求項2または3に記載の感熱記録材料。 【請求項5】 前記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、炭素数8〜20のアルキル基を有するアルキルエーテル変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の感熱記録材料。 【請求項6】 前記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、下記一般式(A)で表されるポリマーであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の感熱記録材料。 【化1】
〔式中、R1は、水素原子、メチル基または−CH2CO2Mを表し、R2は、水素原子または−CO2Mを表す。R3は、水素原子、−CO2M、アミノ基、アミド基、置換アミド基、ヒドロキシ基、グリシジル基、スルホン酸基、ポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレンオキサイド基、またはこれらの官能基を有する基を表す。R4は、水素原子またはメチル基を表し、R5は、炭素原子数8〜20のアルキル基を表す。Mは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、Na、KまたはLiを表す。n、x、y、zは重合度を表す。〕 【請求項7】 前記無機超微粒子は、平均粒径が0.05〜0.20μmの硫酸バリウムおよび平均粒径が10〜50nmのコロイダルシリカであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドを用いて画像の記録をおこなう感熱記録材料に関する。 【0002】 【従来の技術】感熱記録はその記録装置が簡便で信頼性が高くメンテナンスが不要であることから近来発展している。その感熱記録材料としては従来から電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したもの、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したものなどが広く知られている。 【0003】サーマルヘッドを用いて画像の記録をおこなう感熱記録材料、特に高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう多色の感熱記録材料の場合、サーマルヘッドの保護膜の材質や形状等に適合したヘッドマッチング性を有するだけでなく、さらにヘッド汚れやヘッド磨耗を発生させずに高品質の画像を安定して記録できることが重要である。 【0004】通常、感熱記録材料の印画最表面には保護層が設けられることが多いため、感熱記録材料のサーマルヘッド適性は保護層の性能によって決定づけられることが多い。また、感熱記録材料の光沢度を向上させるためには、印画最表面である保護層の平滑度を向上させることが有効である。しかし、保護層の平滑度を上げるとサーマルヘッドとの摩擦力が増大し印画トルクが大きくなってしまう。印画トルクとは、サーマルヘッドを用いて印画する際の動摩擦係数を意味し、該印画トルクが大きいと、印画時に発色濃度のムラ、いわゆる負荷変動ムラを生じ、画質の低下につながってしまう。 【0005】このため、高画質な画像を記録するためには、印画トルクの低減を図ることが必須となる。上記印画トルクは潤滑剤を多く用いたり保護層の硬度を上げたりすることである程度低減させることができる。しかし、潤滑剤を多く用いると、印画時に感熱記録材料表面の可塑化による変形が大きく、感熱記録材料表面の光沢性が低下してしまう。また、バインダーの硬化剤等を多く用いると保護層の硬度を上げることはできるが、保護層の疎水性が低下し、印画時に保護層表面の潤滑剤が拡散しやすくなり、感熱記録材料表面に潤滑剤を保持しにくくなる。このように、印画時に保護層表面の潤滑剤が少なくなると面荒れ等を引き起こす原因となり、印画トルクを低減することもできず、かえって感熱記録材料の光沢度を低下させてしまう。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、高い光沢度を有し、かつ、高画質な画像を記録することができる感熱記録材料は提供されていないのが現状であった。したがって、本発明の目的は、高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう感熱記録材料において、高い光沢度を有し、高画質な画像を記録することができる感熱記録材料を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段は、以下の通りである。即ち、<1> 支持体上に感熱記録層と保護層とをこの順に有する感熱記録材料であって、前記保護層は、120℃におけるダイナミック硬度が40以上であり、かつ、印画後の印画領域の水に対する接触角が75°以上であることを特徴とする感熱記録材料である。 【0008】<2> 前記保護層は、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールと、無機超微粒子と、熱可融性潤滑剤と、シリコーン変性アクリルエマルションと、を含むことを特徴とする<1>の感熱記録材料である。 【0009】<3> バインダーとしてポリビニルアルコールを含み、さらに、ホウ酸を前記ポリビニルアルコールに対して18〜30質量%含むことを特徴とする<1>または<2>の感熱記録材料である。 【0010】<4> 前記保護層は、前記シリコーン変性アクリルエマルションを前記熱可融性潤滑剤に対して10〜40質量%含むことを特徴とする<2>または<3>の感熱記録材料である。 【0011】<5> 前記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、炭素数8〜20のアルキル基を有するアルキルエーテル変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする<2>〜<4>の感熱記録材料である。 【0012】<6> 前記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、下記一般式(A)で表されるポリマーであることを特徴とする<2>〜<5>の感熱記録材料である。 【0013】 【化2】
〔式中、R1は、水素原子、メチル基または−CH2CO2Mを表し、R2は、水素原子または−CO2Mを表す。R3は、水素原子、−CO2M、アミノ基、アミド基、置換アミド基、ヒドロキシ基、グリシジル基、スルホン酸基、ポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレンオキサイド基、またはこれらの官能基を有する基を表す。R4は、水素原子またはメチル基を表し、R5は、炭素原子数8〜20のアルキル基を表す。Mは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、Na、KまたはLiを表す。n、x、y、zは重合度を表す。〕 【0014】<7> 前記無機超微粒子は、平均粒径が0.05〜0.20μmの硫酸バリウムおよび平均粒径が10〜50nmのコロイダルシリカであることを特徴とする<2>〜<6>の感熱記録材料である。 【0015】 【発明の実施の形態】《感熱記録材料》本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層と保護層とをこの順に有する感熱記録材料であって、前記保護層は、120℃におけるダイナミック硬度が40以上であり、かつ、印画後の印画領域の水に対する接触角が75°以上であることを特徴とする。本発明における保護層は、120℃におけるダイナミック硬度が40以上であり、かつ、印画後の印画領域の水に対する接触角が75°であるため、高い硬度と表面疎水性とを両立し、高光沢性を維持したまま効果的に印画トルク、特に低エネルギー部の印画トルクを低減することができる。これにより、本発明の感熱記録材料は、印画時の負荷変動ムラを軽減させ、高い光沢度を保ちながら高画質な画像を記録することができる。さらに、保護層表面の耐水性が向上するため、記録装置内で凝結によって生じた水がサーマルヘッド表面に付着することに起因する画質低下をも軽減することができる。 【0016】なお、本発明の感熱記録材料においては、前記支持体と前記保護層の間には、目的に応じて適宜選択したその他の層、例えば、前記支持体と前記感熱記録層との間に設ける下塗り層、前記感熱記録層同士の間に設ける中間層、前記感熱記録層と前記保護層との間に設ける光透過率調整層などを有していてもよい。 【0017】〈保護層〉保護層は、感熱記録層のスティッキングや感熱記録層を溶剤等から保護するために設けられる層であり、本発明における保護層は、120℃におけるダイナミック硬度が40以上であり、かつ、印画後の印画領域の水に対する接触角が75°以上である。 【0018】上記「120℃におけるダイナミック硬度」とは、保護層の表面温度が120℃の際の針進入硬度を意味する。該ダイナミック硬度は、例えば(株)島津製作所のダイナミック硬度計で測定することができる。本明細書のダイナミック硬度については、上記ダイナミック硬度計を用いて測定した値を用いるが、ダイナミック硬度の測定方法はこれに限定されるものではない。該ダイナミック硬度が40未満であると、印画トルクを低減させることができないため、負荷変動ムラの発生を防止できず高画質な画像を記録できない。上記保護層のダイナミック硬度は、45以上が特に好ましい。 【0019】上記「印画後の印画領域の水に対する接触角」とは、保護層の印画領域(Dmax画像記録部)の水に対する接触角を意味し、「接触角」については、JIS−K3211で定義されている。上記接触角の測定方法としては、例えば、協和界面科学(株)製の接触角計(FACE 接触角計 CA−D)等により測定することができる。上記保護層の印画後の印画領域の接触角は、75℃以上である。該接触角が75°未満であると、保護層表面に十分な量の潤滑剤が存在せず、疎水性が低下したことを意味する。上記接触角としては、77°以上が好ましく、80°以上が特に好ましい。 【0020】本発明における保護層は、上記各条件を満たすために、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコール、無機超微粒子、熱可融性潤滑剤およびシリコーン変性アクリルエマルションを含んで構成されることが好ましく、その他必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。 【0021】(長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコール)本発明における保護層に用いるバインダーとしては、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールを用いるのが好ましい。上記保護層に用いるバインダーとしては、他の添加剤等との組合せによって上記条件を満たすものであれば公知の樹脂から適宜選定して用いることができるが、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールを用いることによって、無機超微粒子の分散性を向上させて感熱記録材料表面の平滑性を保ち、無機超微粒子の添加による光沢性の低下を抑制することができる。 【0022】上記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、炭素原子数8〜20のアルキル基を有するアルキルエーテル変性ポリビニルアルコールであることが好ましく、さらに下記一般式(A)で表されるポリマーであることがより好ましい。 【0023】 【化3】
【0024】上記一般式(A)中、R1は水素原子、メチル基または−CH2CO2Mを表し、R2は水素原子または−CO2Mを表し、R3は水素原子、−CO2M、アミノ基、アミド基、置換アミド基、ヒドロキシ基、グリシジル基、スルホン酸基、ポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレンオキサイド基、またはこれらの官能基を有する基を表す。R4は水素原子またはメチル基を表し、R1、R2、R4が水素原子でありR3が−CO2Mである組合せ、または、R2、R4が水素原子でありR1が−CH2CO2MでありR3が−CO2Mである組合せが好ましい。 【0025】上記一般式(A)中、Mは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、Na、KまたはLiを表す。 【0026】上記一般式(A)中、R5は、長鎖アルキル基、即ち、炭素数8以上、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基を表す。アルキル基は直鎖でも分岐構造でもよく、また、アリール基等の置換基を有していてもよい。この中でも、潤滑性を向上させる点で炭素数8〜16のアルキル基がさらに好ましく、炭素原子数12のドデシル基が特に好ましい。 【0027】上記一般式(A)中、n、x、y、zは、それぞれ重合度を表す。nは0〜20が好ましく、0〜10がより好ましい。nの値が大きい場合には、酸性基が増加しゼラチンとの相溶性が良化する。Tg(ガラス転移点)以下でのガスバリア性等、ポリビニルアルコールの特性を引き出すことができる点で、xは60〜99が好ましく、75〜95がさらに好ましい。yは0〜20が好ましい。zは、感熱記録ヘッドとの耐摩擦性、潤滑性の点で大きい方が好ましいが、溶解性、水溶液の粘度の点で限度があり、n、x、y、zの総和に対し、0.5〜10%の値が好ましく、より好ましくは1〜5%である。 【0028】これらの長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールのTgとしては、50℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましい。Tg(ガラス転移点)が50℃未満の場合、耐傷性が低下する場合があるため好ましくない。 【0029】本発明における保護層中、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは50質量%以上含有されることが好ましく、80質量%以上含有されることがさらに好ましい。長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールの含有量が50質量%未満だと、上述の長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールによる特性が十分に発揮されないことがある。 【0030】上記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールを用いた保護層の表面には長鎖アルキル基が配向され易い。このような表面は印画トルクを低減させるため、印画故障が無くなり、印画面の平滑性(光沢性)向上および発色濃度の向上が可能となる。また、表面の静摩擦および動摩擦の低下はプリンターでのメディアの走行性を良好なものとする。さらに、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール系の特徴である耐光性、被膜強度に優れるという特性を発揮するとともに、表面に疎水性基が配向していることから耐水性も向上する。 【0031】上記保護層においては、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールの他に必要に応じ他のバインダーを併用してもよい。該他のバインダーとしては、例えば、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子およびスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等の合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン等が挙げられる。 【0032】上記バインダーの中でも、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(以下、総称して「ポリビニルアルコール」という場合がある。)が好ましく、具体的には、特開2000−118133号に記載のもの等が挙げられる。 【0033】上記バインダーを構成する高分子のTg(ガラス転移点)は、150℃以下、好ましくは0℃〜130℃,特に好ましくは40℃〜100℃である。 【0034】上記保護層中のバインダーの含有量としては、保護層全体に対して25〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がさらに好ましい。 【0035】(硬化剤)本発明における保護層には、該保護層の硬化度を高める目的で、上記バインダーと硬化剤とを併用するのが好ましい。該硬化剤としては、例えばビニルスルホン系化合物、アルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等)、エポキシ化合物、オキサジン系化合物、トリアジン系化合物、メチル化メラミン、ブロックイソシアネート、メチロール化合物、カルボジイミド樹脂、ホウ素化合物等を使用することができる。これら硬化剤の中では反応促進剤の添加や高温での処理などを必要とせずにポリビニルアルコールと速やかに架橋反応を起こす点からホウ素化合物が好ましく、該ホウ素化合物の中でも、ホウ酸、ホウ砂等が特に好ましい。 【0036】ここで、保護層や感熱記録層等を重層塗布(同時塗布)等する場合等には、硬化剤は必ずしも保護層用の塗布液に含める必要はなく、中間層用塗布液に含めてもよい。また、上記ホウ酸を硬化剤として用いる場合には、上記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールや保護層のバインダーとして用いるポリビニルアルコール、並びに、後述する感熱記録層および中間層等に含まれるポリビニルアルコールの総量(感熱記録材料の記録面側に設けられている層に含まれるポリビニルアルコールの総量)に対して18〜30質量%ホウ酸が含まれているのが好ましく、20〜27質量%ホウ酸が含まれているのがさらに好ましい。ホウ酸が感熱記録材料に用いられたポリビニルアルコールの総含有量に対して18質量%未満であると、上記保護層等を十分に硬化できない場合があり、30質量%を超えると、潤滑剤が印画時に拡散しやすくなり、結果として保護層表面の疎水性が低下し、画質の低下や光沢度の低下の原因となる場合がある。 【0037】(無機超微粒子)本発明における保護層は、上記条件を満たす為に無機超微粒子を含有するのが好ましい。粒径の微小な無機超微粒子を用いることにより、表面の平滑性を変化させずに高い硬度を保持することができる。 【0038】ここで、「無機超微粒子」とは、平均一次粒径が0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.15μm以下の無機微粒子をいい、このような無機微粒子であれば特に制限はないが、分散液での最大粒子径(分散液中での粒径分布の大きい方でのしきい値)が0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましく、0.35μm以下が特に好ましい。また、分散液での平均粒径が0.35μm以上の(凝集)粒子の頻度が5%以下、好ましくは1%以下であり、0.25μm以上の(凝集)粒子の頻度が5%以下であることが特に好ましい。なお、粒子径は公知の方法、例えばCOULTER N4型サブミクロン粒径分析装置(日科機)などにより測定することができる。 【0039】上記無機超微粒子としては、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、アルミナが挙げられ、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、アルミナが好ましく、コロイダルシリカ、硫酸バリウムが特に好ましい。 【0040】本発明に好適に使用しうる無機超微粒子としては、具体的に、例えば、硫酸バリウム(商品名:BARIFINE BF−21、BF−20、堺化学工業製)、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO、日産化学(株)製)、酸化ジルコニウム(商品名:NZR−A、日産化学製)、酸化亜鉛(商品名:FINEX−75、堺化学工業製)、酸化チタン(TTO−55、石原産業製)、シリカ(日本アエロジル製)が挙げられる。 【0041】本発明における保護層は、粒径の異なる2種以上の無機超微粒子を含有するのが好ましく、該無機超微粒子中の2種としては、硫酸バリウムとコロイダルシリカとの組合せが好ましい。粒径の微小なコロイダルシリカを用いることにより、表面の平滑性を変化させずに高い硬度を保持することができる。更に、コロイダルシリカのみでは、親水性が高いため、潤滑剤が拡散して感熱記録材料表面に潤滑剤が保持できなくなる場合があるが、硫酸バリウムを併用することにより必要量の潤滑剤を感熱記録材料表面に安定して存在させることができる。これにより、本発明の感熱記録材料は、その表面の平滑性を維持して高光沢であると共に、その表面が高い硬度を保持し、かつその表面に潤滑剤が安定して存在することにより、ヘッドの汚れを防止して、高画質な画像を安定して出力することができる。 【0042】上記硫酸バリウムの平均粒径は、0.05〜0.20μmが好ましく、0.10〜0.15μmがさらに好ましく、コロイダルシリカの平均粒径は、10〜50nmが好ましく、10〜30nmがさらに好ましく、15〜25nmが特に好ましい。また、保護層中のコロイダルシリカの含有量は、硫酸バリウムに対して8〜24質量%が好ましく、8〜16質量%がさらに好ましく、8〜10質量%が特に好ましい。硫酸バリウムおよびコロイダルシリカの粒径が上記範囲になく、かつ硫酸バリウムおよびコロイダルシリカの含有割合が上記範囲にない場合には、高光沢を維持できない場合が生じたり、また、ヘッド汚れが顕著となって、多数の画像を支障なく形成することが困難となる場合がある。 【0043】上記硫酸バリウムおよびコロイダルシリカは、全無機超微粒子中、60質量%以上含まれていることが好ましく、75質量%以上含まれていることがより好ましく、85質量%以上含まれていることが更に好ましい。該硫酸バリウムおよびコロイダルシリカが60質量%以上含まれていることにより、上記効果を有効に発揮することができる。 【0044】上記無機超微粒子を添加する方法としては、微粒子同士の凝集を防止し、樹脂粒子表面への均一な吸着を達成するために、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコールのような水性分散樹脂とともに樹脂溶液として添加する方法、コロイド分散物を各種ミル等で調製したのち添加する方法などを採用することが、効果および製造上の観点から好ましい。また、上記バインダーと無機超微粒子との配合割合(バインダー/無機超微粒子)は、質量比で、0.8/0.5〜0.8/0.15が好ましく、0.8/0.45〜0.8/0.3がより好ましい。 【0045】なお、上記保護層には、雲母等を含む無機質の層状化合物、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等の顔料を添加してもよい。 【0046】(熱可融性潤滑剤)本発明における保護層は、スティッキングなどによる印画故障のないスムーズな印画をおこなうため、印画時に感熱記録材料の表面とサーマルヘッドとの摩擦を低減する目的で熱可融性潤滑剤を含有するのが好ましい。ここで「熱可融性潤滑剤」とは、融点が30℃以上の高級脂肪酸誘導体等を意味する。上記熱可融性潤滑剤としては、熱可融性を示す公知の潤滑剤を適宜選定して用いることができるが、具体的には、高級アルコール、高脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪族酸エステル、高級脂肪酸グリセライド等が挙げられ、高級脂肪酸金属塩が好ましい。 【0047】本発明における保護層中の熱可融性潤滑剤の含有量としては、保護層のバインダーに対して10〜40質量%が好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。上記保護層中の熱可融性潤滑剤の含有量が、10質量%未満であると、印画トルクを十分に低減することができず、40質量%を超えると、印画面の変形が大きくなることに起因する光沢度の低下や、光照射時の地肌着色が増大するなど諸性能の低下を生じる場合がある。 【0048】(シリコーン変性アクリルエマルション)本発明における保護層には、保護層表面の疎水性を維持する目的で、シリコーン変性アクリルエマルションを含むのが好ましい。上記シリコーン変性アクリルエマルションは種々の方法で得ることができるが、好ましくは分子中に重合性不飽和基と加水分解性基とを有する有機ケイ素単量体とアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルとからなる単量体混合物を水性媒体中で乳化重合して得られる。 【0049】上記アクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルとしては、アルキルエステルが好ましく、特に好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基を有するアルキルエステルである。上記ケイ素単量体としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、等を挙げることができる。 【0050】本発明における保護層中のシリコーン変性アクリルエマルションの含有量は、上記熱可融性潤滑剤に対して10〜40質量%が好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。上記保護層中のシリコーン変性アクリルエマルションの含有量が、上記熱可融性潤滑剤に対して10質量%未満であると、保護層印画面の十分な疎水性が維持できず、40質量%を超えると、印画時の十分な潤滑性が付与できない場合がある。 【0051】(保護層の形成方法)本発明における保護層は、バインダーおよび無機超微粒子等からなる保護層用塗布液を、後述する感熱記録層等の上にバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の装置を用いて塗布、乾燥して得る。但し、保護層は感熱記録層等と同時に重畳法により塗布しても構わないし、また感熱記録層等の塗布後、一旦感熱記録層等を乾燥させ、その上に塗布しても構わない。保護層の乾燥塗布量は、0.1〜3g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。塗設量が大きいと著しく熱感度が低下してしまうし、あまりに低い塗設量では保護層としての機能(耐摩擦性、潤滑性、耐傷性等)を発揮できない。また、保護層塗布後、必要に応じてキャレンダー処理を施しても良い。 【0052】なお、保護層には、前記無機超微粒子(顔料)の他に、必要に応じて他の顔料、ワックス類、触媒、離型剤、界面活性剤、および撥水剤等を含有させることも好ましい。 【0053】〈感熱記録層〉本発明において、感熱記録材料は、 光定着型感熱記録層として、最大吸収波長365±40nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層と、最大吸収波長425±40nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層とを有することが好ましい。 【0054】さらに本発明は、最大吸収波長が380nm未満のジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層と、最大吸収波長が390nmを超えるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを含有する光定着型感熱記録層とを有する場合にも適用される。 【0055】また、複数の光定着型感熱記録層を有する場合においては、各光定着型感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料が得られる。すなわち、各光定着型感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選べばフルカラーの画像記録が可能となる。この場合、支持体面に直接、積層(光定着型感熱記録層の最下層)される光定着型感熱記録層の発色機構は、電子供与性染料と、電子受容性染料との組み合わせに限らず、例えば、ジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と反応呈色するカプラーとからなるジアゾ発色系、塩基性化合物と接触して発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応を起こし発色する発色系等のいずれでもよく、この光定着型感熱記録層上に最大吸収波長が異なるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを各々含有する光定着型感熱記録層を2層以上設けるのが好ましい。 【0056】本発明において、光定着型感熱記録層に用いられる発色成分としては、従来公知のものが使用できるが、特にジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したもの、または電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したものが好ましく、ジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する光定着型感熱記録層に用いられる化合物は、ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と反応して色素を形成しうるカプラーおよびジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を促進する塩基性物質等が挙げられる。これらジアゾニウム塩化合物、カプラー、塩基などは、特公平4−75147号公報、特公平6−55546号公報、特公平6−79867号公報、特開平4−201483号公報、特開昭60−49991号公報、特開昭60−242094号公報、特開昭61−5983号公報、特開昭63−87125号公報、特開平4−59287号公報、特開平5−185717号公報、特開平7−88356号公報、特開平7−96671号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−38389号公報、特開平5−185736号公報、特開平5−8544号公報、特開昭59−190866号公報、特開昭62−55190号公報、特開昭60−6493号公報、特開昭60−259492号公報、特開昭63−318546号公報、特開平4−65291号公報、特開平5−185736号公報、特開平5−204089号公報、特開平8−310133号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−156229号公報、特開平9−175017号公報、などに詳しく記載されており具体例を以下に示すが本発明はこれに限定されるものではない。 【0057】(ジアゾニウム塩化合物の具体例) 【化4】
【0058】 【化5】
【0059】 【化6】
【0060】 【化7】
【0061】 【化8】
【0062】 【化9】
【0063】 【化10】
【0064】 【化11】
【0065】 【化12】
【0066】 【化13】
【0067】 【化14】
【0068】 【化15】
【0069】 【化16】
【0070】(カプラーの具体例) 【化17】
【0071】 【化18】
【0072】 【化19】
【0073】 【化20】
【0074】 【化21】
【0075】 【化22】
【0076】 【化23】
【0077】 【化24】
【0078】 【化25】
【0079】 【化26】
【0080】 【化27】
【0081】 【化28】
【0082】 【化29】
【0083】 【化30】
【0084】(塩基の具体例)上記塩基は、単独でも2種以上を併用してもよい。該塩基としては、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物が挙げられる。 【0085】特には、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス(3−(p−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス(3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N’−ビス(3−(β−ナフトキ)−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N−3−(β−ナフトキ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、1,4−ビス((3−(N−メチルピペラジノ)−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ)ベンゼンなどのピペラジン類、N−(3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ)プロピルモルホリン、1,4−ビス((3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス((3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ)ベンゼン、などのモルホリン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン等のグアニジン等類が好ましい。 【0086】電子供与性無色染料および電子受容性化合物などは、特開平6−328860号公報、特開平7−290826号公報、特開平7−314904号公報、特開平8−324116号公報、特開平3−37727号公報、特開平9−31345号公報、特開平9−111136号公報、特開平9−118073号公報、特開平11−157221号公報、などに詳しく記載されている。具体例を以下に示すが本発明はこれに限定されるものではない。 【0087】(電子供与性無色染料の具体例) 【表1】
【0088】 【表2】
【0089】 【表3】
【0090】 【化31】
【0091】(電子受容性化合物の具体例)電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。特に、ビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。これらの一部を例示すれば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸およびその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸およびその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸およびその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノールなどが挙げられる。 【0092】(マイクロカプセル)本発明において、前記ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラー、塩基性物質、および電子供与性無色染料、電子受容性化合物、その他増感剤等の使用形態については、特に限定されず、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化して使用する方法などがあるが、このなかでも特に保存性の観点から、マイクロカプセル化して使用する方法が好ましく、特にジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用した発色系ではジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル化した場合が、電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用した発色系では電子供与性無色染料をマイクロカプセル化した場合が好ましい。 【0093】マイクロカプセルの形成方法は既に公知の方法を用いて行うことができる。このマイクロカプセル壁を形成する高分子物質は常温では不透過性であり、加熱時に透過性となることが必要で有り、特にガラス転移温度が60〜200℃の範囲にあるものが好ましい。これらの例として、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレート共重合体およびこれらの混合系を挙げることができる。 【0094】マイクロカプセルの形成法としては、界面重合法および内部重合法が適しており、これら詳細およびリアクタントの具体例については、米国特許第3,726,804号、同第3,796,669号等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウレタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシアネートおよびそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒体またはカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれらを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分子形成反応を起こし、マイクロカプセル壁を形成する。尚、上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアを生成することができる。 【0095】本発明において、マイクロカプセル壁を形成する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中から選ばれる少なくとも1種のものであることが好ましい。 【0096】以下に、ジアゾ化合物含有マイクロカプセル(ポリウレア・ポリウレタン壁)を例にとり、マイクロカプセルの製造方法について述べる。 【0097】まず、ジアゾ化合物を高沸点溶媒に溶解、または分散させ、マイクロカプセルの芯となる油相を調製する。本発明において、ジアゾ化合物1質量部に対して、高沸点溶媒は0.25〜10質量部の割合で使用することが好ましく、更には0.5〜5質量部の割合であることが望ましい。0.25質量部より少ないと地肌かぶりが大きくなりやすく、また10質量部より多いと十分な発色濃度を得にくい場合がある。更に、この油相調製時には、壁材として多価イソシアネートが添加される。 【0098】上記高沸点溶剤としては、アルキルビフェニル、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、塩素化パラフィン、トリクレジルフォスフェート、マレイン酸エステル類、アジピン酸エステル類フタル酸エステル類等が挙げられ、これらは、2種以上を併用使用してもよい。 【0099】油相の調製に際し、通常ジアゾ化合物は芯オイルに溶解して用いるが、高沸点溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性の高い低沸点溶剤(沸点100℃以下)を補助溶剤として併用することもできる。該低沸点溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトン等が挙げられる。この場合、該低沸点溶剤はカプセル化反応中に蒸散し、完成したカプセル中には残存しない。従って、使用量については特に制限はない。 【0100】従って、ジアゾ化合物は、上記した低沸点溶剤および高沸点溶剤に対する適当な溶解度を有していることが好ましく、具体的には、該溶剤に対して5%以上の溶解度を有し、水に対してはその溶解度が1%以下であることが好ましい。 【0101】一方、用いる水相には水溶性高分子を溶解した水溶液を使用し、これに上記油相を投入後、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行うが、該水溶性高分子は分散を均一に、かつ容易にするとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。ここで更に、均一に乳化分散し安定化させるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は周知の乳化用界面活性剤が使用可能である。また、界面活性剤を添加する場合には、界面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.1%〜5%、特に0.5%〜2%であることが好ましい。 【0102】乳化分散時に使用する上記水溶液に添加する水溶性高分子は、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が5以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例としては、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリアクリル酸アミドおよびその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。 【0103】これらの水溶性高分子は、壁材として添加されるイソシアネート化合物との反応性がないか、低いことが好ましく、たとえばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミノ基を有するものは、予め変成するなどして反応性をなくしておくことが必要である。 【0104】多価イソシアネート化合物としては3官能以上のイソシアネート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアネート化合物を併用してもよい。具体的にはキシレンジイソシアネートおよびその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびその水添物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシヌレート)の他、トリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体として多官能としたもの、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物などが挙げられる。 【0105】該多価イソシアネートの使用量は、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、壁厚みが0.01〜0.3μmとなるように決定される。分散粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。乳化分散液中で油相と水相の界面において多価イソシアネートの重合反応が生じ、ポリウレア壁が形成される。 【0106】さらに該水相中、または疎水性溶媒中にポリオールまたはポリアミンを添加しておけば、多価イソシアネートと反応してマイクロカプセル壁の原料の一つとして用いることもできる。上記反応において、反応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加することが反応速度を速める点で好ましい。 【0107】これらのポリオールまたはポリアミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁が形成される。 【0108】多価イソシアネート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。 【0109】乳化はホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等の公知の乳化装置を用いて行うことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させるために乳化物を30〜70℃に加温することが行われる。また反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行う等の必要がある。 【0110】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物を添加しても良い。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のジアゾ化合物含有マイクロカプセルを得ることができる。 【0111】(感熱記録材料の層構成)本発明において、感熱記録材料は感熱記録層を複数積層してもよく、各光定着型感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料を得ることもできる。その層構成は特に限定されるものではないが、特に感光波長の異なる2種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーとを組み合わせた光定着型感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた光定着型感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを含む第1の光定着型感熱記録層、最大吸収波長が365±40nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーとを含有する第2の光定着型感熱記録層、最大吸収波長が425±40nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーとを含有する第3の光定着型感熱記録層とするものである。この例において、各光定着型感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。 【0112】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず第3の光定着型感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーを発色させる。次に425±40nmの光を照射して第3の光定着型感熱記録層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の光定着型感熱記録層が発色するのに十分な熱を加え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき第3の光定着型感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。さらに365±40nmの光を照射して第2の光定着型感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解し、最後に第1の光定着型感熱記録層が発色するのに十分な熱を加えて発色させる。このとき第3、第2の光定着型感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。 【0113】本発明において、耐光性を向上させるために以下に示す公知の酸化防止剤を用いることができ、例えばヨーロッパ公開特許第310551号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、ヨーロッパ公開特許第310552号公報、特開平3−121449号公報、ヨーロッパ公開特許第459416号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第4814262号、特開昭54−48535号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4980275号、特開昭63−113536号公報、特開昭62−262047号公報、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、ヨーロッパ公開特許第309402号公報、ヨーロッパ公開特許第309401号公報等に記載のものが挙げられる。 【0114】さらにすでに感熱記録材料、感圧記録材料として公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の一部を示すならば、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05−188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報等に記載の化合物が挙げられる。 【0115】感熱記録層に用いるバインダーとしては、従来公知のものを使用することができ、ポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性高分子やポリマーラテックスなどを挙げることができる。 【0116】〈光透過率調整層〉本発明の感熱記録材料には、耐光性を向上させるために光透過率調整層を設けるのが好ましい。光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。 【0117】上記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光または熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。 【0118】光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、上記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。光透過率調整層の乾燥塗布量としては、0.8〜4.0g/m2が好ましい。 【0119】〈中間層〉感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中間層を設けることが好ましい。該中間層には、上記保護層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を含ませることができる。上記バインダーとしては、保護層と同様のバインダーが使用できる。また、感熱記録材料の膜硬度を向上させるために、中間層用塗布液には、例えば、ホウ酸等保護層のバインダーと架橋反応する架橋剤などの硬化剤を添加してもよい。 【0120】〈支持体〉上記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)トリアセチルセルロース(TAC)、紙、プラスチック樹脂ラミネート紙、合成紙等が挙げられる。また、透明な感熱記録材料を得る場合には、透明支持体を使用する必要があり、該透明支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられる。 【0121】上記支持体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができる。上記合成高分子フィルムの厚さとしては、25〜300μmが好ましく、100〜250μmがより好ましい。 【0122】上記合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法としては、フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフィルム状に成形する方法、染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。 【0123】上記感熱記録層、保護層、光透過率調整層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することができる。 【0124】 【実施例】以下、実施例を用いて本発明の感熱記録材料について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、下記実施例中「部」は、特に限定のない限り「質量部」を意味し、「%」は特に限定のない限り「質量%」を意味する。 【0125】[実施例1] <フタル化ゼラチン溶液の調製>フタル化ゼラチン(商品名;MGPゼラチン,ニッピコラーゲン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。 【0126】<アルカリ処理ゼラチン溶液の調製>アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)25.5部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.7286部、水酸化カルシウム0.153部、イオン交換水143.6部を混合し、50℃にて溶解し、乳化物作製用アルカリ処理ゼラチン水溶液を得た。 【0127】(1)イエロー感熱記録層液の調製<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)の調製>酢酸エチル16.1部に、下記ジアゾニウム化合物(A)(最大吸収波長420nm)2.2部、下記ジアゾニウム化合物(B)(最大吸収波長420nm)2.2部、モノイソプロピルビフェニル7.2部、フタル酸ジフェニル2.4部およびジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO,BASFジャパン(株)製)0.4部を添加し、40℃に加熱して均一に溶解した。該混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物との混合物(商品名;タケネートD119N(50%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)8.6部を添加し、均一に攪拌し混合液(I)を得た。 【0128】別途、上記フタル化ゼラチン水溶液58.6部にイオン交換水16.3部、Scraph AG−8(50%;日本精化(株)製)0.34部添加し、混合液(II)を得た。混合液(II)に混合液(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応をおこなった。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.36μmであった。 【0129】 【化32】
【0130】<カプラー化合物乳化液(a)の調製>酢酸エチル33.0部に下記カプラー化合物(C)9.9部と、トリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)13.9部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))16.8部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.3部、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)13.6部、4−n−ペンチルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)6.8部、およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C,70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)4.2部とを溶解し、混合液(III)を得た。 【0131】別途上記アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(IV)を得た。混合液(IV)に混合液(III)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が26.5%になるように濃度調節をおこなった。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.21μmであった。更に上記カプラー化合物乳化物100部に対して、SBRラテックス(商品名SN−307,48%液、住化エイビーエスラテックス(株)製)を26.5%に濃度調整したものを9部添加して均一に撹拌してカプラー化合物乳化液(a)を得た。 【0132】 【化33】
【0133】<塗布液(a)の調製>上記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および上記カプラー化合物分乳化液(a)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の質量比が2.2/1になるように混合し、感熱記録層用塗布液(a)を得た。 【0134】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)の調製>酢酸エチル15.1部に、下記ジアゾニウム化合物(D)(最大吸収波長365nm)2.8部、フタル酸ジフェニル3.0部、フェニル2−ベンゾイロキシ安息香酸エステル4.7部および下記エステル化合物(商品名;ライトエステルTMP,共栄油脂化学(株)製)4.2部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C,70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)0.1部を添加し、加熱して、均一に溶解した。該混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物との混合物(商品名;タケネートD119N(50%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)2.5部とキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)6.8部を添加し、均一に攪拌し混合液(V)を得た。 【0135】別途、上記フタル化ゼラチン水溶液55.3部にイオン交換水21.0部添加、混合し、混合液(VI)を得た。混合液(VI)に混合液(V)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水24部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応をおこなった。この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、アンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.43μmであった。 【0136】 【化34】
【0137】<カプラー化合物乳化液(b)の調製>酢酸エチル36.9部に下記カプラー化合物(E)11.9部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)10.0部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))18.0部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン14部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.5部、下記化合物(G)3.5部、リン酸トリクレジル1.7部、マレイン酸ジエチル0.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C,70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)4.5部を溶解し、混合液(VII)を得た。 【0138】別途アルカリ処理ゼラチン水溶液206.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(VIII)を得た。混合液(VIII)に混合液(VII)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が24.5%になるように濃度調節をおこない、カプラー化合物乳化液(b)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.22μmであった。 【0139】 【化35】
【0140】<塗布液(b)の調製>上記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)および上記カプラー化合物分乳化液(b)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の質量比が3.5/1になるように混合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5%)をカプセル液量10部に対し、0.2部になるように混合し、感熱記録層用塗布液(b)を得た。 【0141】(3)シアン感熱記録層液の調製<電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>酢酸エチル18.1部に、下記電子供与性染料(H)7.6部、1−メチルプロピルフェニル−フェニルメタンおよび1−(1−メチルプロピルフェニル)−2−フェニルエタンの混合物(商品名;ハイゾールSAS−310,日本石油(株)製)8.0部、下記化合物(I)(商品名;Irgaperm2140 チバガイギー(株)製)10.0部を添加し、加熱して、均一に溶解した。該混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)7.2部とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名;ミリオネートMR−200,日本ポリウレタン工業(株)製)5.3部とを添加し、均一に攪拌し混合液(IX)を得た。 【0142】別途、上記フタル化ゼラチン水溶液28.8部にイオン交換水9.5部、Scraph AG−8(50%;日本精化(株)製)0.17部およびドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加混合し、混合液(X)を得た。混合液(X)に混合液(IX)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水50部、テトラエチレンペンタミン0.12部を加え均一化し、65℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応をおこないカプセル液の固形分濃度が33%になるように濃度調節しマイクロカプセル液を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で1.00μmであった。更に上記マイクロカプセル液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25%水溶液(商品名;ネオペレックスF−25、花王(株)製)3.7部と4,4'−ビストリアジニルアミノスチルベン−2,2‘−ジスルフォン誘導体を含む蛍光増白剤(商品名;Kaycoll BXNL、日本曹達(株)製)4.2部を添加して均一に撹拌してマイクロカプセル分散液(c)を得た。 【0143】 【化36】
【0144】<電子受容性化合物分散液(c)の調製>上記フタル化ゼラチン水溶液11.3部にイオン交換水30.1部、4,4‘−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールP、三井石油化学(株)製)15部、2%−2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウム水溶液3.8部を加えて、ボールミルにて一晩分散し、分散液を得た。この分散液の、固形分濃度は26.6%であった。上記分散液100部に、上記アルカリ処理ゼラチン水溶液45.2部加えて、30分攪拌した後、分散液の固形分濃度が23.5%となるようにイオン交換水を加えて電子受容性化合物分散液(c)を得た。 【0145】<塗布液(c)の調製>上記電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)および上記電子受容性化合物分散液(c)を、電子受容性化合物/電子供与性染料前駆体の質量比が10/1になるように混合し、塗布液(c)を得た。 【0146】(4)中間層用塗布液の調製アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)100.0部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)2.857部、水酸化カルシウム0.5部、イオン交換水521.643部を混合し、50℃にて溶解し、中間層作製用ゼラチン水溶液を得た。 【0147】上記中間層作製用ゼラチン水溶液10.0部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製,2.0%水溶液)0.05部、ホウ酸(4.0%水溶液)2.07部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5%)0.19部、下記化合物(J)(和光純薬(株)製)の4%水溶液3.42部、下記化合物(J’)(和光純薬(株)製)の4%水溶液1.13部、イオン交換水0.67部を混合し、中間層用塗布液とした。 【0148】 【化37】
【0149】(5)光透過率調整用塗布液の調製<紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液の調製>酢酸エチル71部に紫外線吸収剤前駆体として[2−アリル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−オクチルフェニル]ベンゼンスルホナート14.5部、2,2'−t−オクチルハイドロキノン4.0部、燐酸トリクレジル2.9部、α−メチルスチレンダイマー(商品名:MSD−100,三井化学(株)製)5.7部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C(70%メタノール溶液),竹本油脂(株)製)0.45部を溶解し均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)54.7部を添加し、均一に攪拌し紫外線吸収剤前駆体混合液を得た。 【0150】別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318,クラレ(株)製)52部に30%燐酸水溶液8.9部、イオン交換水532.6部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液を調製した。 【0151】上記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液516.06部に上記紫外線吸収剤前駆体混合液を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて20℃の下で乳化分散した。得られた乳化液にイオン交換水254.1部を加え均一化した後、40℃下で攪拌しながら3時間カプセル化反応をおこなった。この後、イオン交換樹脂アンバーライトMB−3(オルガノ(株)製)94.3部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除きカプセル液の固形分濃度が13.5%になるように濃度調節した。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.23±0.05μmであった。このカプセル液859.1部にカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(商品名:SN−307,(48%水溶液),住友ノーガタック(株)製)2.416部、イオン交換水39.5部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液を得た。 【0152】<光透過率調整層用塗布液の調製>上記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液1000部、下記化合物(K)(商品名:メガファックF−120,5%水溶液,大日本インキ化学工業(株))5.2部、4%水酸化ナトリウム水溶液7.75部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製,2.0%水溶液)73.39部を混合し、光透過率調整層用塗布液を得た。 【0153】 【化38】
【0154】(6)保護層用塗布液の調製<保護層用ポリビニルアルコール溶液の調製>4%ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−130,電気化学工業(株)製)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルとの混合液(商品名:ネオスコアCM−57,(54%水溶液),東邦化学工業(株)製)8.74部、イオン交換水3832部を混合し、90℃のもとで1時間溶解し均一な保護層用ポリビニルアルコール溶液を得た。 【0155】<保護層用顔料分散液の調製>硫酸バリウム(商品名:BF−21F,硫酸バリウム含有量93%以上,堺化学工業(株)製)8部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ532A(40%水溶液),花王(株)製)0.2部、イオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して硫酸バリウム分散液を調製した。この分散液は粒径測定(LA−910,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で0.15μm以下であった。上記硫酸バリウム分散液45.6部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20%水分散液)、日産化学(株)製、平均粒径20nm)10.1部を添加して目的の保護層用顔料分散液を得た。 【0156】<保護層用マット剤分散液の調製>小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S,新進食料工業(株)製)190部に1−2ベンズイソチアゾリン3オンの水分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I(株)製)3.81部、イオン交換水1976.19部を混合し、均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得た。 【0157】<保護層用塗布液の調製>上記保護層用ポリビニルアルコール溶液1000部に上記化合物(K)(商品名:メガファックF−120,5%水溶液,大日本インキ化学工業(株))40部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製,2.0%水溶液)50部、上記保護層用顔料分散液49.87部、上記保護層用マット剤分散液16.65部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイミクロンLIII,21.5%水溶液,中京油脂(株)製)48.7部、アクリルシリコーン変性エマルション(商品名:ARJ−2A,44質量%分散液、日本純薬(株)製)4.65部、イオン交換水275.35部を均一に混合し保護層用塗布液を得た。 【0158】<支持体の作製>(下塗り層用塗布液の調製)酵素分解ゼラチン(平均分子量:10000、PAGI法粘度:1.5mPa・s(15mP)、PAGI法ゼリー強度:20g)40部をイオン交換水60部に加えて40℃で攪拌溶解して下塗り層用ゼラチン水溶液を調製した。別途水膨潤性の合成雲母(アスペクト比:1000、商品名:ソマシフME100,コープケミカル社製)8部と水92部とを混合した後、ビスコミルで湿式分散し、平均粒径が2.0μmの雲母分散液を得た。この雲母分散液に雲母濃度が5%となるように水を加え、均一に混合し、所望の雲母分散液を調製した。 【0159】40℃の40%上記下塗り層用ゼラチン水溶液100部に、水120部およびメタノール556部を加え、十分攪拌混合した後、5%上記雲母分散液208部を加えて、十分攪拌混合し、1.66%ポリエチレンオキサイド系界面活性剤6.8部を加えた。そして液温を35℃〜40℃に保ち、エポキシ化合物のゼラチン硬膜剤7.3部を加えて下塗り層用塗布液(5.7%)を調製し、下塗り用塗布液を得た。 【0160】(下塗り層付き支持体の作製)LBPS50部とLBPK50部とからなる木材パルプをデイスクリファイナーによりカナデイアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、硫酸アルミニウム1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部をいずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し長網抄紙機により坪量114g/m2の原紙を抄造し、キャレンダー処理を施して厚み100μmに調整した。 【0161】次に原紙の両面にコロナ放電処理を施した後、溶融押し出し機を用いてポリエチレンを樹脂厚36μmとなるようにコーテイングし、マット面からなる樹脂層を形成した(この面を「ウラ面」と称する。)。次に上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶融押し出し機を用いてアナターゼ型二酸化チタンを10%および微量の群青を含有したポリエチレンを樹脂厚50μmとなるようにコーテイングし光沢面からなる樹脂層を形成した(この面を「オモテ面」と称する)。ウラ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理を施した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(商品名;アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)/二酸化珪素(商品名;スノーテックスO、日産化学工業(株)製)=1/2(質量比)を水に分散させて乾燥後の質量で0.2g/m2塗布した。次にオモテ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理を施した後、上記下塗り層用塗布液を雲母の塗布量が0.26g/m2となるように塗布し、下塗り層付き支持体を得た。 【0162】<各感熱記録層用塗布液の塗布>上記下塗り層付き支持体の表面に、下から、上記感熱記録層用塗布液(c)、上記中間層(中間層A)用塗布液、上記感熱記録層用塗布液(b)、上記中間層(中間層B)用塗布液、上記感熱記録層用塗布液(a)、上記光透過率調整層用塗布液、上記保護層用塗布液の順に7層同時に連続塗布し、30℃・湿度30%、および40℃・湿度30%の条件でそれぞれ乾燥して実施例1の多色感熱記録材料を得た。この際上記感熱記録層用塗布液(a)の塗布量は液中に含まれるジアゾニウム化合物(A)の塗布量が固形分塗布量で0.078g/m2となるように調整し、同様に上記感熱記録層用塗布液(b)の塗布量は液中に含まれるジアゾニウム化合物(D)の塗布量が固形分塗布量で0.206g/m2となるように調整し、同様に上記感熱記録層用塗布液(c)の塗布量は液中に含まれる電子供与性染料(H)の塗布量が固形分塗布量で0.355g/m2となるように調整して塗布をおこなった。 【0163】また、上記中間層B用塗布液は固形分塗布量が2.38g/m2、上記中間層A用塗布液は固形分塗布量が3.39g/m2、上記光透過率調整層用塗布液は固形分塗布量が2.35g/m2、保護層用塗布液は固形分塗布量が1.70g/m2となるように塗布をおこなった。 【0164】[実施例2]実施例1において、中間層用塗布液に添加するホウ酸(4.0%水溶液)の添加量を、「2.07部」から「2.64部」に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の多色感熱記録材料を得た。 【0165】[比較例1]実施例1において、中間層用塗布液に添加するホウ酸(4.0%水溶液)の添加量を、「2.07部」から「1.5部」に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の多色感熱記録材料を得た。 【0166】[比較例2]実施例1において、保護層用塗布液を調製する際に、アクリルシリコーン変性エマルションを添加しなかった以外は実施例1と同様にして比較例2の多色感熱記録材料を得た。 【0167】[比較例3]実施例1において、保護層用ポリビニルアルコール溶液を調製する際に、「4%ビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−130,電気化学工業(株)製)160部」を「4%ポリビニルアルコール(商品名:PVA217C,(株)クラレ製)160部」に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3の多色感熱記録材料を得た。 【0168】[比較例4]実施例1において、中間層用塗布液に添加するホウ酸(4.0%水溶液)の添加量を、「2.07部」から「3.75部」に変更した以外は実施例1と同様にして比較例4の多色感熱記録材料を得た。 【0169】[比較例5]実施例1において、保護層用塗布液を調製する際、保護層用顔料分散液を下記比較保護層用顔料分散液に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5の多色感熱記録材料を得た。 【0170】<比較保護層用顔料分散液の調製>カオリン(商品名:カオグロス,白石工業(株)製)8部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ532A(40%水溶液),花王(株)製)0.2部、イオン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して比較保護層用顔料分散液を調製した。この分散液は粒径測定(LA−910,堀場製作所(株)製で測定)の結果、メジアン径で1.0μm以下であった。 【0171】《評価》上記実施例および比較例の多色感熱記録材料について以下の評価をおこなった。各々の結果を表4に示す。 【0172】<膜硬度の測定>(サンプルの作製)厚さ175μmのPETベースに各々の保護層用塗布液と中間層用塗布液をそれぞれ固形分塗布量が1.5g/m2および3.0g/m2になるように連続塗布し、その後乾燥して実施例および比較例の各々に対応するサンプルを作製した。 【0173】(ダイナミック硬度の測定)得られたサンプルを120℃に加熱し、稜間角115°の三角錐圧子を用いて島津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−200型によって120℃における保護層のダイナミック硬度を測定した。 【0174】<光沢度の測定>富士写真フイルム(株)製のデジタルプリンター「NC370D」を用いて、各感熱記録材料に黒ベタ画像を印画した。各感熱記録材料の黒ベタ印画面の鏡面光沢度をスガ試験機(株)製のデジタル変角光沢度計「UGV−5D」を用いて20°の入射角で測定した。 【0175】<印画トルクの測定>ブラテン径12φ、硬さ40°、押圧6kg/cmの治具プリンター((株)マチレス社製「GX−3機」)にA5サーマルヘッド(TDK製、型式LV4403)を取り付けて、ライン周期5.29ms、電力0.32W、最大印画エネルギー105.6mJ/mm2、搬送速度16mm/sの印画条件で階調印画をおこなった。その際に、感熱記録材料とブラテンロールとの間に生じるトルクを印画エネルギーが17mJ/mm2、40mJ/mm2および95mJ/mm2の際に測定し、これを動摩擦係数に換算した。 【0176】<負荷変動ムラの評価>富士写真フイルム(株)製のデジタルプリンター「NC370D」を用いて、各感熱記録材料にグレーのベタ画像を印画し、濃度のムラの程度を目視によって下記の基準に従って評価した。 〔基準〕 AA: 濃度ムラの発生が認められなかった。 BB: 弱い濃度ムラの発生が部分的に認められた。 CC: 強い濃度ムラの発生が認められた。 【0177】<接触角の測定>富士写真フイルム(株)製のデジタルプリンター「NC370D」を用いて、各感熱記録材料に黒ベタ画像を印画した。感熱記録材料の印画領域の水に対する接触角を協和界面科学(株)製の接触角計「FACE 接触角計 CA−D型」によって測定した。 【0178】 【表4】
【0179】表4から、保護層の膜硬度(ダイナミック硬度)が40以上であり、かつ、画像領域の水に対する接触角が75°以上の実施例の多色感熱記録材料は、印画トルク、特に17mJ/mm2の印画トルクが低減されており、光沢度、画質ともに優れていた。 【発明の効果】本発明によれば、高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう感熱記録材料において、高い光沢度を有し、高画質な画像を記録することができる感熱記録材料を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月8日(2001.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−145928(P2003−145928A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−343519(P2001−343519) |
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