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【発明の名称】 印刷方法および印刷装置
【発明者】 【氏名】斎藤 和幸
【住所又は居所】宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3番地の1・東北リコー株式会社内

【氏名】鈴木 和幸
【住所又は居所】宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3番地の1・東北リコー株式会社内

【要約】 【課題】インキパックと交換のために前カバーを開けると機械が自動的に停止し、マスタロールと交換のために製版部カバーを開けたり、製版ユニットを引き出したりしても機械が自動的に停止し、排版ボックス内の満杯になった排版を廃棄する場合、排版部カバーを開けたり、前カバーを開けると機械が自動的に停止してしまうことにより、印刷動作が中断してしまい、仕事が終了するまで時間が掛かるという問題を解決する。

【解決手段】制御装置200は、マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、マスタロール62のマスタ61が無くなる直前の状態を表示するように液晶表示部123およびマスタ無し直前表示ランプ133を制御し、かつ、本体フレーム18からマスタトレイユニット221を引き出しても印刷動作を継続するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】インキを収納したインキ容器を着脱自在に支持するインキ容器受台と、このインキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキを用いて印刷を行う印刷ドラムと、上記インキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、上記インキ残量検知手段により上記インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に上記インキ容器の交換を可能とすることを特徴とする印刷方法。
【請求項2】マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段および該マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を備えた製版装置と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、上記マスタ残量検知手段により上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に上記マスタロールの交換を可能とすることを特徴とする印刷方法。
【請求項3】製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、この印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離・排出する排版手段と、この排版手段により排出された使用済みのマスタを収納する印刷装置本体に対して着脱自在な排版容器と、上記印刷装置本体に装着された上記排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、上記排版量検知手段により上記排版容器内の排版が満杯になる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に上記排版容器の着脱を可能とすることを特徴とする印刷方法。
【請求項4】インキを収納したインキ容器を着脱自在に支持するインキ容器受台と、このインキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキを用いて印刷を行う印刷ドラムと、上記インキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記インキ容器内のインキの残量状態を報知するインキ残量報知手段と、上記インキ残量検知手段からのインキ残量検知信号に基づいて、上記インキ残量報知手段をして上記インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、印刷動作を継続させる制御手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】請求項4記載の印刷装置において、上記インキ容器受台および上記印刷ドラムを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた開閉部材と、上記開閉部材を開けることなく上記インキ容器の着脱を行える、上記印刷装置本体に対して開閉自在なインキ容器着脱用開閉部材とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】請求項5記載の印刷装置において、上記インキ容器着脱用開閉部材を上記開閉部材に設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】請求項4,5または6記載の印刷装置において、上記インキ残量検知手段は、上記インキ容器に設けられた共振回路と、該インキ容器の外方にそれぞれ設けられた励磁コイルおよび検出コイルとにより構成されており、上記共振回路が、上記インキ容器の周面および底面の何れか一方または双方にそれぞれ設けられた一対の電極と、該一対の電極の一方の電極に接続され上記励磁コイルに対向して設けられた第1コイルと、上記一対の電極の他方の電極に接続され上記検出コイルに対向して設けられた第2コイルとを具備したことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】請求項4,5または6記載の印刷装置において、上記印刷ドラムにインキを供給すべくインキポンプを駆動するポンプ駆動手段を有し、上記インキ残量検知手段は、上記ポンプ駆動手段による上記インキポンプの駆動回数を計数するポンプ駆動回数計数手段であることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段および該マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を備えた製版装置と、上記マスタ支持手段を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版開閉部材と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段と、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記製版開閉部材を開けても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を少なくとも備え印刷装置本体に対して着脱自在なマスタユニットおよび上記マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を具備する製版装置と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段と、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記印刷装置本体から上記マスタユニットを引き出しても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を少なくとも備え印刷装置本体に対して着脱自在なマスタユニットおよび上記マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を具備する製版装置と、上記マスタ支持手段を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版開閉部材と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段と、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記製版開閉部材を開けて上記印刷装置本体から上記マスタユニットを引き出しても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項12】請求項9,10または11記載の印刷装置において、上記マスタ残量検知手段は、マスタの製版サイズと上記製版手段による製版回数とから消費したマスタの長さを計算するマスタ消費計算手段であることを特徴とする印刷装置。
【請求項13】請求項9,10または11記載の印刷装置において、上記マスタ残量検知手段は、製版回数から消費したマスタの長さを計算するマスタ消費計算手段であることを特徴とする印刷装置。
【請求項14】請求項9,10または11記載の印刷装置において、上記マスタ残量検知手段は、上記マスタロールの回転量を検知してパルス信号を出力するパルス発生手段と、このパルス発生手段からのパルス数を計数するパルス計数手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項15】製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、この印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離・排出する排版手段と、この排版手段により排出された使用済みのマスタを収納する印刷装置本体に対して着脱自在な排版容器と、上記印刷装置本体に装着された上記排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段とを有する印刷装置において、上記排版容器内の排版量状態を報知する排版量報知手段と、上記排版量検知手段からの排版量検知信号に基づいて、上記排版量報知手段をして上記排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を報知させ、かつ、上記印刷装置本体から上記排版容器を離脱させても印刷動作を継続させる制御手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項16】請求項15記載の印刷装置において、上記排版容器および上記印刷ドラムを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた開閉部材と、上記開閉部材を開けることなく上記排版容器の着脱を行える、上記印刷装置本体に対して開閉自在な排版容器着脱用開閉部材とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項17】請求項16記載の印刷装置において、上記排版容器着脱用開閉部材を上記開閉部材に設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項18】請求項15記載の印刷装置において、上記排版容器を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた排版開閉部材を有し、上記制御手段は、上記排版開閉部材を開けても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させることを特徴とする印刷装置。
【請求項19】請求項15ないし18の何れか一つに記載の印刷装置において、上記排版量検知手段は、マスタの製版サイズと上記排版手段による排版回数とから上記排版量を計算する排版量計算手段であることを特徴とする印刷装置。
【請求項20】請求項15ないし18の何れか一つに記載の印刷装置において、上記排版量検知手段は、上記排版手段による排版回数から上記排版量を検知する排版回数計数検知手段であることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷方法および印刷装置に関し、さらに詳しくは、孔版印刷装置を使用する孔版印刷方法を含む印刷方法および孔版印刷装置等を含む印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】簡便な印刷方式として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置を使用した孔版印刷方法が知られている。まず、前回の印刷動作で使用された感熱孔版マスタ(以下「マスタ」という)が巻装されている多孔性円筒状の印刷ドラムの外周面から排版剥離ローラおよび排版ローラ等(排版手段)により排版(使用済みのマスタ)を剥離・搬送し、排版ボックス(排版容器)内に排出する。この排版動作と並行して、製版動作を行う。すなわち、例えば厚さが1〜2μmの非常に薄い熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体(ベース)として和紙等の天然繊維とか合成繊維、あるいは天然繊維および合成繊維を混抄したものとを貼り合わせて構成されたマスタを、画像情報に基づいてサーマルヘッド等の製版手段で製版し、製版されたマスタを版胴とも呼ばれている多孔性円筒状の印刷ドラムの外周面に巻き付け、その印刷ドラム上のマスタに対してプレスローラ等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押し付け、インキポンプ等の駆動によりインキが収納されたインキパック(インキ容器)からインキを印刷ドラムの内部に設けられたインキ溜まりに供給し、さらにインキ溜まりからインキローラ等のインキ供給部材へ供給することで、印刷ドラムの開孔部分およびマスタの穿孔部分からインキを通過させ印刷用紙に転移させることで印刷画像を形成するようになっている。
【0003】インキおよびこれを収納しているインキパックは、通常、インキパックを含めてサプライ(補給品・消耗品)となっており、インキパック内のインキがほとんど無くなった時、これを公知のインキ残量検知手段により検知し、その事実を操作パネル等の表示部に表示して、ユーザやユーザ(以下「ユーザ」という)にインキパックの交換を知らせると共に、機械(孔版印刷装置における印刷ドラム等の回転動作部分)は自動的に停止するようになっている。大半の孔版印刷装置では、インキパックを着脱自在に支持するインキパックトレイ(インキ容器受台)は、印刷ドラムの内部または印刷ドラム近傍の外部に印刷ドラムと一体的に設けられていて、これらは印刷装置本体に対して着脱自在なドラムユニットを構成している。
【0004】新しいインキパックとの交換は、通常、ドラムユニットの印刷ドラムおよびインキパックトレイを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた前カバー(開閉部材)を開け、さらにドラムユニットを引き出して行う。あるいは、機種によっては前カバー(開閉部材)を開け、ドラムユニットに摺動自在に設けられたインキパックトレイだけを引き出して新しいインキパックとの交換を行うことが可能なものもある。前カバーは、回転中の印刷ドラムに人体が触れることを防止する安全カバーとしての役割がある。そのため、前カバーを開けると、インキパック内のインキの残量に拘らず、機械は自動的に停止するようになっている。
【0005】また、マスタがロール状に巻かれて形成されたマスタロールのマスタも、サプライ(補給品・消耗品)であり、マスタロールのマスタがほとんど無くなった時、これを公知のマスタ残量検知手段により検知し、その事実を操作パネル等の表示部に表示して、ユーザにマスタロールの交換を知らせると共に、機械は自動的に停止するようになっている。新しいマスタロールとの交換は、印刷装置本体側の製版装置に配設されマスタロールを着脱自在、かつ、マスタを繰り出し可能に支持するロールホルダ(マスタ支持手段)を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版部カバー(製版開閉部材)を開けて行う。そして、製版部カバーを開けると、マスタロールのマスタの残量に拘らず、機械は自動的に停止するようになっている。
【0006】最近の機種によっては、例えば特開平9−226088号公報の図1ないし図5等に示されているようなロールフランジ対(225a,225b)(マスタロール支持手段)等を備えた部分的なユニットであるマスタ保持ユニット(21)、例えば特開平10−202996号や特開平10−202997号公報の図1ないし図3等に示されているように、ロールホルダ、マスタを製版するサーマルヘッド(製版手段)、サーマルヘッドの下流側に配設されたテンションローラ対やカッタ(切断手段)および反転ローラ対等も有する部分が印刷装置本体に対して着脱自在な製版部ユニット(20)(プロッタユニット)を構成しているものもある。このようなプロッタユニットでは、中継コネクタを介して印刷装置本体側に電気的に接続されていて、印刷装置本体側と各種制御信号や電力の授受を行っている。上述したような各種ユニットを構成している機種の場合でも、印刷装置本体からマスタ保持ユニット(21)や製版部ユニット(20)自体が引き出されたならば、新しいマスタロールの交換と制御装置側で判断され、矢張りマスタロールのマスタの残量に拘らず、機械は自動的に停止するようになっている。
【0007】また、排版装置における排版剥離ローラや排版ローラ等(排版手段)によって印刷ドラム上の使用済みのマスタが剥離・搬送されて、排版ボックス(排版容器)内に排出される排版(使用済みのマスタ)も、上述したインキやマスタと同種のサプライに属するとみなすことができる。排版ボックス内の排版が満杯になった時、これを公知の排版満杯検知手段により検知し、その事実を操作パネル等の表示部に表示して、ユーザに排版ボックス内の排版が満杯になったことを知らせると共に、機械(孔版印刷装置における印刷ドラム等の回転動作部分)は自動的に停止するようになっている。比較的旧式の孔版印刷装置では、排版ボックスは印刷装置本体に対して着脱自在になされていて、排版ボックスを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた排版部カバー(排版開閉部材)を開けて、排版ボックスを離脱させその排版ボックス内の排版を廃棄する。そして、排版部カバーを開けると、排版の満杯状態に拘らず、機械は自動的に停止するようになっている。
【0008】一方、比較的最近の孔版印刷装置では、上述したインキ容器の着脱時と同様に、操作性の向上を図るためにユーザの通常の操作側に対向して、インキパックトレイ、排版ボックスおよび印刷ドラムを覆う、印刷装置本体に対して開閉自在な前カバー(上記開閉部材と同じ)が設けられている。排版ボックス内の排版の廃棄は、ユーザが操作パネル等の表示部の排版満杯表示を視認等した上で、前カバーを開け、さらに排版ボックスを引き出して行う。前カバーには、回転中の印刷ドラムに人体が触れることを防止する安全カバーとしての役割があるため、前カバーを開けると、排版ボックス内の排版の満杯状態に拘らず、機械は自動的に停止するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インキ供給の場合、新しいインキパックと交換のために前カバーを開けると機械が自動的に停止するし、マスタ供給の場合、新しいマスタロールと交換のために製版部カバーを開けたり、機種によっては製版ユニットを引き出したりしても機械が自動的に停止し、また、排版ボックス内の満杯になった排版を廃棄する場合、排版部カバーを開けたり、機種によっては矢張り前カバーを開けると機械が自動的に停止してしまうことにより、印刷動作が中断してしまい、急いで印刷しているときなどには印刷開始までの待ち時間が長くなって、結局、印刷動作等の仕事が終了するまで時間が掛かるという問題点があった。また、印刷動作を再開するために、例えば印刷スタートキーもしくはプリントキーを押すというような煩わしい操作も行わなければならかった。
【0010】このような問題点は、例えばA4サイズのみの印刷用紙を使用して孔版印刷を行うように構成されたいわゆるA4サイズ専用機のように、印刷ドラムが着脱自在に構成されていない孔版印刷装置でも同様に生じることも明らかである。また、印刷ドラムを複数有し、これに対応してインキパックトレイ(インキ容器受台)、ロールホルダ(マスタ支持手段)あるいは排版ボックス(排版容器)を備えた多色印刷装置であるか単色印刷装置であるかを問わず、同様に生じることも明らかである。
【0011】したがって、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、インキやマスタのサプライが無くなったとき、あるいは排版が満杯になったときのように、新しいサプライを供給したり排版を廃棄したりする場合、印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷方法および印刷装置を提供することにある。
【0012】請求項ごとの目的を挙げれば、以下のとおりである。請求項1記載の発明の目的は、インキ容器受台に装着されたインキ容器内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段により上記インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中にインキ容器の交換を可能とすることによって、印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷方法を提供することにある。
【0013】請求項2記載の発明の目的は、マスタ支持手段に支持されたマスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段によりマスタロールのマスタが無くなる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中にマスタロールの交換を可能とすることによって、印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷方法を提供することにある。
【0014】請求項3記載の発明の目的は、印刷装置本体に装着された排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段により排版容器内の排版が満杯になる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に排版容器の着脱を可能とすることによって、印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷方法を提供することにある。
【0015】請求項4および5記載の発明の目的は、インキ容器受台に装着されたインキ容器内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段からのインキ残量検知信号に基づいて、インキ容器内のインキの残量状態を報知するインキ残量報知手段をしてインキ容器内のインキが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、印刷動作を継続させる制御手段とを有して構成することにより、またンキ容器受台および印刷ドラムを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた開閉部材を開けることなくインキ容器の着脱を行える、印刷装置本体に対して開閉自在なインキ容器着脱用開閉部材とを有して構成することにより、印刷動作継続中にインキ容器の交換を可能とし、これにより印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0016】請求項6記載の発明の目的は、請求項5記載の発明の目的に加えて、インキ容器着脱用開閉部材を開閉部材に設けることにより、インキ容器の着脱・交換時の操作性を図ることにある。
【0017】請求項7記載の発明の目的は、請求項4,5または6記載の発明の目的に加えて、インキ残量検知手段を、インキ容器に設けられた共振回路と、インキ容器の外方にそれぞれ設けられた励磁コイルおよび検出コイルとにより構成し、共振回路を、インキ容器の周面および底面の何れか一方または双方にそれぞれ設けられた一対の電極と、一対の電極の一方の電極に接続され励磁コイルに対向して設けられた第1コイルと、一対の電極の他方の電極に接続され検出コイルに対向して設けられた第2コイルとを具備して構成することにより、比較的簡単な構成で、比較的僅かなスペースに収容できて、電極を腐食させずに、インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を信頼性高くかつ精度高く確実に検知できるようにすることにある。
【0018】請求項8記載の発明の目的は、請求項4,5または6記載の発明の目的に加えて、インキ残量検知手段を、印刷ドラムにインキを供給すべくインキポンプを駆動するポンプ駆動手段によるインキポンプの駆動回数を計数するポンプ駆動回数計数手段で構成することにより、インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を検知精度高く検知できるようにすることにある。
【0019】請求項9記載の発明の目的は、マスタ支持手段に支持されたマスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段をしてマスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、マスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版開閉部材を開けても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段等を有して構成することにより、印刷動作継続中にマスタロールの交換を可能とし、これにより印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0020】請求項10記載の発明の目的は、マスタ支持手段に支持されたマスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段をしてマスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、マスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を少なくとも備え印刷装置本体に対して着脱自在なマスタユニットを印刷装置本体から引き出しても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段等を有して構成することにより、印刷動作継続中にマスタロールの交換を可能とし、これにより印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0021】請求項11記載の発明の目的は、マスタ支持手段に支持されたマスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段をしてマスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、マスタ支持手段を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版開閉部材を開けて、マスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を少なくとも備え印刷装置本体に対して着脱自在なマスタユニットを印刷装置本体から引き出しても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段等を有して構成することにより、印刷動作継続中にマスタロールの交換を可能とし、これにより印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて作業性および生産性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0022】請求項12記載の発明の目的は、請求項9,10または11記載の発明の目的に加えて、マスタ残量検知手段を、マスタの製版サイズと製版手段による製版回数とから消費したマスタの長さを計算するマスタ消費計算手段で構成することにより、マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を、比較的簡単な構成で精度高くかつ安価に検知できるようにすることにある。
【0023】請求項13記載の発明の目的は、請求項9,10または11記載の発明の目的に加えて、マスタ残量検知手段を、製版回数から消費したマスタの長さを計算するマスタ消費計算手段で構成することにより、マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を比較的簡単な構成でかつ安価に検知できるようにすることにある。
【0024】請求項14記載の発明の目的は、請求項9,10または11記載の発明の目的に加えて、マスタ残量検知手段を、マスタロールの回転量を検知してパルス信号を出力するパルス発生手段と、このパルス発生手段からのパルス数を計数するパルス計数手段とで構成することにより、マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を、比較的簡単な構成でかつ安価に検知できるようにすることにある。
【0025】請求項15および16記載の発明の目的は、排版手段により排出された使用済みのマスタを収納する印刷装置本体に対して着脱自在な印刷装置本体に装着された排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段からの排版量検知信号に基づいて、排版容器内の排版量状態を報知する排版量報知手段をして排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を報知させ、かつ、印刷装置本体から排版容器を離脱させても印刷動作を継続させる制御手段等を有して構成することにより、また排版容器および上記印刷ドラムを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた開閉部材を開けることなく排版容器の着脱を行える、印刷装置本体に対して開閉自在な排版容器着脱用開閉部材を有して構成することにより、印刷動作継続中に排版容器の着脱を可能とし、これにより印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0026】請求項17記載の発明の目的は、請求項15および16記載の発明の目的に加えて、排版容器の着脱時の操作性を図ることにある。
【0027】請求項18記載の発明の目的は、排版手段により排出された使用済みのマスタを収納する印刷装置本体に対して着脱自在な印刷装置本体に装着された排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段からの排版量検知信号に基づいて、排版容器内の排版量状態を報知する排版量報知手段をして排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を報知させ、かつ、排版開閉部材を開けて印刷装置本体から排版容器を離脱させても印刷動作を継続させる制御手段等を有して構成することにより、印刷動作継続中に排版容器の着脱を可能とし、これにより印刷動作を極力停止させないようにすることで、仕事が終了するまでの時間の節約を図り、ユーザの作業効率を高めて、作業性および生産性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0028】請求項19記載の発明の目的は、請求項15ないし18の何れか一つに記載の発明の目的に加えて、排版量検知手段を、マスタの製版サイズと排版手段による排版回数とから排版量を計算する排版量計算手段で構成することにより、排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を、比較的簡単な構成で精度高くかつ安価に検知できるようにすることにある。
【0029】請求項20記載の発明の目的は、請求項15ないし18の何れか一つに記載の発明の目的に加えて、排版量検知手段を、排版手段による排版回数から排版量を検知する排版回数計数検知手段で構成することにより、排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を、比較的簡単な構成でかつ安価に検知できるようにすることにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決し上記目的を達成するために、請求項ごとの発明においては以下の手段・構成を採っていることを特徴とするものである。請求項1記載の発明では、インキを収納したインキ容器を着脱自在に支持するインキ容器受台と、このインキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキを用いて印刷を行う印刷ドラムと、上記インキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、上記インキ残量検知手段により上記インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に上記インキ容器の交換を可能とすることを特徴とする。
【0031】請求項2記載の発明では、マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段および該マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を備えた製版装置と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、上記マスタ残量検知手段により上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に上記マスタロールの交換を可能とすることを特徴とする。
【0032】請求項3記載の発明では、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、この印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離・排出する排版手段と、この排版手段により排出された使用済みのマスタを収納する印刷装置本体に対して着脱自在な排版容器と、上記印刷装置本体に装着された上記排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、上記排版量検知手段により上記排版容器内の排版が満杯になる直前の状態を検知し、この状態を報知することにより、印刷動作を許容してその印刷動作継続中に上記排版容器の着脱を可能とすることを特徴とする。
【0033】請求項4記載の発明は、インキを収納したインキ容器を着脱自在に支持するインキ容器受台と、このインキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキを用いて印刷を行う印刷ドラムと、上記インキ容器受台に装着された上記インキ容器内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記インキ容器内のインキの残量状態を報知するインキ残量報知手段と、上記インキ残量検知手段からのインキ残量検知信号に基づいて、上記インキ残量報知手段をして上記インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、印刷動作を継続させる制御手段とを有することを特徴とする。ここで、請求項1や請求項4等における「インキ容器内のインキが無くなる直前の状態」とは、インキ容器内のインキが完全に無くなる直前の状態を含むことを意味する。インキの節約、ひいては省資源化を図る上からは、インキが完全に無くなる直前の状態を精度良く検知することが好ましい。孔版印刷装置等の印刷装置では、通常、印刷ドラム内にインキ溜まりを形成しながら印刷ドラム上のマスタ等にインキを計量しながら供給するので、直ぐには印刷画像濃度に影響を及ぼさないからである。
【0034】インキ容器内の残りのインキを回収可能なリサイクルシステムがあったり、インキの節約をそれ程望まなくてもよい条件下で、印刷動作を極力停止させないようにするには、インキ溜まりのインキ量の多少の程度(インキ容量)が関係するし、また予め設定した印刷枚数に対して「インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を報知」した時点における残りの印刷枚数(より正確には印刷画像の印字率や用紙サイズ)とも関係するから、これらの条件に応じて、インキ容器内のインキが無くなる直前の状態を変えて、すなわちインキ容器内のインキが無くなる直前の状態よりも余裕をもってもう少し手前で報知させることも可能である。
【0035】請求項5記載の発明は、請求項4記載の印刷装置において、上記インキ容器受台および上記印刷ドラムを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた開閉部材と、上記開閉部材を開けることなく上記インキ容器の着脱を行える、上記印刷装置本体に対して開閉自在なインキ容器着脱用開閉部材とを有することを特徴とする。請求項6記載の発明は、請求項5記載の印刷装置において、上記インキ容器着脱用開閉部材を上記開閉部材に設けたことを特徴とする。
【0036】請求項7記載の発明は、請求項4,5または6記載の印刷装置において、上記インキ残量検知手段は、上記インキ容器に設けられた共振回路と、該インキ容器の外方にそれぞれ設けられた励磁コイルおよび検出コイルとにより構成されており、上記共振回路が、上記インキ容器の周面および底面の何れか一方または双方にそれぞれ設けられた一対の電極と、該一対の電極の一方の電極に接続され上記励磁コイルに対向して設けられた第1コイルと、上記一対の電極の他方の電極に接続され上記検出コイルに対向して設けられた第2コイルとを具備したことを特徴とする。
【0037】請求項8記載の発明は、請求項4,5または6記載の印刷装置において、上記印刷ドラムにインキを供給すべくインキポンプを駆動するポンプ駆動手段を有し、上記インキ残量検知手段は、上記ポンプ駆動手段による上記インキポンプの駆動回数を計数するポンプ駆動回数計数手段であることを特徴とする。インキ残量検知手段としては、上述したものの他、後述する効果をそれ程望まなくてもよいのであれば、次のようなものでもよい。すなわち、インキを収納(収容)したインキ容器の重量を簡易な重量測定装置等で測定・検知してもよいし、印刷画像の印字率を検出することによりインキ消費量を例えばマイクロコンピュータのCPU(中央演算処理装置)が計算するインキ消費量算出手段等によってもよい。
【0038】請求項9記載の発明は、マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段および該マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を備えた製版装置と、上記マスタ支持手段を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版開閉部材と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段と、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記製版開閉部材を開けても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0039】請求項10記載の発明は、マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を少なくとも備え印刷装置本体に対して着脱自在なマスタユニットおよび上記マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を具備する製版装置と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段と、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記印刷装置本体から上記マスタユニットを引き出しても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0040】請求項11記載の発明は、マスタがロール状に巻かれたマスタロールを着脱自在に支持するマスタ支持手段を少なくとも備え印刷装置本体に対して着脱自在なマスタユニットおよび上記マスタロールから繰り出されたマスタを製版する製版手段を具備する製版装置と、上記マスタ支持手段を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた製版開閉部材と、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、上記マスタ支持手段に支持された上記マスタロールのマスタの残量を検知するマスタ残量検知手段とを有する印刷装置において、上記マスタロールのマスタの残量状態を報知するマスタ残量報知手段と、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記製版開閉部材を開けて上記印刷装置本体から上記マスタユニットを引き出しても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させる制御手段とを有することを特徴とする。ここで、請求項2や請求項9ないし11等における「マスタロールのマスタが無くなる直前の状態」とは、マスタロールのマスタが完全に無くなる直前の状態を含むことを意味する。マスタの節約、ひいては省資源化を図る上からは、マスタが完全に無くなる直前の状態を精度良く検知することが好ましい。請求項10および11における「マスタユニット」の具体例としては、後述する実施形態のマスタトレイユニットがあり、また例えば特開平10−202996号公報の図1ないし図3、図9および図10等に示されているようにマスタ支持部材(マスタ支持手段)およびサーマルヘッド(製版手段)等を具備した製版部ユニットが挙げられる。
【0041】請求項12記載の発明は、請求項9,10または11記載の印刷装置において、上記マスタ残量検知手段は、マスタの製版サイズと上記製版手段による製版回数とから消費したマスタの長さを計算するマスタ消費計算手段であることを特徴とする。
【0042】請求項13記載の発明は、請求項9,10または11記載の印刷装置において、上記マスタ残量検知手段では、製版回数から消費したマスタの長さを計算するマスタ消費計算手段であることを特徴とする。このマスタ残量検知手段は、例えばA4サイズの印刷用紙のみを印刷するA4版専用機や同一サイズの印刷用紙に印刷する場合が多い機種に対して、実益がある。
【0043】請求項14記載の発明は、請求項9,10または11記載の印刷装置において、上記マスタ残量検知手段は、上記マスタロールの回転量を検知してパルス信号を出力するパルス発生手段と、このパルス発生手段からのパルス数を計数するパルス計数手段とを有することを特徴とする。マスタ残量検知手段としては、上述したものの他、後述する効果をそれ程望まなくてもよいのであれば、次のようなものでもよい。すなわち、マスタロールの外周面に当接する揺動自在なアーム部材を設け、マスタの消費に従ってマスタロールの外周径が徐々に小さくなるのに対応してアーム部材の揺動角度が変わることを利用した公知のマスタ残量検知手段等でもよい。
【0044】請求項15記載の発明は、製版されたマスタを巻装する印刷ドラムと、この印刷ドラム上の使用済みのマスタを剥離・排出する排版手段と、この排版手段により排出された使用済みのマスタを収納する印刷装置本体に対して着脱自在な排版容器と、上記印刷装置本体に装着された上記排版容器内の排版量を検知する排版量検知手段とを有する印刷装置において、上記排版容器内の排版量状態を報知する排版量報知手段と、上記排版量検知手段からの排版量検知信号に基づいて、上記排版量報知手段をして上記排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を報知させ、かつ、上記印刷装置本体から上記排版容器を離脱させても印刷動作を継続させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0045】請求項16記載の発明は、請求項15記載の印刷装置において、上記排版容器および上記印刷ドラムを覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた開閉部材と、上記開閉部材を開けることなく上記排版容器の着脱を行える、上記印刷装置本体に対して開閉自在な排版容器着脱用開閉部材とを有することを特徴とする。
【0046】請求項17記載の発明は、請求項16記載の印刷装置において、上記排版容器着脱用開閉部材を上記開閉部材に設けたことを特徴とする。
【0047】請求項18記載の発明は、請求項15記載の印刷装置において、上記排版容器を覆うべく印刷装置本体に開閉自在に設けられた排版開閉部材を有し、上記制御手段は、上記排版開閉部材を開けても印刷動作を許容してその印刷動作を継続させることを特徴とする。
【0048】請求項19記載の発明は、請求項15ないし18の何れか一つに記載の印刷装置において、上記排版量検知手段は、マスタの製版サイズと上記排版手段による排版回数とから上記排版量を計算する排版量計算手段であることを特徴とする。
【0049】請求項20記載の発明は、請求項15ないし18の何れか一つに記載の印刷装置において、上記排版量検知手段は、上記排版手段による排版回数から上記排版量を検知する排版回数計数検知手段であることを特徴とする。請求項19および20において、排版回数を製版回数とみなしてもよい。この排版量検知手段では、例えばA4サイズの印刷用紙のみを印刷するA4版専用機や同一サイズの印刷用紙に印刷する場合が多い機種に対して、実益がある。
【0050】請求項19および請求項20において、排版容器の着脱回数、すなわち排版容器内の排版を廃棄する回数をできるだけ減らして作業効率・作業性の向上を図る上からは、請求項3や請求項15等における「排版容器内の排版が満杯になる直前の状態」を精度良く検知することが好ましい。
【0051】上記各請求項記載の発明においては、次の技術構成を付加することができる。すなわち、第1の技術構成は、請求項9ないし14の何れか一つに記載の印刷装置において、原稿の画像を読取部上で読み取る原稿読取手段と、複数の原稿を載置する原稿受け台を備え上記読取部上に原稿を一枚ずつ給送する自動原稿給送手段と、上記原稿読取手段により読み取られた画像データに応じてマスタを製版する製版手段とを有し、上記制御手段は、上記原稿受け台上に上記複数枚の原稿が有るとき、該複数枚の原稿に対応した製版回数を加味して、上記マスタ残量報知手段をして上記マスタロールのマスタが無くなる直前の状態を報知させ、かつ、上記印刷動作を継続させることを特徴とするものである。
【0052】第2の技術構成は、請求項15ないし20の何れか一つに記載の印刷装置において、原稿の画像を読取部上で読み取る原稿読取手段と、複数の原稿を載置する原稿受け台を備え上記読取部上に原稿を一枚ずつ給送する自動原稿給送手段と、上記原稿読取手段により読み取られた画像データに応じてマスタを製版する製版手段とを有し、上記制御手段は、上記原稿受け台上に上記複数枚の原稿が有るとき、該複数枚の原稿に対応した排版回数を加味して、上記排版量報知手段をして上記排版容器内の排版が満杯となる直前の状態を報知させ、かつ、上記印刷動作を継続させることを特徴とするものである。
【0053】印刷ドラムを用いて印刷を行う印刷方式としては、後述する実施形態のように、少なくともインキ通過性の金属薄板層で形成された支持円筒体を有して構成された印刷ドラムに対して、押圧手段(押圧部材)としてプレスローラや、給送されて来た印刷用紙の先端部を保持する保持手段を備えた印刷ドラムの外径と略同径の圧胴あるいは印刷ドラムの外径よりも大きい倍胴を、印刷用紙を相対的に押し付けて印刷を行う押圧手段接離方式と、製版済みのマスタを介して押圧手段に対して印刷ドラムを押し付けて印刷を行う印刷ドラム接離方式と、それらの併用方式とがある。印刷ドラム接離方式には、印刷ドラムが押圧手段側へ移動(印刷ドラム内部のインキ供給ローラ等が圧胴側へ突出するタイプも含む)して印刷を行う周知のものが挙げられる。印刷ドラム接離方式としては、例えば、特開平1−204781号や、特開平3−197078号あるいは特開平3−254984号公報等に開示されているような金属製スクリーンを内側から外側に向けて膨出させる、いわゆる中押しローラ方式(インキ供給ローラを兼ねるものも含む)が挙げられる。
【0054】インキ残量報知手段、マスタ残量報知手段、排版量報知手段には、表示して知らせるインキ残量表示手段、マスタ残量表示手段、排版量表示手段と、音や音声で知らせる手段とがある。インキ残量表示手段、マスタ残量表示手段、排版量表示手段の具体例としては、後述する実施形態で採用しているLCD(液晶表示装置)を用いた液晶表示部やLED(発光ダイオード)等を用いた各種表示ランプがあり、音や音声で知らせる手段としては、例えばブザー等がある。それ故に、インキ残量報知手段、マスタ残量報知手段、排版量報知手段としては、その目的・用途に併せて上記各種手段から適宜選択したり、それらを適宜組み合わせて用いたりしてもよい。
【0055】インキ残量報知手段、マスタ残量報知手段、排版量報知手段として、後述する実施形態では説明を簡単にするために簡素な構成にしたが、ユーザがいつでもインキ残量表示手段、マスタ残量表示手段、排版量表示手段を見れば現在のインキ容器内のインキの残量、マスタロールのマスタの残量、排版容器の排版量を一目で常時確認することができる点からは、例えば特許第2838222号公報(特開平3−184889号公報)の第2図に示されているインキ残量表示LED(32)のようなものが好ましく、このような表示では新しいインキ容器やマスタロールの予備の手配や事前準備あるいは排版容器の着脱等の表示を適切に行って適時に知らせることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0057】(実施形態1)図1を参照して、第1の実施形態(以下「実施形態1」という)に係る印刷装置の一例としての孔版印刷装置1の全体構成について説明する。図1において、符号18は、孔版印刷装置1の骨組みをなす印刷装置本体側としての本体フレームを示す。孔版印刷装置1は、本体フレーム18の上部に配置され原稿93の画像を読み取る原稿読取部7と、この原稿読取部7の下方の本体フレーム18の一側部に配置されマスタ61がロール状に巻かれたマスタロール62から繰り出されるマスタ61を製版する製版部3と、本体フレーム18の中央部に配置され製版済みのマスタ61を外周面に巻装する印刷ドラム8を備えたドラム部2と、製版部3の下方に配置され、給紙台66上に積載された印刷用紙Pをドラム部2に送出する給紙部4と、この給紙部4に対向する本体フレーム18の下方に配置され、ドラム部2にて印刷された印刷用紙Pを排紙台86に排出する排紙部6と、この排紙部6と原稿読取部7との間に配置され印刷ドラム8の外周面から剥ぎ取られた使用済みのマスタ61を排版ボックス76内に排出する排版部5とを具備する。以下、原稿読取部7、製版部3、ドラム部2、給紙部4、排紙部6および排版部5について順次説明するが、これらはそれぞれ原稿読取装置7、製版装置3、ドラム装置2、給紙装置4、排紙装置6および排版装置5とも呼ばれる。
【0058】原稿読取部7は、複数枚の原稿93を積載する原稿受け台94と、原稿93を載置する読取部としてのコンタクトガラス95と、原稿93を搬送する原稿搬送ローラ対96および原稿搬送ローラ97と、搬送される原稿93をガイドするガイド板98,99と、原稿93をコンタクトガラス95に沿って搬送する複数の原稿搬送ベルト100と、読み取られた原稿93を積載する原稿トレイ101と、コンタクトガラス95を除く上記各部材を支持しコンタクトガラス95に対して接離・開閉自在に設けられた圧板102と、原稿93の画像を照明しつつ走査して読み取るための反射ミラー103,104および蛍光灯105と、走査して読み取られた画像の反射光を集束するレンズ106と、集束された画像の反射光を処理するCCD(電荷結合素子)等を備えた画像センサ107等とを具備している。
【0059】上記構成中、原稿受け台94、原稿搬送ローラ対96、原稿搬送ローラ97、各ガイド板98,99、原稿搬送ベルト100および原稿トレイ101によって、コンタクトガラス95(読取部)上に原稿93を1枚ずつ給送する自動原稿給送手段としての自動原稿搬送装置(以下「ADF」という)108が構成されている。また、コンタクトガラス95、各反射ミラー103,104、蛍光灯105、レンズ106および画像センサ107によって、原稿93の画像をコンタクトガラス95(読取部)上で読み取る原稿読取手段132が構成されている。
【0060】画像センサ107は受光した反射光に対応して光電変換をし、これにより得られた画像信号を本体フレーム18の図示しないアナログ/デジタル(以下「A/D」と略記する)変換部に入力する。
【0061】複数の原稿搬送ベルト100の間には、搬送される原稿93の長さを検出する原稿長さ検出センサ109が配設されている。原稿長さ検出センサ109は、反射型の光学センサであり、コンタクトガラス95上における反射量の違いにより原稿93の有無を検知する。原稿長さ検出センサ109からの信号は、製版部3と給紙部4との間に配置された後述する制御装置200に入力される。原稿長さ検出センサ109からの信号と原稿搬送ベルト100の作動時間とにより、制御装置200は原稿93の長さ、換言すれば原稿サイズ(等倍のときには1版のマスタ61の長さ、すなわち1版の製版サイズでもある)を判定する。原稿受け台94の下方には、原稿受け台94上に残存している原稿93を検知する原稿検知センサ131が配設されている。原稿検知センサ131は、原稿受け台94上の原稿93が無くなったときに制御装置200に信号を出力する。なお、原稿93の長さ(原稿サイズ)を検知する手段は、上記したものに限らず、図1の左右方向およびこれに直交する紙面の手前および奥方向に配設され、原稿93のサイズを検知するための、複数個の光反射型の光学センサから構成される周知の原稿サイズ検知センサ群等であってもよい。
【0062】製版部3は、マスタ61がロール状に巻かれたマスタロール62を着脱自在、かつ、マスタロール62からマスタ61を繰り出し可能に支持するマスタ支持手段55を少なくとも備え、本体フレーム18側に対して着脱自在なマスタユニットとしてのマスタトレイユニット221と、上記A/D変換部および図示しない製版制御部で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき、繰り出されたマスタ61を穿孔・製版する製版手段としてのサーマルヘッド57と、サーマルヘッド57によりマスタ61を押し付けながら回転するプラテンローラ56と、プラテンローラ56に対してサーマルヘッド57を接離させる手段を備えたプラテン圧制御部255と、マスタ61を所定の長さに切断する切断手段58を備えた裁断部270と、プラテンローラ56により搬送される穿孔された製版済みのマスタ61を第2搬送ローラ対60に送出する第1搬送ローラ対59と、製版済みのマスタ61を印刷ドラム8のクランパ15に向けて給送する第2搬送ローラ対60と、マスタ支持手段55に支持されたマスタロール62のマスタ61の有無を検知するマスタ有無検知手段としてのマスタ有無検知センサ53、マスタ支持手段55に支持されたマスタロール62からマスタ61が繰り出し可能にセットされたか否かを検知するマスタセット検知手段としてのマスタセット検知センサ54等とを具備している。なお、マスタ支持手段55は、マスタロール62を着脱自在、かつ、該マスタロール62からマスタ61を繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段と呼ばれることもあり、これと同義である。
【0063】製版部3は、例えば特開平9−226088号公報の図1および図2に示されている製版書込み装置(20)と比較して、マスタトレイユニット221の一部を除き同様の構成を有していて、同様の動作を行うことが可能である。マスタトレイユニット221は、上記特開平9−226088号公報の図1ないし図5等に示されている製版書込み装置(20)のマスタ保持ユニット(21)と比較して、図3および図4に示すように、ロール位置決め案内手段(30)を除去しこれに代えて、マスタロール62のダイレクトセット方式の一例であるロール位置決め案内手段230を有することが主に相違する。
【0064】マスタトレイユニット221は、図2、図3および図4に示すように、ロール受台227、マスタ支持手段55としての左右一対のロールフランジ225a,225b、ロール位置決め案内手段230、ガイド板235および引き出しローラ240から主に構成されている。
【0065】マスタトレイユニット221は、製版部3の本体、すなわち本体フレーム18内に挿入された図1に示す製版挿入位置と、この製版挿入位置から外れた、マスタロール62の着脱を行うための図2に示すロール着脱位置との間で、後述する案内手段を介して図中矢印方向F,Rに摺動自在となっている。ここで、ロール着脱位置とは、製版部3を内蔵している孔版印刷装置1から外方へ摺動した位置も含まれる。それ故に、製版部3からのマスタトレイユニット221の挿脱は、孔版印刷装置1の上部に位置する原稿読取部7をスライドさせるようなことなく行えるので、構造が簡略化でき、軽量化、小型化およびコスト低減化が可能になっている。
【0066】図2において、符号MRは、マスタロール62から繰り出されたマスタ61を搬送するためのマスタ搬送路を示す。図3において、符号MBは、マスタロール62の軸方向と平行方向でもあるマスタ幅方向を示す。図4および図5に示すように、マスタロール62の軸方向には、マスタ61の幅と同じ長さに形成された芯管としてのパイプ状の紙管62aが設けられている。マスタロール62は、紙管62aの周りにマスタ61が巻き付けられてロール状に形成されている。マスタロール62の両方の端面62bは、マスタロール62における紙管62aの軸方向両端と同じ位置になっている。マスタ61は、光透過性を有する1〜2μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィルムに対して和紙繊維あるいは合成繊維、もしくはこれら両材料を混抄したものからなる多孔性支持体を貼り付けてラミネート構造としたものが用いられ、サーマルヘッド等の発熱素子によって加熱穿孔されるものである。上記熱可塑性樹脂フィルムは、例えばポリエステル等でできている。
【0067】マスタ61の厚さは、従来から使用されているマスタの厚さ40〜60μmの約1/2程度となっていて、本実施形態1では1〜30μmのものを用いることができるようになっている。それ故に、マスタロール62の外径は、従来のそれに比べて著しく小さくコンパクトになっていて、装置の小型化に寄与している。また、マスタ61の厚さが、従来のマスタの厚さに比べて非常に薄いものを用いることができるので、いわゆる繊維目を低減させることによる画質の向上、加熱穿孔時間を速めることによる高速製版を可能としている。
【0068】マスタロール62は、上記特開平9−226088号公報の図8に示されていると同様に、図2に示すマスタロール62における紙管62aの周りに巻き付けられているマスタ22の部分のうちで、その使用限界に達した位置から最終端部までの巻装方向に沿った範囲に低反射率部62Aが形成されている。低反射率部62Aは、例えば紙管62a軸方向の略中央部に相当する部分に巻き付けられたマスタ61の最終端部分に塗布された黒色塗装で形成されている。なお、低反射率部62Aは、後述するマスタ有無検知手段によりマスタ61を透過して検知され得るものであれば、上記のものに限らず、例えば紙管62a軸方向の略中央部に塗布された黒色塗装で形成されたものであってもよい。
【0069】ロール受台227は、略筐体状をなしていて、合成樹脂で一体的に形成されている。ロール受台227の上方には、マスタロール62を着脱する際の作業性を良くするためにやや間口の広い開口が形成されており、この開口に連通してマスタロール62を収納する断面略U字状の収納部227eが形成されている。
【0070】ロール受台227の後外壁部には、取っ手227bが一体的に取り付けられている。この取っ手227bを持って後述する案内手段を介して矢印方向Fに押す出すことにより、マスタトレイユニット221を図1に示す製版挿入位置に移動させることができ、矢印方向Rに引き出すことにより製版部3の外部に引き出された、図2に示すロール着脱位置に選択的に移動させることができる。ロール受台227の両側壁下部には、断面が上向きに開口したコ字状をなすスライドレール227cがそれぞれ一体的に形成されている。
【0071】図3において、本体フレーム18側には、左右一対の製版側板278,278(以下「製版側板対278」と略称する)が互いに平行に固設されている。これら製版側板対278の下部には、図2および図3に示すように、ロール受台227の各スライドレール227cと係合することにより、製版挿入位置とロール着脱位置との間でマスタトレイユニット221を摺動自在に案内する案内手段としての左右一対のガイドレール279,279(以下「ガイドレール対279」と略称する)が形成されている。これらガイドレール対279は、内側に開口したコ字状をなす部分で各スライドレール227cとそれぞれ係合するようになっている。マスタトレイユニット221が製版挿入位置を占めたとき、ロール受台227のスライドレール227cの近傍には、製版側板対278に配設されたロック手段と係合する被ロック手段(共に図示せず)が配設されている。上記被ロック手段は、図示しないレバーリンク機構等を介して取っ手227bに連結されていて、取っ手227bを握る等の操作を行うことにより、上記ロック手段と被ロック手段との係合状態を解除することができるようになっている。
【0072】ロールフランジ対225a,225bは、ロール受台227の両側部に配設されている。ロールフランジ対225a,225bには、同一サイズの、マスタロール62の紙管62a内に進退自在な円錐面部225cと、マスタロール62の軸方向の端面62bに選択的に接離する摩擦抵抗部225dとがそれぞれ一体的に形成されている。円錐面部225cは切頭円錐状をなし、摩擦抵抗部225dはリング帯状をなしている。ロールフランジ225bの円錐面部225cは、ロールフランジ225aおよびロール位置決め案内手段230を介して、マスタロール62の紙管62a内に嵌入して、マスタ搬送方向T、マスタ幅方向MBおよび高さ方向の3次元方向にマスタロール62の位置決めをする機能を有する。ロールフランジ対225a,225bの円錐面部225c基部の外径は、紙管62aの内径よりも僅かに小さく形成されている。摩擦抵抗部225dは、マスタロール62が繰り出し方向に回転する時に、摩擦を起こさせてマスタロール62からのマスタ61の繰り出しに対して抵抗する力を生じさせるようになっている。その摩擦抵抗力は、マスタロール62が繰り出し方向に回転されたとき、その回転方向に逆らう力となり、マスタロール62から繰り出されるマスタ61に張力(バックテンション)を生じさせるので、マスタ61が繰り出される際に生じやすい弛み等をなくすことができる。
【0073】ロールフランジ225bは、図4に示すように、マスタトレイユニット221が製版挿入位置を占めたとき、マスタロール62の左側の端面62bに当接可能であってマスタロール62の端面62bの位置決めをする図3および図5に示す位置決め位置と、マスタトレイユニット221がロール着脱位置を占めたとき、マスタロール62の左側の端面62bから離間可能である図4に示す非位置決め位置との間で変位可能なロール位置決め手段としての機能を有する。ロール位置決め案内手段230は、図4に示すように、ロール位置決め手段としてのロールフランジ225bを、位置決め位置と非位置決め位置との間で変位可能に案内する機能を有する。ロール位置決め手段230は、ロールフランジ対225a,225b、フランジ取付部材280、フランジ軸281およびねじりコイルバネ282から主に構成される。なお、ロール位置決め手段としてのロールフランジ225bおよびロール位置決め案内手段230は、これらに限らず、上記特開平9−226088号公報の図1ないし図5等に示されているロール位置決め手段としてのロールフランジ(25b)およびロール位置決め案内手段(30)等であってもよい。
【0074】図2および図3に示すように、ロール受台227における前側上部の左右端部には、ロール受台227に一体的に形成された一対のガイド板支持部227f,227f(以下「ガイド板支持部対227f」と略称する)がそれぞれ形成されている。これらガイド板支持部対227fには、マスタロール62から繰り出されるマスタ61の先端部を載置するマスタ案内手段としてのガイド板235が一対のガイド板軸236,236を介して揺動自在に配設されている。ガイド板235は、平面視で略長方形状をなしていて、鈑金でできている。ガイド板235の自由端側は、図2のみに示すように、ガイド板支持部対227fに一体的に形成されたストッパ237で下方への揺動範囲が規制されている。ガイド板235の自由端は、ストッパ237との当接位置を下死点として、ガイド板235の自重で揺動自在となっている。
【0075】ロール受台227における各ガイド板支持部対227fの下部外壁には、2個の段付きピン229が上下方向に所定の間隔をおいてそれぞれ植設されている。ガイド板235の上方およびロール受台227の上記両下部外壁に亘り、細長い板状のローラアーム243が配設されている。ローラアーム243の両側部の下部には、上下方向に長い案内溝243bがそれぞれ形成されていて、これらの案内溝243b内に2個の段付きピン229がそれぞれ緩く嵌入している。ローラアーム243の上部には、取っ手243aが上方に折り曲げ形成されている。それ故に、ローラアーム243は、左右一対の案内溝243bの範囲内で2個の段付きピン229により昇降自在に支持・案内されている。
【0076】ローラアーム243の両上側部の間には、マスタ61の先端部を介してガイド板235に接触しマスタ61を搬送するマスタ搬送手段としての引き出しローラ240が配設されている。引き出しローラ240は、ローラ軸241と一体的に形成されていて、ローラアーム243の両上側部の間にローラ軸241を介して回転自在に支持されている。図3における右側のローラ軸241は、ローラアーム243の上側部から突出していて、ローラ軸241の端部にはローラギア242が固設されている。
【0077】上記の構成のとおり、引き出しローラ240は、ローラアーム243および引き出しローラ240の各自重により、段付きピン229および案内溝243bの上記支持・案内動作を介して、ガイド板235の上記した揺動動作に連動しつつガイド板235上面に接触している。そして、マスタトレイユニット221がロール着脱位置を占めたとき、すなわちマスタトレイユニット221が本体フレーム18側からロール着脱位置に引き出されたとき、ユーザは、ローラアーム243の取っ手243aを持ってローラアーム243および引き出しローラ240を上方に持ち上げつつ、マスタロール62からマスタ61の先端部を引き出し、マスタ61の先端部をガイド板235上面に載置することができる。それ故に、引き出しローラ240は、マスタトレイユニット221がロール着脱位置を占めたとき、ガイド板235に対して接離可能に構成されている。
【0078】図1および図2において、符号63は、引き出しローラ240を選択的に回転させ、かつ、第1搬送ローラ対59および第2搬送ローラ対60を回転させるマスタ搬送駆動手段としてのマスタ搬送モータを示す。マスタ搬送モータ63は、ステッピングモータであり、図において奥側の製版側板278側に取り付け・固定されている。マスタ搬送モータ63の出力軸には、ローラギア242と選択的に噛合する駆動ギア(図示せず)およびプラテンローラ56に回転駆動力を伝達する小径駆動ギア(図示せず)がそれぞれ固設されている。
【0079】製版側板対278には、上記特開平9−226088号公報の図6に示されていると同様の、マスタトレイユニット221が製版装着位置を占めたとき、引き出しローラ240のローラ軸241の両端部を案内し支持するガイド溝(76)が形成されている。ガイド溝(76)の上方近傍における各製版側板対278の外壁には、ローラ軸241の各端部に接触・保持する板バネ(77)が固設されている。上記した構成のとおり、マスタトレイユニット221が製版装着位置を占めたとき、マスタ搬送モータ63からの駆動力が、上記駆動ギア、ローラギア242およびローラ軸241を介して引き出しローラ240に伝達され、マスタトレイユニット221がロール着脱位置を占めたとき、マスタ搬送モータ63からの駆動力が引き出しローラ240に非伝達されるようになっている。
【0080】プラテン圧制御部255は、図1および図2において、マスタトレイユニット221におけるマスタ搬送路MRの下流側に配置されている。図2において、プラテン圧制御部255は、プラテンローラ56とサーマルヘッド57と上記特開平9−226088号公報の図7に示されていると同様の構成を備えたプラテン圧制御手段254とを備えている。
【0081】プラテンローラ56は、引き出しローラ240の回転により搬送されるマスタ61もしくはサーマルヘッド57により加熱穿孔された製版済みのマスタ61を、サーマルヘッド57との間に押圧しながら回転しマスタ搬送路MRの下流側に搬送する周知の機能を有する。プラテンローラ56は、上記特開平9−226088号公報の図6に示されていると同様の、マスタ搬送モータ63の回転駆動力をプラテンローラ56に伝達する駆動力伝達機構(69)により回転駆動される。マスタ搬送モータ63は、プラテンローラ56を回転させるプラテンローラ駆動手段を兼ねている。プラテンローラ56は、駆動力伝達機構(69)を介して、引き出しローラ240の周速度よりも僅かに速い周速度で回転するように予め設定されている。
【0082】サーマルヘッド57は、プラテンローラ軸65a方向に相当する主走査方向に沿って配列された複数の発熱素子を有し、その発熱素子に対する選択的な通電制御によって発熱素子を選択的に発熱させることにより発熱位置に対応するマスタ61の箇所を加熱溶融させて穿孔する製版手段としての周知の機能を有する。これにより、サーマルヘッド57は、マスタロール62から繰り出され引き出しローラ240の回転により搬送されるマスタ61に対して選択的に加熱穿孔する。サーマルヘッド57は、上記プラテン圧制御手段254により、プラテンローラ56に対して接離自在になっている。サーマルヘッド57は、ヘッドベース257の揺動端側に載置固定されている。
【0083】プラテン圧制御手段254は、サーマルヘッド57とプラテンローラ56との接離動作を行わせる機能を有する。プラテン圧制御手段254は、図2に示すように、ヘッドベース257のガイド取付部257a、上記特開平9−226088号公報の図7に示されていると同様の、 一対の引張バネ262、偏心カム259、カム軸259a、カムギア(61)、モータギア(60)およびベース駆動モータ(58)から主に構成されている。ベース駆動モータ(58)が回転駆動されることで偏心カム259が回転する。ヘッドベース257は、ヘッドベース257の揺動端側のガイド取付部257aと製版側板対278上部とに掛けられている一対の引張バネ262によって、図2において反時計回り方向に付勢されている。偏心カム259は、その反時計回り方向に回転する習性を有するヘッドベース257のガイド取付部257a上面に選択的に接触するようになっている。すなわち、プラテンローラ56からサーマルヘッド57が離間しているときにのみ、偏心カム259の大径部がヘッドベース257のガイド取付部257aに接触しており、サーマルヘッド57とプラテンローラ56とがマスタ61を介して接触しているときには、偏心カム259の小径部がヘッドベース257のガイド取付部257aに対向しているだけでヘッドベース257のガイド取付部257aから離間している。
【0084】サーマルヘッド57とプラテンローラ56との押圧部近傍とガイド板235との間のマスタ搬送路MR上には、マスタトレイユニット221が図1に示す製版挿入位置を占めたとき、ガイド板235に係合して引き出しローラ240によって搬送されるマスタ61の先端を上記押圧部近傍に位置決め導入するマスタ導入手段としてのガイド部材251が設けられている。ガイド部材251は、ガイド取付部257aに固設されている揺動端側がマスタ搬送方向Tの下流側に向かうにつれて上方に延びて徐々に湾曲していて、マスタトレイユニット221が製版挿入位置を占めるべく矢印方向Fに押し込まれたときに、ガイド板235の自由端裏面に摺接して徐々にガイド板235の自由端部を上方に押し上げつつ上記押圧部近傍に位置決め導入するようになっている。
【0085】サーマルヘッド57とプラテンローラ56とは、これら両部材間での接離動作を行って、引き出しローラ240の回転により搬送されるマスタ61へ挟持圧(以下、「プラテン圧」というときがある)を作用させたり解除させたりする。偏心カム259は、上記揺動部材としてプラテン圧を解除する手段をなすものであり、図2に示すような非製版時には、その大径部をヘッドベース257の上面に圧接させている。これにより、ヘッドベース257に固定されているサーマルヘッド57は、マスタ搬送路MRから離されるので、マスタ61へのプラテン圧が解除される。サーマルヘッド57がマスタ61を介してプラテンローラ56に当接したときに、プラテンローラ56は、駆動力伝達機構(69)を介してマスタ搬送モータ63により、引き出しローラ240によって搬送されてきたマスタ61をマスタ搬送路MRの下流側に搬送する方向に回転される。
【0086】上記した構成を備えたプラテン圧制御部255では、マスタロール62から繰り出されるマスタ61を製版する時、偏心カム259が一対の引張バネ262の付勢力に抗して回転されることによってその小径部がヘッドベース257のガイド取付部257a上面に隙間を保って対向され、一対の引張バネ262の付勢力によってヘッドベース257の揺動端はベース軸257cを中心として反時計回り方向に揺動される。したがって、サーマルヘッド57は、図1において反時計回り方向に揺動されて、プラテンローラ56に所定の接触圧(プラテン圧)をもって当接する。これにより、マスタ61は、サーマルヘッド57およびプラテンローラ56によってプラテン圧が作用した状態で搬送される。マスタ61は、搬送される過程で、サーマルヘッド57での選択的な発熱により主走査方向および副走査方向で加熱穿孔される。マスタ61の非製版時には、図2において偏心カム259が回転してその大径部がヘッドベース257の揺動端上面に圧接される。これにより、サーマルヘッド57はプラテンローラ56から離され、マスタ61に対するプラテン圧が解除される。
【0087】裁断部270は、図1および図2に示すように、切断手段58を備え、プラテン圧制御部255におけるマスタ搬送路MRの下流側に配置されている。切断手段58は、プラテンローラ56によって搬送される製版済みのマスタ61もしくは未製版のマスタ61の後端部を切断するための切断手段58としてのロータリカッタ58a(可動刃)と、ロータリカッタ58aをマスタ幅方向MBに往復案内する案内レール58b(固定刃)とから主に構成される。ロータリカッタ58aは、回転しながらマスタ幅方向MBに移動可能な回転刃を備えた周知の構成を有する。ロータリカッタ58aは、製版済みのマスタ61もしくは未製版のマスタ61の後端部を切断するときのみマスタ搬送路MRを回転しながら横切るようになっており、通常、マスタ幅方向MBにおける案内レール58bの片側端に待機していて、マスタ61の回転に支障とならないようになっていて、またロータリカッタ58aは、カッタ駆動モータ71Bにより、回転・移動されるようになっている。ロータリカッタ58aおよび案内レール58bを備えた切断手段58は、例えば特開平7−101135号公報の図1等と同様の周知の構成を有している。切断手段58は、これに限らず、固定刃と昇降する可動刃等を備えたいわゆるギロチンカッタ等であってもよい。
【0088】図1および図2に示すように、裁断部270におけるマスタ搬送路MRの下流側には、第1搬送ローラ対59と、第1搬送ローラ対59により搬送された製版済みのマスタ61を第2搬送ローラ対60に案内する第1ガイド板273と、第2搬送ローラ対60と、第1搬送ローラ対59により搬送された製版済みのマスタ61を印刷ドラム8のクランパ15に向け案内する第2ガイド板275とがこの順に配置されている。
【0089】第1搬送ローラ対59の上方のローラ59は、軸59aに一体的に形成された駆動ローラであり、下方のローラ59は、軸59bに一体的に形成された従動ローラであり、共に両側板278,278間に回転自在に支持されている。図6における右側の製版側板278側に配設された第1搬送ローラ対59の上方の軸59aには、図示を省略したローラプーリが固設されていて、このローラプーリとプラテンローラ56の上記プラテンローラプーリとの間には、無端ベルト(図示せず)が掛け渡されている。上記ローラプーリの外側における第1搬送ローラ対59の上方の軸59aには、図示を省略した第1ローラプーリが固設されている。同様に、第2搬送ローラ対60の上方のローラ60は、軸60aに一体的に形成された駆動ローラであり、下方のローラ60は、軸60bに一体的に形成された従動ローラであり、共に両側板278、278間に回転自在に支持されている。製版側板278側に配設された第2搬送ローラ対60の上方の軸60aには、図示を省略した第2ローラプーリが固設されていて、上記した第1ローラプーリと第2ローラプーリとの間には、無端ベルト(不図示)が掛け渡されている。
【0090】上記したように、それぞれ図示を省略した、第1、第2ローラプーリ、上記無端ベルト、上記ローラプーリ、上記プラテンローラプーリ、上記無端ベルトおよび駆動力伝達機構(69)は、マスタ搬送駆動手段としてのマスタ搬送モータ63の回転駆動力を第2搬送ローラ対60に伝達する第2回転力伝達機構を構成している。また上記第2回転力伝達機構から上記第1、第2ローラプーリおよび上記無端ベルトを除去した機構は、マスタ搬送駆動手段としてのマスタ搬送モータ63の回転駆動力を第1搬送ローラ対59に伝達する第1回転力伝達機構を構成している。したがって、マスタ搬送モータ63は、第1搬送ローラ対59や第2搬送ローラ対60を回転させる搬送ローラ駆動手段を兼ねている。第2搬送ローラ対60は、上記第2回転力伝達機構を介して、第1搬送ローラ対59の周速度よりも僅かに速い周速度で、また第1搬送ローラ対59は、上記第1回転力伝達機構を介して、プラテンローラ56の周速度よりも僅かに速い周速度で回転するようにそれぞれ予め設定されている。
【0091】上記したように、引き出しローラ240、プラテンローラ56および第1、第2搬送ローラ対59,60の各周速度は、第2搬送ローラ対60>第1搬送ローラ対59>プラテンローラ56>引き出しローラ240の順に僅かに速く設定されていて、これらの部品間に位置する未製版のマスタ61もしくは製版済みのマスタ61に所定範囲の張力が付与されるようになっている。上記した製版部3における裁断部270以降の構成により、製版済みのマスタ61もしくは未製版のマスタ61の先端部は、裁断部270のロータリカッタ58aにより必要長さに裁断され、給版位置で待機している印刷ドラム8における拡開したクランパ15により先端を挟持・固定されるようになっている。
【0092】マスタ有無検知センサ53は、図1および図2に示すように、一対のガイドレール279,279間に橋架された図示しない不動部材の中央部に設置されている。マスタ有無検知センサ53は、発光部および受光部を具備した反射型の光学センサである。マスタ有無検知センサ53は、マスタトレイユニット221の収納部227e内にマスタロール62が装填されている場合に得られる反射光を検知することができるようになっている。マスタロール62は、マスタトレイユニット221の収納部227e内に位置しているとき、マスタ有無検知センサ53によって存在していることが検知される。
【0093】マスタ有無検知センサ53は、反射型の光学センサであることから、マスタロール62が使用できる限界に達した場合を検知できる手段、すなわち上記したようにマスタロール62内のマスタ61の有無を検知するマスタ有無検知手段としても機能するようになっている。このため、マスタロール62が消費されて使用限界に達した場合、それまでの反射率よりも低い低反射率部62Aに相当する黒色塗装部をマスタ有無検知センサ53に対向させるので、マスタ有無検知センサ53は、反射率が低下したことを知らせる信号を出力する。制御装置200では、マスタ有無検知センサ53によって低反射率部62Aからの反射率に対応した信号が入力されると、マスタ61の繰り出しを停止しなければならないことを判別する。またマスタロール62がマスタトレイユニット221の収納部27e内に装填されていない場合にも、マスタ有無検知センサ53は、反射率が低下したことを知らせる信号を出力する。
【0094】マスタセット検知センサ54は、図1および図2に示すように、マスタトレイユニット221が製版部3内に挿入され製版挿入位置を占めたことを検知するためのマスタセット検知手段として設けられている。マスタセット検知センサ54としては、マスタトレイユニット221が製版挿入位置を占めたときにのみスライドレール227cの先端下壁面と係合するマイクロスイッチが用いられている。マスタセット検知センサ54は、マスタトレイユニット221が製版挿入位置に押し動かされたことを検知して、引き出しローラ240等を回転させるマスタ搬送モータ63の動作開始時期を検知し、その検知信号を制御装置200に出力する作動検知手段の機能も有する。
【0095】図2に示すように、マスタ搬送路MR上の各所定位置には、マスタ61の先端を検知するマスタ先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ263が3箇所に亘り配置されている。マスタ先端検知センサ263としては、ガイド部材251におけるマスタ搬送方向Tの下流であって、プラテンローラ56におけるマスタ搬送路MRの上流側に配置された第1のマスタ先端検知センサ263Aと、プラテンローラ56と裁断部270との間のマスタ搬送路MR上に配置された第2のマスタ先端検知センサ263Bと、第1搬送ローラ対59と第2搬送ローラ対60との間のマスタ搬送路MR上に配置された第3のマスタ先端検知センサ263Cとからなる。第1、第2、第3のマスタ先端検知センサ263A,263B,263Cは、いずれも反射型の光学センサである。これら3つのマスタ先端検知センサ263A,263B,263Cのうち、第2のマスタ先端検知センサ263Bは、マスタ61の先端を検知した時点でプラテン圧制御部255の駆動を行うための基準信号を出力する働きを持っている。また、第1、第3のマスタ先端検知センサ263A,263Cは、マスタ61の先端を検知した時点から所定時間(マスタ搬送モータ63の所定ステップ数でもある)の間、マスタ61の繰り出しを継続させるための基準信号を出力する働きを持っている。第1のマスタ先端検知センサ263Aからの信号が出力されたときに決められるマスタ61の繰り出し量は、マスタ61の先端がサーマルヘッド57とプラテンローラ56とによるマスタ61の挟持動作が可能となる量、すなわちプラテン圧を付与することが可能な位置に達する量とされている。第3のマスタ先端検知センサ263Cからの信号が出力されたときに決められるマスタ61の繰り出し量は、マスタ61の先端が印刷ドラム8のクランパ15に対向できる位置に達する量とされている。
【0096】ドラム部2は、製版部3で穿孔・製版されたマスタ61(以下「製版済みのマスタ61」という)をその外周面に巻装する印刷ドラム8と、印刷ドラム8の外周面の一部にその軸線方向に延在して製版済みのマスタ61の先端部を挟持するためのステージ部14に対して開閉可能なクランパ15と、印刷ドラム8の内周面にインキを供給するインキローラ16と、インキローラ16と微小間隙を置いて平行に配置され、インキローラ16との間に断面楔形状のインキ溜まり17aを形成するドクターローラ17と、インキ溜まり17aへインキを供給するインキ供給管11を兼ねる支軸11とを有する。ここで、インキローラ16、ドクターローラ17および支軸11は、後述する構成要素と共にインキ供給装置9を構成している。インキローラ16に対向する印刷ドラム8の外周面の下方近傍には、上下に揺動し印刷用紙Pを印刷ドラム8へ押し付ける押圧手段としてのプレスローラ10が配置されている。
【0097】印刷ドラム8の両側には、図示しない端板が配設されており、これらの端板は軸受(図示せず)を介して支軸11の周りに回動自在に支持されている。印刷ドラム8は、支軸11の中心軸線方向に延在して設けられていて、インキ通過性の多数かつ微細な開孔部が形成された金属製・円筒状の支持円筒体8aと、この支持円筒体8aの外周面に巻き付けられ、その外周面にインキを保持、拡散し、押圧によりインキを吐出する層としての多孔質弾性体層(図示しない樹脂または金属製のメッシュスクリーン層)との2層構造となっている。印刷ドラム8の外周部である支持円筒体8aおよび多孔質弾性体層を、版胴と呼ぶこともある。支持円筒体8aには、クランパ15およびステージ部14配置部の周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり上記開孔部が形成された印刷可能領域と、上記開孔部が形成されていないインキ不通過性の非印刷領域とが形成されている。非印刷領域は上記支持円筒体8aの両側端縁部にも設けられている。印刷ドラム8は、印刷ドラム駆動手段としてのメインモータ12により、図示しないギヤやベルト等の回転伝達手段を介して時計回りおよび反時計回り方向に回転駆動される。
【0098】支軸11は、上記特開平5−229243号公報の図2に示されていると同様に、その両端部を前フレームおよび後フレーム(共に図示せず)に形成された挿通孔に挿入されていて、図示しない固定具を用いてネジ等により、上記前フレームおよび上記後フレームに固定されている。
【0099】インキローラ16は、アルミニウム、ステンレスなどの金属またはゴムなどにより形成されている。インキローラ16は、支軸11上に固着された図示しない一対のインキ側板間にその軸を回転自在に支持されており、メインモータ12からの回転力をギヤやベルト等の回転力伝達手段によって伝達されて印刷ドラム8と同方向(図1および図6では時計回り方向)に回転する。ドクターローラ17は、鉄やステンレスなどの金属で形成されている。ドクターローラ17は、その外周面とインキローラ16の外周面との間に僅かな隙間が生じる位置において上記インキ側板間に回転自在に支持されており、メインモータ12からの回転力を図示しない回転力伝達手段によって伝達されてインキローラ16とは反対の方向に回転する。
【0100】印刷ドラム8は、例えば特開平5−229243号公報の図2および図3に示されている版胴装置(55)と同様に、図1および図6に示すように、後述するインキ供給装置9等と共にユニット化されたドラムユニット20を構成している。ドラムユニット20は、上記特開平5−229243号公報の図2に示されている保持手段(36)と同様の構成を具備する本体フレーム18側に設けられた着脱手段を介して、本体フレーム18に対して着脱自在となっている。
【0101】ドラムユニット20は、図6、図7、図8および図11に示すように、インキを収納(収容)したインキ容器としてのインキパック23を着脱自在に支持するインキ容器受台としてのインキパックトレイ24等を具備し、インキパックトレイ24に装着されたインキパック23内のインキを印刷ドラム8に供給するインキ供給装置9と、このインキパックトレイ24に装着されたインキパック23内のインキを用いて印刷を行う上記した印刷ドラム8と、インキパックトレイ24に装着されたインキパック23内のインキの残量を検知するインキ残量検知手段29と、印刷ドラム8内のインキ溜まり17aのインキの有無を検知するインキ有無検知手段としてのインキ有無検知センサ22と、インキパックトレイ24へのインキパック23の装着有無を検知するインキ容器有無検知手段としてのインキパック有無センサ30と、後述するポンピング回数センサ64と、ドラムユニット20を本体フレーム18内に装着して所定位置にロックするためのドラムロックレバー27と、ドラムユニット20を着脱する際に把持・操作するためのドラム取っ手28等とを具備している。
【0102】インキパックトレイ24は、図示しないガイドレール等の案内手段を介して、印刷ドラム8の内側から外側に摺動自在に設けられている。これにより、インキパックトレイ24に装着・セットされたインキパック23は、インキパックトレイ24を介して、印刷ドラム8の内側から外側に摺動自在になっている。なお、インキパック23、インキパックトレイ24およびインキポンプ31等の配置位置は、本来、図6では紙面の手前側および奥側に略沿った位置となるが、図を見やすくするために図6の左側へ90°回転した状態で示している。
【0103】インキ供給装置9は、図6に示すように、上述したインキローラ16、ドクターローラ17およびインキ供給管11(支軸11)の他に、その本体に対して図中矢印で示す方向に往復動可能なピストンロッドおよび口金受けを有し、二点鎖線で示すインキ送給管13を介してインキ供給管11へインキを送出するインキポンプ31と、このインキポンプ31とインキ供給管11とを挿通・接続するインキ送給管13と、その出力軸に円板を取付け固定され、後述する態様で上記円板と連結されたリンクを介してインキポンプ31の上記ピストンロッドを往復動させることにより、印刷ドラム8にインキを供給すべくインキポンプ31を駆動するポンプ駆動手段としてのポンプモータ32と、このポンプモータ32と上記円板とを後述する態様で連結する上記リンクとを具備している。
【0104】インキを収納したインキパック23は、上述したようにサプライ(補給品・消耗品)である。インキパック23は、インキポンプ31の上記口金受けに対して着脱可能な口金部25を備え、インキパックトレイ24に着脱可能な形状・構造を有する。図6では、インキ供給装置9周りの構成を幾分拡大誇張して示している。インキポンプ31は、公知の往復ポンプであり、そのピストンロッドが図中矢印で示す上下方向に往復動することにより、インキパック23内のインキを吸引して汲み出し、インキ送給管13を通してインキ供給管11へインキを送り出すように構成されている。
【0105】ポンプモータ32は、DCモータからなる。この実施形態1では、ポンプモータ32は一定の回転速度で、かつ、インキポンプ31によるポンピング間の周期を一定とするように作動するものとして説明する。したがって、ポンプモータ32がオンして回転することにより、上記円板および上記ピンが回転し、この回転運動が上記リンクの揺動運動に変換され、さらに上記リンクの揺動運動が上記ピストンロッドの図中矢印で示す上下方向の往復運動に変換されることで、インキパック23内のインキが吸引・汲み出され、インキ送給管13およびインキ供給管11に送出されてインキ溜まり17aに補給・供給されることとなる。
【0106】インキ有無検知センサ22は、図6における紙面奥側に設けられている上記後フレームの上部に固設されている。インキ有無検知センサ22の入力側には、静電容量式にインキ溜まり17aのインキ量を検知するインキ検知針19が電気的に接続されていて、以下、インキ有無検知センサ22にはインキ検知針19が含まれるものとする。インキ有無検知センサ22は、実施例的に言えば、例えば上記特開平5−229243号公報の図4等に開示されているインキセンサ(54)と同様の構成を有する。すなわち、インキ有無検知センサ22は、所定のパルス間隔のパルス信号を発生する基準信号発生回路(図示せず)と、この基準信号発生回路の出力パルス信号の立下がり(または立上がり)でトリガされると共に、インキ検知針19で検知された静電容量に応答した検知パルス幅のパルス信号を発生する単安定回路(図示せず)と、上記基準信号発生回路および上記単安定回路の各出力信号の位相比較をすると共に2値化信号を出力する位相比較部(図示せず)とから構成されている。また、インキ有無検知センサ22は、特開平6−155885号公報の図44等に開示されている構成のものも好ましく使用される。
【0107】インキ検知針19は、支軸11の中央部に垂設した図示しない支持板を介して電気絶縁的に保持されていて、その先端がインキ溜まり17aに埋没し、インキ溜まり17aのインキ量に対応して変化する静電容量を検知する。インキ検知針19は、上記した特開平6−155885号公報に開示されているように、インキの有無の検知パルス幅の変化量の差を大きくすることができて、これにより安定した検知を可能としインキ量の検知性能を向上するという点から、上記支持板に2本設けられている。なお、インキ有無検知手段は、インキ有無検知センサ22に限らず、静電容量の変化によって発信周波数が変化し、この変化を検知することによりインキの有無を検知するもの、あるいは光電式のもの等であってもよい。
【0108】インキ残量検知手段29は、図7および図8に示すように、例えば特開2000−190457号公報明細書の段落番号(0011)〜(0018)およびその図1および図2に示されている構成と同様のものであり、同様の動作を行うことができる。インキ残量検知手段29は、上記したように公知のものであり、以下簡単に説明する。
【0109】インキパック23は、図7に示すように、例えばボール紙により直方体状に形成されたボール箱23Aと、このボール箱23A内に収容されインキを貯留している塩化ビニル製の図示しない袋とを有する。図7において、符号23aは、ボール箱23Aの一方の側壁を、符号23bは、ボール箱23Aの他方の側壁を、符号23cは、ボール箱23Aの底壁をそれぞれ示す。インキ残量検知手段29は、図7および図8に示すように、インキパック23のボール箱23Aの内側に設けられた共振回路317と、インキパック23の外方の本体フレーム18側にそれぞれ設けられた励磁コイル323および検出コイル324とから主に構成されている。共振回路317は、ボール箱23Aの一方の側壁23a内面の下部に設けられた一方の電極318aおよびボール箱23Aの底壁23c上面に設けられた他方の電極318bとからなる一対の電極318と、一方の電極318aに接続され励磁コイル323に対向してボール箱23Aの他方の側壁23b内面の下部に設けられた第1コイル321と、他方の電極318bに接続され検出コイル324に対向してボール箱23Aの他方の側壁23b内面の下部に設けられた第2コイル322とを具備する。
【0110】両図において、符号327は、励磁コイル323に高周波の電圧を供給する高周波電源を、符号328は、検出コイル324に誘導された電圧を測定する電圧計を、符号326は、一対の電極318に並列に接続され所定値以上の電圧で破壊する低電圧コンデンサを、それぞれ示す。一対の電極318、第1コイル321、第2コイル322、低電圧コンデンサ326およびこれらを電気的に接続する配線は、アルミ箔や銅箔等をエッチングすることにより形成することが、省収容スペース化、量産性および製造コストの低減等を図る上から好ましい。
【0111】一対の電極318とインキパック23内に貯留されたインキとにより、コンデンサが構成され、インキパック23内に貯留されたインキの量が変化することによって上記コンデンサの静電容量Cおよび共振回路317のQ値(電圧拡大率)が変化する。電圧計328で測定された電圧は、図示しないA/D変換器を介して制御装置200のCPU201に送信される。高周波電源327で励磁コイル323に印加された所定の周波数の電圧により第1コイル321を介して共振回路317に所定の周波数の電圧が第2コイル322に誘導され、第2コイルに322に誘導された所定の周波数の電圧により検出コイル324に所定の周波数の電圧が誘導され、さらに検出コイル324に誘導された電圧を電圧計328で測定することにより、インキパック23内のインキの液量(残量)をCPU201が判断するものである。
【0112】孔版印刷装置1が稼働して、インキパック23内のインキが所定量以上有るときには、検出コイル324に誘導される電圧が所定値以上であるので、CPU201はそのまま印刷動作を継続させる。そこで、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態に対応した場合の設定電圧値を、図17に示す制御装置200のROM202に予め記憶しておく。印刷動作を繰り返してインキパック23内のインキが消費されているとき、CPU201が逐次電圧計328から出力されて入力される電圧値と設定電圧値とを比較して、入力される電圧値が設定電圧値未満になった場合、CPU201はインキパック23内のインキが無くなる直前の状態であることを判断して、後述するような報知をさせ、かつ、印刷動作を許容して印刷動作を継続させる。また、CPU201は低電圧コンデンサ326が破壊して上記設定電圧値よりもさらに低い電圧値であることを判断したとき、印刷動作を停止させるようにメインモータ12および給紙モータ72の回転駆動を停止させる。
【0113】上記後フレームの外側面には、ポンプモータ32、インキ有無検知センサ22、インキ残量検知手段29、インキパック有無センサ30、ポンピング回数センサ64等の各出力側を後述する制御装置200に電気的に接続・結合するための電気コネクタ(図示せず)が取付けられている。一方、本体フレーム18側には、上記電気コネクタと対向し係合することにより、ポンプモータ32を作動するための電力を供給したり制御したりするための、あるいはインキ残量検知手段29、インキ有無検知センサ22、インキパック有無センサ30からの出力信号を受けるための電気コネクタが取付けられている。なお、ポンピング回数センサ64は、本実施形態1では必須の構成要素ではなく、無くてもよい。
【0114】インキパック有無センサ30は、マイクロスイッチからなり、図示しない前フレーム側に固定されている。インキパック23を装着・セットしたインキパックトレイ24が印刷ドラム8の内部に押し込まれてインキポンプ31の口金受けにインキパック23の口金部25が接続されたとき、インキパック有無センサ30がインキパック23のボール箱23Aに押されてオン検知する。
【0115】図9、図10および図11に示すように、原稿読取部7および操作パネル110を操作する面に対向した本体フレーム8の前面には、インキパックトレイ24、印刷ドラム8・ドラムユニット20および後述する排版ボックス76を覆うべく本体フレーム18に開閉自在に設けられた開閉部材としての前カバー21が設けられている。前カバー21は、例えば適宜の合成樹脂等で一体的に形成されている。前カバー21は、図11に簡略的に示すように、右側の一側部に設けられたヒンジを介して、本体フレーム18に開閉自在となっている。前カバー21における図10の右側端部には、従来例と同様の、前カバー21の開閉状態を検知する開閉部材検知手段としての図示しないドアセンサ(例えば後述するインキパックドアセンサ35と同様のリミットスイッチ等)が設けられている。
【0116】前カバー21の右側には、前カバー21を開けることなくインキパック23の着脱を行える、前カバー21を介して本体フレーム18に対して開閉自在なインキ容器着脱用開閉部材としてのインキパックドア33が設けられている。インキパックドア33は、前カバー21の閉状態において、本体フレーム18に装着されたドラムユニット20のインキパックトレイ24に対向した前カバー21に開閉自在に設けられている。インキパックドア33は、例えば適宜の合成樹脂等で一体的に形成されている。
【0117】インキパックドア33は、図9に示すように、右側の一側部に取り付けられたヒンジを介して、前カバー21に開閉自在に設けられている。インキパックドア33の一側部には、インキパックドア33の開閉状態を検知する開閉検知手段としてのインキパックドアセンサ35が設けられている。インキパックドアセンサ35としては、例えばリミットスイッチが用いられている。インキパックドア33の一側側には、インキパックドアセンサ35をオン/オフする検知レバー36が固定されている。検知レバー36は、インキパックドア33が図9(a)に示すように全閉状態のときにはインキパックドアセンサ35をオフ状態とし、インキパックドア33が図9(b)に示すように開かれるとインキパックドアセンサ35をオン状態とする。インキパックドアセンサ35は、オン状態となると開信号を出力し、オフ状態となると閉信号を出力するようになっている。
【0118】なお、インキパックドア33の前カバー21に対する配置位置および開状態時に関しては、ドラム取っ手28やドラムロックレバー27に触れてこれを把持して操作できないような配置位置およびインキパックドア33の開状態となるように設計することが好ましい。このため、例えばドラムユニット20側で図11で説明すると、インキパックトレイ24およびこれに一体的に設けられているインキトレイ取っ手26にだけ触れて把持操作できるようにし、ドラム取っ手28やドラムロックレバー27に触れないようにするためのカバーやガイド部材等をインキパックドア33配置部近傍の前カバー21の裏側等に配設することが望ましい。総じて、インキパックドア33周りの構造は、少なくとも適法になされることは勿論である。
【0119】プレスローラ10は、例えば特開平11−138961号公報の図1に示されていると同様のプレスローラ変位手段(図示せず)により、印刷用紙Pを印刷ドラム8上の製版済みのマスタ61に押し付けて印刷を行う図1および図6に示す印刷位置と、クランパ15配置部との干渉を避けるために上記印刷位置から下方に離間した図6に二点鎖線で示す非印刷位置との間で変位自在になされている。プレスローラ変位手段は、特開平11−138961号公報の図1に示されていると同様の構成要素、すなわちプレスローラ10を軸を介して回転自在に支持するプレスローラブラケット(11a)、プレスローラテンション(13a(引張バネ))、プレスローラカム(12a)から構成されている。プレスローラカム(12a)は、メインモータ12およびその回転伝達手段を介して、印刷ドラム8の回転に合せて同期して回転されるようになっており、給紙部4から印刷用紙Pが給送されないときには、その大径部をプレスローラブラケット(11a)の他方の揺動端に対向させている。プレスローラカム(12a)は、給紙部4から印刷用紙Pが給送されてくると回転して、その小径部をプレスローラブラケット(11a)の他方の揺動端に対向させるようになっている。
【0120】給紙部4は、図1に示すように、複数枚の印刷用紙Pを積載する給紙台66と、印刷用紙Pを送り出す給紙ローラ67と、印刷用紙Pを一枚ずつ分離する分離ローラ68および分離コロ69と、印刷ドラム8とプレスローラ10との間に所定タイミングで印刷用紙Pを送出するレジストローラ対70等を有している。給紙台66は、本体フレーム18に上下動自在に支持されており、図示しない昇降モータ等を備えた昇降手段によって上下動される。また、給紙台66には、積載された印刷用紙Pの長さを検出する複数の図示しないセンサと、印刷用紙Pの両側端をガイドする一対のサイドフェンス71とが設けられている。上記各センサからの出力信号は制御装置200に出力され、制御装置200は上記各センサからの出力信号によって印刷用紙Pのサイズを判別する。サイドフェンス71は用紙幅方向(印刷用紙Pの搬送方向と直行する方向)に移動自在な周知の構成を有する。
【0121】給紙台66の上方には、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ67、分離ローラ68、分離コロ69が配設されている。給紙ローラ67および分離ローラ68は、給紙台66上の印刷用紙Pと所定の圧力で圧接し、ギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段を介して、ステッピングモータからなる給紙モータ72によって図1の矢印方向に互いに同期して回転駆動される。分離コロ69は、所定の圧力で分離ローラ68に圧接されており、分離ローラ68と同方向に間欠回転可能に配設されている。給紙モータ72の作動は、制御装置200によって制御される。
【0122】分離ローラ68および分離コロ69の印刷用紙搬送方向下流側にはレジストローラ対70が配設されている。レジストローラ対70は、駆動ローラ70aと従動ローラ70bとからなり、メインモータ12からの回転駆動力をギヤやカム等の駆動力伝達手段で伝達されることにより、駆動ローラ70aが印刷ドラム8の回転と同期した所定のタイミングで回転し、この駆動ローラ70aに圧接された従動ローラ70bとによって印刷用紙Pをドラム部2に向けて給送する。
【0123】排紙部6は、図1に示すように、ドラム部2にて印刷された印刷済みの印刷用紙Pを順次積載する排紙台86と、印刷ドラム8の近傍に配置され印刷済みの印刷用紙Pを印刷ドラム8から剥離する剥離爪84と、剥離爪84によって剥離された印刷済みの印刷用紙Pを排紙台86上へ搬送するための排紙搬送装置85等とを有している。
【0124】剥離爪84は、支軸84aによって本体フレーム18の側板に揺動自在に支持されており、図示しない揺動手段によって、その先端が印刷ドラム8の外周面に近接する位置と、その先端が印刷ドラム8の回転によって変位するクランパ15等の障害物と干渉しない位置とに選択的に揺動される。
【0125】排紙搬送装置85は、駆動ローラ87、従動ローラ88、無端ベルト89、吸引ファン90等を有している。駆動ローラ87は、図示しないユニット側板に回転自在に支持されており、図示しない駆動手段で回転駆動される。従動ローラ88も、上記ユニット側板に回転自在に支持されており、駆動ローラ87と従動ローラ88とには複数の開孔を有する複数の無端ベルト89が掛け渡されている。駆動ローラ87、従動ローラ88および無端ベルト89の下方には吸引ファン90が配設されている。排紙搬送装置85は、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89上に印刷用紙Pを吸引し、駆動ローラ87の回転によって無端ベルト89上に保持された印刷用紙Pを図の矢印方向に搬送する。排紙台86は、用紙幅方向に移動自在な一対のサイドフェンス91と用紙搬送方向に移動自在な一つのエンドフェンス92とを有している。
【0126】排版部5は、図1および図12に示すように、印刷ドラム8上の使用済みのマスタ61を剥離・搬送排出する排版手段としての上排版ローラ74および下排版ローラ75と、剥離・搬送排出された使用済みのマスタ61を収納(収容)する排版容器としての排版ボックス76と、排版ボックス76内を図1および図12における反時計回り方向に回転し使用済みのマスタ61を圧縮してその収納量を増大させる圧縮板77と、本体フレーム18側に装着された排版ボックス76内の排版量が満杯になったことを検知する排版満杯検知手段としてのホームポジションセンサ47等とを有している。なお、上排版ローラ74、下排版ローラ75、排版ボックス76および圧縮板77は、特開平10−226147号公報に開示された排版ローラ対(5)および排版装置(6)と同様の構成であるので、ここでの説明は簡単に留める。
【0127】上排版ローラ74は、本体フレーム18に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、排版モータ83を備えた排版駆動手段によって回転駆動される。上排版ローラ74を支持する上記ブラケットは、図示しない揺動手段により揺動される。この揺動手段により、上排版ローラ74は、その外周面を印刷ドラム8の外周面より離間させる図1および図12に実線で示す待機位置と、その外周面を印刷ドラム8の外周面に接触させる図1および図12に二点鎖線で示す剥離位置とを選択的に占める。下排版ローラ75は、本体フレーム18に回転自在に支持されており、図示しないバネ等の付勢手段の付勢力によってその外周面を上排版ローラ74の外周面に対して所定の圧接力で圧接されており、上排版ローラ74の回転時に従動回転する。
【0128】排版ボックス76は、図1、図11、図12および図13に示すように、印刷ドラム8の軸線方向に延在して筒状をなしており、装置正面側から見てその右上部であって各排版ローラ74,75のニップ部と対応する位置には、その内部に使用済みのマスタ61を受け入れるための搬入口76aが形成されている。排版ボックス76のマスタ収容部76bを構成している内周壁76cは、圧縮板77が270度回動するときにその先端部が移動する軌跡に沿った形状にその一部が形成されており、内周壁76cの他の外周部分は箱状となるように形成されている。排版ボックス76の奥側側面には、マスタ収容部76bに貯容された使用済みのマスタ61を廃棄する際に開閉される蓋78が配設されている。蓋78は、支軸78aによって排版ボックス76に開閉自在に支持されている。排版ボックス76の内部の紙面手前側には、マスタ収容部76bに圧縮されて収容された使用済みのマスタ61を蓋78に向けて押し出す図示しない押出し板が配設されている。排版ボックス76は、図11および図12に示すように、本体フレーム18に設けられたレール部材80に着脱自在かつ摺動自在に支持され、図12の紙面手前方向に引き出し可能に構成されている。図11における排版ボックス76の手前側には、排版ボックス76を着脱する際に把持される取っ手73が設けられている。
【0129】圧縮板77は、図12および図13に示すように、排版ボックス76内の紙面手前側に位置する図示しないボックス側板と紙面奥側に位置するブラケット79とに回転自在に支持された支軸77aにその両端部を固着されている。図15に示すように、支軸77aの紙面奥側の端部は、本体フレーム18側に配設され圧縮板ギヤ45Aを固着している駆動軸45Bとカップリング37を介して係脱自在に構成されている。圧縮板77の下方に位置する部位には、マスタ収容部76b内に収容された使用済みのマスタ61(排版)の搬入口76a側への溢れ出し、および圧縮板77のホームポジション位置を決定するための仕切板82が配設されている。仕切板82は、上記ボックス側板とブラケット79とにその両端を固着されている。
【0130】圧縮板ギヤ45Aは、ギヤ列45を介してウォームギヤ44に噛み合っている。ウォームギヤ44のウォーム側には、ウォームギヤ44を回動させる圧縮板駆動モータ81が配設されており、圧縮板駆動モータ81は本体フレーム18側の図示しないモータブラケットに固設されている。圧縮板駆動モータ81は、ステッピングモータである。圧縮板駆動モータ81の作動は、制御装置200によって制御される。圧縮板ギヤ45A、ギヤ列45およびウォームギヤ44は、本体フレーム18側の図示しない排版側板に回動自在に支持されている。ウォームギヤ44に噛み合うギヤ列45のギヤには、一定以上のモータトルクが加わったときに上記ギヤを空転させて、一定以上のモータトルクが支軸77aを介して圧縮板77に伝わることを防ぐためのトルクリミッタ43が内蔵されている。
【0131】図15において、符号46は、本体フレーム18側に設けられ圧縮板77による排版圧縮時の下限位置を検知する下限センサを、符号49は、下限センサ46と選択的に係合する遮蔽板を示す。また、符号47は、本体フレーム18側に設けられ圧縮板77のホームポジション(初期位置)およびマスタ収容部76bが使用済みのマスタ61(排版)で満杯になったことを検知する排版満杯検知手段としてのホームポジションセンサ47を、符号48a,48b,48cは、ホームポジションセンサ47と選択的に係合する遮蔽板を示す。圧縮板77のホームポジションは、図12の実線で示す位置に、圧縮板77の下限位置は、図13(a)の実線で示す位置に設定されている。
【0132】図10に示す前カバー21の左側には、前カバー21を開けることなく排版ボックス76の着脱を行える、前カバー21を介して本体フレーム18に対して開閉自在な排版容器着脱用開閉部材としての排版ボックスドア38が設けられている。排版ボックスドア38は、前カバー21の閉状態において、本体フレーム18側にレール部材80およびカップリング37を介して装着・接続された排版ボックス76に対向した前カバー21に開閉自在に設けられている。排版ボックスドア38は、例えば適宜の合成樹脂等で一体的に形成されている。
【0133】排版ボックスドア38は、図14に示すように、右側の一側部に取り付けられたヒンジを介して、前カバー21に開閉自在に設けられている。排版ボックスドア38の一側部には、排版ボックスドア38の開閉状態を検知する開閉検知手段としての排版ボックスドアセンサ39が設けられている。排版ボックスドアセンサ39としては、例えばリミットスイッチが用いられている。排版ボックスドア38の一側側には、排版ボックスドアセンサ39をオン/オフする検知レバー40が固定されている。検知レバー40は、排版ボックスドア38が図14(a)に示すように全閉状態のときには排版ボックスドアセンサ39をオフ状態とし、排版ボックスドア38が図14(b)に示すように開かれると排版ボックスドアセンサ39をオン状態とする。排版ボックスドアセンサ39は、オン状態となると開信号を出力し、オフ状態となると閉信号を出力するようになっている。
【0134】なお、排版ボックスドア38の前カバー21に対する配置位置および開状態時に関しては、図10に示したインキパックドア33と同様に、図11における右隣のドラム取っ手28等に触れてこれを把持して操作できないような配置位置および排版ボックスドア38の開状態となるように設計することが好ましい。このため、例えば図11で説明すると、排版ボックス76および排版用取っ手41にだけ触れて把持操作できるようにし、ドラム取っ手28等に触れないようにするためのカバーやガイド部材等を排版ボックスドア38配置部近傍の前カバー21の裏側等に配設することが望ましい。総じて、排版ボックスドア38周りの構造は、少なくとも適法になされることは勿論である。
【0135】ここで、排版部5の動作を説明しておく。図13(a)において、上・下排版ローラ74,75による剥離搬送・排出作用によって、搬入口76aを介して二点鎖線で示す使用済みのマスタ61が圧縮板77の上方に搬入されると、使用済みのマスタ61は図13(a)に示すように、インキの粘性により圧縮板77の上に折り畳まれるように載置される。そして、使用済みのマスタ61の排版ボックス76内への搬入が完了すると、圧縮板77が使用済みのマスタ61を載置した状態で図の反時計回り方向に約270度の角度だけ回動される。圧縮板77の回動により、圧縮板77上に載置された使用済みのマスタ61は排版ボックス76の最奥部である箱状部分に収容されていく。圧縮板77は図13(a)に示すように約270度回動し、その位置で所定時間使用済みのマスタ61を圧縮した後、二点鎖線で示すホームポジションに復帰する。
【0136】圧縮板77は使用済みのマスタ61が排版ボックス76内に搬入されるごとに上述した回動動作を繰り返し、使用済みのマスタ61が排版ボックス76内に溜まってくると、圧縮板77は遮蔽板49と下限位置センサ46との係合により検知できる下限位置まで回動できなくなる。実施例的に言えば、図13(b)に示すように、圧縮板77がホームポジションより圧縮方向である反時計回り方向に回転するように圧縮板駆動モータ81を約7秒間回転駆動させて、圧縮板77が下限位置にならないときには圧縮板駆動モータ81を停止させその位置で約2秒間停止する。その後、圧縮板77がホームポジションに戻るように圧縮板駆動モータ81を回転駆動させる。圧縮板77が圧縮回動中に、溜まった使用済みのマスタ61の圧縮抵抗・負荷のために停止すると、トルクリミッタ43が空転して一定以上のモータトルクが支軸77aを介して圧縮板77に伝わることを防止している。
【0137】こうして、圧縮板77の回動角度は、図13(b)ないしは図13(c)に示すように、排版ボックス76内に収容された使用済みのマスタ61の版数が増えるに連れて徐々にあるいは所定角度毎に減少すると、圧縮板77の停止位置がホームポジションに近づいて来る。圧縮板77が圧縮動作中の圧縮位置で止まる時、換言すれば圧縮板77の停止位置が何れであっても正常に圧縮動作を完了している時には、ホームポジションセンサ47は遮蔽板48a,48b,48cに係合すること無く常にオフの状態となっている。排版ボックス76が使用済みのマスタ61で満杯状態になると、圧縮板駆動モータ81が停止しても図15の下方側に拡大して示すように、ホームポジションセンサ47から遮蔽板48aが抜けなくなる。これにより、圧縮板77のホームポジションよりホームポジションセンサ47が、オン→オフ→オン→オフ→オンの状態となることにより、図17に示す制御装置200のCPU201は排版ボックス76が使用済みのマスタ61で満杯状態と判断し、後述するようにその満杯表示を行わせる。
【0138】次に、図16を参照して操作パネル110を説明する。操作パネル110は、孔版印刷装置1の各装置・部に指示を与えて所望する動作を行わせるように操作したり、各装置・部の状態等を確認・認識したりするためのものである。操作パネル110は、図10および図11にも示すように、原稿読取部7近傍の一側部に配設されている。操作パネル110には、図16に示すように、製版スタートキー111、印刷スタートキー112、試し刷りキー113、クリア/ストップキー115、テンキー116、エンターキー117、プログラムキー118、モードクリアキー119、印刷速度設定キー120、4方向キー121、7セグメントのLEDで構成される表示部122、LCDで構成される液晶表示部123、LEDでそれぞれ構成されるマスタ無し直前表示ランプ133、インキ無し直前表示ランプ134および排版満杯直前表示ランプ135等が配設されている。
【0139】製版スタートキー111は、孔版印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、これが押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー112は、孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、孔版印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に、これが押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー113は、孔版印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後にこれが押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。
【0140】クリア/ストップキー115は、孔版印刷装置1の動作を停止させる際や置数のクリア時に押下され、テンキー116は、数値入力に用いられる。エンターキー117は、各種設定時に数値等を決定する際に、プログラムキー118はよく行う操作を登録したりそれを呼び出す際にそれぞれ押下され、モードクリアキー119は、各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。印刷速度設定キー120は、印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合や雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合や雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を遅く設定する。4方向キー121は、上キー121a、下キー121b、左キー121c、右キー121dを有しており、画像編集時等において画像位置を調整する際や各種設定時に数値や項目等を選択する際等に押下される。
【0141】表示部122は、主に印刷枚数等の数字を表示する。液晶表示部123は、文字表示をしたり、孔版印刷装置1の各部・装置を絵で表示したりすることが可能であり、インキパック23内のインキの残量状態を報知するインキ残量報知(表示)手段と、マスタロール62のマスタ61の残量状態を報知するマスタ残量報知(表示)手段と、排版ボックス76内の排版量状態を報知する排版量報知(表示)手段としての構成・機能を有する。また、液晶表示部123は、インキパック23内のインキ無し状態を報知するインキ無し報知(表示)手段と、マスタロール62のマスタ無し状態を報知するマスタ無し報知(表示)手段と、排版ボックス76内の排版無し状態を報知する排版無し報知(表示)手段としての構成・機能も有する。
【0142】液晶表示部123の下部には、初期状態時において図16に示すように原稿種類設定表示123a、変倍設定表示123b、用紙種類設定表示123c、位置調整設定表示123dを表示しており、各表示の下方にはそれぞれ対応する選択設定キー123A,123B,123C,123Dが配設されている。液晶表示部123は、階層表示構造となっており、図16に示された状態から選択設定キー123Aが押下されると原稿画像モードとして文字モードや写真モードを選択設定する原稿種類設定モードに、選択設定キー123Bが押下されると自動変倍や独立変倍等を選択設定する変倍設定モードに、選択設定キー123Cが押下されると使用される印刷用紙として標準紙や厚紙等を設定する用紙種類設定モードに、選択設定キー123Dが押下されると画像形成位置を調整する位置調整設定モードにそれぞれモード設定され、表示装置127の表示が各モードに対応してそれぞれ変化する。
【0143】マスタ無し直前表示ランプ133は、マスタロール62のマスタ61の残量状態を報知するマスタ残量報知(表示)手段としての構成・機能を有する。インキ無し直前表示ランプ134は、インキパック23内のインキの残量状態を報知するインキ残量報知手段(表示)としての構成・機能を有する。排版満杯直前表示ランプ135は、排版ボックス76内の排版量状態を報知する排版量報知(表示)手段としての構成・機能を有する。
【0144】次に、本実施形態1における孔版印刷装置1の要部の制御構成を説明する。制御装置200は、図17に示すように、マイクロコンピュータを具備していて、CPU201、ROM(読み出し専用記憶装置)202、I/O(入出力)ポート(図示せず)、バックアップ電源を備え記憶保持可能なRAM(読み書き可能な記憶装置)202、バックアップ電源を備え記憶保持可能なタイマ204等を備え、信号バス(図示せず)等によって接続された構成を有する。
【0145】制御装置200のCPU201は、後述する制御機能および計算・演算機能を有する。制御装置200のCPU201(以下、説明の簡単化のために単に「制御装置200」というときがある)は、上記入力ポート、図示しないセンサ入力回路および上記一対の電気コネクタ等を介して、ドラム部2のインキ残量検知手段29、インキ有無検知センサ22、インキパック有無センサ30およびインキパックドアセンサ35からの各出力信号、製版部3のマスタ有無センサ53およびマスタセット検知センサ54からの各出力信号、排版部5のホームポジションセンサ47、排版ボックス有無センサ42および排版ボックスドアセンサ39からの各出力信号、原稿読取部7の原稿長さ検出センサ109からの出力信号、ならびに操作パネル110の各種キー等からの各種出力信号を受信する。
【0146】また、制御装置200は、上記出力ポート、上記一対の電気コネクタ、モータ駆動回路(図示せず)、液晶駆動回路(図示せず)、発光ダイオード駆動回路(図示せず)等を介して、ドラム部2のメインモータ12およびポンプモータ32、製版部3のサーマルヘッド57、マスタ搬送モータ63、給紙部4の給紙モータ72、排版部5の排版モータ83および圧縮板駆動モータ81ならびに操作パネル110の液晶表示部123、マスタ無し直前表示ランプ133、インキ無し直前表示ランプ134および排版満杯直前表示ランプ135等に後述するような指令信号を送信してそれらの作動を制御する。
【0147】ここで、上述しなかったマスタ残量検知手段および排版量検知手段について説明する。マスタ残量検知手段は、マスタ支持手段55に支持されたマスタロール62のマスタ61の残量を検知するものである。マスタ残量検知手段は、マスタ61の製版サイズとサーマルヘッド57による製版回数とから消費したマスタ61の長さを計算するマスタ消費計算手段からなり、CPU201が主にこの機能を有する。画像センサ107により得られた画像信号は、上述したようにA/D変換部および図示しない画像信号処理装置でデジタルの画像データ信号に加工された後、この画像信号処理装置を経由して一旦画像メモリ(図示せず)に記憶され、その後、上記画像信号処理装置を再び経由して図示しない製版制御部に入力される。この製版制御部に入力されたデジタルの画像データ信号は、図示しないサーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド57へ送信される。制御装置200のCPU201は、上記製版制御部とも送受信をしており、上記製版制御部からサーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド57へ送信される画像データ信号における1枚の原稿93の画像に対応した送信回数、すなわち製版回数をカウントすることにより製版回数を得る。なお、1枚の原稿93の画像に対応してサーマルヘッド57が発熱駆動される前に、いわゆる予備加熱制御をされることがあるが、これは製版回数にカウントされないことは勿論である。また、製版部3での製版時の搬送動作や給版時の給版動作において、マスタ61の搬送ジャム等を生じることがあるが、これはマスタ61の消費として製版回数としてカウントされる。
【0148】マスタ61の製版サイズは、原稿長さ検出センサ109からの信号と原稿搬送ベルト100の作動時間とにより、CPU201が制御装置200は原稿93の長さ、すなわち原稿サイズ(等倍の時にはマスタ61の長さ、製版サイズでもある)を判定する。なお、変倍設定表示123bに対応した選択設定キー123Bを押して原稿サイズの拡大や縮小の変倍をして製版および印刷を行うような場合には、CPU201は選択設定キー123Bからの変倍に係る出力信号を参照して、マスタ61の長さを計算する。
【0149】排版量検知手段は、本体フレーム18に装着された排版ボックス76内の排版量を検知するものである。排版量検知手段は、マスタ61の製版サイズと排版モータ83による排版回数とから排版ボックス76内の排版量を計算する排版量計算手段からなり、CPU201が主にこの機能を有する。排版モータ83による排版回数は、通常上記製版回数と略等しいが、印刷ドラム8への使用済みのマスタの貼り付き等によりいわゆる「巻き上がり」と呼ばれる排版ジャムを生じることもある。この実施形態1では、排版ジャムを生じた場合にその使用済みのマスタ61が排版ボックス76内に捨てられるようなこともあることから、CPU201はこのようなことも考慮し余裕を見て、排版ボックス76内の排版が満杯となる直前の状態(満杯となる数版手前の時点を)を判断するために、上記排版回数を上記製版回数で置き換えてその製版回数をカウントすることで上記排版回数をカウントする。
【0150】第1に、制御装置200は、印刷中に、インキ残量検知手段29の電圧計328からのインキ残量検知信号に基づいて、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態を表示するように上記液晶駆動回路および上記発光ダイオード駆動回路を介して液晶表示部123およびインキ無し直前表示ランプ134を制御し、かつ、インキパックドアセンサ35からの開信号に基づいて、インキパックドア33を開けてインキパック23の着脱をしても、印刷動作を継続するように上記メインモータ駆動回路および上記給紙モータ駆動回路を介してメインモータ12および給紙モータ72を制御する制御手段としての機能を有する。
【0151】以下、「上記液晶駆動回路および上記発光ダイオード駆動回路を介して液晶表示部123およびインキ無し直前表示ランプ134を制御し」を、単に「液晶表示部123およびインキ無し直前表示ランプ134を制御し」という。また、「上記メインモータ駆動回路および上記給紙モータ駆動回路を介してメインモータ12および給紙モータ72を制御する」を、単に「メインモータ12および給紙モータ72を制御する」という。
【0152】第2に、制御装置200は、印刷中に、上記マスタ残量検知手段からのマスタ残量検知信号に基づいて、マスタロール62のマスタ61が無くなる直前の状態を表示するように液晶表示部123およびマスタ無し直前表示ランプ133を制御し、かつ、マスタセット検知センサ54からの出力信号を参照しつつ、本体フレーム18からマスタトレイユニット221を引き出しても印刷動作を継続するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する制御手段としての機能を有する。
【0153】第3に、制御装置200は、印刷中に、上記排版量検知手段からの排版量検知信号に基づいて、排版ボックス76内の排版が無くなる直前の状態を表示するように液晶表示部123および排版無し直前表示ランプ135を制御し、かつ、排版ボックスドアセンサ39からの開信号に基づいて、排版ボックスドア38を開けて排版ボックス76の着脱をしても、印刷動作を継続するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する制御手段としての機能を有する。
【0154】第4に、制御装置200は、印刷中に、インキパックドア33を開けたとき、インキパックドアセンサ35からの開信号に基づいて、インキポンプ31の駆動を停止するようにポンプモータ駆動回路を介してポンプモータ32を制御する機能を有する。以下、「ポンプモータ駆動回路を介してポンプモータ32を制御する」を、単に「ポンプモータ32を制御する」という。
【0155】第5に、制御装置200は、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態を表示している間の表示(報知)継続時間が一定時間経過しても、インキパックドア33を開けてインキパック23の着脱が行われないとき、タイマ204からの表示継続時間信号およびインキパックドアセンサ35からの開信号に基づいて、印刷動作を停止するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する機能を有する。なお、制御装置200の有する第1ないし第5の機能は、制御装置200よりも簡素な構成の個別の制御手段にそれぞれ分担させても構わない。
【0156】制御装置200は、本発明に特有の上記各制御機能を有する他、従来装置と同様の制御機能を有する。すなわち、制御装置200は、インキ有無検知センサ22からのインキ無し信号に基づいて、インキ無し状態を表示するように液晶表示部123を制御する機能と、マスタ有無センサ53からのマスタ無し信号に基づいて、マスタ無し状態を表示するように液晶表示部123を制御する機能と、ホームポジションセンサ47からの排版満杯信号に基づいて、排版満杯状態を表示するように液晶表示部123を制御する機能とを有する。また、制御装置200は、インキ有無検知センサ22からのインキ無し信号に基づいて、またマスタ有無センサ53からのマスタ無し信号に基づいて、またホームポジションセンサ47からの排版満杯信号に基づいて、また上記ドアセンサからの開信号に基づいて、印刷動作を停止するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する機能を有する。
【0157】ROM202には、制御装置200が実行する図18に示すプログラムや後述する動作に関するプログラム等が予め記憶されている。またROM202には、「インキ残量検知手段29の電圧計328からのインキ残量に係る電圧値と、液晶表示部123およびインキ無し直前表示ランプ134をしてインキパック23内のインキが無くなる直前の状態を表示させるようにするための基準となる電圧値との関係データ」、「上記マスタ消費計算手段(上記マスタ残量検知手段)により計算した消費したマスタ61の長さ(換言すればマスタ61の消費枚数)と、液晶表示部123およびマスタ無し直前表示ランプ133をしてマスタロール62のマスタ61が無くなる直前の状態を表示させるための基準となるマスタ61の長さ(換言すればマスタ61の消費枚数:例えば後述するA3サイズ(縦)で198枚)との関係データ」、「上記排版量計算手段(上記排版量検知手段)により計算した排版した使用済みのマスタ61の長さ(換言すれば使用済みのマスタ61の排版枚数)と、液晶表示部123および排版満杯直前表示ランプ135をして排版ボックス76内の排版が満杯直前の状態を表示させるための基準となるマスタ61の長さ(換言すれば使用済みのマスタ61の排版枚数:例えば上述したA3サイズ(縦)で70枚)との関係データ」がデータテーブルとして予め記憶されている。
【0158】RAM203は、CPU201の計算・演算結果を一時記憶したり、各センサや操作パネル110の各種キー等から入力されたオン/オフ信号やデータ信号を随時記憶したり記憶保持したりする。タイマ204は、液晶表示部123がインキパック23のインキ無し直前の状態を表示している間の表示継続時間を計時する計時手段としての機能を有する。
【0159】次に、孔版印刷装置1の全体動作を説明する。この全体動作のうちで製版・給版動作については、上記特開平9−226088号公報で開示されているような特徴的な動作が行われるが、この動作説明は詳しくなりすぎて本発明の開示範囲を超えるため省略し以下簡明に述べるに留める。先ず、ADF108を用いずに原稿読取手段132のみによって原稿93の読取動作を行う場合を簡単に説明する。ここで、マスタトレイユニット221は図1に示す製版挿入位置を占めていて、マスタ61の先端は第2搬送ローラ対60のニップ部より少し下流側へはみ出た初期位置を占めているものとする。説明の便宜上、原稿サイズはA3サイズとし、マスタロール62には例えばA3(縦)サイズのマスタ61(実施例的には1版のマスタ61の長さ525mm)で200版分のマスタ61が巻かれていて、マスタロール62のマスタ61が無くなる直前の状態が例えば198版に予め設定されているものとする。同様に、排版ボックス76内の排版が満杯(例えばA3(縦)サイズのマスタ61で72枚分となることが予め実験等により求められている)となる直前の状態が同サイズのマスタ61で70枚分に予め設定されているものとする。
【0160】ユーザは、圧板102を開放してコンタクトガラス95上に原稿93を載置・セットした後、再び圧板102を閉じる。そして、操作パネル110上の各種キーによって製版条件等を設定し、製版スタートキー111を押す。ここでは、使用済みのマスタ61としてA3サイズのものが印刷ドラム8に巻装されているものとする。
【0161】原稿読取部7では原稿93の画像が原稿読取手段132によって原稿反射の光学情報として読み取られる。読み取られた原稿93は、原稿トレイ101上へ排出される。読み取られたアナログの画像電気信号は図示しない上記A/D変換部に送信され、該A/D変換部によってデジタルの画像電気信号に変換され、そのデジタルの画像電気信号は図示しない上記画像信号処理装置を経由して図示しない上記画像メモリに送信され、製版すべき1版分のデジタル画像データ信号として上記画像メモリに記憶される。
【0162】読取動作と並行して、排版部5では印刷ドラム8の外周面上から使用済みのマスタ61を剥離する排版動作が行われる。外周面上に使用済みのマスタ61を巻装している印刷ドラム8は、制御装置200からの指令信号により作動するメインモータ12によって、図1において時計回り方向に回転する。そして、使用済みのマスタ61の先端が上排版ローラ74と対応する所定の排版位置に印刷ドラム8が到達したと制御装置200が判断すると、印刷ドラム8の回転が停止すると共に制御装置200から排版モータ駆動回路等に指令信号が送られて図示しない揺動手段および排版モータ83が作動し、上排版ローラ74を回転させると共に上排版ローラ74を剥離位置に移動させる。上排版ローラ74が使用済みのマスタ61と当接すると印刷ドラム8が再び時計回り方向に回転し、上排版ローラ74によってすくい上げられた使用済みのマスタ61は上排版ローラ74および下排版ローラ75とで挟持されて印刷ドラム8の外周面より剥離される。剥離された使用済みのマスタ61は上排版ローラ74と下排版ローラ75とで挟持搬送されて排版ボックス76内に排出された後、圧縮板77によって圧縮される。この圧縮時において、排版ボックス76内にある程度以上の使用済みのマスタ61が収納されている場合、圧縮板77は使用済みのマスタ61を2秒間圧縮する。
【0163】外周面上より使用済みのマスタ61が全て剥離された後も印刷ドラム8はさらに回転を継続する。印刷ドラム8が図1に示す給版位置であるホームポジションに到達して図示しないホームポジションセンサにより検知されると、このホームポジションセンサから制御装置200に向けて信号が出力される。上記ホームポジションセンサからの信号を受けた制御装置200はメインモータ12に指令信号を送ってその作動を停止させる。印刷ドラム8がホームポジションで停止すると、制御装置200より図示しない開閉手段へ指令信号が送られてクランパ15が開放され、印刷ドラム8が図1に示す給版待機状態となって排版動作が完了する。
【0164】上記排版動作および原稿93の読取動作と並行しながら製版動作、これに引き続く給版動作が行われる。印刷ドラム8が給版待機状態となる動作と並行して、制御装置200からの指令信号によりマスタ搬送モータ63が作動してプラテンローラ56が回転すると共に、引き出しローラ240、第1搬送ローラ対59の上側の駆動ローラおよび第2搬送ローラ対60の上側の駆動ローラが回転してマスタロール62よりマスタ61が引き出される。そして、マスタ搬送モータ63のステップ数より、マスタ61の画像形成領域がサーマルヘッド57の発熱素子と対応する位置に達したと制御装置200が判断すると、原稿読取部7より送られた画像データ信号に基づいてサーマルヘッド57の発熱素子が選択的に発熱し、マスタ61の熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像が形成される。
【0165】マスタ61は製版画像を形成されつつ、第1・第2ガイド板273,275に案内されてクランパ15へと搬送される。マスタ搬送モータ63のステップ数より、マスタ61の先端がステージ部14とクランパ15との間の所定位置まで到達したと制御装置200が判断すると、図示しない開閉手段が作動してクランパ15が閉じられ、ステージ部14とクランパ15とによりマスタ61の先端が挟持される。
【0166】その後、制御装置200よりメインモータ12に指令信号が送られ、印刷ドラム8がマスタ61の搬送速度と同じ周速度で図1において時計回り方向に回転し、マスタ61の印刷ドラム8への巻装動作が行われる。そして、原稿読取部7からの原稿93の1枚分に対応した画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド57の作動が停止する。その後、マスタ搬送モータ63のステップ数よりA3サイズの長さのマスタ61が製版搬送されたと制御装置200が判断すると、マスタ搬送モータ63に指令信号が送られ、引き出しローラ240、プラテンローラ56、第1搬送ローラ対59および第2搬送ローラ対60の回転が停止すると共に、図2に示す可動刃58bが案内フレーム57に沿ってマスタ幅方向に回転移動してマスタ61が切断される。切断されたマスタ61は印刷ドラム8の回転によって製版部3より引き出され、印刷ドラム8が再びホームポジションに到達して上記ホームポジションセンサに検知されると、制御装置200から指令信号が送られてメインモータ12が停止し、給版動作が完了する。
【0167】給版動作に引き続き、版付け動作が行われる。印刷ドラム8がホームポジションで停止すると、制御装置200より指令信号が送られてメインモータ12、給紙モータ72、排紙搬送装置85の図示しない駆動手段がそれぞれ作動する。これにより印刷ドラム8が低速で回転駆動されると共に給紙ローラ67、分離ローラ68、駆動ローラ87、吸引ファン90がそれぞれ駆動され、また、プレスローラ10の非印刷位置での保持状態が解除される。給紙ローラ67および分離ローラ68の回転により、給紙台66上に積載された最上の印刷用紙Pが1枚だけ引き出され、その先端をレジストローラ対70のニップ部直前の位置で挟持される。
【0168】レジストローラ対70は、印刷ドラム8に巻装されたマスタ61の印刷ドラム8の回転方向における画像領域先端部がプレスローラ10と対応する位置に到達する所定のタイミングにおいて、印刷用紙Pを印刷ドラム8の外周面とプレスローラ10との間に向けて給送する。また、メインモータ12からの回転力を伝達されて回転している図示しないカム等を備えた上記プレスローラ変位手段により、レジストローラ対70の回転と略同時に上記非印刷位置での保持状態が解除され、プレスローラ10が図示しないプレスローラテンション(引張バネ)の付勢力によってその外周面を印刷ドラム8の外周面に圧接する。
【0169】レジストローラ対70より給送された印刷用紙Pは、プレスローラ10によって印刷ドラム8に巻装された製版済みのマスタ61に押し付ける。この押圧動作により、プレスローラ10と印刷用紙Pと製版済みのマスタ61と支持円筒体8aとが圧接し、インキローラ16によって支持円筒体8aの内周面に供給されたインキが上記多数の開孔部分および図示しないメッシュスクリーンより滲み出し、支持円筒体8aの開孔部分および上記メッシュスクリーンの空隙部と製版済みのマスタ61の穿孔部分とに充填された後にマスタ61の穿孔部分を介して印刷用紙Pに転写・転移され、いわゆる版付けが行われる。印刷用紙Pに印刷画像を転写し、印刷用紙Pとの圧接を終えてマスタ61の後端の非画像領域とプレスローラ10の外周面とが圧接したところで、上記プレスローラ変位手段によりプレスローラ10の外周面と印刷ドラム8の外周面との圧接が解除される。
【0170】インキを転移された印刷用紙Pは、剥離爪84の先端で印刷ドラム8の外周面より剥離されて下方へと落下し、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89の上面に引き付けられつつ左方へと搬送され、排紙台86上に排出される。その後、印刷ドラム8が再びホームポジションで停止して版付け動作が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0171】孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後に試し刷りキー113が押下されると、版付け時と同様に給紙台66上の最上の印刷用紙Pが1枚だけ引き出されてレジストローラ対70に挟持されると共に、制御装置200より指令が送られてメインモータ12が作動して印刷ドラム8が版付け時よりも高速で回転駆動される。レジストローラ対70は高速回転している印刷ドラム8とプレスローラ10との間に印刷用紙Pを給送し、給送された印刷用紙Pはプレスローラ10によって印刷ドラム8に巻装されたマスタ61に圧接されてインキを転移され、上述と同様に排紙台86上に排出される。印刷ドラム8は再びホームポジションに戻されて試し刷り動作が完了する。
【0172】この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル110上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー116で印刷枚数を表示部122に置数し、印刷速度設定キー120で印刷速度を設定して印刷スタートキー112を押下することにより、給紙部4より印刷用紙Pが連続的に給送されて印刷動作が行われる。印刷動作完了後、印刷ドラム8は再びホームポジションに戻る。
【0173】図6において、印刷中に、あるいは印刷開始前の製版開始時等において、インキ有無検知センサ22によりインキ検知針19を介してインキ溜まり17aのインキ無しが検知されたとき、ポンプモータ32が作動開始(オン)することにより、インキポンプ31がポンピングを始め、これによりインキパック23からインキが吸引・汲み出されつつ印刷ドラム8の内部に向けて送出・供給され、供給されたインキがインキ溜まり17aに溜められる。インキ溜まり17aにインキが所定量溜まると、インキ有無検知センサ22によりインキ検知針19を介してインキ溜まり17aのインキ有りが検知される。そして、印刷中に、インキ有無検知センサ22によりインキ溜まり17aのインキ無しを検知してから、インキポンプ31が一定時間動作しても(あるいはインキポンプ31のポンピング回数が一定回数になっても)、インキ有無検知センサ22がインキ溜まり17aのインキ有りを検知しないときに、インキ溜まり17aのインキ無し(すなわちインキパック23のインキ無しでもある)と検知するようになっている。
【0174】ここで、印刷中に、あるいは印刷開始前の製版開始時等において、インキ有無検知センサ22によりインキ溜まり17aのインキ無しが検知されるときのインキ溜まり17aのインキ量の程度は、インキ溜まり17aを形成する断面楔状の空間内にインキが完全に無い状態で検知するように設定されておらず、インキパック23内のインキが完全に無い状態になっても、余裕を持って所望とする印刷画像品質を得られるように、ベタ画像に近い画像を使用可能な用紙の最大サイズに印刷できるようなインキ量を確保している状態に設定されている。換言すれば、インキパック23内のインキが完全に無くなっても、ある程度の印刷を継続できるようなインキ量を印刷ドラム8に確保するような設定がなされている。
【0175】次に、図18のフローチャートを併用して実施形態1に特有のインキパック交換処理に係る動作について詳述する。孔版印刷装置1により上述した各動作が行われて、ドラムユニット20におけるインキパック23のインキが印刷動作によって消費されてその残量が少なり、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態になると、制御装置200は、印刷中に、インキ残量検知手段29の電圧計328からのインキ残量検知信号に基づいて、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態であると判断し、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態を表示するように液晶表示部123およびインキ無し直前表示ランプ134を制御すると共に、印刷動作を継続するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する(ステップS1およびステップS2参照)。
【0176】液晶表示部123へのインキパック23内のインキが無くなる直前状態の表示例としては、例えば「インキパック23のインキが無くなる直前ですので、新しいインキパック23に交換して下さい。」というようになされると同時に、インキ無し直前表示ランプ134が点灯する。ステップS1において、インキパック23内のインキが無くなる直前の状態ではなく、制御装置200がインキ残量有りと判断したときには、ジョブ動作を終了する。
【0177】次いで、ステップS3に進み、インキパック23内インキの無くなる直前状態表示が一定時間経過したか否かが判断される。ここで、インキパック23内インキの無くなる直前状態を表示している間の表示継続時間が一定時間経過しても、インキパックドア33を開けてインキパック23の着脱・交換が行われないとき、タイマ204からの表示継続時間信号およびインキパックドアセンサ35からの開信号に基づいて、また、インキパック有無センサ30からの「有り→無し→有り」という信号の変化を参酌して、制御装置200は印刷停止処理を実行するために、印刷動作を停止するようにメインモータ12および給紙モータ72を制御する(ステップS4参照)。換言すれば、印刷中に、液晶表示部123への上記メッセージおよびインキ無し直前表示ランプ134への点灯を一定時間表示していても、インキパックドア33が開閉されてインキパック23の交換がされないときには、制御装置200は孔版印刷装置1をインキパック23の交換とインキ補給のために停止させることとなる。これは、インキパック23内インキの無くなる直前状態表示中にインキパック23の交換がされないときには、印刷が継続されていてインキを消費中であり、この状態にしておくとインキパック23内のインキおよびインキ溜まり17aのインキ量が無くなってしまうので、印刷ドラム8内のインキが無くならない時間の中で交換することが必要だからである。
【0178】ステップS3において、インキパック23内インキの無くなる直前状態表示が一定時間内であれば、ステップS5に進み、制御装置200により、インキパックドア33が開