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【発明の名称】 インキ収納容器、インキ吸引装置及び印刷機
【発明者】 【氏名】佐藤 光雄
【住所又は居所】宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3番地の1 東北リコー株式会社内

【要約】 【課題】一方向バルブの組み立て作業、インキ収納部へのインキ充填後に行う注出口への一方向バルブの組み立て作業を容易にし、さらに、インキ吸引管とのシール性を高めるために筒状部材の内周面を高精度に維持する。

【解決手段】インキ収納部10にインキを充填した後に注出口12に装着できる一方向バルブ32として、インキ吸引管24に接続されるインキ流通孔33を有して注出口12に挿入され抜け止めされた筒状部材36と、インキ流通孔33の弁座34を開閉する弁部37と、筒状部材36におけるインキ流通孔33よりも奥側に設けられて弁部37が弁座34に圧接されるよう弁部37を付勢する弾性部材40とによりユニット化する。これにより、インキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブ32の組み立て作業、インキ収納部10へのインキ充填後に行う注出口12への一方向バルブ32の組み立て作業を容易にし、さらに、インキ吸引管24とのシール性を高めるために筒状部材36の内周面を高精度に維持できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、前記一方向バルブは、インキポンプ側のインキ吸引管に連通されるインキ流通孔とこのインキ流通孔の周囲に形成された弁座とを有して前記注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされた筒状部材と、前記弁座に接離自在に当接される弁部を有して前記筒状部材の内周面にスライド自在に嵌合されたスライダと、前記筒状部材における前記インキ流通孔よりも該筒状部材の挿入方向奥側に設けられ前記弁部が前記弁座に圧接されるように前記スライダを付勢する弾性部材と、によりユニット化されていることを特徴とするインキ収納容器。
【請求項2】 インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、前記一方向バルブは、インキポンプ側のインキ吸引管に連通されるインキ流通孔とこのインキ流通孔の周囲に形成された弁座とを有して前記注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされた筒状部材と、前記弁座に傘状のテーパー面をもって接離自在に当接される弁部を有して前記インキ流通孔に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、前記筒状部材における前記インキ流通孔よりも該筒状部材の挿入方向奥側に設けられ前記弁部が前記弁座に圧接されるように前記弁体を付勢する弾性部材と、によりユニット化されていることを特徴とするインキ収納容器。
【請求項3】 前記注出口と前記筒状部材とには、前記注出口に前記筒状部材を定められた深さまで挿入したときに互いに係止し合い両者の軸方向の動きを固定する係止部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインキ収納容器。
【請求項4】 前記筒状部材と前記スライダと前記弾性部材とは合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は3記載のインキ収納容器。
【請求項5】 前記筒状部材と前記弁体と前記弾性部材とは合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載のインキ収納容器。
【請求項6】 前記スライダは、前記インキ流通孔に挿入された軸状部とこの軸状部の先端に配置されて前記弾性部材に連結される連結部とを有することを特徴とする請求項1、3又は4記載のインキ収納容器。
【請求項7】 前記弁体は、前記インキ流通孔に挿入された軸状部とこの軸状部の先端に配置されて前記弾性部材に連結される連結部とを有することを特徴とする請求項2、3又は5記載のインキ収納容器。
【請求項8】 インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備するインキ収納容器において、前記抽出口からインキ抽出方向へのインキの流れに対する流動抵抗より前記インキ抽出方向とは逆方向のインキの流れに対する流動抵抗の方が大きく定められ、前記注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされたインキ流動抵抗部材を具備することを特徴とするインキ収納容器。
【請求項9】 前記インキ流動抵抗部材は、開口幅又は開口径が小さくて流動抵抗の大きなインキ流通孔を有することを特徴とする請求項8記載のインキ収納容器。
【請求項10】 前記インキ流動抵抗部材は、前記インキ抽出方向に向かうに従い先細りとなるように擂り鉢状に傾斜されたインキ案内面を有し、このインキ案内面の中心部に前記インキ流通孔が形成されていることを特徴とする請求項8又は9記載のインキ収納容器。
【請求項11】 前記インキ流動抵抗部材は弾性的に屈撓可能な材料により形成され、前記インキ案内面には前記インキ流通孔に連通された複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項10記載のインキ収納容器。
【請求項12】 前記注出口とインキ流動抵抗部材とには、前記注出口に前記インキ流動抵抗部材を定められた深さまで挿入したときに互いに係止し合い両者の軸方向の動きを固定する係止部が形成されていることを特徴とする請求項8、9、10、11又は12記載のインキ収納容器。
【請求項13】 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のインキ収納容器と、前記インキ収納容器の前記筒状部材に接続されるインキ吸引管と、前記インキ吸引管が接続されたインキポンプと、前記インキポンプの吐出側とインキ供給先との間のみに設けられてインキ抽出方向のみのインキの流れを許容するポンプ側一方向バルブと、を具備することを特徴とするインキ吸引装置。
【請求項14】 インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、前記インキ収納部にインキを充填するためのインキ充填口と、前記インキ充填口から前記インキ収納部にインキを充填した後に前記インキ充填口に固着された封印部材と、を具備することを特徴とするインキ収納容器。
【請求項15】 前記注出口と前記インキ充填口とは一体に形成されていることを特徴とする請求項14記載のインキ収納容器。
【請求項16】 前記封印部材は樹脂フィルムにより形成されていることを特徴とする請求項14又は15記載のインキ収納容器。
【請求項17】 請求項14、15又は16記載のインキ収納容器のインキが供給される印刷部と、前記インキ収納容器のインキの残量を検出するインキ検出手段と、前記インキ検出手段により前記インキ収納容器のインキが空であると認識したときに、前記封印部材を切断する切断手段と、を具備する印刷機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ収納容器、このインキ収納容器のインキを印刷機に向けて吸引するインキ吸引装置及び印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図17に示すように、印刷機に使用されるインキ収納容器Aとして、可撓性の樹脂フィルムなどにより形成されてインキを収納する内袋10と、この内袋10を覆う紙製の外箱11とを有するバックインカートンタイプのものがよく用いられている。この場合、内袋10には内部のインキを注出する筒状の注出口12が接続されている。インキ収納容器Aは印刷機にセットされるまでは注出口12をキャップ13により密閉状態に維持される。
【0003】このようなインキ収納容器Aは、キャップ13を外して注出口12を印刷機のインキポンプ8に接続するが、粘度の低いインキの場合にはインキ収納容器Aを傾けたときにインキが漏れ出すことがあるので、注出口12をインキポンプ8に接続したときに注出口12を開弁するバルブ機構をインキ収納容器或いは印刷機側に設けた例もある。
【0004】このようなバルブ機構により注出口を開閉する例としては、例えば、特開平2-164576号公報、特開2000-318288公報に示されているが、点検その他の理由でインキ収納容器を印刷機から外したときに注出口を再び閉弁することが可能である。しかし、閉弁する瞬間に注出口から内袋の内部に外気が入るため、注出口を再び印刷機の供給先に接続したときに、インキポンプを駆動しても内部のインキが吸引できない。
【0005】このようなことから、インキの注出方向の流れのみを許容する一方向バルブ(逆止弁)を注出口に設けたインキ収納容器が開発されている。その例は特開平7-76358号公報によって知られている。この特開平7-76358号公報には、充填物取出し口(注出口)からインキを充填した後に逆止弁を装着し、その後のインキの再充填を不可能にする構成も記載されている。インキ収納容器の注出口に一方向バルブ(逆止弁)を装着することは、インキポンプ内のインキや外気の侵入を防止するとともに、インキの再充填を阻止する効果を得ることができる。また、インキの再充填を阻止することにより、ユーザーが印刷機の仕様に合わない規定外のインキを知らずに充填することを禁止し、印刷の品質が低下することを防止することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インキ収納容器の注出口に設けられる従来の一方向バルブとして、前述した筒状の注出口、或いはこの注出口に嵌合される筒状部材の内部に形成された弁座と、この弁座の中心部に形成されたインキ流通孔と、弁座に圧接されてインキ流通孔を遮蔽する弁体と、この弁体を弁座に圧接させるスプリング(弾性部材)と、弁座に対向してスプリングの一端を固定的に支持する固定部材とにより構成された一方向バルブがある。この場合、注出口或いはこれに嵌合される筒状部材は弁座を一体に形成するために樹脂成型品を用いることが得策であるが、弁体を弁座に圧接するためのスプリングの一端を固定する固定部材を含めて一体成型することは成型金型の構造上至難であり、固定部材は注出口或いはこれに嵌合される筒状部材の内周面に接着によって固定せざるを得なくなる。しかしながら接着剤が固まるまで固定部材をスプリングの強さに抗して固定状態に維持しなければならず、固定部材の接着作業は非常に困難であり、一方向バルブの組み立て作業が行い難くなる。しかも、注出口或いはこれに嵌合される筒状部材の内周面に接着剤が付着すると、インキポンプ側のインキ吸引管とのシール性が悪くなる。
【0007】さらに、弁体として鋼球を用い、この弁体を金属製のスプリングで付勢した構造の一方向バルブの場合は、注出口或いはこれに嵌合される筒状部材が合成樹脂製であることの方が多いのでリサイクルに際して材料の分別作業に時間がかかる。
【0008】また、一方向バルブを具備しないインキ収納容器が使用されてしまうと、インキの再充填が可能であるため、ユーザーが規定外のインキと誤って使用してしまうことを防止することができない。
【0009】さらに、インキ収納部にインキを速やかに充填することについても要求されている。
【0010】本発明の目的は、注出口からインキを充填した後に、その注出口にユニット化された一方向バルブを極めて容易に装着できるインキ収納容器を提供することである。
【0011】本発明の目的は、インキポンプ側のインキ吸引管との間のシール性を高めることができる一方向バルブを具備するインキ収納容器を提供することである。
【0012】本発明の目的は、リサイクルに際して部品の分別作業の負担を軽減し得るインキ収納容器を提供することである。
【0013】本発明の目的は、規定外のインキの再充填が許容されてしまうような一方向バルブを具備していないインキ収納容器を装着するミスを未然に防止し得るインキ吸引装置を提供することである。
【0014】本発明の目的は、一方向バルブが装着された注出口とは別に、インキの充填作業を短時間で行うことができるとともにインキ充填後に封印部材で封印し得るインキ充填口を具備したインキ収納容器を提供することである。
【0015】本発明の目的は、インキ充填口を具備したインキ収納容器内のインキを使用したときに、インキ充填口の封印部材を切断してインキの再充填を阻止できる印刷機を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインキ収納容器は、インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、前記一方向バルブは、インキポンプ側のインキ吸引管に連通されるインキ流通孔とこのインキ流通孔の周囲に形成された弁座とを有して前記注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされた筒状部材と、前記弁座に接離自在に当接される弁部を有して前記筒状部材の内周面にスライド自在に嵌合されたスライダと、前記筒状部材における前記インキ流通孔よりも該筒状部材の挿入方向奥側に設けられ前記弁部が前記弁座に圧接されるように前記スライダを付勢する弾性部材と、によりユニット化されている。
【0017】したがって、筒状部材にスライダを嵌合しこのスライダを付勢する弾性部材を筒状部材の奥側に装着することにより、弁座に弁部を強い圧接力で圧接させてインキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブをユニットとして容易に組み立てることが可能となり、また、インキ充填後に行う注出口への一方向バルブの組み立て作業を注出口に筒状部材を挿入するだけで容易に行うことが可能となる。さらに、筒状部材は注出口に挿入した後に抜け止めされるためインキの再充填を阻止することが可能となる。さらに、筒状部材におけるスライダが嵌合される部分は弾性部材が存在しないためこの弾性部材の一端を固定するための固定部材を接着する必要がなく、したがって、一方向バルブの組み立て作業性がさらに向上し、かつインキ吸引管とのシール性を高めるために筒状部材の内周面を高精度に維持できる。
【0018】請求項2記載のインキ収納容器は、インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、前記一方向バルブは、インキポンプ側のインキ吸引管に連通されるインキ流通孔とこのインキ流通孔の周囲に形成された弁座とを有して前記注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされた筒状部材と、前記弁座に傘状のテーパー面をもって接離自在に当接される弁部を有して前記インキ流通孔に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、前記筒状部材における前記インキ流通孔よりも該筒状部材の挿入方向奥側に設けられ前記弁部が前記弁座に圧接されるように前記弁体を付勢する弾性部材と、によりユニット化されている。
【0019】したがって、筒状部材に弁体を嵌合しこの弁体を付勢する弾性部材を筒状部材の奥側に装着することにより、弁座に弁部を強い圧接力で圧接させてインキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブをユニットとして容易に組み立てることが可能となり、また、インキ充填後に行う注出口への一方向バルブの組み立て作業を注出口に筒状部材を挿入するだけで容易に行うことが可能となる。さらに、筒状部材は注出口に挿入した後に抜け止めされるためインキの再充填を阻止することが可能となる。さらに、筒状部材における弁体が嵌合される部分は弾性部材が存在しないためこの弾性部材の一端を固定するための固定部材を接着する必要がなく、したがって、一方向バルブの組み立て作業性がさらに向上し、かつインキ吸引管とのシール性を高めるために筒状部材の内周面を高精度に維持できる。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインキ収納容器において、前記注出口と前記筒状部材とには、前記注出口に前記筒状部材を定められた深さまで挿入したときに互いに係止し合い両者の軸方向の動きを固定する係止部が形成されている。
【0021】したがって、筒状部材を定められた深さまで注出口に挿入するだけの操作により、係止部同士の係止によって筒状部材を抜け止め状態に維持することが可能となる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載のインキ収納容器において、前記筒状部材と前記スライダと前記弾性部材とは合成樹脂材料により形成されている。
【0023】したがって、リサイクルに際して材料の分別作業の負担が軽減される。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載のインキ収納容器において、前記筒状部材と前記弁体と前記弾性部材とは合成樹脂材料により形成されている。
【0025】したがって、リサイクルに際して材料の分別作業の負担が軽減される。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項1,3又は4記載のインキ収納容器において、前記スライダは、前記インキ流通孔に挿入された軸状部とこの軸状部の先端に配置されて前記弾性部材に連結される連結部とを有する。
【0027】したがって、筒状部材におけるインキ注出側とは反対側の開放された端部付近でスライダと弾性部材とを容易に連結することが可能となる。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項2,3又は5記載のインキ収容容器において、前記弁体は、前記インキ流通孔に挿入された軸状部とこの軸状部の先端に配置されて前記弾性部材に連結される連結部とを有する。
【0029】したがって、筒状部材におけるインキ注出側とは反対側の開放された端部付近で弁体と弾性部材とを容易に連結することが可能となる。
【0030】請求項8記載のインキ収納容器は、インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備するインキ収納容器において、前記抽出口からインキ抽出方向へのインキの流れに対する流動抵抗より前記インキ抽出方向とは逆方向のインキの流れに対する流動抵抗の方が大きく定められ、前記注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされたインキ流動抵抗部材を具備する。
【0031】したがって、インキ流動抵抗部材は、インキ収納部内のインキをインキポンプの吸引力によりインキ供給先に流すことは許容するが、インキ抽出方向とは逆方向へのインキの流れに対しては抵抗を示すため、実質的にインキの再充填を阻止することが可能となる。さらに、インキの再充填を実質的に阻止することをインキ流動抵抗部材一つで実現できるため、部品点数を低減し、インキ収納部へのインキの充填後に行う注出口へのインキ流動抵抗部材の組立作業を極めて簡略化することが可能となる。
【0032】請求項9記載の発明は、請求項8記載のインキ収納容器において、前記インキ流動抵抗部材は、開口幅又は開口径が小さくて流動抵抗の大きなインキ流通孔を有する。
【0033】したがって、インキの流束をインキ流通孔で絞るという簡単な手段でインキに流動抵抗を与え、この流動抵抗に抗するインキポンプの吸引力によりインキ収納部内のインキがインキ抽出方向に流れることを許容するが、インキ抽出方向とは逆方向へのインキの流れを抑制することが可能となる。
【0034】請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載のインキ収納容器において、前記インキ流動抵抗部材は、前記インキ抽出方向に向かうに従い先細りとなるように擂り鉢状に傾斜されたインキ案内面を有し、このインキ案内面の中心部に前記インキ流通孔が形成されている。
【0035】したがって、インキ収納部内のインキにインキポンプの吸引力が作用したときに、インキ収納部内のインキはインキ案内面によりインキ流通孔に導かれるためインキが抽出し易くなる。逆方向のインキの流れに対してはインキがインキ流通孔に集まりにくくなるため逆方向へのインキの流れが抑制される。
【0036】請求項11記載発明は、請求項10記載のインキ収納容器において、前記インキ流動抵抗部材は弾性的に屈撓可能な材料により形成され、前記インキ案内面には前記インキ流通孔に連通された複数のスリットが形成されている。
【0037】したがって、インキ収納部内のインキが抽出方向に流れるときは、インキ案内面はインキの圧力によりインキ流通孔が開く方向に変形するためインキが抽出し易くなる。逆方向のインキの流れに対しては、インキ案内面はインキ流通孔が閉じる方向に変形することを余儀なくされるため流動抵抗が顕著に大きくなる。
【0038】請求項12記載の発明は、請求項8,9、10、11又は12記載のインキ収納容器において、前記注出口とインキ流動抵抗部材とには、前記注出口に前記インキ流動抵抗部材を定められた深さまで挿入したときに互いに係止し合い両者の軸方向の動きを固定する係止部が形成されている。
【0039】したがって、インキ流動抵抗部材を定められた深さまで注出口に挿入するだけの操作により、係止部同士の係止によってインキ流動部材を抜け止め状態に維持することが可能となる。
【0040】請求項13記載のインキ吸引装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のインキ収納容器と、前記インキ収納容器の前記筒状部材に接続されるインキ吸引管と、前記インキ吸引管が接続されたインキポンプと、前記インキポンプの吐出側とインキ供給先との間のみに設けられてインキ抽出方向のみのインキの流れを許容するポンプ側一方向バルブと、を具備する。
【0041】したがって、インキポンプの吐出圧はインキ収納容器の注出口とポンプ側一方向バルブとに作用することになり、これにより、注出口に一方向バルブが存在しないインキ収納容器が接続された場合には、インキポンプの吐出圧は注出口に逃げるため、インキ供給先への供給を回避することが可能となる。したがって、注出口に一方向バルブが存在しないために規定外のインキの充填が許容されてしまうインキ収納容器が誤って使用されることを防止することが可能となる。
【0042】請求項14記載のインキ収納容器は、インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、前記インキ収納部にインキを充填するためのインキ充填口と、前記インキ充填口から前記インキ収納部にインキを充填した後に前記インキ充填口に固着された封印部材と、を具備する。
【0043】したがって、インキ供給先のインキや外気の侵入を一方向バルブによって阻止できる注出口とは別のインキ充填口からインキを短時間で充填することが可能となる。そのインキ充填後にインキ充填口を封印部材により封印することが可能となる。
【0044】請求項15記載の発明は、請求項14記載のインキ収納容器において、前記注出口と前記インキ充填口とは一体に形成されている。
【0045】したがって、注出口とインキ充填口とを一部材に製作し、インキ収納部との接続も容易となる。
【0046】請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載のインキ収納容器において、前記封印部材は樹脂フィルムにより形成されている。
【0047】したがって、インキ収納部のインキが使い終わったときに、封印部材を容易に切断することが可能となる。これにより、印刷機の仕様に合わないインキを再充填して再使用することを回避することが可能となる。
【0048】請求項17記載の印刷機は、請求項14,15又は16記載のインキ収納容器のインキが供給される印刷部と、前記インキ収納容器のインキの残量を検出するインキ検出手段と、前記インキ検出手段により前記インキ収納容器のインキが空であると認識したときに、前記封印部材を切断する切断手段と、を具備する。
【0049】したがって、印刷作業時にインキ収納容器のインキの残量を検出し、インキが空であると認識したときに切断手段により封印部材を自動的に切断することが可能となる。これにより、インキを再充填して再使用することを回避することが可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。図17を用いて説明した部分と同一部分は同一符号を用いて説明する。図1は印刷機の主要部をなす印刷部の概略構造を示す縦断側面図、図2は一方向バルブが閉弁された状態のインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図、図3は一方向バルブが開弁された状態のインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図、図4はスライダと弾性部材との連結構造を示す分解斜視図である。
【0051】まず、図1を参照して印刷機の主要部をなす印刷部の構成について説明する。本実施の形態における印刷機Pは孔版印刷機の例である。この印刷機Pの印刷部1は、外周面がインキの通過を許容するメッシュ状に形成された版胴2と、この版胴2に対して接離自在に対向配置されたプレスローラ3とを有する。版胴2の内部には、その版胴2の内周面に接触するインキローラ4と、このインキローラ4の外周面に対して僅かな隙間を開けて対向するドクターローラ5とが回転自在に設けられている。そして、インキローラ4とドクターローラ5との間に形成されたインキ溜め6には、ポンプモータ7によって駆動されるインキポンプ8によりインキ収納容器B内のインキが供給されるように構成されている。
【0052】このような印刷機Pでは、穿孔によって画像が形成されたマスタ(図示せず)を版胴2の外周に巻き付け、印刷用紙Sを版胴2とプレスローラ3との間に給紙し、この印刷用紙Sをプレスローラ3によって版胴2に押し当て、版胴2内のインキをマスタの穿孔から滲み出させて印刷用紙Sに転写することによって印刷を行う。
【0053】次に、図2及び図3を参照してインキ吸引装置20の構成について説明する。このインキ吸引装置20は図1に示す印刷部1とともに印刷機Pを構成する。インキ吸引装置20はインキポンプ8を主要な構成としている。インキポンプ8はシリンダ21とこのシリンダ21に摺動自在に嵌合されたピストン22とよりなる。このインキポンプ8は、ポンプモータ7(図1参照)の回転運動を直線運動に変換してピストン22に伝達することにより、インキ収納容器Bのインキを吸引する構造である。シリンダ21には外周にOリング23が嵌められたインキ吸引管24とインキ吐出管25とが一体に形成され、インキ吐出管25は接続管26によりインキ供給管27に接続されている。このインキ供給管27は、図1に示した印刷部1のインキ溜まり6にインキを滴下するように設けられている。また、インキ吐出管25にはインキ吐出方向のみのインキの流れを許容するポンプ側一方向バルブ28が組み込まれている。このポンプ側一方向バルブ28は、インキ吐出管25に形成されたテーパー形状の弁座29と、この弁座29にスプリング30の付勢力により圧接された球状の弁体31とにより形成されている。
【0054】次に、インキ収納容器Bの構成について説明する。インキ収納容器Bは、可撓性の樹脂フィルムなどにより形成されたインキ収納部としての内袋10と、この内袋10を覆う紙製の外箱11とを有するバックインカートンタイプのものが用いられている。そして、内袋10には内部のインキを注出する筒状の注出口12が接続されている。
【0055】この注出口12には、インキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブ32が設けられている。この一方向バルブ32は、インキポンプ8のインキ吸引管24に連通されるインキ流通孔33とこのインキ流通孔33の周囲に形成された弁座34とを有して注出口12のインキ注出側の開口面35から注出口12の内部に挿入された筒状部材36と、弁座34に接離自在に当接される弁部37とこの弁部37の周囲に配列された複数の通孔38(図4参照)とを有して筒状部材36の内周面にスライド自在に嵌合された筒状のスライダ39と、筒状部材36におけるインキ流通孔33よりもこの筒状部材36の挿入方向奥側に設けられた弾性部材40とにより形成されている。この一方向バルブ32は、筒状部材36をユニット本体としてユニット化された状態で組み立てられている。筒状部材36とスライダ39とは合成樹脂製であるが、弾性部材40はC字形の形状を有し、全体が弾性的に屈撓し得るように特に弾性に富む合成樹脂により形成されている。
【0056】図4に示すように、スライダ39には、傘状のテーパー面をもつ弁部37の中心から延出されてインキ流通孔33(図2、図3参照)に挿入された軸状部41と、この軸状部41の先端から突出する連結部42とが一体に形成されている。連結部42は長方形の形状をもって形成され、この連結部42に嵌合される長方形の連結孔43が弾性部材40に形成されている。すなわち、弾性部材40は、連結部42と連結孔43とを同じ向きに対向させた状態で嵌合した後に、軸状部41を中心としてスライダ39と弾性部材40とを相対的に略90°旋回させることにより、弾性部材40は連結孔43が連結部42から脱落することなくスライダ39に組み立てられている。この組み立て状態では、図2に示すように、弾性部材40は自由状態からやや圧縮されて両端が筒状部材36の端部に当接され、自らの弾性により自由形状に復元しようとする力によって弁部37を弁座34に圧接させるようにスライダ39を付勢している。
【0057】本実施の形態におけるインキ収納容器Bは、注出口12から内袋10の内部にインキを充填した後に一方向バルブ32を注出口12に装着し得るように構成されている。すなわち、筒状部材36には、注出口12の係止部(奥側の端面)44に弾性的に係止される係止部としての係止爪45と、注出口12の開口面(係止部として機能)35に当接状態で係止される係止部46とが一体に形成されている。
【0058】このような構成において、内袋10へのインキの充填は一方向バルブ32を装着する前の注出口12から行う。インキ充填後にユニット化された一方向バルブ32の筒状部材36を注出口12に挿入する過程では係止爪45は注出口12の内周面に押されて弾性的に内方に屈撓するが、注出口12の開口面35に係止部46が当接するまで筒状部材36を注出口12に挿入すると、係止爪45が注出口12の内周面を通過し自らの弾性により半径方向外側に復帰し係止部44に係止される。これにより注出口12に対する筒状部材36の軸方向の動きが阻止される。
【0059】そして、インキポンプ8のインキ吸引管24に筒状部材36を嵌合し、インキポンプ8を駆動することによりインキ収納容器B内のインキがインキ供給管27を介して印刷部に供給される。具体的には、ピストン22がシリンダ21の左方に移動するとシリンダ21の内部が負圧となる。この負圧はスライダ39を弁部37とともに弾性部材40の付勢力に抗して弁座34から離反させる力として作用するので、図3に示すように弁部37が弁座34から離れ、インキ流通孔33が開放され、内袋10内のインキがシリンダ21の内部に吸引される。このとき、ポンプ側一方向バルブ28の弁体31はスプリング30の付勢力により弁座29に圧接されるため閉弁状態に維持される。ピストン22が右方に移動するときは、シリンダ21内に吸引されたインキが圧縮される。その圧力はポンプ側一方向バルブ28の弁体31を弁座29から離反させる力として作用するので、インキをインキ供給管27に供給することができる。このとき、インキ収納容器Bの一方向バルブ32は弾性部材40の付勢力により弁部37が弁座34に圧接されるため閉弁状態に維持される。
【0060】以上のように、インキ収納容器Bの一方向バルブ32は、筒状部材36にスライダ39を嵌合し、このスライダ39を付勢する弾性部材40を筒状部材36の奥側に装着することにより、弁座34に弁部37を強い圧接力で圧接させてインキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブ32をユニットとして容易に組み立てることができる。特に、軸状部41の先端に弾性部材40を連結する連結部42を設けたので、弾性部材40の組み立てを容易にすることができる。このようなことから、従来のように筒状部材36の弁座34よりも左側の部分に弁部37を付勢するスプリングを設ける必要がなく、これに伴い、そのスプリングの端部を固定する固定部材を筒状部材36の内周面に接着する必要がないために、組み立て作業をさらに容易にすることができる。さらに、筒状部材36の内周面を接着剤で汚すことなく滑らかに維持することができるため、インキ吸引管24との間のシール効果を高めることもできる。
【0061】また、筒状部材36の内周面に嵌合されるスライダ39の中心部に弁部37を一体に形成したので、インキ流通孔33及び弁座34の中心に弁部37を正確に位置合わせすることが容易にできる。
【0062】さらに、インキ収納容器Bの一方向バルブ32を構成する筒状部材36、スライダ39、弾性部材40は全て合成樹脂製であるため、製作が容易であり、さらにリサイクルに際して材料の分別作業の手間を軽減することができる。
【0063】次に、本発明の第二の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。第一の実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図5は一方向バルブが閉弁された状態のインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図、図6は一方向バルブが開弁された状態のインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図である。
【0064】本実施の形態における注出口12内の一方向バルブ47は、筒状部材36とスライダ39と弾性部材48とばね受け49とにより形成されている。筒状部材36とスライダ39とは第一の実施の形態において説明した構造と同様であるので説明を省略する。本実施の形態における一方向バルブ47はスライダ39を付勢する弾性部材48として合成樹脂製のコイルスプリングを用いている。この弾性部材48は一端が筒状部材36のインキ流通孔33側の端面に当接され他端が合成樹脂製のばね受け49に当接されている。このばね受け49は、図2ないし図4において示した弾性部材40と同様に、弁部37の中心部から立設された軸状部41の先端の連結部42に連結される長方形の連結孔(図示せず)を有する。
【0065】このような構成において、スライダ39とばね受け49とは弾性部材48により付勢されて図5において右方にスライドする。これにより弁部37が弁座34に圧接されインキ流通孔33が遮蔽される。筒状部材36をインキ吸引管24に接続しインキポンプ8を駆動すると、前述のようにピストン22が左方に移動する過程でシリンダ21の内部が負圧となる。この負圧はスライダ39を弁部37及びばね受け49とともに弾性部材48の付勢力に抗して弁座34(図6参照)から離反させる力として作用するので、インキ流通孔33が開放され、内袋10内のインキがシリンダ21の内部に吸引される。ピストン22が右方に移動するときは、シリンダ21内に吸引されたインキが圧縮される。その圧力により前記実施の形態と同様にポンプ側一方向バルブ28を開弁状態に切り替えるので、インキをインキ供給管27に供給することができる。このとき、インキ収納容器Bの一方向バルブ47は弾性部材48の付勢力により弁部37が弁座34に圧接されるため閉弁状態に維持される。
【0066】本実施の形態における一方向バルブ47も全て合成樹脂製であるため、リサイクルに際して材料の分別作業に要する手間を軽減することができる。
【0067】次に、本発明の第三の実施の形態を図7ないし図9に基づいて説明する。第一の実施の形態及び第二の実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図7は一方向バルブが閉弁された状態のインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図、図8は一方向バルブが開弁された状態のインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図、図9は弁体と弾性部材との連結構造を示す分解斜視図である。
【0068】注出口12には、インキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブ50が設けられている。本実施の形態における一方向バルブ50は、インキポンプ8のインキ吸引管24に連通されるインキ流通孔33とこのインキ流通孔33の周囲に形成された弁座34とインキ流通孔33の周縁から突出する突部51とを有して注出口12のインキ注出側の開口面35から注出口12の内部に挿入された筒状部材52と、傘状のテーパー面をもって弁座34に接離自在に当接される弁部37を有してインキ流通孔33にスライド自在に嵌合された弁体53と、筒状部材52におけるインキ流通孔33よりもこの筒状部材52の挿入方向奥側に設けられた弾性部材54とにより形成されている。この一方向バルブ50は、筒状部材52をユニット本体としてユニット化された状態で組み立てられている。筒状部材52と弁体53とは合成樹脂製であるが、弾性部材54はリング形の形状を有し、全体が弾性的に屈撓し得るように特に弾性に富む合成樹脂により形成されている。
【0069】図9に示すように、弁体53には、傘状のテーパー面をもつ弁部37の中心から延出されてインキ流通孔33に挿入された軸状部41と、この軸状部41の先端に形成された連結部としての係止爪55とが一体に形成されている。筒状部材52の突部51の周側面にはインキを流通させる開口部56が形成され、突部51の端面には弁体53の軸状部41を通す通孔57が形成されている。弾性部材54にも軸状部41を突出させるための二つの通孔58,59が弾性部材54の中心を通る直線上に配置されて形成されている。そして、弁体53の軸状部41を筒状部材52の通孔57と弾性部材54の通孔58,59とに通し、軸状部41の先端の係止爪55が通孔59を通過して自らの弾性により外側に広がることにより、筒状部材52と弁体53と弾性部材54とがユニット化された状態で一方向バルブ50として組み立てられる。この組み立て状態では、図7に示すように、弾性部材54は通孔58側が筒状部材52の突部51に圧力をもって当接され、自らの弾性により弁部37を弁座34に圧接させるように弁体53を付勢している。
【0070】本実施の形態における一方向バルブ50も、注出口12から内袋10の内部にインキを充填した後に注出口12に装着し得るように、第一及び第二の実施の形態と同様に、筒状部材52には、注出口12の係止部(奥側の端面)44に弾性的に係止される係止爪45と、注出口12の開口面35に当接状態で係止される係止部46とが一体に形成されている。
【0071】このような構成において、内袋10へのインキの充填は一方向バルブ50を装着する前の注出口12から行う。インキ充填後にユニット化された一方向バルブ50の筒状部材52を注出口12に挿入する過程では係止爪45は注出口12の内周面に押されて弾性的に内方に屈撓するが、注出口12の開口面35に係止部46が当接するまで筒状部材52を注出口12に挿入すると、係止爪45が注出口12の内周面を通過し自らの弾性により半径方向外側に復帰し係止部44に係止される。これにより注出口12に対する筒状部材52の軸方向の動きが阻止される。
【0072】そして、インキポンプ8のインキ吸引管24に筒状部材52を嵌合し、インキポンプ8を駆動することによりインキ収納容器B内のインキがインキ供給管27を介して印刷部に供給される。具体的には、ピストン22がシリンダ21の左方に移動するとシリンダ21の内部が負圧となる。この負圧は弁部37が弾性部材54の付勢力に抗して弁座34から離反させる力として弁体53に作用するので、図8に示すようにインキ流通孔33が開放され、内袋10内のインキがシリンダ21の内部に吸引される。このとき、ポンプ側一方向バルブ28の弁体31は前記実施の形態と同様に閉弁状態に維持される。ピストン22が右方に移動するときは、シリンダ21内に吸引されたインキが圧縮される。その圧力により前記実施の形態と同様にポンプ側一方向バルブ28を開弁状態に切り替えるので、インキをインキ供給管27に供給することができる。このとき、インキ収納容器Bの一方向バルブ50は弾性部材54の付勢力により弁部37が弁座34に圧接されるため閉弁状態に維持される。
【0073】本実施の形態における一方向バルブ50も、弁体53の軸状部41を筒状部材52の通孔57と弾性部材54の通孔58,59とに通すことにより、弁座34に弁部37を強い圧接力で圧接させてインキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブ50をユニットとして容易に組み立てることができる。軸状部41の先端に弾性部材54を連結するための係止爪55を設けたので、弾性部材54の組み立てを容易にすることができる。このようなことから、従来のように筒状部材52の弁座34よりも左側の部分に弁部37を付勢するスプリングを設ける必要がなく、これに伴い、そのスプリングの端部を固定する固定部材を筒状部材52の内周面に接着する必要がないために、組み立て作業をさらに容易にすることができ、さらに、筒状部材52の内周面を接着剤で汚すことなく滑らかに維持することができるため、インキ吸引管24との間のシール効果を高めることもできる。
【0074】さらに、インキ収納容器Bの一方向バルブ50を構成する筒状部材52、弁体53、弾性部材54は全て合成樹脂製であるため、製作が容易であり、さらにリサイクルに際して材料の分別作業に要する手間を軽減することができる。
【0075】本実施の形態は、図2ないし図6に示したスライダ39が存在しないので、その分構造を簡略化することができる。この場合、弁体53は傘状のテーパー面をもって弁座34に当接する弁部37を備えているので、弁座34の中心に弁部37を当接させることができる。
【0076】本発明の第四の実施の形態を図10ないし図13に基づいて説明する。第一、第二、第三の実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図10はインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図、図11はインキ流動抵抗部材の斜視図、図12はインキ収納部側の端部から見たインキ流動抵抗部材の正面図、図13は図12におけるY−Y線部で断面にし、インキ流動抵抗部材のインキ案内面の変形状態を示す縦断側面図である。
【0077】本実施の形態におけるインキ収納容器Cは、内袋10と、この内袋10を覆う紙製の外箱11とを有するバックインカートンタイプのものが用いられている。内袋10には内部のインキを注出する筒状の注出口12が接続され、この抽出口12にインキ流動抵抗部材60が設けられている。このインキ流動抵抗部材60は、抽出口12からインキ抽出方向(図10において左方向)へのインキの流れに対する流動抵抗よりインキ抽出方向とは逆方向のインキの流れに対する流動抵抗の方が大きく定められた構造体であればよい。
【0078】具体的には、インキ流動抵抗部材60はポリエステルなどのように弾性的に屈撓可能な合成樹脂により形成され、注出口12の内周に嵌合されたスリーブ61と、このスリーブ61の内面に連続されて一体に形成されたインキ案内面62とを有する。このインキ案内面62はインキ抽出方向に向かうに従い先細りとなるように擂り鉢状に傾斜され、このインキ案内面62の中心部にインキ流通孔63が形成されている。また、インキ案内面62にはインキ流通孔63に連通された複数のスリット64が放射状に配列されて形成されている。
【0079】このインキ流動抵抗部材60は、注出口12から内袋10の内部にインキを充填した後に注出口12に装着し得るように構成されている。すなわち、スリーブ61には、注出口12の係止部(奥側の端面)44に弾性的に係止される係止爪45と、注出口12の内面に形成された係止部(段部)65に当接状態で係止される係止部66とが一体に形成されている。
【0080】このような構成において、抽出口12にインキ流動抵抗部材60を装着する前の時点で、この抽出口12から内袋10にインキを充填する。インキ充填後に係止部65,66同士が当接するまで抽出口12にインキ流動抵抗部材60を挿入すると、係止部44に係止爪45が弾性的に係止され、これによりインキ流動抵抗部材60が抜け止めされる。
【0081】このように、インキ流動抵抗部材60を抽出口12に装着し、インキポンプ8のインキ吸引管24に抽出口12を接続し、インキポンプ8を駆動することによりインキの供給が行われる。その際、インキポンプ8を駆動したときに、その吸引力によって内袋10内のインキは擂り鉢状のインキ案内面62によりインキ流通孔63に導かれ、しかも、図13(a)に示すようにインキ案内面62はインキの圧力によりインキ流通孔63が開く方向に変形するためインキが抽出し易くなる。一方、インキ抽出方向とは逆方向のインキの流れに対しては、インキはインキ流通孔63に集まりにくくなり、しかも、図13(b)に示すようにインキ案内面62はインキ流通孔63が閉じる方向に変形することを余儀なくされるため流動抵抗が顕著に大きくなる。このことは、内袋10が空になり、他のインキを再充填しようと試みても、重点時間が非常に長くなるため、実質的にインキの再充填を阻止できるということである。
【0082】さらに、インキの再充填を実質的に阻止することをインキ流動抵抗部材60一つで実現できるため、部品点数を低減し、内袋10へのインキの充填後に行う注出口12へのインキ流動抵抗部材60の組立作業を極めて簡略化することができる。
【0083】なお、図14に示すように、インキ案内面62に小さなインキ流通孔63を多数形成してもよい。
【0084】次に、本発明の第五の実施の形態を図15に基づいて説明する。第一、第二、第三の実施の形態と同一部分については同一符号を用い説明も省略する。図15はインキ収納容器の一部をインキ吸引装置とともに示す縦断側面図である。インキ吸引装置20にセットされる本実施の形態におけるインキ収納容器Dは、可撓性の樹脂フィルムなどにより形成されたインキ収納部としての内袋10と、この内袋10を覆う紙製の外箱11と、内袋10内のインキを注出する筒状の注出口12と、内袋10にインキを充填するインキ充填口12aとを有する。本実施の形態では、内袋10にインキを充填する前の時点で注出口12に前述した一方向バルブ32が装着されている。
【0085】このような構成において、インキ供給先のインキや外気の侵入を一方向バルブ32によって阻止できる注出口12とは別の流路断面積が大きいインキ充填口12aからインキを短時間で充填することができる。その充填後にインキ充填口12aは封印部材70が固着される。この場合、封印部材70として樹脂フィルムを用いてインキ充填口12aの周縁に熱溶着などの手段によって容易に封印することができる。また、内袋10のインキが使い終わったときに、封印部材70を容易に切断することができる。この切断によって内袋10は使用できなくなり、したがって、印刷機P(図1参照)の仕様に合わないインキを再充填して再使用することを回避することができる。
【0086】さらに、図15に示すように、注出口12とインキ充填口12aとを一体に形成することにより、部品点数を少なくしてインキ収納容器Dの生産性を高めることができ、内袋10との接続も容易となる。
【0087】なお、インキ充填口12aを設けることについては、図10に示すインキ収納容器Cに適用してもよい。
【0088】次に、本発明の第六の実施の形態を図16に基づいて説明する。インキ吸引装置20は図1に示した印刷機Pに組み込まれているものである。このインキ吸引装置20にセットされるインキ収納容器Eは、図15に示すインキ収納容器Dの外箱11に、インキ充填口12aと対向する開口部11aを形成したものである。
【0089】そして、本実施の形態における印刷機P(図1参照)は、インキ収納容器Eのインキの残量を検出するインキ検出手段(図示せず)と、このインキ検出手段によりインキ収納容器Eのインキが空であると認識したときに、封印部材70を切断する切断手段71とを具備する。
【0090】インキ検出手段は、例えば、インキ収納容器E内のインキを全て吸引する場合のインキポンプ8の駆動回数を理論計算値或いは実験値によって求めてメモリ(図示せず)に記憶しておき、新しいインキ収納容器Eをセットとたときからのインキポンプ8の駆動回数をカウントし、そのカウント値が理論計算値や実験値に達したときにインキが空であると認識する方法などにより実現できる。或いはインキ収納容器Eの重量の測定値、印刷枚数の測定値などによっても、インキが空になる状態を認識できる。すなわち、インキ検出手段の構成は特に限定されるものではない。
【0091】本実施の形態における切断手段71は、開口部11aに対向する切断刃72を有して支軸73に回動自在に支持されたカッタ74と、このカッタ74を開口部11aから離反させる方向に付勢するスプリング75と、モータ(図示せず)に駆動されてカッタ74をスプリング75の付勢力に抗して開口部11a側に押圧する偏心カム76とにより形成されている。
【0092】このような構成において、印刷作業時にインキ収納容器Eのインキの残量を検出し、インキが空であると認識したときにモータにより偏心カム76を回転させてカッタ74を駆動することにより、封印部材70を自動的に切断することができる。これにより、規定外のインキを内袋10に再充填して再使用することを未然に回避することができる。
【0093】ところで、図17に示したように、注出口12に一方向バルブが装着されていないインキ収納容器Aは、インキを使い終えた後に注出口12からインキを再充填することが可能である。このために、印刷機Pの仕様に合わない規定外のインキを再充填して使用するミスを犯すおそれがある。しかし、これまで述べたインキ吸引装置20は、インキ収納容器B,C又はDの筒状部材36又は52に接続されるインキ吸引管24と、インキ吸引管24が接続されたインキポンプ8と、このインキポンプ8の吐出側とインキ供給先との間のみに設けられてインキ抽出方向のみのインキの流れを許容するポンプ側一方向バルブ28とを具備するので、図17に示すように注出口12に一方向バルブが存在しないインキ収納容器Aが接続された場合には、インキポンプ8の吐出圧は注出口12に逃げるため、インキ供給管27への供給を回避することができる。したがって、注出口12に一方向バルブが装着されていために規定外のインキの充填が許容されてしまうインキ収納容器Aが誤って使用されてしまうことを未然に防止することができる。
【0094】
【発明の効果】請求項1記載のインキ収納容器は、インキポンプ側のインキ吸引管に連通されるインキ流通孔とこのインキ流通孔の周囲に形成された弁座とを有して注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされた筒状部材と、弁座に接離自在に当接される弁部を有して筒状部材の内周面にスライド自在に嵌合されたスライダと、筒状部材におけるインキ流通孔よりも該筒状部材の挿入方向奥側に設けられ弁部が弁座に圧接されるようにスライダを付勢する弾性部材とによりユニット化された一方向バルブが注出口に設けられているので、筒状部材にスライダを嵌合しこのスライダを付勢する弾性部材を筒状部材の奥側に装着することにより、弁座に弁部を強い圧接力で圧接させてインキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブをユニットとして容易に組み立てることができ、また、インキ充填後に行う注出口への一方向バルブの組み立て作業を注出口に筒状部材を挿入するだけで容易に行うことができ、さらに、筒状部材は注出口に挿入した後に抜け止めされるためインキの再充填を阻止することができ、さらに、筒状部材におけるスライダが嵌合される部分は弾性部材が存在しないためこの弾性部材の一端を固定するための固定部材を接着する必要がなく、したがって、一方向バルブの組み立て作業性がさらに向上し、かつインキ吸引管とのシール性を高めるために筒状部材の内周面を高精度に維持できる。
【0095】請求項2記載のインキ収納容器は、インキポンプ側のインキ吸引管に連通されるインキ流通孔とこのインキ流通孔の周囲に形成された弁座とを有して注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされた筒状部材と、弁座に傘状のテーパー面をもって接離自在に当接される弁部を有してインキ流通孔に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、筒状部材におけるインキ流通孔よりも該筒状部材の挿入方向奥側に設けられ弁部が弁座に圧接されるように弁体をインキ収納部側に付勢する弾性部材とによりユニット化された一方向バルブが注出口に設けられているので、筒状部材に弁体を嵌合しこの弁体を付勢する弾性部材を筒状部材の奥側に装着することにより、弁座に弁部を強い圧接力で圧接させてインキや外気の侵入を確実に阻止できる一方向バルブをユニットとして容易に組み立てることができ、また、インキ充填後に行う注出口への一方向バルブの組み立て作業を注出口に筒状部材を挿入するだけで容易に行うことができ、さらに、筒状部材は注出口に挿入した後に抜け止めされるためインキの再充填を阻止することができ、さらに、筒状部材における弁体が嵌合される部分は弾性部材が存在しないためこの弾性部材の一端を固定するための固定部材を接着する必要がなく、したがって、一方向バルブの組み立て作業性がさらに向上し、かつインキ吸引管とのシール性を高めるために筒状部材の内周面を高精度に維持できる。
【0096】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインキ収納容器において、注出口と筒状部材とには、この注出口に筒状部材を定められた深さまで挿入したときに互いに係止し合い両者の軸方向の動きを固定する係止部が形成されているので、筒状部材を定められた深さまで注出口に挿入するだけの操作により、係止部同士の係止によって筒状部材を抜け止め状態に維持することができる。
【0097】請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載のインキ収納容器において、筒状部材と前記スライダと前記弾性部材とは合成樹脂材料により形成されているので、リサイクルに際して材料の分別作業の負担が軽減される。
【0098】請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載のインキ収納容器において、筒状部材と弁体と弾性部材とは合成樹脂材料により形成されているので、リサイクルに際して材料の分別作業の負担が軽減される。
【0099】請求項6記載の発明は、請求項1,3又は4記載のインキ収納容器において、スライダは、インキ流通孔に挿入された軸状部とこの軸状部の先端に配置されて弾性部材に連結される連結部とを有するので、筒状部材におけるインキ注出側とは反対側の開放された端部付近でスライダと弾性部材とを容易に連結することができる。
【0100】請求項7記載の発明は、請求項2,3又は5記載のインキ収容容器において、弁体は、インキ流通孔に挿入された軸状部とこの軸状部の先端に配置されて弾性部材に連結される連結部とを有するので、筒状部材におけるインキ注出側とは反対側の開放された端部付近で弁体と弾性部材とを容易に連結することができる。
【0101】請求項8記載のインキ収納容器は、抽出口からインキ抽出方向へのインキの流れに対する流動抵抗よりインキ抽出方向とは逆方向のインキの流れに対する流動抵抗の方が大きく定められ、注出口のインキ注出側の開口面から該注出口の内部に挿入され抜け止めされたインキ流動抵抗部材を具備するので、インキ流動抵抗部材は、インキ収納部内のインキをインキポンプの吸引力によりインキ供給先に流すことは許容するが、インキ抽出方向とは逆方向へのインキの流れに対しては抵抗を示すため、実質的にインキの再充填を阻止することができる。さらに、インキの再充填を実質的に阻止することをインキ流動抵抗部材一つで実現できるため、部品点数を低減し、インキ収納部へのインキの充填後に行う注出口へのインキ流動抵抗部材の組立作業を極めて簡略化することができる。
【0102】請求項9記載の発明は、請求項8記載のインキ収納容器において、インキ流動抵抗部材は、開口幅又は開口径が小さくて流動抵抗の大きなインキ流通孔を有するので、インキの流束をインキ流通孔で絞るという簡単な手段でインキに流動抵抗を与え、この流動抵抗に抗するインキポンプの吸引力によりインキ収納部内のインキがインキ抽出方向に流れることを許容するが、インキ抽出方向とは逆方向へのインキの流れを抑制することができる。
【0103】請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載のインキ収納容器において、インキ流動抵抗部材は、インキ抽出方向に向かうに従い先細りとなるように擂り鉢状に傾斜されたインキ案内面を有し、このインキ案内面の中心部にインキ流通孔が形成されているので、インキ収納部内のインキにインキポンプの吸引力が作用したときに、インキ収納部内のインキはインキ案内面によりインキ流通孔に導かれるためインキが抽出し易くなる。逆方向のインキの流れに対してはインキがインキ流通孔に集まりにくくなるため逆方向へのインキの流れが抑制される。
【0104】請求項11記載発明は、請求項10記載のインキ収納容器において、インキ流動抵抗部材は弾性的に屈撓可能な材料により形成され、インキ案内面にはインキ流通孔に連通された複数のスリットが形成されているので、インキ収納部内のインキが抽出方向に流れるときは、インキ案内面はインキの圧力によりインキ流通孔が開く方向に変形するためインキが抽出し易くなる。逆方向のインキの流れに対しては、インキ案内面はインキ流通孔が閉じる方向に変形することを余儀なくされるため流動抵抗が顕著に大きくなる。
【0105】請求項12記載の発明は、請求項8,9、10、11又は12記載のインキ収納容器において、注出口とインキ流動抵抗部材とには、注出口に前記インキ流動抵抗部材を定められた深さまで挿入したときに互いに係止し合い両者の軸方向の動きを固定する係止部が形成されているので、インキ流動抵抗部材を定められた深さまで注出口に挿入するだけの操作により、係止部同士の係止によってインキ流動部材を抜け止め状態に維持することができる。
【0106】請求項13記載のインキ吸引装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のインキ収納容器と、インキ収納容器の筒状部材に接続されるインキ吸引管と、インキ吸引管が接続されたインキポンプと、インキポンプの吐出側とインキ供給先との間のみに設けられてインキ抽出方向のみのインキの流れを許容するポンプ側一方向バルブとを具備するので、インキポンプの吐出圧はインキ収納容器の注出口とポンプ側一方向バルブとに作用することになり、したがって、注出口に一方向バルブが存在しないインキ収納容器が接続された場合には、インキポンプの吐出圧は注出口に逃げるため、インキ供給先への供給を回避することができ、これにより、注出口に一方向バルブが存在しないために規定外のインキの充填が許容されてしまうインキ収納容器が誤って使用されることを未然に防止することができる。
【0107】請求項14記載のインキ収納容器は、インキを収納するインキ収納部とこのインキ収納部内のインキを注出する筒状の注出口とを具備し、この注出口にインキ抽出方向のみのインキの流れを許容する一方向バルブを設けたインキ収納容器において、インキ収納部にインキを充填するためのインキ充填口と、インキ充填口からインキ収納部にインキを充填した後にインキ充填口に固着された封印部材と、を具備するので、インキ供給先のインキや外気の侵入を一方向バルブによって阻止できる注出口とは別のインキ充填口からインキを短時間で充填することができ、そのインキ充填後にインキ充填口を封印部材で封印することができる。
【0108】請求項15記載の発明は、請求項14記載のインキ収納容器において、注出口とインキ充填口とは一体に形成されているので、注出口とインキ充填口とを一部材に製作することにより部品点数を少なくして生産性を高めることができ、またインキ収納部との接続も容易となる。
【0109】請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載のインキ収納容器において、封印部材は樹脂フィルムにより形成されているので、インキ収納部のインキが使い終わったときに、封印部材を容易に切断することができ、これにより、印刷機の仕様に合わない規定外のインキを再充填して再使用することを未然に回避することができる。
【0110】請求項17記載の印刷機は、請求項14、15又は16記載のインキ収納容器のインキが供給される印刷部と、インキ収納容器のインキの残量を検出するインキ検出手段と、インキ検出手段によりインキ収納容器のインキが空であると認識したときに、封印部材を切断する切断手段と、を具備するので、印刷作業時にインキ収納容器のインキの残量を検出し、インキが空であると認識したときに切断手段により封印部材を自動的に切断することができ、これにより、規定外のインキを再充填して再使用することを未然に回避することができる。
【出願人】 【識別番号】000221937
【氏名又は名称】東北リコー株式会社
【住所又は居所】宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3番地の1
【出願日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【代理人】 【識別番号】100101177
【弁理士】
【氏名又は名称】柏木 慎史 (外2名)
【公開番号】 特開2003−103894(P2003−103894A)
【公開日】 平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願番号】 特願2001−301002(P2001−301002)