| 【発明の名称】 |
謄写輪転機用インク容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】橘 健太郎
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| 【要約】 |
【課題】謄写輪転機に用いられるインク容器において、キャップを用いずに、そのままの状態で使用できるインク容器を提供することを課題とする。
【解決手段】インク取り出し部内部のインク通路32hに、隔膜部32gを形成したインク容器を提供する。これにより、キャップを用いることなく、容器内のインクの乾燥や酸化を防止することができる。又、キャップが不要となるため、従来に比べ低コストでインク容器を製造することができ、発生するごみも減少させることができる。又、隔膜に半透明の膜を用いることにより、インク容器にカラーインキを充填する場合においては、この隔膜の部分をインクの色を表示する部分とすることもできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 謄写輪転機(E)に用いられるインク容器(1)において、インク容器(1)は、内部にインクを充填することのできる空間であるインク充填部(21)を有し、インク充填部(21)に連通するインク取り出し部(3)を有するものであり、インク取り出し部(3)には、インク取り出し部(3)の内部に設けられる通路(32h)を閉鎖するように覆う隔膜(32g)が形成されており、この隔膜(32g)は、インク容器(1)の未使用時には、インク容器(1)の外部の空気とインク充填部(21)に充填されたインクとが接触することを防止するものであり、インク容器(1)の使用時には、謄写輪転機(E)に設けられたインク供給パイプ(E3)の先端部に対して、インク取り出し部(3)を押し当てることにより、インク供給パイプ(E3)の先端部により隔膜(32g)が容易に破られ、これにより、インク充填部(21)に充填されたインクをインク供給パイプ(E3)に向かって供給可能とすることができることを特徴とするインク容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、謄写輪転機に用いられるインク容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のインク容器の一例としては、分解斜視図である図8に示されるような特開平10−44579に係るインク容器101がある。これは、直方体形状の本体部102(外箱102a,蓋体102b)の内部に、軟質樹脂製の袋体103が収納され、この袋体103の内部にインクが充填されるものである。袋体103には、インク取り出し部104が一体に取り付けられており、蓋体102bに設けられた穴を通して外部に突出している。このインク取り出し部104は、輪転機のインク供給ラインに接続することにより、インク取り出し部104の内部に形成された空間部104bがインク供給ラインに連通し、これにより、インク容器101に充填されているインクが輪転機に供給されるものである。インク取り出し部104の外部には、ねじ104aが形成されている。インク容器の未使用時には、このねじ104aに対してキャップ105が螺合されている。そして、使用の際には、キャップ105を外して、インク容器101を輪転機に装着する。このキャップ105は、インクの漏れや、インクがインク容器101の外部の空気と接触することによる乾燥や酸化等の劣化を防止する作用をなすものである。 【0003】しかしながら、このインク容器101においては、上記によりキャップ105が必要であるために、製作コストがキャップ105の分余計にかかっていた。又、このインク容器101を使用する際には、いちいちキャップ105を取り外さなければならないため、面倒であった。そして、漏れを防止するためにキャップ105がきつく取り付けられていることがあり、キャップ105を外すのに力を要することもあった。又、キャップ105を取り外す際に、インク容器101の持ち方によっては、圧力が内部に充填されたインクにかかり、インクが飛び出して周囲を汚してしまうこともあった。又、カラーインクを用いる場合等においても、インクが外部からは直接見えなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のことに鑑み、本願発明においては、キャップに比べてコストの低いものであり、そのままの状態で輪転機に対して使用することができるインク容器を提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本願の発明においては、謄写輪転機Eに用いられるインク容器1において、インク容器1は、内部にインクを充填することのできる空間であるインク充填部21を有し、インク充填部21に連通するインク取り出し部3を有するものであり、インク取り出し部3には、インク取り出し部3の内部に設けられる通路32hを閉鎖するように覆う隔膜32gが形成されており、この隔膜32gは、インク容器1の未使用時には、インク容器1の外部の空気とインク充填部21に充填されたインクとが接触することを防止するものであり、インク容器1の使用時には、謄写輪転機Eに設けられたインク供給パイプE3の先端部に対して、インク取り出し部3を押し当てることにより、インク供給パイプE3の先端部により隔膜32gが容易に破られ、これにより、インク充填部21に充填されたインクをインク供給パイプE3に向かって供給可能とすることができることを特徴とするインク容器を提供する。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例について説明する。図1は、本願発明の実施の形態の一例に係るインク容器の斜視図である。尚、本説明において用いるインク容器の上下の表現は、図1のようにインク容器を配位し、インク取り出し部が上方を向いたものとして表すものとする。 【0007】本例のインク容器1は、袋体2とインク取り出し部3とを備えるもので、図1に示すような形態を呈している。 【0008】袋体2は、本例ではシート状の軟質合成樹脂、具体的にはポリエチレン製シートから構成され、内部にインクを充填し得る空間であるインク充填部21を有し、全体が図7に示されるように輪転機EのホルダーE1に収納することが可能な大きさのものである。図1に戻り説明を続けると、袋体2の上部側面には、袋体2の上面から所定寸法で上方側に突出するインク取り出し部3が備えられている。尚、袋体2の材質としては、上記の他にポリプロピレンやナイロン等が適用できる。この袋体2を構成するシートは、軟質合成樹脂からなるため、袋体2は容易に変形し、インク充填部21にインクが充填される。そして、輪転機Eに取り付けて使用するに伴って、インク充填部21に存在するインクが輪転機Eに向かって吸い出されるため、袋体2はそれに応じて変形する。 【0009】インク取り出し部3は、枠体31と挿入体32とからなり、本例ではいずれも合成樹脂製、具体的には硬質のポリエチレン製である。 【0010】枠体31は、袋体2に溶着されて一体になっている。具体的には、インク取り出し部3の原料となる溶融した樹脂を金型内に流し込んで成型する際に、袋体2のシートも同時に金型に組み込むことにより、袋体2とインク取り出し部3が一体となるものである。 【0011】枠体31は、本例では図2及び図3及び図5(B)に示されるような形態のものである。(右側面図は、左側面図と対称に表れるために省略している。)尚、基部31d及び第1インク導出部31f、第2インク導出部31g、舌部31hは上記のように袋体2のシートと一体となっており、基部31dから筒部31aが突出している。筒部31aは、内径が位置によって異なる略円筒形のものであり、この筒部31aを通して、袋体2の内外部が連通していることにより、この筒部31aを通じてインクをインク充填部21に対して出し入れし得るようになされている。尚、インクをインク充填部21へ封入する工程は、後述する挿入体32を枠体31に取り付ける前になされる。筒部31aの内側面の上側部分には、本例では、断面が半円形である嵌合溝31bが内側面を一周するように設けられている。枠体31に対して挿入体32が取り付けられる際においては、図5(B)に示されるように、嵌合溝31bに対し挿入体32の嵌合突起32bが、筒部31aの下端部31cに対し挿入体32の段差32dがそれぞれ組み合わされるため、一旦取り付けがなされると、挿入体32の取り外しができないようになっている。 【0012】筒部31aの外側面の上側部分には、鍔部31eが形成されている。鍔部31eは、平面視が図2(C)に示されるような円形のものであり、基部31dと鍔部31eとに挟まれる部分がホルダー取付部31lである。このホルダー取付部31lは、輪転機EのホルダーE1に設けられたU字状の切込である容器嵌挿部E2に対して嵌められるものであり、この部分でインク容器1が支持される。 【0013】基部31dには、本例において、第1インク導出部31fと第2インク導出部31g、そしてこれらそれぞれの端部に舌部31hが形成されている。これらの部分は、袋体2内部に充填されたインクが残り少なくなってきた際に、残っているインクをインク取り出し部3に導くためのものである。尚、舌部31hは、袋部2の大きさによっては省略しても良い。第1インク導出部31f、第2インク導出部31g、舌部31hの下側には、導出壁31iがそれぞれ袋体2の内部に突出するようにして形成されている。これは、図2(D)に示されるように、インク通過空間31jと交互に直線状に設けられるものである。第1インク導出部31f、第2インク導出部31gの下側においては、導出壁31iが2列に並列して配位されている。そして、この2列の導出壁31iの間にはインク通路31kが形成される。尚、舌部31hの部分では、導出壁31iは1列に形成されている。この導出壁31iが形成されていることにより、袋体2を構成するシート同士が、インクが残り少なくなってきても、途中で密着してしまうことがない。シート同士が密着してしまうと、袋体2の隅部等にインクが残っていても、それ以上インクを袋体2の外部に導出することが不可能になってしまう。これに対して、導出壁31iの形成により、インク通路31kや導出壁31iの周囲に空間が確保されるため、袋体2のシート同士が密着してしまうことがない。よって、図2(D)中に矢印で示されるようにインクが流れるために、輪転機Eに供給されずに袋体2の内部に残留してしまうインクの量を減らすことができる。尚、第1インク導出部31f、第2インク導出部31g、舌部31hを基準とした導出壁31iの突出高さは、端部(舌部31hの方向)に向かうにつれて低くなっている。これもまた、インクの導出をスムーズになすためのものである。 【0014】筒部31aの、基部31bよりも下部において、図2(D)に示されるように、筒部31aの外側面に放射状に張り出すようにして整流板31mが形成されている。本例においては、均等間隔で8方向に形成されている。この整流版31mは、インクの導出をスムーズにすることと、筒部31aの補強とを目的として形成されるものである。 【0015】挿入体32は、図4及び図5(A)に示されるものであり、枠体31の筒部31aの内側に図5(B)に示されるように挿入されるものである。略円筒状の筒部32aは、上端部分において内径が拡大している。この部分は、図6に示されるように、輪転機Eのインク供給パイプE3が挿入体32に挿入される際にガイドとなる部分である。上側の外側面の周囲には、嵌合突起32bが形成されている。これは断面半円形の突起であり、同一の形状である枠体31の嵌合溝31bに対して嵌合し、枠体31と挿入体32とが密着されることより、枠体31と挿入体32との間を通り抜けて、袋体2からインクが漏れ出さないようになっている。尚、必要に応じてOリング4を枠体31と挿入体32との間、本例では図5(B)に示されるように、嵌合突起32bの下部に挿入するものとしても良い。筒部32aの下端には係合部32cが形成されている。これは、図5(A)に示されるような楔形の断面を持つ部分である。具体的には、この筒部32aの下端部分において、上方に向かうにつれて外径が拡大し、高さLだけ上がった部分において外径が急縮小し、段差32dが形成されるものである。挿入体32を枠体31に挿入する際には、図5(B)に示されるように、枠体31の下端部31cに挿入体32の段差32dが組み合わされることにより、挿入体32が抜けないようになっている。尚、係合部32cは断面が楔形のため、挿入時には上記と逆に、容易に挿入体32を枠体31に取り付けることができる。 【0016】又、係合部32cには、円周方向に90°毎に、図4及び図5(A)に示されるような切込部32eが4ヶ所設けられている。挿入体32が枠体31に挿入された際には、係合部32cが枠体31の下端部31cよりも下側、つまり袋体2の内部側に飛び出ている。そのために、袋体2内部のインクの残量が少なくなってきた際には、この係合部32cが邪魔になって、インク通路32hにインクが流れなくなってしまう。この切込部32eは、これを防止することができ、インクの通過する通路として作用するものである。又、枠体31に挿入体32を取り付ける際には、係合部32cが枠体31の下端部31cの内側面に押圧されることにより、この切込部32eが狭められるため、この切込部32eを形成しない場合と比べると、容易に取り付けることができる。 【0017】筒部32aの内周部には、図5(A)に示されるように、支持枠32fと隔膜部32gが形成されている。この両者は筒部32aと共に一体に形成されているものであり、隔膜部32gの部分は支持枠32fに比べて厚さが小さく、平面視では円形の部分である。本例では、支持枠32fの厚みが4mmであるのに対し、隔膜部32gの厚みは0.3mmである。尚、隔膜部32gの厚みは0.1mm〜0.5mmに形成することが望ましい。支持枠32fと隔膜部32gとの厚みの差により、支持枠32fの剛性によって、図6に示されるように、インク容器1を輪転機Eにセットした際に、インク供給パイプE3が容易に隔膜部32gを突き破ることができる。又、本例においては、挿入体32の材質が硬質ポリエチレンであるため、この隔膜部32gは、インク供給パイプE3の先端が当接した際、軟質樹脂の膜のように、膜が伸びるだけで穴が開かなかったり、小さな穴が開くだけというようなことにはならず、隔膜部32gが完全に破断され、隔膜部32g全体が開口されるものであり、袋体2の内部からインクがインク供給パイプE3にスムーズに流れる。 【0018】この挿入体32は、枠体31の説明で既に記したように、袋体2の内部にインクが充填された後に、枠体31に取り付けられる。挿入体32が枠体31に取り付けられた直後においては、挿入体32のインク通路32hは、図5に示されるように、支持枠32fと隔膜部32gとによって閉鎖されている。このため、袋体2内部のインクは密封された状態となっている。つまり、従来のインク容器においてキャップが果たしていたのと同様の作用を隔膜部32gが果たし、外気に触れることによるインクの乾燥や酸化等による劣化を防止することができる。又、キャップが不要となるため、従来に比べ低コストでインク容器1を製造することができ、発生するごみも減少させることができる。又、本例では、隔膜部32gは半透明であるため、隔膜部32g越しに内部を目視することができる。従って、袋体2に不透明なシートを使用した場合に、内部にカラーインクを充填する場合においては、この隔膜部32gの部分をインクの色を表示する部分とすることもできる。又、本例においては、挿入体32内部の比較的奥側に隔膜部32gが形成されているため、インク容器1を例えば床に落としてしまった際にも、隔膜32gに鋭利な突起物が直接当たらない限りは破れることがなく、又、枠体31と挿入体32とが、上記のように強固に組み合わされているため、これらからなるインク取り出し部3が分解してしまうこともなく、インクが外部にこぼれてしまうような可能性が皆無である。 【0019】上記のように形成された本願発明のインク容器1は、従来と同様に、次のようにして輪転機Eに取り付けられる。まず、インク容器1を、図7に示されるように輪転機Eに設けられたホルダーE1内に入れる。詳しくは、このホルダーE1には後面側にU字状の切込である容器嵌挿部E2が設けられており、インク容器1の上面側をホルダーE1の後方側になるように横向きにし、枠体31のホルダー取付部31lと容器嵌挿部E2とを位置合わせして容器ホルダーE1内に入れる。 【0020】インク容器1がホルダーE1内に入ることにより、輪転機Eに設けられたインク供給パイプE3の先端に対する、インク取り出し部3の位置が決まる。そして、ホルダーE1をこの状態で後方側に押し込むことにより、図6に示されるように、インク供給パイプE3の先端が、インク取り出し部3の挿入体32の隔膜部32gに相対してこれを破り、インク供給パイプE3とインク容器1とが連通し、袋体2内のインクを輪転機Eに送り出し可能にできる。尚、インク供給パイプE3の外側面には、図6に示されるようにOリングE4が設けられており、このOリングE4が挿入体32の内側面に当接するため、袋体2の内部からのインクが漏れることなくインク供給パイプE3に供給される。 【0021】尚、本例では、袋体2が露出した形態でインク容器1が形成されているが、本願発明の実施はこの形態に限られず、例えば、剛性を有する容器の内部に袋体2を配位するものとしても良く、又、インク取り出し部3が形成された剛性を有する容器の内部に直接インクを充填するものとしても良く、種々に変更して実施し得る。又、インク取り出し部3の形態においても同様であり、隔膜部32gがインク通路の部分に形成されるものであれば良く、例えば、枠体31と挿入体32とを一体のものにしたり、輪転機Eに対するねじ等の係合手段を設ける等、種々に変更して実施し得る。 【0022】 【発明の効果】以上、本願の発明を実施することにより、キャップを用いることなくインク容器を密閉することができ、インクの乾燥や酸化を防止することができる。又、キャップが不要となるため、従来に比べ低コストでインク容器を製造することができ、発生するごみも減少させることができる。又、隔膜部を半透明とすることにより、インク容器にカラーインキを充填する場合においては、この隔膜の部分をインクを表示する部分とすることができ、インクの存在が確認でき、さらにインクの色を推測することもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501369455 【氏名又は名称】株式会社清光
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| 【出願日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086346 【弁理士】 【氏名又は名称】鮫島 武信
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| 【公開番号】 |
特開2003−103893(P2003−103893A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月9日(2003.4.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−301307(P2001−301307) |
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