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【発明の名称】 紙葉類押印装置
【発明者】 【氏名】伊藤 進一
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社東芝柳町事業所内

【氏名】浅利 幸生
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社東芝柳町事業所内

【要約】 【課題】この発明は、比較的高速に搬送される紙葉類の表面所定位置に確実且つ明瞭に押印できる紙葉類押印装置を提供することを課題とする。

【解決手段】押印装置1は、郵便物を矢印T方向に搬送する搬送ベルト対2、搬送される郵便物の切手部分に転接して回転することで消印を押印する押印ハブ4、および搬送される郵便物を押印ハブ4に押圧させるため搬送速度で回転するバックアップローラ10を有する。押印ハブ4は、ACサーボモータ6に直結され、有効領域3が郵便物に接触しているとき、郵便物の搬送速度と等速で回転される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 搬送路を介して紙葉類を一定速度で搬送させる搬送機構と、搬送される紙葉類の第1面に外周面を転接させて回転し、該外周面上に形成された凸版により紙葉類の第1面に押印する押印ハブと、押印ハブの凸版にインクを供給するインク供給部と、搬送路を介して搬送される紙葉類の第1面を押印ハブの外周面に押し付けるように紙葉類の第2面に転接して回転するバックアップローラと、少なくとも押印ハブによる押印動作時に前記第1面に転接した外周面が前記一定速度で回転するように押印ハブを独立して回転させる第1駆動部と、を備えていることを特徴とする紙葉類押印装置。
【請求項2】 前記バックアップローラが紙葉類の第2面に転接する外周面が前記一定速度で回転するようにバックアップローラを回転させる第2駆動部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類押印装置。
【請求項3】 前記搬送機構は、紙葉類の両面を挟持拘束した状態で前記一定速度で走行する搬送ベルト対を有し、前記第2駆動部は、搬送ベルト対から駆動力を伝達せしめて前記バックアップローラを回転させることを特徴とする請求項2に記載の紙葉類押印装置。
【請求項4】 前記第1駆動部は、前記押印ハブの回転軸に直結して設けられたモータを有することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類押印装置。
【請求項5】 前記モータは、ACサーボモータであることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類押印装置。
【請求項6】 前記押印ハブは、その外周面上に、前記凸版を形成した有効領域と、回転の途中で紙葉類の第1面に転接しない非接触領域と、を連続して有し、前記第1駆動部は、非接触領域が搬送路に対向するホームポジションで停止している押印ハブを、有効領域が第1面に接触を開始する時点で外周面の速度が前記一定速度に達するように加速して回転させ、有効領域が第1面に転接しているとき押印ハブを一定速度で回転させ、有効領域が第1面から離れた後、押印ハブを減速させてホームポジションに停止させることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類押印装置。
【請求項7】 搬送路を介して紙葉類を一定速度で搬送させる搬送機構と、搬送される紙葉類の第1面に外周面を転接させて回転し、該外周面上に形成された凸版により紙葉類の第1面に押印する押印ハブと、押印ハブの凸版にインクを供給するインク供給部と、搬送路を介して搬送される紙葉類の第1面を押印ハブの外周面に押し付けるように紙葉類の第2面に転接して回転するバックアップローラと、外周面が前記一定速度に達するまで押印ハブを加速して回転するとともに、加速した押印ハブを減速して停止させる第1駆動部と、少なくとも押印ハブによる押印動作時に第1駆動部から押印ハブに伝達される駆動力を遮断し、一定速度で搬送される紙葉類に押印ハブを連れ回りさせるクラッチと、を備えていることを特徴とする紙葉類押印装置。
【請求項8】 前記バックアップローラが紙葉類の第2面に転接する外周面が前記一定速度で回転するようにバックアップローラを回転させる第2駆動部をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の紙葉類押印装置。
【請求項9】 前記搬送機構は、紙葉類の両面を挟持拘束した状態で前記一定速度で走行する搬送ベルト対を有し、前記第2駆動部は、搬送ベルト対から駆動力を伝達せしめて前記バックアップローラを回転させることを特徴とする請求項8に記載の紙葉類押印装置。
【請求項10】 前記クラッチは、電磁クラッチであることを特徴とする請求項7に記載の紙葉類押印装置。
【請求項11】 前記押印ハブは、その外周面上に、前記凸版を形成した有効領域と、回転の途中で紙葉類の第1面に転接しない非接触領域と、を連続して有し、前記第1駆動部は、非接触領域が搬送路に対向するホームポジションで停止している押印ハブを、有効領域が第1面に接触を開始する時点で外周面の速度が前記一定速度に達するように加速して回転させ、有効領域が第1面から離れた後、押印ハブを減速させてホームポジションに停止させ、前記クラッチは、有効領域が第1面に転接しているとき、第1駆動部から押印ハブに伝達される駆動力を遮断することを特徴とする請求項7に記載の紙葉類押印装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一定速度で搬送される紙葉類の表面に押印する紙葉類押印装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙葉類押印装置として、例えば、高速で搬送される郵便物の切手が貼り付けられた部分に消印を押印する押印装置が知られている。
【0003】この種の押印装置は、郵便物の両面を挟持拘束しつつ一定速度で走行する搬送ベルト対、搬送される郵便物の切手部分に消印を押印する押印ハブ、および郵便物の裏面側で押印ハブに対向して回転可能に設けられ搬送される郵便物を押印ハブに押し付けるバックアップローラを有する。
【0004】押印ハブは、外周面の一部を切り欠いた断面D字形の略円筒形状に形成され、その外周面上に消印用の凸版が形成されている。押印ハブは、初期状態で、切り欠き部分が搬送路に対向するホームポジションに停止されている。そして、押印ハブは、回転の途中で外周面上の凸版を郵便物の切手部分に押し当てて消印を押印する。
【0005】一般に、押印ハブは、搬送ベルト対を走行させる搬送モータから駆動力を伝達されて回転される。つまり、押印ハブは、クラッチブレーキを介して搬送モータに接続されている。しかして、郵便物が搬送されるタイミングに合わせてクラッチブレーキが接続されて押印ハブがホームポジションから回転され、切手部分に凸版が押し当てられて消印が押印される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の押印装置では、クラッチブレーキを繋いで押印ハブに駆動力を伝達するため、押印ハブを郵便物の搬送速度と全く同じ周速で且つ正確なタイミングで回転させることは困難であった。このため、押印ハブの凸版が郵便物の切手部分に押し付けられた状態のとき両者の間に速度差を生じ、消印が歪んだり位置ずれを生じたりする問題があった。
【0007】この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、比較的高速に搬送される紙葉類の表面所定位置に確実且つ明瞭に押印できる紙葉類押印装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の紙葉類押印装置は、搬送路を介して紙葉類を一定速度で搬送させる搬送機構と、搬送される紙葉類の第1面に外周面を転接させて回転し、該外周面上に形成された凸版により紙葉類の第1面に押印する押印ハブと、押印ハブの凸版にインクを供給するインク供給部と、搬送路を介して搬送される紙葉類の第1面を押印ハブの外周面に押し付けるように紙葉類の第2面に転接して回転するバックアップローラと、少なくとも押印ハブによる押印動作時に前記第1面に転接した外周面が前記一定速度で回転するように押印ハブを独立して回転させる第1駆動部と、を備えている。
【0009】また、本発明の紙葉類押印装置は、搬送路を介して紙葉類を一定速度で搬送させる搬送機構と、搬送される紙葉類の第1面に外周面を転接させて回転し、該外周面上に形成された凸版により紙葉類の第1面に押印する押印ハブと、押印ハブの凸版にインクを供給するインク供給部と、搬送路を介して搬送される紙葉類の第1面を押印ハブの外周面に押し付けるように紙葉類の第2面に転接して回転するバックアップローラと、外周面が前記一定速度に達するまで押印ハブを加速して回転するとともに、加速した押印ハブを減速して停止させる第1駆動部と、少なくとも押印ハブによる押印動作時に第1駆動部から押印ハブに伝達される駆動力を遮断し、一定速度で搬送される紙葉類に押印ハブを連れ回りさせるクラッチと、を備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】図1には、この発明の第1の実施の形態に係る押印装置1(紙葉類押印装置)の概略構造を示してある。ここでは、比較的高速(本実施の形態では3.8m/s)で搬送される郵便物の切手が貼り付けられた部分(以下、単に切手部分と称する)に消印を押印する押印装置1について説明する。
【0012】押印装置1は、郵便物を挟持拘束した状態で図中矢印T方向に一定速度で走行する搬送ベルト対2(搬送機構)を有する。より詳細には、搬送ベルト対2は、郵便物の切手が貼り付けられた側の表面(第1面)に面接するように延設された搬送ベルト21、およびこの搬送ベルト21に対して搬送路を介して対向して配置され郵便物の反対側の表面(第2面)に面接するように延設された搬送ベルト22を有する。ここでは、一対の搬送ベルト21、22を有する装置について説明するが、搬送路を挟む位置関係で搬送方向に沿って複数対のベルトを延設させても良い。
【0013】搬送ベルト対2によって搬送される郵便物の第1面に転接する位置には、切手部分に消印を押印するための略円筒形状の押印ハブ4が設けられている。押印ハブ4は、搬送ベルト21より装置のリア側(紙面奥方向)にずれた所定位置で郵便物の第1面に転接する。押印ハブ4は、断面略D字形に形成され、その外周面上に、消印のための凸版(図示せず)を形成した有効領域3と、回転の途中で郵便物の第1面に接触しない非接触領域5と、を回転方向に沿って連続して有する。押印ハブ4は、初期状態において、非接触領域5が搬送路に対向するホームポジション(図1に示す位置)に停止されており、搬送路を介して搬送される郵便物に押印ハブ4が接触しないようになっている。また、押印ハブ4には、初期位置出し動作時等に所定ギャップを設定するためのギャップ調整機構(図示せず)が設けられている。
【0014】押印ハブ4の回転軸4aには、ACサーボモータ6(第1駆動部)の回転軸が直結されている。ACサーボモータ6は、加減速時に定常回転時より大きなトルクを発生する特徴を有するため、加減速のタイミングを高精度に切りかえる必要のある押印ハブ4の駆動源に適している。
【0015】ここで、押印ハブ4の動作について、図2を用いて説明する。図2は、郵便物がセンサ20で検知されてから押印を行なうときの押印ハブ4の速度変化を示した図である。ACサーボモータ6は、パルス制御によって駆動した。
【0016】図2に示すように郵便物がセンサ20で検知されると、タイミングを合わせて所定周波数の駆動パルス信号がモータドライバに与えられる。ACサーボモータ6は、この駆動パルス信号に基づいて押印ハブ4を回転させるが、瞬時に所定速度までは加速できないので、所定速度に達するまでに一定時間のディレイdが生じる。このディレイdは、押印ハブ4および周辺の慣性系により決まるもので一定であり、これを加味した調整をすれば良い。本実施の形態では、モータ駆動パルスは搬送速度相当の一定周波数のパルスを与えてACサーボモータ6の自動補正機能を用いて、加減速時間が一定になるようにした。すなわち、押印ハブ4の1回転分のパルス数を与えれば、自動的に一連の動作をした後、初期位置で停止する。よって、加減速のための周波数変調等を行なわなくても良く、簡単な制御で一連の動作が行なえる。
【0017】ところで、押印ハブ4の凸版が形成された外周面には、凸版にインクを供給するためのインク供給ローラ8(インク供給部)が転接されている。インク供給ローラは、インクを染み込ませたスポンジ部分をその外周上に有する。
【0018】搬送路を介して押印ハブ4に対向する位置には、バックアップローラ10が設けられている。バックアップローラ10は、搬送路を介して搬送される郵便物の第1面を押印ハブ4の有効領域3に押し付けるように、郵便物の第2面に転接して回転する。すなわち、バックアップローラ10も、搬送ベルト22より装置のリア側にずれた位置に設けられている。
【0019】バックアップローラ10は、回転軸11を中心に揺動可能に設けられたアーム12の揺動の先端に回転可能に設けられている。より詳細には、バックアップローラ10は、図3に示すように、アーム12の先端から突設された回転軸13に対して回転可能に取り付けられている。そして、アーム12の基端部に連結されたバネ14の付勢力により、バックアップローラ10が押印ハブ4の外周面に向けて押圧配置されている。尚、アーム12の基端部に隣接した位置には、バネ14によって付勢されるアーム12の回動位置を規制するためのストッパ15が設けられている。ストッパ15は、バックアップローラ10の外周面が所定の圧力で押印ハブ4の有効領域3に転接される位置でアーム12の揺動を規制する。
【0020】また、バックアップローラ10は、図3に示すように、搬送ベルト22から駆動力を伝達されて回転する。つまり、搬送ベルト22の裏面側に転接する駆動伝達ローラ16がバックアップローラ10に隣接して同軸に固設されており、この駆動伝達ローラ16が搬送ベルト22の走行によって回転されてバックアップローラ10が回転されるようになっている。このため、バックアップローラ10は、搬送ベルト22の走行速度、すなわち郵便物の搬送速度と同じ周速で回転することになる。尚、本実施の形態では、搬送ベルト22を平ベルトとしたが、駆動伝達ローラ16をギアにして搬送ベルト22の裏面側に歯を付けた歯付ベルトとしても良い。
【0021】本実施の形態では、直径50mmのバックアップローラ10を用い、直径48mmの駆動伝達ローラ16を1.2mm厚の搬送ベルト22に当接させることで、バックアップローラ10を搬送速度と等速で回転させることができた。
【0022】以下、バックアップローラ10を搬送速度と等速に回転させた場合の効果について、図4を参照して説明する。
【0023】図4(a)には、本実施の形態の押印装置1によって郵便物に押印した印影を示してある。図4(b)には、バックアップローラ10を回転させずに押印した場合の印影を示してある。この場合、郵便物が減速してしまい、紙葉類の搬送速度より押印ハブ4の回転速度が速くなり、印影が搬送方向に沿って縮んだ状態となってしまう。図4(c)には、バックアップローラ10を搬送速度より速い速度で回転させて郵便物に押印した場合の印影を示してある。この場合、郵便物が加速されて郵便物の搬送速度より押印ハブ4の回転速度が遅くなり、印影が搬送方向に沿って延びた状態となってしまう。つまり、バックアップローラ10を搬送速度と等速で回転させることにより、正常な押印が可能となることがわかる。
【0024】搬送速度を3.8m/sにして200WのACサーボモータを用いて押印を行なったところ、再現性良く正常に押印できた。
【0025】次に、上記構造の押印装置1の押印ハブ4の加減速動作について説明する。
【0026】搬送路を介して矢印T方向に郵便物が搬送されてセンサ20を介して検知されると、所定のタイミングでACサーボモータ6の回転が開始されて押印ハブ4が回転を開始される。押印ハブ4は、郵便物が搬送される前の初期状態において非接触領域5が搬送路に対向する姿勢(ホームポジション)に停止されており、この状態から加速を開始される。ACサーボモータ6の回転開始タイミングは、押印ハブ4の有効領域3の凸版が搬送される郵便物の切手部分に押圧されるタイミングに設定されている。また、このときの押印ハブ4の加速度は、有効領域3が郵便物の第1面に接触を開始する時点、すなわち押印ハブ4が郵便物に接触し始めるときに、外周面の周速が郵便物の搬送速度(3.8m/)に達する加速度に設定されている。
【0027】そして、ACサーボモータ6は、押印ハブ4の有効領域3が郵便物の第1面に転接されている間中、すなわち押印ハブ4が郵便物に接触している状態のとき、押印ハブ4を郵便物の搬送速度と同じ一定の周速で回転させる。これにより、押印ハブ4の有効領域3に設けられた図示しない凸版が郵便物の第1面にある切手部分に押圧されて消印を押印する押印動作時において、郵便物と押印ハブ4との間に速度差が生じることを防止でき、消印を所定位置に確実且つ明瞭に押印できる。
【0028】さらに、ACサーボモータ6は、押印ハブ4の有効領域3が郵便物の第1面から離れた後、すなわち押印ハブ4が郵便物に接触しなくなってから、押印ハブ4を減速させてホームポジションに停止させる。つまり、このときのACサーボモータ6の減速度は、押印ハブ4がホームポジションで停止する値に設定されている。言い換えると、押印ハブ4は、上述した一連の加速−定速−減速動作を、1回転中に完了するように回転される。
【0029】以上のように、本実施の形態によると、押印ハブ4の外周面に設けられた凸版を郵便物の切手部分に押し当てて消印を押印する押印動作時に、押印ハブ4が郵便物の搬送速度と同じ周速で回転するように、ACサーボモータ6を回転制御するようにしたため、凸版と切手部分との間に速度差が生じることを防止でき、切手部分に対する消印を確実且つ明瞭に押印できる。
【0030】また、本実施の形態によると、郵便物を挟持拘束した状態で搬送する搬送ベルト21、22から駆動力を伝達してバックアップローラ10を搬送速度と同じ周速で回転させるようにしたため、郵便物がバックアップローラ10と押印ハブ4との間を通過する際、停止しているバックアップローラ10から郵便物に対して不所望な負荷を与えることがない。つまり、バックアップローラ10が停止している状態で郵便物が搬送されると、郵便物がバックアップローラ10に接触したとき大きな負荷を生じてしまう。
【0031】これに対し、本実施の形態の押印装置1は、バックアップローラ10と押印ハブ4との間を郵便物が通過する際、バックアップローラ10の周速を搬送速度と等速に制御するとともに押印ハブ4の回転速度を搬送速度と等速に制御するようにしたため、従来のようにバックアップローラをアイドラ状態にした場合のように郵便物に負荷を与えることを防止でき、負荷に起因して押印ハブ4と郵便物との間に速度差を生じることを防止でき、確実且つ明瞭な押印が可能となる。
【0032】尚、上述した実施の形態の押印装置1では、押印ハブ4の回転軸にACサーボモータ6を直結させた装置について説明したが、押印ハブ4に対してベルト等の駆動力伝達機構を介してACサーボモータ6に接続しても良い。
【0033】次に、この発明の第2の実施の形態に係る押印装置30について、図5を参照して説明する。この押印装置30は、押印ハブ4とACサーボモータ6との間に電磁クラッチ32を有する以外は上述した第1の実施の形態の押印装置1と略同じ構造を有するため、上記押印装置1と同様に機能する構成要素については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0034】ACサーボモータ6の回転軸6aに取り付けられたプーリ34と電磁クラッチ32の図示しない駆動入力端との間には、駆動力を伝達するための無端状のベルト36が巻回されて張設されている。また、電磁クラッチ32の図示しない駆動出力端には、押印ハブ4の回転軸4aが直結されている。
【0035】電磁クラッチ32を繋ぐと、ACサーボモータ6の駆動力が、プーリ34、ベルト36、および電磁クラッチ32を介して、押印ハブ4に伝達され、押印ハブ4が回転される。このとき、押印ハブ4の回転速度は、郵便物の搬送速度と等速に設定されている。一方、電磁クラッチ32を切ると、ACサーボモータ6から伝達される駆動力が遮断され、押印ハブ4に駆動力が伝達されなくなる。このとき、押印ハブ4は、搬送路を介して搬送される郵便物の第1面に転接した状態で郵便物に連れ回ることになる。
【0036】つまり、この押印装置30は、以下のように動作する。
【0037】本実施の形態の押印装置30では、郵便物が搬送される前の待機状態のとき、ACサーボモータ6が回転されている。そして、搬送路を介して矢印T方向に郵便物が搬送されてセンサ20を介して検知されると、所定のタイミングで電磁クラッチ32が繋がれてACサーボモータ6の駆動力が押印ハブ4に伝達され、押印ハブ4が回転される。
【0038】電磁クラッチ32を繋ぐタイミングは、ホームポジションに停止している押印ハブ4が回転を開始されて有効領域3が郵便物の第1面に接触した時点、すなわち押印ハブ4が郵便物に接触し始めるときに、外周面の周速が郵便物の搬送速度(3.8m/)に達するタイミングに設定されている。
【0039】そして、押印ハブ4の有効領域3が郵便物の第1面に転接するタイミングで、すなわち押印ハブ4が郵便物に接触するタイミングで、電磁クラッチ32が切られてACサーボモータ6から押印ハブ4に伝達されている駆動力が遮断される。この直後から、押印ハブ4は、搬送路を介して搬送されている郵便物の第1面に転接して連れ回る。そして、有効領域3に設けられた図示しない凸版が郵便物の第1面にある切手部分に押圧されて消印が押印される。
【0040】このように、押印ハブ4を郵便物に連れ回りさせた状態で切手部分に消印を押印することで、押印動作時に、郵便物と押印ハブ4との間に速度差が生じることを略完全に防止でき、消印を所定位置に確実且つ明瞭に押印できる。
【0041】さらに、押印ハブ4の有効領域3が郵便物の第1面から離れた後、すなわち押印ハブ4が郵便物に接触しなくなってから、電磁クラッチ32が繋がれて押印ハブ4が減速されてホームポジションに停止される。
【0042】以上のように、本実施の形態によると、押印ハブ4の外周面に設けられた凸版を郵便物の切手部分に押し当てて消印を押印する押印動作時に、押印ハブ4に伝達する駆動力を遮断して押印ハブ4を郵便物に連れ回るようにしたため、凸版と切手部分との間に速度差が生じることを略完全に防止でき、切手部分に対する消印を確実且つ明瞭に押印できる。
【0043】ここで、上述した第2の実施の形態の押印ハブ4の動作について図6を用いて説明する。図6は、押印ハブ4の速度変化を示した図である。
【0044】図6に示すように、押印ハブ4の回転開始時(加速時)はモータドライバに駆動パルスを与えながら電磁クラッチをつないで押印ハブ4を搬送速度に達するまで回転させる。モータ駆動パルスは電磁クラッチをつないでいる時間より長くなるよう設定した。押印ハブ4が郵便物と接触するタイミングになったら電磁クラッチを切り、押印ハブ4の回転をフリーにする。ここで、押印ハブ4が郵便物に接触する前に電磁クラッチを切ってしまうと連れ回らなくなることがあるので、電磁クラッチの接続は郵便物の接触回転とオーバーラップさせている。
【0045】停止時(減速時)は再び電磁クラッチを動作させるとともに、モータドライバに駆動パルスを与えて、押印ハブ4を停止させる。ここで、停止時は押印に影響を与えないようにするため、完全に押印が終わってから電磁クラッチの接続を行なうようにした。また、本実施の形態では、モータ駆動パルスは加減速時のみ与えるようにしたが、押印ハブ4が回転している間中、モータ駆動パルスを与えていても何ら問題はない。このようにすれば押印時の外乱を除くとこができるようになる。
【0046】第1の実施の形態と同様に、搬送速度を3.8m/sとし、駆動モータとして200WのACサーボモータを用いて押印を行なったところ、再現性良く正常に押印できた。
【0047】次に、図7を用いて、押印時に駆動を断絶する効果について説明する。図7(a)には、上述した動作に従って押印を行なったときの印影を示してあり、本来の印影どおりの形を示している。図7(b)、図7(c)には、押印時に押印ハブ4に常に駆動力を与え続けた場合である。図7(b)は、クラッチの伝達ムラにより印影の丸い部分が歪んでしまっている様子を示しており、図7(c)は、印影の波線の部分が伸びてしまっている様子を示している。また、このような歪みは駆動モータ自体が不良、もしくは劣化した場合にも現れる。すなわち、本実施の形態では、このような外乱を無くせるので、駆動源の不良や劣化にも強い構成であることが示されている。
【0048】尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、郵便物の切手部分に消印を押印する場合について説明したが、これに限らず、郵便物以外の紙葉類に押印する装置に本発明を適用することもできる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の紙葉類押印装置は、上記のような構成および作用を有しているので、比較的高速に搬送される紙葉類の表面所定位置に確実且つ明瞭に押印できる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2003−326820(P2003−326820A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−138514(P2002−138514)