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【発明の名称】 多孔質印判の製造方法
【発明者】 【氏名】石川 宏敏
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区天塚町4丁目69番地 シヤチハタ株式会社内

【要約】 【課題】本発明は従来知られた方法を用いないで、全く新たな方法を用いて連続気泡を有する熱可塑性多孔質印判を製造する方法を提供する。

【解決手段】連続気泡を有する熱可塑性の多孔質印材の表面に、所要の形状になるように金属箔にてマスキングした後、プラズマ照射器からプラズマを照射し、前記マスキングが存在しない部分を溶融固化させてインキが滲み出し不能な非多孔質保護被膜を形成すると同時に、前記マスキングが存在する部分を残部とさせてインキが滲み出し可能な印字部を形成することを特徴とする多孔質印判の製造方法を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 連続気泡を有する熱可塑性の多孔質印材の表面に、所要の形状になるように金属箔にてマスキングした後、プラズマ照射器からプラズマを照射し、前記マスキングが存在しない部分を溶融固化させてインキが滲み出し不能な非多孔質保護被膜を形成すると同時に、前記マスキングが存在する部分を残部とさせてインキが滲み出し可能な印字部を形成することを特徴とする多孔質印判の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続気泡を有する熱可塑性多孔質印判の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を原料とする多孔質印判は、連続気泡を有する多孔質シートや多孔質パイプ等を印材とし、インキが滲み出し不能な非多孔質保護被膜とインキが滲み出し可能な多孔質残部である印字部とからなる印面に形成した後、ホルダーなどに組み付けて印判としていた。従来の印面を形成する方法としては、加熱した金型を直接押し当てて不要部分を溶融する方法、サーマルヘッドで不要部分を直接加熱して溶融する方法、炭酸ガスレーザやYAGレーザといった各種レーザ光を用いて不要部分を加熱して溶融する方法、発熱材を介在させ赤外線キセノンフラッシュランプなどによって不要部分を加熱して溶融する方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来知られた方法を用いないで、全く新たな方法を用いて連続気泡を有する熱可塑性多孔質印判を製造する方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成する為の手段として、連続気泡を有する熱可塑性の多孔質印材の表面に、所要の形状になるように金属箔にてマスキングした後、プラズマ照射器からプラズマを照射し、前記マスキングが存在しない部分を溶融固化させてインキが滲み出し不能な非多孔質保護被膜を形成すると同時に、前記マスキングが存在する部分を残部とさせてインキが滲み出し可能な印字部を形成することを特徴とする多孔質印判の製造方法を用いる。
【0005】
【発明の実施の形態】多孔質印材の表面に、所要の形状になるように金属箔にてマスキングを施した後、プラズマ照射器からプラズマを照射を照射する。そうすると金属箔が存在しない多孔質印材の表面部分のみが溶融を開始する。その後、プラズマの照射を停止すると溶融部分が急速に冷えて固化し、非多孔質保護被膜を形成する。この際、金属箔が存在する残部は全く何も変化せずに印字部を形成する。次に、金属箔を除去すると非多孔質保護被膜と印字部とからなる印面が形成されており、これにインキを充填すると前記非多孔質保護被膜からはインキが滲み出し不能であって、前記印字部からはインキが滲み出し可能な多孔質印判を得ることができる。
【0006】本発明で用いられる連続気泡を有する熱可塑性の多孔質印材としては、原材料としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリブチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化物系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。これを公知の溶出法、発泡法、燒結法などの方法によって連続気泡化することができ、シート状又はロール状のものが主に用いられる。前記熱可塑性樹脂は、融点が50℃〜150℃のものが好ましく用いられ、また、多孔質印材の気泡径は特に限定されないが、2〜100μmの範囲のものが好ましく用いられる。前記熱可塑性樹脂にカーボンブラック・有機顔料・パール顔料などの着色剤兼発熱剤を混合した有色の多孔質印材を用いても良好な結果を得ることができる。
【0007】また、マスキングに用いる金属箔としては、アルミニウム箔、金箔、真鍮箔などを用いることができる。プラズマ照射器としては、キーエンス(株)製プラズマ照射器ST-7000などを用いることができる。また、本発明では熱可塑性多孔質印材にインキをあらかじめ含浸させ、マスキングをした後プラズマを照射しても熱可塑性多孔質印材を溶融することができる。 あらかじめインキを含浸した多孔質印材に印面を加工することができるので、印面加工後すぐに押印できる印判を得ることが可能である。
【0008】更に、プラズマの照射には熱可塑性多孔質印材の表面を改質する作用もあることが判明した。例えば、熱可塑性多孔質印材全体に軽くプラズマを照射するとインキの浸透性が向上し、インキの補充時間が早くなると共に押印時のインキ吐出性も良好になるといった効果や、熱可塑性多孔質印材裏面にプラズマを照射すると印判のホルダーに使用されるプラスチックとの接着性が向上するといった効果が得られる。
【0009】
【実施例】まず原稿を用意し、その鏡像をアルミ箔に転写する。次に、印字部とする箇所を残して所謂余白の部分を切り取る。こうして所要の形状になるように象ったマスキングが形成できる。次に、多孔質印材の表面にアルミ箔のマスキングを密着させた後、プラズマ照射器を用いて出力300Wでプラズマを照射する。そうするとプラズマが存在しない多孔質印材の表面部分のみが溶融を開始する。その後、プラズマの照射を停止すると溶融部分が急速に冷えて固化し、非多孔質保護被膜を形成する。この際、アルミ箔のマスキングに隠された残部は全く何も変化をしないので印字部を形成する。次に、マスキングを取り去ると非多孔質保護被膜と多孔質印字部とからなる印面が形成されており、これにインキを充填すると前記非多孔質保護被膜からはインキが滲み出し不能であって、前記印字部からはインキが滲み出し可能な多孔質印判を得ることができる。
【0010】
【発明の効果】本発明は、連続気泡を有する熱可塑性多孔質印材に対してプラズマを照射することにより印面を形成できる新規な方法を見出した極めて有用な発明である。また、熱可塑性多孔質印材にプラズマを照射すると熱可塑性多孔質印材の表面を改質することができ、インキの浸透性が向上するので、インキの補充時間が早くなると共に押印時のインキ吐出性も良好になる。
【出願人】 【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市西区天塚町4丁目69番地
【出願日】 平成14年1月22日(2002.1.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−211805(P2003−211805A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−12297(P2002−12297)