| 【発明の名称】 |
熱転写用インクリボンカートリッジ |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 賢二 【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニー株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】簡易な構造であり、インクリボンが幅方向のテンションバランスを調整されて巻取が行われて画像等を高精度に印刷可能とする。
【解決手段】巻取スプール14が、軸方向の中央領域を最大外径部16としかつ両端領域を最小外径部17とするように外径を異にして形成され、最大外径部16と最小外径部17とが0.5mm以上4.0mm以内の外径差異、又は最大外径部16と最小外径部17とが軸長に対する外径差異の比率を0.005以上0.04以内に形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラテンと熱転写ヘッドとの間に装着され、筐体内に回転自在に支持した供給スプールと巻取スプールとの間にプラスチックフィルムに少なくとも3原色の昇華性染料を一定ピッチで塗布してなるインクリボンを架け渡してなり、上記インクリボンが上記供給スプールから繰り出されて上記熱転写ヘッドによって上記プラテンの外周部を移送される印画紙に押圧されることにより画像の印刷を行うとともに、上記巻取スプールに巻き取られる熱転写用インクリボンカートリッジにおいて、上記巻取スプールが、軸方向の中央領域を最大外径部としかつ両端領域を最小外径部とするように外径を異にして形成されるとともに、上記最大外径部と上記最小外径部とが0.5mm以上4.0mm以内の外径差異を以って形成されることを特徴とする熱転写用インクリボンカートリッジ。 【請求項2】 プラテンと熱転写ヘッドとの間に装着され、筐体内に回転自在に支持した供給スプールと巻取スプールとの間にプラスチックフィルムに少なくとも3原色の昇華性染料を一定ピッチで塗布してなるインクリボンを架け渡してなり、上記インクリボンが上記供給スプールから繰り出されて上記熱転写ヘッドによって上記プラテンの外周部を移送される印画紙に押圧されることにより画像の印刷を行うとともに、上記巻取スプールに巻き取られる熱転写用インクリボンカートリッジにおいて、上記巻取スプールが、軸方向の中央領域を最大外径部としかつ両端領域を最小外径部とするように外径を異にして形成されるとともに、上記最大外径部と上記最小外径部とが軸長に対する外径差異の比率を0.005以上0.04以内に形成されることを特徴とする熱転写用インクリボンカートリッジ。 【請求項3】 上記巻取スプールが、その外径を軸方向の中央領域から両端領域に向かって次第に小径とするようにテーパを付されて形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱転写用インクリボンカートリッジ。 【請求項4】 上記巻取スプールが、大径の第1スプール部と、この第1スプールの両端部に一体化された小径の第2スプール部とから構成され、上記第1スプール部と上記第2スプール部とを上記印画紙に対する画像の非印刷領域で連設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱転写用インクリボンカートリッジ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写カラープリンタに用いられるインクリボンカートリッジに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の熱転写カラープリンタ100は、図5に示すように移送路に沿って配置した多数個の移送ローラを有し印画紙101を移送する移送機構102と、移送路中に配置されて印画紙101を外周部に走行させるプラテン103と、このプラテン103の外周部と対向して接離自在に配置されたサーマルヘッド104等を備えている。熱転写カラープリンタ100は、プラテン103の外周部において印画紙101にインクリボン105を重ね合わせるようにして走行させるとともに、このインクリボン105をサーマルヘッド104のヘッド部104aが押圧することによって印画紙101に画像の印刷を行う。 【0003】インクリボン105は、薄いプラスチックフィルム上に昇華性染料からなる3原色のイエロー、マゼンタ、シアンが一定のピッチの繰返しパターンで塗布してなる。インクリボン105は、サーマルヘッド104のヘッド部104aに押圧されるとともに加熱されることによって、各染料が印画紙101に転写されてカラー印刷が行われるようにする。インクリボン105は、一般に図6に示すインクリボンカートリッジ106内に収納され、このインクリボンカートリッジ106を熱転写カラープリンタ100の装着部に装着することによって上述したようにプラテン103とサーマルヘッド104との間で印画紙101と重ね合わされて走行する。 【0004】インクリボンカートリッジ106は、詳細を省略するが樹脂製の筐体107の内部に所定の間隔を離間して供給スプール108と巻取スプール109とを互いに回転自在に支持してなる。インクリボンカートリッジ106は、供給スプール108に巻回したインクリボン105の一端を引き出して巻取スプール109に掛け止めしてなる。インクリボンカートリッジ106には、供給スプール108と巻取スプール109との間に位置して筐体107に、インクリボン105の染料塗布面を外方に臨ませる印刷開口部107aが形成されている。 【0005】熱転写カラープリンタ100は、印画紙101に対してイエロー、マゼンタ、シアンの各印画工程を施すことによって、所定の画像のカラー印刷を行う。熱転写カラープリンタ100は、図示しない制御部から制御信号が出力されて移送機構102が駆動されることによって、印画紙101が所定ピッチを移送される。熱転写カラープリンタ100においては、プラテン103が図5において時計方向に所定の角度回転することによって、印画紙101とこれに重なり合ったインクリボン105とが所定ピッチ量を移送される。 【0006】熱転写カラープリンタ100においては、インクリボン105の移送動作と同期して供給スプール109と巻取スプール109との回転動作が行われる。熱転写カラープリンタ100においては、インクリボン105が所定ピッチ量を移送されると、サーマルヘッド104が駆動されて加熱状態のヘッド部104aがこのインクリボン105の所定領域を押圧する。熱転写カラープリンタ100においては、サーマルヘッド104の押圧加熱動作によって例えばインクリボン105の所定領域に塗布されたイエロー染料が昇華して印画紙101に転写される。 【0007】熱転写カラープリンタ100においては、サーマルヘッド104が初期位置へと復帰動作するとともに、プラテン103が逆回転動作して印画紙101を初期位置へと復帰させる。熱転写カラープリンタ100においては、この状態でサーマルヘッド104が再駆動され、加熱状態のヘッド部104aがインクリボン105を印画紙101に対して印刷されたイエロー画像領域に押圧する。熱転写カラープリンタ100においては、サーマルヘッド104の押圧加熱動作によって例えばインクリボン105の所定領域に塗布されたマゼンタ染料が昇華して印画紙101のイエロー画像に重ねて転写される。 【0008】熱転写カラープリンタ100においては、上述した各動作が繰り返されてイエロー画像とマゼンタ画像とにシアン画像が重ね合わせ転写され、イエロー染料とマゼンタ染料及びにシアン染料によって合成されたカラー画像を印画紙101に印刷する。 【0009】ところで、従来のインクリボンカートリッジ106には、図7に示すように巻取筒部109aと、脱落防止用のフランジ部109b、109cと、支軸部109d、109eとを一体に形成した巻取スプール109が用いられていた。巻取スプール109は、筒部109aがインクリボン105とほぼ等しい軸長を有するとともに、外径を全長に亘って同径に形成してなる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】インクリボンカートリッジ106においては、上述したように供給スプール109から繰り出されたインクリボン105がサーマルヘッド104によって押圧加熱された後に巻取スプール109に巻き取られる。インクリボン105には、素地のプラスチックフィルムがサーマルヘッド104による加熱部位に熱応力によって伸びが発生して、非加熱部位に対して不均一な状態となっている。インクリボンカートリッジ106においては、上述した巻取スプール109にインクリボン105を順次巻き取る際に、この不均一な状態が累積して幅方向でテンションのバラツキを発生させる。 【0011】インクリボンカートリッジ106においては、このためにインクリボン105に、図6に示すように幅方向に並んで多数条の長さ方向の皺110を発生させることがあった。インクリボンカートリッジ106は、皺110によってインクリボン105が重ね合わされて移送される印画紙101に線状の汚れを発生させ、印刷される画像の画質を劣化させるといった問題があった。なお、インクリボンカートリッジ106は、供給スプール108と巻取スプール109との間における走行テンションが大きすぎても弱すぎてもインクリボン105に皺110を発生させ易い。 【0012】また、インクリボンカートリッジ106においては、インクリボン105がテンションバランスが崩れた状態で巻取スプール109への巻取が行われることより、サーマルヘッド104との相対的位置ズレが生じる。インクリボンカートリッジ106においては、このために印画紙101に印刷される画像に歪みを生じさせる異があった。 【0013】インクリボンカートリッジ106は、供給スプール108と巻取スプール109との間でインクリボン105に皺110を発生させない理論的な走行テンションを設定することも可能である。しかしながら、インクリボンカートリッジ106は、一般に巻取スプール109がインクリボン105を一定のトルクで巻取動作することから、巻取径の変化に伴って走行テンションを調整することが極めて困難であった。インクリボンカートリッジ106は、インクリボン105が不均一な状態を呈することから、このインクリボン105を所定の走行テンションで走行させることはさらに困難となる。 【0014】従来の熱転写カラープリンタ100においては、上述した問題点に対して、例えば図8に示すようにプラテン103と巻取スプール109との間にテンション調整ローラ111を配置した対応も図られている。テンション調整ローラ111は、詳細を省略するが軸方向に対して中央領域を大径部位として両端側に向かって次第に小径となるようにテーパを付した略太鼓型を呈している。テンション調整ローラ111は、インクリボン105のセンタリング作用を奏して皺110の発生を抑制するようにする。 【0015】しかしながら、かかるテンション調整ローラ111も、インクリボン105の幅方向の両端部における走行方向のテンションを充分にバランスさせることは困難である。また、テンション調整ローラ111は、所定の作用を奏するために有る程度大きな外径が必要とされ、このために熱転写カラープリンタ100やインクリボンカートリッジ106を大型化させるとともに、インクリボン105の走行路に無理を生じさせ易いといった問題がある。 【0016】また、従来の熱転写カラープリンタ100においては、例えば図9に示すようにサーマルヘッド104にテンション調整部材112を付設した対応も図られている。テンション調整部材112は、インクリボン105の幅よりもやや大きな長さの押圧部を有する断面略コ字状の部材からなり、サーマルヘッド104に一体に形成した取付部104bに対してインクリボン105の走行方向と平行な方向に揺動自在にピボット支持されている。テンション調整部材112は、サーマルヘッド104がインクリボン105を押圧する際に、このインクリボン105の幅方向の全域を押圧する。 【0017】テンション調整部材112は、インクリボン105を幅方向の全域に亘って押圧して走行させることによって幅方向のテンションをバランスさせて皺110の発生を抑制するようにする。しかしながら、かかるテンション調整部材112においては、部品点数を増加させるばかりでなく、限られたスペースに設置されるために大きさが制限されるためにインクリボン105に対して走行方向或いは幅方向のテンションを充分にバランスさせる作用を奏することが困難であるといった問題があった。また、テンション調整部材112は、比較的高精度に形成されるとともに、サーマルヘッド104に対して精度良く支持する必要があり組立が面倒であるといった問題があった。 【0018】なお、熱転写カラープリンタ100においては、インクリボン105の走行路に沿ってテンション調整ローラ111やテンション調整部材112を配置した場合でも、温度や湿度等の環境条件による素地のプラスチックフィルムが変質して皺110の発生を抑制し得ないといった問題があった。 【0019】したがって、本発明は、構成部品を増やさない簡易な構造であり、インクリボンが幅方向のテンションバランスを調整されて巻取が行われることにより画像等を高精度に印刷可能とする熱転写用インクリボンカートリッジを提供することを目的とする。 【0020】 【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する本発明にかかる熱転写用インクリボンカートリッジは、熱転写カラープリンタのプラテンと熱転写ヘッドとの間に装着され、筐体内に回転自在に支持した供給スプールと巻取スプールとの間にプラスチックフィルムに少なくとも3原色の昇華性染料を一定ピッチで塗布してなるインクリボンを架け渡してなり、インクリボンが供給スプールから繰り出されて熱転写ヘッドによってプラテンの外周部を移送される印画紙に押圧されることにより画像の印刷を行うとともに、巻取スプールに巻き取られるように構成される。 【0021】熱転写用インクリボンカートリッジは、巻取スプールが、軸方向の中央領域を最大外径部としかつ両端領域を最小外径部とするように外径を異にして形成されるとともに、最大外径部と最小外径部とが0.5mm以上4.0mm以内の外径差異を以って形成されてなる。 【0022】また、熱転写用インクリボンカートリッジは、巻取スプールが、軸方向の中央領域を最大外径部としかつ両端領域を最小外径部とするように外径を異にして形成されるとともに、最大外径部と最小外径部とが軸長に対する外径差異の比率を0.005以上0.04以内に形成されてなる。 【0023】以上のように構成された本発明にかかる熱転写用インクリボンカートリッジによれば、供給スプールから繰り出されたインクリボンが熱転写ヘッドにより部分的に加熱押圧されることにより加熱部位と非加熱部位とで不均一な状態となり、巻取スプールに順次巻き取られる際に幅方向に対してテンションの変動が生じるが、巻取スプールによりこのテンション変動が調整される。また、熱転写用インクリボンカートリッジによれば、印刷動作の進行に伴ってインクリボンが巻取スプールに順次巻き取られるにしたがって巻取径が変化して走行テンションに変動が生じるが、巻取スプールによりこのテンション変動が調整される。 【0024】熱転写用インクリボンカートリッジによれば、巻取スプールが上述したように構成されることによってインクリボンに対する幅方向におけるテンションバランスを最適な状態に調整することで、幅方向の皺の発生を抑制し或いは安定した状態で走行させる。したがって、熱転写用インクリボンカートリッジによれば、インクリボンに生じた皺に起因する汚れの発生を防止し、或いはインクリボンが傾いた状態で走行することによる印刷画像の歪み等の発生を防止して印画紙に画像等を精度良く印刷する。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態として図面に示した熱転写用インクリボンカートリッジ(以下、単にカートリッジと略称する。)10について、詳細に説明する。カートリッジ10は、内部に長尺のインクリボン11を収納し、詳細を省略する熱転写カラープリンタ1の熱転写部2に装着される。カートリッジ10は、熱転写部2を移送される印画紙3に後述するようにインクリボン11を重ね合わせて走行させることにより、印画紙3にカラー画像を印刷する。 【0026】熱転写カラープリンタ1は、基本的な構成を上述した従来の熱転写カラープリンタ100と同様とし、図2に示すようにプラテン4と、このプラテン4の外周部と対向するとともに接離自在に支持されたサーマルヘッドユニット5等により熱転写部2を構成している。熱転写カラープリンタ1は、熱転写部2に対して詳細を省略するが移送路を挟んで配置された多数の駆動ローラやピンチローラ等を有する移送機構6により印画紙3を一定のピッチで移送する。熱転写カラープリンタ1は、プラテン4の外周部に近接して印画紙3の移送方向に離間して一対のピンチローラ6a、6bが配置されており、これらピンチローラ6a、6bにより印画紙3をプラテン4の外周部に圧接して移送させる。 【0027】サーマルヘッドユニット5は、図示しない支持機構によってプラテン4の外周部に対して接離自在に支持されている。サーマルヘッドユニット5は、後述するようにカートリッジ10を熱転写部に装着する際には大きく回動操作されることによって装着操作が容易に行われるように構成される。サーマルヘッドユニット5には、インクリボン11をプラテン4の外周面に押圧する押圧部5bが一体に形成されている。サーマルヘッドユニット5は、非印刷動作時にはプラテン4の外周部からやや離間した状態に保持されるとともに、印刷動作時にはプラテン4側へと回動して押圧部5bによりインクリボン11を印画紙3に圧接する。 【0028】サーマルヘッドユニット5は、図示しない制御部から出力される制御信号により温度制御される多数のサーマルヘッドをマトリックス配列したヘッド部5aを備えている。ヘッド部5aは、インクリボン11に圧接した状態でサーマルヘッドが選択的に加熱状態となることで、インクリボン11に塗布した染料を昇華して印画紙3に転写する。 【0029】熱転写カラープリンタ1は、詳細を後述するように印画紙3にインクリボン11に塗布したイエロー、マゼンタ、シアンの染料を転写することによって所定画像のカラー印刷を行う。熱転写カラープリンタ1は、図示しない制御部から制御信号が出力されて移送機構6の各駆動ローラが駆動されることによって、印画紙3を所定のピッチ移送する動作が行われる。熱転写カラープリンタ1は、サーマルヘッドユニット5がプラテン4側に回動動作されることによって印画紙3にインクリボン11を圧接させる。熱転写カラープリンタ1は、プラテン4が図2において時計方向に一定の角度回転することによって、印画紙3とインクリボン11とを所定のピッチ量を以って移送する。 【0030】熱転写カラープリンタ1は、印画紙3とインクリボン11とが所定ピッチ量を移送されると、サーマルヘッドユニット5のヘッド部5aが駆動されて加熱状態となりインクリボン11の所定領域を押圧する。熱転写カラープリンタ1は、これによってインクリボン11に塗布された第1の染料が昇華して印画紙3に転写されて画像印刷を行う。熱転写カラープリンタ1は、サーマルヘッドユニット5が初期位置へと復帰動作するとともに、プラテン4が逆回転動作して印画紙3を初期位置へと復帰させる。熱転写カラープリンタ1は、この状態でサーマルヘッドユニット5が再駆動されて、加熱状態のヘッド部5aがインクリボン11の他の領域を印画紙3に押圧することにより第1の印刷画像に対して第2の染料による第2の印刷画像を重ね印刷する。熱転写カラープリンタ1は、かかる動作が繰り返されて第3の印刷画像が重ね印刷されることで、イエロー染料とマゼンタ染料及びにシアン染料によって合成されたカラー画像を印画紙3に印刷する。 【0031】熱転写カラープリンタ1は、印刷操作に際して上述したようにインクリボン11を所定のピッチ量を以って繰出し操作する。インクリボン11は、上述した従来のインクリボン105と同様とされ、サーマルヘッドユニット5のヘッド部5aよりもやや大きな幅を有する長尺の薄いプラスチックフィルムの一方主面上に昇華性染料からなる3原色のイエロー染料、マゼンタ染料及びシアン染料がそれぞれ一定のピッチを以って繰返しパターンで塗布されてなる。インクリボン11は、上述したようにサーマルヘッドユニット5のヘッド部5aによって加熱押圧されることにより、各染料が昇華して印画紙3に転写されてカラー印刷が行われるようにする。 【0032】インクリボン11は、上述したように印刷動作に際してサーマルヘッドユニット5のヘッド部5aに加熱押圧されることによって、この加熱部位に熱応力による伸びが発生する。インクリボン11は、ヘッド部5aの長さよりも大きな幅を有しており、図1に示すようにヘッド部5aが通過して加熱される加熱領域部位11aを挟んで両側縁に沿った幅方向の両側領域に非加熱領域部位11b、11cが構成される。インクリボン11は、このために加熱領域部位11aと非加熱部位11b、11cとで不均一な状態となる。 【0033】インクリボン11は、印刷動作に際して供給スプール13から繰り出されて熱転写部2を通過して巻取スプール14に巻き取られる。インクリボン11は、不均一な状態で巻取スプール14に巻き取られるが、詳細を後述する巻取スプール14の構造によりテンションバランスの崩れが抑制される。 【0034】インクリボン11は、図1に示したカートリッジ10に収納される。カートリッジ10も、従来のカートリッジ106と基本的な構成をほぼ同様とされ、樹脂製の筐体12と、この筐体12の内部に回転自在に組み込まれるとともにインクリボン11が架け渡される供給スプール13と巻取スプール14とから構成される。筐体12は、連結部12aと、この連結部12aの両側にそれぞれ一体に形成された供給スプール収納部12bと巻取スプール収納部12cとから構成される。カートリッジ10は、詳細を省略するが構成各部の半体部位を一体化してなる上ハーフと下ハーフとに分割されてなり、例えば下ハーフの内部にインクリボン11を架け渡した供給スプール13と巻取スプール14とを組み付けた後に上ハーフが突き合わされて一体化される。 【0035】筐体12には、連結部12aに厚み方向に貫通する大きな開口部15が形成されている。開口部15は、インクリボン11の幅よりも大きなその開口幅を以って形成され、詳細を後述するようにインクリボン11を外方へと臨ませるとともにサーマルヘッドユニット5の押圧部5bを内部へと進入させる。 【0036】供給スプール収納部12bは、一端側が開口された内部空間を有する全体有底筒状に形成されており、詳細を省略するが内部空間の両端部位の近傍に位置して供給スプール13を抜止めした状態で回転自在に支持する軸受け部がそれぞれ一体に形成されている。供給スプール収納部12bは、開口部を介して内部空間に収納した供給スプール13の一端部を外方へと臨ませる。供給スプール収納部12bは、開口部側の外周部に形成したコ字状の切欠きにより切り残された舌片部によって構成された弾性片12dを有している。供給スプール収納部12bは、弾性片12dが内部空間に収納した供給スプール13に圧接することによって遊転を防止している。 【0037】巻取スプール収納部12cも、一端側が開口された内部空間を有する全体有底筒状に形成されており、連結部12aを挟んで供給スプール収納部12bと平行に形成されている。巻取スプール収納部12cにも、詳細を省略するが内部空間の両端部位の近傍に位置して巻取スプール14を抜止めした状態で回転自在に支持する軸受け部が一体に形成されている。巻取スプール収納部12cも、開口部を介して内部空間に収納した巻取スプール14の一端部を外方へと臨ませる。巻取スプール収納部12cにも、開口部側の外周部に形成したコ字状の切欠きにより切り残された舌片部によって弾性片12eを構成し、この弾性片12eを内部空間に収納した巻取スプール14に圧接させて遊転を防止している。 【0038】供給スプール13は、合成樹脂によって一体に形成され、詳細を省略するが筒状のスプール本体13aと、このスプール本体13aの一端部に周回りに突設された第1フランジ部13bと、この第1フランジ部13bを介してスプール本体13aの端部から軸方向に突設された支軸部13cとを有している。供給スプール13は、第1フランジ部13bと対向してスプール本体13aの他端部に周回りに突設された第2フランジ部13dと、この第2フランジ部13dを介してスプール本体13aの端部から軸方向に突設された筒状の支軸部13eとを有している。 【0039】供給スプール13は、第1フランジ部13bと第2フランジ部13dとの対向間隔がインクリボン11の幅とほぼ等しくされ、これらの間においてインクリボン11の両端を整えてスプール本体13aの外周部に巻回する。供給スプール13には、筒状支軸部13eの内周面にセレーション13fが全周に亘って形成されており、カートリッジ10を熱転写部2に装着した状態においてこのセレーション13fに図示しない駆動機構の駆動歯車が噛み合わされる。 【0040】巻取スプール14は、基本的な構成を上述した供給スプール13とほぼ同等とするが、詳細を後述するようにスプール本体14aの構造に特徴を有している。巻取スプール14も、合成樹脂によって一体に形成され、図1及び図3に示すように筒状のスプール本体14aと、このスプール本体14aの一端部に周回りに突設された第1フランジ部14bと、この第1フランジ部14bを介してスプール本体14aの端部から軸方向に突設された支軸部14cとを有している。巻取スプール14は、第1フランジ部14bと対向してスプール本体14aの他端部に周回りに突設された第2フランジ部14dと、この第2フランジ部14dを介してスプール本体14aの端部から軸方向に突設された筒状の支軸部14eとを有している。 【0041】巻取スプール14は、第1フランジ部14bと第2フランジ部14dとの対向間隔がインクリボン11の幅とほぼ等しくされ、これらの間において熱転写部2から送り出されたインクリボン11の両端を整えてスプール本体14aの外周部に巻き取るようにする。巻取スプール14には、筒状支軸部14eの内周面にセレーション14fが全周に亘って形成されており、カートリッジ10を熱転写部2に装着した状態においてこのセレーション14fに図示しない駆動機構の駆動歯車が噛み合わされる。 【0042】巻取スプール14は、図3に詳細を示すように、スプール本体14aが軸方向の中央部を最大外径部16とされるとともに、この最大外径部16から両端部に向かって次第に小径となるテーパが付されて第1フランジ部14bと第2フランジ部14dの内側部位において最小外径部17a、17bとなるように全体略俵形状を呈している。巻取スプール14は、最大外径部16の外径がΦ1とされるとともに最小外径部17a、17bの外径がそれぞれ同径のΦ2とされることにより、中央部位と両端部位とでΦ1−Φ2=Δxの外径差異が付されてなる。 【0043】巻取スプール14は、上述した最大外径部16と最小外径部17a、17bとの外径差異Δxが、0.5mm≦Δx≦4.0mmに設定されてスプール本体14aが形成されている。 【0044】また、巻取スプール14は、スプール本体14aの軸長をLとしたときに、(Φ1−Φ2)/Lで表される最大外径部16と最小外径部17a、17bとが軸長に対する外径差異の比率Rを0.005≦R≦0.04に設定されてスプール本体14aが形成されている。 【0045】以上のように構成されたカートリッジ10は、供給スプール13に対してインクリボン11が、スプール本体13aの外周部に一端を固定するとともに染料を塗布した主面を内側にして第1フランジ部13bと第2フランジ部13dの外径とほぼ同等となるように巻回されて先端部が切断される。カートリッジ10は、切断したインクリボン11の先端部を引き出して巻取スプール14のスプール本体14aの外周部に固定する。カートリッジ10は、インクリボン11を架け渡した状態で供給スプール13と巻取スプール14とが、筐体12の供給スプール収納部12bと巻取スプール収納部12cとにそれぞれ収納される。カートリッジ10は、インクリボン11が連結部12aに形成した開口部15に臨ませられている。 【0046】カートリッジ10は、開口部15に臨ませられたインクリボン11の染料塗布面をプラテン4と対向させて、熱転写カラープリンタ1の熱転写部2に装着される。カートリッジ10は、開口部15に臨ませられたインクリボン11が、染料塗布面をプラテン4の外周部に巻き付けられた印画紙5と接触されかつ非染料塗布面がサーマルヘッドユニット5と対向される。カートリッジ10は、上述した印刷動作によってインクリボン11が供給スプール13から繰り出されて巻取スプール14に順次巻き取られる。カートリッジ10は、上述したように熱転写部2を通過する際にサーマルヘッドユニット5によって加熱押圧されることで、インクリボン11が加熱領域部位11aと非加熱領域部位11b、11cとが不均一な状態となる。 【0047】カートリッジ10は、巻取スプール14がスプール本体14aを上述した条件を有する略俵状に形成されていることにより、インクリボン11に対する巻取スプール14に巻き取られる際のテンションを加熱領域部位11aでは大きくかつ非加熱領域部位11b、11cでは小さくなるようにする。したがって、カートリッジ10は、インクリボン11に対する幅方向にかかる巻取テンションのバランスを調整して供給スプール13から繰り出されて開口部15に臨んで走行して巻取スプール14に巻き取られる間において安定した状態とする。 【0048】カートリッジ10は、インクリボン11が開口部15においてサーマルヘッドユニット5によって加熱された状態で印画紙3に押圧されることで、各染料が昇華して印画紙3に転写されてカラー印刷を行う。カートリッジ10は、安定した状態のインクリボン11をサーマルヘッドユニット5が加熱押圧することで、印画紙3に高精度のカラー画像の印刷が行われるようにする。 【0049】ところで、カートリッジ10は、巻取スプール14が、最大外径部16と最小外径部17a、17bとの外径差異Δxを4.0mmより大きく形成された場合或いは外径差異比率Rを0.04よりも大きく形成された場合には、インクリボン11の幅方向の中央部位のテンションが大きくなりすぎて上述したテンションバランスの調整作用が充分に奏し得なくなる。カートリッジ10は、このためにインクリボン11に幅方向の皺を生じさせ或いはインクリボン11が傾いた状態で走行させてしまう。また、カートリッジ10は、巻取スプール14の中央部位を大径とすることによってインクリボン11を巻き取った状態での外径が大きくなり、筐体12が大型となってしまう。 【0050】また、カートリッジ10は、巻取スプール14が、最大外径部16と最小外径部17a、17bとの外径差異Δxを0.5mmより小さく形成された場合或いは外径差異比率Rを0.005より小さく形成された場合には、幅方向のテンションが両端側の非加熱領域部位11b、11cよりも中央部の加熱領域部位11aが小さくなってテンションバランスが崩れた状態で巻取が行われるインクリボン11に対して、上述したテンションバランスの調整作用が充分に奏し得なくなる。カートリッジ10は、このためにインクリボン11に幅方向の皺を生じさせ或いはインクリボン11が傾いた状態で走行させてしまう。 【0051】カートリッジ10は、上述した条件範囲で形成された巻取スプール14を備えることによってインクリボン11を、幅方向のテンションバランスを調整して安定した状態で走行させて高精度のカラー画像の印刷を可能とする。また、カートリッジ10は、インクリボン11を巻き取った状態での巻取スプール14の大径化が規制されることから、大型化も抑制される。 【0052】上述した実施の形態においては、巻取スプール14を略俵型に形成したが、かかる形状に限定されるものでは無い。図4に示した巻取スプール20は、スプール本体21が、大径の第1スプール本体部21aの両側に小径の第2スプール本体部21b、21cを一体に連設して構成されてなる。なお、巻取スプール20は、その他の構成を巻取スプール14と同等とすることから対応する部位に同一符号を付すことにより説明を省略する。 【0053】巻取スプール20は、スプール本体21の軸長が上述した巻取スプール14の軸長と等しいLに設定されるとともに、第1スプール本体部21aの軸長L1がインクリボン11の加熱領域部位11aの幅Mよりもやや長軸に設定されて形成されている。第1スプール本体部21aは、全長に亘って同径であり、その外径が上述した巻取スプール14の最大外径部16の外径と等しいΦ1に設定されてなる。 【0054】巻取スプール20は、第1スプール本体部21aの両端と第1フランジ部14b及び第2フランジ部14dとの間に位置してそれぞれ第2スプール本体部21b、21cが形成されている。換言すれば、第2スプール本体部21b、21cは、インクリボン11の非加熱領域部位11b、11cに対応する位置において第1スプール本体部21aと連設されている。第2スプール本体部21b、21cは、全長に亘って同径であり、その外径が上述した巻取スプール14の最小外径部17a、17bの外径と等しいΦ2に設定されてなる。 【0055】勿論、巻取スプール20は、第1スプール本体部21aと第2スプール本体部21b、21cとが、外径差異Φ1−Φ2=Δxを0.5mm≦Δx≦4.0mmに設定されてなる。 【0056】また、巻取スプール20は、スプール本体21aの軸長Lに対して、(Φ1−Φ2)/Lで表される第1スプール本体部21aと第2スプール本体部21b、21cとの軸長に対する外径差異比率Rを0.005≦R≦0.04に設定されてなる。 【0057】巻取スプール20は、上述した条件により第1スプール本体部21aと第2スプール本体部21b、21cとからなるスプール本体21を有することにより、インクリボン11を、幅方向のテンションバランスを調整して安定した状態で走行させて高精度のカラー画像の印刷を可能とする。また、巻取スプール20は、インクリボン11を巻き取った状態でも大径化が規制されることから、カートリッジ10の大型化を抑制する。 【0058】なお、巻取スプール20は、第1スプール本体部21aと第2スプール本体部21b、21cとを垂直面を介して連設するようにしたが、テーパ面を介して連設するようにしてもよいことは勿論である。巻取スプール20は、この場合でもテーパ面がインクリボン11の非加熱領域部位11b、11cに位置される。巻取スプールについては、上述した条件の構造を備えればよく、熱転写カラープリンタ1の仕様或いはカートリッジ10の仕様に応じて適宜に形成される。 【0059】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明にかかる熱転写用インクリボンカートリッジによれば、熱転写ヘッドにより部分的に加熱押圧されることにより加熱部位と非加熱部位とで不均一な状態となるインクリボンに生じる幅方向のテンションバランスの変動を巻取スプールによって調整することから、インクリボンに幅方向の皺が発生することを抑制し或いは安定した状態で走行させるようにする。したがって、熱転写用インクリボンカートリッジによれば、大型化することなくインクリボンに生じた皺に起因する汚れの発生を防止し或いはインクリボンが傾いた状態で走行することによる印刷画像の歪み等の発生を防止して、印画紙に画像等を精度良く印刷することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社 【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号
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| 【出願日】 |
平成14年5月28日(2002.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067736 【弁理士】 【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−341201(P2003−341201A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−154465(P2002−154465) |
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