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【発明の名称】 ドットラインプリンタ
【発明者】 【氏名】中村 隆史
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工機株式会社内

【氏名】江尻 亮
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工機株式会社内

【氏名】川村 裕之
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工機株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、折り畳み式の連続帳票に印字する高速ドットラインプリンタに関するものであり、多数行改行を含む頁長指定のないジョブであっても、連続帳票の終端まで高い精度で印字できるようにすることを課題とする。

【解決手段】トラクタ上の用紙送り穴検出器と、この下方にある印字ハンマの間隔を1/4インチの整数倍として、印字ハンマとこの下方にある用紙終端検出器の間隔も同じく1/4インチの整数倍となるように位置決めし、用紙送り穴間隔を1周として、紙送りの最小ピッチを1カウントとするリングメモリを備え、用紙送り穴検出器と同期させて予め位置情報データを書き込み、用紙終端検出器が用紙終端を検出した時点で、上記リングメモリの書き込み値を読み出して演算することにより、連続帳票の用紙終端位置を正確に検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】印字ハンマにより連続用紙に印字するドットラインプリンタで、前記印字ハンマの下流側に用紙の送り穴を検出する送り穴センサと、前記印字ハンマの上流側に用紙終端を検出する用紙終端センサとを設け、前記用紙終端センサの用紙終端検出信号を、送り穴センサの送り穴検出信号の位相に同期させて、印刷制御を行う演算処理部に取り込むことを特徴とするドットラインプリンタ。
【請求項2】印字ハンマから前記送り穴センサまでの寸法と、印字ハンマから前記用紙終端センサまでの寸法とを、用紙の送り穴間隔の((2N+1)/2)倍(N:整数)とすることを特徴とする請求項1記載のドットラインプリンタ。
【請求項3】印字ハンマから前記送り穴センサまでの寸法、及び、印字ハンマから用紙終端センサまでの寸法を、(0.5N+1/4)インチ(N:整数)とすることを特徴とする請求項1記載のドットラインプリンタ。
【請求項4】送り穴センサ信号の周期を、紙送りの最小分解能で割った値を1周とするリングメモリをドットラインプリンタのメモリ内に設け、このメモリ上に用紙穴中心の想定位置、用紙終端検出の想定位置を設けることを特徴とする請求項1記載のドットラインプリンタ。
【請求項5】前記リングメモリの書き込みデータとして、用紙穴中心の想定位置あるいは用紙終端検出の想定位置からの位相ずれ量を数値的に重みを付けて、かつ位相の遅れ進みのビット情報と共に格納していることを特徴とする請求項4記載のドットラインプリンタ。
【請求項6】印刷開始時に、前記リングメモリの初期化、及び一定の逆改行を行った後、1ドットライン毎の順改行を繰り返し、用紙送り穴の始端が検出された時から、前記リングメモリへの書き込みを行うことを特徴とする請求項4、5記載のドットラインプリンタ。
【請求項7】前記のリングメモリの読出し値を、用紙終端が検出された時点で参照し、用紙残量を演算することを特徴とする請求項6記載のドットラインプリンタ。
【請求項8】前記リングメモリの読出しで、読出しアドレスにオフセット値を設けることを特徴とする請求項7記載のドットラインプリンタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続用紙に印字を行うドットラインプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続帳票に印字するインパクト方式の高速ドットラインプリンタにおいては、印字ハンマに対して用紙搬送の上流側に用紙終端検出器を配置し、連続帳票の用紙の終端を検出して、用紙の残量を把握して、それを基に印刷可能な範囲に印字していた。
【0003】この用紙残量への印刷処理方法はシステムにより異なっている。メインフレームシステムでは、連続帳票の最後の1頁を残して印刷する場合が多く、対してパソコンを主とするクライアントサーバシステムでは用紙終端まで印字する場合が多い。この違いは、次の理由による。
【0004】メインフレームシステムでは、多数行の改行を伴って高速に印字するドットラインプリンタの印字方法に合わせて、印字結果の保証を優先して、用紙終端のばたつき等により印刷品質の低下が生じる可能性のある最終頁の最終行という範囲への印字を避けた。
【0005】一方、パソコンを主とするクライアントサーバシステムでは、シリアルプリンタを利用する場合が多く、シリアルプリンタは低速な毎行改行の印刷・紙送りであったため、最終頁の最終行まで印刷結果を保証できた。また、用紙を一枚も無駄にしたくないというユーザの要求に応えていた。
【0006】しかしながら、近年の分散処理の高速化に伴い、クライアントサーバシステムにおいても高速なドットラインプリンタを利用して、最終頁の最終行まで印字したいという強い要求がある。また、オープンシステムにおいては、MS−DOSの時代からの多種のアプリケーションに対応する必要があり、頁管理のされていないユーザジョブを印刷することを要求される場合が増えている。
【0007】こうした要求に対し、比較的低速な毎行改行の印刷・紙送りを行うシリアルプリンタであれば、用紙終端検出器として市販品のアクチュエータ付きフォトインタラプタを用いて、比較的容易に上記した機能を実現できる。
【0008】これに対して、紙送り速度が15〜55インチ/秒以上の高速なドットラインプリンタにおいては、上記したアクチュエータ付きフォトインタラプタを使用することを想定すると、アクチュエータの動作時間は約20mS程度であるので、用紙終端の検出が遅れ、約0.3〜1.1インチずれて検出されてしまう。
【0009】この場合であっても、上位装置(コンピュータ等)からプリンタへコマンドにより頁指定がなされている場合であれば、プリンタは自身の頁長管理データと用紙終端検出器の検出タイミングとの照合を行い、用紙終端まで正確に印刷することが可能である。しかしながら、頁長指定をされないユーザジョブの場合は制御方法が極めて困難であった。
【0010】頁管理のされていないユーザジョブを印刷する課題に対し、従来は、印字ハンマに対し用紙搬送方向の上流側の10cm程度の位置に、反射式あるいは透過式の光学センサを用紙終端検出器として配置し、かつ、この検出器とは分離して用紙を押さえるアクチュエータを併置する方法がある。この方法により、用紙が用紙終端検出器を通過する際にアクチュエータの作動遅延の影響を受けることなく、瞬時に用紙残量を演算する方法が可能である。
【0011】しかし、上記の方法は、実用的な精度で用紙終端の検出が可能になるものの、次に示す欠点があった。
(1)用紙を装填する際、用紙の始端が、上記した用紙を押さえるアクチュエータに当たることがあり、用紙を装填しづらいことがある。
(2)耐磨耗性のあるアクチュエータを併置する必要があるために原価高となってしまう。
(3)印字ハンマは印字機構部に搭載されるのに対して、用紙終端検出器は一般に筐体によって支持される用紙ガイド部に搭載されるので、印字ハンマと用紙終端検出器との距離は、量産製品で数mmの比較的大きなばらつきが生じる。
(4)このばらつきを補正するために、操作パネル等から用紙残量を演算する際の補正値を設定することが不可欠であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速なドットラインプリンタにおいて、用紙終端の検出精度を高め、用紙の最終端まで適正な精度での印字を可能にすると共に、用紙装填時の容易さを損なうことなく、かつ低価格な装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明では、印字ハンマにより連続用紙に印字するドットラインプリンタで、前記印字ハンマの下流側に用紙の送り穴を検出する送り穴センサと、前記印字ハンマの上流側に用紙終端を検出する用紙終端センサとを設け、前記用紙終端センサの用紙終端検出信号を、送り穴センサの送り穴検出信号の位相に同期させて、印刷制御を行う演算処理部に取り込むことを特徴とする。
【0014】また、印字ハンマから前記送り穴センサまでの寸法と、印字ハンマから前記用紙終端センサまでの寸法とを、用紙の送り穴間隔の((2N+1)/2)倍(N:整数)とすることを特徴とする。
【0015】また、印字ハンマから前記送り穴センサまでの寸法、及び、印字ハンマから用紙終端センサまでの寸法を、(0.5N+1/4)インチ(N:整数)とすることを特徴とする。
【0016】また、送り穴センサ信号の周期を、紙送りの最小分解能で割った値を1周とするリングメモリをドットラインプリンタのメモリ内に設け、このメモリ上に用紙穴中心の想定位置、用紙終端検出の想定位置を設けることを特徴とする。
【0017】また、前記リングメモリの書き込みデータとして、用紙穴中心の想定位置あるいは用紙終端検出の想定位置からの位相ずれ量を数値的に重みを付けて、かつ位相の遅れ進みのビット情報と共に格納していることを特徴とする。
【0018】また、印刷開始時に、前記リングメモリの初期化、及び一定の逆改行を行った後、1ドットライン毎の順改行を繰り返し、用紙送り穴の始端が検出された時から、前記リングメモリへの書き込みを行うことを特徴とする。
【0019】また、前記のリングメモリの読出し値を、用紙終端が検出された時点で参照し、用紙残量を演算することを特徴とする。
【0020】更に、前記リングメモリの読出しで、読出しアドレスにオフセット値を設けることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明における第1の手段である用紙終端の把握について説明する。
【0022】ドットラインプリンタで、連続用紙の搬送方向の上流側から、用紙終端検出器、印字ハンマ(印刷機構部内にある)、トラクタ上の用紙送り穴検出器の順に、それぞれの間隔を0.5インチの整数倍+1/4インチとなるように位置決めして設置した。ここで、用紙送り穴検出器(一般には用紙走行センサと呼ばれる)は、トラクタ上の光学センサにより用紙送り穴を検出することによって、用紙が正常に送られていることを確認するものである。
【0023】図10を用いて、上記のように用紙終端検出器、印字ハンマ、用紙送り穴検出器の間隔をそれぞれ0.5インチの整数倍+1/4インチと位置決めをした理由を説明する。なお、以下の説明において、「ミシン目」とは「整数インチ長の用紙における頁間の繋ぎ目」をいい、「副ミシン目」とは「整数+0.5インチ長の用紙における頁間の繋ぎ目」をいう。
【0024】用紙送り穴は0.5インチ間隔であるので、頁の先頭位置と印字ハンマの最上段ピン位置(詳しくは、印字ハンマの用紙搬送下流側の最端のピン位置を指し、以下同じ)が一致する時に、用紙送り穴検出器は送り穴の中心を検出している状態となるので、直接、用紙送り穴検出器の信号を確認することによっても、プリンタは現在の凡その用紙の垂直位置(搬送方向位置)を知ることが出来る。すなわち、印字ハンマピン位置が、用紙にプレプリントされている1インチ間隔の罫線の直下か、あるいは0.5インチ間隔の罫線の直下かの、いずれかの位置にあることを知ることが出来る。従って、極めて簡単な論理制御方法を用いることが可能になるので、制御上好都合である。
【0025】また、印字ハンマの最上段ピン位置と用紙頁の先頭位置とが一致する時に、用紙終端検出器4も、用紙送り穴の中心を検出していることになる。別の位相の場合で表現すると、用紙終端検出器が用紙終端を検出した時には、印字ハンマの最上段ピン位置は、用紙送り穴の中心位置にあることになる。
【0026】このようにしているのは、用紙終端検出後の印字制御が複雑になるのを避けるためである。以下、このことを詳細に説明する。
【0027】まず、用紙長は0.5インチの整数倍が一般的である。そのため、仮に用紙長が3.5インチの場合について考える。
【0028】図10において、L2=3.5インチと設定して位置決めすると、印字ハンマの最上段ピン位置と用紙の頁間の繋ぎ目が一致する時に、用紙終端検出器は副ミシン目(用紙終端=用紙の頁間の繋ぎ目)の位置にあり、印字ハンマが用紙の先頭に位置するのと、用紙終端が検出されるのが同時になってしまう。こうなると、物理的な公差の違いによって、印字ハンマの最上段ピン位置が、用紙の先頭を跨ぐ前で用紙終端が検出される場合と、用紙の先頭を跨いだ後で検出される場合の2通りが生じる。そのため、印字制御上は、用紙終端を検出した時点で、用紙の残量が1頁の場合と2頁の場合の2通りが生じる。この場合、実際はどちらなのか判定するために、更なる制御を追加していく必要が生じ、不都合である。
【0029】故に、用紙終端検出器、印字ハンマ、用紙送り穴検出器の間隔をそれぞれ0.5インチの整数倍+1/4インチと位置決めした。
【0030】次に、第2の手段について説明する。
【0031】第1の手段のような配置及び位置関係を採用したことにより、用紙終端は用紙送り穴の間隔である0.5インチに同期して検出される。また、用紙終端が検出される可能性のある位相は、送り穴と次の送り穴が検出される中間位置である。
【0032】この2つの条件を電気的に実現するには、用紙送り穴間隔(0.5インチ)を1周として、紙送りの最小ピッチ(1/180インチ)を1カウントとするリングメモリを備え、用紙送り穴検出器と同期させて作動させれば良い。
【0033】リングメモリには、一例として次のようなデータを初期的に書き込めば良い。
(1)「用紙送り穴の中心」及び「用紙終端」のそれぞれの想定位置を示す数値情報(2)用紙終端の想定位置から垂直方向に進み量または遅れ量を示す数値情報(3)用紙終端が想定位置に対して進みまたは遅れ位相になるかを示すビット情報(4)初期的な書き込みが行われたかどうかを示すビット情報リングメモリの初期の書き込みタイミングは、オペレータが「印刷可」スイッチを押した後とするのが良い。プリンタが印刷可能状態に遷移する前に、自動的に用紙を一旦後退させて、その後で前進させることにより用紙送り穴とリングメモリの同期が取れるように初期値を書き込む。このようにしておき、多量の印字が行われて用紙終端検出器が用紙終端を検出した時点で、上記リングメモリの書き込み値を参照することにより、連続帳票の用紙終端位置を正確に演算することが出来る。
【0034】更に、本発明を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
【0035】図1において、用紙送り穴検出器1は左側のトラクタ2の下端に実装されている。その用紙送り穴検出器1から用紙搬送の上流側へL1=3+1/4インチの位置に、印字ハンマ3の最上段のハンマピンが位置する。また、その印字ハンマ3の最上段のハンマピンから用紙搬送の上流側へL2=3+1/4インチの位置に、用紙終端検出器4が位置する。
【0036】ここで正確を期すために、上記配置について補足説明をする。垂直位置の基準となるのは、印字ハンマ3の最上段のハンマピン位置であり、この位置が1インチ間隔の用紙の最上段部にある状態を基準としている。用紙送り穴検出器1の検出の中心点から印字ハンマ3の最上段のハンマピン位置までの距離が3+1/4インチである。また、用紙終端検出器4が用紙の終端を検出する位置から印字ハンマ3の最上段のハンマピン位置までの距離が3+1/4インチである。用紙送り穴検出器1及び用紙終端検出器4は、共に光学式のセンサである。
【0037】図11は、本発明の一例となる、マイクロプロセッサ5を含むプリンタ制御部のブロック図を示す。マイクロプロセッサ5は入力情報として、用紙送り穴検出器1と用紙終端検出器4のそれぞれの信号を波形整形器6,7を介して受信する。また、図示しないステッピングモータによる紙送り励磁相切替信号8を受信する。更に、マイクロプロセッサ5は入出力情報として、印刷可スイッチ9を搭載する操作パネル10とメモリ11とデータの交信を行う。メモリ11には別途説明する「リングメモリ」、「用紙残量レジスタ」、「読出し時のオフセット値」が格納されている。
【0038】図2は、メモリ11のリングメモリの構成を示す概念図である。リングメモリの1周は、0.5インチ=90カウントを1周としている。これは、ドットラインプリンタでは1/180インチの分解能が一般的であるので、0.5インチの用紙送り穴間隔に相当する90カウントを1周としたためである。
【0039】このリングメモリには、0.5インチ周期上での位相を示すアドレス情報として、「用紙穴中心の想定位置」、「用紙終端検出の想定位置」、「紙送りの現在位置」が管理されている。マイクロプロセッサ5の制御上は、「紙送りの現在位置」が通常のアドレスであり、図示しない紙送りモータの励磁相が1ステップ加算されると、紙送りの現在位置も1アドレス、図2の矢印の進行方向に進む。これに対して、「用紙穴中心の想定位置」と「用紙終端検出の想定位置」は相対的に1ステップ減算されることになる。
【0040】図3の上段のテーブルは、図2のリングメモリの具体的な書き込みデータを示している。b0〜b5ビットは、リングカウンタ上のどのアドレスが用紙送り穴中心の想定位置あるいは用紙終端の想定位置と対向しているかを示すものである(10進数で45は、2進数で6桁必要のためb0〜b5)。
【0041】十進数の「45」が用紙送り穴中心の想定位置を示し、「0」が用紙終端の想定位置を示している。これらの極値の間のアドレスのデータは、数値に重みを付けることにより、極値からの距離を示すようにしている。すなわち、用紙終端の想定位置である「0」を過ぎれば、順次「1」から「44」へと数値を増やしていき、用紙送り穴中心の想定位置「45」を過ぎれば順次「44」から「1」へと数値を減らしていく。
【0042】b6ビットは上記した2つの極値からの進み遅れを示すビットである。このビットは用紙穴中心の想定位置を過ぎると「0」となり、用紙終端検出の想定位置を過ぎると1となる。進みまたは遅れの位相については、b0〜b5だけでは判定できないが、このb6ビットにより知ることが出来る。
【0043】b7ビットは、電源投入後の電源リセット処理により「0」が書き込まれ、図4の説明で後述する初期書き込みの場合に、「1」が書き込まれる。
【0044】図3の下段のテーブルは、紙送りの現在位置に対して、実際に読み出すアドレスを増減する、いわゆるオフセット値を設けるレジスタ値である。このレジスタは電源投入後の電源リセット処理により、全ビットが「0」になるが、工場出荷時の調整及び実際のフィールドでの調整により数値を変更することが可能である。すなわち、b5〜b0は補正量を示し、b6はオフセットの極性を示す。b6が「0」の時はb5〜b0の補正量を加え、b6が「1」の時はb5〜b0の補正量を減じる。b7は任意の補正操作が行われた際に「1」となる。
【0045】図4は、リングメモリへの初期書き込みを示すメインのルーチンを示すフローチャートである。図11の印刷可スイッチ9が押されて、プリンタが印刷可能であると、図4のブロックbの「印刷可?」でYesの判定がなされ、ブロックc,dにより2インチの逆改行と0.5インチの順改行が行われる。この動作を行うのは、引き続いて行うリングメモリへの初期書き込みを行うための準備のためである。すなわち、リングメモリの初期書き込みにおいて1.5インチの順送りを確保するためである。
【0046】初期書き込みを行うために、ブロックeにおいて、1.5インチ(270ドット)の紙送りを計画する。実際のリングメモリへの初期書き込みは、ブロックhの関数(サブルーチン)で90ドットラインの改行を伴い実行する。270−90=180のドットライン送りをブロックf,g,i,j,fからなるループにより実行する。実際の紙送りにおいては、いつ用紙送り穴を用紙送り穴検出器が検出し始めるか分からないので、ブロックgにおいて用紙送り穴の始端が検出された後で、初めてブロックhの関数(サブルーチン)へ遷移する。
【0047】図5は、リングメモリの初期書き込みを示す関数(サブルーチン)である。ブロックb,e,hはリングメモリの1周分の書き込みを繰り返すための反復である。ブロックf,gは1ドットライン改行毎に図4のメインルーチンで管理するA値を減算するための反復である。ブロックcが具体的なリングメモリへの書き込み処理を示す。
【0048】この書き込み処理をビジュアルに示したのが図6である。図6において、紙送りにより用紙送り穴の始端が検出されると、用紙送り穴信号がHighになり、リングメモリに位相データとして十進数で「30」が、進み/遅れ位相としては「1」が、初期書き込みとしては「1」がそれぞれ書き込まれる。ここで、「30」から書き始めるのは、1インチ(180ドット)の中に用紙送り穴は2つ有り、かつ用紙送り穴の大きさは180/6=30ドット相当であること、および、用紙穴中心の想定位置を中心に±15ドットを穴検出部として書きこむためである。その後、順次位相データの重みを増していき、位相データが「45」になる時が、用紙穴中心の想定位置となる。ここで、進み/遅れ位相値を「0」に切り替えて書き込みを続けていく。
【0049】このようにして、用紙送り穴信号が検出される部分で位相データ値のピークが書き込まれる。この書き込みは引き続き行われて図7へと続く。図7においては位相データが順次重みを減らしていき、ついには「0」まで減少する。この位置が用紙終端検出の想定位置を示す。ここで、進み/遅れ位相ビットを「1」に切り替えて、順次位相データの重みを増しながら書き込みを続ける。この書き込みは都合90回行われた後で終了する。ここで説明した用紙終端の想定位置こそが、連続帳票の用紙終端が現れた場合に、用紙の終端を示す位置となる。
【0050】図8は実際にユーザジョブを印字している時に、連続帳票の終端が検出された時に印字を継続可能な用紙残量を検出するためのフローチャートである。
【0051】図8において、用紙が無くなる前の状態では、ブロックbまたはcのNo判定により、このフローチャートの機能が働くことはない。用紙が無くなると、ブロックb,cはどちらもYes判定となり、ブロックdでリングメモリ値をリードする。
【0052】この瞬間を示すのが図9の矢印で示すタイミングである。
【0053】図9においては、位相データn=「5」と、進み/遅れ値の「0」が読み取られる。
【0054】図8に戻り、進み遅れビットが「0」であるので、ブロックeではYes判定が行われ、ブロックf,gにより用紙残量が確定する。図9の場合は、n=「5」であるので、用紙残量値は585+5=590ドットラインとなる。(なお、「585」とは、3+1/4インチ=3×180+45=585である。)図9に示したように、実際の用紙の終端の検出は、用紙終端検出の想定位置より前に来ることが殆どである。これは、実際の動作において用紙終端が反ることにより早く検出されるためである。
【0055】なお、本発明では、ハンマと各センサ間を0.5インチの整数倍+1/4インチとして説明し、更に各数値は予め計算し、リングメモリに書き込まれたものを使用した。応用として、ハンマとセンサ間の距離を任意の値とする機構にしたり、用紙穴を検出した時点で用紙終端までの距離をドットライン量に換算するための演算を実行するような制御構成を取ることも可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、印字ハンマを垂直方向の基準位置にして、上下に配置される用紙送り穴検出器と用紙終端検出器までの間隔を工夫し、用紙終端の検出を用紙送り穴間隔(0.5インチ)に同期するようにしたので、用紙の残量の検出精度が飛躍的に向上して連続帳票の最終頁の最終行まで正確に印刷できるようになる。
【0057】また、機械式のアクチュエータを用いないので、用紙装填時に用紙の始端がアクチュエータに引っかかることがない。
【0058】更に、市販の標準的な光学センサを組み合せて用紙送り穴検出器と用紙終端検出器を構成できるので、低価格な用紙終端検出システムを構成可能となる。
【出願人】 【識別番号】302057199
【氏名又は名称】日立プリンティングソリューションズ株式会社
【住所又は居所】神奈川県海老名市下今泉810番地
【出願日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−341200(P2003−341200A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−150763(P2002−150763)