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【発明の名称】 画像形成動作制御方法、画像形成動作制御システム、画像形成動作制御装置、画像形成方法、画像形成装置、プログラム
【発明者】 【氏名】榊原 正義
【住所又は居所】神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロックス株式会社海老名事業所内

【要約】 【課題】ネットワーク印刷システムにおいて、親展印刷が指定されたとき、印刷物の親展性を担保しつつ、短時間で排紙可能にする。

【解決手段】親展印刷指定時には、その名宛人を特定する手段として通信端末90の識別子を設定する。印刷装置3は、印刷ジョブとともにこの端末識別子をクライアント端末2から受信し(P1)、この端末識別子を印刷ジョブに対応付けて親展印刷ジョブリストに格納する(P2)。その後、印刷装置3は、その通信端末90を検知すると、名宛人の操作なしに実施可能な処理については事前処理として、名宛人に対応する通信端末90を自動的に検知して自動実行するとともに、残りの後処理による出力指令だけは名宛人の介入により起動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御システムであって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信部と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末を示す無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得部と、前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末識別情報が、前記無線端末識別情報受信部が受信した前記無線端末識別情報と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブについて前記事前処理を前記画像形成装置に実行させるとともに前記後処理を保留させておき、前記後処理開始指示受付部が前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成装置に前記後処理を実行させる動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成動作制御システム。
【請求項2】 前記印刷ジョブの実行の処理手順としての前記事前処理および前記後処理の内容を設定する実行手順設定部を備え、前記動作制御部は、実行手順設定部により設定された処理手順に従って、前記前記事前処理および前記後処理印刷の実行を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項3】 前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブと、前記無線端末識別情報受信部が受信した前記無線端末の端末識別子とを対応付けて記憶する印刷ジョブ記憶部を備え、前記動作制御部は、前記印刷ジョブ記憶部に記憶されている前記無線端末の無線端末識別情報を参照して前記一致するか否かを判断するとともに、前記印刷ジョブ記憶部に記憶されている前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブの実行を許可することを特徴とする請求項1に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項4】 前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末の無線端末識別情報と一致する無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブが前記印刷ジョブ記憶部に記憶されていることを条件として、当該一致する無線端末識別情報を有する前記無線端末に、前記印刷ジョブの存在を通知する印刷ジョブ通知部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項5】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御システムであって、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信部と、複数種類の無線端末からの信号を受信することが可能であって、前記複数種類の無線端末のうちの何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を取得する無線端末識別情報取得部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末の種類および端末識別子が、前記無線端末識別情報受信部が受信した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブの実行を許可する動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成動作制御システム。
【請求項6】 前記印刷ジョブの実行の処理手順の内容を設定する実行手順設定部を備え、前記動作制御部は、実行手順設定部により設定された処理手順の内容に従って、前記印刷ジョブの実行を制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項7】 前記実行手順設定部は、前記複数種類の無線端末のそれぞれについて、前記印刷ジョブの実行の処理手順の内容を設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項8】 前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付部を備え、前記動作制御部は、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末の種類および端末識別子と一致する前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブであることを条件として、当該一致する印刷ジョブについて前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておき、前記後処理開始指示受付部が前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として、前記後処理を実行させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項9】 前記無線端末識別情報取得部が受信可能な無線端末の種類に関する情報である受信可能端末情報を前記クライアント端末に通知する受信可能端末情報通知部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項10】 前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブと、前記無線端末識別情報受信部が受信した前記無線端末の種類および端末識別子とを対応付けて記憶する印刷ジョブ記憶部を備え、前記動作制御部は、前記印刷ジョブ記憶部に記憶されている前記無線端末の無線端末識別情報を参照して前記一致するか否かを判断するとともに、前記印刷ジョブ記憶部に記憶されている前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブの実行を許可することを特徴とする請求項5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項11】 前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末の無線端末識別情報と一致する無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブが前記印刷ジョブ記憶部に記憶されていることを条件として、当該一致する無線端末識別情報を有する前記無線端末に、前記印刷ジョブの存在を通知する印刷ジョブ通知部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項12】 前記無線端末識別情報取得部は、前記通信端末から発せられた送信信号の受信レベルに基づいて、当該無線端末識別情報取得部と前記通信端末との距離を特定し、前記動作制御部は、前記無線端末識別情報取得部が特定した前記通信端末の距離に基づいて、前記画像形成装置に前記処理を実行させるべき印刷ジョブに対応する前記通信端末を決定することを特徴とする請求項1または5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項13】 前記無線端末識別情報取得部は、自身が取得した前記無線端末の種類と前記受信レベルとに基づいて前記距離を特定することを特徴とする請求項1または5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項14】 前記無線端末識別情報受信部は、前記クライアント端末から発せられた前記印刷ジョブと当該印刷ジョブに対応する前記無線端末識別情報とを含む印刷要求を受信し、この受信した印刷要求から、前記印刷物の受取人を特定するために使用される前記無線端末についての無線端末識別情報を抽出することを特徴とする請求項1または5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項15】 前記クライアント端末は前記無線端末としての機能を備えており、前記無線端末識別情報受信部は、前記印刷ジョブ受信部が受信する前記印刷ジョブを発した前記クライアント端末の端末識別情報を受信することで、前記印刷物の受取人を特定するために使用される前記無線端末についての無線端末識別情報を受信することを特徴とする請求項1または5に記載の画像形成動作制御システム。
【請求項16】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御装置であって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信部と、無線端末を示す無線端末識別情報に関する通知を前記画像形成装置から受け取る無線端末識別情報取得部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末識別情報が、前記無線端末識別情報受信部が受信した前記無線端末識別情報と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブについて前記画像形成装置に対して前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておく動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成動作制御装置。
【請求項17】 前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信部を備え、前記動作制御部は、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末の無線端末識別情報と一致する無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブが前記印刷ジョブ記憶部に記憶されていることを条件として、前記画像形成装置に前記印刷ジョブを送信するよう前記印刷ジョブ送信部を制御し且つ前記画像形成装置に対して前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておくことを特徴とする請求項16に記載の画像形成動作制御装置。
【請求項18】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを、画像形成動作制御装置からの指令に基づいて実行して印刷物を形成する画像形成装置であって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成部と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末を示す無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した無線端末識別情報を前記画像形成動作制御装置に通知する無線端末識別情報通知部と前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付部と、前記画像形成動作制御装置からの指令に基づいて前記画像形成部に前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留しておき、前記後処理開始指示受付部が前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成部に前記後処理を実行させる動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブに応じてデータサーバから配信された印刷データに基づいて印刷物を形成する画像形成装置であって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷データの配信を前記データサーバに要求して受信することを含む、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記データサーバから発せられた印刷データを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成部と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した無線端末識別情報を前記データサーバに通知する無線端末識別情報通知部と、前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付部と、前記無線端末識別情報取得部が前記無線端末識別情報を取得したことを条件として、当該無線端末識別情報に対応する印刷データについての前記事前処理を前記画像形成部に実行させるとともに前記後処理を保留しておき、前記後処理開始指示受付部が前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成部に前記後処理を実行させる動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御装置であって、前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信部と、無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報に関する通知を前記画像形成装置から受ける無線端末識別情報取得部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子が、前記無線端末識別情報受信部が受信した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブを実行させる動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成動作制御装置。
【請求項21】 前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部が受信した前記印刷ジョブを前記画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信部とを備え、前記動作制御部は、前記無線端末識別情報取得部が取得した前記無線端末の無線端末識別情報と一致する無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブが前記印刷ジョブ記憶部に記憶されていることを条件として、前記画像形成装置に前記印刷ジョブを送信するよう前記印刷ジョブ送信部を制御し且つ前記印刷ジョブを実行させることを特徴とする請求項20に記載の画像形成動作制御装置。
【請求項22】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを、画像形成動作制御装置からの指令に基づいて実行して印刷物を形成する画像形成装置であって、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成部と、複数種類の無線端末からの信号を受信することが可能であって、前記複数種類の無線端末のうちの何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を取得する無線端末識別情報取得部と、前記無線端末識別情報取得部が取得した無線端末識別情報を前記画像形成動作制御装置に通知する無線端末識別情報通知部と前記画像形成動作制御装置からの指令に基づいて前記画像形成部に前記印刷ジョブを実行させる動作制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御方法であって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信工程と、無線端末を示す無線端末識別情報に関する通知を前記画像形成装置から受ける無線端末識別情報取得工程と、前記無線端末識別情報取得工程にて取得した前記無線端末識別情報が、前記無線端末識別情報受信工程にて受信した前記無線端末識別情報と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信工程にて受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブについて前記画像形成装置に対して前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておく動作制御工程とを含むことを特徴とする画像形成動作制御方法。
【請求項24】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを、画像形成動作制御装置からの指令に基づいて実行して印刷物を形成する画像形成方法であって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信工程と、前記印刷ジョブ受信工程にて受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成工程と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末を示す無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得工程と、前記無線端末識別情報取得工程にて取得した無線端末識別情報を前記画像形成動作制御装置に通知する無線端末識別情報通知工程と前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付工程と、前記画像形成動作制御装置からの指令に基づいて前記画像形成工程に対して前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておく工程と、前記後処理開始指示受付工程にて前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成工程に対して前記後処理を実行させる工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項25】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブに応じてデータサーバから配信された印刷データに基づいて印刷物を形成する画像形成処理方法であって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷データの配信を前記データサーバに要求して受信することを含む、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、前記データサーバから発せられた印刷データを受信する印刷ジョブ受信工程と、前記印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成工程と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得工程と、前記無線端末識別情報取得工程にて取得した無線端末識別情報を前記データサーバに通知する無線端末識別情報通知工程と、前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付工程と、前記無線端末識別情報取得工程にて前記無線端末識別情報を取得したことを条件として、当該無線端末識別情報に対応する印刷データについての前記事前処理を前記画像形成部に実行させるとともに前記後処理を保留しておき、前記後処理開始指示受付工程にて前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成部に前記後処理を実行させる工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項26】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御方法であって、前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信工程と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を示す前記画像形成装置において取得された無線端末識別情報に関する通知を受ける無線端末識別情報取得工程と、前記無線端末識別情報取得工程にて取得した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子が、前記無線端末識別情報受信工程にて受信した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信工程にて受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブを実行させる動作制御工程とを含むことを特徴とする画像形成動作制御装置。
【請求項27】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを、画像形成動作制御装置からの指令に基づいて実行して印刷物を形成する画像形成方法であって、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信工程と、前記印刷ジョブ受信工程にて受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成工程と、複数種類の無線端末からの信号を受信することが可能であって、前記複数種類の無線端末のうちの何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を取得する無線端末識別情報取得工程と、前記無線端末識別情報取得工程にて取得した無線端末識別情報を前記画像形成動作制御装置に通知する無線端末識別情報通知工程と前記画像形成動作制御装置からの指令に基づいて前記画像形成工程に対して前記印刷ジョブを実行させる動作制御工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項28】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御処理をするためのプログラムであって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、コンピュータに、前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信手順と、無線端末を示す無線端末識別情報に関する通知を前記画像形成装置から受ける無線端末識別情報取得手順と、前記無線端末識別情報取得手順にて取得した前記無線端末識別情報が、前記無線端末識別情報受信手順にて受信した前記無線端末識別情報と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信手順にて受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブについて前記画像形成装置に対して前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておく動作制御手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項29】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを、画像形成動作制御装置からの指令に基づいて実行して印刷物を形成する画像形成処理をするためのプログラムであって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、コンピュータに、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手順と、前記印刷ジョブ受信手順にて受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成手順と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末を示す無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得手順と、前記無線端末識別情報取得手順にて取得した無線端末識別情報を前記画像形成動作制御装置に通知する無線端末識別情報通知手順と前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付手順と、前記画像形成動作制御装置からの指令に基づいて前記画像形成手順に対して前記事前処理を実行させるとともに前記後処理を保留させておく手順と、前記後処理開始指示受付手順にて前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成手順に対して前記後処理を実行させる手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項30】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブに応じてデータサーバから配信された印刷データに基づいて印刷物を形成する画像形成処理をするためのプログラムであって、前記印刷ジョブの実行の処理手順は、前記印刷データの配信を前記データサーバに要求して受信することを含む、前記印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものであり、コンピュータに、前記データサーバから発せられた印刷データを受信する印刷ジョブ受信手順と、前記印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成手順と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得手順と、前記無線端末識別情報取得手順にて取得した無線端末識別情報を前記データサーバに通知する無線端末識別情報通知手順と、前記後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付手順と、前記無線端末識別情報取得手順にて前記無線端末識別情報を取得したことを条件として、当該無線端末識別情報に対応する印刷データについての前記事前処理を前記画像形成部に実行させるとともに前記後処理を保留しておき、前記後処理開始指示受付手順にて前記後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として前記画像形成部に前記後処理を実行させる手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項31】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを画像形成装置において実行させて印刷物を形成させる画像形成動作制御処理をするためのプログラムであって、コンピュータに、前記印刷ジョブに基づく前記印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信手順と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を示す前記画像形成装置において取得された無線端末識別情報に関する通知を受ける無線端末識別情報取得手順と、前記無線端末識別情報取得手順にて取得した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子が、前記無線端末識別情報受信手順にて受信した前記無線端末識別情報により示される前記無線端末の種類および端末識別子と一致することを条件として、前記印刷ジョブ受信手順にて受信した前記印刷ジョブの内の、前記一致した前記無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブを実行させる動作制御手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項32】 通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブを、画像形成動作制御装置からの指令に基づいて実行して印刷物を形成する画像形成処理をするためのプログラムであって、コンピュータに、前記クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手順と、前記印刷ジョブ受信手順にて受信した印刷ジョブに基づいて前記印刷物を生成する画像形成手順と、複数種類の無線端末からの信号を受信することが可能であって、前記複数種類の無線端末のうちの何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を取得する無線端末識別情報取得手順と、前記無線端末識別情報取得手順にて取得した無線端末識別情報を前記画像形成動作制御装置に通知する無線端末識別情報通知手順と前記画像形成動作制御装置からの指令に基づいて前記画像形成手順に対して前記印刷ジョブを実行させる動作制御手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信網を介してクライアント端末より要求された印刷ジョブに基づき画像形成装置において印刷物を形成する画像形成方法や画像を形成させる画像形成動作制御方法および画像形成動作制御システム並びにこれらに使用される画像形成動作制御装置および画像形成装置、さらにプログラムに関する。より詳細には、親展印刷が指示された印刷ジョブについての印刷物の出力に関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワーク上のプリンタなど、複数の利用者で共用するプリンタを使用する際、他人に見られたくない機密文書や重要文書、私的文書など(以下「親展文書」という)を印刷する際に印刷結果を他人に見られないようにするための機密保持技術、あるいは印刷タイミングを指定するための出力タイミング指定技術などのため、ホストコンピュータまたはプリンタにパスワードを設定し、プリンタの操作パネルからパスワードとジョブ番号を入力するなど、所定のキー入力がされるまで画像形成動作を行なわないよう制御する、親展印刷などと称されるものがある(たとえば特開平10−235974号)。
【0003】しかしながら、この特開平10−235974号などによる方法にあっては、親展文書の印刷を行なうなど、画像形成動作を開始するためには、その都度、プリンタの操作パネルからパスワード(暗証番号)とジョブ番号を入力して対象となる文書情報を選択しなければならないため、その都度パスワードなどのキー入力をする手間がかかるばかりか、パスワードをいちいち覚えておかなければならず、利用者にとって不便であった。
【0004】この問題を解消する方法として、たとえば特開2001−219627号には、親展文書の印刷時に面倒なパスワード入力操作を行なうことなく、特定人宛ての機密性の高い印刷を行なう仕組みが提案されている。この特開2001−219627号に記載の方法では、親展印刷を行なう際に携帯端末の識別情報を印刷データに付加し、端末の接近を検知したら画像形成動作を開始するものである。そして、この特開2001−219627号に記述されているように、たとえば印刷データにPHS電話機の番号を付加し、プリンタ(画像形成装置)が備えるPHS電話機もしくは同等機能の通信装置が該当するPHS電話機と通信可能になったら画像形成動作を開始することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2001−219627号に記載の方法では、利用者の介入なく自動的に行われるため、利用者が意図に沿わない画像形成が行われる可能性がある。例えば、利用者が親展印刷の要求を忘れていたり、接近したプリンタが親展印刷の出力先の対象であると認知していなかったりする可能性がある。また、複数の店舗に展開する広域印刷サービスを利用した場合、ある店舗での出力を意図していないにもかかわらず偶然にプリンタ機能を有する複写装置に接近してしまったために画像形成が行なわれてしまう可能性がある。
【0006】このような場合、他人に文書を見られたくないという親展印刷本来の目的が達せられなかったり、他の装置で出力されてしまったため利用者が文書を入手できなくなってしまうといった不都合が生じてしまう。
【0007】また、前述の例のようにPHS電話機の番号により利用者(名宛人)の接近を判断する場合、プリンタにPHS電話機を備える必要があり、PHS電話機の利用用途が端末接近検知の他にない場合はPHS電話機の利用効率が悪く、結果として、親展印刷時の印刷装置の利便性が低下する。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、親展印刷本来の目的を確実に担保することができるとともに、親展印刷の出力操作の煩わしさを軽減することのできる画像形成動作制御方法および画像形成動作制御システムを提供することを目的とする。
【0009】また本発明は、親展印刷時の印刷装置の利便性を低下させることのない画像形成動作制御方法、画像形成方法、および画像形成動作制御システムを提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、本発明の画像形成動作制御方法およびシステムに使用される画像形成動作制御装置および画像形成装置を提供することを目的とする。また本発明は、画像形成動作制御方法、画像形成方法、およびシステムを、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る第1の画像形成動作制御方法および画像形成動作制御システムにおいては、先ず、印刷ジョブの実行の処理手順を、印刷物を出力する直前までの間の所定の前段階の処理である事前処理と、この事前処理以降の印刷出力までの処理である後処理とを含むものとする。そして、クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づく印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信部と、何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末を示す無線端末識別情報を取得する無線端末識別情報取得部と、後処理の開始の指示を受け付ける後処理開始指示受付部と、画像形成装置を制御する動作制御部とを設ける。
【0012】そして、動作制御部は、先ず、無線端末識別情報取得部が取得した無線端末識別情報が、無線端末識別情報受信部が受信した無線端末識別情報と一致することを条件として、印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブの内の、一致した無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブについて事前処理を画像形成装置に実行させるとともに後処理を保留させておく。次に、後処理開始指示受付部が後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として、動作制御部は、画像形成装置に後処理を実行させる。
【0013】本発明に係る第2の画像形成動作制御方法および画像形成動作制御システムにおいては、クライアント端末から発せられた印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブに基づく印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報を受信する無線端末識別情報受信部と、複数種類の無線端末からの信号を受信することが可能であって、複数種類の無線端末のうちの何れかの無線端末と無線通信して当該無線端末の種類および端末識別子を取得する無線端末識別情報取得部と、画像形成装置を制御する動作制御部とを設ける。
【0014】そして、動作制御部は、無線端末識別情報取得部が取得した無線端末の種類および端末識別子が、無線端末識別情報受信部が受信した無線端末識別情報により示される無線端末の種類および端末識別子と一致することを条件として、印刷ジョブ受信部が受信した印刷ジョブの内の、一致した無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブの実行を許可する。
【0015】また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像形成動作制御システムのさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係る画像形成動作制御装置および画像形成装置は、本発明に係る画像形成動作制御方法やシステムを実現するために好適なものである。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像形成動作制御方法やシステムを、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る画像形成動作制御システムの第1実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の画像形成動作制御システム1は、構内LAN(Local Area Network)に適用した事例である。図示するように、第1実施形態の画像形成動作制御システム1は、利用者が文書データの作成やインターネットなどへのアクセスのために使用するコンピュータであるクライアント端末2、オフィス内に設置されているネットワークプリンタ(ネットワーク印刷装置)(それぞれa,b,c,…,n;以下単にプリンタという)3、ネットワーク上でクライアント端末2に対して印刷装置3を共有するサービスを提供するコンピュータであるプリンタサーバ7を備えて構成されている。クライアント端末2、印刷装置3、およびプリンタサーバ7は、通信網9により相互に通信可能にネットワーク接続されている。なお、印刷装置3は、複写機の機能の一部に取り込まれたものであってもよい。
【0018】クライアント端末2は、通信網9に接続された印刷装置3に対して印刷要求(印刷ジョブ)を発する。なお、通信網9には、上記クライアント端末2以外の端末装置、および/または、上記印刷装置3以外の印刷装置が接続されていてもよい。たとえば、印刷ジョブを作成して送信する装置は、クライアント端末2に限定されるわけではなく、たとえば、ワークステーションであってもよい。また、印刷ジョブに基づいて印刷を行なう装置は、印刷装置3に限定されるわけではなく、たとえば、スキャナとプリンタの複合機であるデジタル複写機や、デジタルファクシミリ装置などであってもよい。
【0019】クライアント端末2としては、利用者a,b,c,…,nに対応してパソコンa,b,c,…,nが通信網9に接続されている。このクライアント端末2は、個人で使うコンピュータであり、パソコンなどの一般的なコンピュータと同様の基本的構成を有する。本実施形態では、利用者a,b,cが使用するクライアント端末2は据置型のパソコン、利用者nが使用するクライアント端末2は、ノート型のパソコンである。プリンタサーバ7も、クライアント端末2とほぼ同様の基本的構成を有する。
【0020】利用者は、クライアント端末2にて指令した印刷要求に対応する印刷物の受取人(名宛人)を特定する識別情報を送信する手段として、無線通信機能を備えた通信端末90を携帯する。通信端末90としては、たとえば携帯電話機91、PHS(Personal Handy-phone System) 電話機92、PDA(Personal DigitalAssistant;個人情報端末)93、あるいは無線通信インタフェースを備えたノートパソコン94などがある。たとえば携帯電話機91やPDA93には、近距離でかつ安価な接続を可能とする無線接続方法の一例であるブルートゥース規格に基づいて無線接続するために、ブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が設けられる。また、ノートパソコン94には、ネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれる。ノートパソコン94は、IEEE802.11b規格に基づく無線LANアダプタ(アクセスポイント)8を介して通信網9と接続される。なおノートパソコン94は、クライアント端末2用のパソコンnとしても機能する。
【0021】本実施形態では、利用者aは電話番号“090−000−0024”の携帯電話機91を持ち、利用者bは電話番号“070−000−0005”のPHS電話機92を持ち、利用者cはデバイスアドレス(ブルートゥースアドレス)“25:12:6F:24:78:12”(16進標記)のPDA93を持ち、利用者nはMACアドレス“12:35:05:8A:36:45”(16進標記)のノートパソコン94を持っている。
【0022】携帯電話機91やPHS電話機92は、一般に基地局からの呼出しがいつでも可能なように常に電話番号(識別情報)を送信して位置を知らせる機能を備えている。また、たとえば携帯電話機システムは、アナログ方式もしくはデジタル方式により電波を利用して、携帯電話機91から送信される音声やデータ(電話番号など)あるいは制御信号などを無線伝送する。
【0023】またPHS電話機92は、必要な設定を行なえば、PHS電話機92同士の間でトランシーバのように直接通話するいわゆるトランシーバ機能を利用することができる。また、PHSシステムは、デジタル方式により電波を利用して、PHS電話機92から送信される音声やデータ(電話番号など)あるいは制御信号などを無線伝送する。
【0024】図2は、画像形成動作制御システム1に使用されるクライアント端末2やプリンタサーバ7の詳細構成例を示すブロック図である。クライアント端末2やプリンタサーバ7は、CPU(Central Processing Unit )102、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)104、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)106、プログラムやデータを記憶するハードディスク装置108、フレキシブルディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型の記録媒体を読み取る媒体読取部110、文書データを生成したり画像データに各種の処理を施すデータ処理部112を備える。CPU102、ROM104、およびRAM106により中央制御部101が構成される。
【0025】またクライアント端末2やプリンタサーバ7は、文字や図形を表示する液晶(LCD)やCRT(陰極線管)などの表示部(ディスプレイ)114、表示部114に表示させるための画面データを生成する画面データ生成部115、キーボードやマウスなどの操作部116などを具備したユーザインタフェース部113、当該クライアント端末2を通信網9と接続するための通信インタフェース部118を備える。前記の各部の間で信号やり取りは、コントロールラインやデータラインなどのバスライン120を通してなされる。
【0026】クライアント端末2には、文書や図形などの画像データを生成するデータ処理部112としての機能のために、たとえば、文書や図形などのデータを生成するためのワープロソフトなどのアプリケーションプログラムが組み込まれる。またクライアント端末2には、クライアント端末2の全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や印刷装置3を制御するためのソフトウェアであるプリンタドライバが組み込まれる。プリンタドライバは、アプリケーションプログラムにて生成された文書データを印刷装置3にて処理可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language )により表された印刷データにするためのソフトウェアである。これにより、クライアント端末2は、プログラムに基づきソフトウェア的に印刷データ(印刷ジョブ)を作成して印刷装置3またはプリンタサーバ7に送信する。
【0027】たとえば、利用者は、文書作成アプリケーションを使って作成・編集した文書(画像や図形なども含む)を印刷する場合、プリンタドライバを使って、印刷装置3に搭載されている印刷機能の中から所望の印刷条件(たとえば、用紙サイズ、枚数、モノクロ/カラー、両面/片面など)を設定する。そうすると、プリンタドライバは、設定された印刷条件に基づいて印刷ジョブを作成する。すなわち、クライアント端末2内に組み込まれているアプリケーションプログラムから、イメージ描画命令、グラフィック描画命令、フォント描画命令などの命令種別を持った描画命令が順次プリンタドライバに入力され、プリンタドライバは描画命令を印刷装置3が理解可能なプリント命令に変換して印刷装置3に直接に、あるいはプリンタサーバ7に出力する。
【0028】印刷ジョブは、印刷すべき内容(文書データ)と印刷条件などから構成されている。この時、文書データは、通常、ページ記述言語(PDL)で記述される。作成された印刷ジョブは、クライアント端末2から、通信網9を通じて、指定された送信先、すなわち、印刷装置3またはプリンタサーバ7に送信される。
【0029】プリンタサーバ7は、クライアント端末2から送信された印刷ジョブを、RAM106やハードディスク装置108に一旦蓄積する。そして、所望のときにその印刷ジョブを印刷装置3に配信する。これにより、印刷装置3は、クライアント端末2やプリンタサーバ7から受け取ったプリント命令に従って、用紙に画像を印刷(画像出力)することができるようになる。
【0030】ここで、第1実施形態では、利用者は、他人に見られたくない親展文書を印刷したい場合、プリンタドライバの印刷条件設定画面上で自分が使用する通信端末90の電話番号や通信部のアドレス(ネットワークアドレスやハードウェア識別子)を名宛人として入力することにより、任意の印刷装置3に対して親展印刷の機能を指定することができる。ここで親展印刷とは、印刷文書の受取人を指定した、機密保持性を持った印刷方式のことである。
【0031】たとえば、受取人を示す情報を送信する端末として通信端末90を利用し、印刷ジョブに与えられた通信端末90の電話番号や通信部のアドレスと印刷装置3に接近した通信端末90の電話番号や通信部のアドレスとを照合してから当該印刷ジョブに基づく印刷をすることで、機密保持性を持った親展印刷を実現する。
【0032】この場合、クライアント端末2から親展印刷の印刷ジョブ(以下親展印刷ジョブという)を送信した利用者は、通信端末90を使い、自分の通信端末90を持って親展印刷ジョブの送信先である印刷装置3に接近するだけで、自分宛ての親展文書の印刷物を他人に見られずに入手する(受け取る)ことができる。勿論、自分以外の特定人を名宛人としたい場合は、その特定人の通信端末90の電話番号や通信部のアドレスを入力して親展印刷を指定すればよい。
【0033】なお、利用者が所有する通信端末90が印刷装置3に接近したことの検知は、通信端末90から発せられる電波を監視して、その端末種類と端末識別子とを取得することで実現する。たとえばPHS電話機92であればPHS電話機92のトランシーバ機能を使うとよい。また携帯電話機91やPDA93あるいはノートパソコン94の場合には、それらが送出する無線信号の電波レベルを監視することで何れかが印刷装置3に接近したことを認識し、その後、PDA93やノートパソコン94の通信部に設定されているネットワークアドレスやハードウェア識別子(MACアドレスやデバイスアドレス)を確認するようにすればよい。
【0034】また携帯電話機91の場合には、位置情報サービスを利用して、印刷装置3に近づいた携帯電話機91の電話番号の通知を受けるようにしてもよい。この方法は、PHS電話機92にも利用できる。基地局と携帯電話機91などとの電波環境から特定された位置情報に基づく端末情報ではなく、より精度のよい情報を得るため、携帯電話機91やPHS電話機92にGPS機能を持たせ、それらを組み合わせた検索によりたとえば数10m以内の精度で位置が特定された端末情報を利用するのがよい。
【0035】図3は、画像形成動作制御システム1に使用されるクライアント端末2の表示部114に表示される端末情報設定画面の一例を示す図である。ここでは、ユーザインタフェース部113の表示部114および操作部116が、タッチパネルで構成されている例で示している。なお、「端末情報設定画面」とは、パソコン2にて親展印刷を指定したとき、その受取人(名宛人)を示す通信端末90、つまり、印刷装置3にて検知すべき端末の情報を指定するための画面である。名宛人は、自分に限らず、親展印刷ジョブの印刷物を受け取るものであればよく、自分以外の特定人を名宛人として指定してもよい。
【0036】図3に示す端末情報設定画面には、親展印刷の受取人を示す情報を送信する端末としての通信端末90の種類を選択指定するための「通信手段」の表示領域230と、この「通信手段」の表示領域230にて選択した通信端末90の識別子情報を入力するための「端末ID」の表示領域236と、端末登録を確定させるためのボタン(確定ボタン)238と、端末登録を確定させないためのボタン(キャンセルボタン)239とが用意されている。「通信手段」の表示領域230には、たとえば、通信端末90として使用される候補を示す選択ボタンが用意される。図示した例では、「無線LAN」ボタン231、「ブルートゥース」ボタン232、「PHS電話機」ボタン233、「携帯電話機」ボタン234が用意されている。
【0037】利用者は、「通信手段」の表示領域230に表示された選択ボタンの中の、所望の選択ボタンにタッチする(押下する)ことで、親展印刷の受取人が所有する通信端末90の種類を指定する。すると、選択されたボタンがフラッシュアップ(強調表示)する。図示した例は、「無線LAN」ボタンが反転表示により強調表示されており、無線LAN方式の通信端末90が選択されている。
【0038】また利用者は、「端末ID」の表示領域236の端末ID入力欄237に、「通信手段」の表示領域230で選択した通信端末90の識別子情報を入力する。たとえば、「PHS電話機」ボタン233や「携帯電話機」ボタン234を選択したときには携帯電話機91やPHS電話機92の電話番号を、「無線LAN」ボタン231や「ブルートゥース」ボタン232を選択したときには、PDA93やノートパソコン94のアドレス番号を、それぞれ入力欄237に入力する。
【0039】そして、設定に間違いがなければ、確定ボタン238にタッチすることで端末登録を確定させることができ、設定を修正するのであれば、キャンセルボタン239にタッチすることで、通信手段の選択や端末ID入力をクリアすることができる。
【0040】名宛人として自分を指定する場合には、利用者は自身が使用する通信端末90を特定する識別子(電話番号やアドレス)を指定する。たとえば、ノートパソコン94をクライアント端末2および通信端末90とする利用者nの場合、通信端末90としてノートパソコン94を指定することになるので、入力する端末の識別子情報は、本画面が表示されているノートパソコン94の端末識別子そのものである。これに対して、携帯電話機91,PHS電話機92、およびPDA93を通信端末90として利用する利用者a,b,cは、据置型のパソコンをクライアント端末2として利用するので、その端末識別子ではなく、それぞれが通信端末90として使用する端末識別子を入力する。
【0041】なお、この端末情報設定画面は、親展印刷ジョブの出力先として指定された印刷装置3が適用可能な通信端末90に応じたものであることが望ましく、クライアント端末2にて勝手に生成するのではなく、印刷装置3からの情報に従って画面を出力することが望ましい。これは、たとえば通信端末90としてPHS電話機92を指定したにも拘わらず、印刷装置3はPHS電話機92用の受信機能を備えていない場合には、通信端末90を自動検知することができないので、親展印刷ジョブの印刷出力を実行させることができない、あるいは名宛人である利用者が印刷装置3を操作して親展印刷ジョブを指定してから出力指示を発する必要があるなど、効率が悪くなるからである。
【0042】この場合、クライアント端末2から親展印刷指示を受けた印刷装置3にて自身が適用可能な通信端末90の種類に応じた画面データを生成し、クライアント端末2に応答する形態であってもよい。あるいは、クライアント端末2から親展印刷指示を受けた印刷装置3は、自身が適用可能な通信端末90の種類の情報のみをクライアント端末2に応答し、クライアント端末2の画面データ生成部115にて、その応答情報に応じた画面データを生成するようにしてもよい。
【0043】さらにこの場合、印刷装置3からの応答に基づいて出力された画面で、利用者が使用しようとした通信端末90の種類が選択不可能になっていたときには、その利用者が使用し得る他の種類の通信端末90を指定するか、あるいは利用者の端末で利用可能な印刷装置を選択するなどすればよい。
【0044】図4は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1に使用される印刷装置3の詳細例を示すブロック図である。この印刷装置3は、通信網9を介してクライアント端末2やプリンタサーバ7から受け取った画像(印刷データ)を記録用紙上に印刷出力する。
【0045】図示するように、この印刷装置3は、印刷装置3内の各部の動作全体を制御する主制御部30と、通信網9に接続された外部の機器つまりクライアント端末2やプリンタサーバ7との間の通信機能をなす通信部32とを有する。この通信部32は、有線もしくは無線により通信網9に接続するためのネットワークインターフェース機構が組み込まれる。
【0046】また印刷装置3は、利用者が所望する印刷データ(たとえば親展印刷が指定された印刷ジョブ)の情報を入力するためのユーザインタフェース部33を有する。たとえばユーザインタフェース部33は、テンキーやカーソル移動キーなどの種々のキーやボタンなどを有するキー操作部33aと、LCDや有機ELなどの表示デバイスを備えた表示部33bとを有する。タッチパネルなど、キー操作部33aと表示部33bとを兼ねる構成としてもよい。
【0047】さらに印刷装置3は、通信部32を介してクライアント端末2やプリンタサーバ7から送信された印刷要求(印刷ジョブ)を受信する印刷データ受信部34と、印刷データ受信部34が受信した印刷要求を解析し、親展印刷である場合は印刷ジョブ(印刷データも含む)を保持する印刷データ管理部35とを備える。印刷データ受信部34には、通信網9に接続されているクライアント端末2やプリンタサーバ7から送られて来る印刷ジョブを一時的に格納する図示しないRAMが設けられる。
【0048】印刷データ受信部34は、クライアント端末2やプリンタサーバ7から発せられた印刷ジョブと当該印刷ジョブに対応する無線端末識別情報とを含む印刷要求を受信し、この受信した印刷要求から、印刷ジョブを抽出することで印刷ジョブを受け取る印刷ジョブ受信部34aと、クライアント端末2やプリンタサーバ7から発せられた前記印刷要求を受信し、この受信した印刷要求から、印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末についての無線端末識別情報を抽出することで無線端末識別情報を受け取る無線端末識別情報受信部34bとを有する。つまり、端末種類や端末識別情報は利用者により印刷要求に含める構成として、無線端末識別情報受信部34bは、その印刷要求から、端末種類や端末識別情報を取り出す。
【0049】また、印刷装置3は、ページ記述言語で記述された印刷データを受け取り、この印刷データを解析して印刷データに対してプリント出力用の所定の処理をすることでビットマップ展開された画像形成用データを生成する印刷処理部36と、印刷処理部34が生成した画像形成用データに基づいて、印刷ジョブで示される印刷条件に従って画像を形成する(印刷用紙に印字する)データ印刷部36とを有するラスタースキャンベースのプリントエンジンを備える。印刷処理部36およびデータ印刷部37により画像形成部38が構成される。
【0050】データ印刷部37は、光ビームを発するレーザ光源と、印刷処理部36から出力された画像形成用データに従ってレーザ光源を制御すなわち変調するレーザ駆動部と、レーザ光源から発せられた光ビームを感光性部材(感光体ドラム)に向けて反射させるポリゴンミラー(回転多面鏡)などを備える(何れも図示を割愛する)。すなわちデータ印刷部37は、電子写真方式を利用した印刷処理を実行する。
【0051】印刷処理部36は、画像データに対して、周知技術に従って、複数好ましくは3つもしくは4つの分解色を表すデータを生成しレンダリング(ラスタデータに展開)する。たとえばデジタルデータが表すYCrCb表色系から最低3つ(好ましくは4つ)、たとえばCMY表色系あるいはCMYK表色系へのマッピングをし、プリント出力用に色分解されたラスタデータ(イメージデータ)を生成する。
【0052】また印刷処理部36は、このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去(UCR)、あるいは減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換(GCR)をする。さらにプリント出力処理部は、出力データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をすることもある。
【0053】データ印刷部37は、レーザ光源が発生する光ビームをポリゴンミラー上の複数の面で反射させて感光性部材を露光し、スキャン走査によって感光性部材上に潜像を形成する。潜像が形成されると、当該技術分野で公知の多数の方法のうち任意の方法に従って像を現像し、カラー画像を可視像として所定の媒体に転写して印刷物として出力する。
【0054】また、印刷装置3は、利用者が携帯する通信端末90で使用される特定の周波数帯(たとえばPHS電話機92のトランシーバ機能で使用される周波数帯)の電波を受信する無線通信部41および当該無線通信部41が受信した受信信号に基づいて、印刷装置3が通信可能な通信端末90の有無を検知するユーザ端末検知部42とを具備した無線端末識別情報取得部40と、無線端末識別情報取得部40(詳しくは無線通信部41)が受信可能な無線端末90の種類に関する情報である受信可能端末情報を通信部32を介してクライアント端末2に通知する受信可能端末情報通知部43とを備える。
【0055】無線通信部41は、印刷データ管理部35に保持される親展印刷ジョブを実行させるための受取人を確定する手段としての通信端末90に対応するように、各通信端末90からの電波信号を受信するための格別の無線通信部41a,40b,40c,40nを備える。ユーザ端末検知部42は、無線通信部41a,40b,40c,40nごとに通信可能な端末の有無を検知する。
【0056】各無線通信部41a,40b,40c,40nは、たとえば、アンテナで受信された信号を増幅器で適当な大きさに増幅し、ノイズフィルタで一定の大きさ以下をカットした後ユーザ端末検知部42に渡す。よって、通信端末90からの信号(たとえば電話番号データ)を受信する場合は、通信端末90の出力が一定であるため、増幅器の利得を変更することで、受信した電波の強度が一定の閾値以下の信号をノイズフィルタでカットすることができる。
【0057】ユーザ端末検知部42は、受け取った信号を復調器で復調して、必要な信号の出力を得る。このとき、受信電波の強度は、通信端末90と印刷装置3(の無線通信部41)との位置関係で決まる。両者の位置が遠くなるほど受信電波の強度は低下する。たとえば、1m先のPHS電話機92から送信された電波が印刷装置3に10mWの強度で届いた場合、2m先では、2.5mW(=10mW÷2^2;^はべき乗を示す)になる。したがって、2.5mW以下の受信電波がノイズフィルタでカットされるように増幅器の利得を決めれば、PHS電話機92用の無線通信部41bは、2m以内に接近したPHS電話機92からの電波しか受信しないことになる。無線通信部41が通信端末90の電波を受信したら、ユーザ端末検知部42は、トランシーバ機能を使うことで、相手の電話番号を特定する。
【0058】このように、印刷装置3は、自分の近くに存在する通信端末90からの電波のみを受信することができ、通信端末90が接近したこと、あるいはその通信端末90の電話番号やアドレスを知ることができる。なお、無線通信部41は、基本的には受信機能を有するだけでよいが、送受信機能を設けて通信端末90と双方向通信をすることができるようにしてもよい。後述する親展印刷通知部45は、この機能を利用する一形態である。
【0059】さらに印刷装置3は、ユーザ端末検知部42が特定した通信可能な端末情報および印刷データ管理部35に保持されている親展印刷ジョブに示される端末種類および端末識別子とに基づいて接近した通信端末90に関する親展印刷データを印刷データ管理部35に保持しているかどうかを判定し、この判定結果に基づいて画像形成部38の動作を制御する画像形成動作制御部44と、ユーザ端末検知部42が特定した通信可能な端末情報および印刷データ管理部35に保持されている親展印刷ジョブに示される端末識別子とに基づいて接近した通信端末90に関する親展印刷データを印刷データ管理部35に保持しているかどうかを判定し、ユーザ端末検知部42が特定した通信可能な通信端末90に対して親展印刷データが印刷データ管理部35に保持されている旨を通知する(当然に保持されている場合に限る)親展印刷通知部45とを備える。なお、画像形成動作制御部44および親展印刷通知部45は、接近した通信端末90に関する親展印刷データを印刷データ管理部35に保持しているかどうかを判定する機能部分を共用してもよい。
【0060】たとえば、画像形成動作制御部44は、印刷データ管理部35で保持している親展印刷ジョブリストに登録されている何れかの印刷ジョブに対応する通信端末90との通信が可能となった際に、印刷処理部36やデータ印刷部37に対してその印刷ジョブ(親展印刷ジョブ)について所定の事前処理を行なうよう制御する。そして、その後に、ユーザインタフェース部33を介して、その親展印刷の名宛人から出力の指令を受けると、事前処理後の処理である後処理をするよう印刷処理部36やデータ印刷部37を制御する。つまり、ユーザインタフェース部33は、本発明に係る後処理開始指示受付部としての機能も有する。
【0061】また、本実施形態の画像形成動作制御部44は、ユーザインタフェース部33で設定される設定事項が画像形成動作制御部44に通知されるように構成されており、これにより通信端末90を検知した無線通信部41(詳しくはユーザ端末検知部42)に応じて画像形成動作制御部44で実行される動作(処理内容)を設定する手段として、ユーザインタフェース部33が機能するように構成されている。印刷装置3の管理者は、画像形成動作制御部44がどのような作用をするかを設定することができる。なお、設定された処理内容は、図示しないRAMに格納(登録)する。
【0062】たとえば、本実施形態の画像形成部38は、電子写真方式を利用したラスタースキャンベースのプリントエンジンを備えており、事前処理として、印刷処理部36における動作すなわちPDLデータからのイメージデータの生成処理、あるいはウォームアップ動作など、データ印刷部37における処理の前段階までの処理すなわち印刷物を出力する直前までの処理を実行する。
【0063】ここで、「ウォームアップ動作」としては、たとえば転写ユニットの定着部の温度を下げて消費電力を少なくする省電力モードが設定されているときに、この省電力モードからの解除動作すなわち定着部の温度を所定温度に上げる動作などがある。
【0064】また、「省電力モード」は、たとえば節電ボタンの押下により操作パネルや制御回路への給電停止されること、特に利用者から見た場合の操作パネルの消灯がある。なお、省電力モードに関わる処理は広範かついくつかのレベルがあるが、省電力とウォームアップを分けて記載しました。
【0065】また事前処理(セットアップ動作)の他の具体例としては、空回転動作、ポリゴンミラーの回転なども含まれる。イメージデータ形成に関わるものには、URLに相当するWebページのデータ取得、また広域サービス型においては印刷データの取得などがある。
【0066】第1実施形態の画像形成動作制御システム1においては、親展印刷を行なう場合において、クライアント端末2で作成された親展印刷の印刷ジョブ(親展印刷ジョブ)を指定された特定の印刷装置3に送信し、その印刷装置3で通信端末90の電話番号やアドレスが受信されたとき、その印刷装置3で、受信した電話番号やアドレスと親展印刷で指定された電話番号やアドレスとを比較して、両者が一致する場合に当該親展印刷ジョブに基づく印刷を実行するために、先ず画像形成部38における印刷出力のための初期動作を起動させ、その後利用者から指定されたときに、その親展印刷ジョブの印刷物を出力するように構成されている。
【0067】このため、印刷データ管理部35による、印刷ジョブを管理するジョブ管理ユーティリティは、未処理未実行の印刷ジョブが一時格納される通常の印刷ジョブリストに加えて、親展印刷が指定された印刷ジョブを一時的に格納する親展ジョブリストを有する。印刷ジョブリストおよび親展ジョブリストは、図示しないRAMに保管する。
【0068】印刷データ管理部35に保持されている親展印刷ジョブの画像形成開始の指示、すなわち利用者からの親展印刷出力要求は、印刷装置3が備える入力手段としてのユーザインタフェース部33を通して行なう。つまり、ユーザインタフェース部33は、印刷装置3に保持されている印刷データの画像形成開始の指示を受け付ける手段として機能する。利用者が入力する出力要求には、必要に応じて、利用者の暗証番号や印刷すべき親展印刷のジョブ番号を確定させるための情報が含まれる。なお、利用者からの出力要求をユーザインタフェース部33を介さない別の手段(たとえば携帯電話での指定)にて受け付ける構成としてもよい。
【0069】なお、親展印刷出力要求に際して、利用者の暗証番号や印刷すべき親展印刷のジョブ番号を確定させるための情報を必要とするのは、印刷装置3に接近している通信端末90が複数存在する場合の対処のためである。たとえば、印刷装置3に接近している通信端末90が1つしかない場合には、その接近した通信端末90とこの通信端末90に対応する親展印刷ジョブとを自動的に特定することで、親展文書の印刷を行なう都度に印刷装置3のユーザインタフェース部33からパスワードやジョブ番号を入力する必要のない、ユーザにとって不便を与える虞れのない仕組みとすることができる。なお、複数のジョブがある場合(特に後述する広域サービス型では)、すべてをその場で印刷したいとは限らないので、印刷すべきジョブの選択操作を残すようにする。これに対して、印刷装置3の近傍にある通信端末90が複数存在する場合には、他人の端末との誤認識を生じることなく、何れの通信端末90に対応する親展印刷の印刷ジョブを出力すべきかを特定する必要があるからである。
【0070】なお、接近した通信端末90に関する親展印刷データを印刷データ管理部35に保持していることを検知すると、親展印刷通知部45は、このことをその通信端末90の利用者に通知する。たとえば、印刷装置3単体では、ユーザインタフェース部33の表示部33bに表示したり、あるいはブザーを鳴らすなどの方法を採る。あるいは、通信端末90として携帯電話機91やPHS電話機92が特定されると、無線通信部41を介して、ユーザ宛てに発呼する、またはその通信端末90に対してプッシュ型の情報配信が可能である場合には、直接通知を行なう方法を採ってもよい。
【0071】また、通信端末90がユーザインタフェースを表示可能な構成である場合には、印刷要求実行画面を通信端末90に表示させることで暗証入力などの操作を軽減することもできる。たとえば、無線LANやブルートゥースで接続してTCP/IP通信が可能な場合、Web形式の操作画面を印刷装置3が提供し、利用者端末上のWebブラウザでユーザ・インタフェース表示することが可能になる。ここで接続されている端末の情報に基づいて、関連する印刷ジョブのみを当該端末に表示することで暗証入力が不要になる。たとえば、HTTPリクエストで利用者端末のIPアドレス情報を取得し、相当するMACアドレスやブルートゥースデバイスアドレスを特定することで、当該端末に関する印刷ジョブを選択表示という処理をすればよい。
【0072】図5は、印刷装置3にて無線端末を検知した際の処理内容を設定するための画面の一例を示す図である。印刷装置3の管理者は、ユーザインターフェース部33の表示部33bに表示されたこの画面上にて、画像形成動作制御部44がどのような作用をするかを事前に設定することができる。
【0073】端末の種類ごとに検知時の動作を設定しておき、利用者端末を検知した場合、画像形成動作制御部44は、この設定を参照して印刷装置3の動作を制御する。たとえば、比較的遠距離で検知可能な無線端末については検知後出力指示までの時間がかかり(通り過ぎただけで指示されない場合もあり)、その間に他の利用者の処理が行なわれる可能性も高いため、その利用者のジョブ特有でない処理(ウォームアップなど)のみを実行する。一方、比較的近距離で検知される無線端末では検知後出力指示までの時間が余りかからず、検知後に他の利用者の処理が行なわれる可能性も低いため、検知した端末についての利用者のジョブ特有の処理(イメージデータの作成など)までを実行する。
【0074】ここで、比較的遠距離か、近距離かの判定基準を数メートルとすると、MACアドレス利用機器(無線LAN)は遠距離、ブルートゥースアドレス利用機器(携帯電話機91やPDA93)は近距離、PHS電話機92はユーザ端末検知部42の感度設定に応じて遠近いずれかを設定する。設定については、設定可能な動作項目を図5に示すようなメニューとして表示して選択する形式とするのがよい。
【0075】図6は、親展ジョブリストの構成の一例を示す図である。この親展ジョブリストは、図6に示すように、親展印刷で指定された通信端末90の電話番号(携帯電話番号やPHS電話番号)あるいは通信部に設定されている識別子(MACアドレスやデバイスアドレス)と、受信した印刷ジョブに対して、たとえば受付順に印刷装置3が自動的に付与する印刷ジョブ番号との対応関係を示す一覧表の形式で作成される。
【0076】また、保持される親展印刷ジョブを実行させるための受取人を確定する手段としての通信端末90に対して、その種別ごとに端末識別子(たとえば電話番号やアドレス)を対応付けて管理する。これは、種別ごとに識別子のフォーマットが異なるので、先ず種別を判定し、端末種別に応じた端末識別子の判定方法を適用するためである。また、端末種別(通信手段)ごとに管理することで、利用者端末として1台も登録されていない通信手段に対しては端末検知処理を省略することができる。この場合、図6(A)に示すように、通信端末90の種類に応じて欄分けしてその端末識別子を管理する方法、あるいは図6(B)に示すように、一括の種別欄と端末識別子欄とで管理する方法など、通信端末90に対しての種別ごとに端末識別子を対応付けて管理するものである限り、どのような形態の管理テーブルを使用してもよい。
【0077】なお、図では、携帯電話機91とPHS電話機92とには、異なる番号体系の電話番号が付与されるものとして記載しているので、両者の電話番号を纏めて1つの系列にした一覧表にすることもできる。ただし、両者に同じ番号体系が付与される場合には、その種別ごとに電話番号を対応付けて管理するのはいうまでもない。
【0078】この親展ジョブリストによれば、たとえば、図6の例において、利用者aの携帯電話番号“090−000−0024”に対して印刷ジョブ番号“103”の印刷ジョブが実行され、利用者bのPHS電話番号“070−000−0005”に対して印刷ジョブ番号“101”の印刷ジョブが実行され、利用者cのデバイスアドレス“25:12:6F:24:78:12”に対して印刷ジョブ番号“130”の印刷ジョブが実行され、利用者nのMACアドレス“12:35:05:8A:36:45”に対して印刷ジョブ番号“110”の印刷ジョブが実行されることがわかる。すなわち、かかる親展ジョブリストを作成することにより、各通信端末90の電話番号やアドレスを照合して実行すべき印刷ジョブを抽出する作業を、容易に行なうことができる。
【0079】また、親展印刷時において利用者の接近を検知すると画像形成を行なうための初期動作が自動的に実行されるため、利用者が印刷出力を行なう際の待ち時間を短縮することができる。
【0080】また、保持された親展印刷ジョブを印刷装置3にて実行させるための受取人を確定する手段としての端末情報、つまり利用者の印刷装置3への接近を検知するための手段として、PHS電話機92だけでなく、携帯電話機91、PDA93、あるいはノートパソコン94というように、複数種を使用できるようにしたので利便性が高い。たとえばPHS電話機92用の無線通信部41が設置されていない印刷装置3であっても無線LANやブルートゥースなど、通信端末90の種別に応じた無線通信部41を設けることで、携帯電話機91、PDA93、あるいはノートパソコン94などを指定することができる。
【0081】なお本例では、親展ジョブリストを通信端末90の電話番号やアドレスと印刷ジョブ番号の一覧表の形式で示しているが、これに限定されるわけではない。親展ジョブリストは、親展印刷ジョブに係る印刷物の受取人と親展印刷ジョブとの対応関係を示すよう両者を関連付けるものであれば、どのような形式であってもよい。勿論、通信端末90は、印刷物の受取人が印刷装置3に接近したことを特定する手段として利用されるものの一例であり、印刷物の受取人を特定する手段は、これに限らない。たとえば受取人を特定する信号を発する他の形態の発信器を利用してもよい。たとえばイエローチップやファンライドチップなどを利用することもできる。
【0082】図7は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1における処理手順の第1例を示すフローチャートである。ここでは、パソコン2から印刷装置3に対して印刷指示を発するまでの印刷要求処理を示している。
【0083】ここでは、利用者bのパソコンbから印刷装置3として、特定のプリンタbに親展印刷ジョブが送信される場合を例にとって説明する。また、パソコンbのプリンタドライバ上で親展印刷を指定する場合、前述のように、親展文書の名宛人(自分または自分以外の特定人)が持つ通信端末90の端末識別子を入力すればよいが、ここでは、パソコンbの利用者bは、自分を名宛人として自分のPHS電話機92の電話番号“070−000−0005“を入力するものとする。
【0084】利用者bがクライアント端末2(パソコンb)で作成した自分宛ての親展文書を特定の印刷装置3(ここではプリンタb)で印刷する場合、利用者bは、プリンタドライバ上で自分のPHS電話機92の電話番号“070−000−0005”を入力して親展印刷を指定し、かつ、印刷ジョブの送信先としてプリンタbを指定した後、作成された印刷ジョブ(親展印刷ジョブ)をパソコンbからプリンタbに送信する。
【0085】すなわち、先ず、親展文書の印刷要求をプリンタbに対して発する(S100)。そして、この親展文書に対応する印刷ジョブのデータ(印刷対象データ)をプリンタbに送信する(S102)。引き続き、この印刷データに基づく印刷物の形成条件(サイズなど)や親展印刷を行なうか否かの情報を含む印刷条件をプリンタbに送信する(S104)。
【0086】プリンタbの印刷データ受信部34は、これらの情報を通信部32を介してパソコンbから受信すると、受信した当該印刷ジョブをいったんRAM内の所定の保存場所(印刷ジョブリスト)に保存する。そして、印刷データ受信部34は、その印刷ジョブが親展印刷であるかどうかを判断する(S106)。
【0087】印刷ジョブが親展印刷であるかどうかの判断は、以下のようにして行なう。たとえば、親展印刷ジョブ時には、親展印刷を行なうか否かを示す判定フラグを、印刷サイズなどとともに印刷条件として印刷装置3に送信する。また、従来のように、パスワードや電話番号などを印刷サイズなどとともに送信してもよい。後者の場合、パスワードや電話番号などは親展印刷の出力時に利用されない場合もある。
【0088】親展印刷である場合(S106−YES)、プリンタbは、親展印刷の受取人を示す情報をパソコンbから取得する。このとき、たとえば、前述の図3の説明で述べたように、パソコンbの表示画面上の通信手段の表示領域230には、親展印刷ジョブの出力先として指定された印刷装置3が通信可能(本例ではプリンタbの無線通信部41が受信可能)な通信端末90に応じたものが表示されることが望ましい。このため、受信可能端末情報通知部43は、印刷装置3にて通信可能な通信端末90に関する選択ボタンがクライアント端末2の端末情報設定画面上に表示されるような情報として、無線端末識別情報取得部40(詳しくは無線通信部41)が受信可能な無線端末90の種類を示す受信可能端末情報を通信部32を介してクライアント端末2(パソコンb)に通知する(S116)。
【0089】またこの際には、プリンタbの受信可能端末情報通知部43にて無線端末識別情報取得部40が適用可能な通信端末90の種類に応じた画面データを生成し、パソコンbに送信してもよいし、あるいは、無線端末識別情報取得部40が適用可能な通信端末90の種類を示す受信可能端末情報そのものをパソコンbに送信し、パソコンbにて、その受信可能端末情報に応じた画面データを生成してもよい。
【0090】利用者bは、パソコンbの表示画面にて、親展印刷の名宛人を特定するために利用される端末識別情報として、通信端末90の種類とその端末識別子とを指定し、この端末識別情報をプリンタbに送信する(S118)。本例では、表示画面(図3参照)上の通信手段の表示領域230における「PHS電話機」ボタン233を押下し、端末ID入力欄237に、PHS電話機92の電話番号“070−000−0005”を入力した後、確定ボタン238を押下すると、指定された端末識別情報がプリンタbに送信される。
【0091】プリンタbの印刷データ管理部35は、この端末識別情報を通信部32を介して受け取ると、RAMの印刷ジョブリストに一時的に保管されている印刷ジョブを読み出し、RAM内の親展ジョブリストに、その印刷ジョブと、通信端末の種類および端末識別子などの端末情報とを対応付けて保存する(S120)。そして、プリンタbは、印刷ジョブをRAM内の親展ジョブリストに格納した後には、無線端末識別情報取得部40が、所要の(名宛人を特定するために使用される)通信端末90(本例ではPHS電話機92)から、このPHS電話機92の電話番号を受信するまで待機する(S122)。
【0092】一方、親展印刷でない場合には(S106−NO)、印刷ジョブリストに格納された印刷ジョブを実行する(S124)。具体的には、印刷ジョブに含まれる文書データを印刷処理部36でビットマップデータに展開した後、データ印刷部37で印刷条件に従って用紙に印刷する。そして、印刷が完了すると、当該印刷ジョブを印刷ジョブリストから削除する。なお、このとき、印刷ジョブリストに当該印刷ジョブ以外の印刷ジョブが格納されている場合は、印刷ジョブリストの先頭から順番に実行される。
【0093】図8は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1における第1例の処理手順の続きを示すフローチャートである。ここでは、印刷装置3が、パソコン2やプリンタサーバ7から印刷ジョブを受信したときの処理(ユーザ端末検知処理および親展印刷ジョブ実行処理)を説明するためのフローチャートを示している。ここでは、前述の図7に示した、親展印刷時の待機(ステップS122)以降の処理として説明する。
【0094】プリンタbは、保持されている親展印刷データに関して登録された通信端末90(本例ではPHS電話機92)の接近を走査する(S200)。このため、プリンタbは、無線端末識別情報取得部40にてPHS電話機92から電話番号を受信したか否かを判断する。この判断は、検知対象となる無線通信部41(本例ではPHS電話機用の無線通信部41b)を介した端末走査により無線通信部41からの信号出力の有無によってユーザ端末検知部42が判断することで検知する。なお、全てのPHS電話機92を対象に端末走査するのではなく、親展ジョブリストに保持されている親展印刷データに登録されているPHS電話番号のみを対象として端末走査してもよい。
【0095】無線通信部41からの信号出力がある場合、すなわち、ユーザ端末検知部42がPHS電話機92からの電話番号を受信できる場合は、前述のように、PHS電話機92がプリンタbに接近した場合(受信電波の強度が閾値を超えた場合)である。PHS電話機92から電話番号を受信していない(端末なしの)場合には、ただちに終了して、PHS電話機92から電話番号を受信するまで待機する(S202−NO)。
【0096】一方、PHS電話機92から電話番号を受信した(端末ありの)場合には、画像形成動作制御部44は、印刷データ管理部35のRAM内の親展ジョブリストを用いて、無線端末識別情報取得部40で受信したPHS電話番号に対応する印刷ジョブの検索を行なう(S202−YES,S208)。すなわち、受信した通信端末90の種別とその端末識別情報の組が親展ジョブリストに格納されている印刷ジョブのものと一致するかどうかを調べる。本例では、PHS電話番号の先頭番号が通信端末90の種別を示すので、PHS電話番号のみで通信端末90の種別とその端末識別情報を示すので、受信したPHS電話番号に対応する親展ジョブリスト内のPHS電話番号を照合して、親展ジョブリスト内に両者が一致する印刷ジョブがあるか否かを検索する。
【0097】一致する該当データが存在しない場合には、画像形成動作制御部44は、ただちに処理を終了して、PHS電話機92から電話番号を受信するまで待機する(S208−NO)。一方、一致する該当データが存在する場合には、画像形成動作制御部44は、端末を検知した無線端末識別情報取得部40(本例ではPHS電話機用の無線通信部41b)に応じて登録されている処理内容を取得し(S214)、その処理内容にしたがって、利用者bから印刷開始を指示されたら即画像形成動作を開始できるように、画像形成部38に事前処理を実行させる(S216)。本例の場合、比較的遠距離でも検知可能なPHS電話機92の電話番号が受信された場合であるので、事前処理として、画像形成部38にウォームアップ動作を実行させる。
【0098】また、親展印刷通知部45は、該当端末(本例ではPHS電話機92)に親展印刷ジョブの存在を通知する(S220)。たとえば、利用者bの所用するPHS電話機92を発呼する。そして、この事前処理や親展印刷ジョブの存在を通知が完了したら、これ以降の印刷出力までの後処理を保留しておく。すなわち、他のPHS電話機から受信するまで待機するとともに、利用者bからの出力要求の指示を待つ(S222)。
【0099】利用者bは、PHS電話機92によりプリンタbからの親展印刷ジョブ存在通知を受信することで、PHS電話機92の近くにあるプリンタbに、自分宛の親展印刷ジョブが存在することを認識できる。たとえば、プリンタbには、親展印刷ジョブ出力ボタンが設けられている。親展印刷ジョブ存在通知を受けた利用者bは、プリンタbの親展印刷ジョブ出力ボタンを押下することで、親展印刷ジョブの出力を指示する(S224)。このとき、無線端末識別情報取得部40にて利用者bのPHS電話機92を特定し、これに対応する親展印刷ジョブを画像形成動作制御部44にて特定しているので、利用者bは、親展文書の印刷出力指令時に面倒なパスワード入力操作などをする必要はない。
【0100】親展印刷ジョブ出力ボタンの押下を受けると、画像形成動作制御部44は、既に特定しているPHS電話機92の電話番号に対応する親展印刷ジョブについて、画像形成部38に後処理を実行させることで、親展印刷ジョブの印刷物を生成させる(S226)。印刷データ管理部35は、印刷完了後に、その印刷ジョブを親展印刷ジョブリストから廃棄する(S244)。
【0101】本例の場合、利用者bが自分のPHS電話機92を持って親展印刷ジョブの送信先であるプリンタbに接近し、このプリンタbの無線端末識別情報取得部40が、PHS電話機92から常に送信されている電話番号“070−000−0005”を受信すると(S202−YES)、プリンタbの画像形成動作制御部44はは、親展ジョブリスト内に受信したPHS電話番号“070−000−0005”に対応する印刷ジョブがあるかを検索し(S208)、図6に示す親展ジョブリストの場合、PHS電話機92の電話番号“070−000−0005”に対応する印刷ジョブが2つあるため(印刷ジョブ番号“101”と“147”)(S208−YES)、この2つの印刷ジョブについての事前処理を実行し(S216)、その後、利用者bからの出力指示を受けると(S224)、前記事前処理以降の後処理を実行することで、親展印刷ジョブの印刷物を得る(S226)。
【0102】図9は、上記第1例の処理による効果を説明する図である。特開2001−219627号に記述されている従来の処理(その1)であれば、図9(A)に示すように、印刷装置3は、親展印刷ジョブを受信すると(P1)、その親展印刷ジョブを親展印刷ジョブの名宛人の所有する通信端末90と対応付けて親展印刷ジョブリストに格納しておく(P2)。その後、印刷装置3は、親展印刷ジョブの名宛人の所有する通信端末90を検知すると(P3)、印刷機能の主要部分である画像形成部などをウォームアップ処理するともに(P4)、親展印刷ジョブの印刷データをラスターデータに展開し(P5)、このラスターデータに基づいて潜像を形成し(P6)、その後、所定の記録用紙に転写および定着させてから(P7)装置外に排紙する(P8)という処理をする。この場合、その名宛人が装置外に排紙された印刷物を直ぐに取らないと、排紙された印刷物を他人に見られてしまう虞れを排除することができない。
【0103】これを完全に防ぐには、図9(B)に示すように、特開平10−235974号などに記述されている従来の処理(その2)を適用し、通信端末90を利用するのではなく、親展印刷時には、名宛人が印刷装置3に暗証番号などの所定の情報を入力することで印刷を開始させるしかない。この場合、たとえばウォームアップ処理P4に数分を要したり、省電力モードからの解除であればさらに時間を要するなど、排紙されるまでに時間が掛かる。
【0104】これに対して、上記第1例の処理によれば、たとえば印刷装置3が無線端末を検知すると事前処理を自動的に実行できるので、より短時間に印刷物を取得できる。どのような処理を事前処理とするかは、印刷装置3の能力や無線端末と印刷装置3との距離などに応じて設定すればよい。たとえば、事前処理の要素としてはいくつか考えられるが、待ち時間に影響するのは、ウォームアップや省電力からの復帰に関わるものと、ラスタ展開に関わるものの比重が大きい。したがって、図9(C)に示すように比較的遠距離(たとえば数10m程度)の場合と、図9(D)に示すように比較的近距離(数m程度/10m以内)の場合の2つのケースで処理を切り替えるなどの態様を取り得る。
【0105】たとえば、親展印刷の名宛人を特定するために設定された利用者bが所有するPHS電話機92の電話番号をプリンタbが受信すると、自動的に、その電話番号に対応する親展印刷ジョブについて、事前処理としてウォームアップ処理P4を実行させておく。これにより、名宛人である利用者bがプリンタbに対して出力指示を指令したとき、プリンタbは、その事前処理後の後処理として、ラスタデータデータに展開する処理P5以降の処理を実行すればよく、端末検知時に事前処理をした分だけ、排紙までの時間tcを従来の処理(その2)の処理時間tbよりも短縮することができる。
【0106】また、利用者による出力指示があったことを条件として後処理を開始するようにしているので、出力指示後にその場(印刷装置3の近く)を離れない限り、排紙された印刷物が他人に見られてしまう虞れを排除することができる。つまり、利用者bは、自分のPHS電話機92を持ってプリンタbに接近するだけで、そのプリンタbから自分宛ての親展文書の印刷物を短時間に得ることができる。もちろん、このとき、当該親展印刷ジョブの送信先であるプリンタb以外の印刷装置3で印刷が行なわれたり当該親展印刷の名宛人である利用者b以外の利用者a,c,nに対する親展印刷が開始されることはない。
【0107】なお、利用者cが、クライアント端末2(パソコンc)で作成した自分宛ての親展文書を特定の印刷装置3(ここではプリンタcとする)で印刷する場合には、利用者cは、プリンタドライバ上で自分のPDA93のデバイスアドレス“25:12:6F:24:78:12”を入力して親展印刷を指定し、かつ、印刷ジョブの送信先としてプリンタcを指定した後、作成された印刷ジョブ(親展印刷ジョブ)をパソコンcからプリンタcに送信する。
【0108】そしてこの場合、携帯電話機91やPDA93には、比較的短距離(たとえば10m以内)での通信に適したブルートゥース規格にてプリンタcと通信することになるので、PHS電話機92を用いた場合よりも利用者cがよりプリンタcに近い位置まで近寄らなければ、PDA93の存在を自動認識できない。逆に、PDA93を検知したということは、利用者cがプリンタcの極近い位置(たとえば10m以内)に居るということである。
【0109】そこで、プリンタcは、図8のステップS216では、出力する直前までの間の所定の前段階の処理(事前処理)として、ウォームアップ処理P4およびイメージデータの作成処理(ラスタデータ展開処理)P5を実行しておく。生成したイメージデータは、親展ジョブリストの印刷ジョブ番号と対応付けて、所定の記憶媒体に蓄積しておく。
【0110】こうすることで、図9(D)に示すように、事前処理としてウォームアップ処理P4およびラスタデータ展開処理P5を実行させておくことができるので、名宛人である利用者cがプリンタcに対して出力指示を指令したとき、プリンタcは、その事前処理後の後処理として、潜像形成P6以降の処理を実行すればよく、排紙までの時間tdを図9(C)に示す場合よりもさらに短縮することができる。
【0111】なお、上記何れの場合でも、親展印刷時に排紙された印刷物を他人に見られてしまう虞れを排除するということでは、排紙をさせないでおけば足りる。よって、図9(E)の上部側に示すように、画像形成動作制御部44は、画像形成部38に対して排紙直前までの処理を事前処理として実行させておいてもよい。こうすることで、名宛人である利用者が印刷装置3に対して出力指示を指令したとき、印刷装置3は、その事前処理後の後処理として、排紙処理P8のみを実行すればよく、親展印刷時に排紙された印刷物を他人に見られてしまう虞れを確実に排除するとともに、印刷済みの用紙が出力されるまでの時間teを極限まで短縮することができる。
【0112】また、図9(E)の下部側に示すように、無線端末を検知した際には、排紙を止めるのではなく、鍵付きのメールボックスに排紙するまでの処理を事前処理としておき、後処理としてはメールボックスの解錠P11のみをするようにしてもよい。なお、鍵付きのメールボックスなどを使用しても、利用者がその場での出力を意図していないために、その印刷機で受け取られない場合、出力してしまった紙を他人に見られることなくどう処理するのか、あるいは印字してしまった分の課金をどうするのか、さらには何をもって利用者が出力(記録紙を受領)したと判断するのか、といったことが問題となり得るが、本実施形態の直接的な目的ではないので、ここでは問題としない。
【0113】なお、複数の親展印刷ジョブについて排紙直前までの処理(転写および定着までの処理P7)を事前処理として実行しておく場合、排紙前の各人宛の印刷済みの用紙が混在しないよう管理する親展プリント用の保管トレイを設けることが好ましい。
【0114】以上説明したように、上記第1実施形態によれば、親展印刷を行なう場合において、親展印刷ジョブを特定の印刷装置3に送信するとともに、名宛人を特定するために通信端末90を設定すれば、印刷装置3にてその設定された通信端末90を自動検知すると、検知した端末に該当する親展印刷ジョブが印刷データ管理部35に保存されている場合には、自動的に所定の事前処理を起動する。すなわち、検知した端末識別情報と親展印刷で指定された端末識別情報とを比較して、両者が一致する場合に当該印刷ジョブに基づく事前処理を実行する。そして、その後、名宛人からの出力指令があったときに、残りの後処理を実行する。
【0115】このため、親展印刷の名宛人は、親展印刷で指定された端末識別情報を持つ自分の通信端末90を持って、出力先として指定された印刷装置3に接近するだけで、自分宛ての親展文書の印刷物に対する事前処理を起動させることができる。そして、印刷装置3に対して自ら出力指令を発することで親展文書を従来よりも短時間に入手することができるようになる。すなわち、利用者が印刷出力指示を発してから印刷物が排紙されるまでの待ち時間を短縮することができる。
【0116】また、印刷装置3にて名宛人の通信端末90を特定し、これに対応する親展印刷ジョブも特定するので、名宛人は、親展文書の印刷出力指令時に面倒なパスワード入力操作などをする必要はなく、特定人宛ての機密性の高い印刷を実現することができる。
【0117】このように、上記第1実施形態の画像形成動作制御システムによれば、名宛人の操作なしに実施可能な処理については、名宛人に対応する端末を自動的に検知して自動実行するとともに、最後の出力指令だけは名宛人の介入により起動させるようにしたので、名宛人が意図に沿わない画像形成が行なわれる可能性を防止しつつ、従来よりも短時間で排紙可能な利便性の高い画像形成システムを実現することができる。たとえば、名宛人が親展印刷の要求を忘れていたり、接近した画像形成装置が親展印刷の出力対象であると認知していなかったりした場合には、親展印刷の印刷物が排紙されることはないので、他人に文書を見られたくないという親展印刷本来の目的を確実に担保することができる。
【0118】なお、上記実施形態では、通信端末90の種別とその端末識別子とを特定することとしていたが、親展文書を従来よりも短時間に入手するという点では、必ずしもそのような必要はなく、上記図9(C)〜図9(E)から分かるように、印刷装置3が何れか1種類の通信端末90についての通信機能しか備えていない場合であっても、何ら不都合はなく、上述の効果を享受することができる。
【0119】勿論、印刷装置3が複数種類の通信端末90との間で通信可能なものであれば、すなわち無線端末識別情報取得部40が各方式に応じた無線通信部41を備えていれば、その印刷装置3にて利用可能な通信手段を利用することで、名宛人を特定するために指定可能な通信端末の種類が増えるので、適用範囲が広がり、利便性が高くなり、好ましいのはいうまでもない。
【0120】また、上記実施形態では、通信端末の種類として、携帯電話機91、PHS電話機92、ブルートゥースを利用するPDA93、無線LANを利用するノートパソコン94を例示したが、通信端末の種類は、これに限定されるわけではなく、印刷装置3と無線通信可能であれば、前記の通信端末90以外のどのような無線通信機器(無線で情報のやり取りをする機器)であってもよい。
【0121】また、通信端末90を特定する端末識別子として、携帯電話機91やPHS電話機92は電話番号、PDA93やノートパソコン94は通信部に設定されるアドレスを使用することとして説明したが、端末識別子は、こらに限らず、たとえば個々の通信端末に付与された個別の番号など、他の通信端末と区別できる情報であればどのようなものでもよい。たとえば通信端末としての携帯電話機やPHS電話機のシリアル番号、あるいは端末のモデル名とシリアル番号との組合せなどである。また、通信機能部分であるLANカードのシリアル番号、あるいはLANカードのモデル名とシリアル番号との組合せなどである。さらに製造/販売会社を区別する識別コードと組み合わせてもよい。なお、たとえばMACアドレスを指定する場合には、製造/販売会社に相当するベンダーコードがMACアドレスに含まれるので、その必要はない。何れの場合でも、通信端末は、自己を識別する情報を所定のタイミングで常に発するようにすればよい。
【0122】また、上記実施形態では、親展印刷ジョブを受け付けた印刷装置3に所要の(名宛人が所有する)通信端末90が接近すると直ちに親展印刷の事前処理を開始する場合を例にとって説明したが、これに限定されるわけではない。たとえば、所要の通信端末90がその印刷装置3の近くを偶然通過しただけで親展印刷が開始されないようにするため、所要の通信端末90が一定時間その印刷装置3の近くに存在することを確認してから親展印刷についての事前処理を開始するようにしてもよい。本変更例によれば、ユーザが通信端末90を持って印刷装置3の近くを偶然通過しただけで親展印刷が開始されるような事態を未然に防止することができる。
【0123】なお、上記実施形態において、印刷装置3が親展印刷ジョブリストに複数の名宛人の印刷ジョブを管理していて、その中の数人の名宛人が印刷装置3近傍に居ることを印刷装置3が検知していると、印刷装置3は、それぞれの名宛人用の親展印刷ジョブについて事前処理をしておく。そして、この場合において、その中の1人の名宛人が印刷装置3に対して親展印刷の出力指令を発した際には、出力対象の親展印刷ジョブの特定が問題となり得る。
【0124】しかしながら、たとえば、操作部33aを介して利用者から親展印刷の出力指示を受けたとき、その時点で自動検知した通信端末90に対応する親展印刷のみを親展印刷ジョブリストから読み出してユーザインタフェース部33の表示部33bにリスト表示し、その中から通信端末90の所有者に選択させるとともに、暗証番号の入力を求め、照合することで、解決できる。利用者は暗証番号の入力が必要になるが、表示部33bに表示された候補ジョブの中から選択し指定するだけでよいので、従来よりも操作性は改善される。なお、この方法の場合は、親展印刷の名宛人の指定時に、端末の種類や端末識別子だけでなく、暗証番号の入力も必要となる。
【0125】なお、一度に複数の無線端末を検知したときには、端末からの出力指示を確実にするため、パスワード入力などの認証処理を実行するとよい。受信感度の相違による自動判定で印刷装置3により近い利用者を特定する手法も考えられるが、親展印刷の本来的な目的である「他人に見られないようにする」ことを保証するには、パスワード入力などの認証処理を経由する方が好ましいからである。
【0126】印刷装置3は、選択された印刷ジョブと端末種類や端末識別子と親展印刷ジョブリストとを照合するとともに、その通信端末90の印刷装置3からの距離を判断する。そして、照合がとれ、且つ、出力指令をした利用者が印刷装置3に最も接近していれば、選択された親展印刷ジョブについて出力処理をする。仮に自分宛以外の印刷ジョブを指定すると照合がとれないので、他人の親展印刷ジョブについて出力することを防止できる。
【0127】これにより、利用者は、印刷装置3にて親展印刷の出力物を得ようとするとき、印刷装置3から出力させようとしての印刷装置3への移動の最中に、印刷装置3から少し離れた位置にて出力指令を予め発してから、印刷装置3に近づくことができる。よって、印刷装置3のユーザインタフェース部33にて出力指令を発するよりも、さらに出力時間(正確には、利用者が印刷装置3に到達してから印刷物が出力されるまでの時間)の短縮を図ることができる。また、この場合には、利用者は出力指令後直ぐに印刷装置3に到達することができ、また取り忘れということは殆ど考えられないので、他人に文書を見られたくないという親展印刷本来の目的を確実に担保することもできる。
【0128】図10は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1に使用される印刷装置3の他の構成例(以下第2例という)を示すブロック図である。この第2例の印刷装置3は、親展印刷の際、印刷要求したクライアント端末2が使用している通信手段が、印刷装置3(詳しくは無線端末識別情報取得部40)にての端末検知対象の通信手段である場合の事例である。このため、クライアント端末2は、無線通信手段を備えたものであること、および、印刷要求者自身(正しくはそのクライアント端末2を持参して印刷装置3に近づく人)を名宛人とする場合に限られる。図1に示した構成例では、ノートパソコン94がそれに相当する。以下、利用者nがノートパソコン94からプリンタnに対して発する印刷要求する事例で説明する。
【0129】図示するように、第2例の印刷装置3は、第1例における印刷データ受信部34内に備えられていた無線端末識別情報受信部34bに加えて、その外にも、無線端末識別情報を受け取る無線端末識別情報受信部39を設けた構成としている点で、第1例と異なる。
【0130】無線端末識別情報受信部39は、印刷ジョブ受信部34aが受信する印刷ジョブを発したクライアント端末2(本例ではノートパソコン94)の端末識別情報を自動的に受信することで、印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末についての無線端末識別情報を受信する。無線端末識別情報受信部39は、受信した無線端末識別情報を、印刷データ管理部35に入力する。
【0131】つまり、第2例の印刷装置3は、印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末についての無線端末識別情報を受信する仕組みとして、印刷要求から抽出する無線端末識別情報受信部34bと、印刷要求時に使用した(印刷ジョブを発した)クライアント端末2の端末識別子(特に無線通信に関わる部分を示す)を自動取得する無線端末識別情報受信部39とを備える。
【0132】図11は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1における、第2例の印刷装置3を用いた場合における処理手順(以下第2例の処理手順という)を示すフローチャートであり、前述の図7と同様に、パソコン2から印刷装置3に対して印刷指示を発するまでの印刷要求処理を示している。なお、図7における処理と同様の処理ステップには同一のステップ番号を付して示す。
【0133】ノートパソコン94を利用して親展文書の印刷要求をプリンタnに対して発し(S100)、この親展文書に対応する印刷ジョブのデータ(印刷対象データ)をプリンタnに送信し(S102)、印刷物の形成条件や親展印刷を行なうか否かを示す情報を含む印刷条件をプリンタnに送信する(S104)までの処理は、第1例と同じである。
【0134】またプリンタnの印刷データ受信部34は、これらの情報を通信部32を介してパソコンnから受信すると、受信した当該印刷ジョブをいったんRAM内の所定の保存場所(印刷ジョブリスト)に保存する。そして、印刷データ受信部34は、第1例と同様に、その印刷ジョブが親展印刷であるかどうかを判断する(S106)。
【0135】親展印刷である場合(S106−YES)、プリンタnは、親展印刷の受取人を示す情報をパソコンnから取得する。ここで、第2例においては、先ず、無線端末識別情報受信部39は、その印刷ジョブを発したクライアント端末2の種類および端末識別子の自動取得を試みる(S112)。この際には、印刷装置3の無線端末識別情報取得部40が通信可能な種類の範囲内に端末種類を制限することに注意を要する。これは、親展印刷ジョブの出力時に、無線端末識別情報取得部40にて、端末種類を自動検知する必要があるからである。
【0136】なお、図3の画面表示の前に、「現在使用中の端末を利用者検知端末として使用するか否か」の確認画面を表示させ、「YES」であれば自動登録、「NO」であれば図3の画面を表示させる、あるいは、現在使用中の端末情報を取得し、図3の画面において端末情報を既定値として表示する(たとえば、無線LANボタン231が反転選択され、無線LANのMACアドレスが端末ID入力フィールド237に表示される)という方法も採り得る。こうすることで、現在使用中の端末以外を名宛人として指定することもできる。
【0137】クライアント端末2の種類および端末識別子の自動取得に成功した場合には(S114−YES)、その種類と端末識別子を印刷データ管理部35に入力する。印刷データ管理部35は、これを、その親展印刷ジョブに対応する通信端末の種類および端末識別子であるとして、すなわち印刷装置3にて親展印刷ジョブを出力する際、印刷要求を発したノートパソコン94の所有者を名宛人として登録する(S120)。そして、プリンタnは、印刷ジョブをRAM内の親展ジョブリストに格納した後には、無線端末識別情報取得部40が、所要の(名宛人を特定するために使用される)通信端末90(本例ではノートパソコン94)から、このノートパソコン94の端末識別子(本例ではMACアドレス)を受信するまで待機する(S122)。
【0138】一方、クライアント端末2の種類および端末識別子の自動取得に失敗した場合には(S114−NO)、受信可能端末情報通知部43は、第1例と同様に、無線端末識別情報取得部40(詳しくは無線通信部41)が受信可能な無線端末90の種類を示す受信可能端末情報を通信部32を介してクライアント端末2(ノートパソコン94)に通知する(S116)。利用者nは、ノートパソコン94の表示画面にて、親展印刷の名宛人を特定するために利用される端末識別情報として、通信端末90の種類とその端末識別子とを指定し、この端末識別情報をプリンタbに送信する(S118)。また、親展印刷でない場合には(S106−NO)、印刷ジョブリストに格納された印刷ジョブを実行する(S134)。
【0139】以上のように、この第2例によれば、親展印刷ジョブを発したクライアント端末2の種類や端末識別子を自動取得できたときには、自動的にそのクライアント端末2を持つ利用者を名宛人と認識することができ、便利である。すなわち、印刷要求時に即印刷したくない場合、たとえば印刷要求だけしておき一次離席する場合や、印刷装置3が外部から印刷データを取得するなど印刷開始までに時間を要する場合においては、親展印刷のための端末情報入力を省略することができ。また自動認識できなかった際には、第1例と同様に、クライアント端末2側から設定することもできる。
【0140】図12は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1に使用される印刷装置3の他の構成例(以下第3例という)を示すブロック図である。この第3例の印刷装置3は、通信網9に接続されているプリンタサーバ7からの指令を受けて事前処理を開始する形態のものである。後述するように、プリンタサーバ7には、この第3例の印刷装置3を制御するために、画像形成動作制御装置としての仕組みが設けられる。つまり、印刷装置3単体として画像形成動作制御装置の機能を備えていたのが第1例の印刷装置3であり、第3例では、画像形成動作制御装置の機能を、印刷装置3とプリンタサーバ7とに分けている。
【0141】図示するように、第3例の印刷装置3は、印刷データ受信部34の構成が第1例とは大きく異なり、印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末についての無線端末識別情報をクライアント端末2から受け取る無線端末識別情報受信部34bを備えていない。また、印刷ジョブ受信部34aは、クライアント端末2から印刷ジョブを受け取るのではなく、プリンタサーバ7から印刷ジョブの配信を受ける。
【0142】また、第3例の印刷装置3は、無線端末識別情報取得部40が通信端末90を検知したとき、その端末種類と端末識別子とをプリンタサーバ7に通知する無線端末識別情報通知部46を備える。
【0143】画像形成動作制御部44は、画像形成動作制御装置として機能するプリンタサーバ7からの指令に基づいて、画像形成部38に印刷ジョブを実行させる。たとえば、画像形成動作制御装置の機能を備えるプリンタサーバ7からの親展印刷指令を受け取ると、画像形成部38に事前処理を実行させるとともに後処理を保留させておく。その後、後処理開始指示受付部の機能を備えるユーザインタフェース部33から後処理の開始の指示を受け付けたことを条件として、画像形成部38に後処理を実行させる。一方、プリンタサーバ7からの通常印刷指令を受け取ると、画像形成部38に通常通りの印刷処理を実行させる。
【0144】親展印刷通知部45は、プリンタサーバ7からの指令に基づいて、ユーザ端末検知部42が特定した通信可能な通信端末90に対して、親展印刷データが印刷データ管理部35に保持されている旨を通知する。
【0145】図13は、第3例の印刷装置3とセットで使用される第3例のプリンタサーバ7の構成例を示す図である。このプリンタサーバ7は、本発明に係る画像形成動作制御装置としての機能を備える。
【0146】図示するように、第3例のプリンタサーバ7は、通信部32を介してクライアント端末2から送信された印刷要求(印刷ジョブ)を受信する印刷データ受信部134と、印刷データ受信部34が受信した印刷要求を解析し、親展印刷である場合は印刷ジョブ(印刷データも含む)を保持する印刷ジョブ記憶部の一例である印刷データ管理部135とを備える。印刷データ受信部134には、通信網9に接続されているクライアント端末2から送られて来る印刷ジョブを一時的に格納する図示しないRAMが設けられる。
【0147】印刷データ受信部134は、クライアント端末2から発せられた印刷ジョブと当該印刷ジョブに対応する無線端末識別情報とを含む印刷要求を受信し、この受信した印刷要求から、印刷ジョブを抽出することで印刷ジョブを受け取る印刷ジョブ受信部134aと、クライアント端末2から発せられた前記印刷要求を受信し、この受信した印刷要求から、印刷物の受取人を特定するために使用される無線端末についての無線端末識別情報を抽出することで無線端末識別情報を受け取る無線端末識別情報受信部134bとを有する。つまり、端末種類や端末識別情報は利用者により印刷要求に含める構成として、第1例の印刷データ受信部34と同様に、無線端末識別情報受信部134bは、その印刷要求から、端末種類や端末識別情報を取り出す。
【0148】またプリンタサーバ7は、無線端末の種類および端末識別子を示す無線端末識別情報に関する通知を印刷装置3から受ける無線端末識別情報取得部140と、印刷装置3の無線端末識別情報取得部40(詳しくは無線通信部41)が受信可能な無線端末90の種類に関する情報である受信可能端末情報を印刷装置3から受け取り、クライアント端末2に転送する受信可能端末情報通知部143とを備える。
【0149】さらにプリンタサーバ7は、印刷装置3における画像形成動作を制御する画像形成動作制御部144と、画像形成動作制御部144の指令に基づいて、印刷データ受信部134が受信した印刷ジョブを印刷装置3に配信する印刷ジョブ送信部136を備える。画像形成動作制御部144は、無線端末識別情報取得部140が取得した印刷装置3にて通信可能な端末情報および印刷データ管理部135に保持されている親展印刷ジョブに示される端末識別子とに基づいて、印刷装置3に接近した通信端末90に関する親展印刷データを印刷データ管理部135に保持しているかどうかを判定し、この判定結果に基づいて印刷装置3における画像形成動作を制御する。
【0150】たとえば、画像形成動作制御部144は、無線端末識別情報取得部140が取得した無線端末識別情報が、無線端末識別情報受信部134bが受信した無線端末識別情報と一致することを条件として、印刷ジョブ受信部134aが受信した印刷ジョブの内の、一致した無線端末識別情報が与えられている印刷ジョブを印刷装置3に配信するよう印刷ジョブ送信部136を制御するとともに、印刷装置3に親展印刷指令を発することで、印刷装置3に対してその印刷ジョブについて事前処理を実行させるとともに後処理を保留させておく。一方、クライアント端末2から印刷データ受信部134が受信した印刷ジョブが親展印刷ジョブでないときには、印刷データ受信部34が受信した印刷ジョブを直ちに印刷装置3に配信するよう印刷ジョブ送信部136を制御するとともに、印刷装置3に通常印刷指令を発することで、印刷装置3に通常通りの印刷処理を実行させる。
【0151】図14は、第1実施形態の画像形成動作制御システム1における、第3例の印刷装置3を用いた場合における処理手順(以下第3例の処理手順という)を示すフローチャートであり、前述の図7と同様に、パソコン2から印刷装置3に対して印刷指示を発するまでの印刷要求処理を示している。なお、図7における処理と同様の処理ステップには同一のステップ番号を付して示す。
【0152】第3例の印刷装置3と第3例のプリンタサーバ7とから構成される画像形成動作制御システム1においては、親展印刷時には、クライアント端末2で作成された親展印刷ジョブをプリンタサーバ7に送信し、通信端末90が接近した印刷装置3でその通信端末90の無線端末識別情報(種類や端末識別子)が取得されたとき、プリンタサーバ7で、その印刷装置3が取得した通信端末90の無線端末識別情報と親展印刷で指定された無線端末識別情報とを比較して、両者が一致する場合に、この一致した印刷ジョブをその印刷装置3に転送し、その印刷装置3にて印刷ジョブに基づく印刷を実行する。なお、本例では、印刷出力先をクライアント端末2にて事前に指定することとする。
【0153】たとえば、第1例とほぼ同様に、利用者は、クライアント端末2にて、印刷物の形成条件や親展印刷を行なうか否かを示す情報を含む印刷条件をプリンタサーバ7に送信する(S104)。ただし、この際には、親展印刷の出力を希望する印刷装置3の指定も印刷条件に含める。
【0154】親展印刷である場合(S106−YES)、プリンタサーバ7の画像形成動作制御部144は、クライアント端末2にて指定された印刷装置3に対し、無線端末識別情報取得部40(詳しくは無線通信部41)が受信可能な無線端末90の種類を示す受信可能端末情報を送信するよう要求する(S110)。
【0155】印刷装置3は、プリンタサーバ7から印刷指示があるまで待機しており(S132)、印刷指示がある前に受信可能端末情報の送信を求められると、受信可能端末情報通知部43は受信可能端末情報をプリンタサーバ7に送信する(S132−NO,S112)。プリンタサーバ7の受信可能端末情報通知部143は、この受信可能端末情報をクライアント端末2に転送する(S116)。クライアント端末2は、親展印刷の名宛人を特定するために利用される端末識別情報として、通信端末90の種類とその端末識別子とを指定し、この端末識別情報をプリンタサーバ7に送信する(S118)。
【0156】プリンタサーバ7の印刷データ管理部135は、この端末識別情報を受け取ると、RAMの印刷ジョブリストに一時的に保管されている印刷ジョブを読み出し、RAM内の親展ジョブリストに、その印刷ジョブと、通信端末の種類および端末識別子などの端末情報とを対応付けて保存する(S120)。そして、プリンタサーバ7は、印刷ジョブをRAM内の親展ジョブリストに格納した後には、印刷装置3から、通信端末識別子を受信するまで待機する(S122)。
【0157】一方、親展印刷でない場合には(S106−NO)、画像形成動作制御部144は、印刷ジョブリストに格納された印刷ジョブを印刷装置3に配信するよう印刷ジョブ送信部136を制御するとともに、その印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行するよう印刷装置3に通常印刷指令を発する(S130)。
【0158】印刷装置3は、プリンタサーバ7から印刷指示があるまで待機しており(S132)、プリンタサーバ7から通常印刷指令を受けると、その印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行する(S132−YES,S134)。
【0159】図15は、第3例の印刷装置3を用いた場合における図14の続き、すなわち親展印刷時の待機(ステップS122)以降の処理を示すフローチャートであり、第1例における図8の処理と対応する。なお、図8における処理と同様の処理ステップには同一のステップ番号を付して示す。
【0160】印刷装置3の無線端末識別情報取得部40(詳しくは無線通信部41)が、通信端末90からの送信信号(たとえば電波)を受信し、受信した通信端末90の端末情報(端末種類および端末識別子)をユーザ端末検知部42にて特定すると(端末ありの場合には)、無線端末識別情報通知部46を介して、受信した通信端末90の端末情報をプリンタサーバ7に通知する(S204)。
【0161】プリンタサーバ7の無線端末識別情報取得部140は、印刷装置3から端末情報を受信するまで待機しており(S206)、印刷装置3から端末情報の通知を受けると、その端末情報を画像形成動作制御部44に渡す。画像形成動作制御部144は、印刷データ管理部135のRAM内の親展ジョブリストを用いて、無線端末識別情報取得部140で取得した端末情報に対応する印刷ジョブの検索を行なう(S206−YES,S208)。
【0162】一致する該当データが存在する場合には、画像形成動作制御部144は、その印刷ジョブを印刷装置3に配信するよう印刷ジョブ送信部136を制御するとともに、その印刷ジョブに基づいて事前処理を実行するよう印刷装置3に親展印刷指令を発する(S210)。
【0163】印刷装置3は、プリンタサーバ7から印刷指示があるまで待機しており(S212)、プリンタサーバ7から親展印刷指令を受けると、画像形成動作制御部44は、第1例と同様に、予め端末情報に応じて登録されている処理内容に基づいて(S214)、画像形成部38に事前処理を実行させ(S216)、名宛人から出力要求があるまで待機する(S222)。
【0164】そして、第1例と同様に、名宛人から出力要求を受け付けると(S224)、画像形成動作制御部44は、その親展印刷ジョブについて画像形成部38に後処理を実行させ(S226)、印刷完了後にその旨をプリンタサーバ7に通知する(S230)。これを受けて(S230)、プリンタサーバ7の印刷データ管理部135は、その印刷ジョブを親展印刷ジョブリストから廃棄する(S244)。
【0165】以上説明したように、上記第1実施形態の第3例によれば、プリンタサーバ7を介した処理ではあるものの、本質的な処理は、第1例と変わりがない。よって、親展印刷の名宛人の操作なしに実施可能な処理については、名宛人に対応する端末を自動的に検知して自動実行するとともに、最後の出力指令だけは名宛人の介入により起動させることができ、名宛人が意図に沿わない画像形成が行なわれる可能性を防止しつつ、従来よりも短時間で排紙可能な利便性の高い画像形成システムを実現することができる。
【0166】図16は、本発明に係る画像形成動作制御システムの第2実施形態を示すブロック図である。第2実施形態の画像形成動作制御システム1は、広域印刷サービスに適用した事例である。ここでは、インターネット上のWebサーバからデータをダウンロードして、印刷装置3にて印刷出力するWebプリントの例で説明する。
【0167】図16に示すように、この第2実施形態の画像形成動作制御システム1は、ネットワーク構成自体は第1実施形態と同じであるが、印刷装置3は、コンビニエンスストア(以下コンビニという)などに設置されているネットワーク接続機能を備えた複写装置の印刷出力機能を利用したものである。すなわち、このような通信網9に接続された印刷装置3は、原稿から光学的に読み取った画像を所定の記録用紙上に印刷出力する、いわゆる複写機能を実現するものであるとともに、通信網9を介してデータサーバとして機能するWebサーバ70から受け取った画像(印刷データ)を記録用紙上に印刷出力する、いわゆるプリント機能をも有している。
【0168】クライアント端末2および通信端末90としては、PHS電話機92を使用する。また、印刷装置3およびデータサーバとしてのWebサーバ70は、第1実施形態の第3例のものを使用する。PHS電話機92はインターネット接続機能を有する。
【0169】ここで、Webサーバ70の印刷データ受信部134は、印刷ジョブ受信部134aにて、クライアント端末2としてのPHS電話機92からWebプリントサービスの要求を受けると、その要求内容を受信する。また無線端末識別情報受信部134bにて、名宛人を特定するために使用される通信端末としてのPHS電話機92の端末情報を受信する。そして、印刷データ管理部135は、これらの情報を親展印刷ジョブリストに格納する。
【0170】たとえば、利用者は、自動車にて移動中に、インターネット網を介して、地図出力サービスをPHS電話機92からWebサーバ70に要求する。ただし、第1実施形態と異なり、出力先の印刷装置3を特定する必要はない。Webサーバ70は、要求された地図データのWeb上の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)を取得し、親展印刷ジョブの一例として、このURLと対応づけて、PHS電話機92の電話番号を親展印刷ジョブリストに登録する。そして、Webサーバ70とネットワーク接続された印刷装置3から、そのPHS電話機92が通信網9上の何れかの印刷装置3に近づいたことの通知を受けるまで待機する。
【0171】図17は、第2実施形態の画像形成動作制御システム1における親展印刷の出力処理を示すフローチャートであり、第1実施形態の第3例における図15の処理と対応する。なお、図15における処理と同様の処理ステップには同一のステップ番号を付して示す。
【0172】地図出力サービスをPHS電話機92からWebサーバ70に要求した利用者は、印刷装置3の設定されている最寄りのコンビニを探す。利用者とともに移動中のPHS電話機92が、通信網9上の印刷装置3に接近すると、そのことを検知した印刷装置3は、無線通信部41が受信したPHS電話機92の端末情報(端末種類および端末識別子としての電話番号)をユーザ端末検知部42にて特定し、無線端末識別情報通知部46を介して、受信したPHS電話機92の端末情報をWebサーバ70に通知する(S204)。
【0173】Webサーバ70の画像形成動作制御部144は、印刷データ管理部135の親展ジョブリストを用いて、PHS電話機92の端末情報に対応する印刷ジョブ(本例では先に要求された地図出力のURL)を検索する(S206−YES,S208)。
【0174】そして、画像形成動作制御部144は、その該当URLの地図データを印刷ジョブとして印刷装置3に配信するよう印刷ジョブ送信部136を制御するとともに、その印刷ジョブに基づいて事前処理を実行するよう印刷装置3に親展印刷指令を発する(S210)。
【0175】印刷装置3は、プリンタサーバ7から地図データの配信と親展印刷指令を受けると、画像形成動作制御部44は、第3例と同様に、予め端末情報に応じて登録されている処理内容に基づいて、画像形成部38に事前処理を実行させ(S216)、名宛人であるPHS電話機92の所有者から出力要求があるまで待機する(S222)。
【0176】逆に言えば、画像形成動作制御部44は、無線端末識別情報取得部40がPHS電話機92の無線端末識別情報を取得したことを条件として、この無線端末識別情報に対応する印刷データのWebサーバ70からの取得を含む、この取得した印刷データに基づく事前処理を画像形成部38に実行させるとともに後処理を保留しておく。
【0177】そして、事前処理完了後所定時間内にPHS電話機92の所有者から出力要求を受け付けると(S224,S225−YES)、画像形成動作制御部44は、その地図データに基づく印刷出力(親展印刷ジョブの一例)について画像形成部38に後処理を実行させ(S226)、印刷完了後にその旨をプリンタサーバ7に通知する(S230)。
【0178】一方、PHS電話機92がその印刷装置3から離れ、他の印刷装置3に移動すると、事前処理完了後所定時間内にPHS電話機92の所有者から出力要求を受け付けることがないので(S225−NO)、画像形成動作制御部44は、事前処理済データを廃棄させる(S228)。Webサーバ70は、この印刷装置3から完了通知を受けることがないので、印刷ジョブを廃棄することはしない(S242−NO)。
【0179】このとき、移動先でPHS電話機92を検知した他の印刷装置3は、Webサーバ70にその旨を通知する。したがって、Webサーバ70は、最初の印刷装置3に印刷データ(本例では地図データ)を配信した後、その印刷装置3から完了通知を受ける前に、他の印刷装置3から同一のPHS電話機92に関する通知を受けることになる。これを受けたときには、Webサーバ70は、端末種類や識別子の通知が再度きたものとして取り扱う。
【0180】つまり、Webプリントを要求したPHS電話機92の所有者から何れかの印刷装置3が印刷指令を受けその印刷装置3から完了通知を受け取るまでは、要求された印刷ジョブを保持しておき、印刷装置3からの端末識別子の通知を受けると、この通知を受けた印刷装置3に印刷データを配信するということを繰り返す。一方、印刷装置3は、Webサーバ70から印刷データの配信を受けても、Webプリントを要求したPHS電話機92の所有者から出力指示がない限り印刷出力することはないし、所定時間が経過すれば事前処理済データを廃棄する(S228)。
【0181】以上説明したように、上記第2実施形態によれば、複数の店舗に展開する広域印刷サービスを利用した場合、出力サービスを要求した利用者の所有する通信端末(前例ではPHS電話機92)が印刷装置に近づくと、そのことを検知して要求者の操作なしに実施可能な処理について自動実行するので、従来よりも短時間で排紙させることができるが、逆に、その要求者から出力指示がない限り印刷出力することはない。よって、ある店舗での出力を意図していないにもかかわらず偶然にプリンタ機能を有する複写装置に接近してしまったために画像形成が行なわれてしまうということは起きない。
【0182】なお、この第2実施形態は、PHS電話機92からWebサーバ70へのWeb印刷要求に限定されず、第1実施形態の構成と同様に取り扱うこともできる。たとえば、文書作成アプリケーションプログラムにて生成した文書をWebサーバ70に保存しておき、端末を検知した印刷装置3に転送するという仕組みに利用することができる。
【0183】上記の実施形態は、印刷装置3やプリンタサーバ7あるいはプリンタサーバ7の機能部分をハードウェアにて構成するものとして説明したが、これに限らず、マイコンなどのCPU(中央演算処理装置)やパソコンなどの、いわゆる電子計算装置を利用し、ソフトウェアにて、上記の処理機能を実現することもできる。
【0184】この場合、マイコンやパソコンなどの電子計算装置は、印刷データ受信部34,134、印刷データ管理部35,135、あるいは画像形成動作制御部44,144などの各機能部分をソフトウェアとして備える。すなわち、前述の画像形成部38に対する制御の機能などの各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(たとえば図示しないRAMなど)から、装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを読出し実行することによって、前述の実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。なお、プログラムは、記憶媒体を介して提供されるものに限らず、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されるプログラムデータをダウンロードしたものであってもよい。
【0185】また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって各機能が実現される場合であってもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の各機能が実現される場合であってもよい。
【0186】以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0187】たとえば、上記実施形態では、印刷装置3は、電子写真方式を利用するものとして説明したが、これに限るものではなく、たとえば、インクジェット方式のものであってもよい。この場合、事前処理としては、たとえばヘッドクリーニング動作などがある。
【0188】また、上記実施形態では、名宛人を特定させるために使用される通信端末は電波を通信媒介とするものとして説明したが、これに限るものではなく、無線による通信であればよく、たとえば光を通信媒介とするものであってもよい。
【0189】また、上記実施形態では、名宛人を特定させるために使用される通信端末が印刷装置に接近したとき、対応する親展印刷について事前処理だけを自動実施し、その後に名宛人から出力指令があったことを条件として残りの後処理をするようにしていたが、印刷装置が複数種類の通信端末との間で通信可能なものとすることでの効果を享受するという観点では、端末の接近を検知した時点では、事前処理だけに限らず、後処理までをも自動実施するようにしてもよい。
【0190】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ネットワーク接続された印刷システムにおいて親展印刷が指定されたとき、その名宛人の操作なしに実施可能な処理については、名宛人に対応する端末を自動的に検知して自動実行するとともに、その後の処理である後処理による出力指令だけは名宛人の介入により起動させるようにしたので、名宛人が意図に沿わない画像形成が行なわれる可能性を防止しつつ、すなわち印刷物の親展性を確実に担保しつつ、従来よりも短時間で排紙可能な、利便性の高い画像形成システムを実現することができる。
【0191】また、印刷装置が複数種類の通信端末との間で通信可能なものとすれば、名宛人を特定するために指定可能な通信端末の種類を増やすことができ、適用範囲が広がり、利便性が高くなる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【住所又は居所】東京都港区赤坂二丁目17番22号
【出願日】 平成14年5月30日(2002.5.30)
【代理人】 【識別番号】100086298
【弁理士】
【氏名又は名称】船橋 國則
【公開番号】 特開2003−341190(P2003−341190A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−157199(P2002−157199)