| 【発明の名称】 |
インクジェットプリンタ |
| 【発明者】 |
【氏名】元木 正治 【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号 船井電機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】新たな駆動源を必要としないとともに、ノズル位置を前後方向に変化させることなく、ノズルと用紙との距離を任意に制御することが可能なインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】このインクジェットプリンタは、後部インクキャリア3aと、偏心軸6の回転によって移動する前部インクキャリア3bとを含み、紙送りローラ5の動力を伝達するギア9と、ギア9に連結されたフリクションギア11と、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、フリクションアーム10との係合が解除されるストッパ13と、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときにフリクションギア11とかみ合うウォームギア8と、偏心軸6を所定量回転させるためのギア7とを備えたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 用紙に対して印字を行うためのインクカートリッジと、前記インクカートリッジを収納するとともに、キャリアシャフトに沿って水平方向に移動するインクキャリアと、前記インクカートリッジに用紙を供給するための紙送りローラとを備えたインクジェットプリンタにおいて、前記インクキャリアは、前記キャリアシャフトに沿って水平方向に移動するとともに、偏心軸の第1部分を回転可能に保持する穴と、複数の垂直方向の長穴とを有する第1インクキャリアと、前記偏心軸の第2部分が挿入される水平方向の長溝を有するとともに、前記第1インクキャリアの垂直方向の長穴に係合する突起部を有し、かつ、前記偏心軸の回転によって前記第1インクキャリアに対して垂直方向に移動可能に取り付けられた第2インクキャリアとを含み、通常印刷位置の外側の領域に設けられ、前記紙送りローラの動力を伝達する第1ギアと、前記第1ギアにフリクションアームを介して連結されたフリクションギアとを含む第1ギア列と、前記インクキャリアが通常印刷位置に位置するときには、前記フリクションアームに係合するようにバネにより付勢されるとともに、前記インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、前記第1インクキャリアによる押圧力によって、前記バネによる付勢力に抗して前記フリクションアームとの係合が解除されるストッパ部材と、前記キャリアシャフトに取り付けられ、前記第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに前記フリクションギアとかみ合うピニオン部と、前記ピニオン部と一体的に設けられたウォーム部とを含むウォームギアと、前記ウォームギアのウォーム部と係合するように前記偏心軸に取り付けられ、制御信号に基づいて所定量回転されることにより前記偏心軸を所定量回転させて前記第2インクキャリアを前記第1インクキャリアに対して所定量垂直方向に移動させるための第2ギアとを含む第2ギア列とを備えたことを特徴とする、インクジェットプリンタ。 【請求項2】 用紙に対して印字を行うためのインクカートリッジと、前記インクカートリッジを収納するとともに、キャリアシャフトに沿って水平方向に移動するインクキャリアと、前記インクカートリッジに用紙を供給するための紙送りローラとを備えたインクジェットプリンタにおいて、前記インクキャリアは、前記キャリアシャフトに沿って水平方向に移動する第1インクキャリアと、前記第1インクキャリアに対して垂直方向に移動可能に取り付けられた第2インクキャリアとを含み、通常印刷位置の外側の領域に設けられ、前記紙送りローラの動力を伝達する第1ギア列と、前記第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに前記第1ギア列とかみ合うとともに、制御信号に基づいて所定量回転されることにより前記第2インクキャリアを前記第1インクキャリアに対して垂直方向に移動させるための第2ギア列とを備えたことを特徴とする、インクジェットプリンタ。 【請求項3】 前記第1インクキャリアは、偏心軸の第1部分を回転可能に保持する穴と、複数の垂直方向の長穴とを有し、前記第2インクキャリアは、前記偏心軸の第2部分が挿入される水平方向の長溝を有するとともに、前記第1インクキャリアの垂直方向の長穴に係合する突起部を有し、かつ、前記偏心軸の回転によって前記第1インクキャリアに対して垂直方向に移動される、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。 【請求項4】 前記第1ギア列は、通常印刷位置の外側の領域に設けられ、前記紙送りローラの動力を伝達する第1ギアと、前記第1ギアにフリクションアームを介して連結されたフリクションギアとを含み、前記第2ギア列は、前記キャリアシャフトに取り付けられ、前記第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに前記フリクションギアとかみ合うピニオン部と、前記ピニオン部と一体的に設けられたウォーム部とを含むウォームギアと、前記ウォームギアのウォーム部と係合するように前記偏心軸に取り付けられ、制御信号に基づいて所定量回転されることにより前記偏心軸を回転させて前記第2インクキャリアを前記第1インクキャリアに対して所定量垂直方向に移動させるための第2ギアとを含む、請求項3に記載のインクジェットプリンタ。 【請求項5】 前記インクキャリアが通常印刷位置に位置するときには、前記フリクションアームに係合するようにバネにより付勢されるとともに、前記インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、前記第1インクキャリアによる押圧力により、前記バネによる付勢力に抗して前記フリクションアームとの係合が解除されるストッパ部材をさらに備える、請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェットプリンタに関し、特に、用紙に印字を行うためのインクカートリッジを備えたインクジェットプリンタに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、インクジェットプリンタにおいて、用紙の厚みに対応して、インクカートリッジのノズルと用紙との距離を調節する機構を備えたインクジェットプリンタが知られている。 【0003】図8は、従来のインクジェットプリンタのノズル位置調節機構を示した正面図である。図9および図10は、図8に示した従来のインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の動作を説明するためのキャリアシャフトの回動を示した拡大図である。まず、図8を参照して、従来のインクジェットプリンタのノズル位置調節機構では、シャーシ101に、ノブ120cを有する回転体120が回転可能に取り付けられている。この回転体120には、回転体120の回転中心120a(図9参照)に対して偏心している軸取り付け穴120bが設けられている。そして、回転体120の軸取り付け穴120bには、キャリアシャフト102が取り付けられている。キャリアシャフト102には、インクキャリア103がキャリアシャフト102に沿って水平方向に移動可能に取り付けられている。インクキャリア103には、用紙に印字を行うためのノズル104aを有するインクカートリッジ104が収納されている。 【0004】図8〜図10を参照して、従来のインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の動作としては、回転体120を手動で所定量回転させる。これにより、回転体120の偏心している軸取り付け穴120bに取り付けられたキャリアシャフト102の中心102aは、回転体120の回転中心120aを支点として回動する。この回動によって、キャリアシャフト102が垂直方向に移動されるので、キャリアシャフト102に取り付けられたインクキャリア103も、垂直方向に移動される。これにより、インクキャリア103に収納されたインクカートリッジ104のノズル104aが垂直方向に移動されるので、ノズル104aと用紙との距離が調節される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に示した従来のインクジェットプリンタのノズル位置調節機構では、たとえば、図9に示した状態から、回転体120を時計回りに90度だけ回転させる場合、図10に示すように、キャリアシャフト102の中心102aは、回転体120の回転中心120aに対して、垂直方向に偏心量Yの距離を移動するとともに、前後方向にも偏心量Yの距離を移動する。このため、キャリアシャフト102を回動させてキャリアシャフト102に取り付けられたインクキャリア103(図8参照)を垂直方向に移動させると、インクキャリア103の位置が前後方向にずれるという不都合があった。その結果、インクキャリア103に収納されたインクカートリッジ104のノズル104a(図8参照)の位置を前後方向に変化させることなく、ノズル104aと用紙との距離を制御するのが困難であるという問題点があった。また、ノズル104aの位置を調節するために回転体120を回転させる場合、手動で回転させなければならないので、ノズル104aと用紙との距離を自動で調節するのが困難であるという問題点もあった。 【0006】また、インクカートリッジのノズルと用紙との距離を調節する機構を備えた従来のインクジェットプリンタの他の例が、特開2000−141791号公報および特開2000−190467号公報などに開示されている。上記特開2000−141791号公報には、インクカートリッジの下方に設けられた用紙搬送路をバネによりインクカートリッジ方向に付勢することによって、インクカートリッジのノズルと用紙搬送路上の用紙の印字面との距離を調節する機構が開示されている。また、上記特開2000−190467号公報には、インクカートリッジの下方に設けられた用紙搬送路をモータにより移動させることによって、インクカートリッジのノズルと用紙搬送路上の用紙の印字面との距離を調節する機構が開示されている。 【0007】しかしながら、上記特開2000−141791号公報では、ノズルと用紙の上面との距離が常に一定になるように制御されているので、印字の種類などに応じてノズルと用紙の上面との間隔を任意に変化させるのは困難であるという問題点がある。また、上記特開2000−190467号公報に開示されたインクジェットプリンタでは、ノズルと用紙との距離を制御するために、新たに駆動源を設けなければならないという問題点がある。 【0008】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、新たな駆動源を設ける必要がないとともに、ノズル位置を前後方向に変化させることなく、ノズルと用紙との距離を任意に制御することが可能なインクジェットプリンタを提供することである。 【0009】この発明のもう1つの目的は、上記のインクジェットプリンタにおいて、用紙などの厚みや印字の種類に応じてノズルと用紙との距離を任意に設定することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1におけるインクジェットプリンタは、用紙に対して印字を行うためのインクカートリッジと、インクカートリッジを収納するとともに、キャリアシャフトに沿って水平方向に移動するインクキャリアと、インクカートリッジに用紙を供給するための紙送りローラとを備えたインクジェットプリンタにおいて、インクキャリアは、キャリアシャフトに沿って水平方向に移動するとともに、偏心軸の第1部分を回転可能に保持する穴と、複数の垂直方向の長穴とを有する第1インクキャリアと、偏心軸の第2部分が挿入される水平方向の長溝を有するとともに、第1インクキャリアの垂直方向の長穴に係合する突起部を有し、かつ、偏心軸の回転によって第1インクキャリアに対して垂直方向に移動可能に取り付けられた第2インクキャリアとを含み、通常印刷位置の外側の領域に設けられ、紙送りローラの動力を伝達する第1ギアと、第1ギアにフリクションアームを介して連結されたフリクションギアとを含む第1ギア列と、インクキャリアが通常印刷位置に位置するときには、フリクションアームに係合するようにバネにより付勢されるとともに、インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、第1インクキャリアによる押圧力によって、バネによる付勢力に抗してフリクションアームとの係合が解除されるストッパ部材と、キャリアシャフトに取り付けられ、第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときにフリクションギアとかみ合うピニオン部と、ピニオン部と一体的に設けられたウォーム部とを含むウォームギアと、ウォームギアのウォーム部と係合するように偏心軸に取り付けられ、制御信号に基づいて所定量回転されることにより偏心軸を所定量回転させて第2インクキャリアを第1インクキャリアに対して所定量垂直方向に移動させるための第2ギアとを含む第2ギア列とを備えたことを特徴とする。なお、本発明におけるピニオン部は、大小かみ合う2個の歯車のうち、小さい方の歯車を意味する。 【0011】請求項1によるインクジェットプリンタでは、上記のように、紙送りローラの動力を伝達するフリクションギアを含む第1ギア列と、第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに第1ギア列のフリクションギアとかみ合うとともに、制御信号に基づいて所定量回転されることにより偏心軸を所定量回転させて第2インクキャリアを第1インクキャリアに対して垂直方向に移動させるための第2ギアを含む第2ギア列とを設けることによって、容易に、紙送りローラの動力を利用して、インクキャリアを前後方向に移動させることなく垂直方向に移動させることができる。これにより、新たな駆動源を設ける必要がないとともに、インクカートリッジのノズル位置を前後方向に変化させることなく、ノズルと用紙との距離を任意に制御することができる。また、第2ギアの回転量を調節すれば、容易に、ノズルと用紙との距離を制御することができるので、用紙の厚みやCDの厚み、さらには、印字の種類に応じてノズルと用紙の上面との距離を任意に設定することができる。 【0012】また、請求項1では、インクキャリアが通常印刷位置に位置するときには、フリクションアームに係合するようにバネにより付勢されるとともに、インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、第1インクキャリアによる押圧力により、バネによる付勢力に抗してフリクションアームとの係合が解除されるストッパ部材を設けることによって、インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに、フリクションアームが回動するので、容易に、第1ギア列のフリクションギアと、第2ギア列のウォームギアのピニオン部とを係合させることができる。 【0013】請求項2におけるインクジェットプリンタは、用紙に対して印字を行うためのインクカートリッジと、インクカートリッジを収納するとともに、キャリアシャフトに沿って水平方向に移動するインクキャリアと、インクカートリッジに用紙を供給するための紙送りローラとを備えたインクジェットプリンタにおいて、インクキャリアは、キャリアシャフトに沿って水平方向に移動する第1インクキャリアと、第1インクキャリアに対して垂直方向に移動可能に取り付けられた第2インクキャリアとを含み、通常印刷位置の外側の領域に設けられ、紙送りローラの動力を伝達する第1ギア列と、第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに第1ギア列とかみ合うとともに、制御信号に基づいて所定量回転されることにより第2インクキャリアを第1インクキャリアに対して垂直方向に移動させるための第2ギア列とを備えたことを特徴とする。 【0014】請求項2によるインクジェットプリンタでは、上記のように、紙送りローラの動力を伝達する第1ギア列と、第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに第1ギア列とかみ合うとともに、制御信号に基づいて所定量回転されることにより第2インクキャリアを第1インクキャリアに対して垂直方向に移動させるための第2ギア列とを設けることによって、容易に、紙送りローラの動力を利用して、インクキャリアを前後方向に移動させることなく垂直方向に移動させることができる。これにより、新たな駆動源を設ける必要がないとともに、インクカートリッジのノズル位置を前後方向に変化させることなく、ノズルと用紙の上面との距離を任意に制御することができる。 【0015】請求項3におけるインクジェットプリンタは、請求項2の構成において、第1インクキャリアは、偏心軸の第1部分を回転可能に保持する穴と、複数の垂直方向の長穴とを有し、第2インクキャリアは、偏心軸の第2部分が挿入される水平方向の長溝を有するとともに、第1インクキャリアの垂直方向の長穴に係合する突起部を有し、かつ、偏心軸の回転によって第1インクキャリアに対して垂直方向に移動される。このように構成すれば、偏心軸の回転によって、容易に、第2インクキャリアを第1インクキャリアに対して垂直方向に移動させることができる。 【0016】請求項4におけるインクジェットプリンタは、請求項3の構成において、第1ギア列は、通常印刷位置の外側の領域に設けられ、紙送りローラの動力を伝達する第1ギアと、第1ギアにフリクションアームを介して連結されたフリクションギアとを含み、第2ギア列は、キャリアシャフトに取り付けられ、第1インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときにフリクションギアとかみ合うピニオン部と、ピニオン部と一体的に設けられたウォーム部とを含むウォームギアと、ウォームギアのウォーム部と係合するように偏心軸に取り付けられ、制御信号に基づいて所定量回転されることにより偏心軸を回転させて第2インクキャリアを第1インクキャリアに対して所定量垂直方向に移動させるための第2ギアとを含む。このように構成すれば、制御信号により第2ギアの回転量を調節することによって、容易に、ノズルと用紙との距離を制御することができるので、用紙の厚みやCDの厚み、さらには、印字の種類に応じてノズルと用紙の上面との距離を任意に設定することができる。 【0017】請求項5におけるインクジェットプリンタは、請求項4の構成において、インクキャリアが通常印刷位置に位置するときには、フリクションアームに係合するようにバネにより付勢されるとともに、インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、第1インクキャリアによる押圧力により、バネによる付勢力に抗してフリクションアームとの係合が解除されるストッパ部材をさらに備える。このように構成すれば、インクキャリアが通常印刷位置の外側の領域に移動したときに、フリクションアームが回動するので、容易に、第1ギア列のフリクションギアと、第2ギア列のウォームギアのピニオン部とを係合させることができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0019】図1は、本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタのノズル位置調節機構を示した分解斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態によるインクジェットプリンタのインクキャリア部分を示した分解斜視図である。まず、図1および図2を参照して、本実施形態によるインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の構造について説明する。 【0020】本実施形態のインクジェットプリンタのノズル位置調節機構では、図1に示すように、シャーシ1に、キャリアシャフト2が取り付けられている。キャリアシャフト2には、インクキャリア3がキャリアシャフト2に沿って水平方向に移動可能に取り付けられている。インクキャリア3には、用紙に印字を行うためのノズル4aを有するインクカートリッジ4が収納されている。また、シャーシ1の下方中央部には、印字部に用紙を供給するための紙送りローラ5が取り付けられている。 【0021】ここで、本実施形態では、図2に示すように、インクキャリア3は、後部インクキャリア3aと、前部インクキャリア3bと、偏心軸6と、ギア7と、ウォームギア8とを備えている。後部インクキャリア3aには、複数の垂直方向に延びる長穴31aと1つの穴32aとが形成されている。また、前部インクキャリア3bには、後部インクキャリア3aの長穴31aに係合する複数の突起部31bと、1つの水平方向に延びる長溝32bとが形成されている。なお、後部インクキャリア3aは、本発明の「第1インクキャリア」の一例であり、前部インクキャリア3bは、本発明の「第2インクキャリア」の一例である。そして、後部インクキャリア3aは、キャリアシャフト2(図1参照)に移動可能に取り付けられている。また、前部インクキャリア3bは、後部インクキャリア3aに後部インクキャリア3aに対して垂直方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、前部インクキャリア3bの複数の突起部31bを後部インクキャリア3aの複数の長穴31aに係合させて取り付けることによって、前部インクキャリア3bが、後部インクキャリア3aの長穴31aにガイドされた状態で、垂直方向に移動可能となっている。また、前部インクキャリア3bには、インクカートリッジ4(図1参照)が収納される。 【0022】また、後部インクキャリア3aと前部インクキャリア3bとの間には、偏心していない軸6aと偏心している軸6bとが一体的に形成された偏心軸6が回転可能に取り付けられている。偏心軸6の偏心していない軸6aは、後部インクキャリア3aの穴32aに回転可能に保持されている。また、偏心軸6の偏心している軸6bは、前部インクキャリア3bの長溝32bに挿入されている。なお、軸6aは、本発明の「偏心軸の第1部分」の一例であり、軸6bは、本発明の「偏心軸の第2部分」の一例である。 【0023】この偏心軸6は、回転することにより前部インクキャリア3bを後部インクキャリア3aに対して垂直方向に移動させるために設けられている。すなわち、偏心軸6が回転すれば、偏心軸6の偏心している軸6bは、偏心軸6の回転中心を支点として回動するので、軸6bが挿入されている水平方向に延びる長溝32bには、垂直方向の力がかかる。これにより、偏心軸6の軸6bが挿入されている長溝32bを有する前部インクキャリア3bが、垂直方向に移動される。なお、偏心軸6の軸6bが挿入されている水平方向に延びる長溝32bには、偏心軸6の軸6bが回動しても、水平方向の力は加わらない。このため、前部インクキャリア3bは水平方向に移動せず、後部インクキャリア3aの複数の長穴31aにガイドされた状態で垂直方向のみに移動される。 【0024】また、偏心軸6の偏心していない軸6aには、ギア7が偏心軸6と一体的に回転するように取り付けられている。なお、このギア7は、本発明の「第2ギア」の一例である。また、ギア7に回転を伝達するために、ウォームギア8が後部インクキャリア3aと一体的に移動するように、キャリアシャフト2(図1参照)に取り付けられている。このウォームギア8は、ギア7とかみ合うウォーム部8aとピニオン部8bとが一体的に設けられた構造を有する。 【0025】また、図1に示すように、紙送りローラ5の一方端には、ギア9が紙送りローラ5と一体的に回転するように取り付けられている。なお、ギア9は、本発明の「第1ギア」の一例である。ギア9には、四角形状の端部10aを有するフリクションアーム10が、ギア9の回転中心を支点として回動可能に取り付けられている。フリクションアーム10には、ギア9とかみ合うとともに、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときに、ウォームギア8のピニオン部8bとかみ合うように、フリクションギア11が取り付けられている。これにより、ウォームギア8のピニオン部8bとフリクションギア11とがかみ合えば、ギア9の回転は、ギア7に伝達される。 【0026】また、シャーシ1には、バネ12を介して、ストッパ13が取り付けられている。なお、ストッパ13は、本発明の「ストッパ部材」の一例である。このストッパ13は、インクキャリア3が通常印刷位置に位置している場合、ストッパ13の端部13aとフリクションアーム10の四角形状の端部10aとが係合するように、バネ12により付勢されている。そして、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、後部インクキャリア3aがストッパ13を押圧するので、ストッパ13の端部13aとフリクションアーム10の四角形状の端部10aとの係合が解除される。このときに、ウォームギア8のピニオン部8bとフリクションギア11とがかみ合って回転が伝達される。 【0027】図3および図4は、図1に示した一実施形態によるインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の動作を説明するための正面図および側面図である。図5は、図1に示した一実施形態によるインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の動作を説明するための偏心軸周辺の拡大図である。図6は、図5に示した状態から、偏心軸を90度回転させた状態を示した偏心軸周辺の拡大図である。図7は、図5に示した状態から、偏心軸を180度回転させた状態を示した偏心軸周辺の拡大図である。次に、図1および図3〜図7を参照して、本実施形態によるインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の動作について説明する。 【0028】本実施形態によるインクジェットプリンタのノズル位置調節機構の動作としては、印字中の場合、図1に示したように、印字部に用紙を供給するために、紙送りローラ5が給紙方向に回転する。このとき、ストッパ13は、バネ12により付勢されている。そして、紙送りローラ5が給紙方向に回転することによって、紙送りローラ5と一体的に回転するように取り付けられたギア9が、給紙方向に回転する。このギア9の給紙方向の回転によって、ギア9の回転中心を支点として回動可能に取り付けられたフリクションアーム10が給紙方向に回動する。これにより、給紙方向に回動するフリクションアーム10の四角形状の端部10aとバネ12により付勢されているストッパ13の端部13aとが係合する。このため、印字中に紙送りローラ5の回転によりフリクションアーム10が給紙方向に回動しても、フリクションアーム10の四角形状の端部10aとストッパ13の端部13aとが係合する位置で、フリクションアーム10の回動が止まる。この状態で、紙送りローラ5による印字部への用紙の供給が続けられる。 【0029】次に、ノズル位置を垂直方向に調節する場合、図3に示すように、インクキャリア3は、通常印刷位置の外側の領域に移動する。このとき、後部インクキャリア3aがストッパ13を矢印A方向に押圧するので、ストッパ13が矢印A方向に移動される。この後、制御信号に基づいて、紙送りローラ5が給紙方向に回転する。これにより、図4に示すように、ギア9が時計回り(給紙方向)に回転するので、ギア9の回転中心を支点として回動可能に取り付けられたフリクションアーム10が時計回り(給紙方向)に回動する。このとき、ストッパ13が矢印A方向(図3参照)に移動されているので、フリクションアーム10が時計回り(給紙方向)に回動しても、フリクションアーム10の四角形状の端部10aとストッパ13の端部13a(図1参照)とは係合しない。このため、フリクションアーム10は、フリクションアーム10に取り付けられたギア11と、後部インクキャリア3aと一体的に移動するウォームギア8のピニオン部8bとがかみ合うまで時計回り(給紙方向)に回動する。 【0030】そして、ギア11とウォームギア8のピニオン部8bとがかみ合うことによって、紙送りローラ5の給紙方向の回転が、ギア9とフリクションギア11とを介して、ウォームギア8に伝達される。また、ウォームギア8の回転は、図3に示したように、ウォームギア8のウォーム部8aによってギア7に伝達される。これにより、ギア7と一体的に回転するように取り付けられた偏心軸6が回転するとともに、偏心軸6の偏心している軸6bも回動する。この軸6bの回動によって、軸6bが挿入された前部インクキャリア3bは、後部インクキャリア3aの垂直方向に延びる長穴31aにガイドされた状態で、垂直方向に移動される。 【0031】たとえば、図5に示す状態から、偏心軸6を90度回転させると、図6に示すように、偏心軸6の偏心している軸6bの中心は、偏心量Xだけ垂直方向に移動する。これにより、偏心軸6の偏心している軸6bが挿入された前部インクキャリア3bは、偏心量Xだけ垂直方向に移動される。このとき、偏心軸6の偏心している軸6bの中心は、偏心量Xだけ横方向にも移動する。この際、前部インクキャリア3bの水平方向に延びる長溝32bに、偏心軸6の偏心している軸6bが挿入されているので、前部インクキャリア3bは、横方向には移動されない。また、図5に示す状態から、偏心軸6を180度回転させると、図7に示すように、偏心軸6の偏心している軸6bの中心は、偏心量Xの2倍だけ垂直方向に移動する。このため、偏心軸6の偏心している軸6bが挿入された前部インクキャリア3bは、偏心量Xの2倍だけ垂直方向に移動される。このようして、本実施形態では、前部インクキャリア3bに収納されたインクカートリッジ4のノズル4a(図1参照)の垂直方向の位置を調節する。 【0032】本実施形態では、上記のように、紙送りローラ5の動力を伝達するギア9およびフリクションギア11と、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときにフリクションギア11とかみ合うとともに、制御信号に基づいて所定量回転されることにより偏心軸6を所定量回転させて前部インクキャリア3bを後部インクキャリア3aに対して垂直方向に移動させるためのギア7およびウォームギア8とを設けることによって、容易に、紙送りローラ5の動力を利用して、前部インクキャリア3bを前後方向に移動させることなく垂直方向に移動させることができる。これにより、新たな駆動源を設ける必要がないとともに、インクカートリッジ4のノズル4aの位置を前後方向に変化させることなく、ノズル4aと用紙の上面との距離を任意に制御することができる。また、ギア7の回転量を調節すれば、容易に、ノズル4aと用紙との距離を制御することができるので、用紙の厚みやCDの厚み、さらには、印字の種類に応じてノズル4aと用紙の上面との距離を任意に設定することができる。 【0033】また、本実施形態では、上記のように、インクキャリア3が通常印刷位置に位置するときには、フリクションアーム10の四角形状の端部10aに係合するようにバネ12により付勢されるとともに、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときには、後部インクキャリア3aによる押圧力により、バネ12による付勢力に抗してフリクションアーム10の四角形状の端部10aとの係合が解除されるストッパ13を設けることによって、インクキャリア3が通常印刷位置の外側の領域に移動したときに、フリクションアーム10が回動するので、容易に、フリクションギア11と、ウォームギア8のピニオン部8aとを係合させることができる。 【0034】なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。 【0035】たとえば、上記実施形態では、偏心軸6を回転させるために、ギア7、ウォームギア8、ギア9およびフリクションギア11を介して紙送りローラ5の動力を伝達するようにしたが、本発明はこれに限らず、他の伝達手段を用いて、偏心軸6に紙送りローラ5の動力を伝達するようにしてもよい。 【0036】また、上記実施形態では、前部インクキャリア3bに挿入された偏心軸6を回転させることによって、前部インクキャリア3bを後部インクキャリア3aに対して垂直方向に移動させるようにしたが、本発明はこれに限らず、他の手段を用いて、前部インクキャリアを後部インクキャリアに対して垂直方向に移動させるようにしてもよい。 【0037】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、新たな駆動源を設ける必要がないとともに、ノズル位置を前後方向に変化させることなく、ノズルと用紙との距離を任意に制御することが可能なインクジェットプリンタを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000201113 【氏名又は名称】船井電機株式会社 【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月28日(2002.5.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−341173(P2003−341173A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−154358(P2002−154358) |
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