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【発明の名称】 印刷装置のシャトル制御方法
【発明者】 【氏名】間宮 英昭
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工機株式会社内

【氏名】平塚 正文
【住所又は居所】茨城県ひたちなか市武田1060番地 株式会社日立工機インフォメーションテクノロジー内

【要約】 【課題】ステッピングモータから構成されるクランク方式のシャトル機構を有する印刷装置において、高価なステッピングモータを用いる事無く、かつ機器の信頼性を低下させる事無く、起動時の振動と騒音を低減する事を課題とする。

【解決手段】複数個の印字素子を搭載したハンマバンクと、該ハンマバンクを往復移動させるステッピングモータとで構成されるクランク方式のシャトル機構を有する印刷装置において、前記ステッピングモータ起動時に、励磁方式を1−2相励磁方式から2相励磁方式へ切り替える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数個の印字素子を搭載したハンマバンクと、該ハンマバンクを往復移動させるステッピングモータとで構成されるクランク方式のシャトル機構を有する印刷装置において、前記ステッピングモータ起動時に、励磁方式を1−2相励磁方式から2相励磁方式へ切り替える事を特徴とする印刷装置のシャトル制御方法。
【請求項2】前記ステッピングモータの自起動定速回転の途中にて、励磁方式を切り替える事を特徴とする請求項1記載の印刷装置のシャトル制御方法。
【請求項3】前記ステッピングモータ起動時のスローアップ開始時に、励磁方式を切り替える事を特徴とする請求項1記載印刷装置のシャトル制御方法。
【請求項4】前記ステッピングモータ起動時のスローアップ途中にて、励磁方式を切り替える事を特徴とする請求項1記載の印刷装置のシャトル制御方法。
【請求項5】前記ステッピングモータ起動時のスローアップ終了後に、励磁方式を切り替える事を特徴とする請求項1記載の印刷装置のシャトル制御方法。
【請求項6】前記印刷装置は複数の印刷モード、すなわち前記ステッピングモータの角速度パターンを複数種備え、前記励磁方式を切り替えるタイミングを複数種有し、印刷モードに応じて励磁方式を切り替えるタイミングを変更する事を特徴とする請求項2、3、4または5記載の印刷装置のシャトル制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモータから構成されるクランク方式のシャトル機構を有する印刷装置のシャトル制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータから構成されるクランク方式のシャトル機構を有し、このシャトル機構でもって複数の印字素子(ドット印字ハンマ等)を備えたハンマバンクを往復移動せしめる印字装置のシャトル機構部の例を図5、図6を用いて説明する。
【0003】図示していない複数個のドット印字ハンマを搭載したハンマバンク10は、直動軸受け11を介し、ガイドシャフト12に支持される。また、2個のクランク13の一端は前記ハンマバンク10及びカウンタバランサ14に各々連結され、他端は往復運動の動力源であるステッピングモータ20と連結されている。2個のクランク13は180°位相をずらしてステッピングモータ20に連結されている為、ハンマバンク10とカウンタバランサ14は互いに逆位相で往復運動する。
【0004】前記ステッピングモータ20の回転動作は、予め決められた角速度カーブ上を動作するよう制御される。その制御は、ステッピングモータ20に通電する駆動電流の駆動周期を変化させるシャトル制御回路30、ステッピングモータ20へ電流を通電するシャトル駆動回路40によって行われている。ステッピングモータ20の角速度及びハンマバンク10の速度波形の例を図4に示す。ステッピングモータ20が予め決められた角速度カーブ上を動作する事により、クランク13によって連結されたハンマバンク10は、図示の通り速度カーブの往復運動が行われ、往復動作の過程で印刷が実施される。
【0005】印刷用紙は前記ハンマバンク10に対向して装着されており、図示しない紙送り手段により搬送される。そして、ハンマバンク10の往復動作の過程で、図示しないインクリボンを介して印刷用紙へ向けて印字素子が駆動される事により印刷される。
【0006】次に、ステッピングモータ20の起動時の角速度波形例を図3に示す。ステッピングモータ20が起動する際には、自起動可能な低速の角速度にて回転させ、ステッピングモータの回転が安定するまでの時間、定速運転するのが一般的である。定速運転によりステッピングモータの回転が安定した後、加速動作すなわちスローアップを行い印刷動作時の角速度まで加速させる。その後、印刷動作時の角速度カーブ上を動作するよう制御され、ハンマバンク10の往復運動が行われ、往復動作の過程で印刷が実施される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のシャトル制御方法においては、図3に示す通り、励磁方式が固定であった為、例えば2相励磁方式の場合には起動時に振動、騒音が大きくなるという問題があった。また、起動時の振動、騒音を低減する為に、1−2相励磁方式を採用した場合、2相励磁方式と比べてステッピングモータの出力トルクが小さい為、ステッピングモータの脱調が発生し易く、したがって信頼性を向上させる為に十分に発生トルクの大きい高価なステッピングモータを使用していた。その為、機器のコストアップの要因となっていた。
【0008】本発明は、ステッピングモータから構成されるクランク方式のシャトル機構を有する印刷装置において、高価なステッピングモータを用いる事無く、かつ機器の信頼性を低下させる事無く、起動時の振動、騒音を低減する事を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、ステッピングモータ起動時に、励磁方式を1−2相励磁方式から2相励磁方式へ切り替える事により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】シャトル機構部の構成は従来技術と同様の為、省略する。図1に本発明におけるステッピングモータ起動時の角速度波形の一例、図2に励磁方式切り替え時の励磁パターンの一例を示す。図1、図2を用いて本発明におけるステッピングモータの励磁方式を切り替える制御の実施例を以下に示す。
【0011】従来のシャトル制御方法と同様、ステッピングモータを起動する際には、自起動可能な低速の角速度で回転させる。本発明においては、起動の際の振動、騒音を抑制する為、1−2相励磁方式により起動する。次に、ステッピングモータの回転が安定するまでの時間、定速運転を行う。シャトル機構部の系により、ステッピングモータの回転が安定するまでの時間が異なる為、系に応じて任意の時間を設定する。また、ステッピングモータの回転が安定するまでの時間が短い系においては、定速運転を行わず、起動直後に加速動作すなわちスローアップを行ってもよい。
【0012】1−2相励磁方式により起動する事により、起動時の振動、騒音を抑制した後、2相励磁方式に切り替えを行う。2相励磁方式へ切り替える事により、ステッピングモータの出力トルクの大きい動作モードに移行し、ステッピングモータの安定動作が可能となる。1−2相励磁方式から2相励磁方式へ切り替えを行うタイミングは、シャトル機構部の系により最適な個所が異なる為、系に応じて任意のタイミングを設定する。例えば、自起動の定速回転中に2相励磁方式に切り替えを行っても、振動、騒音を十分に抑制できる場合がある。この場合には図1の(A)に示す通り、自起動の定速回転中に駆動方法を2相励磁に切り替えを行う。
【0013】また、自起動の定速回転中に駆動方法を2相励磁方式に切り替えてしまうと、騒音、振動が十分に抑制できない場合には、1−2相励磁方式にて自起動を開始し、自起動の定速回転後の加速動作すなわちスローアップの開始時に2相励磁方式に切り替えを行う。更には、スローアップの途中またはスローアップ終了後に2相励磁方式に切り替えを行ってもよい。図1の(B)にスローアップ開始時、(C)にスローアップの途中、(D)にスローアップ終了後、それぞれの個所にて1−2相励磁方式から2相励磁方式へ励磁方式を変更する場合の切り替えタイミングを示す。なお、複数の印刷モードを備えている場合、印刷モードに応じて励磁方式を切り替えるタイミングを変更してもよい。
【0014】以上、励磁方式を1−2相励磁方式から2相励磁方式へ変更するタイミングについて示したが、前記タイミングについては当該のシャトル機構部の系において、最も振動、騒音を抑制できる個所を選択すればよい。
【0015】励磁方式を切り替える際の励磁パターンの一例については、図2に示す通りである。切り替えタイミングまで1−2相励磁方式によりステッピングモータを駆動し、切り替えタイミング以降、2相励磁方式にてステッピングモータを駆動する。図2では、A相を励磁するパターンまで1−2相励磁方式で駆動し、AB相を励磁するパターンから2相励磁方式に切り替えている場合を示している。
【0016】本発明のシャトル制御方法を用いる事により、1−2相励磁方式により起動し、起動時に発生する振動、騒音を低減する事が可能となり、更に、起動後に2相励磁方式に切り替える事により、ステッピングモータの出力トルクの大きい動作モードに移行し、ステッピングモータの安定動作が可能となる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、高価なステッピングモータを用いる事なく、かつ機器の信頼性を低下させる事なく、起動時の振動と騒音を低減する事ができる。
【出願人】 【識別番号】302057199
【氏名又は名称】日立プリンティングソリューションズ株式会社
【住所又は居所】神奈川県海老名市下今泉810番地
【出願日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−341166(P2003−341166A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−150774(P2002−150774)