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【発明の名称】 画像記録装置
【発明者】 【氏名】関根 哲
【住所又は居所】東京都八王子市石川町2970番地 コニカ株式会社内

【氏名】清水 三郎
【住所又は居所】東京都八王子市石川町2970番地 コニカ株式会社内

【要約】 【課題】画像記録装置において、搬送ベルトの劣化や画像記録精度の低下を阻止するとともに、製造上の手間やコストを格段に低減させる。

【解決手段】被記録媒体を所定の方向に搬送する搬送ベルト2と、被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された複数のインク吐出口3aを有し被記録媒体の搬送経路の上方に配置されるラインヘッド3と、を備える画像記録装置1において、搬送ベルト2は、インク吐出口3aの各々に対峙するように設けられた孔部2Aを有し、被記録媒体の搬送経路の下方に配置されインク吐出口3aから予備吐出されて孔部2Aを通過したインクを受ける廃インク回収容器4を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被記録媒体を所定の方向に搬送する搬送ベルトと、前記被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された複数のインク吐出口を有し前記被記録媒体の搬送経路の上方に配置されるラインヘッドと、を備える画像記録装置において、前記搬送ベルトは、前記インク吐出口の各々に対峙するように設けられた孔部を有し、前記被記録媒体の搬送経路の下方に配置され、前記インク吐出口から予備吐出されて前記孔部を通過したインクを受ける廃インク回収容器を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】前記孔部は、前記被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された孔からなる孔列を前記被記録媒体の搬送方向に沿って複数列配置して構成したものであることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】前記搬送ベルトは、所定の被検知部を有し、前記被検知部を検知する検知手段と、前記被検知部が検知された旨の信号に基づいて前記インク吐出口からの予備吐出のタイミングを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2記載の画像記録装置。
【請求項4】前記被検知部は、前記搬送ベルトの移動方向に沿って複数設けられ、前記孔部と前記被検知部とが一定の位置関係を有するように配置されてなることを特徴とする請求項3記載の画像記録装置。
【請求項5】前記廃インク回収容器は、その内部にインク吸収剤を備えることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の画像記録装置。
【請求項6】前記廃インク回収容器は、廃インクタンクと連通され、前記廃インク回収容器に回収されたインクが前記廃インクタンクに導かれて蓄積されることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像記録装置に関し、特に、ラインヘッドに備えられた複数のインク吐出口から被記録媒体へインクを吐出して所定の画像の記録を行う画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、所定の画像情報に基づいて、用紙やプラスチック薄板等の被記録媒体に、(文字や記号などを含む)所定の画像を記録する画像記録装置が提案されている。近年においては、被記録媒体の記録領域の全幅にわたってインク吐出口が形成された長尺のラインヘッドを備え、搬送手段によって所定の方向に搬送された被記録媒体にインク吐出口からインクを吐出して所定の画像の記録を行う画像記録装置(インクジェットプリンタ)が提案され、実用化されている。
【0003】このような画像記録装置(インクジェットプリンタ)は、長時間休止させると、ラインヘッドのインク吐出口内に残留したインクが乾燥・硬化し、目詰まりが発生してインク吐出特性が低下する場合がある。このため、インク吐出特性を維持する目的で、非記録時にいわゆる予備吐出を行うことがある。
【0004】かかる予備吐出は、被記録媒体の搬送手段である搬送ベルト上に行われることが多く、搬送ベルト上に吐出されたインクは、搬送ベルトの下流側に設置されたローラクリーナやブレードクリーナ等のベルト清掃部材によって拭き取られていた。近年においては、特開2000−127362号公報に記載されているように、各インク吐出口の下流近傍にベルト清掃部材を設けることによって、搬送ベルトに付着したインクを迅速に拭き取る手法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したように予備吐出を搬送ベルト上に行うとともに搬送ベルトに付着したインクをベルト清掃部材で拭き取る手法を採用すると、搬送ベルト上のインクが充分に拭き取られずに残留する場合がある。このように搬送ベルト表面がインクの残留により汚れると、搬送ベルト自体が劣化することに加え、搬送ベルトの移送速度が誤検出されて速度制御が不正確となり、画像記録精度が低下する場合があった。また、搬送ベルト上に残留したインクが次の被記録媒体の裏面に転写されて、被記録媒体が汚れることもあった。
【0006】また、前記したように予備吐出を搬送ベルト上に行うとともに搬送ベルトに付着したインクをベルト清掃部材で拭き取る手法を採用すると、ベルト清掃部材を駆動させるための複雑な機構や制御手段が必要となり、装置の製造に手間やコストがかかることとなっていた。
【0007】本発明の課題は、画像記録装置において、搬送ベルトの劣化や画像記録精度の低下を阻止するとともに、製造上の手間やコストを格段に低減させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、被記録媒体を所定の方向に搬送する搬送ベルトと、前記被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された複数のインク吐出口を有し前記被記録媒体の搬送経路の上方に配置されるラインヘッドと、を備える画像記録装置において、前記搬送ベルトは、前記インク吐出口の各々に対峙するように設けられた孔部を有し、前記被記録媒体の搬送経路の下方に配置され、前記インク吐出口から予備吐出されて前記孔部を通過したインクを受ける廃インク回収容器を備えることを特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明によれば、インク吐出口から予備吐出されたインクを、搬送ベルトの孔部を通過させて、廃インク回収容器内に滴下させて回収することができる。従って、従来のように搬送ベルト上に予備吐出を行う必要がないので、搬送ベルトの劣化や画像記録精度の低下を阻止することができる。また、予備吐出の際に、搬送ベルトに付着したインクを拭き取るためのベルト清掃部材を設ける必要がないので、装置の製造上の手間やコストを格段に低減させることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像記録装置において、前記孔部は、前記被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された孔からなる孔列を前記被記録媒体の搬送方向に沿って複数列配置して構成したものであることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明によれば、孔部は、被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された孔からなる孔列を被記録媒体の搬送方向に沿って複数列配置して構成したものであるので、搬送ベルトには、孔が設けられていない部分が被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って残存することとなる。従って、搬送ベルトによって被記録媒体を支持して搬送する際に、被記録媒体が孔によって下方に過剰に撓むのを阻止することができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像記録装置において、前記搬送ベルトは、所定の被検知部を有し、前記被検知部を検知する検知手段と、前記被検知部が検知された旨の信号に基づいて前記インク吐出口からの予備吐出のタイミングを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明によれば、搬送ベルトは所定の被検知部を有し、この被検知部を検知する検知手段と、被検知部が検知された旨の信号に基づいてインク吐出口からの予備吐出のタイミングを制御する制御手段と、を備えるので、搬送ベルト駆動時における予備吐出のタイミングを適切に制御することができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像記録装置において、前記被検知部は、前記搬送ベルトの移動方向に沿って複数設けられ、前記孔部と前記被検知部とが一定の位置関係を有するように配置されてなることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明によれば、孔部と被検知部とが一定の位置関係を有するように配置されてなるので、搬送ベルト駆動時における予備吐出のタイミングの制御をきわめて正確に行うことができる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れかに記載の画像記録装置において、前記廃インク回収容器は、その内部にインク吸収剤を備えることを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明によれば、廃インク回収容器は、その内部にインク吸収剤を備えるので、廃インク回収容器内に滴下したインクを受けて吸収することができる。従って、廃インク回収容器内におけるインクの跳ね上がりを防止することができ、かかるインクの跳ね上がりに伴う被記録媒体の汚れを未然に防ぐことができる。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れかに記載の画像記録装置において、前記廃インク回収容器は、廃インクタンクと連通され、前記廃インク回収容器に回収されたインクが前記廃インクタンクに導かれ蓄積されることを特徴とする。
【0019】請求項6記載の発明によれば、廃インク回収容器に回収され溜められたインクを、廃インクタンクに導いて蓄積することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】[第1の実施の形態]本実施の形態において例示する画像記録装置は、被記録媒体の記録領域の全幅にわたってインク吐出口が形成された長尺のラインヘッドを備え、このインク吐出口から被記録媒体へインクを吐出して所定の画像の記録を行うインクジェットプリンタである。
【0022】まず、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの機械的な構成について、図1および図2を用いて説明する。図1および図2は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの主要部を示す概略側面図および概略斜視図である。
【0023】インクジェットプリンタ1は、図1に示されるように、記録紙(被記録媒体)Pを所定の方向に搬送する搬送ベルト2、搬送される記録紙Pの上方に配置されるラインヘッド3、ラインヘッド3と対峙する位置に配置される廃インク回収容器4、等を備えている。
【0024】搬送ベルト2は、記録紙Pの搬送経路の上流および下流に配置されたベルト駆動ローラ5に巻き付けられた環状ベルトであり、その幅は、記録紙Pの全幅よりも若干広くされている(図2参照)。搬送ベルト2は、図1の矢印Yの方向に記録紙Pを搬送するように機能するものであり、ベルト駆動ローラ5の軸に直結された図示されていない搬送モータによって駆動される。搬送モータによってベルト駆動ローラ5を回転駆動することにより、搬送ベルト2上に載置した記録紙Pを図1の矢印Yの方向に一定速度で搬送することができる。
【0025】搬送ベルト2は、図2に示すように、所定の態様で設けられた孔部2Aと、後述する検知センサ(検知手段)によって検知される被検知孔(被検知部)2Bと、を備えている。
【0026】図3は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の主要部を示す平面図(上から見た図)である。以下、図3を用いて、搬送ベルト2に設けられた孔部2Aについて説明する。孔部2Aは、ラインヘッド3のインク吐出口3aから吐出されたインクを通過させて、後述する廃インク回収容器4に滴下させるという機能を果たすものである。
【0027】搬送ベルト2に設けられた孔部2Aは、図3の矢印Xの方向(以下、「幅方向」という)に沿って複数並設された円形状の孔2aからなる孔列2bを、図3の矢印Yの方向(以下、「搬送方向」という)に2列配置して構成したものである。このように構成された孔部2Aは搬送方向に沿って4組設けられている。図3には、4組の孔部2Aのうち2組が示されている。なお、孔2aは、円形状に限らず、矩形状、多角形状、楕円形状とすることもできる。また、孔列2bは、搬送方向に3列以上配置することもできる。
【0028】孔部2Aを構成する孔2aは、インク吐出口3aの各々に少なくとも一つ対峙するように配置されている。また、孔部2Aは、図3に示すように、搬送方向に隣接する孔2aの端部近傍が、幅方向において重ねられた状態で配置されている。図3には、搬送方向に隣接する孔2aの端部近傍が、幅方向において重ねられた状態で配置された所定幅の領域(重複領域)2cが示されている。
【0029】孔部2Aは、図3に示すように、幅方向に沿って複数並設した孔2aからなる孔列2bを、搬送方向に複数列配置して構成したものであるので、搬送ベルト2には、孔2aが設けられていない部分2dが幅方向に沿って残存している。従って、この孔2aが設けられていない部分2dによって、搬送された記録紙Pを支持することができ、孔2aによって記録紙Pが下方に過剰に撓むのを阻止することができる。
【0030】また、孔部2Aは、図3に示すように、搬送方向に隣接する孔2aの端部近傍が幅方向において重ねられた状態で配置されているので、機械誤差によって孔2aの端部近傍に対応するインク吐出口3aから吐出されるインクの滴下位置が若干ずれた場合においても、確実にインクを通過させることができる。
【0031】被検知孔2Bは、搬送ベルト2の幅方向の一方の端部に設けられた被検知部であり、後述する検知センサによって検知されることにより、予備吐出のタイミング制御に寄与するものである。被検知孔2Bは、各孔部2Aの近傍に設けられており、図3に示すように、孔部2Aと被検知孔2Bとは一定の位置関係を有するように配置されている。
【0032】搬送ベルト2の移動経路には、図1および図2に示すように、前記した被検知孔2Bを検知する検知センサ6が設けられている。この検知センサ6は、搬送ベルト2に設けられた被検知孔2Bを検知して、後述するCPU7にその検知信号を伝送するように機能する。検知センサ6からCPU7に伝送された検知信号は、後述する予備吐出工程S3で用いられる。
【0033】ラインヘッド3は、記録紙Pの搬送方向(図1および図2の矢印Yの方向)と直角な方向(図2の矢印Xの方向)に沿って複数並設されたインク吐出口3aを有し、記録紙Pの記録領域の全幅を覆う長さを有する長尺の筐体である(図2参照)。ラインヘッド3は、各インク吐出口3aから記録紙Pにインクを吐出して所定の画像の記録を行うものである。なお、本発明における「ラインヘッド」には、複数に分割した比較的短い分割ヘッドの端部を接合して長尺に構成したものも含まれるものとする。
【0034】ラインヘッド3のインク吐出口3aには、図示されていないインクチューブを介してインクタンクが接続されており、ラインヘッド3の内部には、インクチューブに連通する図示されていないインク流路が設けられている。また、ラインヘッド3のインク吐出口3aの近傍には、インク吐出口3aにおけるインクの残留状態を検出する図示されていない残留インク検出手段が設けられている。この残留インク検出手段によって検出された信号は、後述するCPU7に伝送され、後述する予備吐出要否判定工程S2で用いられる。
【0035】記録紙Pの搬送経路の下方には、図1に示すように、廃インク回収容器4が配置されている。廃インク回収容器4は、ラインヘッド3のインク吐出口3aから吐出され、孔2aを通過したインクを受け取って溜めるという機能を果たす。廃インク回収容器4は、インク吐出口3a側に開かれた開口部4a有し、図示されていない固定手段によって記録紙Pの搬送経路の下方に固定されている。
【0036】廃インク回収容器4の底壁には、図示されていないインク吸収剤が配置されている。このインク吸収剤は、廃インク回収容器内に滴下したインクを受けて吸収するという機能を果たす。このため、廃インク回収容器内におけるインクの跳ね上がりを防止することができる。また、廃インク回収容器4は、図示されていない廃インクチューブを介して、図示されていない廃インクタンクと連通接続されている。
【0037】次に、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の電気的な構成について、図4を用いて説明する。図4は、インクジェットプリンタ1の電気的な構成を説明するためのブロック図である。
【0038】本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、搬送ベルト2、ラインヘッド3、ベルト駆動ローラ5、検知センサ6、CPU7、入力装置8、等を備えている。
【0039】CPU7は、所定の制御基板に搭載された制御手段であり、インクジェットプリンタ1全体を統合制御するという機能を果たす。入力装置8は、図示されていない入力インターフェースを介してCPU7に接続され、CPU7に所定の画像情報に係る信号を入力するものである。入力装置8としては、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータや、各種画像を読み取る画像読取装置などを挙げることができる。
【0040】検知センサ6は、図示されていない入力インターフェースを介してCPU7に接続され、前記したように、搬送ベルト2の被検知孔2Bを検知した旨の検知信号をCPU7に伝送するという機能を果たす。ラインヘッド3は、図示されていない出力インターフェースを介してCPU7に接続され、CPU7の制御の下にインク吐出口3aから所定の色のインクを所定量吐出して所定の画像を記録紙Pに記録するものである。
【0041】ベルト駆動ローラ5は、図示されていない出力インターフェースおよび搬送モータを介してCPU7に接続され、CPU7によって駆動制御される。搬送ベルト2は、前記したようにベルト駆動ローラ5に取り付けられているので、結果的にCPU7によって搬送ベルト2が駆動制御される。CPU7の制御の下に搬送ベルト2を駆動して、図1および図2の矢印Yの方向に記録紙Pを所定の速度で搬送することができる。
【0042】次に、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の制御動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明において「予備吐出動作」とは、ラインヘッド3のインク吐出口3a内に残留したインクが乾燥・硬化するのを防止する目的で、非記録時に、インク吐出口3aから微量のインクを吐出する動作を意味する。
【0043】まず、CPU7の制御によって搬送ベルト2を駆動して記録紙Pを図1および図2の矢印Yの方向に搬送する(記録紙搬送工程:S1)。次いで、CPU7は、ラインヘッド3のインク吐出口3aの残留インク検出手段によって検出された残留インクの状態によって、予備吐出動作が必要であるか否かを判定する(予備吐出要否判定工程:S2)。
【0044】予備吐出要否判定工程S2において予備吐出動作が必要であると判定された場合には、CPU7は、検知センサ6からの検知信号に基づいてラインヘッド3を制御して、所定のタイミングで予備吐出動作を行う(予備吐出工程:S3)。
【0045】予備吐出のタイミング制御について具体的に説明する。検知センサ6から、被検知孔2Bを検知した旨の信号を受けたCPU7は、搬送ベルト2の搬送速度に基づいて、検知センサ6によって被検知孔2Bを検知した時点(検知時)から、孔部2Aがラインヘッド3のインク吐出口3aに対峙する時点(対峙時)までの所要時間(以下、「予備吐出所要時間」という)を算出する。そして、検知時から予備吐出所要時間が経過した時点で、ラインヘッド3のインク吐出口3aからインクを吐出する。
【0046】なお、孔部2Aは、幅方向に沿って複数並設された円形状の孔2aからなる孔列2bを、搬送方向に2列配置して構成したものであるので、2つの孔列2bの各々に対応した2種類の予備吐出所要時間が算出される。この予備吐出工程S3を経た後、制御動作を終了する。一方、予備吐出要否判定工程S2において予備吐出動作が不要であると判定された場合には、予備吐出動作を行わずに制御動作を終了する。
【0047】本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、搬送ベルト2が、インク吐出口3aの各々に対峙するように設けられた孔部2Aを有し、記録紙Pの搬送経路の下方に配置された廃インク回収容器4を備えるので、インク吐出口3aから予備吐出されたインクを、搬送ベルト2の孔部2Aを通過させて、廃インク回収容器4内に滴下させて回収することができる。従って、従来のように搬送ベルト2上に予備吐出を行う必要がないので、搬送ベルト2の劣化や画像記録精度の低下を阻止することができる。また、予備吐出の際に、搬送ベルト2に付着したインクを拭き取るためのベルト清掃部材を設ける必要がないので、装置の製造上の手間やコストを格段に低減させることができる。
【0048】また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、搬送ベルト2に設けられた孔部2Aが、記録紙Pの搬送方向と直角な方向(幅方向)に沿って複数並設された孔2aからなる孔列2bを記録紙Pの搬送方向に沿って複数列配置して構成したものであるので、搬送ベルト2には、孔が設けられていない部分2dが幅方向に沿って残存することとなる。従って、搬送ベルト2によって記録紙Pを支持して搬送する際に、記録紙Pが孔2aによって下方に過剰に撓むのを阻止することができる。
【0049】また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、搬送方向に隣接する孔2aの端部近傍が幅方向において重ねられた状態で配置されているので、機械誤差によって孔2aの端部近傍に対応するインク吐出口3aから吐出されるインクの滴下位置が若干ずれた場合においても、確実にインクを通過させることができる。
【0050】また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、搬送ベルト2が被検知孔(被検知部)2Bを有し、この被検知孔2Bを検知する検知センサ(検知手段)6と、被検知孔2Bが検知された旨の信号に基づいてインク吐出口3aからの予備吐出のタイミングを制御するCPU(制御手段)7と、を備えるので、搬送ベルト2駆動時における予備吐出のタイミングを適切に制御することができる。特に、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、孔部2Aと被検知孔2Bとが一定の位置関係を有するように配置されてなるので、搬送ベルト2駆動時における予備吐出のタイミングの制御をきわめて正確に行うことができる。
【0051】また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、廃インク回収容器4の内部にインク吸収剤が配置されているので、廃インク回収容器4内に滴下したインクを受けて吸収することができる。従って、廃インク回収容器4内におけるインクの跳ね上がりを防止することができ、かかるインクの跳ね上がりに伴う記録紙Pの汚れを未然に防ぐことができる。
【0052】また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1においては、廃インク回収容器4が、廃インクチューブを介して廃インクタンクと連通されているので、廃インク回収容器4に回収され溜められたインクを、廃インクタンクに導いて蓄積することができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、インク吐出口から予備吐出されたインクを、搬送ベルトの孔部を通過させて、廃インク回収容器内に滴下させて回収することができる。従って、従来のように搬送ベルト上に予備吐出を行う必要がないので、搬送ベルトの劣化や画像記録精度の低下を阻止することができる。また、予備吐出の際に、搬送ベルトに付着したインクを拭き取るためのベルト清掃部材を設ける必要がないので、装置の製造上の手間やコストを格段に低減させることができる。
【0054】請求項2記載の発明によれば、孔部は、被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って複数並設された孔からなる孔列を被記録媒体の搬送方向に沿って複数列配置して構成したものであるので、搬送ベルトには、孔が設けられていない部分が被記録媒体の搬送方向と直角な方向に沿って残存することとなる。従って、搬送ベルトによって被記録媒体を支持して搬送する際に、被記録媒体が孔によって下方に過剰に撓むのを阻止することができる。
【0055】請求項3記載の発明によれば、搬送ベルトは所定の被検知部を有し、この被検知部を検知する検知手段と、被検知部が検知された旨の信号に基づいてインク吐出口からの予備吐出のタイミングを制御する制御手段と、を備えるので、搬送ベルト駆動時における予備吐出のタイミングを適切に制御することができる。
【0056】請求項4記載の発明によれば、孔部と被検知部とが一定の位置関係を有するように配置されてなるので、搬送ベルト駆動時における予備吐出のタイミングの制御をきわめて正確に行うことができる。
【0057】請求項5記載の発明によれば、廃インク回収容器は、その内部にインク吸収剤を備えるので、廃インク回収容器内に滴下したインクを受けて吸収することができる。従って、廃インク回収容器内におけるインクの跳ね上がりを防止することができ、かかるインクの跳ね上がりに伴う被記録媒体の汚れを未然に防ぐことができる。
【0058】請求項6記載の発明によれば、廃インク回収容器に回収され溜められたインクを、廃インクタンクに導いて蓄積することができる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタホールディングス株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
【出願日】 平成14年5月30日(2002.5.30)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【公開番号】 特開2003−341106(P2003−341106A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−157313(P2002−157313)