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【発明の名称】 インクジェットプリンタ
【発明者】 【氏名】丹野 龍司
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内

【要約】 【課題】高粘度インクであってもメニスカスを壊すことなく、記録ヘッドの吐出面を清掃して、明瞭な画像形成を可能とするインクジェットプリンタを提供する。

【解決手段】30℃における粘度が10mPa・s〜3000mPa・sの高粘度インクを記録媒体に吐出して画像形成を行うインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタは、記録媒体に向けて高粘度インクを吐出する吐出口および吐出口を複数配列した吐出面を有する記録ヘッドと、吐出面を摺擦して清掃する清掃部材と、清掃部材が吐出面を摺擦するように、清掃部材を吐出面に対して相対的に移動させる移動手段と、移動手段を制御する制御手段とを備える。制御手段は、清掃部材が吐出面に対して相対的に0.5mm/s〜200mm/sの範囲内の速度で、吐出面を摺擦するように、移動手段を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】30℃における粘度が10mPa・s〜3000mPa・sの高粘度インクを記録媒体に吐出して画像形成を行うインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体に向けて前記高粘度インクを吐出する吐出口および前記吐出口を複数配列した吐出面を有する記録ヘッドと、前記吐出面を摺擦して清掃する清掃部材と、前記清掃部材が前記吐出面を摺擦するように、前記清掃部材を前記吐出面に対して相対的に移動させる移動手段と、前記移動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記清掃部材が前記吐出面に対して相対的に0.5mm/s〜200mm/sの範囲内の速度で、前記吐出面を摺擦するように、前記移動手段を制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御手段は、前記清掃部材が前記吐出面を摺擦する際に、前記吐出面を一定の速度で摺擦する定速モード、前記吐出面を加速しながら摺擦する加速モード、前記吐出面を減速しながら摺擦する減速モードの中から少なくとも1つのモードを選択して、選択されたモードに基づいて前記移動手段を制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項3】請求項1または2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吐出口から前記高粘度インクを吸引するためのインク吸引手段を備え、前記制御手段は、前記インク吸引手段を制御し、前記インク吸引手段による吸引を行った後に、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項4】請求項3記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吐出口の目詰まりを検知する吐出口検知手段を備え、前記制御部は、前記吐出口検知手段が前記吐出口の目詰まりを検知した後に、前記インク吸引手段による吸引を行って、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、前記記録ヘッドが前記記録媒体に所定量画像形成を行った後に、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項6】請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、電源投入時に、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項7】請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記高粘度インクを、30℃〜150℃の範囲内に収まるように加熱する加熱手段を備え、前記記録ヘッドは、前記加熱手段により加熱された前記高粘度インクを、1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項8】請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドが前記記録媒体上に前記高粘度インクを吐出した後に、前記記録媒体に光を照射する光照射手段を備え、前記高粘度インクは、光が照射されることにより硬化する光硬化性インクであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項9】請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記清掃部材は、硬度(JIS−A)が20〜100の範囲のゴムまたはゴム状部材により、ほぼ板状に形成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液として高粘度インクを用いるインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいては、インクを記録媒体に吐出する吐出口が、記録ヘッドの一面(吐出面)に備えられている。この記録ヘッドには、インクの粘度の増大、インクの固着による吐出口の目詰まり、あるいは吐出口に通じる液路内に発生した気泡やごみ等による目詰まりを回復するために、記録ヘッドの吐出面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャップ部材を介して吸引ポンプで吸引することにより、流路内に残留している気泡をインクとともに吐出口から吸引除去したり、吐出面に付着したごみ等を除去したりするメンテナンスが行われている。
【0003】通常、キャップ部材を記録ヘッドから取り外した際には、吐出面にインク滴が多数残留してしまう。このインク滴が吐出面に残ったままであると、明瞭な画像形成が行えない。このため、キャップ部材離脱後においては、弾性を有するブレードを吐出面に摺擦させることで、吐出面を拭き取り清掃している。
【0004】近年、インクジェットプリンタには、紫外線が照射されることで硬化するUVインクを記録液として用いたものが開発されている。このように、UVインクを用いて画像形成を行った場合、画像形成後に紫外線を照射すればUVインクは硬化し、長期間にわたって形成画像を消え難くすることができ、形成画像を屋外などに配置した際においても優れた耐候性を示すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、常温時においてUVインクは一般的なインクと比べて粘度の高い高粘度インクであるので、通常のインクを用いたインクジェットプリンタと同じように吐出面をブレードで摺擦すると、この摺擦にともなって吐出口内の高粘度インクも引き出されてメニスカスを壊すおそれがあり、結果、形成画像が不明瞭となる場合があった。
【0006】本発明の課題は、高粘度インクであってもメニスカスを壊すことなく、記録ヘッドの吐出面を清掃して、明瞭な画像形成を可能とするインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、30℃における粘度が10mPa・s〜3000mPa・sの高粘度インクを記録媒体に吐出して画像形成を行うインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体に向けて前記高粘度インクを吐出する吐出口および前記吐出口を複数配列した吐出面を有する記録ヘッドと、前記吐出面を摺擦して清掃する清掃部材と、前記清掃部材が前記吐出面を摺擦するように、前記清掃部材を前記吐出面に対して相対的に移動させる移動手段と、前記移動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記清掃部材が前記吐出面に対して相対的に0.5mm/s〜200mm/sの範囲内の速度で、前記吐出面を摺擦するように、前記移動手段を制御することを特徴としている。
【0008】本発明者は、高粘度インクを用いたインクジェットプリンタであっても、メニスカスを壊すことなく吐出面を清掃できるように、試行錯誤し種々の実験を行った。そして、清掃部材が吐出面を摺擦する際の清掃部材と吐出面との相対速度が200mm/s以下であると、摺擦にともなって吐出口内の高粘度インクを引き出すことなく、吐出面の清掃が行えることを突き止めた。
【0009】また、清掃部材が吐出面を清掃する際には、滑らかに摺擦することが好ましいが、清掃部材と吐出面との相対速度を0.5mm/s未満に設定すると、従来、移動手段の駆動部として用いていたモータ等では、摺擦を滑らかに行うことは困難である。このため、低速で滑らかに回転するモータや、ギアボックス等を設けて低速で滑らかに摺擦させるにしても、コストがかかってしまい実用的でない。しかしながら、清掃部材と吐出面との相対速度を0.5mm/s以上であれば、従来用いていたモータであっても、清掃部材で吐出面を滑らかに摺擦させることは可能であり、コストを抑えつつもメニスカスを壊すことなく吐出面の清掃を行うことができる。
【0010】つまり、請求項1記載の発明によれば、清掃部材が吐出面を摺擦する際の清掃部材と吐出面との相対速度が0.5mm/s〜200mm/sの範囲に設定されるので、メニスカスを壊すことなく吐出面の清掃が行え、明瞭な画像形成を確保できる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御手段は、前記清掃部材が前記吐出面を摺擦する際に、前記吐出面を一定の速度で摺擦する定速モード、前記吐出面を加速しながら摺擦する加速モード、前記吐出面を減速しながら摺擦する減速モードの中から少なくとも1つのモードを選択して、選択されたモードに基づいて前記移動手段を制御することを特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明によれば、制御手段が定速モード、加速モード、減速モードの中から少なくとも1つのモードを選択して、選択されたモードに基づいて移動手段を制御しているので、環境の変化に応じたモードで清掃部材と吐出面とを清掃することができる。例えば、インクジェットプリンタが寒冷地で使用される場合には、吐出面に残留した高粘度インクや、吐出口の出口付近の高粘度インクは外気によって冷やされて粘度が高くなる。このため、定速で摺擦すると、吐出口の高粘度インクを引き出してメニスカスを壊すおそれがあるが、外気温や吐出口内の高粘度インクの温度等に基づいて、制御手段が減速モードを選択すれば、清掃部材と吐出面との相対速度を減速させながら摺擦することとなり、低温で粘度が高まった高粘度インクであっても、メニスカスを壊すことなく吐出面を清掃することができる。
【0013】なお、定速モード、加速モード、減速モードの中から少なくとも1つのモードを選択とは、定速モード、加速モード、減速モードのいずれか1つのモードを選択することだけでなく、これら3つのモードから2つ以上のモードを組み合わせたり、順序を変えて選択することも含まれる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吐出口から前記高粘度インクを吸引するためのインク吸引手段を備え、前記制御手段は、前記インク吸引手段を制御し、前記インク吸引手段による吸引を行った後に、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴としている。
【0015】請求項3記載の発明によれば、インク吸引手段による吸引を行った後に、記録ヘッドの吐出面は清掃部材によって清掃されるので、インク吸引で吐出面に飛び散り付着したインクを除去することができる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項3記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吐出口の目詰まりを検知する吐出口検知手段を備え、前記制御部は、前記吐出口検知手段が前記吐出口の目詰まりを検知した後に、前記吸引手段による吸引を行って、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴としている。
【0017】請求項4記載の発明によれば、吐出口検知手段が吐出口の目詰まりを検知した後に、記録ヘッドは吐出口からインク吸引手段により高粘度インクが吸引されて、清掃部材によって吐出面が清掃されるので、吐出口が目詰まりしてもすぐに対処して、記録ヘッドをメンテナンスでき、明瞭な画像形成を維持することができる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、前記記録ヘッドが前記記録媒体に所定量画像形成を行った後に、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴としている。
【0019】請求項5記載の発明によれば、記録媒体に所定量画像形成を行った後に、記録ヘッドの吐出面は清掃部材によって清掃されるので、画像形成が所定量行われる毎に吐出面を清掃でき明瞭な画像形成を維持することができる。
【0020】ここで、所定量画像形成を行ったことを判断する基準としては、例えば、記録ヘッドの画像形成時における高粘度インクの吐出量や、画像形成時の記録媒体の搬送距離、画像形成された記録媒体の数などが挙げられる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記制御部は、電源投入時に、前記清掃部材による前記吐出面の清掃を行うことを特徴としている。
【0022】請求項6記載の発明によれば、電源投入時に、記録ヘッドの吐出面は清掃部材によって清掃されるので、電源投入前に吐出面にインクや埃等が付着していても、それに対処して吐出面を清掃でき、電源投入直後であっても明瞭な画像形成を行うことができる。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記高粘度インクを、30℃〜150℃の範囲内に収まるように加熱する加熱手段を備え、前記記録ヘッドは、前記加熱手段により加熱された前記高粘度インクを、1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出することを特徴としている。
【0024】請求項7記載の発明によれば、高粘度インクは加熱手段によって、30℃〜150℃の範囲内に収まるように加熱されるので、この加熱により高粘度インクの粘度は下がり、射出安定性の点で好ましい。なお、さらに好ましくは40℃〜100℃の範囲内である。一般に、高粘度インクは、30℃以下および150℃以上では、射出が困難になる。高粘度インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化をおこすため、インク温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インクジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備えるが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)、から吐出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
【0025】温度コントロールのため、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱する記録ヘッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮するため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
【0026】また、記録ヘッドの1ドット当たりの吐出量が2pl未満であると、形成される画像の濃度が低くなってしまう。このため、請求項7記載の発明によれば、記録ヘッドが、加熱手段により加熱された高粘度インクを、1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出するので、形成する画像の濃度低下を防止している。なお。1ドットあたりの射出量は、好ましくは4pl〜10plである。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドが前記記録媒体上に前記高粘度インクを吐出した後に、前記記録媒体に光を照射する光照射手段を備え、前記高粘度インクは、光が照射されることにより硬化する光硬化性インクであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【0028】請求項8記載の発明によれば、高粘度インクとして光硬化性インクを適用したインクジェットプリンタにおいても、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明と同等の効果を得ることができる。
【0029】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記清掃部材は、硬度(JIS−A)が20〜100の範囲のゴムまたはゴム状部材により、ほぼ板状に形成されることを特徴としている。
【0030】請求項9記載の発明によれば、清掃部材が、硬度(JIS−A)が20〜100の範囲のゴムまたはゴム状部材によりほぼ板状に形成されるので、弾性変形により吐出面をまんべんなく摺擦することができる。また、清掃部材の硬度が20未満であると、ブレード自体の形成が困難であり、硬度が100を超えると、摺擦時に好適な弾性変形しにくく、吐出面の清掃がまんべんなく行えないおそれがある。このため、ブレードの硬度は、上記したように20〜100の範囲内に収まるように設定される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図1〜図3の図面を参照しながら説明する。
【0032】この実施の形態で例示されるインクジェットプリンタ1は、温度上昇に伴って低粘度化し、紫外線が照射されることで硬化するUVインク(高粘度インク:以下インクと記述)を記録媒体に吐出し画像形成を行うものである。このインクジェットプリンタ1の主要構成は、図1に示すように、シート状の記録媒体2を画像形成時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、記録媒体2にインクを吐出する記録ヘッド3と、複数色毎の記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、記録ヘッド3のメンテナンスを行うメンテナンスユニット5と、画像形成時あるいはメンテナンス時などにキャリッジ4を水平方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6と、前記キャリッジ4の待機所となるホームポジション7と、これら各部の制御を行う制御部(図示省略)とを備えている。
【0033】ここで用いられる高粘度インクは、30℃における粘度が10mPa・s〜3000mPa・sとなるインクであり、好ましくは30℃における粘度が10mPa・s〜500mPa・sとなるインクである。10mPa・s未満であれば、記録媒体に着弾した後に滲みやすく、500mPa・sを超えると、形成画像の平滑性が失われてしまう。そして、さらに好ましくは、30℃における粘度が40mPa・s〜500mPa・sとなるインクである。そして、上記した高粘度インクを加熱して吐出する際には、粘度が3mPa・s以下では、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sでは、射出性が劣化するおそれがあるので、60℃における粘度が3mPa・s〜30mPa・sとなる高粘度インクが好ましい。さらに、より好ましくは、60℃における粘度が3mPa・s〜20mPa・sとなる高粘度インクである。なお、このインクの粘度は、JIS Z 8803に規定する液体の粘度−測定方法において測定されたものであって、実際の粘度の測定にはHAAKE社製粘度計(ビスコテスター)型式VT07Lを用いた。
【0034】記録媒体2は、インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)である。インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、例えば各種の樹脂や金属である。
【0035】搬送手段は、画像形成時において、キャリッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録媒体2を画像形成領域C上で搬送し、画像形成の終了に応じて、記録媒体2は画像形成領域Cから下方(矢印B)に向かって搬送される。
【0036】記録ヘッド3は、インクジェットプリンタ1で使用されるインクの種類(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)に応じて、複数個設けられている。この記録ヘッド3は、インク吐出の駆動力としてインクに対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧電作用を利用した方式を適用している。それは具体的には、例えば特公平4−48622号に記載されるように、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜が形成され、さらに絶縁体で覆われているインク流路とする記録ヘッド方式である。そして、記録ヘッド3は、インクを1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出する。なお、記録ヘッド3により記録媒体2上に形成されるドット径は、50μm〜200μmである。好ましくは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは55μm〜100μmである。50μm未満では形成される画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよりも大きければ高精細画像形成が難しい。
【0037】そして、上記方式を適用した記録ヘッド3は、図2に示すように、インクを記録媒体2に向けて吐出する吐出口(図示省略)と、吐出口を複数配列した吐出面31と、吐出口の目詰まりを検知する吐出口センサー(吐出口検知手段:図示省略)とを備えるとともに、図示しないインクタンクおよびインク供給管からなるインク供給系に接続されている。この記録ヘッド3およびインク供給系には、流路内のインクを加熱する加熱手段と、流路内のインク温度を検知する温度センサーが設けられている。
【0038】吐出口センサーは、吐出口の目詰まりを検知するものであれば如何なるものでもよいが、例えば本実施の形態の吐出口センサーは、発光部と受光部とを備え、この発光部と受光部とが吐出口を挟んで対峙するように配置されている。そして、吐出口センサーは、発光部から受光部に向けて発光される光が、吐出口から吐出されたインク滴により遮断されることで、インク滴の通過を検知する。つまり、インクを吐出するはずの吐出口から、インク滴の通過が検知されないときは、その吐出口が目詰まりを生じていることが認識される。
【0039】加熱手段は、温度センサーの検知結果を基に制御部によって、流路内のインクの温度が30℃〜150℃の範囲内に収まるように、加熱温度が制御されている。
【0040】キャリッジ4は、図1に示すように、ガイドレール6の案内により水平方向(矢印A)に沿って往復移動を繰り返し、記録ヘッド3を、画像形成領域Cにある記録媒体2の画像形成面上を走査させる。このキャリッジ4には、記録ヘッド3から吐出されたインクを硬化させるために、記録媒体に紫外線を照射するUV光源(光照射手段)41が設けられている。
【0041】UV光源41は、紫外線を照射するものであれば如何なるものでもよいが、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レーザー・LEDなどを用いることができる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO9954415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の記録方法においては、これらの照射方法を用いることが可能である。具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安価な構成とすることが可能である。
【0042】照射は、各色の画像形成毎に行われることが好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾インクの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安価に組むことに寄与する。なお第1の線源と、第2の線源とは露光波長または露光照度を変えることが好ましい。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネルギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましいものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまうと、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分子量は小さく、強度が得られない。
【0043】また、第1の線源の照射は、第2の線源の照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、インクの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であることが好ましい。
【0044】なお、本実施の形態では、硬化性、線源のコスト等を考慮して、光硬化性インクとして、紫外線が照射されることにより硬化するUVインクを適用した場合を例示しているが、紫外線以外の光線が照射されることにより硬化する光硬化性インクを適用してもよい。この場合、光照射手段は、UV光源でなく光硬化性インクを硬化させる光線(例えば、電子線、X線、可視光、赤外光など)を照射する様々な線源を用いることが可能である。なお、光硬化性インクは、実質的に水および有機溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しないとは、水および有機溶媒の含有量が1重量%未満である。
【0045】ここで、照射線の照射タイミングは、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒後である。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、上記したインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ることができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
【0046】また、複数色の記録ヘッドからなるユニットでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好ましい。具体的には、照射線透過性の部材で記録ヘッド間を構成するか、部材を配置させない構成である。このように簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、速やかに照射することが可能である、特に二次色の滲み防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるため、好ましい。
【0047】メンテナンスユニット5は、記録ヘッド3の吐出口を覆った状態で吐出面31と密閉し、吐出口からインクを吸引するためのキャップ部材51と、キャップ部材51によるインクの吸引が行われた後に、記録ヘッド3の吐出面31に残るインクを拭き取るブレード52と、記録ヘッド3の吐出口から空吐出されたインクを受けるインク受け部53とを、上面(記録ヘッド3の吐出面31に対向する面)に、一体的に備えている。そして、このメンテナンスユニット5には、記録ヘッド3のメンテナンスに応じてメンテナンスユニット5を移動させる移動手段(図示省略)が設けられている。
【0048】キャップ部材51は、複数(本実施の形態では2個)並んで設けられており、メンテナンス時において、一度に複数個の記録ヘッド3の吸引を行うことを可能としている。このキャップ部材51の下方には、キャップ部材51が記録ヘッド3の吐出面31を覆った際に、キャップ部材51と吐出面31により形成された空間内部を吸引する吸引ポンプ54、大気連通弁(図示省略)が回収管54aを介して連結されている。つまり、吸引ポンプ54は、キャップ部材51により覆われた状態の吐出口から、キャップ部材51を介してインクを吸引する。そして、吸引ポンプ54によって吐出口から吸引されたインクは、回収管54aを通って回収タンク55に回収される。
【0049】このように、インク吸引手段は、キャップ部材51、吸引ポンプ54、回収管54aにより構成されている。なお、本実施の形態では、記録ヘッド3の吐出口からインクを吸引する手段として吸引ポンプ54を例示したが、吐出口からのインクを吸引できるものであれば如何なるものでもよく、例えば、ピストンやシリンダ等が挙げられる。
【0050】ブレード52は、弾性を有し、記録ヘッド3の吐出面31を摺擦して清掃する清掃部材である。このブレードは、JIS−Aで規格される硬度が20〜100の範囲のゴムまたはゴム状部材により板状に形成されて、吐出面31を摺擦するために立設している。
【0051】ここで、ゴムまたはゴム状部材は、各種ゴム材料や熱可塑性エラストマ−などの他に、ゴム材料と同様の性質をもつ各種材料を広く含む。例えば、各種ゴム材料、樹脂材料、熱可塑性エラストマー等を、単独もしくは併用したものを用いても良い。この場合において、各種ゴム材料とは限定されるものではなく、例えば、固体のゴム材料の他に、液状の粘弾性体を硬化させて得られる液状反応硬化物等を用いても良い。また、固体のゴム材料とは、例えば、エチレンプロピレン三元共重合体(EPDM)、ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、ウレタンゴム等を、単独もしくは併用して用いたポリマーに対して、従来からゴム工業一般で用いられている、加硫剤や架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、溶剤等の配合薬品を配合し、加硫(または架橋)したものが含まれる。
【0052】ここで、加硫とは、硫黄加硫に限定されるものではなく、例えば、ゴム工業一般に用いられている有機過酸化物、金属酸化物、有機多価アミンなどの各種架橋剤による架橋も含まれる。また、液体のゴム材料とは、例えば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリコン、シリコン、ポリサルファイド等が含まれる。なお、これらの材料は、固体化させるための硬化剤を所定量添加して混合し、反応硬化させて用いることが好ましい。
【0053】インク受け部53は、メンテナンスユニット5におけるキャップ部材51とブレード52との間に配置されている。このインク受け部53には、溜まったインクを回収タンク55まで流す回収管53aが設けられている。
【0054】ここで、メンテナンス後に排出されたインクが、UV光源41により照射された紫外線の影響で、回収管53a、54a、回収タンク55内で硬化しないように、これら各部は遮光カバー56、57、58、59により覆われている。
【0055】ホームポジション7は、図1に示すように、キャリッジ4が往復移動する経路の一端側に備えられている。このホームポジション7には、記録ヘッド3の吐出面31を保湿する保湿キャップ71が、記録ヘッド3と同数設けられており、キャリッジ4の待機中においては、記録ヘッド3の吐出面31を覆って密閉している。
【0056】制御部(制御手段)は、インターフェイス、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ROM中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従いインターフェイスに接続された各種機器を制御するようになっている。
【0057】インターフェイスには、記録ヘッド3、キャリッジ4、吸引ポンプ54、UV光源41、加熱手段、温度センサー、吐出口センサー、搬送手段、移動手段などが電気的に接続されている。
【0058】ROMには、インクジェットプリンタの各部の動作に関する各種制御プログラムや制御データなどが書き込まれている。
【0059】RAMは、電力が供給されている間だけ入力されたデータを複数記憶可能であり、画像形成される画像データ等の各種データを記憶する記憶領域とCPUによる作業領域などが備えられている。
【0060】CPUは、ROMに格納されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを、RAM内の作業領域に展開し、各センサーからの入力信号に応じて、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0061】この制御部は、インクジェットプリンタ1の動作全体を制御するものであるが、ここでは記録ヘッド3のメンテナンス時に行われる制御について、図2および図3を参照にして説明する。
【0062】制御部は、記録ヘッド3が記録媒体2に所定量画像形成を行った後や、吐出口センサーが吐出口の目詰まりを検知した後、あるいはインクジェットプリンタ1の電源投入時等を、開始タイミングとして、記録ヘッド3のメンテナンスを開始する。
【0063】メンテナンスの開始タイミングとなると、制御部は、図2に示すように、キャリッジ4を制御して、記録ヘッド3の吐出面31とキャップ部材51とを対向させる。その後、制御部は移動手段を制御して、キャップ部材51と記録ヘッド3の吐出面31とが密閉するまで、メンテナンスユニット5を上方(矢印D)へと移動させる。キャップ部材51が記録ヘッド3の吐出口を覆って、吐出面31と密閉すると、制御部は、吸引ポンプ54を制御して、キャップ部材51を介して、吐出口からインクを吸引する。
【0064】吸引が終了すると、制御部は、移動手段を制御して、記録ヘッド3の吐出面31がブレード52の先端よりも下となるように、メンテナンスユニット5を下方(矢印E)へと移動させて、キャップ部材51を吐出面31から離間させる。キャップ部材51の離間が完了すると、制御部は、キャリッジ4を制御して、記録ヘッド3をその場に停止させるとともに、移動手段を制御して、メンテナンスユニット5を右方向(矢印F)に移動させる。この移動時においては、図3に示すように、ブレード52は、吐出面31を摺擦して、インクを拭き取り清掃しながら、記録ヘッド3を通過する。この際、ブレード52は、弾性変形して、吐出面31をまんべんなく清掃する。
【0065】ここで、制御部は、インクジェットプリンタ1の環境等に応じて、摺擦時の吐出面31に対するブレード52の動作を定速モード、加速モード、減速モードの中から少なくとも1つのモードを選択する。ここで、定速モードとは吐出面31を一定の速度で摺擦するモード、加速モードとは吐出面31を加速しながら摺擦するモード、減速モードとは吐出面31を減速しながら摺擦するモードである。そして、制御部は、選択したモードに基づいて、移動手段を制御させて、メンテナンスユニット5を移動させる。この上記した3モードは、いずれも、ブレード52が吐出面31を摺擦する際のブレード52と吐出面31との相対速度が、0.5mm/s〜200mm/sの範囲内に収まるように設定されている。
【0066】例えば、温度センサーや、外気温を測定する外温センサー(図示省略)などの検知結果により、インクジェットプリンタ1が寒冷地にあると判断された場合には、制御部は減速モードを選択する。そして、制御部は、記録ヘッド3の吐出面31に対してブレード52が、減速モードに基づいた相対速度で摺擦するように、移動手段を制御して、メンテナンスユニット5を移動させる。具体的には、摺擦開始時の相対速度が100mm/sで、摺擦終了時の相対速度が20mm/sとなるように、移動手段を制御している。
【0067】吐出面31の清掃されると、制御部は、移動手段を制御して、記録ヘッド3の吐出面31がブレードの先端よりも上となるように、メンテナンスユニット5を下方(矢印E)へと移動させる。その後、制御部は、移動手段を制御して、メンテナンスユニット5を左方向(矢印G)へと移動させて、記録ヘッド3の吐出面31とインク受け部53とを対向させる。
【0068】記録ヘッド3の吐出面31とインク受け部53とが対向すると、制御部は、記録ヘッド3を制御して、吐出口からインク受け部53に向けて空吐出させ、吐出口の吐出状態を復帰させる。記録ヘッド3のメンテナンスが終了すると、制御部は、移動手段を制御してメンテナンスユニット5を所定の位置に戻す。
【0069】以上のように、本実施の形態のインクジェットプリンタ1によれば、記録ヘッド3の吐出面31とブレード52との摺擦時の相対速度が、0.5mm/s〜200mm/sの範囲内で設定されているので、高粘度インクを用いたインクジェットプリンタ1であっても、メニスカスを壊すことなく記録ヘッド3の吐出面31の清掃が行え、明瞭な画像形成を確保できる。また、記録ヘッド3のメンテナンスは、形成された画像が不明瞭になりやすい状態(記録ヘッド3が記録媒体2に所定量画像形成を行った後や、吐出口センサーが吐出口の目詰まりを検知した後、あるいはインクジェットプリンタ1の電源投入時等)を基に開始されるので、常に明瞭な画像形成を行うことができる。
【0070】なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、本実施の形態では、メンテナンス時において、移動手段がメンテナンスユニット5全体を移動させる構成であるが、ブレード52を単体で移動させる構成であってもよい。また、本実施の形態では、移動手段が、メンテナンスユニット5を移動させることで、ブレード52が記録ヘッド3の吐出面31を摺擦するように、ブレード52を吐出面31に対して相対的に移動させているが、キャリッジ4がこの移動手段の機能を備える構成であってもよい。具体的には、例えば、記録ヘッド3の吐出面31を清掃する際に制御部は、移動手段を制御して、ブレード52を記録ヘッド3の吐出面31の摺擦可能な位置まで移動させた後に、キャリッジ4を制御して、ブレード52を停止させた状態で記録ヘッド3の方を移動させることで、ブレード52が記録ヘッド3の吐出面31を摺擦するように、ブレード52を吐出面31に対して相対的に移動させる。さらに、記録ヘッド3の吐出面31を清掃する際に制御部は、移動手段およびキャリッジ4を制御して、記録ヘッド3およびブレード52の両者を移動させて、ブレード52が記録ヘッド3の吐出面31を摺擦するように、ブレード52を吐出面31に対して相対的に移動させる構成であってもよい。
【0071】なお、本実施の形態では、ブレード52による吐出面31の摺擦は、吸引手段によるインク吸引後に行われる構成を例示しているが、インク吸引前に摺擦を行う構成であってもよい。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、高粘度インクを用いたインクジェットプリンタであっても、メニスカスを壊すことなく記録ヘッドの吐出面の清掃が行え、明瞭な画像形成を確保できる。
【0073】請求項2記載の発明によれば、環境の変化に応じたモードで清掃部材と吐出面とを清掃することができる。例えば、インクジェットプリンタが寒冷地で使用される場合には、記録ヘッドの吐出面に残留した高粘度インクや、記録ヘッドの吐出口の出口付近の高粘度インクは外気によって冷やされて粘度が高くなる。このため、定速で摺擦すると、吐出口の高粘度インクを引き出してメニスカスを壊すおそれがあるが、外気温や吐出口内の高粘度インクの温度等に基づいて、制御手段が減速モードを選択すれば、清掃部材と吐出面との相対速度を減速させながら摺擦することとなり、低温で粘度が高まった高粘度インクであっても、メニスカスを壊すことなく吐出面を清掃することができる。
【0074】請求項3記載の発明によれば、インク吸引で記録ヘッドの吐出面に飛び散り付着したインクを除去することができる。請求項4記載の発明によれば、画像形成が所定量行われる毎に吐出面を清掃でき明瞭な画像形成を維持することができる。請求項5記載の発明によれば、吐出口が目詰まりしてもすぐに対処して、吐出面を清掃でき明瞭な画像形成を維持することができる。請求項6記載の発明によれば、電源投入前に吐出面に埃等が付着していても、それに対処して吐出面を清掃でき、電源投入直後であっても明瞭な画像形成を行うことができる。
【0075】請求項7記載の発明によれば、最適な画像形成を行うことができる。請求項8記載の発明によれば、高粘度インクとして光硬化性インクを適用したインクジェットプリンタにおいても、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明と同等の効果を得ることができる。請求項9記載の発明によれば、弾性変形により吐出面をまんべんなく摺擦することができる。また、清掃部材の硬度が20未満であると、ブレード自体の形成が困難であり、硬度が100を超えると、摺擦時に好適な弾性変形しにくく、吐出面の清掃がまんべんなく行えないおそれがある。このため、ブレードの硬度は、上記したように20〜100の範囲内に収まるように設定される。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタホールディングス株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
【出願日】 平成14年5月30日(2002.5.30)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【公開番号】 特開2003−341080(P2003−341080A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−157624(P2002−157624)