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【発明の名称】 インクジェットプリントヘッドの製造方法
【発明者】 【氏名】伊藤 幸一
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内

【氏名】渡辺 英生
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内

【氏名】奥野 哲生
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内

【要約】 【課題】高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能である。

【解決手段】圧電体を含む部材でチャネルを形成し、圧電体に設けられた電極に電圧を印加して、前記圧電体を駆動することにより、前記チャネルからインクを噴射するインクジェットプリントヘッドを製造する方法であり、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、このチャネルプレートとカバープレートとを接着した基板を短冊状に切断した後、溝のメッキ層電極に接続する電極を蒸着により形成することにより、複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧電体を含む部材でチャネルを形成し、前記圧電体に設けられた電極に電圧を印加して、前記圧電体を駆動することにより、前記チャネルからインクを噴射するインクジェットプリントヘッドを製造する方法であり、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、このチャネルプレートとカバープレートとを接着した基板を短冊状に切断した後、前記溝のメッキ層電極に接続する電極を蒸着により形成し、この外周面に形成された電極の一部を除去することにより、前記複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成することを特徴とするインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項2】圧電体を含む部材でチャネルを形成し、前記圧電体に設けられた電極に電圧を印加して、前記圧電体を駆動することにより、前記チャネルからインクを噴射するインクジェットプリントヘッドを製造する方法であり、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、このチャネルプレートとカバープレートとを接着した基板を、短冊状に切断した後、前記溝のメッキ層電極に接続する電極をレジストでパターニングをした上で蒸着により形成し、この外周面に形成された電極の一部をリフトオフにより、前記複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成することを特徴とするインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【請求項3】前記電極が、ニッケルまたは銅であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピエゾ素子を使用する、高画質、高速、高密度シエヤーモードインクジェットプリントヘッドの製造方法に関するものである。シエヤーモードインクジェットプリントヘッドは、分極した圧電基板に、インクチャネルを研削して、その溝の側壁に電極を形成し、この電極に電界を掛けると、溝の側壁が、くの字型に剪断変形して、溝の中のインクに圧力を掛けてインク滴を吐出する。
【0002】このインクジェットプリントヘッドには、溝内に駆動電極を、そして、溝の外に、この電極に信号を送る接続電極が必要になる。この発明は、接続電極には蒸着、溝内の駆動電極にはメッキを使用して、駆動電極と接続電極を形成する新しいインクジェットプリントヘッドの製造方法である。
【0003】
【従来の技術】従来技術による電極と接続電極の形成法とヘッドの組立法の概略を、図10(a)、図10(b)を使用して説明する。
【0004】分極した圧電基板に複数のストレ−トな溝110を形成したヘッド基板100に、天板120を接着して、インク溝をする。続いて、ヘッドの寸法にあわせて短冊状に切断した後、触媒を吸着させて、無電解メッキする。メッキ浴から取り出し、水洗、乾燥後、ヘッド基板100の後端から裏面に掛けて、レ−サ−光130を照射して、メッキ金属を取り除く。ヘッド基板100の両端を研磨して、メッキ金属を取り除けば、各溝毎に独立した電極と立体的な引き出し配線を形成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高密度、高画質のインクジェットプリントヘッドでは、溝の高さと幅の比であるアスペクト比(=高さ/幅)が大きく、蒸着で溝の奥まで電極を形成しようとすると表面の凹凸により影になる部分が生じ、被覆率が低減し(容量は低下)、駆動電極の機能を損ねる欠点があった。
【0006】一方、チャネルプレートとカバープレートとを接着してヘッドチップを形成し短冊状に切断した後、メッキによって電極を形成すると、ブロックが小さいことからメッキ浴への出し入れ等の作業性が悪い欠点があった。
【0007】この発明は、組み合わせにより蒸着とメッキのそれぞれの欠点を解消し、高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能なインクジェットプリントヘッドの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前期課題を解消し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0009】請求項1に記載の発明は、圧電体を含む部材でチャネルを形成し、前記圧電体に設けられた電極に電圧を印加して、前記圧電体を駆動することにより、前記チャネルからインクを噴射するインクジェットプリントヘッドを製造する方法であり、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、このチャネルプレートとカバープレートとを接着した基板を短冊状に切断した後、前記溝のメッキ層電極に接続する電極を蒸着により形成し、この外周面に形成された電極の一部を除去することにより、前記複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成することを特徴とするインクジェットプリントヘッドの製造方法である。
【0010】この請求項1に記載の発明によれば、溝の高さと幅の比であるアスペクト比が大きい場合でも、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、その後、短冊状に切断してブロックにした状態では溝のメッキ層電極に接続する電極を蒸着し、外周面に形成された蒸着層の一部をレーザー光やエッチングで除去することにより、複数のチャネルに対応するようにパターニングして形成することで、高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能である。
【0011】請求項2に記載の発明は、圧電体を含む部材でチャネルを形成し、前記圧電体に設けられた電極に電圧を印加して、前記圧電体を駆動することにより、前記チャネルからインクを噴射するインクジェットプリントヘッドを製造する方法であり、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、このチャネルプレートとカバープレートとを接着した基板を、短冊状に切断した後、前記溝のメッキ層電極に接続する電極をレジストでパターニングをした上で蒸着により形成し、この外周面に形成された電極の一部をリフトオフにより、前記複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成することを特徴とするインクジェットプリントヘッドの製造方法である。
【0012】この請求項2に記載の発明によれば、溝の高さと幅の比であるアスペクト比が大きい場合でも、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、その後、短冊状に切断した後、溝のメッキ層電極に接続する電極をレジストでパターニングをした上で蒸着により形成し、この外周面に形成された電極の一部をリフトオフ(レジスト除去)により、複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成することで、高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能である。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記電極が、ニッケルまたは銅であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの製造方法である。
【0014】この請求項3に記載の発明によれば、電極金属は、ニッケルまたは銅が好ましく、特に、耐食性に優れるニッケルが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明のインクジェットプリントヘッドの製造方法の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0016】この発明は、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成する。溝の高さと幅の比であるアスペクト比(=高さ/幅)が大きい場合でも、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に、メッキ処理して被覆率の高い電極を形成することができる。
【0017】その後、チャネルプレートとカバープレートとを接着した基板を短冊状に切断してブロックにする。このブロックにした後、ブロックの溝のメッキ層電極に接続する電極を蒸着により形成することで、高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能である。
【0018】ここで、接続電極は、外周面に形成された蒸着層の一部をレーザー光やエッチングで除去することにより複数のチャネルに対応するようにパターニングしてもよいし、あるいは予めパターニングしたレジスト上に蒸着層を形成した後でリフトオフ(レジスト除去)をしてもよい。
【0019】次に、この実施の形態について説明する。
【0020】図1はインクジェットプリントヘッドの製造工程のフロー、図2はインクジェットプリントヘッドの製造工程を示す概略図、図3はレーザー光の照射を示す図、図4はヘッドブロックの分解斜視図、図5はインクジェットプリントヘッドの平面図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図、図7は図5のVII−VII線に沿う断面図、図8はインクジェットプリントヘッドの組付の斜視図である。
【0021】この実施の形態では、インクジェットプリントヘッドの製造が、チャネルプレート作製工程A1、チャネルプレート溝加工工程A2、触媒吸着無電解メッキ工程A3、カバープレート作製工程A4、チャネルプレートとカバープレート接着工程A5、ブロック加工工程A6、蒸着工程A7、パターニング工程A8、ノズルプレート接着工程A9、絞り板接着工程A10、液室接着工程A11、基体接着工程A12、駆動制御基盤接合工程A13、基板固定工程A14、カプラー接着工程A15の順で行われる。
【0022】以下、このインクジェットプリントヘッドの製造工程について説明する。
[チャネルプレート作製工程A1(図2(a))]分極処理した、厚さ0.9mmのPZTの板材1と、厚さ0.155mmのPZTの板材2を、分極方向を所定の方向に合わせて14〜20Kg/cm2の荷重と90〜100℃の温度を掛けて、30〜40分接着することにより、接着剤層が約2μmになるようにして、接着剤層を含む厚さ1.057mmのチャネルプレート3を作製する。
【0023】このチャネルプレート3を作製する工程A1は、接着面にゴミ等が付着しないよう、クリーンルームで作業し、また、接着ムラや気泡等が残留しないよう細心の注意を払うことが重要である。
【0024】2枚のPZTの板材1,2を接着するのは、剪断モードインクジェットプリントヘッドのチャネルの側壁を2枚のPZTで形成することにより、電圧を印加した際、側壁の変形を大きくするためである。
[チャネルプレート溝加工工程A2(図2(b))]チャネルプレート3を研削して、インクチャネルとなる溝4を形成する。
【0025】この実施形態の場合、128個のノズルを形成するために、ほぼ溝幅に等しいブレードBにより、チャネルプレート3の厚さ0.155mmの板材2の側より、深さ0.31mm、溝幅0.07mm、壁幅0.071mm、ピッチ0.141mmで合計263個の溝を、櫛歯状に加工する。
【0026】この実施形態の場合は、インクチャネルの両側に空気チャネルを設けるので、257個の溝が必要となり、その両側に各々4mmの保持部を備え、その保持部に前記257個の溝に続けて予備の溝をそれそれぞれ3個設けているので合計263個の溝となる。
【0027】なお、両側のそれぞれ3個の溝は、ノズル板を接着する時、過剰の接着剤がノズル域に入り込まないように設けたグルーガードであるが、またノズル域にあるノズルに不測の事態が生じた場合など、予備ノズルとして機能させることができる。
[触媒吸着・無電解メッキA3(図2(c))]メッキ浴Cにおいて、チャネルプレート3に、触媒を吸着して適正メッキ膜厚2〜5μmより、薄いメッキ皮膜を掛ける。例えば、ニッケル/燐またはニッケル/ボロンの1μm以下の薄膜メッキを施す。また、銅等で薄膜メッキを施す。
[カバープレート作製工程A4(図2(d))]チャネルプレート3の溝の上面を塞ぐため、チャネルプレートと同じPZTで、カバープレート10を作製する。このカバー材は溝を加工する必要がなく、また、分極処理する必要もないので、材質はPZTである必要はないが、カバー材とPZTの機械物性が大幅に異なると、PZTの剪断力発生に悪影響するため、ヘッドの射出性能等に影響を及ぼしたり、接着後にソリや変形を生じることがあるので、カバー材は、機械的強度や線膨張係数等がPZTと等しいか、きわめて近似していることが望ましく、この実施の形態ではチャネルプレート製作に用いた厚板を共用して、脱分極して用いる。
[チャネルプレートとカバープレート接着工程A5(図2(e))]溝加工されたチャネルプレート3にカバープレート10を接着する。それぞれ同寸法であるため、位置がずれないように治具等を使用して接着する。接着剤を加熱接着後に約2μmになるように均一に塗布し、14〜20Kg/cm2、90〜100℃の温度で約30〜40分程度、加熱接着する。
[ブロック加工工程A6(図2(f))]接着されたチャネルプレート3とカバープレート10をダイシング加工により、幅2mm、長さ44.166mmの短冊状に数個に切断70してヘッドチップ20にする。
[蒸着工程A7(図2(g))]ヘッドチップ20のブロックの溝の電極に接続する電極を蒸着により形成し、この蒸着は、アルミニウム、ニッケル、銅等を用いて接続電極がそれぞれ形成される。ただし、ノズルプレート30を接着する側のヘッドチップ端面には、蒸着は行なわない。
[パターニング工程A8(図2(h))]ヘッドチップ20のブロック6に蒸着層電極を形成した後、図9に示すように、不要箇所の蒸着層電極をレーザー光Dで除去することで、接続電極81等の電極形成を完成する。
【0028】レーザー光での電極の除去は、図3に示す装置で行う。ヘリウム・ネオンレーザー発振器151からのレーザー光は、電極除去用のYAGレーザー発振器154からのレーザー光の照射位置を定めるものである。X方向及びY方向に移動可能なXYテーブル150にチャネルプレート3からのブロック6を載置し、まず最初にヘリウム・ネオンレーザー発振器151からのレーザー光を反射鏡152、集光レンズ153を介して照射し、YAGレーザー発振器154からのレーザー光の照射位置を定め、その後YAGレーザー発振器154からのレーザー光を反射鏡155、集光レンズ153を介して照射し、レーザートリミングにより電極にパターンを形成する。
【0029】ここで、レーザー光による蒸着層電極のパターニング方法を示したが、エッチングやレジストのリフトオフ(レジスト除去)によるパターニングを用いてもよい。なお、レジストのリフトオフによる場合、蒸着前にパターニングしたレジスト層を形成し、蒸着後にリフトオフすることになる。
[ノズルプレート接着工程A9(図2(i))]ヘッドチップ20の端面にノズルプレート30を接着する。ノズルプレート30は、シート状の薄板にインク吐出のための開孔30aを複数個設けた、ステンレス材やポリイミド樹脂等で形成されている。ノズルプレート30の開孔径(ノズル径)や厚み、幅や長さ等の形状諸元は、インクジェット装置の仕様で異なるが、この実施形態では、厚さ約125μmのポリイミド樹脂シートに開口径約φ18μmで128個の開孔(ノズル)30aをエキシマレーザーで加工し、ノズルプレート表面は、飛散したインク滴が、ノズル開孔30aに影響を与えないよう撥水処理する。
【0030】ノズルプレート30の所定の箇所あるいはヘッドチップ20の所定の箇所に接着剤を塗布し、ヘッドチップ20と接着後、加熱器内に挿入し、接着剤の種類や、被接着物等により変化するが、この実施の形態では、例えば約80℃の温度で約40分程度の加熱を行い、更に、約100℃、20分加熱を行うことで、接着強度を高める。
【0031】なお、ノズルプレート30が平行平面を保持するように、且つ接着剤がインクチャネル内を埋めることがないように注意すると共に、インクを注入した時に漏れがないように、それぞれのインクチャネルが確実に、個々に独立した空間を形成するように接着しなければならない。ノズル開孔30aが接着剤で塞がれることがないように、接着剤の量や接着層の厚みを管理することが重要である。なお、ヘッドチップ20にプラズマ処理を行い、接着層の濡れ性を促進しておくと、接着が容易に且つ確実に行える。ノズルプレート30のみならず、絞り板の接着もあるので、ヘッドチップ20をプラズマ処理する事が望ましい。
[絞り板の接着工程A10(図2(j))]ノズルプレート30を接着したヘッドチップ20の他端に、絞り板40を接着して、ヘッドブロック50を作製する。
【0032】なお、絞り板40は、開孔(ノズル)40aを有するチャネルの両側の空気チャネルにインクが流入しないようにする機能と、インク吐出のためのチャネル内の圧力変動を所定の圧力に維持できるようにするための機能を有する。
【0033】この実施の形態では、ノズルプレート30と同材質の125μm厚のポリイミド樹脂シートに、幅110μm長さ350μmの長方形状の孔40aをピッチ282μmで128個設けている。勿論、これらの形状諸元は、ノズルプレート30と同様、インクジェット装置の仕様等に基づくもので、これに限定されないことは言うまでもない。
[液室接着工程A11]ヘッドチップ20にノズルプレート30と絞り板40とを接着すると、図4に示すように、ヘッドブロック50が完成する。このヘッドブロック50に、図5乃至図8に示すように、インクが供給できるように液室部材60を接着剤で固着する。
[基体接着工程A12]さらに、ヘッドブロック50と液室部材60とを接着したヘッドユニットを、基体61に接着することにより液室が構成され、ヘッドユニットにインクが注入できる状態となる。ヘッドユニットの接着に際しては、基体61に対してヘッドユニットのヘッドブロック50が位置ズレや傾斜のないように注意すると共に基体61に接着される液室部材60周囲からのインク漏れが生じないように注意する必要がある。この工程では、組み込みの作業性を考慮して常温硬化タイプの接着剤を用いる。
【0034】なお、この実施の形態では、ヘッドブロック50を固定する基体61と一体的に液室を構成したが、これによらず、インクジェットヘッドの仕様や設計上の構成によっては液室を単独に構成しても良く、液室の形状や大きさ等の諸元は、インクジェットヘッドの仕様等に基づき設定され、特にインクがインクカートリッジやインク袋から円滑に流入し、ヘッドブロック50のチャネルに円滑に侵入するようにする形状が重要で、また、インク内のゴミや気泡等を除去するためのフィルター等を組込んだり、別にフィルターを組込んだフィルター室を設け液室に連接することも可能である。
【0035】この実施の形態のように、ヘッドチップ20を小型化すると、インクジェットヘッドの重量や容積が少なくてすむのでコスト的にも従来に比べ安価で、ヘッドユニット構成のための自由度が増し、更に慣性力も軽減できる機械的な利点の他に、インクを吐出するためのPZTの剪断変形を低電圧で行えると共に、周波数が高速化できるので、印字速度を速くできる利点がある。
[駆動制御基板接合工程A13]インクが注入できるまでに完成したヘッドユニットに、インクを吐出させる為に電圧を印加する駆動制御基板62を結合する。
【0036】この第1の実施の形態では、ヘッドチップ20のチャネルプレート3の裏面に形成された接続電極に、異方性導電性フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)63を用いることができ、約170℃で約20秒程、約14Kg程度の荷重を均一にかけて加熱押圧することで、駆動制御基板62に設けられたフレキシブルプリント回路(FPC)64と電気的に結合する。
[基板固定工程A14]ヘッドユニットと駆動制御基板62とを基体61に取り付け、インクジェットプリントヘッドを完成させる。この第1の実施の形態では、ヘッドユニットとフレキシブルプリント回路64を介して駆動制御基板62が電気的に結合された後に、駆動制御基板62を基体61にネジ等の締結部材65で固定すると共に、ヘッドユニットを上蓋66をネジ等の締結部材67で固定することによりインクジェットプリントヘッドが完成する。
[カプラー接着工程A15]このインクジェットプリントヘッドの基体61にカプラー68を接着し、別に設けたインク注入装置からカプラー68を介して液室部材60にインクを注入し、駆動制御基板62に設けたコネクタ69に電源を接続すると共に、インク吐出させるための制御を行うことによりインクジェットプリントヘッドのノズルからインクが吐出できることになる。
【0037】なお、この実施の形態においては、インク注入装置からインクをインクジェットヘッドに流入させるためにインク注入装置のチューブと液室を連係するためのカプラー68を別途設けたが、これは基体や液室、あるいはフィルター室等を設けた場合はフィルター室と一体に構成しても良いことは言うまでもない。また、一般には、各工程毎に決められた項目での検査が行われ、次工程に流されるようになっており、インクジェットヘッドが完成した段階で、疑似インクによる吐出性能等が検査されて、合格品が出荷の運びとなるので、この実施の形態においても同様であり、検査に関しては省略した。なお、この発明の要旨を工程順に説明したが、工程の順序を作業の都合等で入れ替えたり、同時に作業を行えるようにする等の工程変更は、この発明の要旨から逸脱するものではない。
【0038】
【発明の効果】前記したように、請求項1に記載の発明では、溝の高さと幅の比であるアスペクト比が大きい場合でも、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、その後、短冊状に切断してブロックにした状態では溝のメッキ層電極に接続する電極を蒸着し、外周面に形成された蒸着層の一部をレーザー光やエッチングで除去することにより、複数のチャネルに対応するようにパターニングして形成することで、高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能である。
【0039】請求項2に記載の発明では、溝の高さと幅の比であるアスペクト比が大きい場合でも、複数のチャネル用の溝を有するチャネルプレートの少なくとも溝に触媒を吸着させてメッキ処理して電極を形成し、その後、短冊状に切断した後、溝のメッキ層電極に接続する電極をレジストでパターニングをした上で蒸着により形成し、この外周面に形成された電極の一部をリフトオフ(レジスト除去)により、複数のチャネルに対応した電極をヘッドチップの外周面に形成することで、高密度、高画質なインクジェットプリントヘッドを安価に製造でき、かつ生産性の向上が可能である。
【0040】請求項3に記載の発明では、電極金属は、ニッケルまたは銅が好ましく、特に、耐食性に優れるニッケルが好ましい。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタホールディングス株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
【出願日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【代理人】 【識別番号】100081709
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴若 俊雄
【公開番号】 特開2003−341073(P2003−341073A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−150895(P2002−150895)