| 【発明の名称】 |
ノズルプレート及びその製造方法並びにインクジェットヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】佐伯 真治 【住所又は居所】千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 エスアイアイ・プリンテック株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】印刷品質を向上すると共にコストを低減したノズルプレート及びその製造方法並びにインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】所定のノズル開口群25毎の加工を複数回繰り返して形成された液滴を吐出する複数のノズル開口24を有するノズルプレート23において、隣り合う前記液滴の着弾位置が並設方向に理想のピッチとなる隣接する前記ノズル開口24同士の設計上の間隔である基準ピッチに対して、前記ノズル開口群25内の隣接するノズル開口24同士の間隔であるノズルピッチdを広げ、且つ前記ノズル開口群25の端部のノズル開口24aと、これに隣接するノズル開口群25の端部のノズル開口24bとの間隔である加工ピッチLiを狭める。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定のノズル開口群毎の加工を複数回繰り返して形成された液滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートにおいて、隣り合う前記液滴の着弾位置が並設方向に理想のピッチとなる隣接する前記ノズル開口同士の設計上の間隔である基準ピッチに対して、前記ノズル開口群内の隣接するノズル開口同士の間隔であるノズルピッチを広げ、且つ前記ノズル開口群の端部のノズル開口と、これに隣接するノズル開口群の端部のノズル開口との間隔である加工ピッチを狭めたことを特徴とするノズルプレート。 【請求項2】 請求項1において、前記ノズルピッチd、前記基準ピッチp、前記ノズル開口群のノズル開口数n、前記ノズル開口群の端部のノズル開口と、これに隣接するノズル開口群の端部のノズル開口とのインク滴の着弾位置の誤差eとすると、前記加工ピッチLiが下記式(1)を満たし、且つ前記ノズルピッチdが下記式(2)を満たすことを特徴とするノズルプレート。 【数1】
【数2】
【請求項3】 請求項2において、前記加工ピッチが下記式(3)を満たすことを特徴とするノズルプレート。 【数3】
【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記ノズル開口が並設されたノズル列が2列並列されていることを特徴とするノズルプレート。 【請求項5】 請求項4において、前記ノズル列の全てのノズル開口が並列方向の位置が異なることを特徴とするノズルプレート。 【請求項6】 請求項4又は5において、前記ノズルピッチが一方のノズル列のノズル開口と、これに並設方向に隣接する他方のノズル列のノズル開口との間隔であり、且つ前記加工ピッチが一方のノズル列の前記ノズル開口群と、他方のノズル列の前記ノズル開口群との間隔であることを特徴とするノズルプレート。 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記ノズル開口がレーザ加工により形成されていることを特徴とするノズルプレート。 【請求項8】 請求項1〜7の何れかのノズルプレートを具備するインクジェットヘッド。 【請求項9】 所定のノズル開口群毎の加工を複数回繰り返して形成された液滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートの製造方法において、前記隣り合う液滴の着弾位置が並設方向に理想のピッチとなる隣接する前記ノズル開口同士の設計上の間隔である基準ピッチに対して、前記ノズル開口群内の隣接するノズル開口同士の間隔であるノズルピッチを広げて形成すると共に、前記ノズル開口群の端部のノズル開口と、これに隣接するノズル開口群の端部のノズル開口との間隔である加工ピッチを狭めて形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法。 【請求項10】 請求項9において、前記ノズル開口が並設されたノズル列を2列並列して形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法。 【請求項11】 請求項10において、前記ノズル列の全てのノズル開口が並列方向の位置が異なるように形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法。 【請求項12】 請求項9〜11の何れかにおいて、前記ノズル開口をレーザ加工により形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘッドに設けられてインク滴を吐出するノズルプレート及びその製造方法並びにインクジェットヘッドに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、インク滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートの設けられたインクジェットヘッドを用いて被記録媒体に文字や画像を記録するインクジェット式記録装置が知られている。 【0003】このようなインクジェットヘッドでは、ノズルプレートのノズル開口の位置によって、インク滴の着弾位置に誤差が生じ、記録品質を低下させてしまう。 【0004】また、ノズル開口の形成精度によっては、インク滴の吐出方向も変化してしまうため、インク滴の着弾位置に誤差が生じてしまう。 【0005】このため、インクジェットヘッドに用いられるノズルプレートには、ノズル開口をμmオーダの精密な加工により形成する必要があり、従来では、例えば、エキシマレーザ等のレーザ光を照射することによりノズル開口の形成を高精度に行っていた。 【0006】しかしながら、このようなレーザ光を用いたノズル開口の形成では、レーザ加工装置によってノズル開口を一つずつ形成すると製造時間がかかり、高コストになってしまうという問題がある。 【0007】このため、複数のノズル開口を同時に加工してノズル開口群を形成し、このノズル開口群を複数繰り返し形成することで、製造コストを低減していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノズル開口群の加工単位毎に形成されるノズル開口の特性に僅かな差があり、吐出される液滴の吐出特性に変化が生じてしまう。このような変化を加工時にコントロールするには時間がかかり高コストになってしまうため、コントロールするのは現実的には困難であるという問題がある。 【0009】このため、隣接するノズル開口群同士の間隔である加工ピッチの精度をいくら良くしても、ノズル開口群の加工単位毎に粗密の誤差が生じてしまう。このとき、インク滴の着弾位置は、加工ピッチが狭まる方向の誤差が生じても見た目上では特に問題ないが、広がる方向に誤差が生じた場合、ノズルプレートを用いたインクジェットヘッドによって被記録媒体に印字すると、隣り合うノズル開口群同士の間にスジ状の印字されない領域が発生して印刷品質が低下してしまうという問題がある。 【0010】本発明はこのような事情に鑑み、印刷品質を向上すると共にコストを低減したノズルプレート及びその製造方法並びにインクジェットヘッドを提供することを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の第1の態様は、所定のノズル開口群毎の加工を複数回繰り返して形成された液滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートにおいて、隣り合う前記液滴の着弾位置が並設方向に理想のピッチとなる隣接する前記ノズル開口同士の設計上の間隔である基準ピッチに対して、前記ノズル開口群内の隣接するノズル開口同士の間隔であるノズルピッチを広げ、且つ前記ノズル開口群の端部のノズル開口と、これに隣接するノズル開口群の端部のノズル開口との間隔である加工ピッチを狭めたことを特徴とするノズルプレートにある。 【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ノズルピッチd、前記基準ピッチp、前記ノズル開口群のノズル開口数n、前記ノズル開口群の端部のノズル開口と、これに隣接するノズル開口群の端部のノズル開口とのインク滴の着弾位置の誤差eとすると、前記加工ピッチLiが下記式(1)を満たし、且つ前記ノズルピッチdが下記式(2)を満たすことを特徴とするノズルプレートにある。 【0013】 【数4】
【0014】 【数5】
【0015】本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記加工ピッチが下記式(3)を満たすことを特徴とするノズルプレートにある。 【0016】 【数6】
【0017】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記ノズル開口が並設されたノズル列が2列並列されていることを特徴とするノズルプレートにある。 【0018】本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記ノズル列の全てのノズル開口が並列方向の位置が異なることを特徴とするノズルプレートにある。 【0019】本発明の第6の態様は、第4又は5の態様において、前記ノズルピッチが一方のノズル列のノズル開口と、これに並設方向に隣接する他方のノズル列のノズル開口との間隔であり、且つ前記加工ピッチが一方のノズル列の前記ノズル開口群と、他方のノズル列の前記ノズル開口群との間隔であることを特徴とするノズルプレートにある。 【0020】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記ノズル開口がレーザ加工により形成されていることを特徴とするノズルプレートにある。 【0021】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様のノズルプレートを具備するインクジェットヘッドにある。 【0022】本発明の第9の態様は、所定のノズル開口群毎の加工を複数回繰り返して形成された液滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートの製造方法において、前記隣り合う液滴の着弾位置が並設方向に理想のピッチとなる隣接する前記ノズル開口同士の設計上の間隔である基準ピッチに対して、前記ノズル開口群内の隣接するノズル開口同士の間隔であるノズルピッチを広げて形成すると共に、前記ノズル開口群の端部のノズル開口と、これに隣接するノズル開口群の端部のノズル開口との間隔である加工ピッチを狭めて形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法にある。 【0023】本発明の第10の態様は、第9の態様において、前記ノズル開口が並設されたノズル列を2列並列して形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法にある。 【0024】本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記ノズル列の全てのノズル開口が並列方向の位置が異なるように形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法にある。 【0025】本発明の第12の態様は、第9〜11の何れかの態様において、前記ノズル開口をレーザ加工により形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法にある。 【0026】かかる本発明では、ノズル開口群内の隣接するノズル開口同士のノズルピッチを広げると共に、隣接するノズル開口群同士の加工ピッチを狭めることで、インク滴の着弾位置の誤差が広がる方向に生じても、被記録媒体に印刷した際のノズル開口群同士の間にスジ状の印字されない領域が生じるのを防止して印刷品質を向上すると共に製造コストを低減することができる。 【0027】 【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。 【0028】(実施形態1)図1は、実施形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視図であり、図2は、実施形態1に係るヘッドチップの分解斜視図及び要部拡大断面斜視図である。 【0029】図示するように、本実施形態のインクジェットヘッド10は、ヘッドチップ11と、このヘッドチップ11の一方面側に設けられるベースプレート12と、ヘッドチップ11の他方面側に設けられるヘッドカバー13と、ヘッドチップ11を駆動するための駆動回路14が設けられた配線基板15とを具備する。 【0030】まず、ヘッドチップ11について詳しく説明する。 【0031】図2に示すように、ヘッドチップ11を構成する圧電セラミックプレート16には、ノズル開口24に連通してインク滴を吐出する複数の溝17が並設され、各溝17は側壁18で隔離されている。各溝17の側壁18には、溝17の開口側に長手方向に亘って駆動電界印加用の電極19が設けられている。 【0032】圧電セラミックプレート16に形成された溝17は、例えば、円盤状のダイスカッターにより形成され、深さが徐々に浅くなった部分は、ダイスカッターの形状により形成されてしまう。また、各溝17内に形成される電極19は、例えば、公知の斜め方向からの蒸着により形成される。 【0033】圧電セラミックプレート16の溝17の開口側には、インク室プレート20が接合されている。インク室プレート20には、各溝17の浅くなった他端部のみと連通する凹部となるインク室21と、このインク室21の底部から溝17とは反対方向に貫通するインク供給口22とを有する。 【0034】ここで、本実施形態では、各溝17は、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のインクに対応したグループに分かれており、インク室21及びインク供給口22は、それぞれ4つずつ設けられている。 【0035】なお、インク室プレート20は、セラミックプレート以外の材質で形成することができるが、圧電セラミックプレート16との接合後の変形等を考えると、熱膨張率の近似したセラミックプレートを用いるのが好ましい。 【0036】また、圧電セラミックプレート16とインク室プレート20との接合体の溝17が開口している端面には、ノズルプレート23が接合されており、ノズルプレート23の各溝17に対向する位置にはノズル開口24が形成されている。 【0037】本実施形態では、ノズルプレート23は、圧電セラミックプレート16とインク室プレート20との接合体の溝17が開口している端面の面積よりも大きくなっている。このノズルプレート23は、ポリイミドフィルムなどに、例えば、エキシマレーザ装置を用いて所定のノズル開口群毎の加工を複数回繰り返して形成することで、ノズル開口24を形成したものである。 【0038】ここで、ノズルプレート23について詳細に説明する。なお、図3は、ノズルプレートの平面図である。 【0039】図示するように、ノズル開口24は、ノズル開口24から吐出された液滴の被記録媒体への着弾位置が並設方向に理想のピッチとなる隣接するノズル開口24同士の設計上の間隔である基準ピッチに対して、ノズル開口群25内の隣接するノズル開口24同士の間隔であるノズルピッチを広げ、且つノズル開口群25の端部のノズル開口24aと、これに隣接するノズル開口群25の端部のノズル開口24bとの間隔である加工ピッチを狭めるように形成されている。 【0040】詳しくは、ノズル開口24は、基準ピッチp、ノズル開口群のノズル開口数n、ノズル開口群25の端部のノズル開口24aと、これに隣接するノズル開口群25の端部のノズル開口24bとのインク滴の着弾位置の誤差eとすると、加工ピッチLiは下記式(1)を満たし、且つノズルピッチdは下記式(2)を満たすように形成される。 【0041】 【数7】
【0042】 【数8】
【0043】例えば、ノズルプレート23が180dpiの印刷ができるとすると基準ピッチpは141.1μmとなり、ノズル開口群のノズル開口数nが30、インク滴の着弾位置の誤差eが10μmとすると、上記式(1)及び式(2)から、Li=p−eとした場合、加工ピッチLiは、131.1μmとなり、ノズルピッチdは、141.4μmとなる。 【0044】なお、上記ノズルピッチdは、正確には式(2)より141.4448・・μmとなるが、これは現実的には制御困難な値であるので141.4μmとした。この場合、丸めた誤差の影響が出るが、加工ピッチLiを132.4μmとするとこにより影響を無くすことができる。これについては詳しくは後述する。 【0045】このように、ノズル開口群25内の隣接するノズル開口24のノズルピッチdを均等に微少に広げ、このノズルピッチdを広げた分、加工ピッチLiを狭めるようにしたため、被記録媒体に印刷した際に、隣接するノズル開口群25同士の間にスジ状の印字されない領域が生じることなく、印刷品質を向上することができる。 【0046】また、ノズル開口群25毎にノズル開口24を形成するため、製造コストを低減することができる。 【0047】なお、本実施形態では、誤差eが10μmの場合、加工ピッチLiを基準ピッチpより10μm狭めるようにしたが、加工ピッチLiは、上記式(1)より、基準ピッチpより5〜20μm狭めるようにすれば、同様の効果を得ることができ、さらに好ましくは、加工ピッチLiを下記式(3)を満たすように、すなわち、基準ピッチpより10〜15μm狭めるようにすれば、より顕著な効果を得ることができる。 【0048】 【数9】
【0049】また、図示しないが、ノズルプレート23の被印刷物に対向する面には、インクの付着等を防止するために撥水性を有する撥水膜が設けられている。 【0050】また、本実施形態では、図2に示すように、圧電セラミックプレート16とインク室プレート20との接合体の溝17が開口している端部の周囲には、ノズル支持プレート26が配置されている。このノズル支持プレート26は、ノズルプレート24の接合体端面の外側と接合されて、ノズルプレート24を安定して保持するためのものである。 【0051】このような構成のヘッドチップ11は、まず、圧電セラミックプレート16とインク室プレート20とを接合し、その接合体の端面にノズルプレート23を接合する。次いで、ノズルプレート23の外側面、及び圧電セラミックプレート16とインク室プレート20との接合体にノズル支持プレート26を嵌合接着することにより形成される。 【0052】ここで、ノズルプレート23の製造方法について詳細に説明する。なお、図4は、ノズルプレートの製造方法を示す平面図である。 【0053】図4(a)に示すように、ポリイミドフィルムからなるノズルプレート23に1つ目の第1ノズル開口群25aを形成する。 【0054】この第1ノズル開口群25aは、隣接するノズル開口24同士のノズルピッチd1が、基準ピッチp、インク滴の着弾位置の誤差e、ノズル開口群25aのノズル開口数nとすると上記式(1)及び(2)を満たすように形成する。 【0055】例えば、本実施形態では、ノズルプレート23が180dpiの印刷を行うとすると基準ピッチpが141.1μmとなり、また、ノズル開口群25aのノズル開口数nが30、インク滴の着弾位置の誤差eが10μmの場合、式(1)を満たすように加工ピッチLiを上記誤差分(10μm)縮めた131.1μmとすると、式(2)よりノズルピッチd1は、141.445μmとなる。 【0056】次いで、図4(b)に示すように、ノズルプレート23に第1ノズル開口群25aに隣接する2つ目の第2ノズル開口群25bを形成する。 【0057】この第2ノズル開口群25bも、第1ノズル開口群25aのノズルピッチd1と同様のノズルピッチd2で形成し、且つ第1ノズル開口群25aの端部のノズル開口24aと、第2ノズル開口群25bの端部のノズル開口24bとの隙間である加工ピッチLi1を上記式(1)を満たすように形成する。本実施形態では、加工ピッチLi1をp−eとしたため、131.1μmで形成した。 【0058】このように、第1ノズル開口群25aのノズルピッチd1を広げた分、第1ノズル開口群25aと第2ノズル開口群25bとの加工ピッチLi1を狭めた。 【0059】次いで、図4(c)に示すように、ノズルプレート23に第2のノズル開口群25bに隣接する3つ目の第3ノズル開口群25cを形成する。 【0060】この第3ノズル開口群25cも、第1及び第2ノズル開口群25a及び25bのノズルピッチd1及びd2と同様のノズルピッチd3で形成し、且つ第2ノズル開口群25bの端部のノズル開口24cと、第3ノズル開口群25cの端部のノズル開口24dとの隙間である加工ピッチLi2を上記式(1)を満たすように形成する。本実施形態では、加工ピッチLi2もp−eとしたため、加工ピッチLi1と同様に131.1μmで形成した。 【0061】このように、第2ノズル開口群25bのノズルピッチd2を広げた分、第2ノズル開口群25bと第3ノズル開口群25cとの加工ピッチLi2を狭めた。 【0062】このようなノズル開口群25a〜25cを複数回繰り返し形成することで、ノズルプレート23にノズル開口24を形成することができる。 このとき、ノズル開口群25a〜25cのノズルピッチd1〜d3は、ノズル開口群25a〜25c内のノズル開口24同士の間隔の数で均等に微少に広げたため、印字品質に悪影響を及ぼすことなく、ノズル開口群25a〜25c同士の間隔である加工ピッチLi1及びLi2を狭めて、印字品質を向上することができる。 【0063】また、ノズル開口群25a〜25cと、同時に複数個のノズル開口24を形成することで製造コストを低減することができる。 【0064】なお、本実施形態では、ノズルピッチd1〜d3を141.445μmとして説明したが、この値を指定するのが困難な場合は、ノズルピッチd1〜d3を141.4μmとし、加工ピッチLi1及びLi2を132.4μmとしても良い。以下にその理由を説明する。 【0065】図4(b)において、第1ノズル開口群25aの左端のノズル開口24eと、第2ノズル開口群25bの左端のノズル開口24bとの距離の理想値は、基準ピッチpのn倍であることは言うまでもない。前述の式(1)及び(2)は、この関係を満たすように設定されている。すなわち、ノズル開口24eとノズル開口4bとの距離は、dx(n−1)+Liで表され、式(2)を代入すると、p×nとなる。したがって、ノズルピッチdの丸めた値分(本実施形態では少なくした分=約1.3μm)、加工ピッチを増加させれば全体のノズルピッチは精度を保つことが出来、加工ピッチは131.1+1.3=132.4μmとなる。 【0066】また、加工ピッチが式(3)を満たすようにするためには、加工ピッチを129.5μmとし、ノズルピッチを141.5μmすれば良い。 【0067】以下に、このようなノズルプレート23を具備するヘッドチップ11を用いた本実施形態のインクジェットヘッド10について説明する。なお、図5は、インクジェットヘッドの製造工程の一例を示す斜視図である。 【0068】図1及び図5に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド10は、ヘッドチップ11を構成する圧電セラミックプレート16のノズル開口24側とは反対側の端部には電極19に接続される図示しない配線パターンが形成されており、この配線パターンには異方性導電膜27を介してフレキシブルケーブル28が接合される。 【0069】また、圧電セラミックプレート16とインク室プレート20との接合体のノズル支持プレート26の後端側には、圧電セラミックプレート16側のアルミニウム製のベースプレート12と、インク室プレート20側のヘッドカバー13とが組み付けられる。ベースプレート12とヘッドカバー13とは、ベースプレート12の係止孔12aにヘッドカバー13の係止シャフト13aを係合することにより固定され、両者で圧電セラミックプレート16とインク室プレート20との接合体を挟持する。ヘッドカバー13には、インク室プレート20のインク供給口22のそれぞれに連通するインク導入路29が設けられている。 【0070】また、図5(a)に示すように、圧電セラミックプレート16の後端部側に突出したベースプレート12上には、配線基板15が固着される。ここで、配線基板15上にはヘッドチップ11を駆動するための駆動ICを有する駆動回路14が搭載され、駆動回路14とフレキシブルケーブル28とが異方性導電接着膜30を介して接続される。すなわち、圧電セラミックプレート16の電極19から引き出された配線パターンと駆動回路14とが、フレキシブルケーブル28を介して接続される。これにより、図5(b)のインクジェットヘッド10が完成する。 【0071】このようなインクジェットヘッド10は、インクカートリッジを保持するタンクホルダ31に組み付けられてヘッドユニット40が形成される。 【0072】このタンクホルダの一例を図6に示す。図6に示すタンクホルダ31は、一方面が開口した略箱形形状をなし、インクカートリッジが着脱自在に保持可能なものである。また、底壁上面には、インクカートリッジの底部に形成された開口部であるインク供給口と連結する連結部32が設けられている。連結部32は、例えば、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のインク毎に設けられている。連結部32内には図示しないインク流路が形成され、その開口となる連結部32の先端には、フィルタ33が設けられている。また、連結部32内に形成されたインク流路は底壁の裏面側まで連通して形成され、各インク流路は、タンクホルダ31の裏面側に設けられた流路基板34内の図示しないインク流路を介して流路基板34の側壁に開口するヘッド連結口35に連通する。このヘッド連結口35はタンクホルダ31の側面側に開口し、当該側壁の底部には、上述したインクジェットヘッド10を保持するインクジェットヘッド保持部36が設けられている。インクジェットヘッド保持部36は、配線基板15上に設けられた駆動回路14を包囲する略コ字状に立設された包囲壁37と、包囲壁37内にあってインクジェットヘッド10のベースプレート12及び配線基板15に設けられた係止孔12bと係合する係合シャフト38が立設されている。 【0073】従って、このインクジェットヘッド保持部36にインクジェットヘッド10を搭載してヘッドユニット40が完成する。このとき、ヘッドカバー13に形成されたインク導入路29が流路基板34のヘッド連結口35に連結される。これにより、タンクホルダ31の連結部32を介してインクカートリッジから導入されたインクは、流路基板34内のインク流路を通ってインクジェットヘッド10のインク導入路29に導入され、インク室21を介して溝17内に充填される。 【0074】そして、このようなヘッドユニット40は、インクジェット式記録装置に搭載されて被記録媒体に文字及び画像を記録することができる。 【0075】(実施形態2)図7は、実施形態2に係るノズルプレートの平面図である。 【0076】図示するように、本実施形態のノズルプレート23Aには、ノズル開口24Aが並設されたノズル列50、51が2列設けられている。 【0077】このようなノズル列50、51は、全てのノズル開口24Aが並列方向の位置が異なるように配置されており、本実施形態では、一方のノズル列50の隣接するノズル開口24Aのノズルピッチの略中央に他方のノズル列51のノズル開口24Aが配置されている。 【0078】すなわち、ノズルプレート23Aのノズル開口24Aは、ノズルピッチが上述した実施形態1の略半分で、且つノズル開口数が2倍の360dpiの印刷を行うことができる。 【0079】このような2列のノズル列50、51も、所定のノズル開口群25Aを複数回繰り返し形成することで形成されている。 【0080】このような構成のノズルプレート23Aでは、ノズル列50、51のそれぞれのノズルピッチd及び加工ピッチLiは、上記式(1)及び式(2)、好ましくは式(3)を満たすように形成される。 【0081】すなわち、ノズル列50のノズル開口24Aと、ノズル列51のノズル開口24Aとの間隔はd/2となり、ノズル列50のノズル開口群25Aの端部のノズル開口24Aと、ノズル列51のノズル開口群25Aの端部のノズル開口24Aとの間隔はLi/2となる。 【0082】このように、本実施形態でも、ノズル列50、51のそれぞれで、基準ピッチpに対して、ノズルピッチdを広げることで、加工ピッチLiを狭め、ノズルピッチdを微少量だけ広げて印刷品質に悪影響を及ぼすのを防止して、隣接するノズル開口群同士の間にスジ状の印刷されない領域が生じるのを防止して印刷品質を向上すると共に製造コストを低減することができる。 【0083】なお、本実施形態では、ノズルプレート23Aにノズル列50、51を形成したが、これに限定されず、上述した実施形態1のインクジェットヘッドをノズル列50、51と同様の配置となるように2個並設するようにしてもよい。 【0084】(他の実施形態)以上、本発明の実施形態1及び2を説明したが、ノズルプレート及びその製造方法並びにインクジェットヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。 【0085】例えば、上述した実施形態1及び2のノズルプレート23、23Aを具備するインクジェットヘッドを走査方向に移動する1パス印刷を複数パス行ったとしても、同様の効果を得ることができる。 【0086】また、上述した実施形態1及び2では、インクカートリッジ型のインクジェットヘッドを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクを貯留するインクタンクが別途設けられたインクジェットヘッドでもよく、また、インクジェットヘッドが移動するシリアル型インクジェット式記録装置に搭載されるインクジェットヘッドや、インクジェットヘッドが固定されるライン型のインクジェットヘッド等、特に限定されない。 【0087】さらに、上述した実施形態1及び2のインクジェットヘッドでは、圧電セラミックプレート16に溝17を形成したインクジェットヘッド10を例示したが、これに限定されず、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のインクジェットヘッドや発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェットヘッド等、種々の構造のインクジェットヘッドにノズルプレートを適用することができることは言うまでもない。 【0088】 【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ノズル開口群内の隣接するノズル開口同士のノズルピッチを広げると共に、隣接するノズル開口群同士の加工ピッチを狭めることで、インク滴の着弾位置の誤差が広がる方向に生じても、被記録媒体に印刷した際のノズル開口群同士の間にスジ状の印字されない領域が生じるのを防止して印刷品質を向上すると共に製造コストを低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501167725 【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社 【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月24日(2002.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096378 【弁理士】 【氏名又は名称】坂上 正明
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| 【公開番号】 |
特開2003−341069(P2003−341069A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−150559(P2002−150559) |
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