| 【発明の名称】 |
インクジェット式記録ヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】品田 聡 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】片倉 孝浩 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】鴨井 和美 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】碓井 稔 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
【氏名】鳥羽 浩一 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】記録ヘッドの大型化を招くことなく、記録ヘッドと外部駆動回路との配線構造を簡素化すること。
【解決手段】ノズル開口に連通する圧力発生室を封止する弾性変形可能な蓋部材に、前記圧力発生室に対応して圧力発生手段(5,5')が配置され、ノズル開口からインク滴を吐出させるヘッドユニット(1、20)と、圧力発生手段(5,5')と所定の間隔をあけてヘッドユニットの蓋部材の側に固定される基板(40)と、基板(40)に実装され、圧力発生手段(5,5')を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生手段(30)とから構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室を封止する弾性変形可能な蓋部材に、前記圧力発生室に対応して圧力発生手段が配置され、前記ノズル開口からインク滴を吐出させるヘッドユニットと、前記圧力発生手段と所定の間隔をあけて前記ヘッドユニットの前記蓋部材の側に固定される基板と、前記基板に実装され、前記圧力発生手段を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備えたインクジェット式記録ヘッド。 【請求項2】 前記基板の駆動信号発生手段がフレキシブルケーブルにより外部装置に接続されている請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。 【請求項3】 前記フレキシブルケーブルの一端が前記基板に固定されている請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。 【請求項4】 前記所定の間隔が、前記基板と前記ヘッドユニットとを接続する接続端子により確保されている請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。 【請求項5】 前記駆動信号発生手段が、半導体集積回路として構成されている請求項1にインクジェット式記録ヘッド。 【請求項6】 前記圧力発生手段が複数配置され、前記圧力発生手段のそれぞれに対応する端子と前記駆動信号発生手段の端子とが電気的に接合されている請求項1記載のインクジェット式記録ヘッド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術の分野】本発明は,ノズルプレート、流路形成部材、及び弾性変形可能な蓋部材を積層するとともに、蓋部材に圧力発生手段を取付けたインクジェット記録ヘッドに関する。 【0002】 【従来の技術】ノズルプレート、流路形成部材、及び弾性変形可能な蓋部材を積層し、振動板の表面に圧力発生手段、例えばたわみ振動モードの圧電振動子を取付けたインクジェット記録ヘッドは、これら大部分の部材をセラミックにより構成されているため、各部材をグリーンシートの状態で積層して、これを焼成することにより接着剤を使用することなく固定できるため、接着剤による接合工程が不要となり、製造工程の簡素化を図ることができるという利点を備えている。このような記録ヘッドは、図32(a)に示したように外部からの駆動信号を受けるため、圧電振動子A,A,A‥‥の個別電極B,B,BがフレキシブルケーブルCを介して外部装置に接続されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印字品質の向上や印刷速度の向上を図るために多数のノズルが形成された記録ヘッドにあっては、個別電極の幅が極めて細く、またその数が多くなるため、フレキシブルケーブルCとの接続作業が困難になるばかりでなく、各圧電振動子に信号を供給するためのフレキシブルケーブルCの各導電パターンが細くなって電気抵抗が高くなり、駆動回路の高電圧化や高電力化を必要とする等の問題がある。 【0004】このような問題を解消するため、図32(b)に示したように駆動信号発生機能を備えた半導体チップDを、記録ヘッドのアクチュエータユニットEの表面に樹脂Fで封入固定して搭載することもことも行われているが、アクチュエータユニット上の、しかも圧電振動子が存在しない領域に半導体チップDの固定領域を確保する必要上、記録ヘッドが大型化したり、また半導体チップDの信号出力端子と個別電極B,B,BとをワイヤG,G'で接続する配線作業が必要になる等の問題がある。 【0005】また、外部からの信号を供給するフレキシブルケーブルは、アクチュエータユニットの表面に複数列形成されている圧電振動子を跨ぐようにして、両端で個別電極に接続する端子に固定されているため、フレキシブルケーブルの張設の具合がゆるかったり、またフレキシブルケーブルに外力が作用した場合などには、フレキシブルケーブルが圧電振動子に接触して圧電振動子の振動を阻害し、印字品質に悪影響を与えたり、また圧電振動子を破損する等の問題がある。 【0006】本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって,その第1の目的は、記録ヘッドの大型化を招くことなく、記録ヘッドと外部駆動回路との配線構造を簡素化することができる新規なインクジェット式記録ヘッドを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】このような問題を解消するために本発明においては、ノズル開口に連通する圧力発生室を封止する弾性変形可能な蓋部材に、前記圧力発生室に対応して圧力発生手段が配置され、前記ノズル開口からインク滴を吐出させるヘッドユニットと、前記圧力発生手段と所定の間隔をあけて前記ヘッドユニットの前記蓋部材の側に固定される基板と、前記基板に実装され、前記圧力発生手段を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生手段とから構成されている。 【0008】 【作用】蓋部材と所定の間隔をあけて配置された基板に駆動信号発生手段が実装されているため、駆動信号発生手段を収容するための余分な空間を必要とせず、記録ヘッドの小型化を図ることができる。また、基板を介して圧力発生手段と外部回路とを接続できるため、外部回路との接続作業の簡素化を図ることができる。 【0009】 【発明の実施の態様】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の記録ヘッドの一実施例を、1つのアクチュエータユニットの圧力発生室近傍の構造でもって示す図で、図中符号2は第1の蓋部材で、厚さ10μm程度のジルコニアの薄板から構成され、その表面に、後述する圧力発生室3、3に対向するように一方の極となる共通電極4を形成し、その上にPZT等の圧電材料の薄板からなる圧電振動子5、5'が固定されている。 【0010】圧電振動子5、5'の表面には個別電極6、6'が形成され、共通電極4の形成に合わせて導電材料を蒸着して形成された引出用の導電パターン7、7'により第1の蓋部材2の側方まで引き出されている。 【0011】8は、スペーサで、圧力発生室3、3'を形成するのに適した厚さ、例えば150μmのジルコニア(ZrO2)などのセラミックス板に通孔を穿設して構成され、後述する第2の蓋部材9と第1の蓋部材2により両面を封止されて前述の圧力発生室3、3'を形成している。 【0012】9は、第2の蓋部材で、やはりジルコニア等のセラミック板に後述するインク供給口13、13'と圧力発生室3、3'とを接続する連通孔10、10'と、ノズル開口18、18'と圧力発生室3、3'の他端とを接続する連通孔11、11'を穿設して構成され、スペーサ8の他面を封止するように固定されている。 【0013】これら各部材2、8、9は、粘土状のセラミックス材料、いわゆるグリーンシートを所定の厚さに成形して要所に通孔を穿設後、積層して焼成することにより接着剤を必要とすることなくアクチュエータユニット1に纏めることができる。 【0014】12は、インク供給口形成基板で、アクチュエータユニット1の固定基板を兼ねるとともに、圧力発生室3、3'側の一端側に後述する共通のインク室15、15と圧力発生室3、3'を接続するインク供給口13、13'が設けられ、また圧力発生室3、3'の他端側にはノズル開口18、18'に接続する連通孔14、14'が設けられている。 【0015】19は、共通のインク室形成基板で、図示しないインクタンクからのインクの流入を受ける共通のインク室15、15'と、ノズル開口18、18'と接続する連通孔16、16'を設けて構成され、他方の面をノズルプレート17により封止されて共通のインク室を形成している。 【0016】17は、前述のノズルプレートで、連通孔11、14、16、及び連通孔11'、14'、16'を介して圧力発生室3、3'に連通するようにノズル開口18、18'が形成されている。 【0017】、これらインク供給口形成基板12、共通のインク室形成基板19、及びノズルプレート17は、それぞれの間に熱溶着フィルムや接着剤等からなる接着層により固定して流路ユニット20に纏められ、その上でアクチュエータユニット1と熱溶着フィルムや接着剤等により固定して記録ヘッドが構成されている。 【0018】22、22'は、端子で、図2に示したようにそれぞれ各個別電極6、6'の延長として形成された導電パターン7、7'の端部に相互が独立するように形成されており、接合可能な導電性材料、例えばハンダチップや、導電性接着剤等を表面に付着させた銀電極や銅電極として構成されている。 【0019】30は、外部からの信号を受けて各圧電振動子5、5'を駆動するための駆動信号を出力する半導体集積回路で、この実施例ではベアチップとして構成されており、図3に示したように駆動信号出力端子31、31'が、アクチュエータユニット1の端子22、22'と同一ピッチで接合面側に設けられている。 【0020】これら半導体集積回路30とアクチュエータユニット1とは、端子22、22'、31、31'を構成している材料が導電性接着剤の場合には、接着剤を固化させることにより、またハンダである場合にはハンダを熱溶融させることにより、半導体集積回路30の底面と圧電振動子5、5'の表面との間に一定の間隙Hを確保した状態で固定される(図4)。 【0021】半導体集積回路30には、これにフレキシブルケーブルを直接接続したり、また図1(b)に示したようにアクチュエータユニット1の表面に接続用の導電パターン33を形成し、このパターン33にフレキシブルケーブル44を接続することにより外部装置からの印刷信号が供給される。 【0022】この実施例において、外部装置からの印刷信号が入力すると、半導体集積回路30は、外部からシリアル信号として入力した印刷信号から各圧電振動子5、5'を同時に駆動するためのパラレル信号を生成し、端子31、22、及び31'、22'を介して対応する圧電振動子5、5'の個別電極6、6'に出力する。 【0023】圧電振動子5、5'は駆動信号を受けてたわみ振動を起こして圧力発生室3、3'を収縮させてノズル開口18、18'からインク滴を吐出させ、また信号の印加が無くなった時点で元の状態に復帰してインク供給口13、13'を介して共通のインク室15、15'のインクを圧力発生室3、3'に流入させる。 【0024】半導体集積回路30の端子31、31'と個別電極6、6'との距離は図32(a)に示すフレキシブルケーブルCに比較して極めて短いから、半導体集積回路30と個別電極6、6'との間の電気抵抗が極めて小さく、したがって半導体集積回路30からの駆動信号は減衰することなく圧電振動子5、5'に供給される。 【0025】ところで、半導体集積回路30が圧電振動子5、5'の上部に壁面として位置するため、数キロHz程度の周波数での圧電振動子5、5'の駆動に伴って生じる騒音をある程度遮断、減衰させ、また半導体集積回路30がアクチュエータユニット1の両側において接着剤やハンダにより接合されているから、補強板としても機能して他の部材が圧電振動子5、5'に接触を防止する。 【0026】図5は、本発明の他の実施例を示すもので、図中符号40は、半導体集積回路固定基板で、アクチュエータユニット1の端子22、22'のピッチに一致する端子41、41'が設けられていて、表面にベアチップとして構成された半導体集積回路30を搭載して、半導体集積回路30の出力端子と端子41、41'とをワイヤ42、42'により接続した状態で、樹脂43で半導体集積回路30が表面に封止、固定されている。 【0027】この実施例によれば、半導体集積回路30をアクチュエータユニット1のサイズに関わりなく、回路を構成ることができ、またアクチュエータユニットのサイズに合った半導体集積回路固定基板40を用意するだけで、大型のアクチュエータユニット等あらゆる形状のものに適用できるため、半導体集積回路30のコストを下げることが可能となる。 【0028】また外部との接続を行うフレキシブルケーブル44を半導体集積回路固定基板40に接続できるから、ハンダ付け時の高温がアクチュエータユニット1に及ぶのを防止することができる。 【0029】図6は、本発明の他の実施例を示すものであって、アクチュエータユニット1の中央領域の圧電振動子5、5'が存在しない領域には、半導体集積回路固定基板40が圧電振動子5、5'に接触しない程度の間隙を形成でき、かつ先端が固定基板40の裏面に当接する高さを有する支持部材59が少なくとも1個、電気絶縁材料により形成されている。 【0030】この実施例によれば、支持部材59が固定基板40を支えるから、これの重量が記録ヘッドの両側に集中的に作用することによる記録ヘッドの反りを防止できる。 【0031】図7は、本発明の他の実施例を示すもので、図中符号45は、半導体集積回路30を収容したパッケージで、底面にはアクチュエータユニット1の端子22、22'のピッチに一致する端子46、46'が設けられていて、半導体集積回路30の出力端子と端子46、46'とがワイヤ47、47'で接続されている。 【0032】この実施例によれば、パッケージ45の端子46、46'の配列ピッチをアクチュエータユニット1の端子22、22'に合わせて形成することにより、既存の半導体集積回路30を種々なアクチュエータユニット1に使用することが可能となり、半導体集積回路30の共用化によるコストの引き下げが可能となり、またフレキシブルケーブルのハンダ付け時にはアクチュエータユニット1が加熱されるのを防止することができる。 【0033】図8は、本発明の他の実施例を示すものであって、アクチュエータユニット1の中央領域の圧電振動子5、5'が存在しない領域には、パッケージ45が圧電振動子5、5'に接触しない程度の間隙を形成でき、かつ先端がパッケージ45の裏面に当接する高さを有する支持部材59が少なくとも1個、電気絶縁材料により形成されている。 【0034】この実施例によれば、支持部材59がパッケージ45を中央部でも支えるから、これの重量が記録ヘッドの両側に集中的に作用することによる記録ヘッドの反りを防止できる。 【0035】図9は、本発明の他の実施例を示すもので、図中符号50は、外部装置と接続するフレキシブルケーブルで、図10に示したようにポリイミド等の耐熱性絶縁フィルム51に半田付けが可能な金属、例えば銅等の金属箔53を積層して構成されており、少なくともアクチュエータユニット1に対向する領域では、アクチュエータユニット1の端子22、22'を跨ぐことができるサイズに成形されている。 【0036】そしてアクチュエータユニット1に固定されたとき、ほぼ中央となる領域には半導体集積回路30の信号出力端子55を圧電振動子に対向させた露出させることができる程度の窓53が形成されている。 【0037】この窓53の内側には、半導体集積回路30の信号出力端子55の配列に合わせて金属箔52を窓側に露出させて形成したタブ54、54'が設けられていて、タブ54、54'と半導体集積回路30の信号出力端子55とを半田付けした後、少なくとも半導体集積回路30の周縁を樹脂56で封止して半導体集積回路30がフレキシブルケーブル50に固定されている。 【0038】そしてフレキシブルケーブル50の裏面にはアクチュエータユニット1の端子22、22'に一致するように半球状の端子57、57'が設けられ、タブ54、54'から延びる導電パターン58、58'を介して半導体集積回路30に接続されている。 【0039】この実施例において、フレキシブルケーブル50の端子57、57'とアクチュエータユニット1の端子22、22'の少なくとも一方の厚さをフレキシブルケーブル50の裏面が圧電振動子5、5'よりも上方に位置するようにその厚みを調整しておくことにより、フレキシブルケーブル50と圧電振動子5、5'との接触を防止することができるばかりでなく、薄い耐熱性フィルム51を介して熱を与えることによりフレキシブルケーブル50の端子52、52'とアクチュエータユニットの端子22、22'を比較的簡単に半田付けすることができる。 【0040】図11は、本発明の他の実施例を示すものであって、アクチュエータユニット1の中央領域の圧電振動子5、5'が存在しない領域には、フレキシブルーブル50が圧電振動子5、5'に接触しない程度の間隙を形成でき、かつ先端が半導体集積回路30の裏面に当接する高さを有する支持部材59が少なくとも1個、電気絶縁材料により形成されている。 【0041】この実施例によれば、支持部材59が半導体集積回路30を支えてフレキシブルケーブル50の裏面と圧電振動子との間に一定の間隙を確保するから、フレキシブルケーブル50には、これを上方に位置させるための嵩上げ用の半球状の端子57、57'が不要となるばかりでなく、導電パターン58、58'を直接端子22、22'に半田付けすることができる。 【0042】また、半導体集積回路30の重量を支持部材59により受け止めて、フレキシブルケーブル30のたわみを防止して、圧電振動子5、5'との接触や、また半導体集積回路30やフレキシブルケーブル50の重量が記録ヘッドの両側に集中的に作用することによる記録ヘッドの反りを防止でき、さらには不用意に上方から作用する力を突起で受け止めて接触や反りを防止することができる。 【0043】なお、上述の実施例においては半導体集積回路30とフレキシブルケーブル50とをタブ54、54'を介して接続しているが、図12に示したように半導体集積回路30の端子60を半導体集積回路30の裏面から突出する形状とし、またフレキシブルケーブル50を金属箔52を上面となるように配置して、半導体集積回路30の端子60、60'を金属箔52に半田付けする。 【0044】さらにアクチュエータユニット1の端子22、22'と対向する箇所には絶縁フィルム51を剥離して金属箔52を露出させて、ここに耐熱性絶縁フィルム51の表面まで突出し、かつフレキシブルケーブル50の裏面を圧電振動子5、5'との間に空間を確保できる程度の厚みを備えた端子61、61'をハンダチップや導電性接着剤により作り付け、この端子61、61'を介してアクチュエータユニット1の端子22、22'に接続してもよい。 【0045】また図13に示したように、アクチュエータユニット1の中央領域の圧電振動子5、5'が存在しない領域に、フレキシブルーブル50が圧電振動子5、5'に接触しない程度の間隙を形成でき、かつフレキシブルケーブル50の裏面に当接できる高さを有する支持部材59を形成すれば、端子61、61'を薄くしてもフレキシブルケーブル50と圧電振動子5、57との接触を防止することができる。 【0046】さらに上述の実施例においては、圧電振動子5、5'の表面に個別電極6、6'を形成する場合について説明したが、第1の蓋部材2の表面に個別電極を、また圧電振動子5、5'の表面に共通の電極を形成する形式のインクジェット式記録ヘッドにあっても、個別電極をリード部により第1の蓋部材の側端まで引き出すことができれば上述の手法が適用できることは明らかである。 【0047】図14は、本発明の第二の発明の一実施例を示すものであって、この実施例においては、アクチュエータユニット1の個別電極70、70'は、下電極として第1の蓋部材2の表面に形成され、また図示しない共通電極は圧電振動子5、5'の表面に形成されている。 【0048】図中符号71は、個別電極70、70'と外部駆動回路とを接続するフレキシブルケーブルで、外部駆動回路からの信号を各個別電極70、70'に供給するパターンの先端には、個別電極70、70'と接続する端子部73、73'の配列ピッチに合わせて接続用の導電パターン72、72'が形成されている。 【0049】図15は、上述した個別電極70、70'とフレキシブルケーブル71の接続部の構造を一端側について拡大して示すものであって、図中符号73は、第1の蓋部材2の表面に形成された端子部で、この実施例においては電気絶縁材料からなり、その表面が圧電振動子5の表面より上方に位置する厚さに選択されている。 【0050】この端子部73は、図16に示したように第1の蓋部材2の側端に、上述した厚さを備えた電気絶縁材料の板、例えばセラミックス等の薄板74を接着剤で固定したり、またセラミックスのグリーンシートを張り付けて圧電振動子5の焼成と同時に焼成して接合するなどの手法で作り付けられている。 【0051】再び図11に戻って、75は、個別電極70、70'から端子部73の表面まで引き出されたリード部で、蒸着などにより形成され、端子部73、73'の表面に接合部76を形成している。 【0052】この実施例において、接合部76、76'の表面に個別電極70、70'の幅、及び配列ピッチに合わせて半田ペーストを塗布し、フレキシブルケーブル71を2列に配置されている圧電振動子5、5'を跨がして、各導電パターン72、72'を端子部73、73'の接合部76、76'に位置合わせし、そのフレキシブルケーブル71の表面から加熱する。これによりフレキシブルケーブル71を構成している耐熱性絶縁フィルムを介して半田ペーストが溶融して、半田付けが行なわれる。 【0053】半田付けが終了した段階では、フレキシブルケーブル71は、両端を端子部73、73'により固定されて端子部73、73の高さにより圧電振動子5、5'の表面との間に間隙gを形成した状態で保持され、フレキシブルケーブル71は、圧電振動子5、5'に接触することがなく、また端子部73、73'を構成する板が補強部材としても機能する。 【0054】なお、上述の実施例においては、リード部75、75'の延長として形成された接合部76、76'に直接半田付けを行うようにしているが、図17に示したようにリード部75、75'の先端75a、75a'を端子部73、73'まで延長し、これと導電関係を維持させて端子部73、73'の表面に半田付けに適した金属により接合層77を各個別電極の幅に一致するように形成し、ここにフレキシブルケーブル71の導電パターン72を接合するようにしてもよい。 【0055】この実施例によれば金属の接合層77の厚みにより接合部全体が厚くなるので、薄板74(図16)として圧電振動子5を構成する圧電材料のグリーンシートをそのまま用いても、接合層77の厚さにより間隙gを確保することができる。 【0056】また、上述の実施例においては端子部73、73'を長尺状の薄板74により形成しているが、図18に示したように個々の個別電極70、70'の幅に合わせて切断した短冊状の板78を用いてもよい。 【0057】図19は、端子部73、73'を短冊状に形成するのに適した実施例を示すものであって、セラミック等により各個別電極70、70'の配列ピッチに端子部73、73'となる櫛歯80、80‥‥と、これの他端で連続する連続部81を備えた櫛歯状の形に構成しておき、第1の蓋部材2に固定後、連続部81との境界M−Mから切断して切り離すようにしてもよい。 【0058】図20は、本発明の他の実施例を示すものであって、図中符号81は、金属などの導電性材料で形成された端子で、図21に示したように各個別電極70、70'‥‥に接続するリード部75、75'‥‥を第1の蓋部材2の側端まで延長し、これの表面に短冊状の導電性基板82、82を導電性接着剤で固定した後、さらに導電性基板82、82‥‥の表面に、フレキシブルケーブル71の導電パターン72を半田付けするのに適した銀などの金属層の接合部83を形成したものである。 【0059】なお、この実施例においても上述した櫛歯状に形成して製造工程の簡素化を図ることができる。すなわち図22に示したように、金属板等の導電性の薄板を各個別電極70、70'‥‥の配列ピッチに合わせて導電性基板82として第1の蓋部材2に固定する部分84と、これらを接合する連続部85とからなる櫛歯状の部材をプレス加工しておき、導電性基板82となる部分84を第1の蓋部材2に固定後、若干第1の蓋部材2より外側を切断線NーNとして連続部85を切り離すようにしてもよい。そして第1の蓋部材2から突出した領域をフレキシブルケーブル71との接続領域に使用することにより、アクチュエータユニット1を無用に過熱させることなく、フレキシブルケーブル71を半田付けすることができる。 【0060】図23は、本発明の他の実施例を示すものであって、図中符号86は補強基板を兼ねる金属等の基板で、接着剤により第1の蓋部材2に固定し、その表面に絶縁層87を形成してから、個別電極70、70'‥‥の形成時に、少なくとも一部が絶縁層87の表面に到達するようにリード部77を形成し、さらにリード部77を覆うように半田付けに適した接合部88を形成するようにしてもよい。 【0061】図24は、本発明の他の実施例を示すもので、この実施例においては各個別電極70、70'‥‥と接続するリード部77の端部77bを、端子部89の位置まで延長し、端部77bを覆うように各個別電極の配列ピッチに合わせて導電性接着剤等を、その表面が圧電振動子5よりも上方に位置するように厚膜印刷して端子部89を形成し、乾燥後にフレキシブルケーブル71を接合したものである。 【0062】ところで、上述の実施例において端子部の表面が圧電振動子5のよりも上方に位置するようにその厚さを設定しているが、図25に示したようにフレキシブルケーブル71の接合領域を第1の蓋部材2側が凸となり、かつその深さdが圧電振動子5の厚さよりも大きい半球面90に形成すると、端子部91を薄く構成できるため、特に導電性接着剤等で端子を形成する場合には乾燥時間を短縮できて、作業能率が向上する。 【0063】図26、27は、それぞれ他の実施例を示すもので、この実施例においては、圧電振動子5、5'が形成されていない領域、すなわち図23に示したように側端部側、または圧電振動子5、5'の配列方向の両端に、圧電振動子5、5'よりも厚い支持体92、93をそれぞれ圧電振動子5、5'を挟むように配置し、支持体92、93の表面でフレキシブルケーブル71を支持させたものである。 【0064】この実施例によれば、単に支持体92、93を設けるだけであるから、従来の製造方法をほとんどそのまま踏襲することが可能となる。 【0065】図28は、本発明の他の実施例を示すもので、フレキシブルケーブル71の両端部を座屈させることなく、フレキシブルケーブル71を適当な曲率半径Rで折り返して、フレキシブルケーブル71を構成している耐熱性高分子フィルムの弾性を積極的に利用するようにしたものである。 【0066】この実施例によれば、フレキシブルケーブル71自体の弾性により接合部より内側が上部に持ち上げられるから、大きな外力が作用しない限り圧電振動子5に接触することはない。 【0067】なお、上述の実施例においては個別電極70、70'を第1の蓋部材2の表面に形成する場合についてに説明したが、圧電振動子5、5'の表面に個別電極を、また第1の蓋部材の表面に共通の電極を形成する形式のインクジェット式記録ヘッドにあっても、個別電極をリード部により第1の蓋部材の側端まで引き出すことができれば上述の手法が適用できることは明らかである。 【0068】また、上述の実施例においては厚みや高さが小さい圧力発生手段としてPZT等の圧電材料の薄板を張り付けて構成したものに例を採って説明したが、第1の蓋部材に薄く形成したり、また圧力発生室内に形成することのできる他の形式の圧力発生手段を用いることができる。 【0069】すなわち、図29に示したように圧力発生室3を封止する第1の蓋材2を、下面に共通の電極95が形成された一枚構造の圧電振動層96により構成し、その上面の圧力発生室4に対向する領域に個別電極97を形成して、圧力発生室3に対向する圧電振動層96の領域だけを選択的にたわみ変位させる構造を採ることができる。 【0070】このような圧電振動層96は、圧電振動板の薄板を用いたり、また共通の電極95に圧電材料をスパッタリングしたり、水熱法により作り付ける等の種々の方法で形成することができる。 【0071】また図30に示したように、第1の蓋部材2を、共通の電極95により形成するとともに、共通の電極95の圧力発生室3側に圧電振動子98と個別電極99を設けたり、必要に応じて共通の電極95の表面に弾性変形に適した層、例えばジルコニアの薄板を積層して構成することもできる。 【0072】さらには、図31に示したようにスペーサ8を封止する蓋部材2の圧力発生室3側の面、もしくは圧力発生室3を区画する他の部材の圧力発生室側にジュール熱発生素子100を設けて、駆動信号によりジュール熱発生素子100を発熱させて圧力発生室内のインクを気化させて加圧するものとして構成することもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成8年7月5日(1996.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087974 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 勝彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−341060(P2003−341060A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2003−191910(P2003−191910) |
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