| 【発明の名称】 |
液体噴射ヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】鰐部 晃久 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】スペーサの被噴射液導入口と対向する領域の強度を、歩留まりの低下をきたさない程度に十分に高めることができるリザーバを備えた液体噴射ヘッドを提供すること。
【解決手段】スペーサ15の、流路の非形成領域にはリザーバ側に開口18aを形成する凹部18が、またリザーバ3の領域内で、かつホルダ6と対向する領域に全厚部からなる支持部19が形成され、被噴射液誘導路12の開口が凹部18に対向して固定されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の圧力発生室を列状に形成するとともに、各列の圧力発生室に被噴射液供給口を介して連通するリザーバを形成したスペーサと、前記圧力発生室に連通するノズル開口が穿設されたノズルプレートと、前記圧力発生室、及び前記リザーバを封止する封止板とを積層して構成された流路ユニットと、前記流路ユニットを固定するとともに、前記リザーバに被噴射液を供給する被噴射液誘導路を備えたヘッドホルダとを備え、前記スペーサの、流路の非形成領域には前記リザーバ側に開口する凹部が、また前記リザーバの領域内で、かつ前記ホルダと対向する領域に全厚部からなる支持部が形成され、前記被噴射液誘導路の開口が前記凹部に対向して固定されている液体噴射ヘッド。 【請求項2】 前記凹部の形成されている領域が、前記被噴射液誘導路の開口に対向する領域の内側に位置して前記被噴射液誘導路の開口に対向する領域に前記リザーバと同一の深さの領域が存在する請求項1に記載の液体噴射ヘッド。 【請求項3】 前記スペーサが、シリコン単結晶基板からなり、前記リザーバが異方性フルエッチングにより、また前記凹部が異方性ハーフエッチングにより形成されている請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【技術分野】本発明は、加圧手段により圧力発生室の液を加圧して液滴を吐出させる液体噴射ヘッド、より詳細には液体噴射ヘッドを構成する流路形成基板としてのスペーサの構造に関する。 【0002】 【従来の技術】捺染装置やマイクロデスペンサ、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色剤噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極形成剤噴射ヘッド、バイオチップの製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体、液状体を液滴として吐出する液体噴射ヘッドは、ノズルと連通する圧力発生室の壁面に弾性変形可能な封止板を積層し、この封止板を圧電振動子により加圧することにより被噴射液滴を吐出させるもので、例えば特許文献1に見られるようにノズルを有するノズルプレートと、圧力発生室とリザーバ及び被噴射液流路が形成されたスペーサ部材と、封止板をサンドイッチ状に積層し、この封止板を圧電振動子により弾性変形させて、圧力発生室を膨張、収縮させるように構成されている。リザーバは、圧力発生室の列設方向に伸びるように貫通孔を形成し、その中央部で被噴射液導入口に接続されている。このため、被噴射液導入口に当接する領域の強度が小さく、接着不良などが生じやすいという問題がある。このような問題を解消するため、特許文献2に見られるように、スペーサの被噴射液導入口と対向する領域の周囲に、リザーバを跨ぐ方向に被噴射液誘導路の開口部の外周の少なくとも2点を支持する領域を形成することも提案されている。 【特許文献1】特開平7-323543号公報【特許文献2】特開平11-245399号公報【0003】 【発明が解決しようとする課題】これによれば、強度が或る程度高くなるものの、被噴射液導入口がリザーバと同様に貫通孔として形成されているため、たわみなどが生じやすく十分な強度を有しているとはいえない。本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはスペーサの被噴射液導入口と対向する領域の強度を、歩留まりの低下をきたさない程度に十分に高めることができるリザーバを備えた液体噴射ヘッドを提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】このような問題を解消するために本発明においては、複数の圧力発生室を列状に形成するとともに、各列の圧力発生室に被噴射液供給口を介して連通するリザーバを形成したスペーサと、前記圧力発生室に連通するノズル開口が穿設されたノズルプレートと、前記圧力発生室、及び前記リザーバを封止する封止板とを積層して構成された流路ユニットと、前記流路ユニットを固定するとともに、前記リザーバに被噴射液を供給する被噴射液誘導路を備えたヘッドホルダとを備え、前記スペーサの、流路の非形成領域には前記リザーバ側に開口する凹部が、また前記リザーバの領域内で、かつ前記ホルダと対向する領域に全厚部からなる支持部が形成され、前記被噴射液誘導路の開口が前記凹部に対向して固定されている。 【0005】 【作用】被噴射液は、被噴射液誘導路から凹部のリザーバ側の開口を経由してリザーバに流れ込む。被噴射液誘導路の開口が周縁が、スペーサの非エッチング部、及びリザーバの全厚部に当接するとともに、被噴射液誘導路の開口に対向する領域が連続体となっているから、十分な強度を維持する。これにより、被噴射液誘導路から凹部のリザーバ側の開口を経由して印刷に必要な被噴射液をリザーバに供給でき、また被噴射液誘導路の開口が周縁が、スペーサの非エッチング部、及びリザーバの全厚部に当接するとともに、被噴射液誘導路の開口に対向する領域が連続体となっていて十分な強度を維持することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の液体噴射ヘッドの一実施例を、記録ヘッドに例を採って示すものであって、ノズル開口1、被噴射液供給口2、リザーバ3、及び圧力発生室4を形成する流路形成ユニット5をヘッドホルダ6の一端に固定するとともに、このユニット5の各列の圧力発生室4に対向する位置に圧電振動子7、7、7、…の先端が当接するように圧電振動子ユニット8をヘッドホルダ6に固定して構成されている。 【0007】ヘッドホルダ6は、図2に示したように圧力発生室4に対向する位置に圧電振動子7、7、7を露出させる窓9が、またリザーバ3に対向する領域には、圧電振動子7により弾性変形可能な後述の封止板10を弾性変形可能ならしめる凹部11が形成され、さらにリザーバの中心部と対向する位置には被噴射液誘導路12の先端を開口13を形成して構成されている。 【0008】流路ユニット5は、圧力発生室4に連通するノズル開口1を備えたノズルプレート14と、リザーバ3、被噴射液供給口2、及び圧力発生室4を形成するスペーサ15と、少なくともリザーバ3、被噴射液供給口2、及び圧力発生室4を封止し、かつリザーバ3、及び圧力発生室4の領域で弾性変形可能な弾性膜にヘッドホルダ6の開口13とリザーバ3とを接続する被噴射液導入口16を穿設してなる封止板10とをサンドイッチ状に積層して構成されている。 【0009】封止板10は、この実施例では圧電振動子7の変位を圧力発生室の容積変化に変換するために各圧力発生室の中心線状に剛性を備えたアイランド部17が形成されている。 【0010】図3は、スペーサ15の一実施例を示すものであって、フォトリソグラフィなどにより形成されたパターンを化学的に食刻可能な材料、例えば金属やシリコン単結晶基板により構成されている。この実施例ではスペーサを構成するのに適した厚さのシリコン単結晶基板が使用されていて、中心線を対称線とするように圧力発生室4、4、4、…が2列一定のピッチで形成され、各列の被噴射液供給口2、2、2、…の外側にはそれぞれ独立してリザーバ3、3が、後述する支持部を残して貫通孔として、つまりフルエッチングにより形成され、被噴射液供給口2、2、2…を介してリザーバ3、3と各列の圧力発生室4、4、4、…が接続されている。 【0011】リザーバ3は、この実施例では中心点を対称点とするように両側が若干狭くなるよう形成され、その中心線を通り、非エッチング領域側、つまりリザーバの外側の領域には被噴射液誘導路12の開口13に対向するようにハーフエッチングにより凹部18(図4(イ)におけるクロスハッチングされた領域)が形成され、さらにこの凹部18に対向するように非エッチング部、つまりスペーサ15の全厚と同一の厚みを有する支持部19が形成されている。 【0012】この凹部18は、図4(ロ)に示したように被噴射液誘導路12からの被噴射液を、印刷時の被噴射液消費量に対応して供給できる程度の開口を形成できる程度で、かつ可及的に強度を維持できる深さdに設定されている。 【0013】この実施例において、スペーサ15の一方の面にノズルプレート14を、また他方の面に封止板10を接着剤等により液密に固定して流路形成ユニット5を構成する。 【0014】この流路形成ユニット5の被噴射液導入口16をヘッドホルダ6の被噴射液誘導路12の開口13に位置合わせして接着剤等によりヘッドホルダ6に固定し、また圧電振動子7の先端が封止板10のアイランド部17に当接するように圧電振動子ユニット8をヘッドホルダ6に固定し、またヘッドホルダ6の他方の面に被噴射液供給針21やフィルタ22を取り付け、外側をシールド部材を兼ねる枠体23で固定すると記録ヘッドが完成する。 【0015】ところで、流路ユニット5とヘッドホルダ6との接着の過程で、被噴射液導入路12の開口13に対向する領域は、ハーフエッチング部として構成され、かつリザーバ3には支持部19が形成されているため、被噴射液誘導路12の開口13の周辺の封止板10がヘッドホルダ6に確実に接着され、液密構造が確保される。 【0016】このように構成された記録ヘッドに駆動信号を印加すると、圧電振動子7が収縮して圧力発生室4が膨張する。これによりリザーバ3の被噴射液(記録ヘッドとして使用する場合には、インク)が被噴射液供給口2から圧力発生室4に流れ込む。所定時間が経過した段階で圧電振動子7を放電させると、圧電振動子7が伸長して元の状態に復帰する。この過程で圧力発生室4が圧縮されて圧力発生室4の被噴射液がノズル開口1から被噴射液滴(インク滴)として吐出する。 【0017】このようにしてリザーバ3の被噴射液が消費されると、被噴射液供給針21により接続されている図示しない被噴射液カートリッジの被噴射液がヘッドホルダ6の被噴射液誘導路12を経由して被噴射液導入口16から凹部18の開口18aを通って被噴射液(図4(ロ)の矢印K)がリザーバ3に流れ込む。 【0018】また上述の実施例においては、ヘッドホルダ6の被噴射液誘導路12の開口13とリザーバ3との接続流路をリザーバ3の延長方向に1つずつ形成しているが、1つのリザーバ3に前述の凹部18と支持部19を対として複数形成すると、接続流路の流路抵抗を下げることができる。 【0019】図5は、本発明の他の実施例を、ヘッドホルダの被噴射液誘導路12の開口13と対向する領域について示すものであって、この実施例においては凹部18’を区画する壁18b’が被噴射液誘導路12の開口13の内側、つまりリザーバ3よりも後退した位置に形成され、被噴射液誘導路12の開口13に対向する領域に、凹部18’とリザーバ側が開口した貫通部20、つまりリザーバ3と同一の深さの領域が存在するように構成されている。 【0020】この実施例によれば、被噴射液誘導路12の開口13に対向する領域に非エッチングと連続する凹部18’が存在するため、被噴射液誘導路12の開口13に対向する領域を完全な貫通孔として形成する場合に比較して、補強されることになる。これにより、被噴射液誘導路12の開口13の外周部がスペーサ15の非エッチング領域と、支持部19とに当接し、封止板10がヘッドホルダ6に確実に接着される。一方、被噴射液誘導路12の開口13がスペーサ15の貫通部20に対向しているため、被噴射液誘導路12から流れ込んだ被噴射液Kは、少ない流路抵抗でリザーバ3に流れ込む。凹部18’を区画する壁18b’の位置、つまり凹部18’と貫通部20との比率を、流路抵抗と強度との兼ね合いで適宜設定することができる。なお、この貫通部20は、貫通孔からなるリザーバ3の形成時に、エッチング面18c’を露出させるようにしてエッチングを行うことにより、容易に形成することができる。 【0021】また、上述の実施例では、ハーフエッチングにより高い精度で深さして凹部を形成しやすいシリコン単結晶基板を使用しているが、エッチング可能でかつ被噴射液に耐蝕性を持つ金属やガラス等の板材を用い、これに貫通領域や凹部をエッチングにより形成したり、また少なくとも凹部の底面を境とするように厚み方向に複数の層に分解し、各層の貫通孔に一致する貫通孔を形成したエッチングフィルムを積層することにより構成することができる。 【0022】さらには、上述の実施例においては加圧手段として軸方向に伸縮する圧電振動子を使用しているが、たわみ振動する圧電振動子を各圧力発生室4に対向させて設けたり、また被噴射液を蒸発、気化させることができる発熱素子を各圧力発生室4に設けた記録ヘッドに適用しても同様の作用を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087974 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 勝彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−341057(P2003−341057A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2003−72891(P2003−72891) |
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