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【発明の名称】 画像形成装置及び画像形成方法
【発明者】 【氏名】久保 隆
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内

【要約】 【課題】画像形成の試し印刷動作において、必要最小限の画像形成動作のみを実行させることで、試し印刷に要するインク量を削減し、且つ試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。

【解決手段】テキストデータとイメージデータとが混在した画像データを取得した場合、画像データからテキストデータ及びイメージデータを個別に抽出して記憶する。画像形成モードが「試し印刷モード」であって「テキスト画像抽出形式」が選択された場合にはテキストデータのみによる試し印刷動作を実行する。画像形成モードが「試し印刷モード」であって「イメージ画像抽出形式」が選択された場合にはイメージデータのみによる試し印刷動作を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 取得した画像データに基づいて記録媒体への画像形成を行う画像形成装置において、上記画像データをデータ種類毎に種別するデータ種別手段と、このデータ種別手段の出力を受け、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記種別した複数のデータ種類のうち任意に選択された一部の種類のデータによって画像形成される記録媒体上の所定エリアのみに対して、その選択されたデータによる画像形成動作を実行する試し印刷手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 テキストデータとイメージデータとが混在した画像データを取得し、この画像データに基づいて記録媒体への画像形成を行う画像形成装置において、上記画像データからテキストデータのみを抽出するテキスト抽出手段と、上記画像データからイメージデータのみを抽出するイメージ抽出手段と、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記両データのうち試し印刷が要求された一方のデータのみを受け、そのデータのみに基づいて画像形成動作を実行する試し印刷手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 テキストデータとイメージデータとが混在した画像データを取得し、この画像データに基づいて記録媒体への画像形成を行う画像形成装置において、上記画像データからテキストデータのみを抽出するテキスト抽出手段と、上記画像データからイメージデータのみを抽出するイメージ抽出手段と、上記テキスト抽出手段からのテキストデータ及びイメージ抽出手段からのイメージデータをそれぞれ受け、これら各データによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアをそれぞれ個別に認識するエリア認識手段と、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記エリア認識手段からの出力を受け、テキストデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁及びイメージデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁のうちの要求された少なくとも一方のエリアの外縁を線図により記録媒体に描く試し印刷手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 請求項3記載の画像形成装置において、試し印刷手段は、テキストデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁の線図による表示形態と、イメージデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁の線図による表示形態とを互いに異ならせるよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】 請求項1または2記載の画像形成装置において、試し印刷手段は、画像形成モードが「試し印刷モード」であるときの画像形成動作として、ドラフト画像での画像形成動作と非ドラフト画像での画像形成動作とを要求に応じて切り換え可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の画像形成装置において、試し印刷手段は、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、選択された任意の色で画像形成動作を行う構成とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】 請求項6記載の画像形成装置において、試し印刷手段は、データ種類毎に異なる色での画像形成動作が可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】 取得した画像データに基づいて記録媒体への画像形成を行う画像形成方法において、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記請求項1〜7のうち何れか一つに記載の画像形成装置における試し印刷手段によって記録媒体に対する画像形成動作を実行することを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプリンタ等に代表される画像形成装置及びこの画像形成装置において実行される画像形成方法に係る。特に、本発明は、画像の試し印刷(記録用紙上への画像の試し打ち)を行う際の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェットプリンタにおける画像形成動作としては、先ず、給紙トレイに収容されている複数枚の用紙のうち1枚を搬送路に送り出し、この用紙を、搬送路を経て画像形成部に供給する。そして、この画像形成部において用紙表面にインク滴を吐出することで所定の画像形成を行った後に、この用紙を排出トレイに排紙するようになっている。
【0003】この種のインクジェットプリンタにおいて、記録用紙上での画像レイアウトを実際の記録用紙上で確認したい場合には、「試し印刷モード」での画像形成動作が実行される。例えば、複数色で成る画像を形成するためのカラー画像データに基づいた画像形成動作を実行する前に、全ての画像データに基づいた画像形成動作を黒色インクのみを用いて実行する。つまり、例えば複数色のイメージデータやテキストデータに対して全ての色データを黒色に統一して画像形成動作を実行し、記録用紙上の画像レイアウト(イメージ画像とテキスト画像の配置状態)を実際の記録用紙上で確認できるようにしている。
【0004】また、「試し印刷モード」での画像形成動作を開示するものとして、特開平8−181849号公報がある。この公報には、画像データ中の全画像の輪郭部分を抽出し、この得られた輪郭画像データのみに基づいた試し印刷を実行することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の「試し印刷モード」は、取得した画像データの全てを対象として単色で画像形成動作を実行したり、全画像の輪郭部分を抽出し、その抽出した全画像の輪郭を記録用紙上に描いていた。このため、全ての画像データのうち一部の画像データのみに対してレイアウト確認を行いたい場合であっても、全ての画像に対して画像形成動作が実行されてしまう。つまり、必要以外の箇所(確認の必要のない部分)まで試し印刷が行われることになる。その結果、この「試し印刷モード」において、消費インク量の削減化を図ったり試し印刷動作に要する時間の短縮化を図るには限界があった。
【0006】また、複数のカラー画像データに基づいた画像形成動作を実行する前に、一部のカラー画像の色合いのみを記録用紙上で確認したいといった要求がある。ところが、従来の「試し印刷モード」では、全ての画像データに対してカラー画像の画像形成動作が実行されてしまうため、事実上、この要求に応え得る「試し印刷モード」での画像形成動作は行えないものとなっていた。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成の試し印刷動作において、必要最小限の画像形成動作のみを実行させることで、試し印刷に要するインク量を削減し、且つ試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】−発明の概要−上記の目的を達成するために、本発明は、取得した全ての画像データをデータの種類毎に種別し、これら種別された画像データの中から試し印刷が要求されたデータのみに基づいた画像形成動作が実行されるようにしている。
【0009】−解決手段−具体的には、取得した画像データに基づいて記録媒体への画像形成を行う画像形成装置を前提とする。この画像形成装置に対し、データ種別手段及び試し印刷手段を備えさせている。データ種別手段は、上記画像データをデータ種類毎に種別する。試し印刷手段は、データ種別手段の出力を受け、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記種別した複数のデータ種類のうち任意に選択された一部の種類のデータによって画像形成される記録媒体上の所定エリアのみに対して、その選択されたデータによる画像形成動作を実行する。
【0010】この特定事項により、例えば画像データとして黒色テキストデータと赤色テキストデータとが混在しており、赤色の文字が印刷されるエリアのみを記録媒体上で確認したい場合や、画像データとしてモノクロ写真データとカラー写真データとが混在しており、カラー写真画像が形成されるエリアのみを記録媒体上で確認したい場合には、その確認したい画像(文字や写真)のみを記録媒体上に試し印刷することができる。つまり、確認の必要のない部分に対する試し印刷を実行しないことにより、「試し印刷モード」における消費インク量の削減化及び試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることができる。ここでいう画像データのデータ種類とは、例えば、上述した如くテキストデータの文字色別、写真データ(イメージデータ)のカラー/モノクロの別ばかりでなく、後述するテキストデータとイメージデータとの別、テキストデータの文字フォントの別など種々のものが掲げられる。
【0011】画像データの種別としてテキストデータとイメージデータとの別を対象とした解決手段としては以下のものが掲げられる。つまり、テキストデータとイメージデータとが混在した画像データを取得し、この画像データに基づいて記録媒体への画像形成を行う画像形成装置を前提とする。この画像形成装置に対し、テキスト抽出手段、イメージ抽出手段、試し印刷手段を備えさせている。テキスト抽出手段は、上記画像データからテキストデータのみを抽出する。イメージ抽出手段は、上記画像データからイメージデータのみを抽出する。試し印刷手段は、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記両データのうち試し印刷が要求された一方のデータのみを受け、そのデータのみに基づいて画像形成動作を実行する。
【0012】つまり、本解決手段にあっては、文字が印刷されるエリア、文字の色、文字のフォント等を確認したい場合には、テキスト抽出手段が抽出したテキストデータのみに基づいた試し印刷動作が実行される。一方、写真等のイメージ画像が形成されるエリア、画像の色合い、画像の大きさ等を確認したい場合には、イメージ抽出手段が抽出したイメージデータのみに基づいた試し印刷動作が実行される。この場合にも、確認の必要のない部分に対する試し印刷を実行しないことにより、「試し印刷モード」における消費インク量の削減化及び試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0013】また、画像データの種別としてテキストデータとイメージデータとの別を対象とした場合の他の解決手段としては以下のものが掲げられる。つまり、上記解決手段と前提を同じくし、テキスト抽出手段、イメージ抽出手段、エリア認識手段、試し印刷手段を備えさせている。テキスト抽出手段は、上記画像データからテキストデータのみを抽出する。イメージ抽出手段は、上記画像データからイメージデータのみを抽出する。エリア認識手段は、テキスト抽出手段からのテキストデータ及びイメージ抽出手段からのイメージデータをそれぞれ受け、これら各データによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアをそれぞれ個別に認識する。試し印刷手段は、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記エリア認識手段からの出力を受け、テキストデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁及びイメージデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁のうちの要求された少なくとも一方のエリアの外縁を線図により記録媒体に描く。
【0014】つまり、本解決手段にあっては、文字が印刷される記録媒体上のエリアのみを確認したい場合には、テキスト抽出手段が抽出したテキストデータのみに基づいた試し印刷動作が実行される。一方、写真等のイメージ画像が形成されるエリアのみを確認したい場合には、イメージ抽出手段が抽出したイメージデータのみに基づいた試し印刷動作が実行される。この場合にも、確認の必要のない部分に対する試し印刷を実行しないことにより、「試し印刷モード」における消費インク量の削減化及び試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることができる。特に、本解決手段にあっては、テキスト、イメージの各データ何れに対してもエリアの外縁のみを線図により描くようにしているため、消費インク量の大幅な削減化及び試し印刷動作に要する時間の大幅な短縮化を図ることができる。
【0015】また、このように記録媒体上のエリアの外縁を線図により描く場合、テキストデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁の線図による表示形態と、イメージデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁の線図による表示形態とを互いに異ならせるようにしている。例えば、一方の外縁を実線で、他方の外縁を破線でそれぞれ描くことが掲げられる。また、各外縁の色を互いに異ならせるようにしてもよい。
【0016】これによれば、テキストデータの画像形成エリアの表示と、イメージデータの画像形成エリアの表示とを共に同一記録媒体上に行った場合に、テキストデータの画像形成エリアとイメージデータの画像形成エリアとを容易に判別することができ、試し印刷後のエリア確認作業が容易である。
【0017】更に、画像形成モードが「試し印刷モード」であるときの画像形成動作として、ドラフト画像での画像形成動作と非ドラフト画像での画像形成動作とを要求に応じて切り換え可能としている。例えば、テキストデータの場合、文字をそのまま記録媒体上に印刷する非ドラフト画像と、文字の大きさに応じた枠(白抜きの四角形の線図)のみを記録媒体上に印刷するドラフト画像とが切り換え可能となっている。一方、イメージデータの場合、イメージ画像をそのまま記録媒体上に形成する非ドラフト画像と、イメージ画像の輪郭のみを記録媒体上に形成したり単色でイメージ画像を形成するドラフト画像とが切り換え可能となっている。このように、本解決手段では、ユーザの要求に応じた試し印刷動作を実行させることが可能である。
【0018】加えて、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、選択された任意の色で画像形成動作を行うようにした場合にもユーザの要求に応じた試し印刷動作を実行させることが可能である。特に、カラーインクジェットプリンタに適用した場合、ユーザが各インクカートリッジのインク残量を認識しておき、インク残量が多いインクを利用して試し印刷動作を実行することも可能である。つまり、インク切れの発生を回避しながら試し印刷動作を実行させたり、各インクカートリッジのインク残量の均一化を図ることができる。また、各インクカートリッジのインク残量を検知可能なセンサを備えさせておき、このセンサによって検知されたインク残量に応じて「試し印刷モード」で使用するインクを決定するようにしてもよい。
【0019】また、データ種類毎に異なる色での画像形成動作が可能な構成とした場合には、各データ種類毎の視認性を良好に得ることができる。例えば、テキストデータによる画像形成を黒色で実行し、イメージデータによる画像形成を赤色で実行することにより、各データによる画像形成エリアの判別を明確に行うことができる。この場合、データ種類毎の色をユーザが任意に設定できるようにした場合には、視認性の良好な色を選択することによって、試し印刷後のエリア確認作業が容易になる。
【0020】また、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記各解決手段のうち何れか一つに記載の画像形成装置における試し印刷手段によって記録媒体に対する画像形成動作を実行する画像形成方法も本発明の技術的思想の範疇である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態では、カラーインクジェットプリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0022】図1は、本形態に係るカラーインクジェットプリンタ1の外観(カバー11が開放された状態)を示す斜視図である。また、図2は、カラーインクジェットプリンタ1の内部構成を示す側面図である。
【0023】これらの図に示すように、本形態に係るインクジェットプリンタ1は、給紙部2、分離部3、搬送部4、画像形成部5及び排出部6を備えている。
【0024】給紙部2は、略鉛直方向に延びる給紙トレイ21及び図示しないピックアップローラを備えており、画像形成動作開始時に給紙トレイ21内の記録媒体としての記録用紙Pをピックアップローラによって取り出して分離部3に向けて搬送するようになっている。また、上記給紙トレイ21は、画像形成動作を行わない際には、記録用紙Pの保管部として機能する。
【0025】分離部3は、給紙部2から供給される記録用紙Pを、画像形成部5に向けて一枚ずつ供給するためのものであり、給紙ローラ31及び分離器32を備えている。分離器32では、パッド部分(記録用紙Pとの接触部分)と記録用紙Pとの摩擦力が、記録用紙P,P同士の間の摩擦力より大きくなるように設定されている。また、給紙ローラ31では、この給紙ローラ31と記録用紙Pとの摩擦力が、分離器32のパッドと記録用紙Pとの摩擦力や、記録用紙P,P同士の間の摩擦力よりも大きくなるように設定されている。そのため、ピックアップローラによって複数枚の記録用紙P,P,…が取り出されて分離部3まで送られてきたとしても、給紙ローラ31によって、これら複数の記録用紙P,P,…を分離し、最も上側の一枚の記録用紙Pのみを搬送部4に送ることができるようになっている。
【0026】搬送部4は、分離部3より一枚ずつ供給される記録用紙Pを、画像形成部5に向けて搬送するためのものであり、ガイド板41及び搬送ローラ対42を備えている。搬送ローラ対42は、記録用紙Pをインクヘッド52とプラテン53との間に送り込む際に、インクヘッド52からのインク滴が記録用紙Pの適切な位置に吹き付けられるように、記録用紙Pの搬送を調整する部材である。
【0027】画像形成部5は、搬送部4の搬送ローラ対42から供給される記録用紙Pへ画像形成を行うためのものであり、複数のインクカートリッジ81〜84、インクヘッド52、これらインクカートリッジ81〜84及びインクヘッド52を搭載したキャリッジ51、このキャリッジ51を主走査方向に案内するためのガイドシャフト54、画像形成時に記録用紙Pの支持台となる上記プラテン53を備えている。また、上記インクカートリッジ81〜84は、Bk(ブラック),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の各インク毎に個別にキャリッジ51上に搭載されており、それぞれが独立して交換可能となっている。また、本形態では、各インクカートリッジ81〜84のうちY,M,Cの各カラーインクカートリッジ82〜84に比べてBkインクカートリッジ81が大型のものとなっている。
【0028】排出部6は、画像形成が行われた記録用紙Pを回収する部分であり、記録用紙P上のインクを乾燥させるための図示しないインク乾燥部、排出ローラ61及び排出トレイ62を備えている。
【0029】上記の構成において、インクジェットプリンタ1は、次のような動作によって画像形成を行う。先ず、図示しないコンピュータ等の外部端末から画像データに基づく画像形成要求がインクジェットプリンタ1に対してなされる。画像形成要求を受信したインクジェットプリンタ1は、給紙トレイ21上の記録用紙Pを、ピックアップローラによって給紙部2より搬出する。次に、搬出された記録用紙Pは、給紙ローラ31によって分離部3を通過し、搬送部4へと送られる。搬送部4では、搬送ローラ対42によって、記録用紙Pをインクヘッド52とプラテン53との間へと送る。そして、画像形成部5では、インクヘッド52のインクノズルよりプラテン53上の記録用紙Pへ、画像データに対応してインク滴が吹き付けられる。この時、記録用紙Pはプラテン53上で一旦停止されている。インク滴を吹き付けつつ、キャリッジ51は、ガイドシャフト54に案内されて、主走査方向(図1におけるD2方向)に一ライン分走査される。それが終了すると、記録用紙Pは、プラテン53上で副走査方向(図1におけるD1方向)に一定の幅だけ移動する。画像形成部5において、上記処理が画像データに対応し継続して実施されることにより、記録用紙Pの全面に画像形成がなされる。このようにして画像形成が行われた記録用紙Pは、インク乾燥部を経て、排出ローラ61によって排出トレイ62に排出される。これにより、記録用紙Pは印刷物としてユーザに提供されることになる。
【0030】以上の各部の動作は、制御部によって制御されるものである。以下、この制御部について説明する。
【0031】図3は、本インクジェットプリンタ1の制御部の構成を示すブロック図である。この制御部は、CPU7によって制御されるキャリッジ駆動回路71、用紙搬送駆動手段72、インクヘッド駆動手段73、画像データ入力手段74、ドットカウンタ75を備えている。
【0032】キャリッジ駆動回路71は、上記キャリッジ51を主走査方向に往復移動させるための駆動源であるキャリッジモータの駆動を制御する。
【0033】用紙搬送駆動手段72は、記録用紙Pを副走査方向に搬送するための上記給紙ローラ31、搬送ローラ対42、排出ローラ61の駆動をそれぞれ制御する。
【0034】インクヘッド駆動手段73は、画像データを受けてインクヘッド52の駆動を制御する。つまり、上記キャリッジ51の走査や記録用紙Pの搬送と連繋して、ブラックヘッドや各カラーヘッドに設けられた複数の圧電素子をインク色毎に区別して駆動し、各インクノズルからのインク滴の吐出制御を行い、記録用紙P上に所定の画像形成を行うようになっている。
【0035】画像データ入力手段74は、図示しない通信用インターフェースを備え、接続ケーブルを介してホストコンピュータ等に接続されており、このホストコンピュータ等から送信される画像データを受信可能となっている。
【0036】また、CPU7には、図示しないROMが接続されている。このROMには、上記キャリッジ駆動回路71、用紙搬送駆動手段72、インクヘッド駆動手段73を制御して記録用紙P上にカラー画像を記録する画像記録制御の制御プログラムなどが格納されている。
【0037】また、ドットカウンタ75は、画像形成動作の実行に伴って記録用紙P上に吐出されるドット(インク滴)の数を画像データに基づいて認識し、このドット数を、インクカートリッジ81〜84が新品のものに交換された時点から各インクカートリッジ81〜84毎にカウントし、これを積算して記憶するものである。つまり、これらドット数を確認することによって各インクカートリッジ81〜84のインク残量を推測することができるようになっている。
【0038】そして、本形態の特徴とするところは、上記制御部に、試し印刷モード認識部76、データ種別手段77及びエリア認識手段78が備えられ、また、CPU7に試し印刷手段79が備えられていることにある。
【0039】試し印刷モード認識部76は、上記ホストコンピュータ等の操作によってユーザが設定した画像形成モードに基づく発信信号を取得し、画像形成モードが「試し印刷モード」であるか否かを判別するものである。つまり、画像形成モードが「試し印刷モード」である場合には、後述する試し印刷動作が実行され、画像形成モードが「通常印刷モード」である場合には、上述した通常の画像形成動作が実行される。
【0040】データ種別手段77は、画像データをデータ種類毎に種別するものである。具体的には、このデータ種別手段77はテキスト抽出手段77A及びイメージ抽出手段77Bを備えている。テキストデータとイメージデータとが混在した画像データが画像データ入力手段74に入力された際、テキスト抽出手段77Aは画像データからテキストデータのみを抽出し、イメージ抽出手段77Bは画像データからイメージデータのみを抽出し、それぞれを個別に記憶する。
【0041】エリア認識手段78は、上記テキスト抽出手段77Aからのテキストデータ及びイメージ抽出手段77Bからのイメージデータをそれぞれ受け、これら各データによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアをそれぞれ個別に認識するものである。
【0042】試し印刷手段79は、上記試し印刷モード認識部76及びデータ種別手段77の出力を受け、画像形成モードが「試し印刷モード」であるとき、上記種別した複数のデータ種類(テキストデータ、イメージデータ)のうち任意に選択された一部の種類のデータによって画像形成される記録用紙P上の所定エリアのみに対して、その選択されたデータによる画像形成動作を実行するものである。具体的には、テキストデータのみの試し印刷が要求された場合には、テキスト抽出手段77Aからテキストデータを受け、このテキストデータのみによる画像形成動作を実行する。逆に、イメージデータのみの試し印刷が要求された場合には、イメージ抽出手段77Bからイメージデータを受け、このイメージデータのみによる画像形成動作を実行する。
【0043】また、この試し印刷手段79は、「試し印刷モード」としてエリア表示のみが要求された場合には、上記エリア認識手段78からの出力を受け、テキストデータによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁及びイメージデータによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁のうちの要求された少なくとも一方を線図により記録用紙Pに描くようになっている。具体的には、テキストデータによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁を破線で描き、イメージデータによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁を実線で描くようになっている。尚、これら各データによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁をそれぞれ同じ種類の線図で描くようにしてもよい。
【0044】次に、本形態における「試し印刷モード」での画像形成動作について説明する。先ず、本形態に係るインクジェットプリンタの「試し印刷モード」において選択可能な画像形成形式について説明する。このインクジェットプリンタの「試し印刷モード」では、「テキスト画像抽出形式」「イメージ画像抽出形式」「エリア枠形式」「ドラフト形式」の4つの画像形成形式のうちから一つが選択可能である。この選択は上述した如くホストコンピュータ等のユーザによる操作によって行われる。
【0045】以下、各画像形成形式が選択された場合に記録用紙P上に形成される画像についてそれぞれ説明する。
【0046】例えば、図4に示すような画像(テキスト画像とイメージ画像とが混在した画像)を形成するための画像データが画像データ入力手段74に入力された場合、「試し印刷モード」として「テキスト画像抽出形成」が選択された際には、図5(a)に示すように、画像データ中のテキストデータによって画像形成される記録用紙P上の所定エリアのみに対してそのテキストデータによる画像形成動作が実行される。この「テキスト画像抽出形成」は、文字が印刷されるエリア、文字の色、文字のフォント等を記録用紙P上で確認したい場合に選択されるものである。
【0047】また、「試し印刷モード」として「イメージ画像抽出形成」が選択された際には、図5(b)に示すように、画像データ中のイメージデータによって画像形成される記録用紙P上の所定エリアのみに対してそのイメージデータによる画像形成動作が実行される。この「イメージ画像抽出形成」は、写真等のイメージ画像が形成されるエリア、画像の色合い、画像の大きさ等を確認したい場合に選択されるものである。
【0048】更に、「試し印刷モード」として「エリア枠形式」が選択された際には、図5(c)に示すように、画像データ中のテキストデータ及びイメージデータのそれぞれに対し、これら各データによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁を線図により描く。この場合、テキストデータによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁は破線で描かれ、イメージデータによって画像形成が行われる記録用紙P上のエリアの外縁は実線で描かれる。この「エリア枠形式」は、文字が印刷される記録媒体上のエリアを確認したい場合、写真等のイメージ画像が形成されるエリアを確認したい場合、更には、テキスト画像エリアとイメージ画像エリアとが重なり合っていないか否かを確認したい場合に選択されるものである。
【0049】加えて、「試し印刷モード」として「ドラフト形式」が選択された際には、図5(d)に示すように、画像データ中のテキストデータ及びイメージデータのそれぞれに対し、ドラフト画像の画像形成が行われる。このドラフト画像とは、テキストデータに対しては個々の文字部分に対応して四角形状の枠が描かれる。一方、イメージデータに対しては画像が単色(例えば黒インクのみ)で描かれる。また、イメージデータに対してその画像の輪郭のみを記録媒体上に形成するようにしてもよい。
【0050】尚、図5(c)に示した「エリア枠形式」での画像形成状態や図5(d)に示した「ドラフト形式」での画像形成状態としては、更に、テキストデータのみによる画像形成形式、イメージデータのみによる画像形成形式、テキストデータ及びイメージデータの両方による画像形成形式の何れかが選択できるようにしておいてもよい。
【0051】このように本形態では、「試し印刷モード」としてユーザが要求するデータのみによる画像形成動作を行ったり、このデータを加工処理(エリア枠の抽出やドラフト処理)して画像形成動作を行うことにより、確認の必要のない部分に対する試し印刷を実行しないことで、「試し印刷モード」における消費インク量の削減化及び試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることが可能である。特に、「エリア枠形式」が選択された場合には、テキスト、イメージの各データ何れに対してもエリアの外縁のみを線図により描くようにしているため、消費インク量の大幅な削減化及び試し印刷動作に要する時間の大幅な短縮化を図ることができる。
【0052】(変形例)上述した実施形態では、テキストデータとイメージデータとが混在した画像データが画像データ入力手段74に入力された場合の「試し印刷モード」として、「テキスト画像抽出形式」「イメージ画像抽出形式」「エリア枠形式」「ドラフト形式」の4つの画像形成形式のうちから一つが選択可能であった。
【0053】それに代えて、本変形例は、テキストデータのみから成る画像データが画像データ入力手段74に入力された場合や、イメージデータのみから成る画像データが画像データ入力手段74に入力された場合の「試し印刷モード」について説明する。
【0054】先ず、例えば、図6(a)に示すような画像(テキストのみから成る画像)を形成するための画像データが画像データ入力手段74に入力された場合、「試し印刷モード」として「黒色テキスト画像抽出形式」「カラーテキスト画像抽出形式」の何れかが選択可能となっている。
【0055】例えば画像データとして図6(a)において第1行目から第9行目までの文字が黒色テキストデータ(黒文字)により形成され、第10行目から第13行目までの文字が赤色テキストデータ(赤文字)により形成されている場合、「黒色テキスト画像抽出形式」が選択された際には、図6(b)に示すように、黒色テキストデータのみによる画像形成が行われる。一方、「赤色テキスト画像抽出形式」が選択された際には、図6(c)に示すように、赤色テキストデータのみによる画像形成が行われる。つまり、印刷されるエリア、文字の色合い、文字のフォント等を、文字色別に記録用紙P上で確認したい場合に、所望の画像形成形式が選択可能となっている。
【0056】次に、例えば、図7(a)に示すような画像(2つのイメージのみから成る画像)を形成するための画像データが画像データ入力手段74に入力された場合、「試し印刷モード」として「モノクロイメージ画像抽出形式」「カラーイメージ画像抽出形式」の何れかが選択可能となっている。
【0057】例えば画像データとして図7(a)において上側のイメージ画像がモノクロイメージ画像データにより形成され、下側のイメージ画像がカラーイメージ画像データにより形成されている場合、「モノクロイメージ画像抽出形式」が選択された際には、図7(b)に示すように、モノクロイメージ画像データのみによる画像形成が行われる。一方、「カラーイメージ画像抽出形式」が選択された際には、図7(c)に示すように、カラーイメージ画像データのみによる画像形成が行われる。つまり、複数のイメージ画像のうち、画像形成エリアや画像の色合いを記録用紙P上で確認したい画像に対してのみ画像形成動作が実行されるように画像形成形式が選択可能となっている。
【0058】−その他の実施形態−上記実施形態では、カラーインクジェットプリンタ1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、モノクロタイプのインクジェットプリンタに適用することも可能である。また、レーザプリンタへの適用も可能である。
【0059】また、本発明は、キャリッジ51が主走査方向に走査しながら画像形成動作を行うシリアルタイプのインクジェットプリンタに限らず、走査動作を行わないラインタイプのインクジェットプリンタへの適用も可能である。
【0060】また、ユーザが各インクカートリッジ81〜84のインク残量を認識しておき、インク残量が多いインクを利用して試し印刷動作が実行されるように、「試し印刷モード」で使用するインク色をユーザが選択できるようにしてもよい。これによれば、インク切れの発生を回避しながらも試し印刷動作を実行させたり、各インクカートリッジ81〜84のインク残量の均一化を図ることができる。また、上記ドットカウンタ75によって検知される各インクカートリッジ81〜84のインク残量に応じて「試し印刷モード」で使用するインクを決定するようにしてもよい。
【0061】更に、上記実施形態では、選択可能な画像形成形式として4タイプを備えていた。本発明はこれに限らず、これら4タイプ全てを備えている必要はなく、これらのうちの複数タイプを備えさせるようにすればよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明では、取得した全ての画像データをデータの種類毎に種別し、これら種別された画像データの中から試し印刷が要求されたデータのみに基づいた画像形成動作が実行されるようにしている。このため、確認の必要のない部分に対する試し印刷を実行しないことにより、「試し印刷モード」における消費インク量の削減化及び試し印刷動作に要する時間の短縮化を図ることができる。特に、画像データの種別としてテキストデータとイメージデータとの別を対象とした場合において、これら各データによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアをそれぞれ個別に認識し、テキストデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁及びイメージデータによって画像形成が行われる記録媒体上のエリアの外縁のうちの要求された少なくとも一方のエリアの外縁を線図により記録媒体に描くようにした場合には、消費インク量の大幅な削減化及び試し印刷動作に要する時間の大幅な短縮化を図ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
【出願日】 平成14年5月13日(2002.5.13)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開2003−326814(P2003−326814A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−137167(P2002−137167)