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【発明の名称】 モータ駆動制御装置
【発明者】 【氏名】木川 伸一
【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号 船井電機株式会社内

【要約】 【課題】PWM電圧制御に寄与しない無駄な時間を無くすように制御することで、印字速度(スループット)の向上を図る。

【解決手段】キャリッジを駆動するキャリッジモータ18をPWM電圧制御で駆動制御するCPU12及びASIC11を備えたモータ駆動制御装置であって、キャリッジの移動速度を検出する速度検出部20を備え、CPU12は、電源をオンしたときのキャリッジモータ18の駆動時、キャリッジモータ駆動部17を制御して、0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行ってキャリッジモータ18を駆動制御するとともに、速度検出部20の検出結果に基づいてキャリッジモータ18が回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてRAM14に記憶し、その後のキャリッジモータ18の駆動時には、この駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印字ヘッドを搭載したキャリッジを駆動するDCモータをPWM電圧制御で駆動する制御手段を備えたモータ駆動制御装置であって、前記キャリッジの移動速度を検出する速度検出手段を備え、電源をオンしたときのDCモータの駆動時、前記制御手段は、0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行って前記DCモータの駆動制御を行うとともに、前記速度検出手段の検出結果に基づいてDCモータが回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてメモリに記憶し、その後のDCモータの駆動時には、この駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項2】 制御対象を駆動するDCモータをPWM電圧制御で駆動する制御手段を備えたモータ駆動制御装置であって、前記制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項3】 前記制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧より若干低い電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項4】 前記制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧の1/2の電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項5】 制御対象を駆動するDCモータをPWM電圧制御で駆動する制御手段を備えたモータ駆動制御装置であって、前記制御対象の移動速度を検出する速度検出手段を備え、電源をオンしたときのDCモータの駆動時、前記制御手段は、0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行って前記DCモータの駆動制御を行うとともに、前記速度検出手段の検出結果に基づいてDCモータが回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてメモリに記憶し、その後のDCモータの駆動時には、この駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項6】 前記制御手段は、その後のDCモータの駆動時には、前記駆動開始電圧より若干低い電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項7】 前記制御手段は、その後のDCモータの駆動時には、前記駆動開始電圧の1/2の電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動制御装置。
【請求項8】 前記制御対象が印字ヘッドを搭載したキャリッジである請求項2、3、4、6、7に記載のモータ駆動制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッドを搭載したキャリッジを駆動するDCモータをPWM電圧制御で駆動する制御手段を備えたモータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシリアルプリンタ等においては、印字ヘッドを搭載したキャリッジを駆動する駆動源として、ステッピングモータを使用するタイプのものと、DCモータを使用するタイプのものとがある。
【0003】ステッピングモータを使用するものの例としては、例えば特開平5−50616号公報に記載の記録装置がある。また、DCモータを使用するものの例としては、例えば特開平6−91977号公報に記載のモータ制御装置がある。
【0004】ここで、DCモータを使用してPWM電圧制御によりキャリッジを駆動する特開平6−91977号公報に記載のモータ制御装置について、図4に示すキャリッジの速度制御例を参照して説明する。
【0005】このモータ制御装置は、PID(比例・積分・微分)制御ループを持つサーボシステムによって行われている。すなわち、印字開始命令がコンピュータから送られてくると、プリンタのコントローラはモータ制御装置を介してキャリッジモータを起動する。
【0006】このとき、キャリッジモータに印加する電圧は、起動直後の騒音や振動が発生しないように、0Vから徐々に上げながら印加して、キャリッジを加速(加速域a)していく。その後、所定の速度で定速制御を行い印字する(定速域b)。印字終了後は速やかに減速(減速域c)して停止させる。
【0007】すなわち、加速域aにおいては、急激な速度変動によって騒音等が発生しないように、キャリッジモータへの印加電圧を0Vから徐々に上げていくように制御している。そして、このようなキャリッジモータの速度制御は、最終的には、キャリッジモータに印加する電圧のデューティ比を変化させるPWM電圧制御によって行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3(a)は、キャリッジモータの停止状態から、PWM制御にて電圧をかけていく状態を示している。一般に、DCモータを停止状態から動作させるとき、上記したように、時刻t1において0Vから徐々に上げていくように電圧を印加することにより、キャリッジを等加速度(例えば、1.2G)で制御している。この場合、DCモータには、印字ヘッドを搭載したキャリッジの重量が負荷としてかかるため、0VからPWM電圧制御を開始しても、実際には0VからDCモータは回転せず、通常、5V程度まで電圧を上げたとき(時刻t2)、DCモータが回転し始めることになる。
【0009】実際のプリンタを使用して実測したところ、電圧を0Vから5Vまで上昇させるためのPWMの制御時間(T1)は、だいたい10msec(具体的には、1パルスが2msecであり、これを5パルス出力する時間)程度であった。
【0010】つまり、電圧の印加開始(時刻t1)から10msec(T1)の間は、PWM電圧制御を行ってもDCモータは実際には回転せず、10msecを過ぎて印加電圧が5Vを超えてから(時刻t2以降)、DCモータが回転し始めて実質的なPWM電圧制御が開始されることになる。そのため、この電圧の印加開始からの10msecの時間(T1)が、PWM電圧制御としては意味のない無駄な時間になっているといった問題があった。
【0011】この問題は、印字ヘッドにより1スワス分の印字を終了し、キャリッジを停止させるためにDCモータの回転を停止させるときにも発生する。すなわち、実際には時刻t3においてキャリッジが停止してDCモータも停止しているにもかかわらず、印加電圧としては、その時点での5Vから0Vまでさらに低下させながらPWM電圧制御を行っている。そのため、この5Vから0Vまで低下させるための時間である10msec(T2)が同じく無駄な時間になっている。
【0012】本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、PWM電圧制御に寄与しない無駄な時間を無くすように制御することで、印字速度(スループット)の向上を図ったモータ駆動制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明のモータ駆動制御装置は、制御対象である例えば印字ヘッドを搭載したキャリッジを駆動するDCモータをPWM電圧制御で駆動する制御手段を備えたモータ駆動制御装置であって、前記制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とする。
【0014】このような特徴を有する本発明によれば、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧(例えば、5V)から印加してPWM電圧制御を行っているので、DCモータはすぐに回転を開始し、制御対象であるキャリッジもすぐに動作を開始して、実質的なPWM電圧制御を即座に実施することができる。これにより、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを確保できるとともに、1スワスの印字動作において、キャリッジの加速域においてDCモータに印加する電圧を0Vから5Vまで上昇させる時間と、キャリッジの減速域においてDCモータに印加する電圧を5Vから0Vまで減少させる時間とを短縮することができ、その時間分、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0015】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、前記制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧(例えば、5V)より若干低い電圧(例えば、4V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、DCモータが動き出す若干手前の電圧からの印加となるので、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を十分に向上させることができる。
【0016】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、前記制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧(例えば、5V)の1/2の電圧(すなわち、2.5V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、印加電圧を0Vから2.5Vまで上昇させる時間、及び2.5Vから0Vまで減少させる時間を短縮できるので、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0017】また、本発明のモータ駆動制御装置は、制御対象である例えば印字ヘッドを搭載したキャリッジを駆動するDCモータをPWM電圧制御で駆動する制御手段を備えたモータ駆動制御装置であって、前記制御対象の移動速度を検出する速度検出手段を備え、電源をオンしたときのDCモータの駆動時、前記制御手段は、0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行って前記DCモータの駆動制御を行うとともに、前記速度検出手段の検出結果に基づいてDCモータが回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてメモリに記憶し、その後のDCモータの駆動時には、この駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行うことを特徴とする。
【0018】このような特徴を有する本発明によれば、電源をオンしたときのDCモータの駆動時、制御手段は、従来通り0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行ってDCモータの駆動制御を行うとともに、速度検出手段の検出結果に基づいてDCモータが回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてメモリに記憶する。そして、これ以降のDCモータの駆動時には、このメモリに記憶された駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行うようになっている。
【0019】このように、電源をオンしたときに、その時点での状態でDCモータが回り出す実際の電圧値を実測し、その実測値を駆動開始電圧としてメモリに記憶しておくので、キャリッジに搭載されている印字ヘッドの状態を考慮したより正確な印字開始電圧を設定することができる。すなわち、印字を行うと、搭載されているインクカートリッジ内のインクが減少し、DCモータにかかる負荷が変化して、DCモータの回り出す電圧も変化するが、この発明によれば、このような変化に対応して駆動開始電圧を設定できる。これにより、インクカートリッジ内のインク残量に係わらず、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを確保できるとともに、1スワスの印字動作において、キャリッジの加速域においてDCモータに印加する電圧を0Vから5Vまで上昇させる時間と、キャリッジの減速域においてDCモータに印加する電圧を5Vから0Vまで減少させる時間とを短縮することができ、その時間分、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0020】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、前記制御手段は、その後のDCモータの駆動時には、前記駆動開始電圧(例えば、5V)より若干低い電圧(例えば、4V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、DCモータが動き出す若干手前からの電圧の印加となるので、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を十分に向上させることができる。
【0021】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、前記制御手段は、その後のDCモータの駆動時には、前記駆動開始電圧(例えば、5V)の1/2の電圧(2.5V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、印加電圧を0Vから2.5Vまで上昇させる時間、及び2.5Vから0Vまで減少させる時間を短縮できるので、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明のモータ駆動制御装置を搭載した印字装置(プリンタ)のシステム構成図である。
【0024】この印字装置1は、外部装置のドライバであるパソコン(上位のホストコンピュータ)2から供給される各種コマンドと印字データとに基づいて、印字動作を行う構成となっている。そのため、パソコン2と印字装置1とは、双方向通信が可能な通信ケーブル3を介して接続されている。
【0025】印字装置1は、プリンタ専用に構成された論理回路ICであるASIC11と、これを制御するファームウェアであるCPU12とを備えている。CPU12には、印字動作を実行するプログラム等が格納されているROM13、及び各種コマンドやデータを記憶するとともに印字動作時にはワークエリアとして働くRAM14がそれぞれ接続されている。
【0026】ASIC11には、図示しない記録紙を印字位置まで給紙するフィードモータ16を駆動制御するフィードモータ駆動部15、給紙された記録紙にインクを噴射等してデータの印字を行う印字ヘッド19、この印字ヘッド19を搭載したキャリッジ18を記録紙の送り方向に対して直交する方向に往復移動させるためのDCモータであるキャリッジモータ17を駆動制御するキャリッジモータ駆動部16、キャリッジの移動速度を検出する速度検出部20、及び電源をオン/オフする電源キー(図示省略)等を有するキー入力部21がそれぞれ接続されている。ASIC11は、CPU12からの制御により、フィードモータ駆動部15及びキャリッジモータ駆動部17を制御してフィードモータ16及びキャリッジモータ18をそれぞれ駆動制御するとともに、印字ヘッド19による印字動作を制御する。
【0027】また、キャリッジモータ駆動部17は、CPU12及びASIC11の制御により、速度検出部20の検出結果に基づいてキャリッジモータ18をPWM電圧制御により駆動制御するようになっている。なお、PWM電圧制御自体については、従来周知の制御方法であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0028】また、CPU12及びASIC11は、電源キーが押されて装置の電源がオンされた後、最初の印字動作におけるキャリッジモータ18の駆動時には、従来通り0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行うように、キャリッジモータ駆動部17を制御する。そして、このときの速度検出部20の検出結果に基づいてキャリッジモータ18が回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてRAM14の所定のエリアに記憶する。
【0029】すなわち、装置の電源をオンしたときに、その時点での状態でキャリッジモータ18が実際に回り出すときの電圧値を実測し、その実測値を駆動開始電圧としてRAM14に記憶しておく。これにより、キャリッジに搭載されている印字ヘッドの状態を考慮したより正確な印字開始電圧を設定することができる。
【0030】この後、再び電源キーが押されて装置の電源がオフされるまでの間、その後の印字動作によるキャリッジモータ18の駆動時には、この駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行うようにキャリッジモータ駆動部17を制御する。
【0031】次に、上記構成の印字装置による印字動作開始時のキャリッジモータ18の駆動制御例について、図2に示すフローチャート及び図3に示すキャリッジモータの制御例を参照して説明する。
【0032】CPU12は、印字装置1の図示しない電源キーが操作されてパワーオン状態になると、印字動作の待機状態となる。
【0033】この状態において、パソコン2からペーパロードコマンドが送信されてくると、このペーパロードコマンドを受信したCPU12は、フィードモータ駆動部15を制御してピック動作、スキュー調整動作、TOF動作、ファーストフィード動作(これらの動作については従来周知であるので説明を省略する)を順次行って、記録紙を印字開始位置にセットする。
【0034】この後、パソコン2から送信されてくるデータをASIC11の図示しないバッファに蓄積すると、印字動作を開始するのであるが、このとき、CPU12は、この印字動作が電源オン後、最初の印字動作であるか否かを判断する(ステップS1)。
【0035】この判断は、例えばCPU12の図示しない内部メモリに印字フラグを格納し、その印字フラグに0が設定されている場合には、最初の印字動作であると判断する。また、最初の印字動作であると判断した後は、この印字フラグを1に設定する。そして、印字フラグが0に設定されていることによって最初の印字動作であると判断した場合(ステップS1でYesと判断した場合)には、キャリッジモータ駆動部17を制御して、従来通り0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行って、キャリッジモータ18の駆動制御を行う(ステップS2)。従って、このときのキャリッジモータ18の動作状態は、図3(a)に示す状態となる。
【0036】このとき、CPU12は、速度検出部20からの検出信号を監視して、キャリッジモータ18が回り出すタイミングを監視している(ステップS3)。
【0037】ここで、速度検出部20は、例えばパルスエンコーダを用いることが可能である。このパルスエンコーダでキャリッジモータ18の回転軸の回転を直接検出するようにしておけば、キャリッジモータ18が回り出すタイミングや回転速度(すなわち、キャリッジの移動速度)を検出することができる。
【0038】そして、キャリッジモータ18が回り出したことを、速度検出部20から検出パルスが入力されることによって確認すると(ステップS3でYesと判断されると)、その時点でキャリッジモータ18に印加されている電圧値をキャリッジモータ駆動部17から検出(取得)し、この検出電圧値(例えば、5V)を駆動開始電圧としてRAM14の所定のエリアに記憶する(ステップS4)。このとき、前回の駆動開始電圧のデータがRAM14に残っている場合には、これに上書きする形で今回の駆動開始電圧データを記憶する。これ以降のキャリッジモータ18の駆動時には、このRAM14に記憶された駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行うことになる。
【0039】すなわち、CPU12は、パソコン2からペーパロードコマンドが送信され、続いて送信されてきた印字データをASIC11の図示しないバッファに蓄積すると、内部メモリに格納されている印字フラグを確認する。その結果、印字フラグが1である場合には、電源オン後、2回目以降の印字動作であると判断し(ステップS1でNoと判断されるので)、CPU12は、キャリッジモータ駆動部17を制御して、RAM14に記憶されている駆動開始電圧(例えば、5V)から徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行って、キャリッジモータ18の駆動制御を行う(ステップS5)。従って、このときのキャリッジモータ18の動作状態は、図3(b)に示す状態となる。すなわち、初回の印字動作時間に比べて、1スワス分の印字動作がT1+T2時間分だけ短くなっている。
【0040】なお、電源オン状態で図示しない電源キーが操作されると、CPU12は、内部メモリに格納されている印字フラグを1から0にリセットした後、装置の電源をオフとする。
【0041】このように、電源をオンしたときに、その時点での状態でキャリッジモータ18が回り出す実際の電圧値を実測し、その実測値を駆動開始電圧としてRAM14に記憶しておくので、キャリッジに搭載されている印字ヘッドの状態を考慮したより正確な印字開始電圧を設定することができる。
【0042】すなわち、印字を行うと、搭載されているインクカートリッジ内のインクが減少し、キャリッジモータ18にかかる負荷が変化して、キャリッジモータ18の回り出す電圧も変化するが、上記の駆動制御例によれば、このような変化に対応して駆動開始電圧を設定できる。
【0043】これにより、インクカートリッジ内のインク残量に係わらず、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを確保できるとともに、1スワスの印字動作において、キャリッジの加速域においてキャリッジモータ18に印加する電圧を0Vから5Vまで上昇させる時間T1と、キャリッジの減速域においてキャリッジモータ18に印加する電圧を5Vから0Vまで減少させる時間T2とを短縮することができ、その時間分、印字速度(スループット)を向上させることができるものである。
【0044】なお、上記動作例では、ステップS5において、2回目以降の印字動作を、駆動開始電圧(例えば、5V)から徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行う構成としているが、キャリッジモータ18の動きだしをよりスムーズに行うために、駆動開始電圧(例えば、5V)より若干低い電圧(例えば、4V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、キャリッジモータ18が実際に動き出す若干手前の電圧からの印加となるので、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を十分に向上させることができる。
【0045】また、ステップS5の印字動作としては、この他にも、駆動開始電圧(例えば、5V)の1/2の電圧(すなわち、2.5V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合にも、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、印加電圧を0Vから2.5Vまで上昇させる時間、及び2.5Vから0Vまで減少させる時間を短縮できるので、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0046】さらに、上記動作例では、装置の電源オン時に、キャリッジモータ18の負荷を見て、駆動開始電圧をその都度設定する構成としているが、キャリッジモータ18が回り出すタイミングの電圧は、インク残量による負荷の変化を無視すれば、装置単位若しくは機種単位でだいたい決まっているので、装置単位若しくは機種単位で予め設定しておき、印字動作の開始時には、常にその設定電圧値(駆動開始電圧)から徐々に上げていくようにPWM電圧制御を行うように構成してもよい。具体的には、インク残量がゼロのときにキャリッジモータ18が回り出すタイミングの電圧を、駆動開始電圧として予め設定しておけばよい。
【0047】
【発明の効果】本発明のモータ駆動制御装置によれば、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧(例えば、5V)から印加してPWM電圧制御を行っているので、DCモータはすぐに回転を開始し、制御対象であるキャリッジもすぐに動作を開始して、実質的なPWM電圧制御を即座に実施することができる。これにより、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを確保できるとともに、1スワスの印字動作において、キャリッジの加速域においてDCモータに印加する電圧を0Vから5Vまで上昇させる時間と、キャリッジの減速域においてDCモータに印加する電圧を5Vから0Vまで減少させる時間とを短縮することができ、その時間分、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0048】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧(例えば、5V)より若干低い電圧(例えば、4V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、DCモータが動き出す若干手前からの電圧の印加となるので、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を十分に向上させることができる。
【0049】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、制御手段は、DCモータの駆動時、DCモータが実際に回り出す電圧(例えば、5V)の1/2の電圧(すなわち、2.5V)から印加してPWM電圧制御を行うように構成してもよい。この場合には、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを十分に確保することができる。また、印加電圧を0Vから2.5Vまで上昇させる時間、及び2.5Vから0Vまで減少させる時間を短縮できるので、従来の駆動制御と比べても、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【0050】また、本発明のモータ駆動制御装置によれば、電源をオンしたときのDCモータの駆動時、制御手段は、従来通り0Vから徐々に電圧を上げながらPWM電圧制御を行ってDCモータの駆動制御を行うとともに、速度検出手段の検出結果に基づいてDCモータが回り出したときの電圧値を検出し、この検出電圧値を駆動開始電圧としてメモリに記憶する。そして、これ以降のDCモータの駆動時には、このメモリに記憶された駆動開始電圧から印加してPWM電圧制御を行う構成としている。このように、電源をオンしたときに、その時点での状態でDCモータが回り出す実際の電圧値を実測し、その実測値を駆動開始電圧としてメモリに記憶しておくので、キャリッジに搭載されている印字ヘッドの状態を考慮したより正確な印字開始電圧を設定することができる。すなわち、印字を行うと、搭載されているインクカートリッジ内のインクが減少し、DCモータにかかる負荷が変化して、DCモータの回り出す電圧も変化するが、この発明によれば、このような変化に対応して駆動開始電圧を設定できる。これにより、インクカートリッジ内のインク残量に係わらず、従来と同様、振動等の無いキャリッジのスムーズな動きだしを確保できるとともに、1スワスの印字動作において、キャリッジの加速域においてDCモータに印加する電圧を0Vから5Vまで上昇させる時間と、キャリッジの減速域においてDCモータに印加する電圧を5Vから0Vまで減少させる時間とを短縮することができ、その時間分、印字速度(スループット)を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号
【出願日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−326791(P2003−326791A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−135909(P2002−135909)